JP2001304112A - 往復ポンプ及びこれを備える空気調和装置 - Google Patents

往復ポンプ及びこれを備える空気調和装置

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JP2001304112A
JP2001304112A JP2000120716A JP2000120716A JP2001304112A JP 2001304112 A JP2001304112 A JP 2001304112A JP 2000120716 A JP2000120716 A JP 2000120716A JP 2000120716 A JP2000120716 A JP 2000120716A JP 2001304112 A JP2001304112 A JP 2001304112A
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pump
refrigerant
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reciprocating pump
reciprocating
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JP2000120716A
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English (en)
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Tatsuya Yamaguchi
達也 山口
Ryuzo Sotojima
隆造 外島
Keiji Tomioka
計次 富岡
Masakazu Okamoto
昌和 岡本
Chikahide Fujiyama
周秀 藤山
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メンテナンスなしで長期間に亘る運転が可能
な、長寿命の機械式ポンプを提供する。 【解決手段】 可動部材(53)、フレクシャー・ベアリ
ング(70)、及びリニアモータ(80)をハウジング(5
1)に収納して、往復ポンプ(50)を構成する。ハウジ
ング(51)の端部には、シリンダ部(52)を突設する。
可動部材(53)と一体のピストン部(54)をシリンダ部
(52)に挿入し、ポンプ室(56)を区画形成する。可動
部材(53)をフレクシャー・ベアリング(70)により支
持する。可動部材(53)は、リニアモータ(80)により
駆動されて往復動する。ピストン部(54)は、シリンダ
部(52)と非接触に保持された状態で往復動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の吸入と吐出
とを行う往復ポンプ、及びこの往復ポンプを備える空気
調和装置に関し、特に信頼性の向上策に係るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、流体を汲み上げたり循環させた
りするのには、ポンプが用いられる。このポンプとして
は、機械的なエネルギを流体に付与する、いわゆる機械
式ポンプが知られている。この機械式ポンプには、ハウ
ジングに収納した羽根車の回転によって流体を送り出す
ターボ型のものや、シリンダに挿入したピストンの往復
動などによって閉空間に対する流体の吸入と吐出とを行
う容積型のものが存在する。
【0003】また、上記ポンプには、熱エネルギを利用
して流体にエネルギを付与する、いわゆる熱駆動式ポン
プも知られている。例えば、特開平11−281174
号公報には、熱駆動式ポンプにより冷媒を循環させて冷
熱や温熱の搬送を行う冷凍装置が開示されている。
【0004】上記冷凍装置は、1次側回路と2次側回路
を備えている。1次側回路では、冷媒が循環して蒸気圧
縮式の冷凍サイクルやヒートポンプサイクルが行われ
る。この1次側回路は、冷熱や温熱を生成する熱源を構
成している。2次側回路では、熱駆動式ポンプの動作に
より冷媒が循環する。この2次側回路における冷媒の循
環により、1次側回路で生成した冷熱や温熱が利用側へ
搬送され、対象物の冷却や加熱に利用される。
【0005】この熱駆動式ポンプには、液冷媒を貯留す
るための一対のタンクと、冷却熱交換器と、加熱熱交換
器とが設けられる。冷却熱交換器は、ガス冷媒を凝縮さ
せて低圧に維持されており、タンク内のガス冷媒を吸引
する。このガス冷媒の吸引によって、タンクが減圧され
る。一方、加熱熱交換器は、液冷媒を蒸発させて高圧に
維持されており、タンク内に高圧のガス冷媒を供給す
る。このガス冷媒の供給によって、タンクが加圧され
る。
【0006】そして、熱駆動式ポンプでは、一方のタン
クを加圧して液冷媒を押し出すと同時に、他方のタンク
を減圧して液冷媒を回収し、この動作によって2次側回
路の冷媒に循環駆動力を付与する。また、加圧するタン
クと減圧するタンクを交互に切り換え、2次側回路で冷
媒を連続的に循環させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の機械式ポン
プは、羽根車の回転軸やピストンなどの可動部分と、羽
根車のハウジングやシリンダなどの固定部分との間にシ
ールを設け、流体の漏洩を防ぐ必要がある。ところが、
このシールは徐々に劣化するのが通常であり、例えば数
千時間ごとの部品交換等、定期的なメンテナンスを要し
ていた。特に、冷凍装置ではメンテナンスなしで長期間
に亘る運転が求められる場合が多く、冷媒の循環により
冷熱や温熱を搬送する冷凍装置に対して、上記機械式ポ
ンプを適用するのは困難であった。
【0008】一方、上記の熱駆動式ポンプについては、
機械式ポンプのようなシールの劣化といった問題が無
く、上述のように冷凍装置に対しても適用可能である。
しかしながら、熱駆動式ポンプでは、多数の熱交換器や
タンクが必要となり、小型化が困難という問題があっ
た。また、冷媒を貯留するタンクが必要であり、冷媒充
填量の増大を招くという問題があった。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、メンテナンスなしで
長期間に亘る運転が可能な長寿命の機械式ポンプを提供
すると共に、かかる長寿命の機械式ポンプを用いた空気
調和装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明が講じた第1の解
決手段は、シリンダ部(52)にピストン部(54)を挿入
してポンプ室(56)を区画形成し、該ポンプ室(56)へ
の吸入と該ポンプ室(56)からの吐出とを行う往復ポン
プを対象としている。そして、上記ピストン部(54)が
一体に設けられて往復動する可動部材(53)と、上記可
動部材(53)を往復動させるための駆動力を発生する駆
動手段(80)と、上記ピストン部(54)がシリンダ部
(52)と非接触となるように上記可動部材(53)を往復
動自在に支持する支持手段(70)と、上記シリンダ部
(52)が一体に設けられ且つ上記可動部材(53)、駆動
手段(80)、及び支持手段(70)が収納される密閉容器
状のハウジング(51)とを設けるものである。
【0011】本発明が講じた第2の解決手段は、シリン
ダ部(52)にピストン部(54)を挿入してポンプ室(5
6)を区画形成し、該ポンプ室(56)への吸入と該ポン
プ室(56)からの吐出とを行う往復ポンプを対象として
いる。そして、上記シリンダ部(52)が一体に設けられ
て往復動する可動部材(53)と、上記可動部材(53)を
往復動させるための駆動力を発生する駆動手段(80)
と、上記シリンダ部(52)がピストン部(54)と非接触
となるように上記可動部材(53)を往復動自在に支持す
る支持手段(70)と、上記ピストン部(54)が一体に設
けられ且つ上記可動部材(53)、駆動手段(80)、及び
支持手段(70)が収納される密閉容器状のハウジング
(51)とを設けるものである。
【0012】本発明が講じた第3の解決手段は、上記第
1又は第2の解決手段において、シリンダ部(52)とピ
ストン部(54)の間には、該シリンダ部(52)とピスト
ン部(54)の間からの流体の漏れを抑制するように微少
な隙間が形成されるものである。
【0013】本発明が講じた第4の解決手段は、上記第
1,第2又は第3の解決手段において、支持手段(70)
は、積層された複数の円板状の板バネ部材(71)を備
え、各板バネ部材(71)には該板バネ部材(71)の中心
部を貫通するように可動部材(53)が結合されると共
に、各板バネ部材(71)の外周部がハウジング(51)に
結合され、上記可動部材(53)を板バネ部材(71)の板
厚方向に往復動自在となるように支持しているものであ
る。
【0014】本発明が講じた第5の解決手段は、上記第
1又は第2の解決手段において、駆動手段(80)は、ハ
ウジング(51)と一体に設けられる永久磁石(88)と、
可動部材(53)と一体に設けられる駆動コイル(89)と
を備え、該駆動コイル(89)への通電により駆動コイル
(89)が永久磁石(88)に対して往復動するように構成
されるものである。
【0015】本発明が講じた第6の解決手段は、上記第
1又は第2の解決手段において、駆動手段(80)は、可
動部材(53)と一体に設けられる永久磁石(88)と、ハ
ウジング(51)と一体に設けられる駆動コイル(89)と
を備え、該駆動コイル(89)への通電により永久磁石
(88)が駆動コイル(89)に対して往復動するように構
成されるものである。
【0016】本発明が講じた第7の解決手段は、上記第
1の解決手段において、2つ設けられたハウジング(51
a,51b)に可動部材(53a,53b)が1つずつ収納され、2
つの上記ハウジング(51a,51b)が1つのシリンダ部(5
2)と一体に形成される一方、上記シリンダ部(52)の
各端からピストン部(54)を1つずつ挿入して1つのポ
ンプ室(56)が形成され、2つの上記可動部材(53a,53
b)が互いに対向して往復動するように構成されるもの
である。
【0017】本発明が講じた第8の解決手段は、上記第
1又は第2の解決手段において、2つずつ設けられたシ
リンダ部(52a,52b)とピストン部(54a,54b)とによっ
て2つのポンプ室(56a,56b)を区画形成し、可動部材
(53)の往復動により、一方のポンプ室(56a)への吸
入と他方のポンプ室(56b)からの吐出とを同時に行う
ように構成されるものである。
【0018】本発明が講じた第9の解決手段は、空気調
和装置を対象とするものである。そして、上記第1又は
第2の解決手段に係る往復ポンプと、上記往復ポンプが
接続されると共に冷媒が充填される冷媒循環回路とを備
え、上記往復ポンプの動作により冷媒循環回路で冷媒を
循環させて冷熱又は温熱を搬送し、室内の冷房又は暖房
を行うものである。
【0019】−作用− 上記第1,第2の解決手段では、ハウジング(51)に可
動部材(53)、駆動手段(80)、及び支持手段(70)を
収納して往復ポンプ(50)が構成される。可動部材(5
3)は、支持手段(70)を介してハウジング(51)に取
り付けられている。この可動部材(53)は、自在に往復
運動できるように、支持手段(70)によって支持されて
いる。また、可動部材(53)には、駆動手段(80)で発
生した駆動力が付与される。可動部材(53)は、駆動手
段(80)の駆動力によって駆動され、支持手段(70)に
より支持されつつハウジング(51)内で往復動する。
【0020】上記第1の解決手段では、ハウジング(5
1)に対してシリンダ部(52)が一体に設けられ、可動
部材(53)に対してピストン部(54)が一体に設けられ
る。ピストン部(54)は、シリンダ部(52)に挿入され
ている。このシリンダ部(52)と該シリンダ部(52)に
挿入されたピストン部(54)とにより、閉空間のポンプ
室(56)がシリンダ部(52)の内部に形成される。この
第1の解決手段では、可動部材(53)と一体のピストン
部(54)が、シリンダ部(52)に挿入された状態で往復
動する。このピストン部(54)の往復運動によって、ポ
ンプ室(56)の容積が増減する。ポンプ室(56)の容積
が増加すると該ポンプ室(56)に流体が吸入され、ポン
プ室(56)の容積が減少すると該ポンプ室(56)から流
