JP2002014223A - 黄色フィルタ層を有する色フィルタアレイおよびその製造方法 - Google Patents

黄色フィルタ層を有する色フィルタアレイおよびその製造方法

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JP2002014223A
JP2002014223A JP2000198914A JP2000198914A JP2002014223A JP 2002014223 A JP2002014223 A JP 2002014223A JP 2000198914 A JP2000198914 A JP 2000198914A JP 2000198914 A JP2000198914 A JP 2000198914A JP 2002014223 A JP2002014223 A JP 2002014223A
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photosensitive resin
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Kazuhiro Machiguchi
和宏 町口
Yuji Ueda
裕治 植田
Hirotake Marumichi
博毅 円道
Yoshinori Uchida
好則 内田
Masahiro Sayama
征博 狭山
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sony Corp
Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • G02OPTICS
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    • G02B5/00Optical elements other than lenses
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光光に対する良好な透過性を備えて短時間
で形成し得ると共に、良好な耐光性を備えた感光性樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 基体上に黄色フィルタ層を有してなり、
該黄色フィルタ層は波長400〜500nmに吸収極大
を有するピリドンアゾ系色素を含有し透過率が波長45
0nmで5%以下であり波長535nmで80%以上で
あり波長650nmで90%以上であることを特徴とす
る色フィルタアレイ。ポジ型またはネガ型感光性樹脂組
成物をパターンニングして黄色フィルタ層を形成する工
程により形成することができる。この色フィルタアレイ
は、電荷結合素子の前面側に配置されて固体撮像素子に
用いられる。液晶表示素子にも用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体撮像素子や液
晶表示素子をカラー化するために用いられる色フィルタ
アレイおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体撮像素子や液晶表示素子をカラー化
するために素子上に形成される色フィルタアレイとし
て、基体(1)上の同一平面に隣接して形成された黄色
フィルタ層(Y)、マゼンタ色フィルタ層(M)および
シアン色フィルタ層(C)からなる色フィルタアレイ
(2)が知られている(図1)。かかる色フィルタアレ
イ(2)において各フィルタ層(Y、M、C)は帯状の
パターン(図2)や、格子状(モザイク状)のパターン
(図3)で形成されている。
【0003】かかる色フィルタアレイの製造方法として
は種々の方法が提案されている。中でも色素を含有する
感光性樹脂組成物を露光し、現像することによってパタ
ーンニングする工程を所要の回数だけ繰返しおこなう、
いわゆるカラーレジスト法は、広く実用化されている方
法である。
【0004】カラーレジスト法に用いられる感光性樹脂
組成物としては、色素として顔料を用いたものが広く普
及している。しかし、顔料は粒状であり、現像液に溶解
しないために現像残渣が生じるという問題があり、微細
なパターンの形成には不向きであった。
【0005】微細なパターンの色フィルタアレイを得る
ことができる感光性樹脂組成物として、色素として染料
を用いた感光性樹脂組成物も知られている。例えば特開
平6−75375号公報には染料を含有するネガ型感光
性樹脂組成物が記載されており、特公平7−11148
