鉄騎とは、カプコンが2002年9月に発売したXBOX用のゲームソフトである。開発はヌードメーカーが担当した。
概要
プレイヤーはVT(VerticalTank)と呼ばれる二足歩行ロボットを操り、数々のミッションをこなしていく事になる。
リアルな操作系を追及したために、家庭用ゲーム史上でも類を見ない巨大な専用コントローラーが用意され話題となった。
なお、鉄騎はオフラインでの対CPU戦専用ソフトだが、オフで腕を磨いた多くのファンのために、2004年2月にオンライン対人戦専用ソフトの鉄騎大戦が発売されている。
2012年には鉄騎の魂を継ぐ作品として、XBOX360、Kinect専用ソフトとなる重鉄騎が発売されている。
特徴
架空の兵器の操縦シミュレーションである。
そのため、ハッチを閉じるところから始まり、起動、戦闘、被撃破時の脱出まで全てプレイヤーの操作による。(プレイ視点はコクピット視点のみ)
画面上での動きは緩慢だが、プレイヤーへの要求項目が多いため、実際の操作は忙しく、複雑な操作を一通り覚えるまでにAT自動車の運転を覚える程度の練習がいるとまで言われている。
また、脱出に失敗するとセーブデータが消失するなど、「やり直しの利かない」という仕様は戦場の緊張感を上手く演出していた。
専用コントローラー
本ゲームは専用コントローラーがないとプレイできないため、専用コントローラーに対応していないXBOX360ではプレイできない。
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ゲームの内容
背景
架空の島で行われる環太平洋機構軍(PRF)と海市島軍(HSD)の紛争を舞台に、プレイヤー扮するVTパイロットの戦闘を描く。
- 第一次海市島紛争/HAI SHI DAO 2080
Mission00~Mission10までのシナリオに相当。プレイヤーはPRFに所属、オスカー小隊の一翼を担う。 - 第二次海市島紛争/HAI SHI DAO 2082
Mission11~Mission23までのシナリオに相当。プレイヤーはPRFに所属、エクスレイ小隊の隊長として戦う。
使用可能VT
(詳細はVerticalTankの項を参照)
- 第1世代…ビッツ、エムビッツ、ディサイダー、ファルシオン、スカーフェイス、スカーフェイスA1、ボルテクス
- 第2世代…プロミネンスM1(改修型含む)、ブレード、レイピア、スカーフェイスⅡ、メイルストローム、ビヒモス、ジャララックスN、ジャララックスC
- 第3世代…リーガルドレスN、リーガルドレスA、クェーサー、ジュガノート
登場するが使用できないVT
(詳細はVerticalTankの項を参照)
逸話など
- 企画の発端はヌードメーカーによってカプコンに持ち込まれた「無数のボタン等を備えた巨大専用コントローラを複雑に操作して操縦する事を楽しむゲーム」というアイデア。
- カプコンに開発を決意させた、ヌードメーカーの企画書の中の煽りの一文 “メカを起動するだけで「射精するほど気持ちいい」ゲーム” 。
- VTのデザインは当初内部で試作していたが、「従来のロボット」のイメージからどうしても脱却できない為に、当時海外のデザイン誌において架空の建設機械のデザインイラストで高い評価を得ていた「出雲重機」の大久保氏に依頼することに。
ちなみに、氏のデザインイメージの原点は日本のロボット物・メカではなく、「スターウォーズ」等の海外SFX映画に登場するマシンとの事。 - 当初はPS2での発売を前提に開発が進められたが、性能不足の為に希望する内容が実現できず、一時開発を休止。その後、より高いスペックを持つX-BOXの発売がアナウンスされたため、プラットフォームを変更し開発を再開(ゆえにPS2への移植は不可能)。
- 開発中、営業サイドには「専用コントローラーを使用」とだけ伝えてその “実態” を伝えず、ある程度開発が進行しその巨大な試作品が完成した(後戻りが出来なくなった)時点で初めて公開した。それを見た営業部員は絶句。
- 計算したところ、当初の構想通りコントローラー等を開発していたら定価は69800円だった。
- 「脱出ボタン」を覆うカバーは当初、薄い透明板を毎回叩き割る形で押す(非常ベルのような形式)事を考えていたが、コスト的に無理だった為に断念。
- 当初コントローラーの全てを鉄で作ろうとしていたが、総重量が20kgを超えるため「店から持って帰れない」と断念。
- MSの幹部が鉄騎を見た際の第一声が「ファッキンクレイジー」。さらに「これは世に出さないとダメだ、こういうものを世に出したいからXboxを作った」と大絶賛し、規格外の発売に至った。
- パッケージに記載されている作品ジャンル名は、あくまで「操縦」。
- 軍事アドバイザーまで付けた本格指向だが、「戦闘」「戦争」はあくまでゲーム上の要素のひとつに過ぎない。
- 機体が巨大(主砲が戦艦並み、機関砲が戦車砲並み)でアクションが緩慢なのは、「複雑な操作を堪能する」事が目的である為(機体の動作が速すぎるとプレイヤーの操作が追いつかなくなる)。
- 舞台となる「海市島」は、香港及び台湾辺りがイメージソースで、市街地のビル街には、実際に香港で撮影してきた現地のビル表面の写真がテクスチャーとして貼り込まれている。
- カプコンのプロデューサー稲葉氏によると、「最初の時点で、こういう無茶な企画は “とことん極めた” 内容ならば数こそ限られるが(赤字にならない程度に)購入する層は確実に存在すると考えた」「ゲーマーというよりもむしろ(冒険をしなくなった最近の)同業者のゲームクリエイター達に対するメッセージ、という意味合いが強い作品」「(1万5千本近く売れて)どうにか赤字にはならずに済んだ」
そして続編のオンライン版「鉄騎大戦」の開発・発売について「こんな無茶な作品に付き合ってくれたユーザの皆さんへの “サ-ビス” だと考えています」
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