WO1998012939A1

WO1998012939A1 - Cigarette

Info

Publication number: WO1998012939A1
Application number: PCT/JP1997/003383
Authority: WO
Inventors: Toshiaki Okusawa; Shichisei Tani; Takashi Koyama; Takashi Yokoyama
Original assignee: Japan Tobacco Inc.
Priority date: 1996-09-25
Filing date: 1997-09-24
Publication date: 1998-04-02
Also published as: EP0880905A4; CN1204947A; CN1167365C; KR100275040B1; US6019106A; JPH1099067A; DE69717256T2; TW338711B; KR19990071515A; DE69717256D1; EP0880905A1; JP3206885B2; EP0880905B1

Description

明細書

シガレツト技術分野

この発明は、製造時やこの後の流通過程において、品質の向上及び維持することができるシガレツトに関する。背景技術

シガレツトの品質を向上する上で、最も重要な事項の 1つはシガレツトの切断端から刻みたばこの脱落を防止することにある。このため、シガレット内の刻みたばこの充填密度に関し、シガレツトの切断端部の充填密度は他の部分の充填密度に比べて増加され、これにより、切断端からの刻みたばこの脱落が防止される。より詳しくは、公知のようにシガレットはたばこロッドを切断して得られるが、このたばこロッドは、刻みたばこの充填密度を増加させた高密度部分を一定の間隔毎に有している。それ故、たばこロッドはその高密度部分にて切断され、シガレット又はダブルシガレットが得られる。このダブルシガレットはシガレツ卜の 2倍の長さ及びその中央に高密度部分を有している。

しかしながら、たばこロッドがその高密度部分から切断されても、シガレツト又はダブルシガレツトの切断端から刻みたばこが脱落することがある。また、ダブルシガレットからフィルタシガレットを製造するために、ダブルシガレットが 2つのシガレットに切断されるとき、この後の搬送過程にて、シガレットの切断端から刻みたばこが脱落することがある。

更に、上述したシガレットやフィルタシガレットの製造時のみならず、この後の流通過程においても、シガレット及びフィルタシガレットの切断端から刻みたば二が脱落することがある。近年、たばこロットを製造するシガレツト製造機は益々高速化する傾向にあり、巻紙と刻みたばこのストリームとの間のスリップが増加する。このようなスリップの增加は、たばこロッド内における高密度部分の形成及びピッチに乱れを発生させ、また、刻みたばこの破砕を招く。この結果、シガレット又はダトの切断端での刻みたばこの充填密度及び保持力が低下する。発明の開示

この発明の目的は、切断端からの刻みたばこの脱落を防止でき、また、シガレツト製造機の高速化にも好適したシガレツトを提供することにある。

上記の目的を達成するため、この発明のシガレツ卜は、刻みたばこの充填物と、充填物を包み込み、両側縁部が重なり合って互いに接着されたラップ部分を有する卷紙と、充填物に対する前記卷紙の摩擦係数を増加させる手段とを備えている。

上述のシガレツトによれば、卷紙の内面は刻みたばこの充填物に対して大きな摩擦抵抗を有している。それ故、卷紙は刻みたばこの充填物をしつかりと保持し、シガレットの切断端からの刻みたばこの脱落が低減される。シガレットの製造過程において、刻みたばこの充填物が巻紙により包み込まれる前、これら卷紙と充填物との間のスリップが低減される。このスリップの低減は、たばこロッド内の充填密度のばらつきを抑制するとともに、たばこロッドの正確な切断を可能にし、更には刻みたばこの破砕を減少させる。このことは、シガレットの切断端からの刻みたばこの脱落に大きく寄与する。

具体的には、摩擦係数を増加させる手段は巻紙の内面に分布して形成された凸部を含んでいる。これら凸部は、刻みたばこの充填物に嚙み込み、巻紙は充填物を確実に保持する。凸部は、少なくともシガレツ卜の切断端部に対応した巻紙の部位に形成されている,，この場合でも、シガレットの切断端かたばこの脱落を効果的に防止できる。凸部は、巻紙の全域、又は、その両側縁部を除いた全域に分布されていてもよい。巻紙の両側縁部に凸部が形成されていない場合、両側縁部は良好に接着される。

凸部は、卷紙をエンボス加工することにより簡単に得られる。この場合のェンボス加工は、卷紙の通気度を增加させるのが好ましい。卷紙の通気度が增加されていると、喫煙者に吸い込まれるたばこ煙中の一酸化炭素の量が低減され、これにより、タールに対する一酸化炭素の比が小さくなる。図面の簡単な説明

