マンマ・ミーア
「マンマ・ミーア」とは、直訳すると「私のお母さん」となるイタリア語だが実用の場面では衝撃的なことが発生した際の「なんてこった!」というスラングのことを意味する表現。
「マンマ・ミーア」とは・「マンマ・ミーア」の意味
「マンマ・ミーア」は映画やゲームのタイトルにもなった言葉で、イタリア語が由来になっている。「マンマ・ミーア」の原型はイタリア語の「mamma mia」である。mammaは「母親」で、miaは「私の~」という意味だ。直訳すると、「mamma mia」は「私の母親」となる。ただし、世界的には驚嘆や興奮を表すスラングとして、「mamma mia」は広まっていった。日本語読みの「マンマ・ミーア」も基本的には、驚きを表すスラングの意味である。「mamma mia」がスラングになったのは、イタリアでは感情がたかぶったときに、思わず母親を読んでしまう風習があったからだ。そこには「助けてお母さん」「お母さんに見せたい」などのニュアンスが含まれている。
スラングとしての「mamma mia」には深い意味はない。キリスト教圏の人間が、驚いたときに「オーマイゴッド」や「ジーザス」と言うのと、同じようなことである。日本でも、思わず「南無阿弥陀仏」「なんまいだ」などと、つぶやく習慣はある。しかし、これらの宗教用語には、本来の意味が込められているわけではない。反射的に、定番化した言葉を口走っているだけだ。イタリア人の「mamma mia」も、本来の意味から離れた記号的なフレーズになっているといえるだろう。
「マンマ・ミーア」は響きが印象的なうえ、短い言葉で発しやすい。また、驚きや感動から恐怖まで、さまざまな場面に応用できる。その便利さによって、「マンマ・ミーア」は世界中に広まっていった。「マンマ・ミーア」の浸透について、大きな貢献を果たしたのはスウェーデンのコーラスグループ、ABBAである。ABBAは1972年に結成され、ユーロビジョン・ソング・コンテスト1974で優勝し、世界中から大きな注目を集めるようになった。ABBAはヒットソングを連発し、欧米圏だけでなく、アジア諸国でも人気になった。
「マンマ・ミーア(ABBAの曲)」とは
「マンマ・ミーア」はABBAの人気が絶頂期を迎えていた、1975年のシングル曲である。この曲はABBAにとって2度目のイギリスチャートでの1位に輝いたほか、アメリカでもトップ40入りを果たした。「マンマ・ミーア」は軽快なメロディーと華麗なハーモニーが魅力の、明るいダンスチューンだ。世界ではディスコブームが起こっており、音楽ファンは陽気に踊れるナンバーを求めていた。「マンマ・ミーア」や「ダンシング・クイーン」のヒットにより、ABBAはディスコの客からも愛されるグループとなっていく。「マンマ・ミーア」人気は息が長く、ABBAのベストアルバムの常連となった。ABBAが1982年に最初の解散をした後も、ラジオオンエアやテレビのBGMなどで、「マンマ・ミーア」は頻繁に流れ続ける。そして、2008年には映画「マンマ・ミーア!」によって、世界的なABBAリバイバルが巻き起こった。「マンマ・ミーア!」はもともと、ロンドンで上演されていた舞台劇である。本作はヒット曲が次から次に流れる、ジュークボックスメドレーとして企画された。脚本のキャサリン・ジョンソンはABBAの楽曲にちなんだ要素を各所にちりばめ、実際に、グループの曲が作中で歌われていく。
「マンマ・ミーア!」の音楽はABBAのメンバーだったベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが担当し、アレンジを行っている。2人は舞台劇の制作陣にも名を連ねた。そのため、「マンマ・ミーア!」の物語と演出には、ABBAのメンバーの意思が大きく反映されることとなった。「マンマ・ミーア!」はイギリスで大ヒットし、その後、ブロードウェイでも上演される。さらに、2008年には映画版の「マンマ・ミーア!」も公開された。
映画版はイギリスやアメリカで大きな商業的成功を収める。そして、原作となった舞台劇の評判も加速し、オーストラリアや南アフリカ、ニュージーランドでもツアーが組まれた。ちなみに、日本では2002年に上演されている。舞台劇および映画の「マンマ・ミーア!」のタイトルの由来はトリプルミーニングになっている。まずは、作品のメインテーマがABBAの「マンマ・ミーア!」であることだ。「マンマ・ミーア!」を歌いながら登場人物たちがダンスを披露するシーンは、物語の中で最大の見せ場のひとつとなった。
