空亡(くうぼう/そらなき)とは、天が味方しない時である。
概要
中国で誕生した陰陽五行説を基にして占う占法、四柱推命(しちょうすいめい)における用語。12年間のうち2年訪れる時期である。元々空亡とは天は味方しないが悪い事も起きない、幸運不運ゼロの無の時期を意味していた。解釈によっては、大きな幸運が起きてもすぐに凶事が起きて打ち消される、またはその逆の事が起きるとされる。要するに、どんな事が起きてもプラスマイナスゼロになる。運に揺れ幅が無い、とても不可思議な時期として認知されている。何をやっても「空」しく「亡」びるから空亡と名付けられた。
このように特別凶事が起きる時期ではないのだが、日本で生まれた算命学では天中殺と呼んで凶事が起こるとしたため、空亡=運気が落ちる悪い時期という印象が普及した。六星占術では大殺界に内包され、この時期に事を起こすと凶事に見舞われる事から更に悪い印象が根付いた。
妖怪として
元々は占いの用語である空亡だが、いつしか妖怪の一種として扱われるようになってきた。その起源となったのは、2002年8月1日に発売された「陰陽妖怪絵札」の誤解だと言われている。この絵札の監修を務めた神秘学者兼妖怪評論家の荒俣宏氏は、百鬼夜行絵巻(大徳寺真珠庵所蔵)の最後に登場する巨大な火の玉を「空亡」と名付けたのである。ここで、あたかも空亡が妖怪であるかのような誤解が誕生した。
この誤解を更に広める事になったのが、2006年4月20日に発売されたPS2専用ソフト「大神」である。大神のラスボスで妖怪達の元締め「常闇ノ皇」は別名空亡と呼ばれていて、上記の陰陽妖怪絵札を参考にしたという。百鬼夜行絵巻の最後に登場する火の玉は全ての妖怪を踏み潰す最強の存在とされており、大神の製作スタッフが「最後に相応しい敵」としてラスボスにしたと語っている。ここから空亡=妖怪のイメージが出来上がり、一人歩きし始めたものと推測される。後に発売された妖怪ウォッチでも最強の妖怪としてラスボスになっており、確固たる地位を築き上げている。
このため、妖怪としての空亡は最近誕生したばかりの存在である。
関連項目
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