第 1図は、一実施例のフィルタ付シガレットの斜視図、

第 2図は、フィルタシガレツトを分解して示した斜視図、

第 3図は、卷紙の一部を拡大して示した斜視図、

第 4図は、フィルタシガレツ卜の先端部を示す縦断面図、

第 5図は、エンボス加工装置を備えたシガレツト製造装置の一部を示す概略図、

第 6図は、ぺーパのエンボス加工を示した図、

第 7図は、摩擦係数の測定装置を示した正面図である。発明を実施するための最良の形態

第 1図及び第 2図を参照すると、フィルタシガレット 1は、シガレット 3及びフィルタ 8からなり、シガレット 3は、刻みたばこの充填物、即ち、フイラ一 2を巻紙 4に包み込んで形成されている。フィルタ 8はチップぺーパ 6によりシガレット 3の一端に接続されている。シガレット 3の先端部分、即ち、 S 領域はシガレツト 3の他の部分に比べてフィラー 2の充填密度が増加されていろ— 第 3図には巻紙 4の一部が拡大して示されている。第 3図の卷紙 4はその裏面を上にして展開した状態にあり、その一方の側縁部 1 4が示されている。つまり、第 3図でみて、卷紙 4は右上がりの対角線方向に延びている。

第 3図から明らかなように、巻紙 4の裏面はその両側縁部 1 4を除き、多数の凸部 1 0を有しており、一方、卷紙 4の表面は凸部 1 0に対応した凹部 1 2 を有している。これら凸部 1 0はマトリクス状に配列されており、例えば、凸部 1 0は、 2 5 . 4 mm ²当たり 4 0 X 4 0の配列となっており、第 3図中、凸部 1 0のピッチ間隔及び高さは、 L ( = 0 . 6 4 mm)、 H ( = 0 . 1 6 画）で示されている。各凸部〗 0は四角錐台の形状を有している。しかしながら、凸部 1 0は円錐又は三角錐の形状であってもよいし、又は、凸部の配列は異なる形状の凸部により形成することもできる。更に、凸部 1 0のピッチ間隔は任意に変更することができる。

卷紙 4の両側縁部 1 4は、シガレット 3が形成されたとき重ね合わされ相互に接着される。それ故、両側縁部 1 4は凸部] 0を有しておらず、平坦である。しかしながら、凸部 1 0は巻紙 4の両側縁部 1 4を含み、その裏面の全面に分布されていてもよいし、または、シガレット 3の S領域（その両側縁部に凸部 1 0の有無は問わず）のみに分布されていてもよい。

第 4図はフィルタシガレツト 1の先端部を断面にし且つ拡大して示している。第 4図から明らかなように巻紙 4の各凸部 1 0はフイラ一 2内に嚙み込んでおり、巻紙 4と充填物との間に大きな摩擦抵抗が発生している。このような摩擦抵抗は巻紙 4の裏面に沿ってあらゆる方向に発生する。

上述したシガレット 3によれば、巻紙 4とフイラ一 2との間の摩擦抵抗により、フイラ一 2は卷紙 4によりしつかりと包み込まォそして、保持される. この結果、シガレット：:!内にてフイラ一 2、即ち、刻みたばこが動いてしまうことはなく、シガレッ卜 3の切断端からの刻みたばこの脱落が防止されろ - 第 5図には、上述したシガレツト 3を製造するためのシガレツト製造機の一部が概略的に示されている。このシガレツト製造機はエンボス加工装置 1 6を備えており、このエンボス加工装置 1 6は巻紙 4の供給経路に配置されている。エンボス加工装置 1 6はフレーム 1 8を有し、このフレーム 1 8のベース 2 4 は複数の脚 2 2を介して床上に配置されている。フレーム 1 8内には卷紙 4をエンボス加工するための一対のローラ 2 8， 2 9が上下に配置されている。これらローラ 2 8， 2 9は互いに逆向きに回転することができる。巻紙 4は図示しないロールから繰り出され、複数のガイドロ一ラ 2 6を介してローラ 2 8， 2 9間に導かれている。これらローラ 2 8， 2 9間を通過した卷紙 4は複数のガイドロ一ラ 2 7を介してシガレツト製造機のロッド成形セクションに供給される。

装置 1 6には、ローラ 2 8 , 2 9間のクリアランスを調節するためのュニッ卜 3 0が備えられている。具体的には、調整ュニット 3 0は上下のローラ 2 8， 2 9の軸線の間隔を調整する。ベース 2 4上にはエアシリンダ 3 2が配置されており、このエアシリンダ 3 2は下側のローラ 2 9を上側のローラ 2 8に向けて押圧する。