5号公報にはポジ型感光性樹脂組成物に用いられる溶剤
に可溶な染料を乾燥重量比で10〜50%含有するポジ
型感光性樹脂組成物が記載されている。
【0006】ところで、かかる感光性樹脂組成物に用い
られる色素には、色フィルタアレイを製造するために以
下の2つの性能が求められている。 (1)露光光に対する良好な透過性、即ちパターンを作
成するときに用いる露光光に対する透過率が高く、短時
間で露光してパターンを形成し得ること (2)良好な耐光性、即ち通常の使用状態で染料の褪色
による所謂焼付を起こさないこと
【0007】しかしながら、従来の感光性樹脂組成物に
用いられている染料には、上記の2つの性能を全て満足
するものはなかった。具体的に前述の特公平7−111
485号公報に記載の色フィルタについて説明すれば、
同公報には黄色フィルタ層に含有される色素としてシー
・アイ・ソルベント・イエロー88(ピラゾロンアゾ系
色素)が記載されている。しかし、この染料はi線、g
線などの可視光線ないし近紫外線の吸収が大きいため露
光に長時間を要する。実際、同公報によれば、該感光性
樹脂組成物を用いて黄色フィルタ層を形成するために要
した露光時間は20秒である。
【0008】かかる問題を解決するには、可視光線ない
し近紫外線の吸収の小さい色素を用いればよいが、従来
の感光性樹脂組成物に用いられているこのような色素で
は一般に耐光性が十分満足できるものであるとは言え
ず、また、感光性樹脂組成物に対する溶解度が小さくて
高濃度で含有させることも困難であり、実用的な黄色フ
ィルタ層を有する色フィルタアレイを製造することは困
難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、露光光に対する良好な透過性を備えて短時間で形成
し得ると共に、良好な耐光性を備えた感光性樹脂組成物
を開発するべく鋭意検討した結果、特定の色素を用いる
ことにより、短い露光時間で形成し得、しかも良好な耐
光性を備えた黄色フィルタ層を得ることができることを
見出し本発明に至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、基
体上に黄色フィルタ層を有してなり、該黄色フィルタ層
は波長400〜500nmに吸収極大を有するピリドン
アゾ系色素(以下、「色素(I)」と称する。)を含有
し透過率が波長450nmで5%以下であり波長535
nmで80%以上であり波長650nmで90%以上で
あることを特徴とする色フィルタアレイを提供するもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の色フィルターにおいて基
体としては、例えばシリコンウエハー、透明な無機ガラ
ス板などが挙げられる。シリコンウエハーは電荷結合素
子が形成されていてもよい。
【0012】本発明の色フィルタアレイはかかる基体の
上に黄色フィルタ層を有している。本発明の感光性樹脂
組成物は、波長400〜500nmに吸収極大を有する
色素(I)を含有するが、ここで色素(I)としては、
例えば一般式(I) 〔式中、R10は炭素数2〜10のアルキル基を示し、R
11、R12、R14はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、
ヒドロキシル基またはシアノ基を示し、R13は炭素数1
〜4のアルキル基を示す。〕で示される化合物が挙げら
れる。かかる色素(I)を含有することにより、波長4
50nmで5%以下であり波長535nmで80%以上
であり波長650nmで90%以上である黄色フィルタ
層とすることができる。
【0013】一般式(I)で示される化合物において、
置換基R10で示される炭素数2〜10のアルキル基とし
てはエチル基、プロピル基、n−ヘキシル基、n−ノニ
ル基、n−デシル基、n−ドデシル基、2−エチルヘキ
シル基、1,3−ジメチルブチル基、1−メチルブチル
基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,1,3,3−テ
トラメチルブチル基などが、R13で示される炭素数1〜
4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基などがそれぞれ例示される。
【0014】色素(I)は一般式(I)で示される化合
物を単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせて用い
てもよい。かかる色素(I)としては、例えばシー・ア
