JP2000198779A - 3―アルキルフラバノノ―ル誘導体の精製法 - Google Patents

3―アルキルフラバノノ―ル誘導体の精製法

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JP2000198779A JP11000398A JP39899A JP2000198779A JP 2000198779 A JP2000198779 A JP 2000198779A JP 11000398 A JP11000398 A JP 11000398A JP 39899 A JP39899 A JP 39899A JP 2000198779 A JP2000198779 A JP 2000198779A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 次の一般式(1) 〔式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基を示し、R
2 及びR3 は、ハロゲン原子若しくは炭素数1〜12の
アルコキシル基が置換していてもよい炭素数1〜12の
アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基が置換し
ていてもよい炭素数1〜12のアルコキシル基、水素原
子、水酸基、シアノ基又はハロゲン原子を示す。〕で表
わされる3−アルキルフラバノノール誘導体を、3−ア
ルキルフラバノン誘導体を不純物として含む混合物から
塩基共存下で晶析することを特徴とする3−アルキルフ
ラバノノール誘導体の精製法。 【効果】 工業的に有利な精製法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養毛・育毛剤とし
て有用な次の一般式(1)
【0002】
【化3】
【0003】〔式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル
基を示し、R2 及びR3 は、ハロゲン原子若しくは炭素
数1〜12のアルコキシル基が置換していてもよい炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ
ル基が置換していてもよい炭素数1〜12のアルコキシ
ル基、水素原子、水酸基、シアノ基又はハロゲン原子を
示す。〕で表わされる3−アルキルフラバノノール誘導
体の精製法に関する。
【0004】
【従来の技術】養毛・育毛剤として有用な化合物である
上記一般式(1)で表わされる3−アルキルフラバノノ
ール誘導体の製造方法としては、特開平8−15746
4号公報に記載の如く、次の反応式に従って反応を行う
方法が挙げられる。
【0005】
【化4】
【0006】〔式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同じ
ものを示す〕
【0007】すなわち、o−ヒドロキシアシルベンゼン
類(4)とベンズアルデヒド類(3)を反応させて、3
−アルキルフラバノン類(2)を得、次いでこれを過酸
化水素で酸化し、カラムクロマトグラフィー精製の後、
晶析精製を行うことにより、目的とする3−アルキルフ
ラバノノール誘導体(1)を得る方法が開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記製造方法
では、精製法としてカラムクロマトグラフィーを用いて
おり、工業的に大量に精製・製造するには不向きである
という問題点があった。また、原料である3−アルキル
フラバノン誘導体(2)の溶解度が目的物である3−ア
ルキルフラバノノール誘導体(1)よりも低いため、工
業的に通常用いられる精製方法である晶析では、酸化反
応後に不純物として残存する原料の3−アルキルフラバ
ノン誘導体(2)を完全に除くことが困難であり、十分
に精製できないという問題点を有していた。従って、本
発明の目的は、このような問題がなく、3−アルキルフ
ラバノノール誘導体(1)を工業的に有利に精製・製造
できる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の一般式
(2)
【0010】
【化5】
【0011】〔式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル
基を示し、R2 及びR3 は、ハロゲン原子若しくは炭素
数1〜12のアルコキシル基が置換していてもよい炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ
ル基が置換していてもよい炭素数1〜12のアルコキシ
ル基、水素原子、水酸基、シアノ基又はハロゲン原子を
示す。〕で表わされる3−アルキルフラバノン誘導体を
不純物として含む、次の一般式(1)
【0012】
【化6】
【0013】〔式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同じ
ものを示す〕で表わされる3−アルキルフラバノノール
誘導体を、塩基共存下で晶析することを特徴とする3−
アルキルフラバノノール誘導体の高純度精製法を提供す
るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、3−アルキルフ
ラバノン誘導体(2)及び3−アルキルフラバノノール
誘導体(1)は、それぞれ一般式(2)及び(1)で表
わされるものであるが、式中、R1 は炭素数1〜5の直
鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、特にメチル基が
好ましい。R2 及びR3 は水素原子、炭素数1〜5の直
鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、特に水素原子又
はメチル基が好ましい。
【0015】3−アルキルフラバノン誘導体(2)及び
3−アルキルフラバノノール誘導体(1)として、最も
好ましいものは、式中のR1 及びR3 がメチル基であ
り、R 2 が水素原子である、3,4′−ジメチルフラバ
ノン及び3,4′−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノ
ンである。
【0016】なお、本発明において原料となる3−アル
キルフラバノン誘導体(2)には、trans体とci
s体の立体異性体が存在し、また、trans体とci
s体のそれぞれについて光学異性体が存在するが、本発
明の製造法では、これらの異性体のいずれを用いても良
く、これらの混合物を用いてもよい。
【0017】本発明の晶析に用いる、3−アルキルフラ
バノン誘導体(2)を不純物として含む3−アルキルフ
ラバノノール誘導体(1)中の、3−アルキルフラバノ
ン誘導体(2)及び3−アルキルフラバノノール誘導体
(1)の含有量は、好ましくは3−アルキルフラバノン
誘導体(2)が0.1〜50%、3−アルキルフラバノ
ノール誘導体(1)99.9〜50%程度含有するもの
を用いる。なお、3−アルキルフラバノン誘導体(2)
を不純物として含む3−アルキルフラバノノール誘導体
(1)には、3−アルキルフラバノン誘導体(2)及び
3−アルキルフラバノノール誘導体(1)の他、3−ア
ルキルフラバノン誘導体(2)の酸化で生成するような
その他の不純物を含んでいてもよい。その他の不純物と
しては、例えば安息香酸、ケイヒ酸、サリチル酸、カテ
コールの各誘導体等が挙げられる。
【0018】本発明の晶析に用いる、3−アルキルフラ
バノン誘導体(2)を不純物として含む3−アルキルフ
ラバノノール誘導体(1)は、後述するような3−アル
キルフラバノン誘導体(2)の酸化粗生成物をそのまま
用いてもよいし、水洗等の予備的精製を行ったものでも
よい。また、本発明の晶析に用いる、3−アルキルフラ
バノン誘導体(2)を不純物として含む3−アルキルフ
ラバノノール誘導体(1)は、乾燥したものでもよく、
また、水等の溶媒を含んだものでもよい。ただし、水を
含有する場合には、水の含有量が35%以下程度である
ことが望ましい。
【0019】本精製法において、3−アルキルフラバノ
ン誘導体(2)を不純物として含む3−アルキルフラバ
ノノール誘導体(1)の製造方法は前記したように、特
開平8−157464号公報又はJ. Med. Chem.(ジャ
ーナル オブ メディシナルケミストリー)33巻19
48頁(1990年)に記載の方法で、3−アルキルフ
ラバノン誘導体(2)を中間体として得た後、これを酸
化する方法が挙げられる。すなわち、前記反応式に従っ
てo−ヒドロキシアシルベンゼン類(4)とベンズアル
デヒド類(3)を有機酸とアミンの存在下で縮合する
か、又は無機塩基の存在下で縮合して、3−アルキルフ
ラバノン誘導体(2)を塩基存在下、有機過酸化物又は
過酸化水素で酸化することにより、3−アルキルフラバ
ノン誘導体(2)を不純物として含む3−アルキルフラ
バノノール誘導体(1)を得る方法が挙げられる。
【0020】上記酸化反応終了後の後処理方法は、通常
の過酸化物を用いた反応の後処理方法に準じて行う。す
なわち、残存する有機過酸化物を水洗除去、もしくは、