ローラ 2 8， 2 9間を卷紙 4が通過すると、この巻紙 4にはその両側縁部 1 4を除く全域に凸部 1 0のマトリクス配列が形成され、この後、巻紙 4はロッド成形セクションに向けて供給される。

ロール 2 8 , 2 9に関し、更に詳細に説明する。

第 6図に示されているように下側のローラ 2 9は、巻紙 4の凸部 1 ()に対応したマトリクス配列の突起を備えた外周面 5 0を有しており、これに対し、上側のローラ 2 8は、ローラ 2 9の突起に対応した穴を備えた外周面 4 8を有しているそれ故、ロール 2 8， 2 9はこれらの外周面 4 8， 5 0が互いに嚙み合いながら冋転する,，卷紙 4が上下のローラ 2 8， 2 9間を通過するとき、ローラ 2 9の外周面 5 0、即ち、突起が卷紙 4を介してローラ 2 8の外周面 4 8、即ち、穴に嚙み込む。それ故、巻紙 4の裏面に凸部 1 0がマトリクス配列にて形成され、この凸部 1 0のマトリクス配列は巻紙 4の表面に凹部 1 2のマトリクス配列を形成する。即ち、卷紙 4はその両側縁部を除き、エンボス加工を受ける。エンボス加ェにより形成された凸部 1 0は、卷紙 4の通気度を増加させる。

この後、第 5図に示されるように巻紙 4は、シガレット製造機のロッド成形セクションに向けて供給される。このロッド成形セクションにて、刻みたばこのストリームは卷紙 4により包み込まれ、たばこロッ卜 Rが連続して成形される。

シガレツト製造機に関して簡単に説明する。

シガレツト製造機はコンベアュニット 4 0を備えており、このコンペァュニット 4ひはサクシヨンべノレト、即ち、コンベアべノレト 4 2を有している。コンベアベルト 4 2はチムニ 3 8から刻みたばこを層状に吸引し、その下面に刻みたばこ層 1 を形成する。この刻みたばこ層 T ,は、コンベアベルト 4 2の走行に伴い、ロッド成形セクションに向けて搬送される。この搬送過程にて、刻みたばこ層 T _Lの厚さはトリミング装置 4 4により調整され、刻みたばこ層丁しにはその厚さが増加した部分が周期的に形成される。

この後、刻みたばこ層 Tしは、コンベアベルト 4 2から巻紙 4上に供給される。巻紙 4はガニチヤベルト 4 6上に重ね合わされており、このガニチヤベルト 4 6の走行に伴い、巻紙 4は刻みたばこ層 Τ とともにロッド成形セクションを通過する。ガニチヤベルト 4 6は、複数のローラを介して掛け回され、駆動ドラム（図示しない）の回転に伴い、第 5図中矢印方向に走行される：

口ッド成形セクションにて、公知のように刻みたばこ層 Τ ,は卷紙 4により包み込まれ、たばこ口ッド Rが連続して形成される口ッド成形セクシン内にて、卷紙 4の一方の側縁には糊が塗布され、卷紙 4の両側縁は互いに重ね合わされることで相互に接着される。

上述したシガレット製造機において、卷紙 4及ぴ刻みたばこ層 T【は、ガニチャベルト 4 6と共に高速に搬送される。このとき、刻みたばこ層 Τ 及び巻紙 4 はこれらの間の摩擦抵抗により一緒に搬送される。ここで、卷紙 4にはェンボス加工を受けているから、巻紙 4と刻みたばこ層 Τ との間の摩擦抵抗は大きく、卷紙 4に対する刻みたばこ層 T Lのスリップが低滅される。

この後、シガレット製造機の切断セクションにて、たばこロッド Rは前述した刻みたばこ層 T ,の厚さが増加した部分にて正確に切断され、シガレツト又はダブルシガレットが形成される。ダブルシガレットは、フィルタアタッチメントに供給され、このフィルタアタッチメント内にて、フィルタシガレット 1力；成形される。

シガレツト製造機に上述したエンボス加工装置 1 6が備えられていれば、特別な卷紙を使用しなくとも通常の卷紙にエンボス加工しながら、たばこロッド Rを成形することができる。それ故、シガレット製造機の運転速度が高速化しても、巻紙に対する刻みたばこ層 ' のスリップが低減され、たばこロッド Rは正確に切断される。

上述したエンボス加工装置 1 6は、卷紙 4の両側緣部 1 4を除き、卷紙 4をエンボス加工する。しかしながら、エンボス加工装置 1 6のローラ 2 8， 2 9 は巻紙 4の全面にエンボス加工を与えることもできるし、又は、巻紙 4に対し周期的にエンボス加工を与える二ともできる。この場合、ローラ 2 8 , 2 9の外周面には、突起又は穴の分布領域をローラの周方向に間隔を存して有している:

卷紙 4に予めエンボス加工が与えられていれば、シガレツト製造機はェ. ス加ェ-装置 1 6を必要としなレ、— 第 7図は、卷紙 4の摩擦係数を測定するための装置が示されている。この測定装置は大きく分けて、ベース 5 4、ガイド口ッド 5 6、試料テーブル 5 8、支持台 6 0及び荷重センサ 6 2を備えている。ガイドロッド 5 6はベース 5 4 の直上を水平に延びており、ガイドロッド 5 6の両端部は脚 6 4を介してべ一ス 5 4に支持されている。試料テーブル 5 8は、ガイドロッド 5 6の直上を水平に延びており、試料テ一ブル 5 8は両端部にスライダ 6 6を有しており、これらスライダ 6 6はガイドロッド 5 6に取り付けられている。従って、試料テ一ブル 5 8はガイドロッド 5 6に沿って移動可能に支持されている。試料テーブル 5 8上にはエンボス加工済みの卷紙 4の一部を試料 Pとしてセットすることができる。

支持台 6 0は試料テーブル 5 8を跨ぐ形状を有している。支持台 6 0の下端はスライダ 7 0を介してガイドロッド 5 6に取り付けられている。支持台 6 0 は荷重付加口ッド 6 8を備えており、この荷重付加口ット 6 8は上下方向に移動可能となっている。荷重付加口ッド 6 8はその上端に重り 7 2の受け面を有している。支持台 6 0内には刻みたばこ Tを収容可能な空間が形成されており、この空間内の刻みたばこ Tは荷重付加ロッド 6 8の下端と、試料テーブル 5 8 上の試料 Pとの間にて挟まれている。従って、空間内の刻みたばこ Tは、荷重付加ロッド 6 8及び重り 7 2に相当する荷重を受ける。

ガイドロッド 5 6の一方の脚 6 4には荷重センサ 6 2が取り付けられている _c この荷重センサ 6 2及び支持台 6 0は、一対のフック 7 4及びワイヤ 7 6を介して相互に連結されている。荷重センサ 6 2はガイドロッド 5 6の脚 6 4に固定されており、支持台 6 0はガイドロッド 5 6に沿う方向の移動が拘束されてレヽる.

荷重センサ 6 2はワイヤ 7 6を介して引張力を受けると、その引張力の値を表示部（図示しない）に重量単位で表示することができる試料 pの摩擦係数の測定手順を以下に説明する。

先ず、試料テーブル 5 8上に試料 Pがセットされる。ここで、試料 Pの長さは 1 0 0 mmである。この後、支持台 6 0の空間内、即ち、試料 P上に l gの刻みたばこ Tがセットされ、この時点で、試料 Pの摩擦係数の測定が可能となる。試料テ一ブル 5 8がハンドル 5 9を介して第 7図中の矢印方向に引っ張られると、支持台 6 0は、試料 Pと刻みたばこ Tとの間の摩擦抵抗に起因した引き摺りカを受ける。この引き摺り力はワイヤ 7 6を介して荷重センサ 6 2に伝達され、荷重センサ 6 2は引き摺り力、即ち、試料 Pと刻みたばこ Tとの間の摩擦抵抗を検出し、そして表示する。

試料テーブル 5 8の引張力が更に増加されると、摩擦抵抗もまた増加する。この後、試料テーブル 5 8が摩擦抵抗に打ち勝ち、第 7図中矢印方向に移動し始めたとき、この時点での荷重センサ 6 2の検出値が読み取られ、この検出値は、試料 Pと刻みたばこ Tとの間の静止摩擦抵抗、つまり、静止摩擦力を示す。試料テーブル 5 8が安定して移動されているとき、荷重センサ 6 2の検出値は動摩擦力を示す。このようにして得られた静止摩擦力及び動摩擦力は刻みたばこ Tに与えられている荷重で除算すると、静止摩擦係数及び動摩擦係数がそれぞれ算出される。

上述した測定は 4種類の試料 Pに対して 5回ずつ実施され、その測定結果は以下の表 1に示されている。表〗中の測定結果は平均値である。試料 P 1〜P 3 はいずれもエンボス加工された巻紙の一部であるが、凸部 1 0の形状が互いに異なっている。試料 P は通常の平坦な卷紙の一部である。静止摩擦動 S擦

