本開示は、透過モードで動作可能な表示パネルを備える画像表示装置に関する。
特許文献1は、透明ディスプレイを備えるディスプレイ装置を開示する。このディスプレイ装置は、透明な有機発光ダイオード(organic light−emitting diode:OLED)素子を用いてディスプレイを行う第1パネルと、第1パネルの背面に配置し、背面からの光を遮断または透過させる、高分子分散型液晶を用いた第2パネルと、第2パネルを透明な状態または不透明な状態に切り替える制御部を備える。このディスプレイ装置では、第2パネルを透明にすることで、第1パネルの背面の物体の像と第1パネルの像とを同時に鑑賞することができる。また、第2パネルを不透明にすることで、第1パネル背面からの外光の介入のないコントラストの良い鮮明な画像を表示する事が可能となる。
本開示は、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができる画像表示装置を提供する。
本開示における画像表示装置は、画像表示部であって、画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に前記画像表示部の背面側の物体が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能な表示パネルを有する画像表示部と、前記表示パネルの動作を制御する制御部と、前記画像表示部の背面から後方に向けて立設された保持部材であって、前記制御部を保持する保持部材とを備える。
本開示の画像表示装置によれば、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができる。
図1は、実施の形態1に係る画像表示装置の、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る表示パネル及び上照明部の構成概要を示す断面図である。
図3は、実施の形態1に係る表示パネル及び下照明部の構成概要を示す断面図である。
図4は、実施の形態1に係る画像表示装置の側面図である。
図5は、実施の形態1に係る下棚板部の構成概要を示す分解斜視図である。
図6は、実施の形態1に係る画像表示装置の、画像表示モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図7は、実施の形態1に係る画像表示装置の、第二透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図8は、実施の形態1に係る画像表示装置の表示パネル及び照明部の動作を、動作モードごとにまとめた表を示す図である。
図9は、実施の形態1に係るマイクロルーバの構成例を示す図である。
図10は、図9に示すマイクロルーバによる配光角制御の結果の一例を示す図である。
図11は、実施の形態2に係る画像表示装置の、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図12は、実施の形態2に係る棚板部の構成概要を示す分解斜視図である。
図13は、実施の形態2に係る表示パネル及び照明部の構成概要を示す断面図である。
図14は、実施の形態2に係る画像表示装置の側面図である。
本願発明者は、従来の画像表示装置に関し、以下の問題が生じることを見出した。上記従来の透明ディスプレイのように、画像を表示する状態と透過状態との切り替え可能な表示パネルは、例えば、ガラス基板上に配置された複数の有機EL素子とを有する有機ELパネルと、高分子分散型液晶への電圧の印加の有無により光の透過及び不透過を切り替える調光シートとを有している。
この表示パネルにおいて、例えば、有機ELパネルに画像を表示せず、かつ、調光シートをオン(透過状態)とすることで、表示パネルの前面側に存在するユーザに、表示パネルの背面側の物体を視認させることができる。
ここで、一般に、画像表示装置の動作を制御する制御部は、有機ELパネル等の表示パネルの裏面に沿う姿勢で配置される。しかしながら、上記従来の透明ディスプレイ等の画像表示装置では、表示パネルの透過及び不透過の切り替え等の制御を行う制御部を、表示パネルの背面側に配置した場合、表示パネルの透過性が制御部に阻害されるという問題が生じる。つまり、制御部を表示パネルの裏面と平行な姿勢で配置した場合、制御部は比較的に広い面で表示パネルの一部を覆う。これにより、表示パネルの全域が透過状態になった場合であっても、制御部が配置された領域は、表示パネルを介して背面側の物体が視認できない状態のままである。すなわち、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができない。
この問題を解決するために、例えば、制御部を、ディスプレイ装置を収容する筐体とは別の筐体に収容することが考えられる。しかしながらこの場合、本体部と制御部とが別体であることで、例えば、画像表示装置の搬送または設置が煩雑化するという別の問題が生じ得る。
本開示は、このような知見に基づいてなされたものであり、本願発明者が鋭意検討した結果、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができる画像表示装置の構造についての着想を得た。
以下、適宜図面を参照しながら実施の形態を説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、本願発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
また、以下の実施の形態において、説明の便宜上、上下方向をZ軸方向と一致させ、前後方向をY軸方向と一致させ、左右方向をX軸方向と一致させているが、これら対応付けは、本開示に係る画像表示装置の製造時または使用時における姿勢を限定するものではない。また、以下の説明において、例えば、X軸プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸マイナス側とは、X軸プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
さらに、以下の実施の形態において、平行及び直交などの、2つの方向の相対的な姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密にはその姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行である、という場合、特に断りのない限り、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
(実施の形態1)
以下、図1〜図10を用いて実施の形態1を説明する。まず、図1〜図4を用いて、実施の形態1に係る画像表示装置の構成概要について説明する。
[1−1.画像表示装置の構成概要]
図1は、実施の形態1に係る画像表示装置10の、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。図2は、実施の形態1に係る表示パネル110及び上照明部220の構成概要を示す断面図である。具体的には、図2は、図1におけるII−II線断面を示す図である。図3は、実施の形態1に係る表示パネル110及び下照明部210の構成概要を示す断面図である。具体的には、図3は、図1におけるIII−III線断面の一部を示す図である。図4は、実施の形態1に係る画像表示装置10の側面図である。なお、図4では、表示パネル110及び光透過パネル300のおおよその配置位置が、点線または一点鎖線で表されている。
図1〜図4に示すように、本実施の形態に係る画像表示装置10は、表示パネル110及び表示パネル110を支持するフレーム130を有する画像表示部100と、棚板部150と、照明部200と、フレーム130に支持される光透過パネル300とを備える。
