JP2000352832A - 電子写真感光体及びそれを用いる画像形成方法、画像形成装置、電子写真感光体表面の潤滑性物質の塗布方法 - Google Patents

電子写真感光体及びそれを用いる画像形成方法、画像形成装置、電子写真感光体表面の潤滑性物質の塗布方法

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JP2000352832A
JP2000352832A JP2000103542A JP2000103542A JP2000352832A JP 2000352832 A JP2000352832 A JP 2000352832A JP 2000103542 A JP2000103542 A JP 2000103542A JP 2000103542 A JP2000103542 A JP 2000103542A JP 2000352832 A JP2000352832 A JP 2000352832A
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lubricating substance
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Shigeto Kojima
成人 小島
Ryuta Takechi
隆太 武市
Akiyo Nakajima
章代 中嶋
Hiroshi Nagame
宏 永目
Hirota Sakon
洋太 左近
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた機械的耐久性、画像安定性が得られる
電子写真感光体、画像形成装置、画像形成方法及び潤滑
性物質の塗布方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、回転軸を有する電子写真に
おいて、感光体表面に潤滑性物質が感光体回転軸方向に
対し、垂直乃至略垂直に方向性を有して付着しているこ
とを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体を
用いた電子写真プロセスに関し、より詳しくは耐久性が
飛躍的に向上された電子写真感光体及びこれを使用した
電子写真装置、プロセスに関するものである。本発明の
電子写真用感光体、電子写真装置及び電子写真プロセス
は、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレ
クトデジタル製版機等に応用される。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、レーザープリン
タ、ダイレクトデジタル製版機等に応用されている電子
写真用感光体を用いた電子写真方法とは、少なくとも電
子写真用感光体に一次帯電、画像露光、現像の過程を経
た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定
着及び電子写真用感光体表面のクリーニングというプロ
セスを含む方法である。近年、複写機、ファクシミリ、
レーザープリンタ等のパーソナル化が進む中、電子写真
装置及びプロセスの高耐久化(メンテナンスフリー化)
及び高安定化(高画像品質維持性)が要求されている。
【0003】電子写真方式において使用される感光体と
してはコストの低さ、感光体設計の自由度の高さ、無公
害性等から有機系感光体が広く利用されるようになって
きている。有機系の電子写真感光体には、ポリビニルカ
ルバゾ−ル(PVK)に代表される光導電性樹脂、PV
K−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に
代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダ
−に代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物
質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知
られており、特に機能分離型の感光体が注目されてい
る。
【0004】この機能分離型の感光体における静電潜像
形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射する
と、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電
荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質
は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入
され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸
送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することによ
り静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体に
おいては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主
に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用
いることが知られており、かつ有用で多くの画像形成装
置に採用されている。
【0005】ところが、電荷輸送物質は多くが低分子化
合物として開発されているが、低分子化合物は単独で製
膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して
用いられる。しかるに、低分子電荷輸送物質と不活性高
分子からなる電荷輸送層は一般に機械的耐久性に乏し
く、電子写真プロセスにおける繰り返し使用により膜削
れを生じやすいという欠点があり、近年、特に要求され
ている電子写真エンジンの高耐久化を達成する上で大き
な課題となっており、改良が強く望まれている。
【0006】現在、電子写真プロセスにおいて有機系感
光体の寿命を損ねている原因のまず第1として、感光層
の機械的摩耗が挙げられる。すなわち、感光層の膜削れ
が発生すると、感光体の電気特性(帯電性能や光減衰性
能等)が変化し、所定の作像プロセスが行なえなくな
り、最終アウトプットとなるハードコピーの品質を維持
することが困難になる。この膜削れは電子写真プロセス
において、感光体と他の作像ユニットが接触する部位の
全てで発生するが、通常、一番問題となるユニットは感
光体に残留するトナーを力学的に除去するクリーニング
ユニット(例えばブレード又はブラシ)であり、他のユ
ニットによる摩耗は有るものの、実質寿命に影響するほ
どではない。
【0007】更に、感光体表面の摩擦係数を低く維持す
