KAN-SEN
かんせん
2018年9月13日、アズールレーン1周年直前生放送にて発表された『アズールレーン』における艦船の擬人化少女達の総称・・・・・・の略称。
正式名称はKinetic Artifactual Navy - Self-regulative En-lore Nodeとなっており、各単語の頭文字をとってKAN-SEN(艦船)と呼ぶ。
まるで意味がわからんぞ!という方にもうちょっと詳しく説明をすると、KAN-SENはバクロニム(既存の単語の頭文字やアルファベットを利用して後付けで意味を持たせた語句という技法を使って作成された造語的な略称となっており、これが初公開された生放送によるとKAN-SENの各頭文字は以下のような意味・ニュアンスを持っている。
構成する単語 | 意味・ニュアンス | 補足事項 |
---|---|---|
Kinetic | 人工的・人工物的→兵器 | 「動力学的」という意味もある。 |
Artifactual | 人工的・人工物的→兵器 | |
Navy | 海軍→軍艦 | |
Self-regulative | 自立的→自己のある | 「自己統制」を意味する心理学的な技法を指す語 |
En-lore | 半分造語(伝承に入る)、史実とつながる | |
Node | 端子、分岐点、接続点 |
そしてこれを日本語訳して繋げると「動力学的人工海上作戦機構・自律行動型伝承接続端子」となる。どういう…ことだ…
ゲーム中では主に、司令部で行える「建造」でメンタルキューブと呼ばれるアイテムと資金を消費することでランダムで1人、入手することができる他、敵艦隊を倒した際のドロップ、任務(クエスト)の達成報酬などの形で入手可能。
- メンタルキューブ
KAN-SENは基本的に全て、メンタルキューブから生み出される「人の姿をした艦船」である。
重要な設定として、「1種類のKAN-SENは唯一無二の存在ではない」ということが挙げられる。要するに、同じ名前・姿をしたKAN-SENが複数存在し得るということ。
ただし唯一無二の存在ではないからと言ってどれも同じかというとそうでもなく、生まれた後に経験した出来事によりそれぞれの個体では差異が生まれる事がある。
ストーリー上で最も顕著なのは赤城であり、ストーリーで敵として登場する赤城は「指揮官」と出会わなかったがために「カミ」と呼ばれる存在に傾倒しており、それがアズールレーンおよび重桜の勢力を2つに割る原因となる。その様子はある意味暴走とも言えるほどで、同じ重桜勢力の中でも赤城のやり方に愛想をつかして離反する者が現れるほど。
一方で指揮官が運営するアズールレーン母港に改めて加入した「別の赤城」は、指揮官に出会ってゾッコンになった結果、カミを神聖視してはいるものの指揮官ほどではないという事で、やべーやつではあるもののそこそこ常識も弁えて仲良くやっている。
なお「開発計画」において開発されるKAN-SENは史実では完成して世に出る事がなかった=カンレキを持たない艦であるためメンタルキューブによる具現化ができないという事情もあるが、このようなセイレーン由来技術を使わずに純粋な人類の技術だけでセイレーンに対抗する力を創造しようという試みでもある。
…なのだがゲーム的には開発の材料としてメンタルキューブを使っているので何が違うのかは結局不明。
- 体質
エミール・ベルタンの好感度サブストーリーでは、エミールがダンケルクが作るお菓子(指揮官も食べられる)が美味しすぎて食べ過ぎて太ることを気にしている。
酒を飲み酔う者もおり、アルコールも影響を及ぼす事が確認されている。
- 素体
どのKAN-SENにも、セイレーンからは「素体」と呼ばれているオリジナルに該当する個体が存在しており、それ以外のものは「駒」と呼ばれている。
素体と駒には明確な上下関係が存在し、「カンレキ(後述)」に関する記憶や本来の人格を完璧に有しているのは素体のみ。駒は記憶が部分的に欠落しているとされる。
また戦闘能力に関するスペックも、全ての面において素体が上回る。
「聖域」と呼ばれる領域で素体と駒が近い距離に存在する場合、駒は素体の支配を受けてしまう。
この法則の例外になるのが「覚醒」という現象を引き起こしたKAN-SEN。
覚醒すると素体が持つ記憶や力の大部分を引き出す事ができ、スペックとして素体にかなり近づく上、素体からの支配を受け付けなくなる。
現時点でストーリー上覚醒を果たしているとされるのは翔鶴と瑞鶴の2人のみ。
- META
メンタルキューブから生まれたKAN-SENに発現し得る現象。または、それを発現した個体。