体が吐出される。
【0021】一方、上記第2の解決手段では、ハウジン
グ(51)に対してピストン部(54)が一体に設けられ、
可動部材(53)に対してシリンダ部(52)が一体に設け
られる。シリンダ部(52)はピストン部(54)に被せる
ように設けられ、この状態でシリンダ部(52)にピスト
ン部(54)が挿入された状態となっている。このシリン
ダ部(52)と該シリンダ部(52)に挿入されたピストン
部(54)とにより、閉空間のポンプ室(56)がシリンダ
部(52)の内部に形成される。この第2の解決手段で
は、可動部材(53)と一体のシリンダ部(52)が往復動
する。即ち、シリンダ部(52)がピストン部(54)に対
して相対的に往復運動を行い、この往復運動によってポ
ンプ室(56)の容積が増減する。ポンプ室(56)の容積
が増加すると該ポンプ室(56)に流体が吸入され、ポン
プ室(56)の容積が減少すると該ポンプ室(56)から流
体が吐出される。
【0022】上述のように、上記第1,第2の解決手段
では、シリンダ部(52)にピストン部(54)が挿入され
ている。支持手段(70)は、シリンダ部(52)とピスト
ン部(54)とが互いに接触しない状態に保たれるよう
に、可動部材(53)を支持している。即ち、支持手段
(70)は、可動部材(53)を支持する際に、該可動部材
(53)がその往復動方向にのみ移動可能で他の方向へ移
動しないように可動部材(53)の支持を行っている。そ
して、シリンダ部(52)とピストン部(54)とは、互い
に非接触の状態を保ちつつ、相対的な往復運動を行う。
【0023】ここで、上記第1,第2の解決手段ではシ
リンダ部(52)とピストン部(54)とを非接触としてい
るため、シリンダ部(52)とピストン部(54)の間から
流体が漏洩することもあり得る。しかしながら、上記第
1,第2の解決手段では、ピストン部(54)又はシリン
ダ部(52)と一体の可動部材(53)がハウジング(51)
内で往復動している。このため、シリンダ部(52)とピ
ストン部(54)の間から流体がハウジング(51)内に漏
れ出すことはあっても、ハウジング(51)の外部に流体
が漏れ出すことはない。
【0024】上記第3の解決手段では、シリンダ部(5
2)とピストン部(54)との間に微少な隙間を形成して
いる。そして、シリンダ部(52)とピストン部(54)の
間の隙間を微少な幅とすることにより、この隙間からの
流体の漏洩量を抑制する。即ち、シリンダ部(52)とピ
ストン部(54)との間の微少な隙間は、いわゆるクリア
ランス・シール(clearance seal)を構成している。
【0025】上記第4の解決手段では、支持手段(70)
が複数の板バネ部材(71)で構成される。各板バネ部材
(71)は、円板状に形成されている。複数の板バネ部材
(71)は、積層されている。その際、各板バネ部材(7
1)を密着させるのではなく、各板バネ部材(71)の間
に所定の間隔が形成されるように積層するのが望まし
い。
【0026】各板バネ部材(71)は、可動部材(53)と
同軸に結合されている。具体的に、可動部材(53)の中
心軸が板バネ部材(71)の中心を通り、且つ該中心軸が
板バネ部材(71)の表面及び裏面と直交する姿勢とされ
ている。また、各板バネ部材(71)は、その外周部でハ
ウジング(51)に結合されている。そして、板バネ部材
(71)がその板厚方向に撓むことによって、可動部材
(53)は、板バネ部材(71)の板厚方向に自由に往復動
できる状態とされている。一方、板バネ部材(71)がそ
の半径方向にはほとんど撓まないことから、可動部材
(53)が板バネ部材(71)の半径方向に移動するのを抑
制している。即ち、支持手段(70)は、いわゆるフレク
シャー・ベアリング(flexure bearing)により構成さ
れる。
【0027】上記第5,第6の解決手段では、永久磁石
(88)と駆動コイル(89)から成る、いわゆるリニアモ
ータによって駆動手段(80)が構成される。駆動コイル
(89)に通電すると、電磁力によって永久磁石(88)と
駆動コイル(89)が相対的に直線運動を行う。駆動コイ
ル(89)に所定周波数の交流を流せば、永久磁石(88)
と駆動コイル(89)とは、一方に対して他方が往復運動
を行う。
【0028】上記第5の解決手段では、永久磁石(88)
がハウジング(51)と一体に設けられ、駆動コイル(8
9)が可動部材(53)と一体に設けられる。駆動コイル
(89)に通電すると電磁力が発生し、この電磁力が作用
することにより駆動コイル(89)が移動する。そして、
駆動コイル(89)と一体の可動部材(53)が、永久磁石
(88)と一体のハウジング(51)に対して往復移動す
る。
【0029】一方、上記第6の解決手段では、駆動コイ
ル(89)がハウジング(51)と一体に設けられ、永久磁
石(88)が可動部材(53)と一体に設けられる。駆動コ
イル(89)に通電すると電磁力が発生し、この電磁力が
作用することにより永久磁石(88)が移動する。そし
て、永久磁石(88)と一体の可動部材(53)が、駆動コ
イル(89)と一体のハウジング(51)に対して往復移動
する。
【0030】上記第7の解決手段では、ハウジング(51
a,51b)が2つ設けられる。各ハウジング(51a,51b)に
は、可動部材(53a,53b)が1つずつ収納される。ハウ
ジング(51a,51b)は、1つのシリンダ部(52)の各端
に1つずつ設けられる。即ち、2つのハウジング(51a,
51b)が、1つのシリンダ部(52)を共有する状態とさ
れる。
【0031】2つの可動部材(53a,53b)は、互いに対
向する姿勢で同軸上に配置される。各可動部材(53a,53
b)のピストン部(54a,54b)は、1つのシリンダ部(5
2)に挿入されている。具体的に、シリンダ部(52)の
一端からは一方の可動部材(53a)のピストン部(54a)
が挿入され、シリンダ部(52)の他端からは他方の可動
部材(53b)のピストン部(54b)が挿入されている。そ
して、シリンダ部(52)内には、1つのポンプ室(56)
が形成される。上記2つの可動部材(53a,53b)は、対
向して往復運動を行う。両可動部材(53a,53b)の往復
動に伴ってピストン部(54)が移動すると、ポンプ室
(56)に対する流体の吸入及び吐出が行われる。
【0032】上記第8の解決手段では、シリンダ部(52
a,52b)とピストン部(54a,54b)が2つずつ設けられ
る。一方のシリンダ部(52a)には一方のピストン部(5
4a)が挿入され、一のポンプ室(56a)が形成される。
他方のシリンダ部(52b)には他方のピストン部(54b)
が挿入され、他のポンプ室(56b)が形成される。可動
部材(53)を往復動させると、シリンダ部(52)とピス
トン部(54)の一方が他方に対して往復運動を行う。そ
して、可動部材(53)を一の方向へ動かすと、一方のポ
ンプ室(56a)に流体が吸入されると同時に、他方のポ
ンプ室(56b)から流体が吐出される。また、可動部材
(53)を逆の方向へ動かすと、他方のポンプ室(56b)
に流体が吸入されると同時に、一方のポンプ室(56a)
から流体が吐出される。即ち、本解決手段では、往復ポ
ンプ(50)がいわゆる復動式に構成される。
【0033】上記第9の解決手段では、本発明に係る往
復ポンプ(50)と、冷媒循環回路とによって空気調和装
置(10)が構成される。冷媒循環回路には、往復ポンプ
(50)が接続されると共に、冷媒が充填されている。往
復ポンプ(50)を運転すると、ポンプ室(56)への冷媒
の吸入とポンプ室(56)からの冷媒の吐出とが行われ、
冷媒循環回路の冷媒に循環駆動力が付与される。そし
て、冷媒循環回路で循環する冷媒により、冷熱や温熱の
搬送が行われる。例えば、冷媒循環回路で循環する冷媒
に冷熱を付与し、循環する冷媒によって利用側へ搬送し
た冷熱を室内の冷房に利用する。また、冷媒循環回路で
循環する冷媒に温熱を付与し、循環する冷媒によって利
用側へ搬送した温熱を室内の暖房に利用する。
【0034】
【発明の効果】本発明では、可動部材(53)を支持手段
(70)により支持することによって、シリンダ部(52)
とピストン部(54)とを非接触に保った状態で相対的な
往復運動をさせている。また、本発明では、可動部材
(53)がハウジング(51)内で往復運動する構成とし、
シリンダ部(52)とピストン部(54)の間からの流体の
漏洩が生じても、ハウジング(51)の外へ流体が漏れ出
すのを回避している。
【0035】従って、本発明によれば、シリンダ部(5
2)とピストン部(54)との間のシール、ひいてはハウ
ジング(51)と往復動する可動部材(53)との間のシー
ルが不要となり、シールの劣化に伴う定期的なメンテナ
ンスを行う必要がなくなる。このため、往復ポンプ(5
0)の信頼性が向上し、メンテナンスを行わなくても長
期間に亘る往復ポンプ(50)の運転が可能となる。この
結果、長寿命の往復ポンプ(50)を実現でき、往復ポン
プ(50)の用途を拡大できると共に、往復ポンプ(50)
の運転に要する費用を削減することができる。
【0036】上記第3の解決手段では、シリンダ部(5
2)とピストン部(54)との間の隙間を狭く設定するこ
とにより、この隙間からの流体の漏洩量を抑制するよう
にしている。従って、本解決手段によれば、ポンプ室
(56)から吐出される流体の流量を増大させることがで
きると共に、往復ポンプ(50)が発揮しうる揚程(ポン
プヘッド)を高めることができる。
【0037】上記第4の解決手段では、支持手段(70)
を複数の板バネ部材(71)で構成することにより、板バ
ネ部材(71)の半径方向における可動部材(53)の移動
を規制しつつ、板バネ部材(71)の板厚方向における可
動部材(53)の自由な移動を確保している。従って、上
記第3の解決手段のようにシリンダ部(52)とピストン
部(54)との間の隙間を狭くした場合であっても、シリ
ンダ部(52)とピストン部(54)とを確実に非接触状態
に保持することができる。このため、シリンダ部(52)
とピストン部(54)の接触を確実に回避でき、往復ポン
プ(50)の信頼性を一層高めることが可能となる。
【0038】更に、本解決手段によれば、可動部材(5
3)が板バネ部材(71)と結合された状態で往復移動す
る。つまり、シリンダ部(52)とピストン部(54)が非
接触であることから、可動部材(53)は、ハウジング
(51)などの他の部材と摺動することなく往復運動を行
う。従って、他の部材との摺動によって可動部材(53)
が摩耗することはなく、このことによっても往復ポンプ
(50)の信頼性の向上を図ることができる。
【0039】上記第5,第6の解決手段では、駆動手段
(80)をいわゆるリニアモータにより構成し、永久磁石
(88)と駆動コイル(89)の間で生じた電磁力を、回転
力としてではなく直線的な駆動力として可動部材(53)
に付与するようにしている。従って、ハウジング(51)
と接触することなく可動部材(53)を往復運動させるこ
とが可能となり、可動部材(53)とハウジング(51)の
間の潤滑が不要となる。このため、往復ポンプ(50)の
信頼性を確保しつつ潤滑油を不要とすることができ、往
復ポンプ(50)のオイルレス化を図ることが可能とな
る。また、通常のモータを用いた場合のような、回転力
を直線的な駆動力に変換するための機構(例えばクラン
ク軸など)は不要であり、構成の簡素化や小型化を図る
ことができる。
【0040】上記第7の解決手段では、2つの可動部材
(53a,53b)を同軸上に設けて対向するように往復動さ
せている。ここで、可動部材(53a,53b)が移動する際
には、移動に要する駆動力の反力として加振力が発生す
る。これに対し、これらの解決手段では、同軸上の2つ
の可動部材(53a,53b)が対向して動くため、各可動部
材(53a,53b)の移動に伴う加振力を相殺することがで
きる。このため、往復ポンプ(50)の運転に伴って生じ
る振動を抑制でき、往復ポンプ(50)の信頼性を更に向
上させることができる。
【0041】上記第8の解決手段では、可動部材(53)
を一の方向へ動かせば一方のポンプ室(56a)から流体
が吐出されると共に、可動部材(53)を逆の方向へ動か
した時にも他方のポンプ室(56b)から流体が吐出され
る。従って、可動部材(53)が1往復する間に各ポンプ