る方法としては、大きく分けて感光層中もしくは保護層
中に潤滑性物質を含有させる方式と、感光体外部より感
光体表面に潤滑性物質を供給し、感光体表面に潤滑性物
質を付着保持させる方式の2通りがあるが、より長期的
に高耐久性を維持するためには後者が有利であることが
判明した。例えば特開平6−83097公報には感光体
表面層にフッ素樹脂等を含有し、表面からXPS分析に
より検出される炭素とフッ素の原子比を規定する、もし
くは感光体表面の純水接触角を規定する内容の技術が開
示されている。しかし、この方法では、明細書中に記載
されているとおり感光層を構成する層の内部へ潤滑性材
料を添加している方式のため、短期的(数万枚)な性能
維持には効果を有するが、画像形成装置自体の耐久性に
近い数十万コピーには耐えられず、規定された特性を維
持することができないことが判明した。
【0008】これに対し、外部より潤滑性材料を継続し
て供給する方式として、例えば特開昭56−51767
公報には、感光体表面に付着した汚染物質を排除し、良
好な画像を維持し続ける為に、研磨剤と潤滑剤が交互に
形成された像保持部材用潤滑研磨部材を設置し、研磨と
潤滑剤付与を交互に行なうことが記載されており、特開
昭56−113183公報には、外表面に潤滑剤を保有
している回転自在の円筒状潤滑剤補給部材を感光体に当
接し、潤滑剤を感光体表面に供給することが記載されて
おり、特開昭58−115468公報には、ブレードの
感光体への当接点の上流又は下流側の感光体表面に不揮
発性液体(シリコーンオイル)の塗布部材(例えば、シ
リコーンオイルを含浸したシリコーンゴムローラー、シ
リコーンゴムブレード等)を配置し、感光体に当接し供
給することが記載されており、特開平6−342236
公報には、潤滑剤(ステアリン酸亜鉛等)を帯電ローラ
ーを介して画像坦持体に供給することが記載されてお
り、特開平8−202226公報には、潤滑剤(ステア
リン酸亜鉛等)の塗布量をコントロールしながら、画像
坦持体にブラシを介して供給することが記載される等多
くの提案がなされ、長期的な低摩擦係数等の維持が図ら
れている。ところが、別の寿命決定要因として、摩耗を
小さくするため等の目的で感光体の全面に充分量と思わ
れる潤滑性材料を供給したり、或いは感光体の表面摩擦
係数を必要以上に低くしてしまうと、感光体表面への現
像能力低下(画像濃度の不足)や異常画像(画像流れ)
の発生等の副作用が発生してしまうことが判明した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、これらの要求に適合する画像形成装置を提供す
ることにあり、特に、優れた機械的耐久性、画像安定性
が得られる電子写真感光体、画像形成装置、画像形成方
法及び潤滑性物質の塗布方法を提供することにある。即
ち、本発明は、上記従来技術で達成することが困難であ
った、感光層表面摩擦係数を最適値の状態に長期的に維
持して感光層の摩耗を必要最低限にとどめ、感光層寿命
を最大限に引き出し、かつ、画像ボケや画像濃度低下な
どの異常画像を発生させない画像形成装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この要求に対し、鋭意検
討を行った結果、感光体表面に付着保持させる潤滑性物
質を規定された領域内に制御して付着させた場合に、む
しろ、感光体の高耐久化を達成できるとともに、長期間
高画質を保つことができることが判明し本発明に至っ
た。
【0011】即ち、本発明者らは従来の有機系感光体と
電子写真プロセスを組み合わせた場合の、高耐久性と高
安定性の両立という命題を解決するために鋭意検討した
結果、感光体表面に潤滑性物質層が感光体回転軸方向に
対し、垂直乃至略垂直に方向性を有して付着している感
光体を用いることを特徴とする画像形成装置とすること
により上記目的を達成できることが判明した。潤滑性材
料を感光体全面に極度に薄く供給するための制御より
も、本発明における特定領域への供給は意外に確実且つ
有効性が高い。全面に極度に薄く供給するための制御は
(溶剤等を用いて希釈する等の特別の手段を講じないか
ぎり)さほど簡単ではなく、且つ、このようにして設け
られた極度に薄い層は、ショートランによっても速やか
に消滅しがちである。
【0012】クリーニングユニットで発生する摩耗は、
主に二つの形態に分けられる。一つは、感光体とブレー
ド(ブラシ)に発生する剪断力による摩耗、もう一つ
は、トナーがブレード(ブラシ)と感光体に挟まれて、
砥石のような働きをし摩耗する、ざらつき摩耗である。
【0013】これら感光層の摩耗量を決定する要因とし
て、感光体の構造上の強さ、クリーニングブレード(ブ
ラシ)の当接圧、トナー粒子の組成、感光体の表面摩擦
係数(μ)などがある。特に、感光体とクリーニングブ
レード(ブラシ)との接触部における剪断力と感光体表
面摩擦係数及びその摩耗量には大きな相関があることを
見い出し、特定領域に潤滑性材料を供給して感光体表面
摩擦係数を低く維持することにより、摩耗を小さく抑制
することができ、高耐久な画像形成装置が得られること
が判明した。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図面に沿って本発明を詳細に
説明する。図1は本発明の画像形成装置の模式断面図の
一例を示したものであり、図2は感光体表面の潤滑性物
質付着状態を模式的に図示したものである。図3〜6は
本発明の画像形成装置における潤滑性物質供給方式の種
々の例を示したものである。また、図7〜9は本発明の
画像形成装置で用いられる電子写真用感光体の一例の模
式断面図を示したものである。更に図10は本発明の感
光体上の潤滑性物質(PTFE)の付着状況をXPS法
によるF1s結合ピークのマッピングにより可視化した
例である。
【0015】図1において、(1)は矢印方向に回転す
る感光体ドラムで、その周辺部には、帯電装置(2)、
露光装置からの像露光手段(3)、現像装置(4)、転
写装置(6)、クリーニングユニット(7)、除電ラン
プ(8)、定着装置(9)等が設けられており、ここに
転写体(5)が供給される。
【0016】また、図3〜6は潤滑性物質供給手段の一
例を図示したものであるが、図3は接触帯電装置(ロー
ラー)(102)から感光体(101)表面に供給する
方式のもの、図4は転写ユニット(ベルト)(106)
より供給する方式のもの、図5はクリーニングユニット
(ブラシ)(113)より供給する方式のもの、図6は
潤滑性物質を供給する専用の部材(潤滑性物質供給部
材)(117)を有する方式のものをそれぞれ示してい
る。ここで、接触帯電ローラー、転写ベルトは、例えば
カーボン等の導電性弾性材料が分散された各種エラスト
マー等の帯電電圧印加用機能材料の中に潤滑性材料粉末
を同時に混練、成形することにより作成することができ
る。
【0017】潤滑性物質供給部材の感光体表面との当接
