SUPER GT 単語

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今週のおすすめ この記事は第129今週のオススメ記事に選ばれました!
よりニコニコできるような記事に編集していきましょう。

SUPER GT

SUPER GTとは、日本自動車レースの一カテゴリである。

 

概要

前身は全日本GT選手権(JGTC)。海外開催などのゴタゴタによりJAF管轄から外れたため、今の名称となった。
成績上位者に対するサクセスウェイト(ウェイハンデ)、違うレギレーションGT500クラスとGT300クラス)が同時に走るなど、エンターテインメント性を重視したつくりになっており、内の4輪レースとしては、最も高い人気を誇る。2014年富士では震災前を1万人も上回る8万9400人の動員を記録した。

近年では初音ミクイカ娘など、痛車仕様レースカーが登場し、ニコニコチャンネル公式チャンネルを設けて宣伝、個人スポンサーを募集するようになり、ニコニコ動画会員を中心に新たなファンを築きつつある。 

レース中継はJ SPORTS(スカパー!/スカパー! プレミアムサービスケーブルテレビ他)などで視聴できる(J SPORTSBS進出(2011年10月)によりBS無料放送は2010年シーズンで終了)。
また、ダイジェスト番組「SUPER GT+」が毎週日曜11時30分からテレビ東京系列で放送されている。
2012年からはさらにニコニコ生放送「SUPER GTチャンネル」において、予選の生中継を実施中。
2014年の第6戦から有料ではあるが同じく「SUPER GTチャンネル」にて決勝も見れるようになった。

カテゴリ

カテゴリは550力程度の出力の車両が走行するGT500クラスと、450~550力程度の出力の車両が走行するGT300クラスに分かれる。 

車両の出力は、リストリクター(エンジン空気を取り入れる吸気口に取り付ける装置)によって、調整される。
2011年までは、それぞれ500力、300力程度の出力になるように調整されており、これがそれぞれのクラス名の由来。

2012年はGT300クラスのFIA-GT3車両はFIA-GT1世界選手権のBoP(性調整)を基準にする事となり、2013年はその後継シリーズのFIA-GTシリーズ2014年ブランパン耐久シリーズのBoPを使用、2015年ブランパンシリーズ催のステファン・ラテル・オーガニゼーション(SRO)とSUPER GT催のGTソシエイション(GTA)が連携し、SROが定めたBoPにGTAによるデータ反映させる形でよりSUPER GTでもなBoPとして運用されることになる。

このFIA-GT3及びBoP採用に伴い、JAF-GT車両リストリクター等が緩和され大幅にスピードアップ
また、GT500クラスリストリクターが緩和され、30~40力程アップしている。

GT500クラス

最高出力550力程度。
ゼッケン地に数字ヘッドライトの色は

車両エンジン、ホイールベースオーバーハング等統一した規定が持たれている。
上はベースとするが、現在ルーシルエット以外ベース車両とは別物の、の皮を被ったプロトタイプカー、かつてのシルエットフォーミュラ再来となっている(HSV-010に至ってはですらない全なレース車両)。
駆動方式はFRエンジンV型8気筒/3.4Lという規定のもと、各メーカー製作している。
JGTC発足時は車両規定が緩かったため、Gr.BGr.Cなどのカテゴリーえた車両も参戦していた。

マシン特性フォーミュラカーに近い(コーナーリングスピード等)ため、ドライバー年齢は20~30代がどである。

このクラス日産ホンダトヨタ(レクサス)の内3メーカーワークスの独壇場となっている。
JGTC時代は外の参戦も多かったが、基本的にワークスではなくプライベーターだったため開発予算の高騰や日本寄りのルール改正に耐え切れず、撤退したり、GT300への転向を余儀なくされた。
特にJGTC時代の1996年マクラーレンF1GTRシーズン4勝を挙げ圧勝したのを皮切りに外が顕著になっており、SUPER GTに移行後は2009年アストンマーティンDBR9を最後に参戦していない(しかもこの車両は同年のAsLMSアジアン・ル・マンシリーズ)に向けたテスト参戦で、っ向から勝負する為の参戦ではなかった)。
2006年には前述の1996年に圧勝したチーム郷がマセラティMC12をひっさげてエントリーしたが、開幕前のテスト特認パーツを用いても産勢にが立たず、結局参戦を見送ってしまった。

上記のエンジン規制など、日本メーカーからの圧力による改正をするあまり、閉鎖的なカテゴリーになってしまった。 
また、パイプフレームの容認などもコスト削減の対策であったが、却って開発化を産んでコストは高騰化してしまった。 

