無元の剣製
つむかりむらまさ
奥の手はねえのかって?
阿呆が。んなもん、あるに決まってンだろ
かつて求めた究極の一刀。
其は、肉を断ち骨を断ち
命を絶つ鋼の刃(やいば)にあらず。
我が業(み)が求めるは怨恨の清算。
縁を切り、定めを切り、業を切る。
――――即ち。宿業からの解放なり。
……其に至るは数多の研鑽。
千の刀、万の刀を象(かたちど)り、築きに築いた刀塚。
此処に辿るはあらゆる収斂(しゅうれん)。
此処に示すはあらゆる宿願。
此処に積もるはあらゆる非業。
我が人生の全ては、この一振りに至るために。
剣の鼓動、此処にあり――――!
受けやがれ、これがオレの、都牟刈、村正だ――――!!!!
- ランク:A+
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~10
- 最大捕捉:10人
究極の一刀を作り出すという、村正の生涯を反映した宝具。
『無限の剣製』に似た特殊な固有結界を展開し、燃え盛る無数の剣の荒野を発生させた後、全ての剣が砕けて雪の結晶のように砕け散り、千子村正の手にただ一本の刀が残る。
その刀の銘こそ「都牟刈村正(つむかりむらまさ)」。
それは時間や空間、因果ごと断つ究極の一斬。一刀にてあらゆる宿業を引き裂き、全ての因縁と非業から解き放つ。
この一刀から繰り出す斬撃の破壊力は絶大で、ストーリーでは出口がないとされた妖術師の固有結界を、その拠点である厭離穢土城ごと両断し破壊せしめた。
この時、結界を越えて城にまで攻撃が届いたのは穢土(えど)城と名前が付いていた為に、村正の持つ徳川(為政者)に対する特攻効果も作用した為。
しかし、やはりこの凄絶なる威力にはそれ相応の反動もあり、剣の持つあまりの霊威によって村正自身の霊基が耐えきれなくなる、所謂自爆宝具に値する代物であった為、シナリオでの使用時は、発動後に消滅してしまった。
この自爆作用だが、オリジナルの神剣の担い手を含む神霊二柱を融合されたアルターエゴ霊基ならばともかく、カルデアに召喚されたセイバー霊基でも消滅せずノーリスクでの運用が可能になっている。
詳しい理由はマテリアルⅫにも記載されてない為、二部終章での開示を待つしかない状況だが、これには以下の二つの理由があると考察されている。
1.カルデア霊基の宝具解放時は、固有結界としての「無元の剣製」を展開して自身と相手を閉じ込めた後に神剣を錬成している為、無銘の使用する『永久に遥か黄金の剣』と同様に自身の固有結界内で発動したことで錬鉄可能条件が上がりノーリスクでの運用が可能になった。
※妖術師との決戦時は、固有結界を自力で展開するだけの魔力リソースの余裕はなかった可能性が高い。
2.アルターエゴ時の聖剣鍛造によって刻まれた第三スキル『焔』によって使用可能になった宙の炉の炎によって、聖剣(神剣)鍛造及びそれを担い手として振るう資格を得た。
※尚、上記は公式では無く派生作品での考察の為、注意。
なお、彼はオリジナルの神剣は見たことがなく、直接参考にして鍛造した訳ではない為、都牟刈村正はオリジナルを模倣した投影品ではなく、あくまで村正自身が作りあげた『村正』の内の一振りにあたる神剣である。
NPC登場時で発動した際には、おなじみの処刑用BGMであるエミヤの和風アレンジver『エミヤ ~無元の剣製~』が流れるという破格の待遇。さすがは元祖主人公(が器)というべきか。
ゲーム上の性能
「其処に到るは数多の研鑚。築きに築いた刀塚。縁起を以って宿業を断つ。八重垣作るは千子の刃。ちったぁ成仏していきなぁッ!!」
ゲーム上の種別はArts。
性能は「自身のArtsカードの性能UP(3ターン)〈オーバーチャージで効果アップ〉&宝具威力UP(3ターン)+敵全体の攻撃強化状態を解除&敵全体に強力な防御無視攻撃(Lv.1~)」。
攻撃前にArts性能UP(OCでさらに上昇)があるため、NP獲得量バフや味方の攻撃支援宝具などで繋げて発動させることでさらなる威力上昇が狙える。
どちらのUP効果も3ターン持続するため、刀は叩けば叩くほど強度を増すことにちなんでか、撃てば撃つほど威力が増す。本人のスキルと合わせて使えば、その一撃はまさに究極の一刀と呼ぶにふさわしいものと化す。
宝具演出ではNPC同様『エミヤ 〜無元の剣製〜』が流れ、詠唱は再臨段階に応じて、第一・第二再臨時で二種類、第三再臨で二種類の計4種類存在する。
また、第一再臨でのみランダムだが、本編で出てきた一枚絵と同様魔術回路が浮き出るレア演出がなされている。
なお、劇中ではまさに己が全てをかけた一撃であったのに対し、ゲームでは使用しても本人にダメージは一切ない。ゆえに彼女と組ませて宝具三連発は、もはや鉄板運用。
専用BGMの『エミヤ 〜無元の剣製〜』は、英訳されるとEmiya ~Unalloyed Blade Works~となり、やはり無限の剣製を意識したものになっている。
unalloyedは「非合金の」「純粋な」「真実の」を意味し、やはりこの一刀が、彼独自に生み出した究極の一振であることを物語っていると言えるだろう。
また、シナリオで徳川特攻を発揮したことから、彼女にもその特性上有効だっただろうと一部のファンは考察している。
宝具詠唱にある「八重垣作る」とは、『古事記』にある「素戔嗚命の八岐大蛇退治」に由来する。
素戔嗚命は大蛇を退治する秘策として、大蛇の首が通る程の垣根を作り上げ、そこに大蛇の大好物の酒を置いてたらふく呑ませ、酔い潰れたところで首を刎ねて回った。
これは単に「村正が素戔嗚命の大蛇退治を知っていた」というに止まらず、ファンの間では「アルターエゴに宿った神格の一柱は素戔嗚命ではないのか」という考察の立証としても注目されている。