室(56a,56b)からの流体の吐出を1回ずつ、合計2回
行うことができる。このため、往復ポンプ(50)から吐
出される流体の脈動を小さくでき、往復ポンプ(50)に
よる流体の循環などを確実に行うことができる。また、
往復ポンプ(50)全体の吐出量を維持しつつ各ポンプ室
(56a,56b)からの吐出量を半分とすることができ、可
動部材(53)の往復動の振幅、即ち可動部材(53)のス
トロークを短縮できる。
【0042】上記第9の解決手段によれば、本発明に係
る長寿命の往復ポンプ(50)を用いて空気調和装置(1
0)を構成できる。従って、上記熱駆動式ポンプに比べ
て小型で簡素な機械式ポンプを用いつつ、メンテナンス
を行うことなく長期に亘って運転可能な空気調和装置
(10)を実現できる。
【0043】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。本実施形態1は、1次側回
路(11)及び2次側回路(21)により構成される空気調
和装置(10)である。また、2次側回路(21)は、往復
ポンプ(50)を備えて冷媒循環回路を構成している。
【0044】《1次側回路の構成》上記1次側回路(1
1)は、1次側圧縮機(12)と、1次側四路切換弁(1
3)と、室外熱交換器(14)と、1次側膨張弁(15)
と、中間熱交換器(16)とを配管接続して構成されてい
る。この1次側回路(11)には、1次側冷媒が充填され
ている。1次側回路(11)では、1次側冷媒が循環し
て、冷凍サイクル動作とヒートポンプサイクル動作とが
行われる。
【0045】具体的に、1次側圧縮機(12)の吐出側
は、1次側四路切換弁(13)の第1のポートと接続され
ている。1次側四路切換弁(13)の第2のポートは、室
外熱交換器(14)の一端と接続されている。室外熱交換
器(14)の他端は、1次側膨張弁(15)を介して中間熱
交換器(16)における1次側通路(17)の一端に接続さ
れている。中間熱交換器(16)における1次側通路(1
7)の他端は、1次側四路切換弁(13)の第3のポート
に接続されている。1次側四路切換弁(13)の第4のポ
ートは、1次側圧縮機(12)の吸入側に接続されてい
る。
【0046】上記1次側四路切換弁(13)は、第1のポ
ートと第2のポートが連通し且つ第3のポートと第4の
ポートが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第
1のポートと第3のポートが連通し且つ第2のポートと
第4のポートが連通する状態(図1に破線で示す状態)
とに切り換わる。この1次側四路切換弁(13)の切換動
作によって、1次側回路(11)における1次側冷媒の循
環方向が反転する。
【0047】上記室外熱交換器(14)は、クロスフィン
式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成さ
れている。室外熱交換器(14)には、図外の室外ファン
によって室外空気が送られる。そして、室外熱交換器
(14)は、室外空気と1次側冷媒とを熱交換させる。
【0048】上記中間熱交換器(16)は、いわゆるプレ
ート式熱交換器により構成され、1次側通路(17)と2
次側通路(18)とが形成されている。上述のように、1
次側通路(17)には、1次側回路(11)が接続されてい
る。一方、2次側通路(18)には、2次側回路(21)が
接続されている。この点については後述する。そして、
中間熱交換器(16)は、1次側通路(17)の1次側冷媒
と2次側通路(18)の2次側冷媒とを熱交換させる。
【0049】《2次側回路の構成》上記2次側回路(2
1)は、往復ポンプ(50)と、2次側四路切換弁(22)
と、上記中間熱交換器(16)と、2つの室内膨張弁(2
3,23)と、2つの室内熱交換器(24,24)とを、配管接
続して構成されている。このうち、室内膨張弁(23,2
3)と室内熱交換器(24,24)は、室内ユニット(25,2
5)に1つずつ収納されている。この2次側回路(21)
には、2次側冷媒が充填されている。そして、上記往復
ポンプ(50)の動作により、2次側回路(21)において
2次側冷媒が循環する。
【0050】上記2次側回路(21)の構成を説明する。
往復ポンプ(50)の吐出ポート(65)は、2次側四路切
換弁(22)の第1のポートに接続されている。2次側四
路切換弁(22)の第2のポートには、第1液側配管(2
6)の一端が接続されている。第1液側配管(26)は、
他端側で2つに分岐され、各分岐管はそれぞれ室内膨張
弁(23,23)を介して室内熱交換器(24,24)の一端に接
続されている。各室内熱交換器(24,24)の他端には、
ガス側配管(28)の一端が接続されている。つまり、ガ
ス側配管(28)は、一端側で2つに分岐されて各室内熱
交換器(24,24)に接続している。ガス側配管(28)の
他端は、上記中間熱交換器(16)における2次側通路
(18)の一端に接続されている。中間熱交換器(16)に
おける2次側通路(18)の他端は、2次側四路切換弁
(22)の第3のポートに接続されている。2次側四路切
換弁(22)の第4のポートは、往復ポンプ(50)の吸入
ポート(61)に接続されている。
【0051】上記2次側四路切換弁(22)は、第1のポ
ートと第2のポートが連通し且つ第3のポートと第4の
ポートが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第
1のポートと第3のポートが連通し且つ第2のポートと
第4のポートが連通する状態(図1に破線で示す状態)
とに切り換わる。この2次側四路切換弁(22)の切換動
作によって、2次側回路(21)における2次側冷媒の循
環方向が反転する。
【0052】上記室内熱交換器(24,24)は、クロスフ
ィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構
成されている。各室内ユニット(25,25)には、図示し
ないが、それぞれ室内ファンが設けられている。室内熱
交換器(24,24)には、この室内ファンによって室内空
気が送られる。そして、室内熱交換器(24,24)は、室
内空気と2次側冷媒とを熱交換させる。
【0053】《往復ポンプの構成》上記往復ポンプ(5
0)の構成について、図2及び図3を参照しながら説明
する。この往復ポンプ(50)は、リニアモータ(80)に
より駆動してピストン部(54)を往復動させ、2次側冷
媒の吸入と吐出を行うものである。また、往復ポンプ
(50)は、液相の2次側冷媒を吸入し、吐出する。
【0054】上記往復ポンプ(50)は、可動部材(5
3)、支持手段であるフレクシャー・ベアリング(7
0)、及び駆動手段であるリニアモータ(80)を、ハウ
ジング(51)に収納して構成されている。
【0055】上記ハウジング(51)は、円筒形の密閉容
器状に形成されている。ハウジング(51)の一方の端部
には、中空円筒状のシリンダ部(52)がハウジング(5
1)の外側に向かって突設されている。また、シリンダ
部(52)は、ハウジング(51)に対して同軸に配置され
ている。このシリンダ部(52)は、先端側が閉塞される
一方、基端側がハウジング(51)の端面に接合されてい
る。シリンダ部(52)の先端側の側部には、吸入ポート
(61)と吐出ポート(65)とが設けられている。
【0056】上記吸入ポート(61)には、吸入側ポンプ
弁(62)が設けられている。吸入側ポンプ弁(62)は、
弁体(63)とコイルばね(64)とを備えている。このコ
イルばね(64)は、該弁体(63)を押さえるためのもの
である。そして、吸入側ポンプ弁(62)は、後述するポ
ンプ室(56)へ流入する冷媒の流通のみを許容するよう
に構成されている。
【0057】一方、上記吐出ポート(65)には、吐出側
ポンプ弁(66)が設けられている。吐出側ポンプ弁(6
6)は、弁体(67)とコイルばね(68)とを備えてい
る。このコイルばね(68)は、該弁体(67)を押さえる
ためのものである。そして、吐出側ポンプ弁(66)は、
後述するポンプ室(56)から流出する冷媒の流通のみを
許容するように構成されている。
【0058】上記可動部材(53)は、軸部(55)とピス
トン部(54)とを備えている。軸部(55)は、上記ハウ
ジング(51)の全長よりもやや短い棒状に形成されてい
る。ピストン部(54)は、円柱状に形成されている。こ
のピストン部(54)は、その外径が上記シリンダ部(5
2)の内径よりも僅かに小さくなるように形成されてい
る。また、ピストン部(54)は、軸部(55)の一端に、
該軸部(55)と同軸に接合されている。可動部材(53)
を構成するピストン部(54)と軸部(55)は、一体とな
って軸方向に往復運動する。
【0059】上記ピストン部(54)は、シリンダ部(5
2)に基端側から挿入されている。シリンダ部(52)に
ピストン部(54)を挿入することによって、シリンダ部
(52)内にポンプ室(56)が区画形成される。このポン
プ室(56)は、吸入ポート(61)及び吐出ポート(65)
連通している。また、ピストン部(54)の外周面とシリ
ンダ部(52)の内周面との間には、例えば片側で5〜3
5μm程度の微少な隙間が形成されている。即ち、ピス
トン部(54)の外径は、シリンダ部(52)の内径よりも
10〜70μm程度小さく設定されている。このように
ピストン部(54)とシリンダ部(52)の間の隙間を微少
に設定していわゆるクリアランス・シールを構成し、こ
の隙間からの冷媒漏洩量の低減を図っている。
【0060】上記軸部(55)は、フレクシャー・ベアリ
ング(70)によって支持されている。フレクシャー・ベ
アリング(70)は、軸部(55)の各端部に1つずつ設け
られている。軸部(55)を一対のフレクシャー・ベアリ
ング(70)で支持することにより、上記可動部材(53)
は、シリンダ部(52)の半径方向への移動を規制される
と共に、該可動部材(53)の軸方向への自由な往復運動
が許容されている。これによって、ピストン部(54)
は、シリンダ部(52)と非接触の状態を保ちつつ往復動
する。尚、フレクシャー・ベアリング(70)について
は、後述する。
【0061】上記リニアモータ(80)は、一対のフレク
シャー・ベアリング(70)の間に配置されている。この
リニアモータ(80)は、継鉄部材(81)、永久磁石であ
る駆動磁石(88)、及び駆動コイル(89)を備えてい
る。
【0062】上記継鉄部材(81)は、多数の鋼板を積層
して形成され、いわゆる積層鉄心を構成している。この
継鉄部材(81)は、円筒部(82)と円板部(83)とより
構成されている。継鉄部材(81)の円筒部(82)は、厚
肉の円筒状に形成され、その外径がハウジング(51)の
内径とほぼ一致する形状とされている。継鉄部材(81)
の円板部(83)は、円筒部(82)の一端から該円筒部
(82)の中心に向かって広がる円板状に形成されてい
る。また、円板部(83)は、中心部に円形の貫通孔(8
4)が形成されてドーナツ状に形成されている。
【0063】上記継鉄部材(81)は、円筒部(82)の外
周面においてハウジング(51)の内周面に接合されてい
る。そして、ハウジング(51)の内部において、継鉄部
材(81)は上記可動部材(53)と同軸に配置され、可動
部材(53)の軸部(55)が継鉄部材(81)の貫通孔(8
4)を貫通している。
【0064】上記駆動磁石(88)は、両端が開放された
厚肉の円筒状に形成されている。駆動磁石(88)の内径
は、継鉄部材(81)の貫通孔(84)の直径とほぼ同じに
設定されている。この駆動磁石(88)は、その一端が継
鉄部材(81)における円板部(83)の側面に接合され、
継鉄部材(81)の円筒部(82)の内側に該円筒部(82)
と同軸となる姿勢で配置されている。そして、駆動磁石
(88)の外周面と継鉄部材(81)の円筒部(82)の内周
面とに挟まれた空間には、磁場が形成される。
【0065】上記駆動コイル(89)は、銅線を巻回した
ものであって、その全体が円筒形状とされている。この
駆動コイル(89)には、図外のリード線を通じて電力が
供給される。駆動コイル(89)は、上記継鉄部材(81)
の円筒部(82)の内側で駆動磁石(88)の外側の空間
に、該円筒部(82)及び駆動磁石(88)と同軸に配置さ
れている。つまり、駆動コイル(89)は、継鉄部材(8