2014年・2017年規定、クラス1規定:DTMとの規則統一化

2014年から車両規定をDTM(ドイツツーリングカー選手権)と統一することになった。モノコックを始めとした要なパーツは各メーカー統一となり、高騰し続けたコストの削減に大きく貢献する見込みである。その分他の部分では自由開発が可になり、より強力なダウンフォースを得ることが可になった。
エンジンは2L直列4気筒ターボエンジンスーパーフォーミュラと基本設計を同じにするこのエンジンはNRE(Nippon Race Engine)と呼ばれ、従来のターボの燃費の悪さを解消しつつターボの加速力を得ることを可にした。さらにこれまたDTMと同様にカーボンブレーキが採用され、より強い制動力も得た。
2017年からはさらにDTMとの規定統一を進めた新規定になっており、コーナリングスピードの低減を的としてダウンフォースを25削減することが定められている。

強力な加速力、強力なダウンフォース、強力なブレーキングこの3つを得たことで500クラス異次元速さを得て、次々にコースレコードを塗り替えた。開幕戦でジャスト3ものコースレコードを短縮したオンボードがこちらである。

一方で、DTMとは異なりカーボンブレーキを温めるためのウォーマーは禁止されている。このためフォーメーションラップの前にウォームアップラップまたはパレードラップが一周追加され、ブレーキを充分暖められるようにされている。

2020年シーズンから適用される「クラス1規定」では、エンジンレイアウトFRフロントエンジン・リアドライブ)に統一された。これを受けてホンダNSX-GTエンジン搭載位置を、と同じミッドシップから新規定対応のフロントレイアウトに変更した。ホンダにとってはHSV-010以来、7年ぶりのFR参戦となる。

しかし、DTMでは2019年以降マニュファクチュアラーの離脱が相次ぎ、シリーズ存続策として2021年シーズンからはクラス1規格を止し、GT3規格をメインカテゴリーに採用した。このため、2023年現在クラス1規格を採用しているのはSUPER GTのみである。

参戦車両(2023年)

過去に参戦していた車両

GT300クラス

最高出力450~550力程度。
ゼッケン黄色地に数字ヘッドライトの色は黄色

GT500クラスべて性が抑えられ、GT500べても低コストで参戦できるため元々はプライベーターの独壇場だったが、近年はメーカー支援を受けてセミワークス化しているチームも居る。
ところが、それによって元々改造範囲の広い(魔改造レベル)JAF-GT」規定や、「特認」で実質的なプロトタイプカーが参戦可であったため、開発費用の高騰が問題となっていた。
このJAF-GT魔改造についてだが、駆動方式やエンジン搭載位置の変更、ベース由来ではエンジンへの換装などは当たり前、挙句の果てにはハイブリッドシステムすら別物のマシンCR-Z)が現れる始末。過去には改造し過ぎてメーカーからクレームをつけられた事も。
そのため2012年シーズンの規則改正で、新規参戦車両のベースJAF-GT車両カテゴリーA、カテゴリーBのみ)と、改造範囲は狭いが安価で導入可FIA-GT3車両に絞られた。
ただしFIA-GT3に合わせるため300力という制限も事実上撤となってしまい、GT300というクラス名自体が文化したきらいもある。

尚、JAF-GTカテゴリーC、カテゴリーD、旧FIA-GT1(2011年までの車両)、GT2車両は、2011年シーズンを最後に新規参戦が認められなくなり、2012年シーズンは当初「勝負にならない」調整を条件に前年度に参戦していたチーム車両のみが継続参戦可となる予定だったが、性調整に関しては東日本大震災により2012年シーズンは「移行期間」という扱いになったため見送られた。そのため、リストリクター拡大等の措置は行われたが、それ以外の性調整はど緩和されなかったため一部を除き苦戦を強いられた。
2013年以降は該当車両参戦不可となったため、2012年シーズン限りで引退・参戦休止となった(ガライヤは将来何らかの形で復活している模様で、参戦休止という扱いになっている)。

GT500と違いこちらはメーカー種とも多種多である。フェラーリランボルギーニBMWアウディポルシェメルセデス日産レクサスホンダといったFIA-GT3勢と、スバルトヨタロータスなどのJAF-GT勢の戦いはGT500に勝るとも劣らない迫力である。各マシンごとの特徴が如実にでるのでGT500より面いと言う人も多い。
例えばポルシェ911プリウスに追い抜かれるという、普通ではあり得ない光景も見られる痛快なクラスとなっている。わけがわからないよ
ドライバーの層も非常に幅広く、20歳前後の若手から還暦オーバーベテランまでっており、FIA-GT3の本格導入後は海外メーカー支援を受ける若手やワークスドライバーも増えている。

