JP2001280228A - 可変動弁エンジンの点火時期制御装置 - Google Patents

可変動弁エンジンの点火時期制御装置

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JP2001280228A
JP2001280228A JP2000094878A JP2000094878A JP2001280228A JP 2001280228 A JP2001280228 A JP 2001280228A JP 2000094878 A JP2000094878 A JP 2000094878A JP 2000094878 A JP2000094878 A JP 2000094878A JP 2001280228 A JP2001280228 A JP 2001280228A
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸気弁及び排気弁のバルブタイミングを制御
することにより吸入空気量を制御してノンスロットル運
転を行う際に、点火時期を最適に設定する。 【解決手段】 エンジン回転数Ne及び目標空気量TQ
に応じて、ベース(スロットル運転時)のバルブタイミ
ングでの基本点火時期ADVを設定する(S1)。吸気
弁閉時期IVCに応じ、その変化により有効圧縮比が小
さくなるほど、点火時期を進角させるように、補正量H
OS1を設定する(S2)。吸気弁開時期IVOに応
じ、早くなるほど、点火時期を進角させるように、補正
量HOS2を設定する(S3)。排気弁閉時期EVCに
応じ、TDCから離れるほど、点火時期を進角させるよ
うに、補正量HOS3を設定する(S4)。基本点火時
期MADVを補正量HOS1〜HOS3により補正し
て、点火時期ADVを決定する(S5)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気弁及び排気弁
のバルブタイミングを任意に制御可能な可変動弁装置を
備え、バルブタイミングを制御することにより吸入空気
量を制御して、ノンスロットル運転を行う可変動弁エン
ジンにおいて、点火時期を最適に制御するための点火時
期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開平8−200025号公
報などに示されるように、可変動弁装置、例えば電磁駆
動装置を用いて、吸気弁及び排気弁を駆動し、これらの
開閉動作を任意に制御可能としたものがある。
【0003】特に前記公報に記載の可変動弁エンジンで
は、1気筒につき2つずつ備えられる主副の吸気弁及び
排気弁を電磁駆動式として、エンジン運転条件に応じて
異なる組み合わせで作動させることにより、出力制御を
行うようにしている。
【0004】更に、近年は、ポンプロスの低減による燃
費向上を目的として、通常のスロットル運転に代え、吸
気弁及び排気弁のバルブタイミング、特に吸気弁閉時期
を制御することにより、吸入空気量を制御して、ノンス
ロットル運転を行うものが注目され、その開発が進めら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の一般
的なエンジンの点火時期制御装置では、エンジン回転数
と負荷(トルク)とに応じて、点火時期を設定してい
る。
【0006】一方、上記のようなノンスロットル運転を
行う場合、エンジン運転条件により決定される目標トル
ク相当の目標空気量(目標シリンダ吸入空気量)に応じ
て、これを実現するように吸気弁閉時期を設定・制御す
るが、目標トルクが同じであっても、目標ブーストなど
によって吸気弁閉時期は変動する。
【0007】また、吸気弁及び排気弁のバルブオーバー
ラップ(吸気弁開時期、排気弁閉時期)についても、目
標内部EGR率などによって変動する。従って、目標ト
ルクに応じて一義的に吸気弁閉時期やバルブオーバーラ
ップが定まるわけではない。
【0008】このため、エンジン回転数と負荷(トル
ク)とに応じて点火時期を制御しても、吸気弁閉時期や
バルブオーバーラップの変動により、最適な点火時期が
得られず、燃費や運転性の悪化を招くという問題点があ
った。
【0009】すなわち、吸気弁閉時期が早くなると、有
効圧縮比が小さくなり、燃焼速度が低下するので、要求
点火時期が早くなるが、従来の点火時期制御では、吸気
弁閉時期を考慮していないため、最適な点火時期に制御
できなかった。
【0010】また、バルブオーバーラップの制御によ
り、内部EGR率(残留ガス率)を制御する場合も、内