必要に応じて亜硫酸水素ナトリウム水溶液等で分解した
後、本発明の晶析精製に供する。
【0021】本発明の精製法は、3−アルキルフラバノ
ン誘導体(2)を不純物として含む3−アルキルフラバ
ノノール誘導体(1)を、塩基存在下で晶析することに
特徴がある。
【0022】本発明の晶析に用いる塩基としては、不純
物である3−アルキルフラバノン誘導体(2)の3位の
水素を引き抜くことができ、3−アルキルフラバノン誘
導体(2)をより溶媒への溶解性のよいα−アルキルカ
ルコン誘導体にできる塩基であればよく、中でも、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の
金属アルコキシドが好ましく、特に水酸化カリウムが最
も好ましい。なお、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリ金属水酸化物は、フレーク、ペレット等の
固形物の形態で用いても、また、水溶液の形態(水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムの場合は20〜50%程度
の水溶液が市販されている)で用いてもよい。
【0023】塩基の使用量は、用いる3−アルキルフラ
バノン誘導体(2)を不純物として含む3−アルキルフ
ラバノノール誘導体(1)の純度、溶媒の種類・量等に
より変化するが、一般に3−アルキルフラバノン誘導体
(2)を不純物として含む3−アルキルフラバノノール
誘導体(1)に対して0.03〜1.0重量倍、好まし
くは0.05〜0.5重量倍、より好ましくは0.05
〜0.3重量倍程度用いる。
【0024】本発明の晶析に用いる溶媒としては、不純
物である3−アルキルフラバノン誘導体(2)の3位の
水素を引き抜くことにより生成するα−アルキルカルコ
ン誘導体を溶解できる溶媒であればよく、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の炭素数4
以下のアルコール系溶媒、又は、これら炭素数4以下の
アルコール系溶媒と水との混合溶媒がより好ましく、そ
の中でも3−アルキルフラバノン誘導体(2)の3位の
水素を引き抜くことにより生成するα−アルキルカルコ
ン誘導体の溶解度がよいことから、イソプロピルアルコ
ールと水の混合溶媒が最も好ましい。
【0025】溶媒の使用量は、用いる3−アルキルフラ
バノン誘導体(2)を不純物として含む3−アルキルフ
ラバノノール誘導体(1)の純度、溶媒の種類、塩基の
種類・量等によって変化するが、一般に、3−アルキル
フラバノン誘導体(2)を不純物として含む3−アルキ
ルフラバノノール誘導体(1)に対して1〜20重量
倍、好ましくは1〜10重量倍、より好ましくは2〜7
重量倍程度である。
【0026】本発明の晶析では、溶媒に水を含有しても
しなくてもよいが、水を含有した場合の方が、目的物で
ある3−アルキルフラバノノール誘導体(1)の回収率
がよい傾向があるので、好ましくは水を含有させた溶媒
を用いる。水を含有させる場合の水の使用量は、3−ア
ルキルフラバノン誘導体(2)を不純物として含む3−
アルキルフラバノノール誘導体(1)に対して0.01
〜1重量倍、好ましくは0.05〜0.5重量倍、より
好ましくは0.05〜0.3重量倍程度である。なお、
晶析に用いる3−アルキルフラバノン誘導体(2)を不
純物として含む3−アルキルフラバノノール誘導体
(1)に水分が含有されている場合には、晶析溶媒に水
を添加しなくてもよい。
【0027】晶析の際に、塩基は最初から3−アルキル
フラバノン誘導体(2)を不純物として含む3−アルキ
ルフラバノノール誘導体(1)の溶液に加えておいても
よいが、塩基を高温で3−アルキルフラバノノール誘導
体(1)に作用させると、trans−cis異性化等
の副反応が進行することがあるので、好ましくは、3−
アルキルフラバノン誘導体(2)を不純物として含む3
−アルキルフラバノノール誘導体(1)の溶液に、塩基
水溶液を添加することで結晶を生成させて、晶析を行
う。
【0028】晶析温度は、用いる3−アルキルフラバノ
ン誘導体(2)を不純物として含む3−アルキルフラバ
ノノール誘導体(1)の純度、溶媒の種類、塩基の種類
・量、塩基水溶液の添加方法等によって変化するが、3
−アルキルフラバノン誘導体(2)を不純物として含む
3−アルキルフラバノノール誘導体(1)の溶液に、塩
基水溶液を添加する場合は、好ましくは0〜60℃、よ
り好ましくは30〜50℃で塩基水溶液を添加し、その
後好ましくは−40〜30℃、より好ましくは−30〜
