エイズとは? わかりやすく解説

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エイズ(えいず)

後天性免疫不全症候群。特にアフリカ猛威をふるう

1999年現在でエイズに感染している人の合計は、世界で3430万人である。このうちサハラ以南のアフリカでの感染者数は2450万人と、エイズ感染者の71.4%が同地域に集中している。

今やアフリカ大陸は「瀕死大陸」とさえ呼ばれている。1日1万人以上の人がエイズに感染し年間での新規感染者400万人にも及ぶ。母親から子供への感染多く感染者のうち15歳未満の子供は50万人もいた。

アフリカでエイズが蔓延している理由として、(1)避妊への心理的抵抗感文化的宗教的理由避妊行わない。つまりセックスの際にコンドーム用いない。(2)エイズ教育の不足…エイズの危険性知られていない不特定多数とのセックス避け教育がされていない(3)貧国が多い…エイズ対策財源がないなどがあげられる

エイズの感染経路には、感染者との性交渉のほか、妊婦HIVエイズウイルス)が胎児感染する母子感染輸血などの血液移動により感染する血液感染などがある。しかし、日常生活において感染することはない。

このままペース感染者増えつづけると、「南アフリカジンバブエでは15歳未満若者半分将来エイズで死亡する」(国連エイズ計画)と言われている。

サハラ以南のアフリカではもともと貧しい上、エイズが広がれば労働人口失われ、るる国が貧しくなる。特にエイズ患者20代30代多く事態深刻さ増している。サミットではこれらの問題含めて主要議題として議論される

(2000.07.12更新


エイズ


後天性免疫不全症候群

「生物学用語辞典」の他の用語
病名疾患名治療など:  壊血病  多発性硬化症  奇形腫  後天性免疫不全症候群  心不全  心筋梗塞  感染症

エイズ(AIDS)


エイズ

AIDS, Acquired immunodeficiency syndrome

【概要】 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によって起こるHIV感染症末期状態を定義した言葉免疫の力が低下して健康な状態では到底かからない感染症(日和見感染症)にかかったり、悪性腫瘍(日和見腫瘍)が発生して最後に死にいたる。従ってエイズの診断は、HIV感染(+免疫低下)+23のエイズ指標疾患または状態があることによって下される。  

【詳しく】 ニューモシスチス肺炎やサイトメガロウイルスウイルスや非定型抗酸菌症発症予防すれば、CD4細胞数が非常に低くなってもエイズ指標疾患発生しないかもしれないこのためアメリカ1993年からCD4細胞数が200/μL以下の場合サーベイランス上ではエイズとすることにした。これはCD4数測定大切なことを伝えと共に医療福祉早期介入法的にしやすくする政策的狙いがあった。ただしCD4細胞数検査困難な場合もあるので、多くの国では必須項目にしていない

《参照》 日和見感染症日和見腫瘍CDC分類カテゴリーC


エイズ


エイズ

名前 Ades

エイズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/14 16:04 UTC 版)

ヘディ・ラマーを採用した広告(1952年)

「エイズ」(Ayds) は「Ayds Reducing Plan Candy」 (Ayds は"aids"と同じ発音である) の商品名でかつて発売されていたダイエットキャンディ(食欲抑制剤)であり、アメリカでは1970年代から80年代の初頭にかけてよく売れていた。オリジナルの製造元はカーレイ・カンパニー(The Carlay Company)である。

フレーバーと成分

「エイズ」のフレーバーには、チョコレート、チョコミント、バタースコッチ、キャラメルなどがあり、後にピーナッツバターも加わった。オリジナルのパッケージには「Ayds Reducing Plan vitamin and mineral Candy」というロゴがタイプされており、後に「appetite suppressant candy」(食欲抑制キャンディ)というロゴに変更された。サプリとしての有効成分はベンゾカイン[1]、おそらく食欲を抑制するために味覚を感じにくくさせるためであるが、後に(ニューヨーク・タイムズが報じたところでは)キャンディの中身はフェニルプロパノールアミンに変更された[2]