1)の円筒部(82)と駆動磁石(88)の間に形成される
円筒状の空間に挿入された状態で設けられている。ま
た、駆動コイル(89)は、連結部材(90)を介して可動
部材(53)の軸部(55)と結合されている。
【0066】上記連結部材(90)は、一端が閉鎖された
円筒状に形成されている。この連結部材(90)の外周面
は、駆動コイル(89)の内周面と接合されている。ま
た、連結部材(90)の端部には、その中心部を貫通する
ように可動部材(53)の軸部(55)が設けられ、該軸部
(55)と連結部材(90)とが接合されている。
【0067】上記フレクシャー・ベアリング(70)は、
図3に示すような板バネ部材(71)を複数枚積層して構
成されている。
【0068】上記板バネ部材(71)は、円板状に形成さ
れている。板バネ部材(71)の中央部には、中央孔(7
2)が開口している。この中央孔(72)は、可動部材(5
3)の軸部(55)を貫通させるために形成されている。
中央孔(72)の周辺には、4つのボルト孔(73)が開口
している。このボルト孔(73)にボルトを通して、板バ
ネ部材(71)と可動部材(53)の軸部(55)とを結合す
る。一方、板バネ部材(71)の外周部には、8つのボル
ト孔(75)が開口している。このボルト孔(75)にボル
トを通して、板バネ部材(71)とハウジング(51)とを
結合する。
【0069】上記板バネ部材(71)には、上記ボルト孔
(73)のやや外側から外周部に向かって延びる渦巻き状
の渦巻スリット(74)が3本形成されている。各渦巻ス
リット(74)は、板バネ部材(71)の周方向にほぼ等間
隔で形成されている。また、各渦巻スリット(74)の各
端には、応力集中を緩和するための円形の孔がそれぞれ
形成されている。
【0070】この板バネ部材(71)は、その中心部がそ
の外周部に対して、図3における紙面に垂直方向へは容
易に撓むように構成されている。即ち、板バネ部材(7
1)は、その中心部が図3における紙面の手前側へ膨出
するように容易に変形でき、図3における紙面の向こう
側へ陥没するようにも容易に変形できる。
【0071】そして、上記板バネ部材(71)が例えば1
4枚積層され、上記フレクシャー・ベアリング(70)を
構成している。その際、各板バネ部材(71)は、所定の
間隔をおいて積層されている。これは、板バネ部材(7
1)が撓んだ状態で、相隣る板バネ部材(71)同士が接
触するのを防ぐためである。
【0072】上述のように、フレクシャー・ベアリング
(70)は、可動部材(53)における軸部(55)の各端に
1つずつ設けられている(図2参照)。具体的に、可動
部材(53)の軸部(55)が上記板バネ部材(71)の中央
孔(72)を貫通する状態とされ、この軸部(55)と板バ
ネ部材(71)とが結合されている。つまり、各板バネ部
材(71)は、可動部材(53)の軸部(55)と同軸に配置
されている。また、各板バネ部材(71)は、その外周部
においてハウジング(51)に結合されている。そして、
各板バネ部材(71)が撓むことによって、可動部材(5
3)は、その軸方向に自由に往復運動できるようにされ
ている。一方、各板バネ部材(71)がその半径方向には
ほとんど撓まないことから、板バネ部材(71)の半径方
向における可動部材(53)の移動が規制される。
【0073】−運転動作− 上記空気調和装置(10)は、室内を冷房する冷房運転
と、室内を暖房する暖房運転とを切り換えて行う。以
下、冷房運転時の動作と、暖房運転時の動作とに分けて
説明する。また、往復ポンプ(50)の動作については、
冷暖房運転時の動作とは分けて説明する。
【0074】《冷房運転》冷房運転時において、1次側
回路(11)では、1次側四路切換弁(13)が図1に実線
で示すように切り換えられ、1次側膨張弁(15)が所定
開度に調節される。この状態で1次側圧縮機(12)を駆
動すると、1次側回路(11)で1次側冷媒が循環して、
冷凍サイクルが行われる。
【0075】具体的に、1次側圧縮機(12)から吐出さ
れた1次側冷媒は、1次側四路切換弁(13)を通って室
外熱交換器(14)へ送られる。室外熱交換器(14)で
は、1次側冷媒が室外空気と熱交換を行う。この熱交換
により、1次側冷媒が室外空気に対して放熱して凝縮す
る。凝縮した1次側冷媒は、1次側膨張弁(15)で減圧
された後に中間熱交換器(16)の1次側通路(17)に導
入される。
【0076】中間熱交換器(16)では、1次側通路(1
7)の1次側冷媒が2次側通路(18)の2次側冷媒と熱
交換する。この熱交換により、1次側冷媒が2次側冷媒
から吸熱して蒸発する。即ち、1次側冷媒の冷熱が、2
次側冷媒に付与される。中間熱交換器(16)で蒸発した
1次側冷媒は、1次側四路切換弁(13)を通って1次側
圧縮機(12)に吸入される。1次側圧縮機(12)は、吸
入した1次側冷媒を圧縮して再び吐出する。
【0077】一方、2次側回路(21)では、2次側四路
切換弁(22)が図1に実線で示すように切り換えられ、
各室内膨張弁(23,23)が所定開度に調節される。この
状態で往復ポンプ(50)を駆動すると、2次側回路(2
1)で2次側冷媒が循環し、中間熱交換器(16)で2次
側冷媒に付与された冷熱が各室内熱交換器(24,24)に
搬送される。
【0078】具体的に、往復ポンプ(50)の吐出ポート
(65)から吐出された2次側冷媒は、2次側四路切換弁
(22)を通り、第1液側配管(26)を流れて各室内膨張
弁(23,23)に送られる。その後、2次側冷媒は、室内
膨張弁(23,23)で減圧されて室内熱交換器(24,24)へ
導入される。室内熱交換器(24,24)では、2次側冷媒
と室内空気とが熱交換を行う。この熱交換によって、2
次側冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し、室内空気の温
度が低下する。即ち、室内熱交換器(24,24)では、室
内空気が冷却されて調和空気が生成する。生成した調和
空気は、室内に供給されて冷房に利用される。
【0079】各室内熱交換器(24,24)で蒸発した2次
側冷媒は、ガス側配管(28)を通って中間熱交換器(1
6)の2次側通路(18)に導入される。上述のように、
中間熱交換器(16)では、2次側冷媒が1次側冷媒と熱
交換を行う。そして、2次側冷媒は、1次側冷媒に対し
て放熱して凝縮する。凝縮した2次側冷媒は、第2液側
配管(27)を流れ、2次側四路切換弁(22)を通って往
復ポンプ(50)の吸入ポート(61)へ送られる。往復ポ
ンプ(50)は、吸入ポート(61)から2次側冷媒を吸入
し、吸入した2次側冷媒を再び吐出ポート(65)から送
り出す。
【0080】《暖房運転》暖房運転時において、1次側
回路(11)では、1次側四路切換弁(13)が図1に破線
で示すように切り換えられ、1次側膨張弁(15)が所定
開度に調節される。この状態で1次側圧縮機(12)を駆
動すると、1次側回路(11)で1次側冷媒が循環して、
ヒートポンプサイクルが行われる。
【0081】具体的に、1次側圧縮機(12)から吐出さ
れた1次側冷媒は、1次側四路切換弁(13)を通って中
間熱交換器(16)の1次側通路(17)へ送られる。中間
熱交換器(16)では、1次側冷媒が2次側通路(18)の
2次側冷媒と熱交換する。この熱交換により、1次側冷
媒が2次側冷媒に対して放熱して凝縮する。即ち、1次
側冷媒の温熱が、2次側冷媒に付与される。
【0082】中間熱交換器(16)で凝縮した1次側冷媒
は、1次側膨張弁(15)で減圧された後に室外熱交換器
(14)へ導入される。室外熱交換器(14)では、1次側
冷媒が室外空気と熱交換する。この熱交換により、1次
側冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器
(14)で蒸発した1次側冷媒は、1次側四路切換弁(1
3)を通って1次側圧縮機(12)に吸入される。1次側
圧縮機(12)は、吸入した1次側冷媒を圧縮して再び吐
出する。
【0083】一方、2次側回路(21)では、2次側四路
切換弁(22)が図1に破線で示すように切り換えられ、
各室内膨張弁(23,23)が全開に調節される。この状態
で往復ポンプ(50)を駆動すると、2次側回路(21)で
2次側冷媒が循環し、中間熱交換器(16)で2次側冷媒
に付与された温熱が各室内熱交換器(24,24)に搬送さ
れる。
【0084】具体的に、往復ポンプ(50)の吐出ポート
(65)から吐出された2次側冷媒は、2次側四路切換弁
(22)を通り、第2液側配管(27)を流れて中間熱交換
器(16)の2次側通路(18)に導入される。上述のよう
に、中間熱交換器(16)では、2次側冷媒が1次側冷媒
と熱交換を行う。そして、2次側冷媒は、1次側冷媒か
ら吸熱して蒸発する。中間熱交換器(16)で蒸発した2
次側冷媒は、ガス側配管(28)を流れて各室内熱交換器
(24,24)へ送られる。
【0085】室内熱交換器(24,24)では、冷媒と室内
空気とが熱交換を行う。この熱交換によって、2次側冷
媒が放熱して凝縮すると同時に、室内空気が吸熱して温
度上昇する。即ち、室内熱交換器(24,24)では、室内
空気が加熱されて調和空気が生成する。生成した調和空
気は、室内に供給されて暖房に利用される。室内熱交換
器(24,24)で凝縮した2次側冷媒は、第1液側配管(2
6)を流れ、2次側四路切換弁(22)を通って往復ポン
プ(50)の吸入ポート(61)へ送られる。往復ポンプ
(50)は、吸入ポート(61)から2次側冷媒を吸入し、
吸入した2次側冷媒を再び吐出ポート(65)から送り出
す。
【0086】《往復ポンプの動作》駆動コイル(89)に
電流を流すと、該駆動コイル(89)に電磁力が作用す
る。この電磁力を駆動力として、駆動コイル(89)と一
体の可動部材(53)がその軸方向(図2における左右方
向)に駆動される。駆動コイル(89)に所定周波数の交
流を流すと、ピストン部(54)と一体の可動部材(53)
が所定の周期で往復動を繰り返す。そして、往復ポンプ
(50)は、2次側冷媒をポンプ室(56)へ吸入する行程
(吸入行程)と、2次側冷媒をポンプ室(56)から吐出
する行程(吐出行程)とを繰り返し、2次側冷媒に循環
駆動力を付与する。
【0087】吸入行程では、図2における右方向へ可動
部材(53)が移動する。つまり、ピストン部(54)がシ
リンダ部(52)から引き抜かれる方向へ移動し、ポンプ
室(56)の容積が拡大する。この状態で、ポンプ室(5
6)には、吸入ポート(61)を通じて2次側冷媒が吸入
される。その際、2次側冷媒は、吸入側ポンプ弁(62)
の弁体(63)を押し上げてポンプ室(56)へと流れ込
む。
【0088】吐出行程では、図2における左方向へ可動
部材(53)が移動する。つまり、ピストン部(54)がシ
リンダ部(52)へ押し込まれる方向へ移動し、ポンプ室
(56)の容積が減少する。この状態で、吸入行程でポン
プ室(56)に吸入された2次側冷媒は、吐出ポート(6
5)を通ってポンプ室(56)から押し出される。その
際、2次側冷媒は、吐出側ポンプ弁(66)の弁体(67)
を押し上げてポンプ室(56)から流出する。
【0089】ここで、吐出行程ではポンプ室(56)の圧
力が高まるため、シリンダ部(52)とピストン部(54)
の隙間から2次側冷媒が漏れ出すおそれがある。これに
対し、本実施形態では、シリンダ部(52)とピストン部
(54)の隙間を微少な幅に設定し、クリアランス・シー
ルを構成するようにしている。従って、シリンダ部(5
2)とピストン部(54)の隙間からの冷媒漏洩量が抑制
される。
【0090】また、シリンダ部(52)とピストン部(5
4)の隙間から2次側冷媒が漏洩した場合であっても、
漏洩した2次側冷媒は、ハウジング(51)内に流入する
のみである。従って、この隙間からの漏洩冷媒が、往復
ポンプ(50)、ひいては2次側回路(21)の外部へ漏れ
出すことは無い。
【0091】−実施形態1の効果− 本実施形態1に係る往復ポンプ(50)では、上述の板バ
ネ部材(71)から成るフレクシャー・ベアリング(70)
によって可動部材(53)を支持している。従って、可動
部材(53)がその軸方向(図2における左右方向)へ自
由に移動するのを許容しつつ、可動部材(53)がその軸
方向と直交する方向(図2における上下方向や紙面に垂
直方向)へ移動するのを確実に規制できる。このため、
