JP2002252436A - 両面積層板およびその製造方法 - Google Patents

両面積層板およびその製造方法

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亮平 小山
Yuji Ito
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度実装が可能なビアホール充填型多層プ
リント配線板において高信頼性を得られる構造とその製
造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁層1とその両面に積層された導体回
路層2からなる両面積層板において、ビアホールを充填
している金属円柱部分3の断面積が絶縁層の中央部の断
面積より大きい断面積を持つ部分5を持つ構造とする。
また、その構造を得るため絶縁層1の中央部は耐熱フィ
ルム7とし、その両側に耐熱性の低い接着剤層6を配置
した絶縁層を使い、熱エネルギーを含むレーザー光で穴
あけをし、耐熱性の差を利用して断面積の変化を作る製
造方法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度実装が可能
なビアホール充填型多層プリント配線板の製造用材料と
なる両面積層板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種の電子部品を実装するプリント配線
板は、CPU、メモリー等の半導体のチップやパッケー
ジの実装端子密度の上昇に伴い、それらを実装するため
の端子用パッド配線やビアホールの微細化が求められて
いる。特に、エリアアレイ型の端子配列を有するBGA
やCSP,あるいはフリップチップを実装する配線板に
おいては、最も高密度な配線板が求められ、配線の微細
化と同時にビアホールの微細化が重要な技術と考えられ
ている。従って、プリント配線板の製造用材料である絶
縁樹脂シートや両面積層板においても、ビアホールの微
細化が要求されている。従来のプリント配線板の製造に
おいては、ドリル加工によってビアホール用の穴を加工
することが一般的であった。しかし、穴の直径が約20
0ミクロン以下になると、ドリルによる穴開け加工は技
術的に大変難しいものであった。
【0003】近年開発された各種ビルドアッププリント
配線板工法では、液状樹脂の塗工または樹脂シート積層
等の方法により、絶縁層の薄膜化が進み、また、穴開け
加工をドリル加工からフォトビア法やレーザービア法に
することで、ビアホールの直径を200ミクロン以下に
小径化することが可能となった。また、一般的な逐次積
層型のビルドアッププリント配線板工法では、無電解め
っきや必要に応じて電解めっきを用いて、ビアホールの
内壁に沿って金属層を形成する方法が用いられ、このビ
アホール内壁の金属層により、該プリント配線板の両面
の金属層を導通させている。
【0004】しかし、今後のさらなる実装端子密度の向
上に対応するためには、穴の内壁に沿って銅などの金属
めっき層を形成するよりも、穴全体を導電性材料により
充填する方が、次のような点で有利であると考えられて
いる。すなわち、電気抵抗が小さくなる点や、ビアホー
ルの上に実装用パッドを形成するパッドオンビアや、ビ
アホールの上にさらにビアホールを形成するビアオンビ
ア構造が可能で、高密度実装に対して極めて有効である
点等である。その様な方法として、電解めっきによりビ
アホール内に銅等のめっき金属を充填した後、回路面上
に突出して析出した過剰な金属めっきを、研磨により除
去する方法などが試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電解め
っきでビアホール内に銅等のめっき金属を充填して得ら
れたビアホールも穴径が50μm以下になると、両面の
回路の電気的接続を取りつつ環境温度の変化で絶縁層の
厚みが変化して発生するビアホールを引き剥がす応力に
対しそれを支える強度が十分とは言えなくなる。本発明
は、上記のような従来技術の問題点を解決し、高密度実
装が可能なビアホール充填型多層プリント配線板を製造
することができて、且つ微細なビアホールを有する、製
造が容易な両面積層板、ならびにそれらの製造方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するため、以下に述べるビアホール構造とそれに