部EGR率が増大すると、燃焼速度が低下するので、要
求点火時期が早くなるが、従来の点火時期制御では、バ
ルブオーバーラップを考慮していないため、最適な点火
時期に制御できなかった。
【0011】本発明は、このような従来の問題点に鑑
み、ノンスロットル運転に際し、バルブタイミングを考
慮して、点火時期を最適化することにより、燃費や運転
性の向上を図ることのできる可変動弁エンジンの点火時
期制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明では、吸気弁及び排気弁のバルブタイミングを任
意に制御可能な可変動弁装置を備え、バルブタイミング
を制御することにより吸入空気量を制御する可変動弁エ
ンジンにおいて、図1に示すように、エンジン回転数及
び負荷に応じて基本点火時期を設定する基本点火時期設
定手段と、バルブタイミングに応じて点火時期の補正量
を設定する補正量設定手段と、前記基本点火時期を前記
バルブタイミングに応じた補正量により補正して点火時
期を決定する点火時期決定手段と、を含んで、可変動弁
エンジンの点火時期制御装置を構成する。
【0013】請求項2に係る発明では、前記補正量設定
手段は、少なくとも、吸気弁閉時期(IVC)に応じて
点火時期の補正量を設定する第1補正量設定手段を含ん
で構成されることを特徴とする。また、請求項3に係る
発明では、前記第1補正量設定手段は、吸気弁閉時期の
変化により有効圧縮比が小さくなるほど、点火時期を進
角させるように、補正量を設定することを特徴とする。
【0014】請求項4に係る発明では、前記補正量設定
手段は、少なくとも、吸気弁及び排気弁のバルブオーバ
ーラップに関連するパラメータに応じて点火時期の補正
量を設定する手段を含んで構成されることを特徴とす
る。また、請求項5に係る発明では、前記バルブオーバ
ーラップに関連するパラメータを吸気弁開時期(IV
O)及び排気弁閉時期(EVC)の少なくとも一方とす
ることを特徴とする。
【0015】請求項6に係る発明では、前記補正量設定
手段は、少なくとも、吸気弁開時期(IVO)に応じて
点火時期の補正量を設定する第2補正量設定手段を含ん
で構成されることを特徴とする。また、請求項7に係る
発明では、前記第2補正量設定手段は、吸気弁開時期が
早くなるほど、点火時期を進角させるように、補正量を
設定することを特徴とする。
【0016】請求項8に係る発明では、前記補正量設定
手段は、少なくとも、排気弁閉時期(EVC)に応じて
点火時期の補正量を設定する第3補正量設定手段を含ん
で構成されることを特徴とする。また、請求項9に係る
発明では、前記第3補正量設定手段は、排気弁閉時期が
上死点から離れるほど、点火時期を進角させるように、
補正量を設定することを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、バルブタ
イミングを制御することにより吸入空気量を制御してノ
ンスロットル運転を行う際に、エンジン回転数及び負荷
に応じて設定される基本点火時期を、バルブタイミング
に応じて補正することで、バルブタイミングの変化に伴
う有効圧縮比や内部EGR率の変化に対し、点火時期を
最適なものとして、燃費及び運転性の向上を図ることが
できる。
【0018】請求項2に係る発明によれば、基本点火時
期を、吸気弁閉時期に応じて補正することで、吸気弁閉
時期により決定される有効圧縮比の変化に対し、点火時
期を最適なものとして、燃費及び運転性の向上を図るこ
とができる。
【0019】請求項3に係る発明によれば、吸気弁閉時
期が早く又は遅くなって有効圧縮比が小さくなるほど、
点火時期を進角側に補正することで、ノンスロットル運
転に伴う吸気弁の早閉じ又は遅閉じにより有効圧縮比が
小さくなって、燃焼速度が低下しても、点火時期を早め
て、燃焼安定性を確保することができる。
【0020】請求項4に係る発明によれば、基本点火時
期を、バルブオーバーラップに関連するパラメータに応
じて補正することで、内部EGR率の変化に対し、点火
時期を最適なものとして、燃費及び運転性の向上を図る
ことができる。
【0021】請求項5に係る発明によれば、バルブオー
バーラップに関連するパラメータを吸気弁開時期及び排
気弁閉時期の少なくとも一方とすることで、バルブオー
バーラップ制御の直接のパラメータに応じて的確に補正
することができる。
【0022】請求項6に係る発明によれば、基本点火時
期を、吸気弁開時期に応じて補正することで、吸気弁開