「メンタルキューブに刻まれた禁断にして呪い」とも称される。
KAN-SENになる前のメンタルキューブがMETA化し、そこからMETA化した状態のKAN-SENが生まれたケース、通常のKAN-SENが生まれた後にMETA化したケースともに確認されているらしい。
ストーリーで登場した個体は現時点で「コードG(恐らくエンタープライズMETA)」、「余燼(通称)(高雄META)」、飛龍META、蒼龍META、アークロイヤルMETA、ヘレナMETAの6体。
いずれも圧倒的な戦闘力を有しており、余燼やコードGは一人でこちらの艦隊全員を相手にして一蹴する程の実力を持つ。
このMETA化現象は不可逆であり、META化が発現したものが通常の状態に戻る事は二度と無い。
またMETA化が進行しすぎると自我を失って暴走してしまうが、不可逆の変化であるため、暴走したMETAを助ける手立ては無い。
- カンレキ
KAN-SENたちは「カンレキ」と呼ばれる、劇中世界とは違うどこかの世界で起きた「大戦」と呼ばれる戦争の記憶を持つ。
ただし、ここでいう「記憶」とは厳密には彼女たちのモデルである軍艦自体がその生涯において経験した「記録」であり、モデルに関わった人間たちの記憶ではないので注意が必要。
それを示す例としてミッドウェー海戦における「運命の5分間」のことを聞かれても知らない素振りを見せる赤城、原子爆弾のことを聞かれても「よくわからない」と答えるインディアナポリスなどが挙げられる。
(前者の「運命の5分間」は赤城が戦没してから7年も経過した昭和24年に突如現れたもので、しかも当時赤城に乗り組んでいて奇跡的に生存した者の多くが否定する証言をしており、後者はインディアナポリスが関わっていたのはあくまでも材料の一部の輸送であり、加えて彼女自身は原爆投下が行われる前に戦没しているため)
また、彼女達のほとんどは上述した「記憶」のことをあまり気にしておらず、「そういうこともあった」もしくは「自分であって自分ではない者のこと」として割り切っている模様。
もちろん、今もなおこの「記憶」に引きずられているかのような様子が描写されている者も少なからず存在している。
「記憶」を引きずっているKAN-SENの例としては青葉やサウスダコタ、アリゾナ、そしてヘレナらがおり、いずれも特殊ボイスで確認できる。
一方でアドミラル・ヒッパーの様に「記憶」を引きずってはいるものの、それをポジティブに捉えているKAN-SENも存在する。
- 外見の変化
外見については大人の姿をした者(他の艦船から「おばさん」と呼ばれた例も)から少女の姿をした者(もはや少女通り越して園児もいたりする)まで幅広い。
大鳳や寧海のように飲酒する者もいるので、正式名称で敢えて「少女」など年齢が若いことを強調する単語を含めなかったのはその点への配慮があると思われる。
なお、飲酒するものの中にはヴァンパイアやグロズヌイ等外見的に怪しい者もいるが、他の艦や指揮官から止められておらず、反面ラフィーは公式四コマ「びそくぜんしんっ!第004話-3」にてジャベリンとニーミから中身について確認されていることから、成年と未成年の概念は(おそらく)ある模様。
とは言え、「第46話-3」ではラフィーとグロズヌイが一緒に飲み食いしているので、もしかしたらこっそり酒類を嗜んでいる可能性も捨てきれない。
おおよその艦船は見た目通りの精神性を持っており、イベント「饅頭大作戦」でのベルファストの発言によると彼女達は建造された瞬間からその姿を持つ。
そのため、年上・成人の姿の艦にも「子供の頃の記憶」というものはない。
……が、ティザーPVには子供の姿をしたヨークタウン級三姉妹を撮った写真が登場する(1:14辺り)。
また、シグニットには「田舎から出て寂しかった」や「お家帰りたい」、「お父ちゃん~実家帰ろうよ」と言ったセリフが、コメットには「実家暮らしがちょっと恋しくなって」や「実家からのメールですよ」、「うちはやはり実家が恋しいですぅ」と言ったセリフが有るので、あきらかに「子供の頃の記憶」を有しているKAN-SENが存在している。
その為メンタルキューブから生み出されたKAN-SENとは別に、メンタルキューブを人間の女性の体内に組み込む事で生み出された、言わば改造人間としてのKAN-SENが存在しているのではないかという説もある。
指揮官を「オサナナジミ」と言って憚らない隼鷹も、もしかしたら「子供の頃の記憶」を有した改造人間としてのKAN-SENである可能性もある。
アニメ版