また、近年はアニメ“系”のキャラクターマシンペイントした痛車の参戦で、アニメファン等からも注されている。
2008年VOCALOID(初音ミク(第6戦~)と鏡音リン・レン(最終戦のみ))が参戦したのを皮切りに徐々に増え始め、2013年シーズンは5台が参戦。なお、GTでは痛車の元祖とも言われるマッハ号は「痛車じゃない」という意見も多いのでカウントしていない。ちなみに、初音ミクイカ娘イメージ通りの純痛車だが、エヴァンゲリオンキャラクターペイントせず作中に登場する兵器である初号機や弐号機を模したカラーリングで、どちらかと言うとマッハ号寄りなデザインである。
流行の入れ替わりしいジャンルな為、1作品あたり1~2年程の参戦となるケースが多い。3年以上参戦しているのは初音ミク2008年第6戦~)とエヴァンゲリオン2010年第3戦~2013年2016年~)のみである。

しかし、FIA-GT3車両の参戦によりエントリー台数が増える一方、JAF-GT車両(特に日本)の参戦が減っており、2011年にはJAF-GT車両を使用していたMOLABANDOHがGT500へ転向、RE雨宮レーシングハセミモータースポーツスポンサー不足を理由に撤退するなど有力エントラントが多数離れる事態となり、日産・フェアレディZマツダRX-7がSUPER GTから姿を消すこととなった。

JAF-GTの減少についてはリーマンショックや排ガス規制煽りで多くのスポーツカーが生産終了、開発中止になってしまい、ベースがロクにかった時期があったのと東日本大震災も重なりプライベーターも資金不足で安価なFIA-GT3車両に流れてしまったのもしている。

2015年は、ハイブリッドカープリウスCR-ZターボエンジンのみのBRZの3種3台のみとなった。なお、CR-Z2015年ラストイヤーとなる。一方、「現行」の参戦終了が発表されていたプリウスモデルチェンジして2016年継続参戦する。

コストの面から見ると、FIA-GT3車両は新でも4000万円台から購入できる(元々ジェントルマンドライバープロと組み合うことを想定して作られているため)上、シーズン終了後に中古として売却してキャッシュバックも可であるのに対し、JAF-GT車両開発に1億円近い費用が掛かると言われている。また、エンジン内製の小排気量のものを使うため、力でも劣る上にピーキーな性にならざるを得ないなどの問題も抱えている。その代わり、開発自由度が高いので力性では有利である。以前はTCS等の電子デバイスも禁止されていたが、現在は解禁されている。

そのためシャシー共通化などのコスト削減案も出され、新たに共通モノコックとなる「JAF-GT300 MCマザーシャシー)」規定を新設し運用する。2014年には、第7戦でスポット参戦により初登場(トヨタ・86MC)し、2015年からは通年参戦する。MCは「じゃじゃ」と呼ばれるほど開発が難しくトラブルも頻発しているが、2016年くもつちやエンジニアリングプライベーターに期待されていた技術力を発揮、86MCタイトルを獲得した。2017年シーズンでは歴代最多の6台(86×4台、エヴォーラ、マークX)が参戦したが、翌2018年以降はFIA-GT3車両へのスイッチもあり、MC車両は減少傾向にある。
さらに第2世MC開発が進まない中でFIA-GT3車両べてレギレーション上の不利を被ることが多くなり、つちやエンジニアリング2019年シーズンをもって86MCの使用を終了した。また2017年から3年間マークX MCを使用していた埼玉トヨペットGreen Braveは、マークXの生産終了を機に2019年シーズンをもってMC車両の使用を終了した。この時点ではマッハ号(86MC)とエヴォーMCの2台が残るのみであった。2020年シーズンインギングモータースポーツが86MCを導入し3台に増加したが、2021年シーズンMCユーザー同士だったインギングとカーズ東海ジョイント参戦の形式をとってエヴォーMCを選択したため、再び2台に戻った。2022年シーズンArnageが86MCを導入する一方でインギングがエヴォーMCの使用を終了し、台数は変わらず2台だが種は86MCの1種だけになった。

FIA-GT3も近年高コスト化が進んでおり、フェラーリベントレーなどは一台8000万円もするようになった。しかもカスタマサポートをしてくれないメーカーマシンの場合、部品取り用にもう一台購入しなければならない。またメーカーからの注が高まった分、ワークスチームプライベーター駆逐してしまう事態も起きている。なお余談ではあるが、プロ化が進んで敷居が高くなったGT300に不満を持った有志たちが、2014年よりアマチュアドライバー向けのFIA-GT3レースである、スーパーカーレースシリーズを発足させている。

2021年シーズンから、GT300の車両は前年までの「JAF内競技車両規則」から「GTソシエイションが定めるGT300車両規定」によって製作されるように変更された。これによりJAF-GT300車両は「GT300車両」、JAF-GT300MC車両は「GT300MC車両」と改称する。また、シーズン中の力部品の仕様変更に回数制限が課せられる。