性を高め、ソフトな接触をもたせるために、潤滑性物質
供給部材自体が、網目構造のもの、繊維の間に気泡を入
れてスポンジ状にしたもの、マシュマロ状のもの、繊維
を柔らかく束ねて長手方向に裂けるようにしたもの等
(弾性体状構造物という)を用いることができる。この
ようなもので市販されているものとして、例えば、フロ
ン工業社製のテフロンソフトテープ(商品名)や、ニチ
アス社製のテフロンSPパッキン(商品名)がある。
【0018】本発明に使用する潤滑性物質供給部材の厚
さは、感光体表面との当接性とその安定性を得るために
重要な条件であり、薄すぎると耐久性の面で、厚すぎる
と当接面が硬くなって感光体にダメージを起こさせるの
で、約50〜500μmが好ましく、特に約100〜3
00μmであることが好ましい。潤滑性材料として可撓
性材料を使用した場合、薄いと伸びやしわにより変形す
るとか、感光体表面との摺擦により折れやすい等の欠点
があるものの、感光体表面との当接性がより安定すると
いう利点があり、その利点を活かすため、該材料を例え
ばアセテートフィルムのような材料で裏打ちして用いる
ことができる。
【0019】本発明の潤滑性付与部材として、可撓性潤
滑材料として材質によって或いは成型加工によって画像
形成装置に設置する部分を少なくとも硬度を上げる等す
れば、支持基体に固定せずに単独に使用することが可能
である。しかしながら、安定した特性及び動作を得るた
めには潤滑性材料を支持基体に固定し、或いは潤滑性材
料を支持基体と抑え板で挟持する構造にしたものも用い
る方が実用上有効である。支持基体としては、樹脂シー
トでも金属板でもよく、例えば、ポリカーボネート樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、
塩化ビニル樹脂等のフィルム、アルミニウム板、ステン
レス板等が使用でき、これらの材料は抑え板にも適用可
能である。支持基体或いは抑え板の厚さは、潤滑性付与
部材の構造によって適宜選択される。
【0020】また、予め潤滑性物質を混合した現像剤が
収納された、例えばトナーボトル等の容器を画像形成装
置に搭載して潤滑性物質を供給することも可能である。
なお、本発明はこれら図面により、何ら限定されるもの
ではなく、感光体外部より潤滑性材料を供給する目的で
付設されるものであれば本発明に含まれるものである。
【0021】電子写真プロセスを用いた画像形成装置の
説明を以下に示す。電子写真プロセスのまず最初のステ
ップである、感光体帯電行程には、大きく非接触方式と
接触方式の2つが用いられている。非接触方式とはコロ
ナ放電装置に代表されるような、感光体から離れた位置
に感光体と平行に固定された導電性部材(細線状、板状
等)に、高電圧を印加して帯電、転写を行う方法のこと
である。感光体表面に均一な放電を比較的容易に与える
ことができる方法として、従来電子写真方法において最
も一般的に用いられている。
【0022】これに対し、接触帯電あるいは転写方式と
は適切な導電性と弾性を有したブラシ、ローラー状ブラ
シ、ローラー、ブレード、ベルト等の部材に電圧を印加
して感光体表面に接触させ帯電、転写を行なう方法(特
開昭63−149668号公報、特開平7−28150
3号公報等に記載)である。この接触帯電方式は、非接
触方式と比較して、感光体に帯電あるいは転写を行なう
ために印加する電圧が小さくて済むため、感光体や人体
に化学的なダメージを及ぼすと考えられているオゾン等
の発生が小さいというメリットがあり、近年急速に普及
している帯電方法である。
【0023】帯電行程の次に行なわれる、画像イメージ
露光手段(3)は、複写原稿の反射光をレンズやミラー
を介して照射するアナログイメージ露光、またはコンピ
ュータ等からの電気信号あるいは、複写原稿をCCD等
の画像センサで読みとり変換した電気信号等を、レーザ
ー光やLEDアレイ等により光像として再現するデジタ
ルイメージ露光があり、近年では、種々の処理が可能な
ことや、画質安定性などのメリットより後者が多く使用
されている。
【0024】画像イメージ露光により、感光体上に形成
された静電線像を可視化するためにトナーを付着させる
現像手段としては1成分方式、2成分方式あるいは液体
方式等の各種現像剤を用いた既知の現像手段が用いられ
る。感光体上に現像されたトナーを直接あるいは中間転
写体等を介して紙やプラスチックフィルム等の転写紙に
転写する方式としては、帯電と同様にコロナ放電を使用
するものや、ローラー、ブラシ、ベルト等の直接接触方
式によるものが一般的に用いられる。感光体に現像され
たトナー像を転写体へ転写した後に感光体表面に残るト
ナーを清掃するクリーニングの方式としてはローラー状
のブラシや弾力性のあるブレードを用いるスクイズによ
る方法が一般的であるが、近年では現像トナーの転写体
への転写効率を向上させることによりクリーニング手段
を必要としない画像形成装置も出現している。
【0025】感光体表面に表面摩擦係数を低下させる目
的で潤滑性物質を供給する手段には大きく、感光層表面
に潤滑性物質を直接接触させることにより供給する直接
方式と潤滑性物質を一旦別の部材を介して感光体表面に
供給する間接方式の2通りに分けられる。感光体表面に
感光体表面摩擦係数を低下させる目的で供給する潤滑性
物質には以下のようなものが例示できる。すなわち、シ
リコンオイル、フッ素オイル等の潤滑性液体、PTFE
・PFA・PVDF等の各種フッ素含有樹脂、シリコー
ン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコングリース、フ
ッ素グリース、パラフィンワックス、脂肪酸エステル
類、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩、黒鉛、二硫化
モリブデン等の潤滑性固体や粉体等を適切な方法にて感
光体表面に供給することにより目的が達成される。
【0026】特に、潤滑性固体や粉体は、潤滑性物質の
付着状態を長期に保持するため好適に使用することがで
きる。ここで潤滑性固体を使用する場合、潤滑性物質の
付着状態を長期に保持するために室温(10〜30℃)
で一定形状を保持することが可能な潤滑性固体を好適に
使用することができる。潤滑性粉体を使用する場合、現
像剤との分散性、潤滑性物質の付着状態を長期に保持す
るために潤滑性粉体の粒径は0.01〜100μmの範
囲内にあることが好ましい。
【0027】次に、感光体表面の潤滑性物質付着状態規
定の必要性について説明する。上記の様な方法で感光体
が低摩擦係数化されると、感光体摩耗量を小さくするこ
とができることは既に述べたが、感光体表面摩擦係数が
オイラーベルト法による測定で0.4以下に維持されて
いるときにその効果が顕著である。一方、摩擦係数が必
要以上に低下したときの不具合として、現像ユニットに
より潜像を顕像化する際、トナーと感光体との付着力が