適した製造方法を見出し、本発明をなすに至った。すな
わち、本発明に係る請求項1記載の両面積層板は、絶縁
層の上下両側に導体回路層とビアホールとを有する両面
積層板において、前記ビアホールは完全に金属に充填さ
れ、ビアホールの穴径は深さ方向で異なり、最大穴径は
最小穴径に対し110%〜200%の範囲であることを
特徴とする。
【0007】このことによりビア金属全体が絶縁層に接
着ではなく形状として固定されるので熱履歴により絶縁
層が厚み方向に伸縮しても厚方向の熱膨張率差による応
力がビア金属全体で支えるので信頼性が高い。また、本
発明に係る請求項2記載の両面積層板は、請求項1記載
の両面積層板であって、前記絶縁層は耐熱フィルムとそ
の両側の接着剤層とからなり、前記最小穴径は前記耐熱
フィルム部分に位置し、前記最大穴径は前記接着剤層部
分に位置することを特徴とする。
【0008】このことでビアの厚み方向の熱膨張による
応力を支えるビア断面方向のくびれが2カ所になるため
更に信頼性が高い。また、ビアをくびれでさえるととも
に、弾性係数の大きな絶縁層の中心部の耐熱フィルムが
ビアを抜けない構造とするため信頼性を上げることがで
きる。また、本発明に係る請求項3記載の両面積層板の
製造方法は、耐熱性の異なる多層の絶縁層を中央部分よ
り耐熱性の劣る層を前記中央部分の両面に積層し、更に
前記絶縁層の両面に金属層を積層し、ビアホール部分の
前記金属層の一層を除去し、該除去された領域の一部に
熱エネルギー手段により前記絶縁層を開口し、該開口さ
れた穴を前記金属層の他層に通電する電解メッキで金属
充填し、該金属充填されたビアホールで前記金属層の一
層と他層とを電気的に接続することを特徴とする。以上
の発明のより、弾性係数の大きな絶縁層の中心部の耐熱
フィルムがビアを抜けない構造を持つビアが容易に形成
され低コストな両面積層板が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】本願発明について、具体的かつ詳
細に説明する。 (絶縁層)本願の両側に導体回路層を持つ両面積層板に
おいて絶縁層とは所謂FR−4に代表されるプリント基
板用ガラスクロスエポキシ基板でも良いが、熱エネルギ
ーを含む光エネルギー例えばレーザーにより穴開けがで
きることが好ましい。特に本願に適するのはガラスクロ
スを含まない接着樹脂、およびその厚みの中心に配置さ
れるフィルム基材からなる。
【0010】特に本願のビア構造を容易に形成するため
には、中心に耐熱フィルムとその両側に両面銅箔を接着
保持しているの接着剤層からなる構造がより好ましい。 (ビアホールとその穴径)本願の適用されるのはビルド
アップ基板でありより高密度を狙うため隣接銅箔層間の
接続は貫通スルーホールではなく、穴径が0.2〜0.
005mmのビアホールであり、そのためには主にレー
ザー孔開けが使用される。0.05mm程度までは炭酸
ガスレーザ、逆に0.07mm以下になると紫外線レー
ザーたとえばYAGレーザーの3倍高調波やエキシマー
レーザーが好ましく用いられる。
【0011】(開口工程)本願のビア構造を得るために
は例えば初め両面銅貼基板にドライフィルムレジストと
エッチングを使い、ビア予定個所に銅箔の片面のみ銅箔
の穴を形成する。次にレーザービームの焦点を穴開けて
いない銅箔面に合わせ、穴を明けた銅箔面ではビームを
焦点面より大きくして加工を行う。これにより穴を開け
ていない側より穴を開けた銅箔面で大きくすることがで
きる。
【0012】また別のより好ましい方法は絶縁層を上記
の記載のように両側に接着剤層を有する耐熱フィルムと
する。耐熱フィルムとはその両側の接着剤層よりTgの
高いもので一般的にはポリイミド、アラミドなどのフィ
ルムが使用可能である。接着剤層は耐熱フィルムよりT
gの低い樹脂でエポキシ系、アクリル系接着剤が使え
る。また耐熱フィルムのTgより低ければポリイミド系
樹脂でも使える。上記のような絶縁層を持つ両面銅貼板
を前述のように片面の銅箔をドライフィルムとエッチン
グ法を使って片面のみ穴を形成する。
【0013】次にレーザー、特に熱加工モードのビーム
を用いて耐熱フィルムに所定の穴径の穴が開くエネルギ
ーを使って穴を開ける。これにより接着剤層は耐熱性が
低いため耐熱フィルム層より大きな面積穴が形成され