シリンダ部(52)とピストン部(54)の隙間を狭く設定
した上で、シリンダ部(52)とピストン部(54)を非接
触に保ちつつピストン部(54)を往復動させることがで
きる。また、ハウジング(51)等の固定された部材と摺
動させずに、可動部材(53)を往復動させることができ
る。
【0092】特に、本実施形態1では、可動部材(53)
における軸部(55)の各端にフレクシャー・ベアリング
(70)を1つずつ設け、該軸部(55)をその両端部で支
持するようにしている。従って、ピストン部(54)が該
ピストン部(54)の半径方向へ移動するのを、より一層
確実に規制できる。
【0093】更に、上記往復ポンプ(50)では、可動部
材(53)、リニアモータ(80)、及びフレクシャー・ベ
アリング(70)を全てハウジング(51)に収納してい
る。従って、シリンダ部(52)とピストン部(54)に隙
間を形成した場合に、この隙間から2次側冷媒が漏れ出
たとしても、この漏洩した冷媒をハウジング(51)内に
留めることができる。
【0094】以上の結果、本実施形態では、往復動する
可動部材(53)と、ハウジング(51)等の固定された部
材との間をシールするための部材が不要となる。このた
め、従来におけるシール部材の劣化といった問題は生じ
得ず、このシール部材の劣化に起因する定期的なメンテ
ナンスは不要となる。更に、本実施形態1では、可動部
材(53)は他の何れの部材とも接触しない。このため、
往復動する可動部材(53)が摩耗するといった問題も生
じず、この点からも往復ポンプ(50)の信頼性の向上が
図られる。従って、本実施形態1によれば、高い信頼性
を有し、長期に亘って確実に動作し得る往復ポンプ(5
0)を実現できる。
【0095】また、本実施形態1では、可動部材(53)
を駆動するためにリニアモータ(80)を用いている。そ
して、駆動磁石(88)と駆動コイル(89)の間で生じた
電磁力を、回転力としてではなく直線的な駆動力として
可動部材(53)に付与するようにしている。このため、
通常のモータを用いた場合のような、回転力を直線的な
駆動力に変換するための機構(クランク軸など)は不要
である。従って、本実施形態1によれば、構成の簡素化
や小型化を図れると共に、クランク軸などの潤滑が不要
となって往復ポンプ(50)のオイルレス化を図ることが
可能となる。
【0096】また、本実施形態1によれば、本発明に係
る長寿命の往復ポンプ(50)を用いて空気調和装置(1
0)を構成できる。従って、上述の熱駆動式ポンプに比
べて小型で簡素な機械式ポンプを用いつつ、メンテナン
ス不要で長期に亘る運転が可能な空気調和装置(10)を
実現できる。
【0097】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実
施形態1において、往復ポンプ(50)の構成を変更した
ものである。具体的には、リニアモータ(80)の構成を
変更したものである。ここでは、本実施形態2に係る往
復ポンプ(50)について、上記実施形態1のものと異な
る点について説明する。
【0098】図4に示すように、本実施形態2のリニア
モータ(80)では、駆動磁石(88)が連結部材(90)を
介して可動部材(53)と一体に設けられる一方、駆動コ
イル(89)が継鉄部材(81)と一体に設けられている。
また、これに伴い、継鉄部材(81)の形状も変更されて
いる。
【0099】上記継鉄部材(81)は、外側円筒部(85)
と内側円筒部(86)と端面部(87)とより構成されてい
る。外側円筒部(85)は、厚肉の円筒状に形成され、そ
の外径がハウジング(51)の内径とほぼ一致する形状と
されている。内側円筒部(86)は、外側円筒部(85)よ
りもやや薄肉の円筒状に形成されている。この内側円筒
部(86)は、その外径が外側円筒部(85)の内径よりも
小さく形成され、外側円筒部(85)の内側に該外側円筒
部(85)と同軸に配置されている。端面部(87)は、外
側円筒部(85)の一端部から内側円筒部(86)の一端部
に亘って円板状に形成されている。
【0100】上記駆動コイル(89)は、銅線を巻回した
ものであって、その全体が円筒形状とされている。駆動
コイル(89)は、継鉄部材(81)の外側円筒部(85)に
対して内側から埋め込んだ状態で設けられている。この
駆動コイル(89)は、その内径が外側円筒部(85)の内
径と概ね一致するように形成され、外側円筒部(85)と
同軸に配置されている。
【0101】上記駆動磁石(88)は、継鉄部材(81)の
外側円筒部(85)よりも小径で且つ内側円筒部(86)よ
りも大径の円筒状に形成されている。駆動磁石(88)
は、上記継鉄部材(81)の外側円筒部(85)の内側で内
側円筒部(86)の外側の空間に、継鉄部材(81)及び駆
動コイル(89)と同軸に配置されている。つまり、駆動
コイル(89)は、外側円筒部(85)及び駆動コイル(8
9)と内側円筒部(86)との間に形成される円筒状の空
間に挿入された状態で設けられている。
【0102】また、上記駆動磁石(88)は、連結部材
(90)を介して可動部材(53)の軸部(55)と結合され
ている。この連結部材(90)は、上記実施形態1のもの
と同様に構成されている。上記駆動磁石(88)は、その
内周面が連結部材(90)の外周面と接合されている。
【0103】上記往復ポンプ(50)では、駆動コイル
(89)に電流を流すと電磁力が生じ、この電磁力によっ
て駆動磁石(88)が移動する。即ち、駆動磁石(88)と
一体の可動部材(53)が、電磁力を駆動力として往復動
する。これに伴ってピストン部(54)がシリンダ部(5
2)内で往復動し、2次側冷媒に循環駆動力を付与す
る。その他の動作は、上記実施形態1のものと同様であ
る。
【0104】−実施形態2の効果−本実施形態2によれ
ば、上記実施形態1の効果に加えて、次のような効果が
得られる。つまり、本実施形態2では、駆動磁石(88)
が可動部材(53)と共に移動することとなる。ここで、
駆動磁石(88)は、銅線を巻回して構成される駆動コイ
ル(89)よりも表面が平滑である。従って、表面の平滑
な駆動磁石(88)が移動する構成とすることにより、可
動部材(53)が往復動する際の抵抗を軽減でき、往復ポ
ンプ(50)の性能向上を図ることができる。
【0105】
【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、上記実
施形態2において、往復ポンプ(50)の構成を変更した
ものである。具体的に、上記実施形態2のものではシリ
ンダ部(52)を固定してピストン部(54)を往復動させ
ているのに対し、本実施形態3の往復ポンプ(50)では
ピストン部(54)を固定してシリンダ部(52)を往復動
させている。ここでは、本実施形態3に係る往復ポンプ
(50)について、上記実施形態2のものと異なる点につ
いて説明する。
【0106】図5に示すように、ピストン部(54)は、
円柱状に形成されている。このピストン部(54)は、ハ
ウジング(51)と同軸となる姿勢で、該ハウジング(5
1)における一端部の内側面に突設されている。このピ
ストン部(54)には、該ピストン部(54)をその長手方
向に貫通する吐出通路(59)が設けられている。
【0107】本実施形態3に係る可動部材(53)は、シ
リンダ部(52)と閉塞端部(57)とにより構成されてい
る。シリンダ部(52)は、両端が開口した円筒状に形成
されている。このシリンダ部(52)は、その内径が上記
ピストン部(54)の外径よりも僅かに大きくなるように
形成されている。閉塞端部(57)は、肉厚の円板状に形
成されている。この閉塞端部(57)は、シリンダ部(5
2)の一端を閉塞するように、該シリンダ部(52)と同
軸に設けられている。また、閉塞端部(57)には、該閉
塞端部(57)をその厚さ方向に貫通する吸入通路(58)
が形成されている。
【0108】上記可動部材(53)は、ハウジング(51)
に固定されたピストン部(54)に被された状態で設けら
れている。つまり、可動部材(53)から見ると、該可動
部材(53)のシリンダ部(52)にピストン部(54)が挿
入された状態となっている。そして、可動部材(53)の
シリンダ部(52)及び閉塞端部(57)とピストン部(5
4)とによって、閉空間のポンプ室(56)が区画形成さ
れている。また、シリンダ部(52)とピストン部(54)
の間には微少な隙間が形成され、この隙間がクリアラン
ス・シールを構成している。
【0109】上記可動部材(53)の各端には、フレクシ
ャー・ベアリング(70)が1つずつ設けられている。即
ち、フレクシャー・ベアリング(70)の各板バネ部材
(71)は、可動部材(53)と同軸に設けられている。各
板バネ部材(71)と可動部材(53)とは、該可動部材
(53)が各板バネ部材(71)の中央孔(72)を貫通した
状態で結合されている。また、可動部材(53)と連結部
材(90)とは、該可動部材(53)が連結部材(90)の端
部を貫通する状態で、可動部材(53)と連結部材(90)
とが同軸となるように接合されている。
【0110】本実施形態3に係る往復ポンプ(50)で
は、吸入ポート(61)がハウジング(51)の端部に設け
られている。具体的には、ピストン部(54)が設けられ
ているのとは反対側のハウジング(51)の端部に、管状
の吸入ポート(61)が設けられている。この吸入ポート
(61)は、2次側冷媒をハウジング(51)の内部空間に
導入する。また、吐出ポート(65)は、ピストン部(5
4)が設けられている側のハウジング(51)の端部に設
けられている。この吐出ポート(65)は、管状に形成さ
れてピストン部(54)の吐出通路(59)と連通し、吐出
通路(59)を流れる2次側冷媒を外部へと送り出す。
【0111】上記可動部材(53)の閉塞端部(57)に形
成された吸入通路(58)は、一端でハウジング(51)の
内部空間と連通し、他端でポンプ室(56)と連通してい
る。また、吸入通路(58)の途中には、吸入側ポンプ弁
(62)が設けられている。この吸入側ポンプ弁(62)
は、弁体(63)及びコイルばね(64)を備えて上記実施
形態2のものと同様に構成されている。即ち、吸入側ポ
ンプ弁(62)は、ポンプ室(56)へ流入する冷媒の流通
のみを許容する。
【0112】上記ピストン部(54)に形成された吐出通
路(59)は、一端でポンプ室(56)と連通し、他端で吐
出ポート(65)と連通している。また、吐出通路(59)
の途中には、吐出側ポンプ弁(66)が設けられている。
この吐出側ポンプ弁(66)は、弁体(67)及びコイルば
ね(68)を備えて上記実施形態2のものと同様に構成さ
れている。即ち、吐出側ポンプ弁(66)は、ポンプ室
(56)から流出する冷媒の流通のみを許容する。
【0113】−運転動作− 本実施形態3に係る往復ポンプ(50)の動作を説明す
る。ここでは、上記実施形態2のものの動作と異なる点
について説明する。
【0114】本実施形態3に係る往復ポンプ(50)で
は、吸入ポート(61)を通じてハウジング(51)の内部
に2次側冷媒が導入される。つまり、ハウジング(51)
の内部は、2次側冷媒で満たされた状態となっている。
この状態で、リニアモータ(80)の駆動コイル(89)に
通電すると、可動部材(53)がその軸方向(図5におけ
る左右方向)に往復動し、吸入行程と吐出行程とが行わ
れる。
【0115】吸入行程では、シリンダ部(52)と一体の
可動部材(53)が図5における右方向へ移動し、ポンプ
室(56)の容積が増大する。このため、ハウジング(5
1)内の2次側冷媒は、吸入通路(58)を通ってポンプ
室(56)へと流入する。一方、吐出行程では、可動部材
(53)が図5における左方向へ移動し、ポンプ室(56)
の容積が減少する。このため、吸入行程でポンプ室(5
6)に吸入された2次側冷媒は、ポンプ室(56)から押
し出され、吐出通路(59)及び吐出ポート(65)を通っ
て送り出される。
【0116】−実施形態3の効果− 本実施形態3によれば、上記実施形態2の効果に加え
て、次のような効果が得られる。つまり、本実施形態3
に係る往復ポンプ(50)では、吸入側ポンプ弁(62)が
可動部材(53)に設けられると共に、吐出側ポンプ弁
(66)がピストン部(54)に設けられる。従って、吸入
側ポンプ弁(62)及び吐出側ポンプ弁(66)をもハウジ
ング(51)内に収納することができ、往復ポンプ(50)