低下し、トナーが感光体上に意図するように転移できな
くなるという現象が発生する。これらは特に2成分現像
など現像剤が感光体上に接触しながら現像するシステム
で顕著に生じることがある。すなわち、2成分現像の特
徴である現像剤の穂が、感光体表層に接触した場合、接
触時にその穂による力学的な力が生じ、感光体に転移さ
れた、トナーを再度掻き落としてしまったり、像が正規
位置からずれてしまうなどの現象がこの不具合の原因と
なっている。
【0028】これらの現象は感光体表層の摩擦係数が高
い時点ではほとんど生じることが無く、表面摩擦係数が
オイラーベルト法による測定で0.1より小さい値、例
えば0.05程度になると顕著に発生するようになる。
この不具合はハードコピー品質において致命的な問題で
あり、発生を防ぐため、感光体表層の摩擦係数を必要以
上に低下させないよう添加剤の塗布をコントロールしな
ければならない。
【0029】また、感光体上には、そのプロセスの段階
で様々な物質が付着する。その主なものとして帯電、転
写領域での放電によって生じるオゾン、NOx、SOx
等の酸化性ガス、あるいはこれらが複合的に反応して生
成したイオン性化合物等がある。これら付着物は非常に
親水性が高く、感光体表層に付着すると空気中の水分子
を吸着あるいは取り込み、感光体表層の電気抵抗を低下
させ、光学書き込みで描かれた潜像がその電気抵抗の低
下により電荷を保持できずに、画像を乱してしまう。し
かしながら、通常これら付着物質は、感光体上からクリ
ーニングブレード等によって掻き落とされ、実際の問題
にはならないことが多い。ただ、感光層とブレードの摩
擦係数が必要以上に低下し、そこに発生する剪断力も低
下すると、感光体上からそれら物質が除去されにくくな
り、先の画像不良が発生することになる。この不具合点
も上記現像不良現象と同様に、感光体表面摩擦係数がオ
イラーベルト法による測定で0.1より小さい値になっ
てしまったときに顕著になる。
【0030】このように感光層摩耗量を極力小さくし、
また、同時に前記不具合が発生することを防ぐために
は、感光体表層の摩擦係数を変化させる添加剤の塗布状
態をコントロールしなければならない。そのためには、
感光体表面全域に潤滑性物質を付着保持させるのではな
く、感光体表面に潤滑性物質が感光体回転軸方向に対
し、垂直乃至略垂直に方向性を有して付着している様に
すればよい。ここで言う略垂直の範囲として感光体回転
軸に対し、90度±10度以内が適当である。
【0031】さらには、感光体回転軸に対し垂直乃至略
垂直に方向性を有して潤滑性物質が付着している領域と
そうでない領域が交互に存在し、隣接する2つの付着領
域の中心間距離Bとそれぞれの付着領域の幅A1とA2
との間に、 B/10<(A1+A2)<2B …(1) の関係が成立しているようにすればよい。また、更に式
(1)において、潤滑性物質付着領域中心間距離Bが 10μm<B<500μm …(2) の範囲にある様にすればよい。これらの範囲は実験的に
得られたものであるが、この範囲が良好である理由とし
ては以下のようなものが考えられる。本発明において
は、このような潤滑性物質の付着態様は、経時後でもよ
ほどのことがない限り、当初付着させた状態がほぼ維持
される。
【0032】すなわち、感光体表面全面に且つ充分厚く
潤滑性物質が付着していると、全面にわたり摩擦係数が
著しく低下している状態になるため、現像の際に、トナ
ーと感光体との付着力が全面的に低下し、トナーが感光
体上に意図するように転移できなくなるという現象が発
生してしまう。また、同様に感光体上に付着する帯電、
転写領域での放電によって生じるオゾン、NOx、SO
x等の酸化性ガス、あるいはこれらが複合的に反応して
生成したイオン性化合物等が全面的に摩擦係数が著しく
低下している状態ではクリーニングブレード等によって
掻き落とされにくくなり、画像不良が発生することにな
る。この現象を回避するために、感光体表面への潤滑性
付着状態を前述のように管理して感光体表面に微視的に
摩擦係数の分布を形成することにより、現像能力や付着
物質掻き落とし能力を必要以上に低下させずにすむこと
が可能となり、感光層摩耗量の低下と高画質安定性の両
立を実現することができる。
【0033】この潤滑性物質付着状態を実現するために
は、あらかじめ感光体表面に、感光体回転軸方向に対
し、垂直乃至略垂直に方向性を有した微細な凹凸を設
け、直接供給方式により潤滑性物質を供給する、あるい
は微細な表面凹凸を有した潤滑性物質を直接方式により
供給する、また、ブラシ状構造体を介した間接供給方式
で潤滑性物質を供給する等の方法にて達成することが可
能である。以上、潤滑性物質付着状態コントロールの必
要性を述べた。本発明においては先に述べたようにその
コントール必要性に鑑み、発明の主目的である低摩耗感
光体システムを提供しつつ、異常画像を押さえ、その画
像を長期的に正常に保つことができる。
【0034】本発明で、感光体表面摩擦係数の定量化方
法として採用しているオイラーベルト法を以下に説明す
る。円筒形の感光体表面の外周1/4部分に、中厚上質
紙を紙すき方向が長手方向になるように切断したベルト
状測定部材を接触させ、その一方(下端)に荷重(10
0g)をかけ、もう一方にフォースゲージをつないだ
後、このフォースゲージを一定速度で移動させ、ベルト
が移動開始した際のフォースゲージの値を読みとり、次
の式により算出する。 μs=2/π×ln(F/W) ただし、μs:静止摩擦係数 F :フォースゲージ読み値(g) W :荷重(100g) また、感光層表面の潤滑性物質付着状態の観察は、SE
M等による形態観察やXPS等による表面元素のマッピ
ング分析法等既知の方法にて評価することができる。
【0035】本発明の画像形成装置において使用される
感光体としては導電性支持体上にセレンないしセレン合
金を主体とする光導電層を設けたもの、酸化亜鉛・硫化
カドミウム等の無機系光導電材料をバインダー中に分散
させたもの、及び非晶質シリコン系材料を用いたもの
等、また有機系感光体のいずれもが利用できる。図7に
示されるように、これら感光体の導電性支持体(21)
としては、体積抵抗1010Ω以下の導電性を示すもの、
例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、
銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化イン
ジウムなどの酸化物を蒸着またはスパッタリングにより
フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆
したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、
ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらをD.