「マンマ・ミーア!」が驚きに満ちた展開をしていることである。「マンマ・ミーア!」は恋愛の物語だ。ヒロインのソフィは結婚式を前にして、会ったことのない父親とバージンロードを歩きたいと願っている。ところが、母親の古い日記を読んだソフィは驚愕した。若いころの母親は同時に3人の男性と恋に落ちていたのだ。ソフィは3人のうちの誰かが自分の父親だと推理し、全員を結婚式に招待した。母親の恋愛遍歴と、3人の男たちが起こす騒動は「マンマ・ミーア!」と叫びたくなるような場面の連続であり、作品を印象深いものにしている。
そして、「マンマ・ミーア!」のもう一人のヒロインが母親であることも、タイトルの由来だろう。ソフィは母親の過去の恋愛を知り、ショックを受けた部分もあった。しかし、魅力的な男たちに愛され、自らも奔放に生きてきた母親の姿に、ソフィは勇気づけられるようになる。「マンマ・ミーア!」にはいくつになっても、人は恋愛の喜びを感じられるというメッセージがこもっている。若いヒロインと母親との対比が、テーマを見事に浮かび上がらせているといえるだろう。
「マンマ・ミーア!」の映画版では、ヒロインをアマンダ・セイフライド、母親をメリル・ストリープが演じた。さらに、3人の父親候補にはピアース・ブロスナン、ステラン・スカルスガルド、コリン・ファースが抜擢されている。本作はゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞でも高く評価された。そして、2018年には「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」が公開されている。「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」は「マンマ・ミーア!」の続編であり、前作同様に、ABBAの楽曲を使ったミュージカルとなった。当然ながら、重要な場面で「マンマ・ミーア」も歌唱されている。
「マンマ・ミーア(カードゲーム)」とは
1998年にウヴェ・ローゼンベルクが制作したカードゲームの「マンマ・ミーア」は本国のドイツで大ヒットとなった。このゲームはイタリアのピザ職人をモチーフにしている。プレイヤーは手札を補充しながら、与えられたレシピカードに合ったピザ作りを目指す。「マンマ・ミーア」はシンプルに盛り上がれるパーティーゲームであり、ドイツ年間ボードゲーム大賞にノミネートされるほどの評価を受けた。なお、「マンマ・ミーア」は日本語版も制作されている。「マンマ・ミーア(マネスキンの曲)」とは
「マンマ・ミーア」はマネスキンの楽曲のタイトルでもある。マネスキンとは、イタリアで結成されたロックバンドだ。「モーネスキン」のほうが正式な発音に近いとの意見もある。マネスキンは2016年から活動を開始しており、2017年に商業デビューを果たしている。音楽的な評価は高かったものの、初期のマネスキンは決して大衆に知られた存在ではなかった。しかし、テレビ番組の「Xファクターイタリア」で活躍し、知名度を上げる。その後、サンレモ音楽祭2021に優勝した後、ユーロビジョンソングコンテスト2021でも王者に輝く。「マンマミーア」はユーロビジョンでの優勝から、初となったシングルリリースだ。同曲はイタリアのチャートでトップ10入りを果たしたほか、ヨーロッパ各国でもスマッシュヒットを記録した。2022年8月に来日して出演したサマーソニックのステージでも、マネスキンはマンマミーア」を披露している。「マンマミーア」は非常に荒廃的なロックナンバーであり、世界から注目されるようになったバンドのフラストレーションが表現されているといわれている。
マンマ‐ミーア【(イタリア)mamma mia!】
読み方:まんまみーあ
[感]《原義は「私のお母さん」》なんてこった。英語の“oh my God!”に相当する。
マンマ・ミーア
(マンマミーヤ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/17 21:32 UTC 版)
マンマ・ミーア(mamma mia)、もしくはマンマ・ミーヤは、イタリア語。直訳すると「私のお母さん」となるが、用法としては「なんてこった!」などと、驚いた場合に使用する。英語の“oh my God!”に当たる。
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