30℃程度まで冷却して晶析を行う。また、3−アルキ
ルフラバノン誘導体(2)を不純物として含む3−アル
キルフラバノノール誘導体(1)の溶液に、塩基を最初
から加えておく場合は、好ましくは10〜50℃で加温
後、好ましくは−40〜30℃程度まで冷却して晶析を
行う。
【0029】上記操作により析出した結晶をろ過するこ
とにより、3−アルキルフラバノノール誘導体(1)を
純度よく得ることができるが、更に残存する不純物や晶
析で用いた塩基を除くために、水、アルコール系溶媒、
水−アルコール系溶媒の混合溶媒等及びこれらの2種以
上で1又は2回以上洗浄してもよい。ここで用いるアル
コール系溶媒として好ましいものとしては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアル
コール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、se
c−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の炭素
数4以下のアルコール系溶媒が挙げられ、このうちイソ
プロピルアルコールがより好ましい。
【0030】このようにして得られた結晶を、必要に応
じ、常圧又は減圧下で乾燥することにより、3−アルキ
ルフラバノノール誘導体(1)を高純度で得ることがで
きる。
【0031】本発明方法で精製した3−アルキルフラバ
ノノール誘導体(1)は養毛・育毛料として有用であ
り、高純度であるため、皮膚外用剤として、医薬品、医
薬部外品、化粧品等に有利に用いることができる。
【0032】
【実施例】参考例 トランス−3,4′−ジメチル−
3−ヒドロキシフラバノンの製造:窒素雰囲気下、フラ
スコに2′−ヒドロキシプロピオフェノン1682g
(11.2mol)、4−メチルベンズアルデヒド141
3g(11.76mol)、イソプロピルアルコール33
64g、ピペリジン954g(11.2mol)を仕込
み、ここに酢酸673g(11.2mol)を約10分間
かけて滴下した。滴下終了後、更に80〜90℃で24
時間攪拌した。次に、得られた反応混合物を70〜75
℃まで冷却してトランス−3,4′−ジメチルフラバノ
ンの種晶0.25gを添加し、30〜40℃まで冷却し
てイオン交換水1400gを加え、更に0〜10℃まで
冷却した。析出してきた結晶をろ取し、得られた結晶を
50%イソプロピルアルコール水溶液及び水で洗浄し、
減圧乾燥することにより、トランス−3,4′−ジメチ
ルフラバノン2506g(収率88.7%)を得た。次
いで、SUS316製反応槽に、上記で得られたトラン
ス−3,4′−ジメチルフラバノン126.16g
(0.5mol)及びイソプロピルアルコール189.2
4gを仕込み、次いで50%水酸化カリウム水溶液4
4.88g(KOH:0.4mol)を添加した。次にこ
の混合物に、35〜50℃で攪拌しながら70%t−ブ
チルヒドロパーオキシド水溶液128.74g(1.0
mol)を約4時間かけて滴下した。40〜50℃で1時
間攪拌した後、50%水酸化カリウム水溶液8.42g
(KOH:0.15mol;初期添加分と合わせてKO
H:0.55mol)を約1時間かけて滴下した。滴下終
了後、更に40〜50℃で8時間攪拌した。次いで、こ
の反応混合物を約15℃まで冷却した後、水252.3
gを加え、更に約5℃まで冷却した。析出してきた結晶
をろ取し、得られた結晶を水で洗浄した後、減圧乾燥す
ることにより、シス−及びトランス−3,4′−ジメチ
ルフラバノンを不純物として含むトランス−3,4′−
ジメチル−3−ヒドロキシフラバノン粗製物86.3g
(収率64.3%;HPLC純度82.0%、シス−及
びトランス−3,4−ジメチルフラバノンを17.4%
含有)を得た。
【0033】比較例1 トランス−3,4′−ジメチ
ル−3−ヒドロキシフラバノンの晶析精製:フラスコ
に、シス−及びトランス−3,4′−ジメチルフラバノ
ンを不純物として含むトランス−3,4′−ジメチル−
3−ヒドロキシフラバノン粗製物10g(HPLC純度
92.9%、シス−及びトランス−3,4′−ジメチル
フラバノンを4.4%含有)及びイソプロピルアルコー
ル50gを仕込み、加熱溶解させた後、約20℃まで冷
却した。析出してきた結晶をろ取し、得られた結晶をイ
ソプロピルアルコール10gで洗浄後、減圧乾燥した
(回収率80%)。得られた結晶をHPLC分析したと
ころ、トランス−3,4′−ジメチル−3−ヒドロキシ
フラバノンを96.3%、シス−及びトランス−3,
4′−ジメチルフラバノンを3.1%含有していた。