参戦車両(2023年)※下線は新規参戦車両

GT300
GT300 MC(マザーシャシー)
FIA-GT3

過去に参戦していた車両

JAF-GT
JAF-GT300 MC(マザーシャシー)
FIA-GT2
FIA-GT3

競技について

レース

レースGT500クラス、GT300クラスの混走で行われ、各クラスの順位を競う。
1台につき登録された2名のドライバーが参加する。ただし、GTソシエイション(統括団体)の定める場合は1名の追加登録が可である。

予選

予選はKNOCK OUT(ノックアウト)方式で行われる2012年までは一部のレーススーパーラップ方式も採用されていた。

KNOCK OUT(ノックアウト)方式
Q1、Q2の2回のセッションに分けて行われるラップタイムによる上位勝ち上がりの方式。
Q2で定められた規定の台数より下位の車両がQ1で脱落し、上位はQ2に進出する。脱落した車両はその段階で決勝でのグリッド順が確定する。最終セッションでの最上車両ポールポジションとなる。
ドライバーはQ1、Q2で別々に起用しなければいけない。 
決勝で使用するタイヤは、Q1とQ2で使用したものを抽選で選ぶ。それ以外のタイヤは使用不可。
セッション中に旗の原因を作った車両はそのセッションタイムが全て抹消され、再アタックもできない。同セッションで複数居た場合は先に原因を作った車両が下位となる。
2012年までは3回セッションで、Q2に進出した車両は、Q2で使用したタイヤをQ3・決勝第1スティントで使用しなければならなかった。
2015年からは、GT300・Q1(15分)→インターバル(5分)→GT500・Q1(15分)→インターバル(10分)
→GT300・Q2(12分)→インターバル(8分)→GT500・Q2(12分)で行われる。
予選1回(~2012年)
クラス混走→300クラス500クラスの順で行われる。各カテゴリ上位3台のタイムより107タイムを「公式予選通過基準タイム」とし、参加するドライバーはこれを達成しなければならない。
SUPER LAP(スーパーラップ)方式(~2012年)
1回の予選走行順位上位10台が進出できる。ただし、各チーム参加するドライバー全員公式予選通過基準タイムを達成できていない場合は進出できない。1回の予選走行で11番手以下の車両はその段階でグリッド順が確定する。
下位より1台ずつ順番に一発勝負のタイムアタックを行い、ここでの順位により決勝でのトップ10リッドの順位が決まる。
SUPER LAP進出チームは、SUPER LAPで使用したタイヤを決勝の第1スティント(スタート時)に使用しなければならない。

決勝

決勝走行はローリングスタート形式で行われ、1周のウォームアップラップ、1周のフォーメーションラップ後にスタートとなる。ウォームアップラップはパレードラップと称され、開催地の地元警察交通機動隊または高速道路交通警察隊が複数台の白バイ及び交通取締用四輪で先導し、その後ろをセーフティカー、参戦車両と続く。1周終了後に警察車両が、2周セーフティカーが退き、正式なスタートとなる。
基本的に最低1回のピットストップ給油)が義務付けられ(レースによって2回に設定され、給油が義務付けられなくなる場合がある)、1名のドライバーが一つのレースで総距離の2/3以上を走行してはならない(この場合の「総距離」はその車両の総走行距離ではなく、レース規定の走行距離す)。

レース定められた距離に応じた周回数を周回する。
GT500、GT300両カテゴリを通じてトップ車両がその周回数をクリアし、チェッカーフラッグを受けた時点でレースが成立する。
その後コントロールライン通過した車両に、各カテゴリトップ車両とのタイム差・周回差に応じて各カテゴリの順位が割り当てられる。
トップ車両の周回数の70以上の周回数をクリアしていれば、完走扱いとなる。