フレーム130は、本実施の形態では、Tフレーム131、Rフレーム132、Lフレーム133、Bフレーム134、及びMフレーム135を有する。Tフレーム131は、表示パネル110の上辺に沿って配置される。Rフレーム132は、前面視における表示パネル110の右辺に沿って配置される。Lフレーム133は、前面視における表示パネル110の左辺に沿って配置される。Bフレーム134は、光透過パネル300の下辺に沿って配置される。Mフレーム135は、表示パネル110と光透過パネル300との間に配置される。つまり、Mフレーム135は、Rフレーム132とLフレーム133との間に渡されるように配置される。これらの部分的なフレーム(131〜135)のそれぞれは、隣接する他の部分的なフレームと機械的に接続されている。
なお、フレーム130の素材としては、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属が採用される。これにより、例えば、比較的に重量が小さなフレーム130であって、かつ、強度の高いフレーム130を得ることができる。また、フレーム130を、照明部200等で発する熱を外部に放熱する放熱部材として機能させることも可能である。
上記構成を有するフレーム130において、表示パネル110は、Tフレーム131、Rフレーム132、Lフレーム133、及びMフレーム135によって支持される。また、光透過パネル300は、Mフレーム135、Rフレーム132、Lフレーム133、及びBフレーム134によって支持される。なお、フレーム130は、上記のように、5つの部材に分割されていることは必須ではない。例えば、T、R、L、Bフレーム(131〜134)に対応する角環状のフレーム、及び、Mフレーム135の2つの部材でフレーム130が形成されてもよい。
表示パネル110は、画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に、画像表示部100の背面側の物体が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能なディスプレイ装置である。具体的には、図2及び図3に示すように、有機EL(electro−luminescence)パネル111と、有機ELパネル111の背面側に配置された調光パネル112とを備える。なお、表示パネル110に表示される「画像」は、静止画及び動画のいずれであってもよく、静止画及び動画の両方を含む映像コンテンツであってもよい。
本実施の形態において、有機ELパネル111では、EL層と、EL層を挟む透明電極とを有する有機EL素子がマトリクス状に配列されており、画像(背景画像を含む)を表示しない領域は、一般的に透明と呼ばれる程度の光透過性を有している。
また、調光パネル112は、調光シート113と、調光シート113の前面側に配置された第一ガラス板114aと、調光シート113の背面側に配置された第二ガラス板114bとを有する。調光シート113は、所定の電圧の印加の有無により、光の透過及び不透過を切替可能な部材である。調光シート113は、例えば、電圧の印加の有無によって配向状態を変化させる液晶分子を含有する液晶層と、液晶層を挟む樹脂製のシートとで構成されている。
上記の有機ELパネル111と調光パネル112とが重ね合わされた構造を有する表示パネル110では、例えば図1に示すように、有機ELパネル111に画像を表示させず、かつ、調光シート113に所定の電圧を印加する(調光シート113をオンにする)ことで、画像表示部100の背面側の物体500が視認可能な透過状態となる。本実施の形態では、この動作モードを、透過モードという。
なお、表示パネル110が透過モードで動作する場合、より詳細には、図1に示すように有機ELパネル111に画像が表示されない場合と、有機ELパネル111の一部に画像が表示される場合とがある。そのため、これらの動作モードを区別するために、図1に示すように有機ELパネル111に画像が表示されない場合を、第一透過モードと呼び、有機ELパネル111の一部に画像が表示される場合を第二透過モードと呼ぶ。第二透過モードについては、図7を用いて後述する。また、表示パネル110は、上記説明された構成要素の他、例えば、反射防止フィルムなどの光学部材を備えてもよい。
表示パネル110を含む画像表示部100の背面には、後方に向けて立設された棚板部150が配置されている。本実施の形態では、棚板部150は、図1に示すように、上棚板部170と、下棚板部160とを含む。上棚板部170は、第一棚板部の一例であり、下棚板部160は、第二棚板部の一例である。上棚板部170及び下棚板部160は、フレーム130に固定されている。また、下棚板部160は、図1及び図4に示すように、支持部材190によって下方から支持されている。支持部材190には、図5を用いて後述する、下棚板部160に収容される制御部等と電気的に接続される電線400が収容されている。
上棚板部170及び下棚板部160のそれぞれには、物体500(写真、人形、花瓶、玩具、模型、または絵画等)を載置可能であり、表示パネル110が第一透過モードで動作する場合、ユーザは、表示パネル110を介して、上棚板部170及び下棚板部160のそれぞれに載置された物体500を視認することができる。
下棚板部160の前方には、Rフレーム132とLフレーム133との間に渡されるMフレーム135が配置される。Mフレーム135には、下棚板部160に収容される一対のスピーカ装置が発する音の出口である一対の開口部135aが形成されている。なお、図示は省略されているが、Mフレーム135の前面には、例えば下棚板部160と同じ模様のシート(木目シートなど)が貼付される。これにより、Mフレーム135は、外観上、下棚板部160の一部のように認識される。また、当該シートの、開口部135aの位置には、開口部135aからの音の出力が妨げられないように、例えば微細な孔が複数形成されている。
また、Mフレーム135は、光透過パネル300の上端を支持する役目も有している。光透過パネル300は、表示パネル110の下方に配置され、背面側の物体を視認可能な板状の光透過部材の一例である。光透過パネル300は、例えばガラス板によって実現される。より具体的には、光透過パネル300は、透過モードで動作している状態における表示パネル110の光透過率と同程度の光透過率を有するように形成される。また、光透過パネル300の色も、透過モードで動作している状態における表示パネル110の色に近くなるように調整される。これにより、表示パネル110が透過モードで動作している場合、外観上、表示パネル110と光透過パネル300とは、裏面に上下2段の棚板を備える一連のガラス板のように認識される。
ここで、表示パネル110は、上述のように、有機EL素子及び液晶などの微細な遮光要素が分散して配置されているため、第一透過モードで動作する場合であっても、光の透過率は、例えば40%〜50%程度である。従って、例えば比較的に暗い環境に画像表示装置10が置かれた場合、ユーザは、表示パネル110の背面側にある物体500を明瞭に視認できない可能性がある。
しかしながら、本実施の形態に係る画像表示装置10は、照明部200を備えており、照明部200から出射される光により、表示パネル110の背面側にある物体500を照らすことができる。
具体的には、本実施の形態に係る照明部200は、図2〜図4に示すように、上照明部220と下照明部210とを有する。上照明部220は、第一照明部の一例であり、下照明部210は第二照明部の一例である。
上照明部220は、画像表示部100の背面における上端部に配置されている。具体的には、図2に示すように、Tフレーム131に、表示パネル110の上端部を保持する保持溝131aと、上照明部220が取り付けられる照明用溝131bとが設けられている。上照明部220は、光を放出する光源部221と、光源部221の光の放出側に配置されたマイクロルーバ225とを有している。マイクロルーバ225は、光源部221の光の配光角を制限する光学部材の一例である。上照明部220は、照明用溝131bに埋設されており、これにより、表示パネル110が透過状態になった場合において、上照明部220から出射された光が、画像表示装置10の前方に存在するユーザの目に直接的に入る可能性はない。