アニメでは、KAN-SENの航行・戦闘について、艦これの水上スキー方式とアルペジオのメンタルモデル方式の両方が使い分けられている事が判明した。
陸上での生活時、武装となる艤装は軍艦の形態となって停泊状態となるが、KAN-SENが水上スキー方式で艤装を装着して海上に出る時は、軍艦が無数のメンタルキューブに分解され、KAN-SEN本体の装備サイズまで縮小・再構成されるという表現が成されている(逆に戦闘を終えて陸上に上がる時は順番が逆となる)。
主にKAN-SEN同士やセイレーンの上位個体と戦う時や、第5話の船舶が進入・航行する事の出来ないエリアでの戦闘では水上スキー方式が、量産型セイレーンとの戦闘や損傷したKAN-SENの救助・回収時はメンタルモデル方式が使われている。
ちなみに水上スキー方式の時の艤装のダメージは、軍艦形態の時にもフィードバックされる模様で、第2話でエンタープライズの弓が損壊した後、第3話では弓を構成しているアイランド構造物が根本から折れていた。
補足
2018年4月に実装された「開発ドック」では、別世界の「大戦」においては計画のみの未建造、あるいはifの仕様という形で存在し得た架空存在と呼ばれる艦船を「特別計画」艦という形で建造可能となった。非常に多大な手間がかかる引き換えにどの艦船も非常に高性能であり、現状のアズールレーンにおけるエンドコンテンツの一つとなっている。
運営ツイッターの設定紹介において、「司令部や指揮官の手で敵性艦への人格認識機構を無効化できる(敵を自分達と同じ人格ある存在として認識できなくなる)」という中々に不穏な設定が明かされている。
ただし、ストーリー中での描写の限りでは、この機能が存在する理由は「敵が自身や仲間と同じ姿をした艦船を投入してきた場合でも躊躇うことなく攻撃できるようにするため」の可能性が挙げられる。
(実際、ボトムズコラボ内のストーリーではセイレーンが投入してきたヨークタウンらに対して、無意識に戦うことを躊躇してしまい苦戦するエンタープライズらの姿が描かれている。また、「紅染の来訪者」のストーリーでは重桜の仲間たちと同じ姿をした存在が次々と敵として現れることに瑞鶴が少なからず苛立ちを見せる場面がある。)
中国語圏では艦船美少女化キャラクターの呼称として「舰娘」という呼称が普通に使われており、本ゲームの中国語版『碧蓝航线』公式もこれに倣っている(他の中華圏の艦船擬人化タイトルでは「舰娘」以外の呼称が設定されている場合もある)。
しかし、日本国内では「艦娘」の商標権を合同会社EXNOA(旧DMM GAMES)が保有するため『艦これ』以外のタイトルはこの表記を使えない。このため日本では当初、キャラクター達をどう呼べばいいのか定められず、4Gamer.netやITmediaといった外部メディアの記事等では「艦船少女」と表現されていた(メディアによっては「艦船少女」以外の表現を使用していた例もある)。日本で2018年5月末頃に行われた公式生放送の際、「艦娘」の呼称を使用してしまい、Yostarが訂正および謝罪に追い込まれた。
- 他社の商標「艦娘」、宣伝番組で誤って使用 「アズレン」運営が謝罪(ITmedia)
- 『アズールレーン』が「艦娘」呼称問題で謝罪 ファン騒然も、素早い対応で沈静化か(REAL SOUNDテック)
この問題を受けて総称を設定することになり、その後Twitter上でユーザーから募集の上、日本版のリリース1周年に合わせて正式名称として定められた。
この一件は当事者間で完全に和解する形で決着しており、以降はYostarの『雀魂』がDMM GAMESへ誘致されたのを始めDMM.makeが『アークナイツ』のイベント出展用ディスプレイ製作を受注したり、DMM pictures発売のアニメ『うちの会社の小さい先輩の話』第4話で登場人物がアズレンのコスプレ(エンドロールに協力クレジット有り)をするなどの協業が行われたのを始め、2024年冬アニメ『ぽんのみち』ではYostarとDMM picturesが揃って製作委員会に参加、さらにDMMが運営する沖縄県のかりゆし水族館でのツアーも開催されている。
- 艦娘:ブラウザゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」における類似概念。日本国内では前述の通り、合同会社EXNOAの登録商標である。
- メンタルモデル:漫画およびアニメ「蒼き鋼のアルペジオ」における類似概念。完全な擬人化ではなく『艦艇(本体)+意識を共有する人型の身体』という形をとっていることが特徴。このような擬人化方式は「アルペジオ方式」と呼ばれる。