イ・ソルベント・イエロー162(C.I.Solvent Yellow
162)などが挙げられる。かかる色素(I)は、通常i
線、g線の吸収が少なく、波長400〜500nmに吸
収極大を有する染料である。
【0015】本発明の色フィルタアレイの黄色フィルタ
層は、調色、即ち分光特性の調整などを目的として他の
色素を含有していてもよい。他の色素は1種類でもよい
し2種類以上を組合わせて用いてもよい。本発明の色フ
ィルタアレイの黄色フィルタ層の波長450nmで5%
以下であり波長535nmで80%以上であり波長65
0nmで90%以上である。
【0016】本発明の色フィルタアレイは、通常のカラ
ーレジスト法により製造することができ、例えば色素を
含有する感光性樹脂組成物をパターンニングして黄色フ
ィルタ層を形成する工程を有する製造方法により製造す
ることができる。ここで、感光性樹脂組成物は色素
(I)を含有する。
【0017】感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組
成物であってもよいし、ネガ型感光性樹脂組成物であっ
てもよい。感光性樹脂組成物がポジ型感光性樹脂組成物
である場合、該組成物は、例えば上記色素並びに感光剤
およびアルカリ可溶性樹脂を含有する。
【0018】感光剤としては、通常の感光性樹脂組成物
に用いられると同様の感光剤を用いることができ、例え
ばフェノール化合物とo−ナフトキノンジアジドスルホ
ン酸化合物とのエステルなどを用いることができる。フ
ェノール化合物としては化学式(10) で示される化合物などが、o−ナフトキノンジアジドス
ルホン酸化合物としてはo−ナフトキシノンジアジド−
5−スルホン酸、o−ナフトキシノンジアジド−4−ス
ルホン酸などがそれぞれ例示される。
【0019】アルカリ可溶性樹脂とは、アルカリ性の現
像液に溶解し得る樹脂であり、通常の感光性樹脂組成物
に用いられると同様のアルカリ可溶性樹脂を用いること
ができる。かかるアルカリ可溶性樹脂としては、例えば
p−クレゾールのノボラック樹脂、p−クレゾールとm
−クレゾールとのノボラック樹脂、一般式(20) で示される構造を有するノボラック樹脂などのノボラッ
ク樹脂、ポリビニルフェノール、スチレンとビニルフェ
ノールとの共重合体などが挙げられる。アルカリ可溶性
樹脂としては、ノボラック樹脂が好ましく用いられる。
【0020】かかる感光性樹脂組成物における色素、感
光剤およびアルカリ可溶性樹脂の含有量は、色素、感光
剤およびアルカリ可溶性樹脂の合計量100重量部に対
する色素の含有量が通常10〜50重量部であり、感光
剤の含有量が通常10〜50重量部であり、アルカリ可
溶性樹脂の含有量が通常3〜50重量部である。
【0021】ポジ型感光性樹脂組成物は、硬化剤を含有
していてもよい。硬化剤を含有することにより、感光性
樹脂組成物を用いて形成されたパターンの機械的強度を
高めることができる。
【0022】硬化剤としては通常、加熱されることによ
り硬化させる加熱硬化剤が用いられる。加熱硬化剤とし
ては、一般式(30) 〔式中、Q1、Q2、Q3、Q4はそれぞれ独立に水素原
子、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基または炭素数
1〜4のアルコキシル基で置換された炭素数1〜4のア
ルキル基を示し、Zはフェニル基または一般式(31) Q56N− (31) (式中、Q5、Q6はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1
〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のアルコキ
シル基で置換された炭素数1〜4のアルキル基を示
す。)で示される置換基を示す。ただし、Q1〜Q6のう
ちの少なくとも1つは炭素数1〜4のヒドロキシアルキ
ル基または炭素数1〜4のアルコキシル基で置換された
炭素数1〜4のアルキル基である。〕で示される化合物
が例示される。かかる化合物において炭素数1〜4のヒ
ドロキシアルキル基としてはヒドロキシメチル基、ヒド
ロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブ
チル基などが、炭素数1〜4のアルコキシル基で置換さ
れた炭素数1〜4のアルキル基としてはメトキシメチル
基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシ
ブチル基がそれぞれ例示される。かかる一般式(30)