光源部221は、X軸方向に長尺状の基板223と、基板223に実装された複数のLED素子222とを有する。マイクロルーバ225は、光源部221に沿って配置されたX軸方向に長尺状の部材であり、X軸方向に延設された遮光体と透光体とが、短手方向に交互に並べられた構造を有している。マイクロルーバ225のより具体的な構成例については、図9及び図10を用いて後述する。
下照明部210は、上棚板部170における根本部分に配置されている。具体的には、図3に示すように、上棚板部170の、フレーム130側の端部の下面に、下照明部210を取り付けるための取付部材172が配置されている。下照明部210は、取付部材172を介して上棚板部170に固定されている。
下照明部210は、上照明部220と共通する構成および特徴を有している。すなわち、下照明部210は、光を放出する光源部211と、光源部211の光の放出側に配置されたマイクロルーバ215とを有している。マイクロルーバ215は、光源部211の光の配光角を制限する光学部材の一例である。
光源部211は、X軸方向に長尺状の基板213と、基板213に実装された複数のLED素子212とを有する。マイクロルーバ215は、光源部211に沿って配置されたX軸方向に長尺状の部材であり、X軸方向に延設された遮光体と透光体とが、短手方向に交互に並べられた構造を有している。
なお、マイクロルーバ225(215)は、例えば指向性半値角が120°程度である、LED素子222(212)からの光の配光角を、60°程度に制限することができる。また、マイクロルーバ225(215)は、例えば、光源部221(211)を外部から隠す役割、及び、LED素子222(212)が点在することによる光の粒子感を抑制する役割を備えている。
上記のように構成された照明部200により、棚板部150に載置された1以上の物体500が照らされる。つまり、図4に示すように、上照明部220から放出された光によって、上棚板部170に載置された物体500bが照らされ、下照明部210から放出された光によって下棚板部160に載置された物体500aが照らされる。
より具体的には、上照明部220では、光源部221から放出された光の配光角は、マイクロルーバ225によって狭められる。つまり、上照明部220から放出される光は、マイクロルーバ225により、Y軸方向において、上棚板部170を中心とする所定の範囲内に収まるよう制限される。従って、上照明部220から放出される光の、表示パネル110への入射量は抑制され、例えば、前面から表示パネル110を見た場合に、上照明部220の光によって部分的に白く見える可能性が低減される。また、上棚板部170よりも後方の領域を、上照明部220が不必要に明るく照らす状態が発生し難い。
下照明部210についても同様に、光源部211から放出された光の配光角は、マイクロルーバ215によって制限され、これにより、当該光の照射範囲が、下棚板部160を中心とする所定の範囲内に収められる。従って、下照明部210から放出される光は、表示パネル110に入射し難い。また、下照明部210が、下棚板部160よりも後方の領域を不必要に明るく照らす状態が発生し難い。
[1−2.下棚板部]
次に、本実施の形態に係る下棚板部160の構成について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態1に係る下棚板部160の構成概要を示す分解斜視図である。具体的には、図5では、下棚板部160を棚本体部161と載置面部162とに分離して示している。
本実施の形態において、下棚板部160は、制御部180を収容した状態で保持する保持部材の一例であり、具体的には、図5に示すように、下棚板部160の内部に、制御部180が収容されている。制御部180は、表示パネル110及び照明部200の動作を制御する。制御部180は、1以上の回路基板181、及び、1以上の回路基板181に実装された複数の電子部品182等で構成されている。制御部180は、下棚板部160の厚み(Z軸方向の幅)内に収まるように、棚本体部161の底面161aに沿う姿勢で配置されている。つまり、平板状の制御部180は、下棚板部160と同じく、画像表示部100の背面に対して起立した姿勢で下棚板部160に収容されている。
また、下棚板部160にはさらに、画像表示部100の前面側から音を放出するスピーカ装置が収容されている。本実施の形態では、例えば2chステレオ音声を出力するための一対のスピーカ装置184が、下棚板部160の内部に収容されている。一対のスピーカ装置184のそれぞれの前方には、上述のように、Mフレーム135に形成された開口部135aが存在し、スピーカ装置184から出力される音は、開口部135aを介して画像表示装置10の前方に放出される。このように、本実施の形態では、制御部180を保持する下棚板部160は、制御部180及びスピーカ装置184を隠す部材としても機能する。
また、下棚板部160にはさらに、制御部180及びスピーカ装置184等の、下棚板部160の内部に収容された装置を冷却するための排気ファン189を2つ備えている。これら2つの排気ファン189が駆動することで、例えば、下棚板部160に形成された孔または隙間から外気が下棚板部160の内部に導入され、制御部180及びスピーカ装置184等を冷却して2つの排気ファン189から外部に放出される。
なお、下棚板部160に収容される要素は、制御部180及びスピーカ装置184等の装置には限定されず、例えば、図示しないテレビチューナ及び光ディスクプレーヤ等が収容されてもよい。
上記のように、制御部180及びスピーカ装置184を保持する下棚板部160は、支持部材190によって下方から支持されている。そのため、下棚板部160の耐荷重が増加する。従って、例えば、下棚板部160に収容される要素(制御部180等)の数または重量を増加させることが可能となる。また、支持部材190には、少なくとも制御部180と電気的に接続された電線400が収容されている。電線400は、例えば、商用電源と接続された電源ケーブル、または、外部のAV(Audio Visual)機器と接続された信号ケーブルである。なお、支持部材190に複数の電線400が収容されてもよい。つまり、下棚板部160を下方から支持する支持部材190は、例えば、制御部180に電力及び/または各種の信号を供給する電線400を隠す部材として利用することができる。また、支持部材190、例えば、複数の電線400を束ねる部材としても利用することができる。
[1−3.画像表示装置の動作例]
以上のように構成された画像表示装置10の動作例を、図6〜図8を用いて説明する。図6は、実施の形態1に係る画像表示装置10の、画像表示モードで動作している状態を示す外観斜視図である。図7は、実施の形態1に係る画像表示装置10の、第二透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。図8は、実施の形態1に係る画像表示装置10の表示パネル及び照明部の状態を、動作モードごとにまとめた表を示す図である。
なお、上述の第一透過モード(図1参照)、並びに、以下で説明する画像表示モード及び第二透過モードの各々の動作モード間の切り替えは、例えば、画像表示装置10を操作する専用リモコンもしくは汎用の携帯端末、または、画像表示装置10に画像データを供給するAV機器等からの制御信号に基づいて行われる。また、例えば、画像データに付加された情報に基づいて、画像表示装置10の制御部180が動作モードを切り替えてもよい。
図6に示すように、画像表示装置10は、表示パネル110に画像120を表示する画像表示モードで動作する。より詳細には、制御部180は、有機ELパネル111の画像表示領域の全域に画像120を表示させ、かつ、調光パネル112の調光シート113をオフ(不透過)にする。さらに制御部180は、照明部200(上照明部220及び下照明部210)をオフ(消灯)にする。これにより、有機ELパネル111の裏面からの光の入射が、調光シート113によって遮られ、かつ、照明部200による光の照射は停止される。その結果、表示パネル110に表示される画像120は、表示パネル110の背面側からの光の影響をほぼ受けることなく、明瞭に表示される。