時期の変化に伴う内部EGR率の変化に対し、点火時期
を最適なものとして、燃費及び運転性の向上を図ること
ができる。
【0023】請求項7に係る発明によれば、吸気弁開時
期が早くなるに従い、残留ガスの吹き返しが多くなっ
て、内部EGR率が増大し、燃焼速度が低下するが、吸
気弁開時期が早くなるほど、点火時期を進角側に補正す
ることで、燃焼速度の低下に対し、点火時期を早めて、
燃焼安定性を確保することができる。
【0024】請求項8に係る発明によれば、基本点火時
期を、排気弁閉時期に応じて補正することで、排気弁閉
時期の変化に伴う内部EGR率の変化に対し、点火時期
を最適なものとして、燃費及び運転性の向上を図ること
ができる。
【0025】請求項9に係る発明によれば、排気弁閉時
期が上死点から離れるに従い、掃気効率の低下により、
内部EGR率が増大し、燃焼速度が低下するが、排気弁
閉時期が上死点から離れるほど、点火時期を進角側に補
正することで、燃焼速度の低下に対し、点火時期を早め
て、燃焼安定性を確保することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。図2は本発明の一実施形態を示す可変動弁エンジ
ンのシステム図である。
【0027】エンジン1の各気筒のピストン2により画
成される燃焼室3には、点火栓4を囲むように、電磁駆
動式の吸気弁5及び排気弁6を備えている。7は吸気通
路、8は排気通路である。
【0028】吸気弁5及び排気弁6の電磁駆動装置(可
変動弁装置)の基本構造を図3に示す。弁体20の弁軸
21にプレート状の可動子22が取付けられており、こ
の可動子22はスプリング23,24により中立位置に
付勢されている。そして、この可動子22の下側に開弁
用電磁コイル25が配置され、上側に閉弁用電磁コイル
26が配置されている。
【0029】従って、開弁させる際は、上側の閉弁用電
磁コイル26への通電を停止した後、下側の開弁用電磁
コイル25に通電して、可動子22を下側へ吸着するこ
とにより、弁体20をリフトさせて開弁させる。逆に、
閉弁させる際は、下側の開弁用電磁コイル25への通電
を停止した後、上側の閉弁用電磁コイル26に通電し
て、可動子22を上側へ吸着することにより、弁体20
をシート部に着座させて閉弁させる。
【0030】図2に戻って、吸気通路7には、吸気マニ
ホールドの上流側に、電制スロットル弁9が設けられて
いる。吸気通路7にはまた、吸気マニホールドの各ブラ
ンチ部に、各気筒毎に、電磁式の燃料噴射弁10が設け
られている。
【0031】ここにおいて、吸気弁5、排気弁6、電制
スロットル弁9、燃料噴射弁10及び点火栓4の作動
は、コントロールユニット11により制御され、このコ
ントロールユニット11には、エンジン回転に同期して
クランク角信号を出力しこれによりクランク角位置と共
にエンジン回転数Neを検出可能なクランク角センサ1
2、アクセル開度(アクセルペダル踏込み量)APOを
検出するアクセルペダルセンサ(アクセル全閉でONと
なるアイドルスイッチを含む)13、吸気通路7のスロ
ットル弁9上流にて吸入空気量(流量)Qaを検出する
エアフローメータ14、エンジン冷却水温Twを検出す
る水温センサ15等から、信号が入力されている。
【0032】このエンジン1では、ポンプロスの低減に
よる燃費向上を目的として、電磁駆動式の吸気弁5及び
排気弁6のバルブタイミングを制御、特に吸気弁5の閉
時期IVCを制御することにより、吸入空気量を制御し
て、実質的にノンスロットル運転を行う。この場合、電
制スロットル弁9は、吸気通路7のスロットル弁9下流
(吸気マニホールド内)に、キャニスタパージ、クラン
クケースパージ等に必要とする負圧(ブースト)を得る
目的で設けられている。
【0033】従って、ノンスロットル運転時の吸気弁5
及び排気弁6のバルブタイミング制御及び電制スロット
ル弁9の開度制御は、次のように行う。アクセル開度A
POとエンジン回転数Neとから、マップを参照して、
目標トルク相当の目標空気量(目標シリンダ吸入空気
量)TQを算出する。但し、アイドル運転時(アイドル
スイッチON)の場合は、エンジン回転数Neと目標ア
イドル回転数Nidleとの偏差ΔNe=Ne−Nidleに基
づいて、該偏差がマイナス側のときは、増量方向、プラ
ス側のときは、減量方向に、目標空気量TQを補正す
る。また、各種エンジン運転条件に基づいて、目標ブー
ストBTを設定する。
【0034】かかる目標設定に基づき、目標ブーストT
Bと目標空気量TQとから、目標ブーストTBを実現す