I.、I.I.、押出し、引き抜きなどの工法で素管化
後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管などを
使用することができる。
【0036】本発明における感光層(23)は、単層型
でも積層型でもよいが、ここでは説明の都合上、有機系
積層型感光体について述べる。はじめに、電荷発生層
(31)について説明する。電荷発生層(31)は、電
荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダ
−樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無
機系材料と有機系材料を用いることができる。
【0037】無機系材料には、結晶セレン、アモルファ
ス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲ
ン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等
が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダ
ングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネ
ートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をド−プした
ものが良好に用いられる。
【0038】一方、有機系材料としては、公知の材料を
用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フル
オレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格
を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることができる。
【0039】電荷発生層(31)に必要に応じて用いら
れるバインダ−樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネ−ト、シ
リコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミ
ドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独
または2種以上の混合物として用いることができる。
【0040】電荷発生層(31)に併用できる低分子電
荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがあ
る。電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブ
ロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,
4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリ
ニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4
オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−
5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられ
る。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることができる。
【0041】正孔輸送物質としては、以下に表わされる
電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえ
ば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−
(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1
−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、
スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニル
ヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾ
ール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、
アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダ
ゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。こ
れらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物と
して用いることができる。
【0042】電荷発生層(31)を形成する方法には、
真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法と
が大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グ
ロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いら
れ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成でき
る。また、後述のキャスティング法によって電荷発生層
を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生
物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフ
ラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタ
ン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライタ
ー、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈し
て塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工
法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行な
うことができる。以上のようにして設けられる電荷発生
層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ま
しくは0.05〜2μmである。
【0043】次に、電荷輸送層(33)について説明す
る。電荷輸送層(33)は、電荷発生層へのイメージ露
光により選択的に発生した光キャリアを輸送し、感光体
表面に静電潜像を形成するための機能層であるが、電荷
発生層(31)の説明で記載した低分子電荷輸送物質を
バインダー樹脂とともに用いるもの、あるいは高分子電
荷輸送物質を主成分とする層であり、それぞれ適当な溶
剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによ
り形成できる。
【0044】低分子電荷輸送物質とともに用いられるバ
インダー樹脂の例としては、ポリカーボネート(ビスフ
ェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエ
ステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレ
ン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノ−
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリ
デン、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカル
バゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキ
シ樹脂などが用いられる。これらのバインダーは、単独
または2種以上の混合物として用いることができる。
【0045】高分子電荷輸送物質は以下に記載したよう
な公知材料等を用いることができる。 (a)主鎖および/または側鎖にカルバゾール環を有す
る重合体 例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−
82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開
昭54−11737号公報、特開平4−183719号
公報等に記載の重合体等が例示される。 (b)主鎖および/または側鎖にヒドラゾン構造を有す
る重合体 例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−5
0555号公報等に記載の重合体等が例示される。 (c)ポリシリレン重合体 例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−
19497号公報、特開平5−70595号公報等に記
載の重合体等が例示される。 (d)主鎖および/または側鎖に第3級アミン構造を有
する重合体 例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−ア
ミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開
平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、
特開平1−105260号公報、特開平2−16733
5号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−4
0350号公報等に記載の重合体等が例示される。 (e)その他の重合体 例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特
開昭51−73888号公報、特開昭56−15074
9号公報等に記載の重合体等が例示される。
【0046】本発明に使用される電子供与性基を有する
重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合
体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマ
ーや、また、例えば特開平3−109406号公報に開
示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等
を用いることも可能である。
【0047】また、必要により適当なバインダー樹脂
(前述の低分子電荷輸送材料用バインダー樹脂を使用す
ることが可能)、低分子電荷輸送物質(電荷発生層(3
1)の箇所で説明したものと同様なものが使用可能)、
可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。電荷輸
送層(33)の膜厚は、5〜100μm程度が適当であ
り、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
【0048】また、本発明において電荷輸送層(33)
中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤と
しては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等
の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがその
まま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重