摩擦力（gf) 摩擦係数摩擦力 (gf) 摩擦係数試料 P 1 535. 8 1. 072 486. 9 0. 974 試料 P 2 528. 1 1. 056 429. 1 0. 858 試料 P 3 563. 9 1. 128 500. 4 1. 001 試料 P 4 443. 0 0. 886 403. 0 0. 806 表 1の測定結果から明らかなように試料 P 1〜P 3は試料 P 4に比べ、高い摩擦力及び大きな摩擦係数を有している。

次に、通常の卷紙 P 4 を使用したフィルタシガレツ卜の製造と、エンボス加ェした卷紙 P 5， P 6を使用したフィルタシガレツ卜の製造との間にて、シガレットから脱落した刻みたばこの量を比較した。この場合、巻紙 P 5, P 6の凹部 1 2は、 5 5 μ πι、 6 5 mである。

刻みたばこの脱落量は、たばこ口ッド Rのシガレツト 1本分に相当する刻みたばこの基準充填量とフィルタシガレット内の刻みたばこの実充填量との間の差である。刻みたばこの脱落量を基準充填量で除算すると、脱落率が得られる。平坦な卷紙 P 4 を使用して製造したシガレツ卜における刻みたばこの標準脱落量とエンボス加工の卷紙 P 5， P 6を使用して製造したシガレツトにおける刻みたばこの脱落量との間の差を標準脱落量で除算すれば、その値はエンボス加ェした巻紙を使用した場合の脱落量の脱落減少率を表す。

巻紙 P 4〜P 6の刻みたばこの脱落率及び脱落減少率は表 2に示されている。表 2

表 2から明らかなように卷紙 P 5, P 6を使用したフィルタシガレツトは、卷紙 P 4 を使用したフィルタシガレットに比べて、小さな脱落率を有し、巻紙のエンボス加工は刻みたばこの脱落を大きく改善している。

次に、卷紙 P 4 を使用したフィルタシガレット及びエンボス加工の巻紙 P 7 を使用したフィルタシガレツトに対して喫煙試験が行われた。この喫煙試験では、喫煙者が吸い込むたばこ煙中のタールの重量と一酸化炭素の重量比、即ち、フィルタシガレツト 1本当たりの C OZ T比が測定され、その測定結果は表 3 に示されている。卷紙 P 7の場合、凹部 1 2の深さは 8 5 mである。表 3

表 3から明らかなように、エンボス加工の巻紙 P 7 を使用したフィルタシガレツトは、巻紙 P 4 を使用したフィルタシガレツ卜に比べて、小さい C OZ T 比を有している。これは、巻紙 4のエンボス加工により、巻紙 4の通気度が増加され、 C Oの酸化が促進されるためと考えられる。

この発明のシガレツト又はフィルタシガレツ卜によれば、巻紙と刻みたばこのフイラ一との間の静止摩擦係数及び動摩擦係数は共に増加する。それ故、ェンボス加工された巻紙は刻みたばこのフィラーをしつかりと保持し、シガレツト又はフィルタシガレットの切断端からの刻みたばこの脱落が効果的に防止される。刻みたばこの脱落は、シガレット又はフィルタシガレットの製造過程においても低減される。

シガレツト製造機の運転速度が高速化しても、卷紙と刻みたばこ層との間のスリップが低減される。このスリップの低減は、刻みたばこ層の厚みが増加された部分からのたばこロッドの正確な切断を可能とし、また、刻みたばこの破砕を減少させる。このことは、シガレット又はダブルシガレットの切断端からの刻みたばこの脱落防止に大きく寄与する。

更に、この発明のシガレット又はフィルタシガレットによれば、喫煙者が吸い込むたばこ煙の C OZT比もまた低減される。

Claims

請求の範囲

1 . 刻みたばこの充填物と、

前記充填物を包み込み、両側縁部が重なり合って互いに接着されたラップ部分を有する巻紙と、

前記充填物に対する前記巻紙の摩擦係数を增加させる手段と

を具備したシガレツト。

2 . 前記手段は卷紙の内面に分布して形成された凸部を含む、請求項 1のシガレツト。

3 . 前記凸部は少なくともシガレツトの切断端部に対応した巻紙の部位に形成されている、請求項 2のシガレット。

4 . 前記凸部は前記卷紙の両側縁部を除き、前記卷紙の全域に分布されている、請求項 2のシガレツト。

5 . 前記凸部は前記卷紙の全域に分布されている、請求項 2のシガレット。

6 . 前記凸部は、卷紙をエンボス加工して得られている、請求項 2のシガレッ卜。

7 . 前記凸部は、前記巻紙の通気度を増加させる、請求項 6のシガレット。

8 . 請求項 1のシガレツトを備えたフィルタシガレツト。