の小型化を図ることができる。
【0117】
【発明の実施の形態4】本発明の実施形態4は、上記実
施形態2において、往復ポンプ(50)の構成を変更した
ものである。具体的に、本実施形態4では、第1ポンプ
機構(91)と第2ポンプ機構(92)とによって1つの往
復ポンプ(50)が構成されている。ここでは、本実施形
態4に係る往復ポンプ(50)について、上記実施形態2
のものと異なる点について説明する。
【0118】図6に示すように、各ポンプ機構(91,9
2)は、それぞれが上記実施形態2に係る往復ポンプ(5
0)とほぼ同様に構成されている。即ち、各ポンプ機構
(91,92)は、ピストン部(54a,54b)と一体の可動部材
(53a,53b)と、リニアモータ(80a,80b)と、フレクシ
ャー・ベアリング(70a,70b)と、円筒形で密閉容器状
のハウジング(51a,51b)とを備えている。各ポンプ機
構(91,92)では、可動部材(53a,53b)、リニアモータ
(80a,80b)、及びフレクシャー・ベアリング(70a,70
b)がハウジング(51a,51b)に収納される。そして、フ
レクシャー・ベアリング(70a,70b)により支持された
可動部材(53a,53b)が、リニアモータ(80a,80b)によ
り駆動されて往復動する。
【0119】上記往復ポンプ(50)において、各ポンプ
機構(91,92)は、1つのシリンダ部(52)を共有して
いる。両ポンプ機構(91,92)のハウジング(51a,51b)
とシリンダ部(52)とは、同軸上に配置されている。2
つのポンプ機構(91,92)は、シリンダ部(52)を挟ん
で互いに対向する姿勢で配置されている。
【0120】具体的に、シリンダ部(52)の一端(図6
における右端)には、第1ポンプ機構(91)のハウジン
グ(51a)が接合されている。第1ポンプ機構(91)の
ピストン部(54a)は、シリンダ部(52)に対して該シ
リンダ部(52)の一端側から挿入されている。一方、シ
リンダ部(52)の他端(図6における左端)には、第2
ポンプ機構(92)のハウジング(51b)が接合されてい
る。第2ポンプ機構(92)のピストン部(54b)は、シ
リンダ部(52)に対して該シリンダ部(52)の他端側か
ら挿入されている。そして、シリンダ部(52)と、両ポ
ンプ機構(91,92)のピストン部(54a,54b)とによっ
て、1つのポンプ室(56)が区画形成されている。
【0121】上記シリンダ部(52)には、吸入ポート
(61)と吐出ポート(65)とが1つずつ設けられてい
る。吸入ポート(61)及び吐出ポート(65)は、それぞ
れがポンプ室(56)に連通している。また、吸入ポート
(61)には吸入側ポンプ弁(62)が設けられ、吐出ポー
ト(65)には吐出側ポンプ弁(66)が設けられ吸入側ポ
ンプ弁(62)及び吐出側ポンプ弁(66)の構成は、上記
実施形態2のものと同様である。
【0122】上記往復ポンプ(50)において、第1ポン
プ機構(91)の第1可動部材(53a)と第2ポンプ機構
(92)の第2可動部材(53b)とは、同軸上に互いに対
向する姿勢で設けられている。そして、第1可動部材
(53a)と第2可動部材(53b)とは、向互いに近付く方
向への移動と、互いに遠ざかる方向への移動とを交互に
繰り返す。
【0123】−運転動作− 本実施形態4に係る往復ポンプ(50)の動作を説明す
る。ここでは、上記実施形態2のものの動作と異なる点
について説明する。尚、この説明において、右側という
場合は図6における右側を意味し、左側という場合は図
6における左側を意味するものとする。
【0124】この往復ポンプ(50)の吸入行程では、第
1可動部材(53a)と一体のピストン部(54a)が右側へ
移動すると同時に、第2可動部材(53b)と一体のピス
トン部(54b)が左側へ移動する。これによって、ポン
プ室(56)の容積が増大し、吸入ポート(61)を通じて
ポンプ室(56)に2次側冷媒が吸入される。
【0125】一方、吐出行程では、第1可動部材(53
a)と一体のピストン部(54a)が左側へ移動すると同時
に、第2可動部材(53b)と一体のピストン部(54b)が
右側へ移動する。これによって、ポンプ室(56)の容積
が減少し、吸入行程でポンプ室(56)に吸入された2次
側冷媒がポンプ室(56)から押し出される。ポンプ室
(56)から押し出された2次側冷媒は、吐出ポート(6
5)を通って往復ポンプ(50)から送り出される。
【0126】−実施形態4の効果− 本実施形態4によれば、上記実施形態2の効果に加え
て、次のような効果が得られる。つまり、本実施形態4
では、2つの可動部材(53a,53b)を同軸上に設け、両
可動部材(53a,53b)が互いに近付く方向への移動と互
いに遠ざかる方向への移動とを交互に繰り返すようにし
ている。従って、両可動部材(53a,53b)の往復動に伴
って生じる反力は、互いに打ち消しあうように作用す
る。このため、可動部材(53a,53b)の往復運動に伴う
反力を相殺でき、加振力としての反力を減少させること
ができる。この結果、往復ポンプ(50)の運転に伴って
生じる振動を抑制でき、往復ポンプ(50)の信頼性を更
に向上させることができる。
【0127】
【発明の実施の形態5】本発明の実施形態5は、上記実
施形態2において、往復ポンプ(50)の構成を変更した
ものである。具体的に、本実施形態5は、往復ポンプ
(50)をいわゆる復動式に構成したものである。ここで
は、本実施形態5に係る往復ポンプ(50)について、上
記実施形態2のものと異なる点について説明する。
【0128】図7に示すように、本実施形態5に係る往
復ポンプ(50)には、シリンダ部(52a,52b)とピスト
ン部(54a,54b)が2つずつ設けられている。
【0129】上記各シリンダ部(52a,52b)は、先端が
閉塞された中空円筒状に形成され、それぞれが吸入ポー
ト(61a,61b)と吐出ポート(65a,65b)とを備えてい
る。各吸入ポート(61a,61b)は吸入側ポンプ弁(62a,6
2b)を備え、吐出ポート(65a,65b)は吐出側ポンプ弁
(66a,66b)を備えている。この点は、上記実施形態2
のものと同様である。シリンダ部(52a,52b)は、ハウ
ジング(51)の各端部に該ハウジング(51)の外側に向
かって1つずつ突設されている。また、各シリンダ部
(52a,52b)は、ハウジング(51)に対して同軸に配置
されている。そして、図7における右側のものが第1シ
リンダ部(52a)を構成し、図7における左側のものが
第2シリンダ部(52b)を構成している。
【0130】上記2つのピストン部(54a,54b)は、1
つの可動部材(53)に一体に設けられている。具体的
に、可動部材(53)における軸部(55)の各端にピスト
ン部(54a,54b)が1つずつ設けられている。また、両
ピストン部(54a,54b)は、軸部(55)に対して同軸に
取り付けられている。このうち、図7における右側のも
のが第1ピストン部(54a)を構成し、図7における左
側のものが第2ピストン部(54b)を構成している。そ
して、第1シリンダ部(52a)には第1ピストン部(54
a)が挿入され、この第1シリンダ部(52a)及び第1ピ
ストン部(54a)によって第1ポンプ室(56a)が区画形
成されている。また、第2シリンダ部(52b)には第2
ピストン部(54b)が挿入され、この第2シリンダ部(5
2b)及び第2ピストン部(54b)によって第2ポンプ室
(56b)が区画形成されている。
【0131】尚、本実施形態5の往復ポンプ(50)は、
その第1及び第2吸入ポート(61a,61b)が2次側四路
切換弁(22)の第4のポートと接続され、その第1及び
第2吐出ポート(65a,65b)が2次側四路切換弁(22)
の第1のポートと接続されている。
【0132】−運転動作− 本実施形態5に係る往復ポンプ(50)の動作を説明す
る。ここでは、上記実施形態2のものの動作と異なる点
について説明する。尚、この説明において、右側という
場合は図7における右側を意味し、左側という場合は図
7における左側を意味するものとする。
【0133】上記往復ポンプ(50)では、一方のポンプ
室(56a,56b)における吸入行程と、他方のポンプ室(5
6a,56b)における吐出行程とが同時に行われる。つま
り、第1ポンプ室(56a)に2次側冷媒を吸入すると同
時に第2ポンプ室(56b)から2次側冷媒を吐出する動
作を行う一方、第2ポンプ室(56b)に2次側冷媒を吸
入すると同時に第1ポンプ室(56a)から2次側冷媒を
吐出する動作を行う。
【0134】先ず、可動部材(53)が左側へ移動する
と、第1ポンプ室(56a)の容積が増大する一方、第2
ポンプ室(56b)の容積が減少する。このため、第1ポ
ンプ室(56a)には第1吸入ポート(61a)を通じて2次
側冷媒が流入し、第2ポンプ室(56b)から第2吐出ポ
ート(65)を通じて2次側冷媒が送り出される。
【0135】反対に、可動部材(53)が右側へ移動する
と、第1ポンプ室(56a)の容積が減少する一方、第2
ポンプ室(56b)の容積が増大する。このため、第1ポ
ンプ室(56a)からは第1吐出ポート(65)を通じて2
次側冷媒が送り出される一方、第2ポンプ室(56b)に
は第2吸入ポート(61b)を通じて2次側冷媒が流入す
る。
【0136】上述のように、上記往復ポンプ(50)にお
いては、第1ポンプ室(56a)からの2次側冷媒の吐出
と、第2ポンプ室(56b)からの2次側冷媒の吐出とが
交互に行われる。そして、可動部材(53)が左右のどち
らに移動する場合であっても、何れか一方のポンプ室
(56a,56b)から必ず2次側冷媒が吐出される。
【0137】−実施形態5の効果− 本実施形態5によれば、上記実施形態2の効果に加え
て、次のような効果が得られる。つまり、本実施形態5
に係る往復ポンプ(50)によれば、可動部材(53)を1
往復させる間に各ポンプ室(56a,56b)からの2次側冷
媒の吐出を1回ずつ、合計2回行うことができる。この
ため、往復ポンプ(50)から吐出される2次側冷媒の流
れの脈動を小さくでき、2次側回路(21)において2次
側冷媒をスムーズに流通させることができる。また、往
復ポンプ(50)全体の吐出冷媒量を維持しつつ各ポンプ
室(56)からの吐出量を半分とすることができ、可動部
材(53)の往復動の振幅、即ち可動部材(53)のストロ
ークを短縮できる。
【0138】
【発明の実施の形態6】本発明の実施形態6は、いわゆ
るスタティック型の氷蓄熱を行う空気調和装置(10)で
ある。図8に示すように、この空気調和装置(10)は、
冷媒が循環する冷媒回路(30)と、氷蓄熱部(40)とを
備えている。
【0139】《冷媒回路の構成》上記冷媒回路(30)
は、主回路(31)と、蓄熱回路(35)と、取出し回路
(36)とを備え、冷媒循環回路を構成している。冷媒回
路(30)では、冷媒が循環して冷凍サイクル動作とヒー
トポンプサイクル動作とが行われる。
【0140】上記主回路(31)は、圧縮機(32)と、四
路切換弁(33)と、室外熱交換器(14)と、室外膨張弁
(34)と、2つの室内膨張弁(23,23)と、2つの室内
熱交換器(24,24)とを、配管接続して構成されてい
る。このうち、室内膨張弁(23,23)及び室内熱交換器
(24,24)は、各室内ユニット(25,25)に1つずつ収納
されている。
【0141】具体的に、圧縮機(32)の吐出側は、四路
切換弁(33)の第1のポートと接続されている。四路切
換弁(33)の第2のポートは、室外熱交換器(14)の一
端と接続されている。室外熱交換器(14)の他端は、室
外膨張弁(34)、第1電磁弁(SV-1)及び室内膨張弁
(23,23)を介して、室内熱交換器(24,24)の一端に接
続されている。室内熱交換器(24,24)の他端は、四路
切換弁(33)の第3のポートに接続されている。四路切
換弁(33)の第4のポートは、圧縮機(32)の吸入側に
接続されている。
【0142】即ち、一方の室内ユニット(25)の室内膨
張弁(23)及び室内熱交換器(24)と、他方の室内ユニ
ット(25)の室内膨張弁(23)及び室内熱交換器(24)
とは、主回路(31)において互いに並列に設けられてい
る。また、主回路(31)においては、室外熱交換器(1
4)から室内熱交換器(24,24)に向かって順に、室外膨