べく、スロットル開度TVOを算出して、電制スロット
ル弁9を制御する。
【0035】そして、目標空気量TQから、目標ブース
トTBの下で、目標空気量TQを実現するように、吸気
弁閉時期IVCを算出する。また、各種エンジン運転条
件に基づいて、目標内部EGR率を設定し、最適なバル
ブオーバーラップ(オーバーラップ位置及びオーバーラ
ップ量)となるように、吸気弁開時期IVO及び排気弁
閉時期EVCを設定する。排気弁開時期EVOについて
は熱効率等を考慮して設定する。
【0036】そして、これらのバルブタイミングの設定
に基づいて、電磁駆動式の吸気弁5及び排気弁6を制御
する。尚、図4はバルブタイミングの例を示し、図中実
線は、ベース(スロットル運転時)のバルブタイミング
である。そして、図中点線は、ノンスロットル運転時の
バルブタイミングの例である。
【0037】燃料噴射弁10の燃料噴射量及び噴射時期
は、エンジン運転条件に基づいて制御するが、燃料噴射
量は、基本的には、エアフローメータ14により検出さ
れる吸入空気量Qaに基づいて、所望の空燃比となるよ
うに設定する。そして、噴射終了時期を吸気弁開時期I
VO前の所定のタイミングに固定し、設定された燃料噴
射量を得るように噴射開始時期を制御する。
【0038】点火栓4の点火時期の制御については、図
5により説明する。図5はノンスロットル運転時の点火
時期制御のフローチャートである。ステップ1(図には
S1と記す。以下同様)では、エンジン回転数Neと、
負荷(トルク)を代表する目標空気量TQとを読込み、
これらから、図6のマップを参照して、ベースのバルブ
タイミングにおける基本点火時期MADVを設定する。
この部分が基本点火時期設定手段に相当する。
【0039】このマップは、図4に示したベース(スロ
ットル運転時)のバルブタイミングにおいて、最適な点
火時期を定めたもので、エンジン回転数Neが高くなる
ほど進角し、目標空気量TQが大となるほど燃焼が早く
なるので遅角するように定めてある。
【0040】ステップ2では、吸気弁閉時期IVCを読
込み、これから、図7のテーブルを参照して、点火時期
の進角側への補正量HOS1=f1(IVC)を設定す
る。この部分が第1補正量設定手段に相当する。
【0041】このテーブルは、ベース(スロットル運転
時)のバルブタイミング(ベースIVC)からの乖離量
に応じて、進角側への補正量HOS1を定めたもので、
吸気弁閉時期IVCが早く若しくは遅くなるほど、言い
換えれば、ベースIVCからの乖離量が大きくなるほ
ど、有効圧縮比が小さくなって、燃焼速度が低下するの
で、これに合わせて、点火時期を進角側に補正するよう
に、補正量HOS1を定めてある。
【0042】但し、吸気弁閉時期IVCが下死点BDC
付近のときは、ベースIVCよりも有効圧縮比がわずか
ながら増大するため、補正量HOS1がマイナス側(遅
角側)となるようにしてある。
【0043】ステップ3では、バルブオーバーラップを
決定するパラメータである吸気弁開時期IVOを読込
み、これから、図8のテーブルを参照して、点火時期の
進角側への補正量HOS2=f2(IVO)を設定す
る。この部分が第2補正量設定手段に相当する(バルブ
オーバーラップに関連するパラメータに応じて点火時期
の補正量を設定する手段でもある)。
【0044】このテーブルは、ベース(スロットル運転
時)のバルブタイミング(ベースIVO)からの乖離量
に応じて、進角側への補正量HOS2を定めたもので、
吸気弁開時期IVOが早くなるほど、言い換えれば、ベ
ースIVOからの乖離量が大きくなるほど、残留ガスの
吹き返しが多くなって、内部EGR率が大きくなること
から、排気エミッション(特にNOx排出量)を改善で
きるものの、燃焼速度が低下して、燃焼安定性が悪化す
るので、これに合わせて、点火時期を進角側に補正し
て、燃焼安定性を確保するように、補正量HOS2を定
めてある。
【0045】ステップ4では、バルブオーバーラップを
決定するもう1つのパラメータである排気弁閉時期EV
Cを読込み、これから、図9のテーブルを参照して、点
火時期の進角側への補正量HOS3=f3(EVC)を
設定する。この部分が第3補正量設定手段に相当する
(バルブオーバーラップに関連するパラメータに応じて
点火時期の補正量を設定する手段でもある)。
【0046】このテーブルは、ベース(スロットル運転
時)のバルブタイミング(ベースEVC)からの乖離量
に応じて、進角側への補正量HOS3を定めたもので、
排気弁閉時期EVCが上死点TDCから離れるほど、掃