なお、表示パネル110に表示される画像に対応する画像データは、下棚板部160に収容されているテレビチューナ、または、電線400に接続されたAV機器等から制御部180に供給される。制御部180は、供給される画像データに基づいて有機ELパネル111を駆動し、これにより、表示パネル110に画像が表示される。なお、画像データの供給元に特に限定はなく、例えば、画像表示装置10に接続されたハードディスクまたは半導体メモリから画像データが制御部180に読み込まれてもよい。また、制御部180は、例えば、Bluetooth(登録商標)またはWi−Fi(登録商標)等の所定の規格に従った無線通信を介して、パーソナルコンピュータ、タブレット、またはスマートフォン等から画像データを取得してもよい。
また、例えば、「動作モードの切り替え時に調光シート113をオフにする」、と言う場合、動作モードの切り替え前において、調光シート113がオフであれば、調光シート113をオフのまま維持することを意味する。このことは、「調光シート113をオンにする」との表現についても同じであり、照明部200等の他の装置のオン及びオフについても同じである。
また、図7に示すように、画像表示装置10は、表示パネル110を透過状態とし、かつ、表示パネル110に画像を表示する第二透過モードで動作する。すなわち、図1を用いて説明した第一透過モードでは、表示パネル110には画像が表示されず、全面が透過状態になるのに対し、第二透過モードでは、表示パネル110の一部が透過状態となり、他の部分には画像(部分画像121)が表示される状態となる。
第二透過モードでは、制御部180は、有機ELパネル111の画像表示領域の一部に部分画像121を表示させ、かつ、調光パネル112の調光シート113をオン(透過)にする。さらに制御部180は、照明部200(上照明部220及び下照明部210)をオン(点灯)にする。これにより、ユーザは、有機ELパネル111における部分画像121が表示されていない領域を介して、棚板部150に載置された物体500を視認することができる。また、このとき、棚板部150に載置された物体500には、照明部200からの光が照射され、これにより、仮に、画像表示装置10が比較的に暗い環境に置かれている場合であっても、ユーザは物体500を明瞭に視認することができる。
さらに、例えば、棚板部150に載置された物体500とともに、部分画像121をユーザに見せることができるため、例えば、物体500と部分画像121との組み合わせにより、仮想現実(AR:Augumented Reality)映像をユーザに提供することも可能である。
なお、1以上の部分画像121のそれぞれは、動画及び静止画のいずれであってもよい。また、部分画像121そのものが動画及び静止画のいずれであっても、表示パネル110における部分画像121の位置は一定であってもよく、また、変化してもよい。
なお、表示パネル110に1以上の部分画像121を表示するための画像データは、画像表示モード(図6参照)における画像120と同じく、テレビチューナ、AV機器、またはパーソナルコンピュータ等から制御部180に供給される。
以上のように、画像表示装置10は、画像表示モード、及び透過モード(第一透過モード及び第二透過モード)で動作することができる。各動作モードにおける、表示パネル110及び照明部200の状態(動作内容)をまとめると、図8のように示される。
すなわち、画像表示装置10が、画像が全画面表示される画像表示モードで動作する場合、有機ELパネル111には画像が表示され(画像表示がオン)、調光シート113はオフ(不透過)となり、照明部200もオフ(消灯)となる。これにより、例えば、ユーザは、画像表示装置10で、通常のテレビ放送、または、AV機器で再生される映画等を、適切な画質で視聴することができる。
また、画像表示装置10が、画像を表示しない第一透過モードで動作する場合、有機ELパネル111には画像が表示されず(画像表示がオフ)、調光シート113はオン(透過)となり、照明部200もオン(点灯)となる。これにより、例えば、ユーザは、画像表示装置10の棚板部150に載置された1以上の物体500を、表示パネル110を介して明瞭に視認することができる。
また、画像表示装置10は、一部のみに画像を表示する第二透過モードで動作する場合、有機ELパネル111の画像表示領域の一部のみに画像が表示され(画像表示がオン)、調光シート113はオン(透過)となり、照明部200もオン(点灯)となる。これにより、例えば、ユーザは、表示パネル110に表示される仮想の物体(部分画像121(図7参照))と、棚板部150に載置された1以上の現実の物体500とを、1つの画面内で同時に見ることができる。
このように、本実施の形態に係る画像表示装置10では、調光シート113が透過状態となる透過モード(第一透過モード及び第二透過モード)動作する場合は、制御部180は、照明部200をオンにする。つまり、透過モードは、表示パネル110の少なくとも一部を介して背面側の物体500を視認させる動作モードであり、この場合、制御部180は、照明部200をオンにすることで、照明部200に光を放出させる。これにより、表示パネル110を前方から見た場合における物体500の明瞭性であって、光の透過率が比較的に低い表示パネル110の背面側に配置された物体500の明瞭性を向上させることができる。
[1−4.マイクロルーバの構成例]
次に、図9及び図10を用いて、実施の形態1に係る照明部200が備える、光の配光角を制限する光学部材であるマイクロルーバの構成例について説明する。
図9は、実施の形態1に係るマイクロルーバ225の構成例を示す図であり、図10は、図9に示すマイクロルーバ225による配光角制御の結果の一例を示す図である。
なお、図9、図10及びその説明では、上照明部220が有するマイクロルーバ225に着目し、その図示及び説明を行っているが、マイクロルーバ225に関する特徴的な事項は、下照明部210が有するマイクロルーバ215に適用されてもよい。
また、図9における一点鎖線は、光源部221の光軸を表している。また、図10では、上照明部220がオンの場合における、上棚板部170における明るさの分布をドットの濃淡で模式的に示しており、ドットが濃いほど明るいこと意味する。また、図10において、マイクロルーバ225及び光源部221は、光源部221と上棚板部170との間にマイクロルーバ225が配置されることを表すために、模式的に図示されており、それらの姿勢は実際の姿勢とは異なる。
図9に示すように、マイクロルーバ225における複数の遮光体226は、複数の遮光体226の並び方向(マイクロルーバ225の短手方向)において等間隔で並んでいなくてもよい。例えば図9に示すように、マイクロルーバ225を、短手方向において3つの領域(領域a、b、c)に分割した場合を想定する。この場合、領域a、b、cのそれぞれにおける、短手方向の単位長さあたりの遮光体226の数(密度:Da、Db、Dc)は、Db<Da<Dcであってもよい。
この場合、短手方向において、マイクロルーバ225の中央部分では遮光体226が粗に並べられることで、マイクロルーバ225から放出される光量が多くなる。マイクロルーバ225の後端部分(Y軸プラス側の端部)では、遮光体226が密に並べられることで、マイクロルーバ225から放出される光量が少なくなる。マイクロルーバ225の前端部分(Y軸マイナス側の端部)では、遮光体226がさらに密に並べられることで、マイクロルーバ225から放出される光量がさらに少なくなる。
その結果、上照明部220によって照らされる、上棚板部170における光量の分布は、図10に示すように模式的に表される。すなわち、マイクロルーバ225の領域a、b、cに放出される光に照らされる、上棚板部170の領域をA、B、Cとした場合、領域Bが最も明るく、次に領域Aが明るく、領域Cが、領域A、B、Cのうちで最も暗くなる。つまり、上棚板部170の奥行方向(Y軸方向)の中央部から後端にかけて、多くの光が照射され、これにより、例えば、上棚板部170に載置された物体500を効率よく照らすことができる。また、上棚板部170よりも後方への不要な光の放出量が低減される。また、表示パネル110に近い領域である領域Cについては、上照明部220から比較的に少ない光が照射されることで、上照明部220から表示パネル110に入射する光量が低減される。これにより、例えば、上照明部220の光によって表示パネル110が部分的に白く見える可能性が低減される。