ただし1944年、連邦取引委員会は、この商品を服用すれば「ダイエットもエクササイズもなしで、5日で10ポンド〔約4.5キログラム〕痩せる」とうたったカーレイ・コーポレーションの広告を問題視している[3][4]

カーレイ社(シカゴ)ほか。いわゆるダイエット製品である「エイズ」は、当委員会の調査では、特定のビタミンとミネラルが添加されたキャラメル・キャンディに過ぎなかった。この製品の販売に関連して当該企業には、この製品を服用し当該企業の提供する減量計画に従えば、食事制限をすることなく過剰な体重を除去することができるという表現をもちいた広告の差し止めを命じる。[5]

歴史

「エイズ」は、シカゴのカーレイ・カンパニーが発表した商品である。1937年を使用日(first use in commerce)として1946年に商標が登録された[6]

カーレイ・カンパニーは後にイリノイ州バタヴィアのカンパーナ・コーポレーション(Campana Corporation)の一部門に吸収される。その後、カンパーナは1956年にカンザスシティのアライドラボラトリーズ(Allied Laboratories)を買収し、さらにそのカンパーナがダウ・ケミカルによって買収される。当時の社長であったアーヴィング・ウィラード・クラルは、ダウ・ケミカルの社長も6か月弱つとめ、その間に1960年代のカンパーナのピュレックス(Purex)への売却を実行している。彼は、ピュレックスの副社長もつとめながら再びカンパーナの社長になり、それによりカンパーナは同社のカンパニーとして機能するようになった[7]。そしてクラルは、「エイズ」のプロモーションのために、ボブ・ホープやその妻ドロレス・ホープ、タイロン・パワーのようなハリウッドや社交界の有名人を人脈として利用した。コスモポリタンの1956年11月の記事によると、この頃すでにクラルはダイエットのための「エイズ」服用をプロモートするために有名人やハリウッドのセレブの友人を大量にスカウトしていた。

1981年、ピュレックスは「エイズ」のネーミングに関する権利をジェフリー・マーティン社に譲渡した。ジェフリー・マーティンおよび同社の生産ライン(エイズのほかに睡眠薬なども手掛けていた)はデップ・コーポレーションに買収された[8]

AIDSとの関係

1980年代半ばに、後天性免疫不全症候群であるAIDSが社会問題になると、この病気が「エイズ」と同じ発音であることや、AIDSが患者に急激な体重減少をもたらす(悪液質)疾患であるという事実もあいまって、ダイエットキャンディ「エイズ」の悪名が高まった[9]。それでもすぐに売り上げに影響がでたわけではなかった。当時商品を販売していた会社の社長による1985年9月のインタビューでは、AIDSとの連想がうまれてから、売り上げはむしろ伸びたと語られている[10]。1986年の初頭には別の役員が「この商品は発売されて45年近くになる。病気のほうの名前を変えたらいいのでは」という発言した記録が残っている[11]

1988年、すでに「エイズ」に関連する権利がデップ・コーポレーションに譲渡されている時期に、同社の経営陣から、AIDSに関する社会的な意識が高まったことで売上が50パーセントにまで落ちこんでいるため、新たな商品名を検討中であることがアナウンスされている[12]