で示される化合物としてはヘキサメトキシメチルメラミ
ンなどが挙げられる。
【0023】また、ポジ型感光性樹脂組成物に用いられ
る硬化剤としては、以下の化学式(32)〜(37) で示される化合物も挙げられる。硬化剤を用いる場合、
その含有量は感光剤およびアルカリ可溶性樹脂の合計量
100重量部に対して通常10重量部以上35重量部以
下である。
【0024】ポジ型感光性樹脂組成物は通常、溶剤によ
って希釈されて用いられる。溶剤は、用いる色素
(I)、感光剤、アルカリ可溶性樹脂および硬化剤の溶
解度に応じて適宜選択されて用いられるが、例えばメチ
ルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセルソルブア
セテート、エチルセルソルブアセテート、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノイ
ソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクト
ン、ジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルホルム
アミド、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸n−ブチ
ル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢
酸エチル、ピルビン酸エチル、乳酸エチルなどを用いる
ことができる。これらの溶剤はそれぞれ単独または2種
以上を混合して用いられる。溶剤の使用量は色素、感光
剤、アルカリ可溶性樹脂および硬化剤の合計量100重
量部に対して通常は180〜400重量部程度である。
【0025】感光性樹脂組成物がネガ型感光性樹脂組成
物である場合、該組成物は、例えば上記色素並びに光酸
発生剤、硬化剤およびアルカリ可溶性樹脂を含有する。
【0026】光酸発生剤としては通常のネガ型感光性樹
脂組成物に用いられると同様の光酸発生剤を用いること
ができ、一般式(40) (式中、Q7は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Q8
炭素数1〜3のアルキル基で置換されたフェニル基また
は炭素数1〜3のアルコキシル基で置換されたフェニル
基を示す。)で示される化合物などが例示される。
【0027】Q7として示される炭素数1〜3のアルキ
ル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基などが例
示される。Q8として示される炭素数1〜3のアルキル
基で置換されたフェニル基としてはo−イソプロピルフ
ェニル基などが、炭素数1〜3のアルコキシル基で置換
されたフェニル基としてはp−メトキシフェニル基、p
−エトキシフェニル基、p−プロポキシフェニル基など
がそれぞれ例示される。
【0028】また、光酸発生剤として、化学式(41)
〜(47) で示される化合物を用いることもできる。
【0029】硬化剤としては通常のネガ型感光性樹脂組
成物に用いられると同様に、加熱さることにより硬化さ
せる加熱硬化剤が用いられ、感光性樹脂組成物がポジ型
感光性樹脂組成物である場合に例示したと同様の加熱硬
化剤を用いることができる。
【0030】アルカリ可溶性樹脂としては、通常のネガ
型感光性樹脂組成物に用いられると同様に、ポジ型感光
性樹脂組成物である場合に例示したと同様のアルカリ可
溶性樹脂を用いることができる。
【0031】かかるネガ型感光性樹脂組成物における色
素、光酸発生剤、硬化剤およびアルカリ可溶性樹脂の含
有量は、色素、光酸発生剤、硬化剤およびアルカリ可溶
性樹脂の合計量100重量部に対する色素の含有量が通
常15〜40重量部程度であり、光酸発生剤の含有量が
通常0.3〜5重量部程度であり、硬化剤の使用量が通
常10〜25重量部程度であり、アルカリ可溶性樹脂の
含有量が通常20〜75重量部程度である。
【0032】ネガ型感光性樹脂組成物は通常、溶剤によ
って希釈されて用いられる。溶剤は、用いる色素
(I)、感光剤、アルカリ可溶性樹脂および硬化剤の溶
解度に応じて適宜選択されて用いられ、感光性樹脂組成
物がポジ型感光性樹脂組成物である場合において例示し
たと同様の溶剤を用いることができる。溶剤の使用量
は、色素、光酸発生剤、硬化剤およびアルカリ可溶性樹
脂の合計量100重量部に対して通常は180〜400
重量部程度である。
【0033】かかる感光性樹脂組成物は、色素として色