このように、マイクロルーバ225が有する複数の遮光体226の粗密を調整することで、上棚板部170に照射する照明光の分布を調整することが可能である。なお、図9に示すマイクロルーバ225の構成は一例であり、例えば、遮光体226の粗密に加えてまたは換えて、遮光体226の傾きを変えることで、上照明部220から放出される光の配光角または配光特性を調整してもよい。つまり、マイクロルーバ225における複数の遮光体226のうちの1以上の遮光体226は、光源部221の光軸に対して傾いていてもよい。すなわち、1以上の遮光体226の傾きを調整することで、上照明部220から放出される光の配光角または配光特性を調整してもよい。
[1−5.効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る画像表示装置10は、画像表示部100であって、画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に画像表示部100の背面側の物体500が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能な表示パネル110を有する画像表示部100と、表示パネル110の動作を制御する制御部180と、保持部材である下棚板部160とを備える。下棚板部160は、画像表示部100の背面から後方に向けて立設されており、制御部180を収容した状態で保持する。
この構成によれば、表示パネル110の動作を制御する制御部180は、画像表示部100の背面から立設された保持部材である下棚板部160に保持される。つまり、表示パネル110が透過状態である場合において、下棚板部160及び上棚板部170は、ユーザの視線方向に沿った姿勢でユーザに視認される。そのため、下棚板部160の、ユーザの視野に入る面積は比較的に小さくなる。本実施の形態では、このように目立ち難い姿勢で配置される下棚板部160に、制御部180が保持される。そのため、表示パネル110が透過モードで動作している場合であっても、制御部180が、背面側の視野に与える影響が少ない。従って、画像表示装置10の動作制御に必要な制御部180を、透過モードで動作可能な画像表示部100の背面側に配置することができ、かつ、制御部180を人目から隠すことができる。また、保持部材として機能する下棚板部160に、写真、人形、または花瓶等の物体500を載置できる。このように、本実施の形態に係る画像表示装置10によれば、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10において、保持部材である下棚板部160は、画像表示部100の背面側において横方向に延設されている。
この構成によれば、保持部材として機能する下棚板部160の、1以上の物体500が置かれる棚としての有用性が高まる。また、横方向に延在する棚板部150は、例えば、画像表示部100を補強する梁として機能させることができる。これにより、例えば画像表示装置10の大型化が可能となる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10は、さらに、保持部材である下棚板部160を下方から支持する支持部材190を備える。
この構成によれば、下棚板部160の耐荷重が増加する。従って、例えば、下棚板部160が保持する要素(制御部180等)の数または重量を増加させることが可能となる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10において、支持部材190には、制御部180と接続された電線400が収容されている。
この構成によれば、支持部材190を、制御部180に電力及び/または各種の信号を供給する電線400を隠す部材として利用することができる。また、支持部材190、例えば、複数の電線400を束ねる部材としても利用することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10は、さらに、保持部材である下棚板部160に保持され、画像表示部100の前面側から音を放出するスピーカ装置184を備える。
具体的には、本実施の形態では、一対のスピーカ装置184が、制御部180とともに、下棚板部160に収容されており、これにより、制御部180だけでなく、一対のスピーカ装置184も人目から隠すことができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10は、さらに、表示パネル110の下方に配置され、背面側の物体を視認可能な板状の光透過パネル300を備える。
この構成によれば、例えば、外観上、表示パネル110と光透過パネル300とを、裏面に棚板部150を備える一連のガラス板のように認識させることができる。
(実施の形態2)
次に、図11〜図14を用いて実施の形態2に係る画像表示装置10aについて説明する。なお、以下では、実施の形態1と共通する構成要素及び動作内容については適宜省略し、実施の形態1との差分を中心に説明する。
図11は、実施の形態2に係る画像表示装置10aの、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。図12は、実施の形態2に係る棚板部250の構成概要を示す分解斜視図である。具体的には、図12では、棚板部250を棚本体部251と載置面部252とに分離して示している。
図13は、実施の形態2に係る表示パネル110及び照明部201の構成概要を示す断面図である。具体的には、図13は、図11におけるXIII−XIII線断面の一部を示す図である。図14は、実施の形態2に係る画像表示装置10aの側面図である。なお、図14では、右側壁部232の図示が省略され、かつ、表示パネル110及び照明部201の側面が簡易的に図示されている。
図11〜図14に示すように、本実施の形態に係る画像表示装置10aは、表示パネル110を有する画像表示部101と、棚板部150と、枠体230と、照明部201とを備える。本実施の形態では、画像表示部101が、枠体230及び棚板部250により形成される矩形環状の外囲部材によって、外周から囲まれ、かつ、支持される構造を有している。また、本実施の形態において、画像表示部101は、表示パネル110の前面を保護するための保護パネルなど、表示パネル110以外の部材を有してもよいが、その説明及び図示は省略する。
表示パネル110は、実施の形態1で説明したように、画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に、表示パネル110の背面側の物体が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能なディスプレイ装置である。表示パネル110は、図12に示すように、有機ELパネル111と、有機ELパネル111の背面側に配置された調光パネル112とを備える。図11では、表示パネル110は、第一透過モードで動作しており、表示パネル110の前面側から表示パネル110の背面側の物体500は視認可能である。また、図示は省略されているが、表示パネル110は、画像表示モード(図6参照)及び第二透過モード(図7参照)でも動作可能であり、これら表示パネル110の特徴は、実施の形態1及び2において共通する。
枠体230は、本実施の形態では、上壁部231、右側壁部232、及び左側壁部233を有する。上壁部231は、画像表示部101の上辺に沿って配置される。右側壁部232は、前面視における画像表示部101の右辺に沿って配置される。左側壁部233は、前面視における画像表示部101の左辺に沿って配置される。右側壁部232は、前面視において棚板部250の右端部に接続され、左側壁部233は、前面視において棚板部250の左端部に接続されている。上壁部231は、右側壁部232及び左側壁部233の上端部に接続されている。上壁部231及び棚板部250と、右側壁部232及び左側壁部233とは、例えばネジによって接続されている。なお、本実施の形態では、棚板部250は、枠体230とは別の部材として扱われるが、棚板部250は、枠体230の一部として扱われてもよい。