量部に対して0〜30重量部程度が適当である。レベリ
ング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフ
ェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側
鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは
オリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂
100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
【0049】本発明における電子写真感光体としては、
他に例えば図8、図9に示されるような構成のもの、或
いは更に電荷発生層と電荷輸送層の積層順序を逆にした
もの等を挙げることができる。図中、符号(34)は、
表面層、保護層である。
【0050】本発明の感光体においては、感光層保護の
目的で、保護層(34)が感光層の上に設けられること
もある。保護層に使用される材料としては、ABS樹
脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合
体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹
脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレ
ン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチル
ベンゼン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、
ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−
スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられ
る。
【0051】保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目
的でポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂、
シリコーン樹脂及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化
錫、チタン酸カリウム、シリカ等の無機フィラー、また
有機フィラーを分散したもの等を添加することができ
る。
【0052】保護層の形成法としては通常の塗布法が採
用される。なお、保護層の厚さは0.1〜10μm程度
が適当である。また、以上の他に、真空薄膜作成法にて
形成したa−C、a−SiC等公知の材料を保護層とし
て用いることができる。また、保護層等に添加する電荷
輸送物質としては、前述したような正孔輸送物質、電子
輸送物質を使用することができる。
【0053】次に、図8を参照しつつ感光層(23)が
単層構成の場合について述べる。キャスティング法で単
層感光層を設ける場合、多くは電荷発生物質と低分子な
らびに高分子電荷輸送物質よりなる機能分離型のものが
挙げられる。即ち、電荷発生物質ならびに電荷輸送物質
には、前出の材料を用いることができる。また、必要に
より可塑剤やレベリング剤を添加することもできる。更
に、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂と
しては、先に電荷輸送層(33)の箇所で挙げたバイン
ダー樹脂をそのまま用いることができる他に、電荷発生
層(31)で挙げたバインダー樹脂を混合して用いても
よい。単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当
であり、好ましくは10〜40μm程度が適当である。
【0054】本発明に用いられる電子写真感光体には、
導電性支持体(21)と感光層(23)(積層タイプの
場合には、電荷発生層(31))との間に下引き層(2
5)を設けることができる。下引き層(25)は接着性
を向上する、モワレなどを防止する、上層の塗工性を改
良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
下引き層(25)は一般に樹脂を主成分とするが、これ
らの樹脂はその上に感光層を溶剤でもって塗布すること
を考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹
脂であることが望ましい。
【0055】このような樹脂としては、ポリビニルアル
コール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶
性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等
のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹
脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次
元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。ま
た、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウ
ム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化
物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加
えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層のごと
く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0056】更に本発明の下引き層として、シランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリン
グ剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成し
た金属酸化物層も有用である。この他に、本発明の下引
き層には Al23 を陽極酸化にて設けたものや、ポリ
パラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、S
nO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄
膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層
の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0057】また、本発明においては、耐環境性の改善
のため、とりわけ感度低下、残留電位の上昇を防止する
目的で酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤
は有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電
荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られ
る。
【0058】本発明に用いることができる酸化防止剤と
して、下記のものが挙げられる。 [モノフェノール系化合物]2,6−ジ−t−ブチル−
p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,
6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリ
ル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネートなど。
【0059】[ビスフェノール系化合物]2,2’−メ
チレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−
t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチ
リデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)など。
【0060】[高分子フェノール系化合物]1,1,3
−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3
−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3’−ビ
ス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブ
チリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロー
ル類など。
【0061】[パラフェニレンジアミン類]N−フェニ
ル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、
N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミ
ン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニ
レンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t
−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0062】[ハイドロキノン類]2,5−ジ−t−オ
クチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキ
ノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5
−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチ
ルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−
メチルハイドロキノンなど。
【0063】[有機硫黄化合物類]ジラウリル−3,
3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’
−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−
チオジプロピオネートなど。
【0064】[有機燐化合物類]トリフェニルホスフィ
ン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニ
ルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、ト
リ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。こ
れら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化
防止剤として知られており、市販品を容易に入手でき
る。本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物
質100重量部に対して0.1〜100重量部、好まし
くは2〜30重量部である。
【0065】少なくとも、帯電−画像露光−現像−転写
−定着−クリーニング工程を有する画像形成方法におい
て、以上に説明した電子写真感光体を用いることにより
本発明の画像形成方法が提供される。
【0066】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。尚、実施例中使用する「部」は、すべて重量部を表