気効率の低下により、内部EGR率が大きくなることか
ら、排気エミッション(特にNOx排出量)を改善でき
るものの、燃焼速度が低下して、燃焼安定性が悪化する
ので、これに合わせて、点火時期を進角側に補正して、
燃焼安定性を確保するように、補正量HOS3を定めて
ある。
【0047】但し、排気弁閉時期EVCが上死点TDC
付近のときは、ベースEVCよりも内部EGR率がわず
かながら低下するため、補正量HOS3がマイナス側
(遅角側)となるようにしてある。
【0048】ステップ5では、次式により、最終的な点
火時期ADVを算出する。 ADV=MADV+HOS1+HOS2+HOS3 すなわち、基本点火時期MADVに、吸気弁閉時期IV
Cに応じた進角側への補正量HOS1、吸気弁開時期I
VOに応じた進角側への補正量HOS2、及び、排気弁
閉時期EVCに応じた進角側への補正量HOS3を加算
して、最終的な点火時期ADVを算出し、これに基づい
て点火制御を行う。この部分が点火時期決定手段に相当
する。
【0049】以上のように、吸気弁閉時期IVCを制御
することにより吸入空気量を制御してノンスロットル運
転を行う際に、エンジン回転数Ne及び目標空気量TQ
に応じて設定されるベース(スロットル運転時)のバル
ブタイミングにおける基本点火時期MADVを、吸気弁
閉時期IVCに応じて補正することで、吸気弁閉時期I
VCにより決定される有効圧縮比の変化に対し、点火時
期ADVを最適なものとして、燃費及び運転性の向上を
図ることができる。
【0050】特に、吸気弁閉時期IVCが早く又は遅く
なって有効圧縮比が小さくなるほど、点火時期ADVを
進角側に補正することで、ノンスロットル運転に伴う吸
気弁閉時期IVCの変化により有効圧縮比が小さくなっ
て、燃焼速度が低下しても、点火時期ADVを早めて、
最適化することができる。
【0051】また、基本点火時期ADVを、吸気弁閉時
期IVCの他、バルブオーバーラップに関連するパラメ
ータである吸気弁開時期IVO及び排気弁開時期EVC
に応じて補正することで、バルブオーバーラップ(内部
EGR率)の変化に対し、点火時期ADVを最適なもの
として、燃費及び運転性の更なる向上を図ることができ
る。
【0052】特に、吸気弁開時期IVOの早期化(残留
ガスの吹き返し量増大)により、内部EGR率を増大さ
せて、排気エミッション(NOx排出量)の改善を図る
場合に、吸気弁開時期IVOが早くなるほど、点火時期
ADVを進角側に補正することで、内部EGR率の増大
に伴う燃焼速度の低下に対し、点火時期ADVを早め
て、燃焼安定性、MBTでの運転を確保することがで
き、排気エミッションの改善と燃焼安定性、燃費性能の
確保とを両立させることができる。
【0053】また、排気弁閉時期EVCを上死点TDC
から離すこと(掃気効率の低下、オーバーラップの増
大)により、内部EGR率を増大させて、排気エミッシ
ョン(NOx排出量)の改善を図る場合に、排気弁閉時
期EVCが上死点TDCか離れるほど、点火時期ADV
を進角側に補正することで、内部EGR率の増大に伴う
燃焼速度の低下に対し、点火時期ADVを早めて、燃焼
安定性、MBTでの運転を確保することができ、排気エ
ミッションの改善と燃焼安定性、燃費性能の確保とを両
立させることができる。
【0054】尚、吸気弁開時期IVOに応じた補正量H
OS2と、排気弁閉時期EVCに応じた補正量HOS3
とは、共に内部EGR率の変化に対する補正用であるの
で、吸気弁開時期IVOと排気弁閉時期EVCとをパラ
メータとするマップより、HOS2+HOS3相当の単
一の補正量を設定するようにしてもよい。
【0055】また、バルブオーバーラップに関し、オー
バーラップ量を略一定とし、オーバーラップ位置を変化
させて、内部EGR率を制御する場合は、吸気弁開時期
IVOと排気弁閉時期EVCとのうち、いずれか一方に
応じた補正量を用いて、点火時期を補正するようにして
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の一実施形態を示す可変動弁エンジン
のシステム図
【図3】 吸排気弁の電磁駆動装置の基本構造図
【図4】 バルブタイミングの例を示す図
【図5】 ノンスロットル運転時の点火時期制御のフロ
ーチャート
【図6】 基本点火時期設定用のマップを示す図
【図7】 吸気弁閉時期IVCに応じた補正量のテーブ
ルを示す図
【図8】 吸気弁開時期IVOに応じた補正量のテーブ
ルを示す図
【図9】 排気弁閉時期EVCに応じた補正量のテーブ
ルを示す図