素(I)を用いているので、長期間保管しても析出物が
殆ど発生せず、そのため基材に塗布してもムラが殆ど生
じないので、例えば厚みが0.5〜2μm程度で一辺の
長さが2〜20μm程度のパターンのフィルタ層を有す
る色フィルタアレイを得ることができる。
【0034】パターンニングするには、例えば基体上に
上記感光性樹脂組成物からなる被膜を設け、該被膜を露
光してのち現像すればよい。基体の上に被膜を設けるに
は、感光性樹脂組成物を希釈した溶液を基体上に塗布す
ればよい。塗布は通常、スピンコート法により行われ
る。塗布後、例えば80〜130℃程度に加熱して溶剤
を揮発させれば、感光性樹脂組成物からなる被膜を得る
ことができる。
【0035】次いで、この被膜を露光する。露光には目
的とするパターンに応じたパターンからなるマスクパタ
ーンが用いられ、該マスクパターンを介して光線を照射
すればよい。露光に用いられる光線としては、例えばg
線、i線などを用いることができ、g線ステッパー、i
線ステッパーなどの露光機を用いて露光すればよい。用
いた感光性樹脂組成物がネガ型感光性樹脂組成物である
場合には、露光後に加熱する。また、用いた感光性樹脂
組成物がポジ型感光性樹脂組成物である場合には、露光
後に加熱してもよいし、加熱しなくともよい。加熱する
場合の加熱温度は、例えば80〜150℃である。
【0036】露光してのち現像する。現像は通常の感光
性樹脂組成物を用いたと同様に、被膜が設けられた基体
を現像液に浸漬すればよい。現像液としては、通常の感
光性樹脂組成物を用いてパターンを形成する場合と同様
の現像液を用いることができる。現像液から基体を引き
上げ、次いで水洗して現像液を除去することにより、目
的とするパターンで黄色フィルタ層が形成された色フィ
ルタアレイを得ることができる。
【0037】感光性樹脂組成物がポジ型感光性樹脂組成
物である場合には、次いで紫外線を照射してもよい。紫
外線を照射することにより、残存する感光剤を分解する
ことができる。また、加熱硬化剤を含有する場合には、
水洗後加熱する。加熱により、形成された黄色フィルタ
層の機械的強度を向上することができる。加熱温度は通
常160℃以上220℃以下程度であり、通常は色素の
分解温度以下である。
【0038】感光性樹脂組成物がネガ型感光性樹脂組成
物である場合には、水洗後加熱してもよい。加熱するこ
とにより形成された黄色フィルタ層の機械的強度を向上
することができる。加熱温度は通常160℃以上220
℃以下程度であり、通常は色素の分解温度以下である。
【0039】かくして、目的とするパターンで黄色フィ
ルタ層が形成されるが、かかるパターンニング後の黄色
フィルタ層の透過率は波長450nmで5%以下であ
り、波長535nmで80%以上であることが好まし
い。
【0040】他の色のフィルタ層、即ちマゼンタ色フィ
ルタ層、シアン色フィルタ層は黄色フィルタ層が形成さ
れた後の基体の同一平面上に通常と同様の方法で形成す
ればよい。感光性樹脂組成物がポジ型感光性樹脂組成物
である場合には、感光性樹脂組成物として硬化剤を含有
するものを用い、現像後に加熱することは、形成された
黄色フィルタ層の強度を向上するので好ましい。また、
他の色のフィルタ層を予め基体上に形成しておいてか
ら、黄色フィルタ層を形成してもよい。
【0041】かくして基体上の同一平面に互いに隣接し
て形成された黄色フィルタ層、マゼンタ色フィルタ層お
よびシアン色フィルタ層からなる色フィルタアレイを得
ることができる。
【0042】かかる色フィルタアレイは、固体撮像素
子、液晶表示素子などをカラー化することができ、例え
ばこの色フィルタアレイが電荷結合素子の前面側に配置
されてなる固体撮像素子によれば、色再現性に優れたカ
ラー画像を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明の色フィルタアレイは分光特性に
優れ、また耐光性にも優れた黄色フィルタ層を有してい
る。また、色素として染料を用いているので、異物が少
なく均質な厚みの黄色フィルタ層を容易に得ることがで
きる。そして、この色フィルタアレイは、液晶表示素子
や、電荷結合素子を用いた固体撮像素子に好適に用いる
ことができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例により限定されるもので
はない。
【0045】実施例1 色素(I)としてシー・アイ・ソルベント・イエロー1
62(36重量部)、感光剤として化学式(10)で示
されるフェノール化合物とo−ナフトキノンジアジド−