る。従って接着剤層では穴が大きくなり、フィルム層で
はそれより小さく、反対側の接着剤層では穴が再び大き
くなる。この結果、ビアホールの穴径は、絶縁層厚み方
向で変化し、ほぼ絶縁層の中央部で極小を持ち、該絶縁
層の中央部とその両側の導体回路のある面までの位置に
それぞれ極大値を持つ様に変化する。穴の最大径は、最
小径に対しレーザービームの焦点を変化させる方法で1
10%〜100%、絶縁層に耐熱フィルムと接着剤層の
構成にすることで130%〜200%の範囲で形成する
ことができる。
【0014】なお、110%以下の場合、断面積が変化
することによる信頼性の向上はほとんど見られない。一
方200%を越えると最も小さい部分でビアホールを充
填している金属にクラックが入り易くなる。 (ビアホールの金属充填方法)両面積層板においてビア
ホールが完全に金属により充填されている基板は下記の
方法で形成できる。
【0015】上記の両面銅貼板の片面銅箔と絶縁層に穴
を形成した基板の、穴を形成していない面の全面を絶縁
体でマスキングする。これは絶縁塗料を塗布するか、銅
箔の穴を形成するときに使用するドライフィルムを貼っ
ておいても良い。また剥離可能な粘着フィルムを貼って
おいても良い。次に、マスキングした銅面を陰極とし電
解銅めっき槽に挿入して電解めっきを行う。これにより
先に形成されたビアホールには、電解銅が穴底部から充
填され穴を形成した銅箔面に達し更に銅箔穴の端部と接
合される。
【0016】このまま銅箔面の回路形成を行っても良い
が、表面をバフ研磨機やベルト研磨機で研磨し銅箔面を
平坦にすることでよりファインな回路を形成することが
できる。 (導体回路層)本願においては、両面積層板において絶
縁層の両側に合計2層の導体回路を形成する。導体回路
を形成する方法は銅などの金属箔を絶縁層の両側に接着
しておく。その後回路にするには大まかに言って2つの
方法がありいずれでもかまわない。
【0017】まず第1の方法は接着した金属箔の表面に
ドライフィルムレジストなどの感光性材料により回路パ
ターンを形成したのち金属箔を溶解する溶液によりレジ
ストの形成されていない部分を除去すれば良い。この場
合レジストは導体として残す部分にレジストが残留する
ようなパターンを形成する。次に、第2の方法は第1の
方法の様に金属箔表面にレジストにより回路パターンを
形成するが、最終的に回路とする部分以外にレジストが
残留するようなパターンを形成する。その後金属箔を陰
極として電解めっきを行いレジストが除去されている部
分に導電性金属例えば銅を析出させ、次にレジストを除
去してレジストの下にある初め設けた金属箔をエッチン
グ除去する。
【0018】(耐熱フィルム)本願における絶縁層の一
部に使われる耐熱フィルムは 主に強度や寸法精度など
機械的特性を担う絶縁フィルムの素材としては、絶縁性
樹脂単独または絶縁性樹脂と添加材との複合材料があげ
られる。絶縁性樹脂の例としては、ポリエステル系樹
脂、ポリイミド系樹脂、アラミド系樹脂、液晶性樹脂、
熱硬化系ポリフェニレンエーテル系樹脂、BTレジン等
の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などがあげられ、これら
は単独または2種以上混合して用いられる。また、これ
らは、その用途により、耐熱性、誘電率、コストなどの
要求に応じて選定される。
【0019】また、一般的な銅張り積層基板用に用いら
れる絶縁層も、絶縁フィルムとして使用可能である。例
えば、紙フェノール系、ガラスエポキシ系、樹脂フィラ
ーコンポジット系の基板などである。特に、アラミド樹
脂および液晶性樹脂のフィルムは、弾性率が高いため
に、他の材料に比べ薄膜化が容易である。そのため、配
線パターンの微細化に対して有利で好ましい。
【0020】また、フィルム面方向の線膨張係数が小さ
いので、積層時にビアホールの位置合わせが容易で、精
度の高い積層を行うことができる。参考として、表1に
アラミドフィルムおよび絶縁フィルムに使用される他の
代表的な材料の物性を示す。 〔表1〕 アラミド ポリイミド ポリエステル ガラス転移点(℃) 355 385 80 線膨張率(/k) 4×10-6 20×10-6 17×10-6 弾性率(kg/mm2) 1500 300 400 膜厚(μm) 4.5〜12 25〜50 20〜100
【0021】(接着剤層)絶縁層を耐熱フィルムで構成