その他

ドライバー識別
マシンに搭乗しているドライバーは、フロントウィンドウに装着されている「識別」で見分けることができる。
2020年から)ドライバー名のアルファベット3文字
2014年から2019年まで)第1ドライバー / 第2ドライバー / 第3ドライバー / 第4ドライバー
2013年まで)ファーストドライバー=常時点 / セカンドドライバー=点滅 / サードドライバー=消
ピット作業
ピット時はエンジンを停止しなければならない。給油作業中は一部を除いてタイヤ交換など他の作業を行ってはならない。ピットレーンに出られる人数は7人までで、一度に作業に当たれる人数は5人まで。タイヤ交換は2名で行う。
タイヤウォーマー(機械などを用いてタイヤを暖める行為)は禁止(日向に置くのはOK)。その為、ピットアウト(タイヤ交換)後の最初の周回「アウトラップ」はタイヤが冷えているためラップタイムが遅くなる。
基本的に、タイヤ交換は義務ではないので交換という作戦も可。前後2輪のみ、左右2輪のみ交換も可で、作業ルールど例はいが1輪交換や3輪交換もOK。
しかしタイヤトラブルが頻発したことからレースの安全面を考慮した結果、2020年シーズンの第2戦では、GT300クラスの全車両に対して決勝では(ドライタイヤスタート時)ドライバー交代と同時にタイヤ4本全交換が義務付けられた。(参考リンクexit
また2016年から(前年SUGO大会におけるピット渋滞を受けての)レギレーション改正によりセーフティーカー導入中のピットレーン進入が禁止され、違反車両は60間のペナルティストップが課せられる事となった。この為、単純に車両速さドライバーの腕だけではなく、ピットエリアで作業にあたるピットクルーの作業力(特にタイヤ交換)もレースを大きく左右させる、大きな見どころである。ピット作業の速さで特に有名なのは日産エースチームNISMOが挙げられる。

ドライバーズポイントとチームポイント

SUPER GTでは、ドライバーに与えられるポイントドライバーポイントと、チームに与えられるポイントチームポイントの二種類があり、それぞれ別に集計され、「ドライバー」・「チーム」それぞれのタイトルが与えられる。
基本的には、「ドライバーポイント」が重要視される。
チームポイント完走すれば最低でも1ポイントが得られるが、ドライバーポイントは10位以内に入賞しなければポイントを獲得することが出来ない。

(ドライバーチーム)ポイント
順位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 予選PP
(2016~)
ポイント 20 15 11 8 6 5 4 3 2 1 1
700km以上のレース 25 18 13 10 8 6 5 4 3 2 1

第3ドライバーポイント120km以上周回した場合に加算される。
レースが2週以上75%の周回未満で終了した場合は、ポイントは半分となる。
チームポイントは、上記ポイントに加えて下記の完走ポイントも加算される。

(チーム)完走ポイント
完走周回 トップと同一 1周遅れ 2周遅れ 3周以上遅れ
ポイント(GT500) 3 2 1
ポイント(GT300) 3 2 1

カーナンバー

各参戦車両は「2」から「999」までの好きな番号を選択することが出来る。ただし前シーズンに参戦していた車両カーナンバーは次シーズンでも使用できる優先権がある。

「1」は前年度GT500クラス王者、「0」は前年度GT300クラス王者が使用できる。但しチャンピオンナンバーの使用は任意である為、前シーズンに使用していたナンバー継続使用することも可である。

2023年シーズンは、GT500クラス王者のTEAM IMPULチャンピオンナンバー「1」を使用。一方のGT300クラス王者のKONDO RACINGカーナンバー「56」を継続して使用するため、GT300クラスチャンピオンナンバー「0」は5季連続で番号となる。

サクセスウェイト(ウェイトハンデ)

SUPER GTでは、成績上位車両と下位車両との戦力差を補するために上位車両に重りを載せるサクセスウェイト(ウェイハンデシステムを採用している。2020年までは「ウェイハンデ」と呼称していたが、2021年から「サクセスウェイト」に改称した。積載重量の計算方法は下記表の通り。
算出方法を「参戦レース数」で分類しているのは、スポット参戦が有利になるのを避ける為
50kg以下の場合は助手席部分への積載が義務付けられているが、それ以上の場合は自由な位置に積載できる。
 
かつてはレース結果が良くなかった場合はウェイトバンデを降ろすことが出来たが、シーズン中盤からウェイハンデ増加を嫌って故意に順位を下げる行為が頻発。さらに、入賞圏内でもウェイハンデを「最大まで降ろせる」順位が存在していたため、2009年終戦の前戦ではファイナルラップにその順位を狙ってフィニッシュライン手前までスロー走行しながら競り合うという本末転倒な事態が発生したため、現在ルールとなった。

2014年2015年は、GT500ウェイハンデが50kgをえた場合には50kg相当分を燃料リストリクター経で調整を行う方法に変更していた。2016年は従来までの実際の重量を載せる形に戻されていたが、2017年に再び燃料リストリクターを絞る形に変更、3種類の口径のリストリクターを用いて実重量と組み合わせて細かくハンデ設定する形になる。

サクセスウェイトの計算方法
参戦 積載ウェイ
GT500 GT300
参戦6戦まで 累計ドライバーポイント × 2kg 累計ドライバーポイント × 3kg
参戦7戦 累計ドライバーポイント × 1kg 累計ドライバーポイント × 1.5kg
参戦8戦 サクセスウェイし(0kg)
ウェイトの最大積載量は100kg。
 500クラスは50kg過分を燃料リストリクター制限(最大85.5kg/h)に置き換え
例えば、第6戦までで何戦か好成績を収めたあとに数戦をスキップし、終盤戦でハンデが半減、もしくはゼロになったところで再び好成績を得ようという可性を排除するため(AUTOSPORT webよりexit)