【0034】比較例2〜9 晶析/洗浄溶媒のイソプロピルアルコールを、表1に示
す溶媒に変更した以外は、比較例1と同様の方法で晶析
を行った。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1 トランス−3,4′−ジメチ
ル−3−ヒドロキシフラバノンの晶析精製:フラスコ
に、シス−及びトランス−3,4′−ジメチルフラバノ
ンを不純物として含むトランス−3,4′−ジメチル−
3−ヒドロキシフラバノン粗製物85.7g(HPLC
純度82.0%、シス−及びトランス−3,4′−ジメ
チルフラバノンを17.4%含有)及びイソプロピルア
ルコール257.1gを仕込み、約55℃付近で溶解さ
せた後、約40℃まで冷却し、50%水酸化カリウム水
溶液34.28gを滴下した。滴下終了後、この混合物
を約5℃まで冷却し、析出してきた結晶をろ取し、得ら
れた結晶を88%イソプロピルアルコール水溶液12
8.6gで洗浄した(この晶析法を1法とする)。つい
で、脱塩基のために、水257.1g、イソプロピルア
ルコール51.4gと水205.7g、及び水257.
1gで順次洗浄した(この脱塩基洗浄法をa法とする)
後、減圧乾燥することにより、精製シランス−3,4′
−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノン62.0g(回
収率72.3%;HPLC純度100%)を得た。
【0037】実施例2 トランス−3,4′−ジメチ
ル−3−ヒドロキシフラバノンの晶析精製:フラスコ
に、シス−及びトランス−3,4′−ジメチルフラバノ
ンを不純物として含むトランス−3,4′−ジメチル−
3−ヒドロキシフラバノン粗製物85.7g(HPLC
純度91.8%、シス−及びトランス−3,4′−ジメ
チルフラバノンを7.3%含有)、イソプロピルアルコ
ール265.7g、及び50%水酸化カリウム水溶液3
4.28gを仕込み、加熱溶解後、約20℃まで冷却し
た。次に、析出してきた結晶をろ取し、得られた結晶を
88%イソプロピルアルコール水溶液128.6gで洗
浄した(この晶析法を2法とする)。次いで、脱塩基の
ために、20%イソプロピルアルコール257.1gで
2回洗浄した(この脱塩基洗浄法をb法とする)後、減
圧乾燥することにより、精製トランス−3,4′−ジメ
チル−3−ヒドロキシフラバノン69.4g(回収率8
1.0%;HPLC純度99.7%)を得た。
【0038】実施例3〜18 表2に示す条件以外は、実施例1又は2と同様の方法で
晶析を行った。なお、晶析条件及び塩基洗浄条件は、実
施例1又は2中の晶析法1法又は2法、及び、洗浄法a
法又はb法により行った。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、養毛・育毛剤として有
用な化合物である3−アルキルフラバノノール誘導体
(1)を高純度で、しかも工業的に有利に精製すること
ができる。
フロントページの続き (72)発明者 西澤 義則 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 藤倉 芳明 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4C062 FF05 FF43

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(2) 【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基を示し、R
    2 及びR3 は、ハロゲン原子若しくは炭素数1〜12の
    アルコキシル基が置換していてもよい炭素数1〜12の
    アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基が置換し
    ていてもよい炭素数1〜12のアルコキシル基、水素原
    子、水酸基、シアノ基又はハロゲン原子を示す。〕で表
    わされる3−アルキルフラバノン誘導体を不純物として
    含む、次の一般式(1) 【化2】 〔式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同じものを示す〕
    で表わされる3−アルキルフラバノノール誘導体を、塩
    基共存下で晶析することを特徴とする3−アルキルフラ
    バノノール誘導体の精製法。
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