5−スルホン酸とのエステル(27重量部)、アルカリ
可溶性樹脂としてp−クレゾールのノボラック樹脂(ポ
リスチレン換算の分子量は6000(18重量部))、
硬化剤としてヘキサメトキシメチルメラミン(20重量
部)および溶剤として乳酸エチル(400重量部)を混
合したのち、孔径0.1μmのメンブランフィルターで
濾過してポジ型感光性樹脂組成物を得た。
【0046】このポジ型感光性樹脂組成物を基体(シリ
コンウエハー)上にスピンコート法により塗布し、10
0℃で1分間加熱し乳酸エチルを揮発させて被膜を形成
した。次いで露光機〔「Nikon NSR i7A」
(ニコン(株)製))を用いてマスクパターンを介してi
線を照射して露光したのち、現像液〔「SOPD」(住
友化学工業(株)製)、23℃〕に1分間浸漬して現像し
た。現像後、水洗し、乾燥後、紫外線を照射し、180
℃に3分間加熱して、線幅1.0μmで厚みが0.7μ
mの帯状のパターンで形成された黄色フィルタ層を有す
る色フィルタアレイを得た(図4)。
【0047】次いで、マスクパターンを代える以外は上
記と同様に操作して、線幅が2.0μmで厚みが0.7
μmのモザイク状のパターンで形成された黄色フィルタ
層を有する色フィルタアレイを得た(図5)。次いで、
基体として透明なガラス板を用い露光することなく現像
する以外は上記と同様に操作して、全面に亙って厚み
0.7μmで形成された黄色フィルタ層を得た。
【0048】実施例2 色素(I)としてシー・アイ・ソルベント・イエロー1
62(18重量部)および他の色素としてシー・アイ・
ソルベント・イエロー82(18重量部)を含む以外は
実施例1と同様に操作して、線幅1.0μmで厚みが
0.7μmの帯状のパターンで形成された黄色フィルタ
層を有する色フィルタアレイを得(図4)、線幅が2.
0μmで厚みが1.1μmのモザイク状のパターンで形
成された黄色フィルタ層を有する色フィルタアレイを得
(図5)、全面に亙って厚み1.1μmで形成された黄
色フィルタ層を得た。
【0049】実施例3 色素(I)としてシー・アイ・ソルベント・イエロー1
62(36重量部)、酸発生剤として化学式(50) で示される化合物(0.5重量部)、アルカリ可溶性樹
脂としてp−クレゾールのノボラック樹脂(ポリスチレ
ン換算の分子量は500(44重量部))、硬化剤とし
てヘキサメトキシメチルメラミン(20重量部)および
溶剤として乳酸エチル(400重量部)を混合したの
ち、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過して
ネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0050】このネガ型感光性樹脂組成物を基体(シリ
コンウエハー)上にスピンコート法により塗布し、10
0℃で1分間加熱し乳酸エチルを揮発させて被膜を形成
した。次いで露光機〔「Nikon NSR i7A」
(ニコン(株)製))を用いてマスクパターンを介してi
線を照射して露光したのち、120℃で1分間加熱し、
次いで現像液〔「SOPD」(住友化学工業(株)製)、
23℃〕に1分間浸漬して現像した。現像後、水洗し、
乾燥後、180℃に3分間加熱して、線幅1.0μmで
厚みが0.7μmの帯状のパターンで形成された黄色フ
ィルタ層を得た。
【0051】次いで、マスクパターンを代える以外は上
記と同様に操作して、線幅が2.0μmで厚みが0.7
μmのモザイク状のパターンで形成された黄色フィルタ
層を有する色フィルタアレイを得た。
【0052】次いで、基体として透明なガラス板を用
い、マスクパターンを用いることなく露光する以外は実
施例1と同様に操作して、全面に亙って厚み0.7μm
で形成された黄色フィルタ層を有する色フィルタアレイ
を得た。
【0053】実施例4 以下の組成のマゼンタフィルタ層形成用感光性樹脂組成
物、シアンフィルタ層形成用感光性樹脂組成物および青
色フィルタ層形成用感光性樹脂組成物をそれぞれ調整し
た。
【0054】 (マゼンタフィルタ層形成用感光性樹脂組成物) ノボラック樹脂 36重量部 o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル 30重量部 ヘキサメトキシメチルメラミン 17重量部 乳酸エチル 280重量部 N,N’−ジメチルホルムアミド 120重量部 化学式(51)で示される化合物 18重量部
【0055】