【符号の説明】
1 エンジン 4 点火栓 5 電磁駆動式の吸気弁 6 電磁駆動式の排気弁 9 燃料噴射弁 10 電制スロットル弁 11 コントロールユニット 12 クランク角センサ 13 アクセルペダルセンサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 25/07 510 F02M 25/07 550R 550 F02P 5/15 B Fターム(参考) 3G022 BA01 DA01 EA01 FA06 GA00 GA01 GA05 GA06 GA08 GA09 3G062 BA08 BA09 EA12 FA10 GA26 3G084 BA05 BA09 BA13 BA15 BA17 BA23 DA02 DA03 DA10 EB08 EB13 FA07 FA10 FA20 FA38 3G092 AA01 AA11 BA01 BA07 BA09 DA01 DA02 DA07 DC01 DG09 EA03 EA04 EA11 EC10 FA03 FA15 FA17 FA24 HA01Z HA06X HA06Z HA13X HC09X HE04Z HE08Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気弁及び排気弁のバルブタイミングを任
    意に制御可能な可変動弁装置を備え、バルブタイミング
    を制御することにより吸入空気量を制御する可変動弁エ
    ンジンにおいて、 エンジン回転数及び負荷に応じて基本点火時期を設定す
    る基本点火時期設定手段と、 バルブタイミングに応じて点火時期の補正量を設定する
    補正量設定手段と、 前記基本点火時期を前記バルブタイミングに応じた補正
    量により補正して点火時期を決定する点火時期決定手段
    と、 を含んで構成される可変動弁エンジンの点火時期制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記補正量設定手段は、少なくとも、吸気
    弁閉時期に応じて点火時期の補正量を設定する第1補正
    量設定手段を含んで構成されることを特徴とする請求項
    1記載の可変動弁エンジンの点火時期制御装置。
  3. 【請求項3】前記第1補正量設定手段は、吸気弁閉時期
    の変化により有効圧縮比が小さくなるほど、点火時期を
    進角させるように、補正量を設定することを特徴とする
    請求項2記載の可変動弁エンジンの点火時期制御装置。
  4. 【請求項4】前記補正量設定手段は、少なくとも、吸気
    弁及び排気弁のバルブオーバーラップに関連するパラメ
    ータに応じて点火時期の補正量を設定する手段を含んで
    構成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいず
    れか1つに記載の可変動弁エンジンの点火時期制御装
    置。
  5. 【請求項5】前記バルブオーバーラップに関連するパラ
    メータを吸気弁開時期及び排気弁閉時期の少なくとも一
    方とすることを特徴とする請求項4記載の可変動弁エン
    ジンの点火時期制御装置。
  6. 【請求項6】前記補正量設定手段は、少なくとも、吸気
    弁開時期に応じて点火時期の補正量を設定する第2補正
    量設定手段を含んで構成されることを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれか1つに記載の可変動弁エンジン
    の点火時期制御装置。
  7. 【請求項7】前記第2補正量設定手段は、吸気弁開時期
    が早くなるほど、点火時期を進角させるように、補正量
    を設定することを特徴とする請求項6記載の可変動弁エ
    ンジンの点火時期制御装置。
  8. 【請求項8】前記補正量設定手段は、少なくとも、排気
    弁閉時期に応じて点火時期の補正量を設定する第3補正
    量設定手段を含んで構成されることを特徴とする請求項
    1〜請求項3、請求項6、請求項7のいずれか1つに記
    載の可変動弁エンジンの点火時期制御装置。
  9. 【請求項9】前記第3補正量設定手段は、排気弁閉時期
    が上死点から離れるほど、点火時期を進角させるよう
    に、補正量を設定することを特徴とする請求項8記載の
    可変動弁エンジンの点火時期制御装置。
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