左側壁部233には、図11及び図12に示すように、前面視における画像表示部101の左端縁を保持する保持溝233aが形成されている。右側壁部232にも同様に、前面視における画像表示部101の右端縁を保持する保持溝(図示せず)が形成されている。上壁部231には、図12〜図14に示すように、画像表示部101の上端縁を保持する保持溝231aが形成されている。
本実施の形態では、上壁部231、右側壁部232、及び左側壁部233のそれぞれは木製である。そのため、画像表示装置10aは、図11に示すように第一透過モードで動作中は、前面がガラスで覆われた、物体500を展示するための家具または什器として認識される。
棚板部250は、画像表示部101の背面から後方に向けて立設されている。具体的には、棚板部250は、図11、図12、及び図14に示すように、画像表示部101の下端縁を支持する支持部255を前端部に有している。棚板部250は、支持部255よりも後方に、画像表示部101の背面から後方に向けて立設された部分を有している。また、棚板部250は横方向(左右方向)に延在しており、画像表示部101の下辺の全域を支持しかつ覆う大きさに形成されている。
物体500は、棚板部250の上面を形成する載置面部252に載置され、第一透過モードまたは第二透過モードで動作中の表示パネル110を介して、画像表示装置10aの前方のユーザによって視認される。表示パネル110の透過率は、例えば40%〜50%程度であるため、比較的に暗い環境に画像表示装置10aが置かれた場合に、ユーザが物体500を明瞭に視認できない可能性がある。そこで、画像表示装置10aでは、実施の形態1に係る画像表示装置10と同様に、物体500に照明光を照射する照明部201を有している。
照明部201は、画像表示部101の背面における上端部に配置されている。具体的には、図13に示すように、上壁部231に、照明部201が取り付けられる照明用溝231bが設けられている。照明部201は、光を放出する光源部202と、光源部202で発生する熱を放熱するためのヒートシンク205とを有している。ヒートシンク205は、光源部202を照明用溝231bに取り付けるため取付部材としても機能する。ヒートシンク205は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属製の部材である。光源部202は、X軸方向に長尺状の基板204と、基板204に実装された複数のLED素子203とを有する。照明部201は、実施の形態1に係る照明部200と同じく、表示パネル110の透過状態及び不透過状態の切り替えに同期してオンオフが切り替えられる(例えば図8参照)。これにより、例えば図14に示すように、照明部201の下方に位置する物体500に照明光が照射され、ユーザは、表示パネル110を介して、より明瞭に物体500を視認することができる。また、照明部201は、照明用溝231bに埋設されており、これにより、表示パネル110が透過状態になった場合において、照明部201から出射された光が、画像表示装置10aの前方に存在するユーザの目に直接的に入る可能性はない。
なお、図13には図示されていないが、本実施の形態に係る照明部201は、光源部202の光の配光角を制限する光学部材であるマイクロルーバを有してもよい。これにより、光源部202から放出される光を効率よく物体500に照射することができる。また、照明部201から表示パネル110に入射する光量が低減される。これにより、例えば、照明部201の光によって表示パネル110が部分的に白く見える可能性が低減される。
このように構成された画像表示装置10aにおいて、画像表示部101が有する表示パネル110及び照明部201の動作は、棚板部250に保持された制御部180によって制御される。棚板部250は、制御部180を収容した状態で保持する保持部材の一例であり、具体的には、図12に示すように、棚板部250の内部に制御部180が収容されている。制御部180は、棚板部250の厚み(Z軸方向の幅)内に収まるように、棚本体部251の底面251aに沿う姿勢で配置されている。つまり、平板状の制御部180は、棚板部250と同じく、画像表示部101の背面に対して起立した姿勢で棚板部250に収容されている。
なお、図12には図示されていないが、棚板部250には、実施の形態1に係る下棚板部160と同様に、スピーカ装置及び排気ファン等の電気機器が収容されてもよい。
以上説明したように、本実施の形態に係る画像表示装置10aは、画像表示部101であって、画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に画像表示部101の背面側の物体500が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能な表示パネル110を有する画像表示部101と、表示パネル110の動作を制御する制御部180と、保持部材である棚板部250とを備える。棚板部250は、画像表示部101の背面から後方に向けて立設されており、制御部180を収容した状態で保持する。
この構成によれば、表示パネル110の動作を制御する制御部180は、画像表示部100の背面から立設された保持部材である棚板部250に保持される。つまり、表示パネル110が透過状態である場合において、棚板部250は、ユーザの視線方向に沿った姿勢でユーザに視認される。そのため、棚板部250の、ユーザの視野に入る面積は比較的に小さくなる。本実施の形態では、このように目立ち難い姿勢で配置される棚板部250に、制御部180が保持される。そのため、表示パネル110が透過モードで動作している場合であっても、制御部180が、背面側の視野に与える影響が少ない。従って、画像表示装置10の動作制御に必要な制御部180を、透過モードで動作可能な画像表示部101の背面側に配置することができ、かつ、制御部180を人目から隠すことができる。また、保持部材として機能する棚板部250に、写真、人形、または花瓶等の物体500を載置できる。このように、本実施の形態に係る画像表示装置10によれば、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10aはさらに、前面視において、保持部材である棚板部250の右端部に接続され、画像表示部101を右側方から覆う右側壁部232と、前面視において、棚板部250の左端部に接続され、画像表示部101を左側方から覆う左側壁部233と、右側壁部232及び左側壁部233それぞれの上端部に接続され、画像表示部101を上方から覆う上壁部231と、を備える。
このように、本実施の形態では、枠体230及び棚板部250によって形成される矩形環状の外囲部材によって画像表示部101が囲まれており、これにより、画像表示装置10aは、全体としてシンプルな箱型形状となる。また、画像表示装置10aの下面を形成する棚板部250は、平面視における面積が比較的に大きく、また、制御部180及び物体500等の荷重が下向きに加えられる。そのため、棚板部250を、画像表示装置10aのスタンドとして利用することができ、例えば、住宅内の床面に画像表示装置10aを置くことも可能である。さらに、上述のように、例えば枠体230を木製とすることができ、これにより、画像表示装置10aを、室内において、物体500を展示するための家具または什器のように見せることもできる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これらに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
例えば、実施の形態1及び2に係る表示パネル110は、画像を表示するためのディスプレイ装置として、有機ELパネル111とは異なる種類のディスプレイ装置を有してもよい。具体的には、有機ELパネル111と同じく自発光型のディスプレイ装置である無機ELパネルが、有機ELパネル111の代わりに、表示パネル110に備えられてもよい。