【0056】 (シアン色フィルタ層形成用感光性樹脂組成物) ノボラック樹脂 19重量部 o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル 43重量部 ヘキサメトキシメチルメラミン 16重量部 乳酸エチル 210重量部 N,N’−ジメチルホルムアミド 90重量部 シー・アイ・ソルベント ブルー67 23重量部
【0057】 (黄色フィルタ層形成用感光性樹脂組成物) ノボラック樹脂 18重量部 o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル 27重量部 ヘキサメトキシメチルメラミン 20重量部 乳酸エチル 280重量部 N,N’−ジメチルホルムアミド 120重量部 シー・アイ・ソルベント イエロー162(色素(I)) 18重量部 シー・アイ・ソルベント イエロー82 18重量部
【0058】上記で調整した黄色フィルタ形成様感光性
樹脂組成物を電荷結合素子が形成されたシリコンウエハ
ー上にスピンコートして塗布したのち、100℃のベー
クプレート上で溶剤を揮発させた。
【0059】次いで、i線ステッパ露光機〔「Niko
n NSR2205 i12D」(ニコン(株)製)〕で
レチクルを介して波長365nmの紫外線光(600m
J/cm2)を照射した。次いで、現像液(1000c
3あたりテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイ
ドを3g含有する水溶液)で露光部分を現像、除去した
後、純水で水洗した。次いで、低圧水銀灯を用いて紫外
線(3000mJ/cm 2)を前面に亘って照射し、1
80℃のベークプレート上で10分間加熱して黄色フィ
ルタ層を形成した。
【0060】次いで、上記で黄色フィルタ層形成用感光
性樹脂組成物に代えて、上記で調整したマゼンタ色フィ
ルタ層形成用の感光性樹脂組成物を用いる以外は上記と
同様に操作して、マゼンタフィルタ層を形成した。
【0061】次いで、上記で調整した緑色フィルタ層形
成用の感光性樹脂組成物を用いる以外は上記と同様に操
作して、シアンフィルタ層を形成し、色フィルタアレイ
を得た。
【0062】この色フィルタアレイの上に通常の方法で
マイクロレンズを形成して、固体撮像素子を得た。この
固体撮像素子の色フィルタアレイにおける黄色フィルタ
層の厚みは0.7μmであった。この固体撮像素子の色
フィルタアレイは、良好な分光特性を示していた。
【0063】石英ウエハー上に上記と同様にして全面に
亙って黄色フィルタ層(厚み0.7μm)を形成した。
【0064】比較例1 シー・アイ・ソルベント・イエロー162に代えて、化
学式(52) (式中、R50は化学式(53) で示される置換基を示す。)で示される化合物(20重
量部)、化学式(54) (式中、R51は化学式(55) で示される置換基を示す。)で示される化合物(10重
量部)および化学式(56) (式中、R52は化学式(55)で示される置換基を示
す。)で示される化合物(6重量部)を用いる以外は実
施例1と同様に操作してポジ型感光性樹脂組成物を得、
線幅1.0μmで厚みが1.1μmの帯状のパターンで
形成された黄色フィルタ層を有する色フィルタアレイを
得、線幅が2.0μmで厚みが1.1μmのモザイク状
のパターンで形成された黄色フィルタ層を有する色フィ
ルタアレイを得、全面に亙って厚み1.1μmで形成さ
れた黄色フィルタ層を得た。
【0065】評価 (1)露光時間 上記各実施例および比較例で1.0μmのラインを作成
するときに要した露光時間を表1に示す。 (2)分光特性 上記各実施例および比較例で得た全面に亙って形成され
た黄色フィルタ層を有する色フィルタアレイの450n
m、535nm、650nmの波長における光線透過率
を測定した。その結果を表2に示す。 (3)耐光性 上記各実施例および比較例で得た全面に亙って形成され
た黄色フィルタ層を有する色フィルタアレイの前方に紫
外線カットフィルター〔「COLORED OPTIC
AL GLASS L38」(ホヤ(株)製)〕を配置し
て100万ルクス・時間の光を照射した。光源として
は、「サンテスタ−XF−180CPS」(島津製作所
(株)製)を用いた。光照射後の色フィルタアレイの波長
450nm、535nm、650nmにおける光線透過
率を求めた。その結果を表3に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】基体上の同一平面上に黄色フィルタ層、マゼン
タフィルタ層およびシアンフィルタ層が設けられた色フ
ィルタアレイの断面を示す模式図である。
