RIT-10
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RIT-10はEADS アストリアム(旧ダイムラー・クライスラー・アエロスペース:DASA)が製造するイオンエンジンである。
概要
[編集]ドイツのギーセン大学がARTEMISで使用するために開発したRITA-10を基にした高周波放電型のイオンエンジンで、主に静止衛星の南北制御用に用いられる。「RIT」は Radio-frequency Ion Thruster の略。
仕様
[編集]- 推進剤:キセノン(地上試験モデルでは水銀も使用)
- 推力:0.3 - 41 mN可変(名目上15 mN)
- 比推力:2,500 s - 3,700 s可変(名目上3,300 s)
- チャンバ口径:100 mm
- イオンビーム口径:90 mm
- ビーム加速電圧:1.0 - 1.5 kV
- 推力発生時消費電力:459 W
- スラスタ部重量:1.8 kg
- 寿命:20,000時間
採用宇宙機
[編集]- EURECA - 再使用型宇宙実験衛星。71ある実験機の1つとして搭載され、5 - 10 mNで240時間の動作確認を行った。
- ARTEMIS - 光通信実証衛星。南北制御用に搭載。アリアン5の不具合によって低高度に投入されたが、18か月かけ静止軌道に到達。