ついに新日本プロレス棚橋弘至社長(48)の堪忍袋の緒が切れた。棚橋は1月4日東京ドーム大会「JR東海推し旅プレゼンツ WRESTLE KINGDOM19」でのEVIL戦で“引退ロード”をスタートさせる。昨年12月23日の後楽園大会では、極悪軍団ハウス・オブ・トーチャー(HOT)を率いるEVILに自慢の長髪をはさみで切られる屈辱を味わった。生まれて初めて感じる激しい怒りをむき出しにし、東京ドームではEVILに制裁を加える。

 

◇   ◇   ◇  

 

HOTは以前から試合への介入、反則攻撃などやりたい放題だった。そしてEVILが棚橋の髪の毛を切る暴挙。「僕は試合中のパフォーマンスで、自分の見た目の自信を力にするタイプだったんです。髪形良し、日焼け良し、腹筋良し、コスチューム良し、今日もバッチリだって」という棚橋にとって、まさに“髪は命”。ついに怒りのリミッターが外れてしまった。

棚橋は1・4EVIL戦を完全決着のランバージャック戦(選手が場外に転落した場合、セコンドがリング内に戻し、即座に試合を続行するデスマッチの一種)に指定。負ければ26年1月を待たずに即引退というEVILの要求をのんだ上で、さらに「何でもありのプロレス界でも最低限守らないといけないルールがあって、EVILはその禁を犯した。いいか、東京ドームでは引退だけじゃなくて、髪の毛をかける。(EVILを)丸刈りにしてやるよ」と、髪切りマッチという条件もつけた。

そんな棚橋に対して、EVILはリスペクトのかけらもなく「棚橋のレスラー人生に意味なんかなかっただろ。単純に目障り」と暴言を吐き、1・4決戦についても「棚橋のために喪服で会場に来ることを勧めてやるよ。10カウントゴングはこっちでやってやるから」と言いたい放題だ。

棚橋は社長としてHOTにストップをかけなければならない。「新日本に苦情が来たりしている。『トーチャーがああいうことをするなら、もう新日本は見ません』と。社長というのは新日本プロレスを正しい方向に導く役割。東京ドームで向かうべき未来へかじを取ります」。新日本の明日は社長の双肩にかかっている。【千葉修宏】

 

◆テレビ放送及び配信 4日の東京ドーム大会はテレビ朝日系地上波にて5日午前2時半から録画放送(一部地域を除く)、CSテレ朝チャンネル2で4日午後5時から生放送される。また、4、5日の東京ドーム大会は2大会ともにNJPWワールドで生配信される。