する場合導体回路層を耐熱フィルムに固定し且つ絶縁を
維持するため接着剤層を形成る。一般的に銅張り積層基
板用として用いられている熱硬化性樹脂系や熱可塑性樹
脂系、またはその複合材が使用可能である。これらは、
接着する相手材との組み合わせに応じて、接着性、電気
特性、耐熱性、硬化条件、コストなどの要件に基づき選
定することができる。例えば、一般的なものとして、エ
ポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、
フッ素化ポリイミド樹脂系、ポリアミドイミド樹脂系、
ポリエステル樹脂系、フッ素樹脂系等やその複合系があ
げられる。
【0022】ただし、前記開口工程に適用可能な手法で
あるエッチングや、前記選択めっき工程に適用可能な手
法である電解めっきの際に、それぞれの工程における処
理液に浸漬されても、接着性等の特性が変質しないもの
が好ましい。このような観点から、耐熱性の熱可塑性樹
脂を主体とした接着剤は、処理液に溶出しやすい低分子
化合物の含有率が小さいため好ましい。積層方法として
は、接着剤溶液を絶縁フィルム表面に直接塗布し乾燥す
る方法や、他のフィルムに塗布後ラミネータで積層する
方法、インフレーション法などにより薄膜化したフィル
ムを熱圧着する方法などがあげられる。 また、必要に
応じて絶縁フィルム表面を表面処理することにより、接
着剤層との接着強度を向上させることができる。一般的
な表面処理法としては、シラン系カップリング剤などに
よる表面処理、コロナ処理、プラズマ処理などがある。
【0023】接着剤層の厚みは、均一で、積層時に銅箔
等の金属層や多層基板との間に空隙が生じない範囲であ
れば、薄い方が好ましい。多層基板と積層する場合は、
回路パターン層の厚みに応じて接着剤層の厚みを最適化
し、回路パターン層の周囲に空隙が生じないようにする
必要がある。 (金属層)絶縁層の両側に形成され導体回路層を形成す
るため使われる、導電体からなる層を金属層と呼ぶ。導
体回路を形成する方法は主にエッチングによる方法とめ
っきによる方法がある。エッチングによる方法はこの金
属層上にドライフィルムなどのレジストパターンを形成
後金属層のレジストにマスキングされていない部分をエ
ッチング液で除去して回路を得る。めっきによる方法は
やはりレジストを金属層上に形成するがこの方法の場合
レジストが無い部分が回路になり、レジストが有る部分
が回路間のギャップになる。レジストを形成後、金属層
を陰極として電解めっきを行い導電性金属を析出させ、
次にレジストを剥離してレジストの下の金属層を除去し
て導体回路を形成する。
【0024】金属層は上記の工程から均一な導電性が要
求され、一般には3〜35μm厚みの銅箔が用いられ
る。銅箔は接着剤層により耐熱フィルムに接着固定され
るが、銅箔が9μm以下の厚みの場合銅箔自体をハンド
リングするための支持層(厚い銅箔やアルミ箔)ごと接
着し、接着剤層の硬化後支持層を剥離する。また、更に
薄い金属層が必要な超ファインな回路形成する場合は接
着剤層上に金属を蒸着やスパッタ−で形成してもよい。
この場合、厚みは0.01〜1μm程度が形成可能であ
る。なお蒸着スパッタ−後に再度無電解めっきや電解め
っきを行い所望の厚みまで厚くする方法も考えられる。
金属層の材質は導電性があれば何でも良いが、導電率な
どから銅がもっとも好ましい。
【0025】(選択めっき工程について)開口工程にお
いて開けられたビアホール用の穴に選択的にめっき金属
を充填するためのメッキ法としては、電解めっき法等が
適用可能である。特に、プリント配線板で用いられる一
般的な電解銅メッキ法が好ましく採用される。例えば、
硫酸銅法、ピロリン酸銅法などがあげられる。電解めっ
きは、金属層との十分な接続信頼性を得るため、前記上
側の金属層の上面と同等かそれ以上の高さまで行うのが
好ましい。必要に応じてめっき表面を貴金属またはその
他の金属でめっき表面処理し、積層時の層間接続信頼性
の向上を図ることができる。
【0026】
【実施例1】本発明を実施例に基づいて説明する。ここ
で[図3]を模式断面図として使って説明する。厚み4.
5μmのアラミドフィルム7(旭化成株式会社製商標ア
ラミカフィルム)の両側に株式会社有沢製作所製エポキ
シ接着剤シート6(AY−10厚み15μm)を両側に
ラミネートする。(ロール温度は80度、ラミ速度1.