また、第二透過モードは、表示パネル110の一部に画像が表示される動作モードであるため、「画像表示モード」の一種として扱われてもよい。例えば、図6に示される画像表示装置10の動作モードを、「第一画像表示モード」とし、図7に示される画像表示装置10の動作モードを、「第二画像表示モード」としてもよい。この場合、制御部180は、表示パネル110が画像表示モードで動作する場合、原則、照明部200に光の照射を停止させ、例外として、表示パネル110が第二画像表示モードで動作する場合は、照明部200に光を照射させる。これにより、表示パネル110が第二透過モードで動作する場合と同じく、部分画像121が表示される表示パネル110の一部を介して、ユーザに、表示パネル110の背面側の物体500を明瞭に視認させることができる。
また、棚板部150が、上下方向において離間して配置された2枚の棚板部(上棚板部170及び下棚板部160)を有することは必須ではない。棚板部150は、少なくとも、保持部材として機能する下棚板部160を有すればよい。つまり、下棚板部160のみが棚板部150として扱われてもよい。また、上棚板部170が、制御部180を保持する保持部材として機能してもよく、この場合、棚板部150は、少なくとも上棚板部170を有していればよい。
また、棚板部150は、上下方向または左右方向に分離した3以上の棚板部を有してもよい。いずれの場合であっても、棚板部150が有する1以上の棚板部のそれぞれに載置された物体500に光を照射するように、照明部200が配置されていればよい。すなわち、照明部200が、上下方向において離間して配置された2つの照明部(上照明部220及び下照明部210)で構成されることは必須ではない。照明部200は、棚板部150を構成する、物理的に分離された棚板部のそれぞれに向けて光を照射するように、1以上の照明部を有すればよい。
また、上照明部220における、光源部221の光の配光角を制限する光学部材は、マイクロルーバとは異なる種類の光学部材(例えば、レンズ、または、反射板など)であってもよい。下照明部210についても同様に、光学部材として、例えば、レンズ、または、反射板などが採用されてもよい。
また、例えば下棚板部160の根本部分(光透過パネル300に近い側の端部)に、光軸を、下斜め後方に向けた姿勢で第三照明部を配置してもよい。これにより、例えば、光透過パネル300の背面側に置かれた物体500を、第三照明部によって照らすことができる。なお、この場合、光透過パネル300の背面側に、物体500を載置するための棚板部(第三棚板部)が配置されてもよい。また、この場合、例えば、表示パネル110の透過状態及び不透過状態の切り替えに同期して、第三照明部のオン及びオフが切り替えられてもよく、また、画像表示装置10の主電源がオンの場合は常に、第三照明部がオンであってもよい。
また、実施の形態1及び2に係る調光シート113は、所定の電圧を印加すること(オンにすること)で、不透過状態から透過状態に切り替えられるとした。しかしながら、調光シート113は、所定の電圧を印加することで、透過状態から不透過状態に切り替えられてもよい。この場合、例えば、画像表示装置10の主電源がオフの場合であっても、調光シート113は透過状態を維持する。従って、画像表示装置10の主電源をオフにした状態においても、表示パネル110の前面側に存在するユーザに、表示パネル110の背面側の物体500を、表示パネル110を介して視認させることは可能である。なお、この場合、物体500を照らすために、画像表示装置10は、主電源がオフであっても照明部200をオン(点灯状態)にすることができる電気回路を有してもよい。
また、フレーム130の素材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属ではなくてもよい。例えば、フレーム130の素材として樹脂が採用されてもよい。
また、実施の形態1において、制御部180を保持する保持部材は下棚板部160であるとしたが、制御部180を保持する保持部材は、1以上の物体500を載置可能な棚板部として実現する必要はない。例えば、画像表示部100の裏面から後方に向けて立設された平板状のケースに、制御部180が保持されてもよい。この場合、当該ケースは、1以上の物体500の載置が不可能な、または、載置に適していない、形状、姿勢、サイズまたは強度であってもよい。この場合であっても、当該ケースは画像表示部100の裏面から後方に向けて立設されているため、透過モードで動作中の表示パネル110を前方から見た場合に、当該ケースは目立ち難い姿勢である。従って、画像表示装置10の動作制御に必要な制御部180を、透過モードで動作可能な画像表示部100の背面側に配置することができ、かつ、制御部180を人目から隠すことができる。
また、表示パネル110は、調光パネル112を有しなくてもよい。この場合、画像表示モードにおいて、有機ELパネル111の裏面からの光の入射が、調光パネル112によって遮られないため、表示画像の明瞭性が低下する場合がある。しかし、第一透過モード及び第二透過モードにおいて、調光パネル112による光透過性のロスがなくなるため、表示パネル110を介して物体500を見た場合における物体500の明瞭性が向上する。
また、上記の実施の形態1に関する補足事項は、実施の形態2について適用されてもよい。例えば、棚板部250ではなく、右側壁部232または左側壁部233が、制御部180を保持する保持部材として機能してもよい。この場合、画像表示装置10aの右側面または左側面における比較的に広い面積に、外部機器との接続を行うコネクタを配置することができる。
また、例えば、実施の形態2に係る画像表示装置10aは、上下に分離して配置される複数の棚板部を有してもよい。例えば、画像表示装置10aにおいて、棚板部250が、現在の棚板部250の位置に配置される下棚板部、及び、下棚板部と上壁部231との間に配置される上棚板部を有してもよい。この場合、照明部201は、実施の形態1に係る照明部200と同様に、上棚板部に置かれた物体500を照らすための上照明部と、下棚板部に置かれた物体500を照らすための下照明部とを有してもよい。また、この場合、下棚板部及び上棚板部のいずれか一方に制御部180が保持されてもよい。
また、実施の形態2に係る枠体230は木製である必要はない、例えば、上壁部231、右側壁部232、及び左側壁部233それぞれの少なくとも一部が、樹脂または金属で形成されていてもよい。
また、実施の形態2に係る画像表示装置10aは、棚板部250よりも下方に、画像表示装置10aを設置するためのスタンド等を有してもよい。また、画像表示装置10aの設置場所に特に限定はなく、例えば壁掛けユニットによって、画像表示装置10aが壁面に取り付けられてもよい。
また、上下方向または/及び左右方向に並べられた、物体500の載置が可能な複数の区画を有するラックにおける1つの区画に、画像表示部101が配置されてもよい。これにより、少なくとも1つの区画において物体500の展示及び画像の表示が可能であり、かつ、他の1以上の区画を用いて物体500を展示または収容することができる画像表示装置(またはラック)を構成することができる。
また、棚板部150及び250に物体500が載置されることは必須ではない。棚板部150は、画像表示装置10の躯体の一部としての機能のみを有してもよく、棚板部250は、画像表示装置10aの躯体の一部としての機能のみを有してもよい。また、照明部200及び201は、下方の物体500を照らすためではなく、画像表示装置10または10aが置かれた空間における照明(間接照明)として用いられてもよい。
また、棚板部150及び250に物体500が載置されるか否かにかかわらず、画像表示装置10は照明部200を備えなくてもよく、画像表示装置10aは照明部201を備えなくてもよい。例えば、画像表示装置10(10a)が、背面から外光または照明光が入射する環境に置かれことが前提である場合、画像表示装置10(10a)は、照明部200(201)を備えなくてもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、テレビジョン受像機、モニタディスプレイ、または、デジタルサイネージなどの画像表示装置に適用可能である。
