グリーン車の宇都宮線・高崎線への転用
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「国鉄211系電車」の記事における「グリーン車の宇都宮線・高崎線への転用」の解説
前述の東海道線用211系グリーン車の全面2階建化によって捻出される平屋+2階建(サロ211+サロ212×6組とサロ210+サロ213×6組)の12組24両と、東海道線で運用していた113系のE231系への置換えに伴って余剰となるサロ125形1両・サロ124形9両(計34両)を活用し、宇都宮線・高崎線用211系にもグリーン車を連結することとなった。これにより、5両編成を2本合わせてサハ2両を抜き、グリーン車2両を両編成の向い合う先頭車間に連結するという組成変更を行った。これは貫通編成時に編成を丸ごと方向転換する必要があること、211系の場合普通車の付随車であるサハにはトイレ未設置であり、貫通編成にした場合にサハへのトイレ設置工事が必要なことなどによる。グリーン車の組み込みは3000番台34本を使用して行われ、2006年9月までに10両基本編成17本が組成された。登場当初は、乗務員室に従来の編成番号札も存置したまま新たな編成番号札を追加したが、全17編成が出そろったことから、従来の編成番号札は取り外された。 当初は、1000番台も使用して組成変更が行われる予定であったが、1編成あたりの定員に差が出ることや、後述のE231系投入計画の変更に伴い房総地区への転出が予定されることから、組成変更の予定はなくなった。1000番台は付属編成として使用された。 ← 黒磯・宇都宮 / 前橋・高崎 上野 → 旧編成 クモハ211 モハ210 サハ211 サハ211 クハ210 - クモハ211 モハ210 サハ211 サハ211 クハ210 - クモハ211 モハ210 サハ211 サハ211 クハ210 新編成 クモハ211 モハ210 サハ211 サハ211 クハ210 - クモハ211 モハ210 サハ211 サハ211 クハ210 - サロ サロ - クモハ211 モハ210 クハ210 - は運転台位置(サロを除く)を表現 E231系のグリーン車に導入しているものと同じグリーン車Suicaシステムを導入するため、全座席の上部にSuicaをタッチするためのリーダ / ライタも設置された。 グリーン車組み込みにより編成から外され余剰となったサハ211形3000番台34両は全車廃車となり、2006年5月30日に4両、6月14日に6両、7月9日・23日と8月8日にそれぞれ8両ずつが長野総合車両センターへ回送され、その後解体が行われた。なお、長野総合車両センターに留置しきれなかった車両は、長野駅の留置線や北長野駅の側線、豊野駅の中線に留置された。 廃車・解体されたサハ211形3000番台は以下の通りである。 1986年製(24両):サハ211-3003・3004・3007・3008・3011・3012・3015 - 3018・3021・3022・3025・3026・3029・3030・3033 - 3038・3043・3044 1990年製(4両):サハ211-3097・3098・3101・3102 1991年製(6両):サハ211-3111・3112・3115・3116・3119・3120 113系2階建グリーン車34両(サロ125形5両・サロ124形29両)を改造編入し、上記のサハ34両を廃車したため、組成変更の前後で211系の総両数に変化はなかった。 なお、同じ頃に両毛線前橋駅 - 前橋大島駅間で踏切事故に遭い、側面が大破したクハ210-3013の復旧に際し、廃車となったサハ211形の車体の一部分を切り取り再利用している。
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