わす。 [評価感光体用支持体の作製]評価用感光体の作製のた
め、冷間押し出し法によるφ30mmアルミニウムドラ
ム素管の表面切削条件を変えることにより表1に示す6
種類の支持体を作製した。
【0067】
【表1】 切削ピッチ及び表面粗さの測定には東京精密社製表面性
測定器サーフコムを使用した。
【0068】[実施例評価用感光体1の作製]上記6種
類のφ30mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の
下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用
塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの
下引き層、0.2μmの電荷発生層、25μmの電荷輸
送層を形成して、評価用の電子写真感光体(感光体N
o.1−1〜1−6)を得た。
【0069】 〔下引き層用塗工液〕 アルキッド樹脂 6部 (ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業製) メラミン樹脂 4部 (スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製) 酸化チタン 40部 メチルエチルケトン 200部
【0070】 〔電荷発生層用塗工液〕 下記構造のトリスアゾ顔料 2.5部
【0071】
【化1】 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.25部 シクロヘキサノン 200部 メチルエチルケトン 80部
【0072】 〔電荷輸送層用塗工液〕 ビスフェーノルA型ポリカーボネート 10部 (帝人:パンライトK1300) 下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
【0073】
【化2】 塩化メチレン 100部
【0074】[実施例評価用感光体2の作製]実施例評
価用感光体1の作成において、電荷発生層用塗工液を以
下に変えた以外は全く同様にして、評価用感光体評価用
の電子写真感光体(感光体No.2−1〜2−6)を作
製した。 〔電荷発生層用塗工液〕 下記成分を混合しボールミルで分散した。 Y型オキソチタニルフタロシアニン顔料 2部 ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学製) 0.2部 テトラヒドロフラン 50部 この分散液を電荷発生層用塗工液とした。以上のように
作製した電子写真感光体を実装用にした後、以下に示す
各実施例及び比較例の条件の画像形成装置に搭載し、評
価を行なった。
【0075】[実機ランニング特性評価方法]各実施例
及び比較例の画像形成装置は(株)リコー製デジタル複
写機イマジオMF200を改造して各種潤滑性物質供給
装置を搭載したものを使用し、それぞれ最高20万枚ま
での通紙試験を行なった。通紙試験中及び通紙試験後に
画像品質特性、感光層表面摩擦係数、感光層摩耗量の評
価を適時行なった。なお、それぞれのサンプルに対し、
初期電位をVD=850V、露光後電位をVL=120
Vと設定して評価を開始した。 画像品質:ベタ濃度、細線再現性、異常画像等総合的に
評価 感光層表面摩擦係数(μs):オイラーベルト方式による
値 摩耗量(Δd):実機ランニングによる感光層膜厚初期値
からの減少量
【0076】各実施例及び比較例の評価結果を表−2に
示した。基準は以下の通りである。 ◎:非常に良好(画像濃度、解像度等総合的に) ○:良好(同上) △1:わずかな画像濃度低下発生 △2:画像流れがわずかに発生 ×1:明らかな画像濃度低下発生 ×2:スジ状画像、地汚れ発生 ×3:画像流れ発生
【0077】[実施例1]感光体1−1を使用して、図
5に示すクリーニングブラシによるステアリン酸亜鉛供
給方式を搭載した画像形成装置により連続通紙試験を行
なった。ブラシ食い込み量、感光体との周速差等の条件
調節により潤滑剤付着パラメータがB=200μ、A1
+A2=300μmとなるよう設定した。なお、この潤
滑剤付着パラメータはフィジカルエレクトロニクス社製
PHI−1600S型X線光電子分光装置(X線源:M
gKα)による元素マッピングにより計測した。付着状
況にはばらつきがあるため、それぞれ10カ所の平均値
を求めた。
【0078】[実施例2]感光体を2−1に変えた以外
は実施例1と同様にして連続通紙試験を行なった。
【0079】[実施例3]感光体1−1を使用して、図
5に示すクリーニングブラシによるPTFE供給方式を
搭載した画像形成装置により連続通紙試験を行なった。
ブラシ食い込み量、感光体との周速差等の条件調節によ
り潤滑剤付着パラメータがB=200μ、A1+A2=
300μmとなるよう設定した。
【0080】[実施例4]感光体を2−1に変えた以外
は実施例3と同様にして連続通紙試験を行なった。
【0081】[比較例1]感光体1−1を使用して、図
6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装置
により連続通紙試験を行なった。当接圧等の調整を行っ
なたが、潤滑剤付着パラメータはB:ピッチとして観測
されず、A1+A2も全面に均一に付着しているため計
測不能であり、本発明の範囲をはずれたものとなった。
【0082】[比較例2]感光体を2−1に変えた以外
は比較例1と同様にして連続通紙試験を行なった。潤滑
剤付着パラメータも比較例1と同様であった。
【0083】[実施例5]感光体2−3を使用して、図
6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装置
により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により潤
滑剤付着パラメータがB=10μ、A1+A2=1.5
μmとなるよう設定した。
【0084】[実施例6]感光体2−3を使用して、図
6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装置
により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により潤
滑剤付着パラメータがB=10μ、A1+A2=10μ
mとなるよう設定した。
【0085】[実施例7]感光体2−3を使用して、図
6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装置
により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により潤
滑剤付着パラメータがB=10μ、A1+A2=18μ
mとなるよう設定した。
【0086】[実施例8]感光体2−4を使用して、図
6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装置
により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により潤
滑剤付着パラメータがB=100μ、A1+A2=12
μmとなるよう設定した。
【0087】[実施例9]感光体2−4を使用して、図
6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装置
により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により潤
滑剤付着パラメータがB=100μ、A1+A2=80
μmとなるよう設定した。
【0088】[実施例10]感光体2−4を使用して、
図6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装
置により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により
潤滑剤付着パラメータがB=100μ、A1+A2=1
80μmとなるよう設定した。
【0089】[実施例11]感光体2−5を使用して、
図6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装
置により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により
潤滑剤付着パラメータがB=500μ、A1+A2=5
5μmとなるよう設定した。
【0090】[実施例12]感光体2−5を使用して、
図6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装
置により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により
潤滑剤付着パラメータがB=500μ、A1+A2=5
50μmとなるよう設定した。
【0091】[実施例13]感光体2−5を使用して、
図6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装
置により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により
潤滑剤付着パラメータがB=500μ、A1+A2=9
60μmとなるよう設定した。
【0092】[実施例14]実施例1で使用する電子写
真感光体1−1の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工
液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例1
と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にし
て連続通紙試験を行なった。 〔保護層塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 2部
【0093】
【化3】 A型ポリカーボネート 4部 塩化メチレン 100部
【0094】[実施例15]実施例1で使用する電子写
真感光体1−1の電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工
液を用い、2μmの保護層を積層した以外は、実施例1
と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にし
て連続通紙試験を行なった。 〔保護層塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 4部
【0095】
【化4】 A型ポリカーボネート 4部 酸化チタン 1部 塩化メチレン 100部
【0096】[実施例16]感光体2−2を使用して、
図6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装
置により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により
潤滑剤付着パラメータがB=5μ、A1+A2=0.4
μmとなるよう設定した。
【0097】[実施例17]感光体2−3を使用して、
図6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装
置により連続通紙試験を行った。当接圧の調節により潤
滑剤付着パラメータがB=10μ、A1+A2=0.8
μmとなるよう設定した。
【0098】[実施例18]感光体2−4を使用して、
図6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装
置により連続通紙試験を行った。当接圧の調節により潤
滑剤付着パラメータがB=100μ、A1+A2=7μ
mとなるよう設定した。
【0099】[実施例19]感光体2−5を使用して、
図6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装