5m/分)次に両側に古川サーキットフォイル株式会社
製のキャリアーなし9μm銅箔2を130℃、ラミ速度
1.5m/分でラミし、その後真空プレスで180度6
0分10kg/cm2でプレス硬化させた。
【0027】次にドライフィルムレジスト8(旭化成株
式会社サンフォートAQ−4038)を両面銅箔上にラ
ミし、片面のみ直径90μmのレジストの穴81が形成
されるように露光現像した。そして塩化銅エッチング液
でエッチングして片面の銅箔にのみ直径100μmの穴
82を形成した。更に形成された銅箔の穴の中央部を狙
って炭酸ガスレーザで1穴当たり2.8mJのエネルギ
ーで穴開けを行った。その結果、絶縁層には穴が形成さ
れた銅箔と反対側の銅箔面の手前までの穴83が形成さ
れた。顕微鏡で観察したところ、銅箔に接着している接
着剤層は銅箔とほぼ同じ直径の穴5が形成されたが、ア
ラミドフィルムには直径80μmの穴4が開いた。
【0028】次に、両側の銅箔上に形成されているドラ
イフィルムをマスキングとして、穴を開けていない銅箔
を陰極として硫酸銅による電解めっきを70分行った。
このめっきにより穴の開いた銅箔の面と反対側の面の銅
箔層から成長しためっき銅9が銅箔の穴に達し穴端部で
導通した。両面のドライフィルムを除去した後、形成さ
れたビアホールの中心を切断して断面を測長顕微鏡で観
察した結果アラミドフィルムには直径80μmの穴4が
アラミドフィルムの両側の接着剤層には両側とも直径1
05μmの穴5が形成されかつそれぞれの部分は銅金属
がボイド無く充填されていた。
【0029】
【発明の効果】本願のビアホールは、穴の断面積が絶縁
層の厚み方向に変化しているため絶縁層に、ビアホール
を形成している金属層が強固に固定されるので信頼性が
高い。また本願の耐熱フィルムとその両側の接着剤層か
らなる絶縁層はレーザーなどの熱エネルギーを有する方
法で開口することで容易にビアホールの穴の断面積を絶
縁層の厚み方向に変化させることができ、かつ電解めっ
きを使うことでその穴に導電性金属を確実に充填できる
ので更に信頼性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の両面積層板のビアホール断面構造を
示す模式図である。
【図2】本願発明の両面積層板のビアホール断面構造を
示す模式図である。
【図3】本願発明の両面積層板の製造方法を断面模式図
により工程を追って示すものである。
【符号の説明】
1:絶縁層 2:導体回路層 3:ビアホールを充填している金属円柱部分 4:ビアホールの断面積で、ほぼ絶縁層の中央部にあっ
て断面積の極小部分 5:ビアホールの断面積で、絶縁層の中央部から両側の
導体回路のある面まで間の位置で断面積の極大値となる
部分 6:接着剤層 7:耐熱フィルム 8:ドライフィルムレジスト 81:形成されたドライフィルムレジストの穴 82:銅箔に形成された穴 83:絶縁層に形成された穴 9:ビアホールに充填されたメッキ金属

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁層の上下両側に導体回路層とビアホー
    ルとを有する両面積層板において、前記ビアホールは完
    全に金属に充填され、ビアホールの穴径は深さ方向で異
    なり、最大穴径は最小穴径に対し110%〜200%の
    範囲であることを特徴とする両面積層板。
  2. 【請求項2】前記絶縁層は耐熱フィルムとその両側の接
    着剤層とからなり、前記最小穴径は前記耐熱フィルム部
    分に位置し、前記最大穴径は前記接着剤層部分に位置す
    ることを特徴とする請求項1記載の両面積層板。
  3. 【請求項3】耐熱性の異なる多層の絶縁層を中央部分よ
    り耐熱性の劣る層を前記中央部分の両面に積層し、更に
    前記絶縁層の両面に金属層を積層し、ビアホール部分の
    前記金属層の一層を除去し、該除去された領域の一部に
    熱エネルギー手段により前記絶縁層を開口し、該開口さ
    れた穴を前記金属層の他層に通電する電解メッキで金属
    充填し、該金属充填されたビアホールで前記金属層の一
    層と他層とを電気的に接続することを特徴とする両面積
    層板の製造方法。
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