【図2】帯状のパターンで黄色フィルタ層、マゼンタフ
ィルタ層およびシアンフィルタ層が設けられた色フィル
タアレイの平面模式図である。
【図3】モザイク状のパターンで黄色フィルタ層、マゼ
ンタフィルタ層およびシアンフィルタ層が設けられた色
フィルタアレイの平面模式図である。
【図4】実施例1で得た色フィルタアレイの平面模式図
である。
【図5】実施例1で得た色フィルタアレイの平面模式図
である。
【符号の説明】
1:基体 2:色フィルタアレイ Y:黄色フィルタ層 M:マゼンタフィルタ層 C:シアンフィルタ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 裕治 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番98 号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 円道 博毅 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 内田 好則 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 狭山 征博 鹿児島県国分市野口北5番1号 ソニー国 分株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA11 AB13 AB20 AC01 AD01 AD03 BC13 BC31 BE01 BJ00 CB42 CC11 CC17 2H048 BA02 BA47 BA48 BB02 BB42 BB47 CA04 CA14 CA19 4J002 BC121 CD061 EJ068 EL097 EQ037 EU008 EU138 EU188 EU238 EV259 FD096 FD148 FD207 FD209

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に黄色フィルタ層を有してなり、該
    黄色フィルタ層は波長400〜500nmに吸収極大を
    有するピリドンアゾ系色素を含有し透過率が波長450
    nmで5%以下であり波長535nmで80%以上であ
    り波長650nmで90%以上であることを特徴とする
    色フィルタアレイ。
  2. 【請求項2】色素を含有する感光性樹脂組成物をパター
    ンニングして黄色フィルタ層を形成する工程を有し、感
    光性樹脂組成物が波長400〜500nmに吸収極大を
    有するピリドンアゾ系色素を含有し、パターンニング後
    の黄色フィルタ層の透過率が透過率が波長450nmで
    5%以下であり波長535nmで80%以上であり波長
    650nmで90%以上であることを特徴とする色フィ
    ルタアレイの製造方法。
  3. 【請求項3】色素として波長400〜500nmに吸収
    極大を有するピリドンアゾ系色素を含有することを特徴
    とする感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】感光剤およびアルカリ可溶性樹脂を含有
    し、色素、感光剤およびアルカリ可溶性樹脂の合計量1
    00重量部に対する色素の含有量が10〜50重量部で
    あり、感光剤の含有量が10〜50重量部であり、アル
    カリ可溶性樹脂の含有量が3〜50重量部である請求項
    3に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】硬化剤を含有しその含有量が色素、感光剤
    およびアルカリ可溶性樹脂の合計量100重量部に対し
    て35重量部以下である請求項4に記載の感光性樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】光酸発生剤、硬化剤およびアルカリ可溶性
    樹脂を含有し、色素、光酸発生剤、硬化剤およびアルカ
    リ可溶性樹脂の合計量100重量部に対する色素の含有
    量が15〜40重量部であり、光酸発生剤の含有量が
    0.3〜5重量部であり、硬化剤の使用量が10〜25
    重量部であり、アルカリ可溶性樹脂の含有量が20〜7
    5重量部である請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
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