脚注

  1. ^ Beverly J. McCabe; Jonathan James Wolfe; Eric H. Frankel (2003). Handbook of Food-drug Interactions. CRC Press. p. 234. ISBN 9780203490242. オリジナルの2023-04-02時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230402204947/https://books.google.com/books?id=1UH76Uw1RHcC&q=ayds+benzocaine&pg=PA234 2011年10月13日閲覧。 
  2. ^ Lindsey Gruson (1982年2月13日). “A Controversy Over Widely Sold Diet Pills and not the disease”. New York Times. オリジナルの2010年8月31日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100831100805/https://www.nytimes.com/1982/02/13/style/a-controversy-over-widely-sold-diet-pills.html 2011年10月13日閲覧。 
  3. ^ FTC: Advertising Cases Involving Weight-Loss Products and Services 1924-1997”. www.nutriwatch.org (2000年5月15日). 2019年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月12日閲覧。
  4. ^ Annual Report 1945”. Federal Trade Commission (2013年6月11日). 2019年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月12日閲覧。
  5. ^ Federal Trade Commission (1945). ANNUAL REPORT OF THE FEDERAL TRADE COMMISSION FOR THE FISCAL YEAR ENDED JUNE 30 1945. Federal Trade Commission. pp. 39-40 
  6. ^ USPTO.gov. Latest Status Info: AYDS Archived 2011-08-30 at the Wayback Machine.. Accessed on June 2, 2009.
  7. ^ Batavia Industries”. 2006年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年3月4日閲覧。
  8. ^ Histor of DEP Corporation - FundingUniverse”. 2017年11月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月18日閲覧。
  9. ^ Ayds - Epic, embarrassing product failures - CBS News”. 2020年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月29日閲覧。
  10. ^ “AIDS has aided Ayds”. Tampa Bay Times: pp. 58. (1985年9月23日). オリジナルの2021年6月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210625101152/https://www.newspapers.com/clip/59684999/aids-has-aided-ayds/ 2020年9月21日閲覧。 
  11. ^ “Ayds name won't be suppressed by AIDS”. The Central New Jersey Home News: pp. 9. (1986年2月4日). オリジナルの2021年6月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210625104900/https://www.newspapers.com/clip/59685233/ayds-name-wont-be-suppressed-by-aids/ 2020年9月21日閲覧。 
  12. ^ “Diet Candy Seeking Name”. The New York Times. (1988年3月4日). オリジナルの2016年8月31日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160831063051/https://www.nytimes.com/1988/03/04/business/diet-candy-seeking-name.html 2017年2月5日閲覧。 

外部リンク


エイズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 07:42 UTC 版)

感染症の歴史」の記事における「エイズ」の解説

詳細は「後天性免疫不全症候群」、「ヒト免疫不全ウイルス」、および「薬害エイズ事件」を参照 1981年6月アメリカロサンゼルスに住む同性愛男性4人に初め発見され症例報告された新興感染症である。ただし、これはエイズと正式に認定できる初めての例で、疑わしい症例はすでに1950年代から報告されており、中部アフリカ各地などで「痩せ病」(slimming disease)という疾患群報告されていた。1982年7月、この病気AIDS後天性免疫不全症候群)と名づけられ、1984年にはエイズウイルス発見された。1981年症例報告後、わずか10年程度感染者世界中で100万人にまで広がった日本では1986年昭和61年)の松本事件1987年昭和62年)の神戸事件高知事件など「エイズ・パニック」と称される一連のパニック引き起こされた。これは、行政当局医療機関あり方問題がなかったわけではなかったが、むしろパニック仕立て上げていったのはマスメディアであったアメリカでエイズが広がり始めた当初原因不明の死の病に対す恐怖感加えて感染者同性愛者麻薬常習者多かったことから、感染者に対して社会的な偏見持たれることも多かったアメリカは、「エイズ・パニック」を体験した最初の国であった。 現在は、病原体としてヒト免疫不全ウイルスHIV)が同定され異性間性行為による感染出産時母子感染起こりうることが広く知られるようになった。しかし、未だこの病気対す知識の不足から来る差別偏見みられる日本では、おもに血友病患者に対して非加熱製剤治療使用したことから、多数HIV感染者およびエイズ患者生む薬害エイズ事件ひきおこし大きな社会問題となったそれ以外HIV感染する可能性は、HIV感染者との性行為であるため、相手HIV感染していないことが確実でなければ性行為をおこなわないか、あるいはコンドーム用いて感染可能性をなくすことが大切である。また、早期治療開始するためには、HIV抗体検査英語版)が必要である。 エイズは、アメリカをはじめ世界各地患者感染者増加しており、現代医療大きな課題といえる各国でエイズ予防キャンペーン繰り広げられている。

※この「エイズ」の解説は、「感染症の歴史」の解説の一部です。
「エイズ」を含む「感染症の歴史」の記事については、「感染症の歴史」の概要を参照ください。

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エイズ

出典:『Wiktionary』 (2018/07/01 20:35 UTC 版)

名詞

エイズ

  1. AIDS後天性免疫不全症候群)のカナ音写

「エイズ」の例文・使い方・用例・文例

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