タイヤ 

SUPER GTはタイヤワンメイクではなく、各チームがそれぞれの車両ドライバー特性(財政事情を含む)に合ったメーカータイヤを使用している。タイヤメーカーによって気や路面温度持久力など適した特性があり、こういった点も観戦の隠れた見所である。

現在SUPER GTにはブリヂストン横浜ゴムミシュランダンロップの計4メーカーが参戦している。
近年のモータースポーツ界ではコスト削減の一環でタイヤワンメイク化されている事が多く、これだけのメーカーが鎬を削るのは世界的にもしい。

GT500においては長らくブリヂストン、GT300では横浜ゴムの独壇場だったが、GT500では20112012年ミシュランを装着したMOLA GT-Rチャンピオンを獲得、一方のブリヂストンレインタイヤの性で大きくをあけられてしまった上、ドライでも2012年鈴鹿1000kmではバーストが多発し問題となった。2013年ミシュランを選ぶチームが更に増え、GT300にも久々に復帰したがGT300は翌年限りで再び撤退、2020年に再参戦する。GT300では有力チームを中心にブリヂストンダンロップが勢力を伸ばしており、横浜ゴムを使用するチームの割合は年々減りつつある。
かつてはハンコックとクムホも参戦していたが、ハンコック2014年以降、クムホは2010年以降参戦していない。

ドライビングモラルハザードとペナルティ

SUPER GTでは危険な走行行為の防止やレース規範の維持の為、ドライビング中、いはそれ以外でのドライバーマナーモラルに反する行為に対して、ペナルティポインを課すシステムを適用している。
一定のポイントに達すると公式練習走行や予選アタックへの参加禁止、レース出場停止の措置が講じられ、統括団体であるGTソシエイションより(一般に向けても)告知される。

「積極的な攻めが出来ない」と…ペナルティを受けた某ドライバーが発言しているらしいが、クリーンファイトが出来る素晴らしいシステム」と外国人ドライバーから絶賛もされており、システムとしては評価が高い。が、一方でどう考えても即時ペナルティポイント付加となりそうな行為に対してスルーされているチームもあり、(いは明らかGT500車両優遇裁定など)不可解なところもあったりする。
規定上のポイント加算事例は以下の通り。

ポイント 事例
1 白黒旗の提示を受けた危険なドライブ行為 一般原則
危険なドライブ
2 クラス同士の接触で相手をスピンアウトさせる 一般原則
3 クラス、同クラス異周回数をスピンアウトさせる 一般原則
3 旗中のスピン 危険なドライブ
3~ 旗中のスピン 危険なドライブ
1~3 安全確認義務違反 一般原則
危険なドライブ
3~5 安全確認義務違反の上、他車両コースアウトクラッシュさせる 危険なドライブ
4~10 報復行為、悪質と判断される行為や暴力行為 危険なドライブ
2~5 無視 一般原則
危険なドライブ

  「オレ悪くないよ~ww
この人(とチーム)が無罪放免になったのが一度や二度じゃないのがミソ

ポイントが課せられた場合、ペナルティを犯さずに2レース参戦する事で-2ポイントの減免措置が取られる。 また、ポイントシーズンを跨いで1年間累積される。2シーズンレースに参加がない場合は原則として0点となる。
下記表における、罰則の「次大会のレース参加拒否」が履行された場合5ポイント減算される。

ペナルティポイントは、接触行為や危険な走行行為の他、レース外での行動にも適用される。
例えば、2009年開幕前、岡山国際サーキットでの公式合同テストの際、コース上のトラブルに関連してピット裏で抗議した井出有治を突いたとしてブノワ・トレルイエにペナルティポイントが課せられた。

ポイント 罰則
4 公式練習最初の1時間参加禁止
6 公式練習終日参加禁止
8 公式練習終日参加禁止
決勝スターティンググリッド8グリッド降格
10 次大会のレース参加拒否

2023年の開催予定・サーキット

新型コロナウィルスにより、マレーシア2020年から3年契約)とタイが4年連続で開催見送りとなった。
一方で、第3戦鈴鹿と第7戦オートポリスが450kmに延長され、8戦中5戦が450kmとなった事から、昨年より総走行距離が伸びて第3ドライバーを起用できる機会が増加した。