- 艦姫:スマホゲーム最終戦艦withラブリーガールズの中国大陸版タイトル。中国では「艦姫」運営元の上海緑岸網絡が商標登録しているものの、日本版と韓国版では単に「少女」と呼ばれている。また、繁体字版では「人形戦艦」と言う独自の呼称を使用している。
- 艦姫:読みは「ふなひめ」。スマホゲームアビス・ホライズンにおける類似概念。中国で「艦姫」を商標登録している緑岸網絡が権利行使していないため、中国版でも日本版と共通で使用されている。
- ガーディアン:中国語表記は「守衛者」(簡:守卫者/繁:守衞者)。スマホゲームガーディアン・プロジェクトにおける類似概念。『蒼き鋼のアルペジオ』のメンタルモデルに近い形式で、艤装を持たない。
- 戦姫:中国語表記も同じ(簡:战姬)。スマホゲーム「蒼藍の誓いブルーオース」における類似概念。
- ドール:中国語表記は「人偶」(簡・繁とも同じ)。スマホゲーム「ブラック・サージナイト」における類似概念。本作の特徴として、全ての艦船が改造によって「深海化」できるのが大きな違いである。
- 艦霊:中国語表記も同じ(繁:艦靈)。スマホゲーム「ヴェルヴェット・コード」における類似概念。
以下、ゲーム本編のネタバレが含まれております。ご注意ください。
実は艦船を生み出すメンタルキューブこそセイレーンが人類に意図的に流出させた「力の一部」の正体である。
つまり、艦船自体がセイレーンによって生み出された存在だったりする。
セイレーンは人類に敵対的な存在であるが、自分たちが進めている「計画」を実現させるためには人類の力が不可欠であるため、彼我のパワーバランスを調整する目的で彼らに艦船という存在をもたらした。
また、艦船には「素体」と呼ばれるオリジナルと「駒」と呼ばれる複製体の二種類が存在し、後者は同一の個体が劇中世界に何体も存在する。
史実における連合国をモデルとしているアズールレーンに重桜の艦船である明石や不知火、綾波などが存在したり、各ステージの道中に同じ艦船が何度も出現するのもこれが理由と思われる。
(なお、プレイヤーである指揮官が作中自軍の戦力として保有できる艦船は全て「駒」となっている。)
ティザーPVに登場した、艦船には無いはずの「子供時代」のヨークタウン三姉妹の写真は、「素体」を撮影したものなのかもしれない。
駒
「素体」をベースに生み出された艦船の複製体。いわゆるクローン。
ゲーム中に登場する艦船のほとんどがこの「駒」である。
ここまで述べてきたとおり「記憶」のみを保有しているが、人間とコミュニケーションを取りやすくするためか、ある程度の人間性は与えられている。
(その割にはキャラクターがやたらと濃い者が多い気もするが……)
稀に「駒」の中から「覚醒」を果たした者が出現する。
この「覚醒」がどのような現象で、どのような条件を果たせば発現するのかなどの詳細はまだ明らかにされてはいないが、「覚醒」を果たすことで以下のような恩恵が得られることが判明している。
- 基本的なスペックが「素体」に匹敵するレベルまで底上げされる
- 自らの「素体」のみが有している情報を自らの「素体」から無意識に引き出すことができる
- 記憶や人格が「素体」寄りになる(これにより「覚醒」前後に自身の記憶が曖昧になるなどの症状が出る)
- 「聖域」において「駒」を対象とした支配を受け付けなくなる
ストーリー中、明確に「覚醒」したことを明言されている「駒」は現時点でイベント『紅染の来訪者』に登場した瑞鶴のみだが、それ以前から登場していたキャラクターでは本編における赤城と飛龍が「覚醒」していたのではないかと思わしき描写がある。
(両者とも「あのお方」のことを言及していること、口調が味方になった時の彼女達(=駒)と異なることなどが理由に挙げられる)
また、瑞鶴と共に上記イベントに登場した翔鶴が「覚醒」の兆しを見せている。
何名かのキャラクターストーリーやイベントから、「駒」自身も自分と同じ存在の「駒」が何人も存在していることは自覚している描写があり、それらに対しては異なる『カノウセイ』の一つとして認識している。
この「駒」同士で、一人または複数人を素材として用いる事により特定の一人の「駒」を強化、および限界突破させる事ができる。
ゲーム内の設定的にはともかく、実際のプレイ中では強化次第では「素体」にも十分善戦可能なレベルにまで強くなれる。
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