置により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により
潤滑剤付着パラメータがB=500μ、A1+A2=4
5μmとなるよう設定した。
【0100】[実施例20]感光体2−6を使用して、
図6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装
置により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により
潤滑剤付着パラメータがB=1000μ、A1+A2=
80μmとなるよう設定した。
【0101】[比較例3]感光体2−2を使用して、図
5に示すクリーニングブラシによるPTFE供給方式を
搭載した画像形成装置により連続通紙試験を行なった。
ブラシ食い込み量、感光体との周速差等の条件調節でP
TFEの供給量を多くすることにより潤滑剤付着パラメ
ータがB=5μ、A1+A2:全面付着となるよう設定
した。(F1sピークマッピングの濃淡でBは判別でき
るが、全面にPTFEが付着している状態)
【0102】[比較例4]感光体2−3を使用して、図
5に示すクリーニングブラシによるPTFE供給方式を
搭載した画像形成装置により連続通紙試験を行なった。
ブラシ食い込み量、感光体との周速差等の条件調節でP
TFEの供給量を多くすることにより潤滑剤付着パラメ
ータがB=10μ、A1+A2:全面付着となるよう設
定した。(F1sピークマッピングの濃淡でBは判別で
きるが、全面にPTFEが付着している状態)
【0103】[比較例5]感光体2−4を使用して、図
5に示すクリーニングブラシによるPTFE供給方式を
搭載した画像形成装置により連続通紙試験を行なった。
ブラシ食い込み量、感光体との周速差等の条件調節でP
TFEの供給量を多くすることにより潤滑剤付着パラメ
ータがB=100μ、A1+A2:全面付着となるよう
設定した。(F1sピークマッピングの濃淡でBは判別
できるが、全面にPTFEが付着している状態)
【0104】[比較例6]感光体2−5を使用して、図
5に示すクリーニングブラシによるPTFE供給方式を
搭載した画像形成装置により連続通紙試験を行なった。
ブラシ食い込み量、感光体との周速差等の条件調節でP
TFEの供給量を多くすることにより潤滑剤付着パラメ
ータがB=500μ、A1+A2:全面付着となるよう
設定した。(F1sピークマッピングの濃淡でBは判別
できるが、全面にPTFEが付着している状態)
【0105】[比較例7]感光体2−6を使用して、図
5に示すクリーニングブラシによるPTFE供給方式を
搭載した画像形成装置により連続通紙試験を行なった。
ブラシ食い込み量、感光体との周速差等の条件調節でP
TFEの供給量を多くすることにより潤滑剤付着パラメ
ータがB=1000μ、A1+A2:全面付着となるよ
う設定した。(F1sピークマッピングの濃淡でBは判
別できるが、全面にPTFEが付着している状態)
【0106】[実施例21]感光体2−2を使用して、
図6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装
置により連続通紙試験を行った。当接圧の調節により潤
滑剤付着パラメータがB=5μ、A1+A2=5μmと
なるよう設定した。
【0107】[実施例22]感光体2−6を使用して、
図6に示すPTFE直接接触方式を搭載した画像形成装
置により連続通紙試験を行なった。当接圧の調節により
潤滑剤付着パラメータがB=1000μ、A1+A2=
1000μmとなるよう設定した。
【0108】[比較例8]感光体2−4を使用して、潤
滑性材料付与装置を搭載しない画像形成装置により連続
通紙試験を行なった。上記実施例及び比較例の評価結果
を表2に示す。
【0109】
【表2】
【0110】表2より明らかなように、本発明の電子写
真用感光体及びそれを使用した画像形成装置は、電子写
真用感光体の摩耗が非常に少なく、かつ画像濃度低下等
の副作用が無く、高画質のハードコピーを長期間安定し
て得ることができる。一方、本発明の範囲から外れる比
較例に関しては、膜厚の減少が大きかったり、異常画像
の発生が認められ、高耐久性、高信頼性の画像形成装置
としては実施例より明らかに劣ることがわかる。また、
感光体の支持体形状や潤滑性材料供給方式によらず、感
光体表面潤滑剤付着パラメータの値に大きく影響を受け
ることがわかる。連続通紙試験後、実施例1で使用した
感光体1−1表面の潤滑性物質(ステアリン酸亜鉛)付
着状態をXSP法により観察したところ、図10と同様
に、潤滑性物質の付着が方向性を有していることが確認
された。
【0111】
【発明の効果】以上詳細かつ具体的な説明より明らかな
ように、本発明の電子写真用感光体及びそれを使用した
画像形成装置によって、高性能でかつ非常に長期的に信
頼性の高い画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置が用いられる画像形成装置の一例
を示す模式図である。
【図2】本発明の感光体表面の潤滑性物質付着状況を示
す模式図である。
【図3】本発明の潤滑性物質供給装置の一例を示す断面
図である。
【図4】本発明の潤滑性物質供給装置の別の一例を示す
断面図である。
【図5】本発明の潤滑性物質供給装置の更に別の一例を
示す断面図である。
【図6】本発明の潤滑性物質供給装置のまた更に別の一
例を示す模式図である。
【図7】本発明の画像形成装置に用いる感光体の一例を
示す模式断面図である。
【図8】本発明の画像形成装置に用いる感光体の別の一
例を示す模式断面図である。
【図9】本発明の画像形成装置に用いる感光体の更に別
の一例を示す模式断面図である。
【図10】本発明の感光体表面の潤滑性物質(PTF
E)付着状況のXPS分析結果の一例である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 接触帯電装置 3 イメージ露光 4 現像装置 5 転写体 6 接触転写装置 7 クリーニングブレード 8 除電ランプ 9 定着装置 A1 隣接潤滑剤付着巾1 A2 隣接潤滑剤付着巾2 B 隣接付着領域中心間距離 101 感光体 102 帯電ローラー 106 転写ベルト 107 クリーニングブレード 111 帯電電圧印加用機能材料 112 潤滑性付与材料 113 クリーニングブラシ 114 潤滑剤供給ローラー 115 潤滑性材料 116 スプリング 117 潤滑性物質供給部材 119 転写電圧印加用機能材料 120 潤滑性付与材料 21 導電性支持体 23 感光層 25 下引き層 31 電荷発生層 33 電荷輸送層 34 保護層、表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 章代 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 永目 宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 左近 洋太 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、回転軸を有する電子写真感
    光体において、感光体表面に潤滑性物質が感光体回転軸
    方向に対し、垂直乃至略垂直に方向性を有して付着して
    いることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記感光体回転軸に対し垂直乃至略垂直
    に方向性を有して潤滑性物質が付着している領域とそう
    でない領域が交互に存在し、隣接する2つの付着領域の
    中心間距離Bとそれぞれの付着領域の幅A1とA2との
    間に、 B/10<(A1+A2)<2B …(1) の関係が成立していることを特徴とする請求項1に記載
    の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記式(1)において、潤滑性物質付着
    領域中心間距離Bが 10μm<B<500μm …(2) の範囲にあることを特徴とする請求項2記載の電子写真
    感光体。
  4. 【請求項4】 前記感光体表面に付着している潤滑性物
    質が固体又は粉体の潤滑性物質であることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記感光体表面に付着している潤滑性物
    質がフッ素系樹脂であることを特徴とする請求項4に記
    載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記感光体表面に付着している潤滑性物
    質がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記感光体表面に付着している潤滑性物
    質がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項4
    に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記感光体表面摩擦係数がオイラーベル
    ト法による測定値で0.4以下であることを特徴とする
    請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記感光体の感光層上に、保護層を設け
    たことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記保護層にフィラーを含有すること
    を特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 前記保護層に電荷輸送物質を含有する
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の電子写真感
    光体。
  12. 【請求項12】 少なくとも、帯電−画像露光−現像−
    転写−定着−クリーニング工程を有する画像形成方法に
    おいて、請求項1に記載の電子写真感光体を用いること
    を特徴とする画像形成方法。
  13. 【請求項13】 ステアリン酸亜鉛を含む現像剤を用い
    て潜像を現像すると共に、該ステアリン酸亜鉛を潤滑性
    物質として感光体表面に付着させることを特徴とする請
    求項12に記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 少なくとも、帯電手段−画像露光手段
    −現像手段−転写手段−定着手段−クリーニング手段を
    有する画像形成装置において、請求項1、2、3、4、
    8、9、10、11のいずれかに記載の電子写真感光体
    を搭載することを特徴とする画像形成装置。
  15. 【請求項15】 感光体外部より感光体表面に潤滑性物
    質を供給する手段を有していることを特徴とする請求項
    14に記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 予め潤滑性物質を混合した現像剤が収
    納された容器を搭載していることを特徴とする請求項1
    4に記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 感光体外部より潤滑性物質を供給する
    ことにより、請求項1に記載されるように感光体表面に
    潤滑性物質を付着させることを特徴とする潤滑性物質の
    塗布方法。
  18. 【請求項18】 潤滑性物質を予め現像剤に混合するこ
    とにより、感光体表面に潤滑性物質を付着させることを
    特徴とする請求項17に記載の潤滑性物質の塗布方法。
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