張弁(34)と、第1電磁弁(SV-1)と、室内膨張弁(2
3,23)とが設けられている。
【0143】上記四路切換弁(33)は、第1のポートと
第2のポートが連通し且つ第3のポートと第4のポート
が連通する状態(図8に実線で示す状態)と、第1のポ
ートと第3のポートが連通し且つ第2のポートと第4の
ポートが連通する状態(図8に破線で示す状態)とに切
り換わる。この四路切換弁(33)の切換動作によって、
冷媒回路(30)における冷媒の循環方向が反転する。
【0144】上記室外熱交換器(14)及び室内熱交換器
(24,24)は、何れもクロスフィン式のフィン・アンド
・チューブ型熱交換器により構成されている。室外熱交
換器(14)には、図外の室外ファンによって室外空気が
送られる。この室外熱交換器(14)は、室外空気と冷媒
とを熱交換させる。室内熱交換器(24,24)には、図外
の室内ファンによって室内空気が送られる。この室内熱
交換器(24,24)は、室内空気と冷媒とを熱交換させ
る。
【0145】上記蓄熱回路(35)は、主回路(31)に接
続されている。この蓄熱回路(35)は、一端が室外膨張
弁(34)と第1電磁弁(SV-1)との間に接続され、他端
が四路切換弁(33)と圧縮機(32)の吸入側との間に接
続されている。蓄熱回路(35)には、一端から他端に向
かって順に、第2電磁弁(SV-2)と蓄熱熱交換器(42)
とが設けられている。この蓄熱熱交換器(42)について
は、後述する。
【0146】上記取出し回路(36)は、主回路(31)に
接続されている。具体的に、取出し回路(36)は、一端
が第1電磁弁(SV-1)と室内膨張弁(23,23)との間に
接続され、他端が四路切換弁(33)と圧縮機(32)の吸
入側との間に接続されている。蓄熱回路(35)には、一
端から他端に向かって順に、外融熱交換器(45)と、往
復ポンプ(50)と、第3電磁弁(SV-3)とが設けられて
いる。その際、往復ポンプ(50)は、その吸入ポート
(61)が外融熱交換器(45)と接続される一方、その吐
出ポート(65)が第3電磁弁(SV-3)と接続されてい
る。尚、外融熱交換器(45)については、後述する。
【0147】《氷蓄熱部の構成》上記氷蓄熱部(40)
は、蓄熱槽(41)、蓄熱熱交換器(42)、及び水循環路
(43)により構成されている。蓄熱槽(41)には、蓄熱
媒体としての水が貯留されている。また、蓄熱槽(41)
には、蓄熱熱交換器(42)が収納されている。蓄熱熱交
換器(42)は、多数の上下に蛇行する伝熱管により構成
され、蓄熱槽(41)内に水没した状態で配置されてい
る。この蓄熱熱交換器(42)は、蓄熱回路(35)を通じ
て送り込まれる冷媒と、蓄熱槽(41)に貯留された水と
を熱交換させる。
【0148】上記水循環路(43)は、蓄熱槽(41)に接
続されている。具体的に、水循環路(43)は、一端が蓄
熱槽(41)の底部に接続され、他端が蓄熱槽(41)の上
部に接続されている。水循環路(43)には、一端から他
端に向かって順に、循環ポンプ(44)と外融熱交換器
(45)とが設けられている。
【0149】上記外融熱交換器(45)は、いわゆるプレ
ート式熱交換器により構成され、水側通路(46)と冷媒
側通路(47)とが形成されている。水側通路(46)に
は、水循環路(43)が接続されている。この水側通路
(46)には、水循環路(43)を通じて蓄熱槽(41)内の
冷水が送り込まれる。一方、冷媒側通路(47)には、上
記蓄熱回路(35)が接続されている。この冷媒側通路
(47)には、蓄熱回路(35)を通じて冷媒が送り込まれ
る。そして、外融熱交換器(45)は、水側通路(46)の
冷水と冷媒側通路(47)の冷媒とを熱交換させる。
【0150】−運転動作− 本実施形態6に係る空気調和装置(10)は、冷蓄熱運転
と、利用冷房運転と、通常冷房運転と、暖房運転とを切
り換えて行う。
【0151】《冷蓄熱運転》冷蓄熱運転は、蓄熱槽(4
1)の水を冷却して製氷を行い、氷の潜熱として冷熱を
蓄える運転である。この冷蓄熱運転は、安価な夜間電力
を利用して行われる。
【0152】冷蓄熱運転時には、冷媒回路(30)におい
て、四路切換弁(33)が図8に実線で示すように切り換
えられると共に、室外膨張弁(34)が所定開度に調節さ
れ、第2電磁弁(SV-2)が開放され、第1電磁弁(SV-
1)及び第3電磁弁(SV-3)が閉鎖される。この状態で
圧縮機(32)を駆動すると、主回路(31)及び蓄熱回路
(35)を冷媒が流れ、室外熱交換器(14)を凝縮器とし
且つ蓄熱熱交換器(42)を蒸発器として冷凍サイクルが
行われる。尚、循環ポンプ(44)と往復ポンプ(50)と
は、停止している。
【0153】具体的に、圧縮機(32)から吐出された冷
媒は、四路切換弁(33)を通って室外熱交換器(14)へ
送られる。室外熱交換器(14)では、冷媒が室外空気と
熱交換を行う。この熱交換により、冷媒が室外空気に対
して放熱して凝縮する。凝縮した冷媒は、室外膨張弁
(34)で減圧された後に、蓄熱回路(35)を通って蓄熱
熱交換器(42)に導入される。
【0154】蓄熱熱交換器(42)では、冷媒が蓄熱槽
(41)内の水と熱交換を行い、冷媒が水から吸熱して蒸
発する。これによって、蓄熱槽(41)内の水が冷却され
て凍結し、冷凍サイクルにより生成した冷熱が氷の潜熱
として蓄えられる。蓄熱熱交換器(42)で蒸発した冷媒
は、四路切換弁(33)を通って圧縮機(32)に吸入され
る。圧縮機(32)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出
する。
【0155】《利用冷房運転》利用冷房運転は、冷蓄熱
運転により蓄えた冷熱を利用して、室内の冷房を行う運
転である。この運転は、電力需要の少ない夜間の電力に
より生成した冷熱を用いて昼間の冷房を行い、昼間の電
力需要の抑制を図ることを目的として行われる。
【0156】利用冷房運転時には、冷媒回路(30)にお
いて、室内膨張弁(23,23)がそれぞれ所定開度に調節
され、第3電磁弁(SV-3)が開放され、第1電磁弁(SV
-1)及び第2電磁弁(SV-2)が閉鎖される。この状態で
往復ポンプ(50)を運転すると、外融熱交換器(45)と
各室内熱交換器(24,24)との間で冷媒が循環する。ま
た、循環ポンプ(44)を運転すると、水循環路(43)に
おいて蓄熱媒体である水が循環する。尚、圧縮機(32)
は、停止している。
【0157】具体的に、往復ポンプ(50)を運転する
と、蓄熱槽(41)の底部から水循環路(43)へ水が取り
込まれ、この水が外融熱交換器(45)へ送られる。ここ
で、蓄熱槽(41)には氷が存在しているため、蓄熱槽
(41)内の水は、ほぼ0℃の冷水となっている。そし
て、この蓄熱槽(41)の冷水が、外融熱交換器(45)の
水側通路(46)に送り込まれる。外融熱交換器(45)で
は、この水が冷媒側通路(47)の冷媒から吸熱し、その
温度がやや上昇する。この吸熱した水は、再び水循環路
(43)を通って蓄熱槽(41)の上部から該蓄熱槽(41)
へ戻される。
【0158】一方、冷媒回路(30)では、往復ポンプ
(50)から吐出された冷媒が、各室内膨張弁(23,23)
に分配される。この冷媒は、室内膨張弁(23,23)にお
いてやや減圧された後に、各室内熱交換器(24,24)へ
送られる。その際、室内膨張弁(23,23)の開度を別個
に調節し、室内熱交換器(24,24)への冷媒の分配割合
を調節してもよい。室内熱交換器(24,24)では、冷媒
が室内空気から吸熱して蒸発する。つまり、室内熱交換
器(24,24)では、室内空気が冷媒に対して放熱し、低
温の調和空気が生成する。生成した調和空気は、室内に
供給されて冷房に利用される。
【0159】各室内熱交換器(24,24)で蒸発した冷媒
は、主回路(31)から取出し回路(36)を通って外融熱
交換器(45)の冷媒側通路(47)に送り込まれる。外融
熱交換器(45)では、冷媒側通路(47)の冷媒が水側通
路(46)の水に対して放熱して凝縮する。つまり、蓄熱
槽(41)から送り込まれた冷水に対して冷媒が放熱する
ことにより、蓄熱槽(41)に蓄えられた冷熱が冷媒に付
与される。凝縮した冷媒は、往復ポンプ(50)の吸入ポ
ート(61)へと送られる。往復ポンプ(50)は、この冷
熱が付与された冷媒を吸入し、再び吐出ポート(65)か
ら送り出す。
【0160】《通常冷房運転》通常冷房運転は、冷媒回
路(30)で冷媒を循環させて冷凍サイクルを行い、これ
により生成した冷熱を用いて室内を冷房する運転であ
る。
【0161】通常冷房運転時には、冷媒回路(30)にお
いて、四路切換弁(33)が図8に実線で示すように切り
換えられると共に、室外膨張弁(34)が全開状態とさ
れ、各室内膨張弁(23,23)が所定開度に調節され、第
1電磁弁(SV-1)が開放され、第2電磁弁(SV-2)及び
第3電磁弁(SV-3)が閉鎖される。この状態で圧縮機
(32)を駆動すると、主回路(31)を冷媒が流れ、室外
熱交換器(14)を凝縮器とし且つ各室内熱交換器(24,2
4)を蒸発器として冷凍サイクルが行われる。尚、循環
ポンプ(44)と往復ポンプ(50)とは、停止している。
【0162】具体的に、圧縮機(32)から吐出された冷
媒は、四路切換弁(33)を通って室外熱交換器(14)へ
送られる。室外熱交換器(14)では、冷媒が室外空気と
熱交換を行う。この熱交換により、冷媒が室外空気に対
して放熱して凝縮する。凝縮した冷媒は、二手に分流さ
れて各室内膨張弁(23,23)に送られる。分流された冷
媒は、室内膨張弁(23,23)で減圧された後に室内熱交
換器(24,24)へ導入される。その際、室内膨張弁(23,
23)の開度を別個に調節し、室内熱交換器(24,24)へ
の冷媒の分配割合を調節してもよい。
【0163】室内熱交換器(24,24)では、冷媒が室内
空気から吸熱して蒸発する。つまり、室内熱交換器(2
4,24)では、室内空気が冷媒に対して放熱し、低温の調
和空気が生成する。生成した調和空気は、室内に供給さ
れて冷房に利用される。室内熱交換器(24,24)で蒸発
した冷媒は、四路切換弁(33)を通って圧縮機(32)に
吸入される。圧縮機(32)は、吸入した冷媒を圧縮して
再び吐出する。
【0164】《暖房運転》暖房運転は、冷媒回路(30)
で冷媒を循環させてヒートポンプサイクルを行い、これ
により生成した温熱を用いて室内を暖房する運転であ
る。
【0165】暖房運転時には、冷媒回路(30)におい
て、四路切換弁(33)が図8に破線で示すように切り換
えられると共に、室外膨張弁(34)が所定開度に調節さ
れ、各室内膨張弁(23,23)が全開状態とされ、第1電
磁弁(SV-1)が開放され、第2電磁弁(SV-2)及び第3
電磁弁(SV-3)が閉鎖される。この状態で圧縮機(32)
を駆動すると、主回路(31)を冷媒が流れ、室内熱交換
器(24,24)を凝縮器とし且つ室外熱交換器(14)を蒸
発器としてヒートポンプサイクルが行われる。尚、循環
ポンプ(44)と往復ポンプ(50)とは、停止している。
【0166】具体的に、圧縮機(32)から吐出された冷
媒は、四路切換弁(33)を通った後に二手に分流され、
室内膨張弁(23,23)を通じて各室内熱交換器(24,24)
へ送られる。尚、その際、室内膨張弁(23,23)の開度
を別個に調節し、室内熱交換器(24,24)への冷媒の分
配割合を調節してもよい。室内熱交換器(24,24)で
は、冷媒と室内空気とが熱交換を行う。この熱交換によ
って、冷媒が放熱して凝縮すると同時に、室内空気が吸
熱して温度上昇する。即ち、室内熱交換器(24,24)で
は、室内空気を加熱することにより調和空気を生成す
る。生成した調和空気は、室内に供給されて暖房に利用
される。
【0167】室内熱交換器(24,24)で凝縮した冷媒
は、室外膨張弁(34)で減圧された後に室外熱交換器
(14)へ送られる。室外熱交換器(14)では、冷媒と室
外空気とが熱交換を行う。この熱交換によって、冷媒が
室外空気から吸熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、四路
切換弁(33)を通って圧縮機(32)に吸入される。圧縮
機(32)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出する。
【0168】