Round 日程 開催サーキット 走行距離・時間 備考
Rd.1 4/15-16 岡山国際サーキット 300km
Rd.2 5/3-4 富士スピードウェイ 450km
Rd.3 6/3-4 鈴鹿サーキット 450km
Rd.4 8/5-6 富士スピードウェイ 450km
Rd.5 8/26-27 鈴鹿サーキット 450km
Rd.6 9/16-17 スポーツランドSUGO 300km
Rd.7 10/14-15 オートポリス 450km
Rd.8 11/4-5 モビリティリゾートもてぎ 300km

2023年の参戦チーム・マシン・ドライバー(両クラス計43台)

GT500(15台)
No. チーム名称 マシン名称/ベースマシン ドライバー タイヤ
1 TEAM IMPUL MARELLI IMPUL Z
Nissan Z GT500
峰一
ベルトラン・バゲット
BS
3 NDDP RACING Niterra MOTUL Z
Nissan Z GT500
千代勝正
MI
8 AUTOBACS RACING TEAM AGURI ARTA MUGEN NSX-GT
Honda NSX-GT
野尻智紀
大湯都史
BS
14 TGR TEAM ENEOS ROOKIE ENEOS X PRIME GR Supra
Toyota GR Supra GT500
大嶋和也
山下健太
BS
16 AUTOBACS RACING TEAM AGURI ARTA MUGEN NSX-GT
Honda NSX-GT
福住仁嶺
大津
BS
17 Astemo REAL RACING Astemo NSX-GT
Honda NSX-GT
塚越広大
松下信治
BS
19 TGR TEAM WedsSport BANDOH WedsSport ADVAN GR Supra
Toyota GR Supra GT500
本雄資
阪口
YH
23 NISMO MOTUL AUTECH Z
Nissan Z GT500
松田次生
ロニー・クインタレッリ
MI
24 KONDO RACING リアラズコーレーション ADVAN Z
Nissan Z GT500
佐々木大樹
YH
36 TGR TEAM au TOM'S au TOM'S GR Supra
Toyota GR Supra GT500
坪井
宮田
BS
37 TGR TEAM Deloitte TOM'S Deloitte TOM'S GR Supra
Toyota GR Supra GT500
笹原右京
ジュリアーノ・アレジ
BS
38 TGR TEAM ZENT CERUMO ZENT GR Supra
Toyota GR Supra GT500
立川
石浦
BS
39 TGR TEAM SARD DENSO KOBELCO SARD GR Supra
Toyota GR Supra GT500
関口雄飛
中山雄一
BS
64 Modulo Nakajima Racing Modulo NSX-GT
Honda NSX-GT
拓也
太田格之進
DL
100 TEAM KUNIMITSU STANLEY NSX-GT
Honda NSX-GT
山本
牧野
BS
GT300(28台)
No. チーム名称 マシン名称/ベースマシン ドライバー タイヤ
61 R&D SPORT SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ GT300
井口卓人
山内
DL
2 muta Racing INGING muta Racing GR86 GT
Toyota GR 86 GT300
加藤寛規
優威
BS
4 GOODSMILE RACING
& TeamUKYO
グッドスマイル 初音ミク AMG
Mercedes AMG GT3
谷口信輝
片岡
YH
5 TEAM MACH マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ
Toyota 86 MC
林勇
YH
6 Team LeMans
with MOTOYAMA Racing
Team LeMans Audi R8 LMS
Audi R8 LMS GT3
本山哲
片山義章
YH
7 BMW Team Studie Studie BMW M4
BMW M4 GT3

アウグスト・ファルフス
近藤
MI
9 PACIFIC CARGUY Racing PACIFIC hololive NAC Ferrari
Ferrari 488 GT3
木村武史
ケイ・コッツォリーノ
YH
10 GAINER TANAX GAINER GT-R
Nissan GT-R NISMO GT3
安田裕信
石川
DL
11 GAINER GAINER TANAX GT-R
Nissan GT-R NISMO GT3
富田竜一
りき
DL
18 TEAM UPGARAGE UPGARAGE NSX GT3
Honda NSX GT3
小林崇志
太田格之進
YH
20 SHADE RACING シェイドレーシング GR86 GT
Toyota GR 86 GT300