【発明の実施の形態7】本発明の実施形態7は、いわゆ
る中間期において外気を冷熱源とした冷房運転を行うよ
うに構成された空気調和装置(10)である。ここで、コ
ンピュータ等の発熱を伴う機器が設置された部屋の空気
調和を行う場合、春期や秋期のいわゆる中間期において
も冷房を行う必要が生じる。そこで、本実施形態7に係
る空気調和装置(10)は、中間期における冷房運転を、
冷凍サイクルではなく、単に冷媒を循環させるだけで行
うようにしたものである。
【0169】上記空気調和装置(10)には、冷媒回路
(30)が設けられている。図9に示すように、冷媒回路
(30)は、主回路(31)と、第1バイパス回路(37)
と、第2バイパス回路(38)とにより構成されている。
この主回路(31)は、上記実施形態6のものとほぼ同様
に構成されている。つまり、本実施形態7に係る主回路
(31)は、圧縮機(32)と、四路切換弁(33)と、室外
熱交換器(14)と、室外膨張弁(34)と、2つの室内膨
張弁(23,23)と、2つの室内熱交換器(24,24)とを配
管接続して構成されている。ただし、この主回路(31)
には第1電磁弁(SV-1)が設けられておらず、この点に
おいて上記実施形態6のものとは相違する。
【0170】上記第1バイパス回路(37)は、主回路
(31)に接続されている。具体的に、第1バイパス回路
(37)は、その一端が四路切換弁(33)と室外熱交換器
(14)との間に接続され、その他端が室外膨張弁(34)
と室内膨張弁(23,23)との間に接続されている。この
第1バイパス回路(37)には、一端から他端に向かって
順に、往復ポンプ(50)と第4電磁弁(SV-4)とが設け
られている。
【0171】上記第2バイパス回路(38)は、主回路
(31)に接続されている。具体的に、第2バイパス回路
(38)は、その一端が室内熱交換器(24,24)と四路切
換弁(33)との間に接続され、その他端が室外熱交換器
(14)と室外膨張弁(34)との間に接続されている。こ
の第2バイパス回路(38)には、第5電磁弁(SV-5)が
設けられている。
【0172】−運転動作− 本実施形態7に係る空気調和装置(10)は、通常冷房運
転と、暖房運転と、中間期における外気利用冷房運転と
を切り換えて行う。
【0173】《通常冷房運転、暖房運転》本実施形態7
に係る空気調和装置(10)において、通常冷房運転及び
暖房運転は、上記実施形態6と同様に冷媒回路(30)で
冷媒が循環することにより行われる。尚、通常冷房運転
及び暖房運転において、往復ポンプ(50)は停止してい
る。
【0174】通常冷房運転時には、冷媒回路(30)にお
いて、四路切換弁(33)が図9に実線で示すように切り
換えられると共に、室外膨張弁(34)が全開状態とさ
れ、各室内膨張弁(23,23)が所定開度に調節され、第
4電磁弁(SV-4)及び第5電磁弁(SV-5)が閉鎖され
る。この状態で圧縮機(32)を駆動すると、主回路(3
1)を冷媒が流れ、室外熱交換器(14)を凝縮器とし且
つ各室内熱交換器(24,24)を蒸発器として冷凍サイク
ルが行われる。
【0175】一方、暖房運転時には、冷媒回路(30)に
おいて、四路切換弁(33)が図8に破線で示すように切
り換えられると共に、室外膨張弁(34)が所定開度に調
節され、各室内膨張弁(23,23)が全開状態とされ、第
4電磁弁(SV-4)及び第5電磁弁(SV-5)が閉鎖され
る。この状態で圧縮機(32)を駆動すると、主回路(3
1)を冷媒が流れ、室内熱交換器(24,24)を凝縮器とし
且つ室外熱交換器(14)を蒸発器としてヒートポンプサ
イクルが行われる。
【0176】《外気利用冷房運転》外気利用冷房運転時
には、第4電磁弁(SV-4)及び第5電磁弁(SV-5)が開
放され、室内膨張弁(23,23)が所定開度に調節され、
室外膨張弁(34)が全閉状態とされる。この状態で往復
ポンプ(50)を運転すると、室外熱交換器(14)と室内
熱交換器(24,24)との間で冷媒が循環する。尚、この
運転において、圧縮機(32)は、停止している。
【0177】往復ポンプ(50)の吐出ポート(65)から
送り出された冷媒は、第1バイパス回路(37)から主回
路(31)を通って各室内熱交換器(24,24)へ送られ
る。その際、各室内膨張弁(23,23)の開度を調節する
ことにより、室内熱交換器(24,24)への冷媒の分配割
合を調節してもよい。室内熱交換器(24,24)では、冷
媒が室内空気から吸熱して蒸発する。つまり、室内熱交
換器(24,24)では、室内空気が冷媒に対して放熱し、
その温度が低下することにより調和空気となる。そし
て、この調和空気を室内に供給し、冷房に利用する。
【0178】室内熱交換器(24,24)で蒸発した冷媒
は、第2バイパス回路(38)を通って室外熱交換器(1
4)へ送られる。室外熱交換器(14)では、冷媒が室外
空気と熱交換を行う。この熱交換により、冷媒は、中間
期における比較的低温の室外空気に対して放熱して凝縮
する。凝縮した冷媒は、往復ポンプ(50)の吸入ポート
(61)へ送られる。往復ポンプ(50)は、吸入ポート
(61)から冷媒を吸引し、再び吐出ポート(65)から送
り出す。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空気調和装置の概略構成図で
ある。
【図2】実施形態1に係る往復ポンプの構成を示す概略
断面図である。
【図3】板バネ部材の平面図である。
【図4】実施形態2に係る往復ポンプの構成を示す概略
断面図である。
【図5】実施形態3に係る往復ポンプの構成を示す概略
断面図である。
【図6】実施形態4に係る往復ポンプの構成を示す概略
断面図である。
【図7】実施形態5に係る往復ポンプの構成を示す概略
断面図である。
【図8】実施形態6に係る空気調和装置の概略構成図で
ある。
【図9】実施形態7に係る空気調和装置の概略構成図で
ある。
【符号の説明】
(10) 空気調和装置 (21) 2次側回路(冷媒循環回路) (30) 冷媒回路 (冷媒循環回路) (50) 往復ポンプ (51) ハウジング (52) シリンダ部 (53) 可動部材 (54) ピストン部 (56) ポンプ室 (70) フレクシャー・ベアリング(支持手段) (71) 板バネ部材 (80) リニアモータ(駆動手段) (88) 駆動磁石(永久磁石) (89) 駆動コイル
フロントページの続き (72)発明者 富岡 計次 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 岡本 昌和 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 藤山 周秀 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 3H076 AA02 AA39 BB26 CC06 CC28 CC31 CC47 3L092 BA08 BA26 DA01 DA02 DA03 TA02 UA03 UA26 VA01 VA06 WA03 WA13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ部(52)にピストン部(54)を
    挿入してポンプ室(56)を区画形成し、該ポンプ室(5
    6)への吸入と該ポンプ室(56)からの吐出とを行う往
    復ポンプであって、 上記ピストン部(54)が一体に設けられて往復動する可
    動部材(53)と、 上記可動部材(53)を往復動させるための駆動力を発生
    する駆動手段(80)と、 上記ピストン部(54)がシリンダ部(52)と非接触とな
    るように上記可動部材(53)を往復動自在に支持する支
    持手段(70)と、 上記シリンダ部(52)が一体に設けられ且つ上記可動部
    材(53)、駆動手段(80)、及び支持手段(70)が収納
    される密閉容器状のハウジング(51)とを備えている往
    復ポンプ。
  2. 【請求項2】 シリンダ部(52)にピストン部(54)を
    挿入してポンプ室(56)を区画形成し、該ポンプ室(5
    6)への吸入と該ポンプ室(56)からの吐出とを行う往
    復ポンプであって、 上記シリンダ部(52)が一体に設けられて往復動する可
    動部材(53)と、 上記可動部材(53)を往復動させるための駆動力を発生
    する駆動手段(80)と、 上記シリンダ部(52)がピストン部(54)と非接触とな
    るように上記可動部材(53)を往復動自在に支持する支
    持手段(70)と、 上記ピストン部(54)が一体に設けられ且つ上記可動部
    材(53)、駆動手段(80)、及び支持手段(70)が収納
    される密閉容器状のハウジング(51)とを備えている往
    復ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の往復ポンプにおい
    て、 シリンダ部(52)とピストン部(54)の間には、該シリ
    ンダ部(52)とピストン部(54)の間からの流体の漏れ
    を抑制するように微少な隙間が形成されている往復ポン
    プ。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の往復ポンプに
    おいて、 支持手段(70)は、積層された複数の円板状の板バネ部
    材(71)を備え、各板バネ部材(71)には該板バネ部材
    (71)の中心部を貫通するように可動部材(53)が結合
    されると共に、各板バネ部材(71)の外周部がハウジン
    グ(51)に結合され、上記可動部材(53)を板バネ部材
    (71)の板厚方向に往復動自在となるように支持してい
    る往復ポンプ。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の往復ポンプにおい
    て、 駆動手段(80)は、ハウジング(51)と一体に設けられ
    る永久磁石(88)と、可動部材(53)と一体に設けられ
    る駆動コイル(89)とを備え、該駆動コイル(89)への
    通電により駆動コイル(89)が永久磁石(88)に対して
    往復動するように構成されている往復ポンプ。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の往復ポンプにおい
    て、 駆動手段(80)は、可動部材(53)と一体に設けられる
    永久磁石(88)と、ハウジング(51)と一体に設けられ
    る駆動コイル(89)とを備え、該駆動コイル(89)への
    通電により永久磁石(88)が駆動コイル(89)に対して
    往復動するように構成されている往復ポンプ。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の往復ポンプにおいて、 2つ設けられたハウジング(51a,51b)に可動部材(53
    a,53b)が1つずつ収納され、2つの上記ハウジング(5
    1a,51b)が1つのシリンダ部(52)と一体に形成される
    一方、 上記シリンダ部(52)の各端からピストン部(54)を1
    つずつ挿入して1つのポンプ室(56)が形成され、 2つの上記可動部材(53a,53b)が互いに対向して往復
    動するように構成されている往復ポンプ。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2記載の往復ポンプにおい
    て、 2つずつ設けられたシリンダ部(52a,52b)とピストン
    部(54a,54b)とによって2つのポンプ室(56a,56b)を
    区画形成し、 可動部材(53)の往復動により、一方のポンプ室(56
    a)への吸入と他方のポンプ室(56b)からの吐出とを同
    時に行うように構成されている往復ポンプ。
  9. 【請求項9】請求項1又は2記載の往復ポンプと、 上記往復ポンプが接続されると共に冷媒が充填される冷
    媒循環回路とを備え、 上記往復ポンプの動作により冷媒循環回路で冷媒を循環
    させて冷熱又は温熱を搬送し、室内の冷房又は暖房を行
    う空気調和装置。
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