清水志郎
DL
22 R'Qs MOTOR SPORTS アールキューAMG GT3
Mercedes AMG GT3
和田
内政
YH
25 HOPPY team TSUCHIYA HOPPY Schatz GR Supra
Toyota GR Supra GT300
松井孝充
野中
YH
30 apr apr GR 86 GT
Toyota GR 86 GT300
永井
織戸学
YH
31 apr apr GR SPORTS PRIUS GT
Toyota GR SPORTS PRIUS PHV GT300
嵯峨
中山
BS
34 BUSOU Drago CORSE BUSOU raffinee GT-R
Nissan GT-R NISMO GT3
柳田
井出有治
DL
48 NILZZ Racing 植毛ケーズフロンティア GT-R
Nissan GT-R NISMO GT3
飯田太陽
田中優暉
YH
50 Arnage Racing Arnage MC86
Toyota 86 MC
加納
阪口
山下
YH
52 埼玉トヨペット Green Brave 埼玉トヨペット GB GR Supra GT
Toyota GR Supra GT300
吉田
川合孝汰
BS
55 AUTOBACS RACING TEAM AGURI ARTA NSX GT3
Honda NSX GT3
武藤英紀
木村偉織
BS
56 KONDO RACING リアライズ 日産メカニックチャレンジ GT-R
Nissan GT-R NISMO GT3
波清斗
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
YH
60 LM corsa SYNTIUM LM corsa GR Supra GT
Toyota GR Supra GT300
吉本大樹
河野駿
DL
65 K2 R&D LEON RACING LEON PYRAMID AMG
Mercedes AMG GT3
生尚弥
篠原拓朗
BS
87 JLOC Bamboo Airways ランボルギーニ GT3
Lamborghini HURACAN GT3
松浦
坂口
YH
88 JLOC Weibo Primez ランボルギーニ GT3
Lamborghini HURACAN GT3
小暮卓史
YH
96 K-Tunes Racing K-tunes RC F GT3
Lexus RC F GT3
新田守男
高木
DL
244 Max Racing HACHI-ICHI GR Supra GT
Toyota GR Supra GT300
佐藤
三宅
YH
360 TOMEI SPORTS RUNUP RIVAUX GT-R
Nissan GT-R NISMO GT3
青木孝行
田中
YH
備考 車両No.太字はAシード権、斜体はBシード権(下線はインターナショナル)保有チーム、修飾なしはCグループ
タイヤBS=ブリヂストンYH=ヨコハマMI=ミシュランDL=ダンロップ

観戦にあたって

レースは予選日と決勝日の二日間に分けて開催されます。
サーキットではレース以外にも様々なイベントサポートレースが開催されています。加えてコース上のレースイベント以外でもコース外で様々な催し物や展示物が存在するので、レース時間以外にそちらを周ったり楽しむことができます。

通常の客席での観戦以外にも、予選日・決勝日にはピットウォークが開催され、ピットウォーク券、パドックパスを購入した観客にピットレーンが開放されて、車両ドライバーさんと間近に接することができます。
また、予選日終了後に子供向けのピットウォーク・「キッズウォーク」が開かれ、こちらは入場券があれば子連れのみで参加することが出来ます。

パドックパスを購入しておけばパドックにも入れます。パドックとはピット裏のエリアで、ドライバースタッフの方の作業エリアです。
そういった間なので、通常の客席とは違う、独特の雰囲気を味わうことができ、運がよければドライバーさんなどと接することができますが、
そこがドライバースタッフの方々の作業エリア仕事であるという事を忘れないように(!)しましょう。
スタッフの方たちの迷惑になりますので、通路を塞いだり、ましてやガレージ内に立ち入ったりしてはいけません。
決してドライバースタッフの皆さんの作業、行動の妨げにならないように、また、周囲のお客さんの迷惑にならないように心掛けましょう。

サーキットによってはピットビル上(ピットエリア上)から観戦することができる場所もあります。
緊迫したピット作業を良く見ることができる、楽しめる場所ですが、以下の事に気を付けるようにしてください。
  ・絶対に(旗やタオルなど)物を振り回したりしない。
  ・カメラ携帯電話などで写真を撮ろうする時、下に落とさないように最大限の注意を払う
   (ネッストラップなどを用いる事をお勧めします)。

直下のピットレーン上に物を落としたりしたら大惨事を招きかねませんので、注意しましょう。

レース中、サーキットにはGTカー爆音が鳴りきます。では聞けないレベル爆音のため、大音に不慣れな方は耳栓を持っていくことをお勧めします。もし忘れてしまった方でも現場で売っているものでも可。
またレース中、めまぐるしく変化するレース展開を、FMラジオ実況解説しています。対応機器を持っていると、より深く楽しむことができます。

チケットの販売方法、構成、チケットごとの入場可エリア、料金などは大会・サーキットにより異なりますので、SUPER GTの公式HPexit、各サーキットHPで確認してください。

なお、場の観戦では脱水症状などの熱中症対策、日焼け対策は怠らないようにしましょう。
またの観戦は寒さ対策をお勧めします。大半のサーキットは山の中にあるのと観戦の性質上じっとしていることが多く結構冷えるので、麓の感覚でいると凍える恐れがあります。

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'09 SUPER GT 第1戦 岡山国際サーキット【GT500ダイジェスト】exit_nicovideo

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