10、10a 画像表示装置
100、101 画像表示部
110 表示パネル
111 有機ELパネル
112 調光パネル
113 調光シート
114a 第一ガラス板
114b 第二ガラス板
120 画像
121 部分画像
130 フレーム
131 Tフレーム
131a、231a、233a 保持溝
131b、231b 照明用溝
132 Rフレーム
133 Lフレーム
134 Bフレーム
135 Mフレーム
135a 開口部
150、250 棚板部
160 下棚板部
161、251 棚本体部
161a、251a 底面
162、252 載置面部
170 上棚板部
172 取付部材
180 制御部
181 回路基板
182 電子部品
184 スピーカ装置
189 排気ファン
190 支持部材
200、201 照明部
210 下照明部
202、211、221 光源部
203、212、222 LED素子
204、213、223 基板
215、225 マイクロルーバ
220 上照明部
226 遮光体
230 枠体
231 上壁部
232 右側壁部
233 左側壁部
255 支持部
300 光透過パネル
400 電線
500、500a、500b 物体
本開示は、透過モードで動作可能な表示パネルを備える画像表示装置に関する。
特許文献1は、透明ディスプレイを備えるディスプレイ装置を開示する。このディスプレイ装置は、透明な有機発光ダイオード(organic light−emitting diode:OLED)素子を用いてディスプレイを行う第1パネルと、第1パネルの背面に配置し、背面からの光を遮断または透過させる、高分子分散型液晶を用いた第2パネルと、第2パネルを透明な状態または不透明な状態に切り替える制御部を備える。このディスプレイ装置では、第2パネルを透明にすることで、第1パネルの背面の物体の像と第1パネルの像とを同時に鑑賞することができる。また、第2パネルを不透明にすることで、第1パネル背面からの外光の介入のないコントラストの良い鮮明な画像を表示する事が可能となる。
本開示は、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができる画像表示装置を提供する。
本開示における画像表示装置は、画像表示部であって、画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に前記画像表示部の背面側の物体が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能な表示パネルを有する画像表示部と、前記表示パネルの動作を制御する制御部と、前記画像表示部の背面から後方に向けて立設された保持部材であって、前記制御部を保持する保持部材とを備える。
本開示の画像表示装置によれば、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができる。
図1は、実施の形態1に係る画像表示装置の、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る表示パネル及び上照明部の構成概要を示す断面図である。
図3は、実施の形態1に係る表示パネル及び下照明部の構成概要を示す断面図である。
図4は、実施の形態1に係る画像表示装置の側面図である。
図5は、実施の形態1に係る下棚板部の構成概要を示す分解斜視図である。
図6は、実施の形態1に係る画像表示装置の、画像表示モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図7は、実施の形態1に係る画像表示装置の、第二透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図8は、実施の形態1に係る画像表示装置の表示パネル及び照明部の動作を、動作モードごとにまとめた表を示す図である。
図9は、実施の形態1に係るマイクロルーバの構成例を示す図である。
図10は、図9に示すマイクロルーバによる配光角制御の結果の一例を示す図である。
図11は、実施の形態2に係る画像表示装置の、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図12は、実施の形態2に係る棚板部の構成概要を示す分解斜視図である。
図13は、実施の形態2に係る表示パネル及び照明部の構成概要を示す断面図である。
図14は、実施の形態2に係る画像表示装置の側面図である。
本願発明者は、従来の画像表示装置に関し、以下の問題が生じることを見出した。上記従来の透明ディスプレイのように、画像を表示する状態と透過状態との切り替え可能な表示パネルは、例えば、ガラス基板上に配置された複数の有機EL素子とを有する有機ELパネルと、高分子分散型液晶への電圧の印加の有無により光の透過及び不透過を切り替える調光シートとを有している。
この表示パネルにおいて、例えば、有機ELパネルに画像を表示せず、かつ、調光シートをオン(透過状態)とすることで、表示パネルの前面側に存在するユーザに、表示パネルの背面側の物体を視認させることができる。
ここで、一般に、画像表示装置の動作を制御する制御部は、有機ELパネル等の表示パネルの裏面に沿う姿勢で配置される。しかしながら、上記従来の透明ディスプレイ等の画像表示装置では、表示パネルの透過及び不透過の切り替え等の制御を行う制御部を、表示パネルの背面側に配置した場合、表示パネルの透過性が制御部に阻害されるという問題が生じる。つまり、制御部を表示パネルの裏面と平行な姿勢で配置した場合、制御部は比較的に広い面で表示パネルの一部を覆う。これにより、表示パネルの全域が透過状態になった場合であっても、制御部が配置された領域は、表示パネルを介して背面側の物体が視認できない状態のままである。すなわち、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができない。
この問題を解決するために、例えば、制御部を、ディスプレイ装置を収容する筐体とは別の筐体に収容することが考えられる。しかしながらこの場合、本体部と制御部とが別体であることで、例えば、画像表示装置の搬送または設置が煩雑化するという別の問題が生じ得る。
本開示は、このような知見に基づいてなされたものであり、本願発明者が鋭意検討した結果、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができる画像表示装置の構造についての着想を得た。
以下、適宜図面を参照しながら実施の形態を説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、本願発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
また、以下の実施の形態において、説明の便宜上、上下方向をZ軸方向と一致させ、前後方向をY軸方向と一致させ、左右方向をX軸方向と一致させているが、これら対応付けは、本開示に係る画像表示装置の製造時または使用時における姿勢を限定するものではない。また、以下の説明において、例えば、X軸プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸マイナス側とは、X軸プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
さらに、以下の実施の形態において、平行及び直交などの、2つの方向の相対的な姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密にはその姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行である、という場合、特に断りのない限り、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
(実施の形態1)
以下、図1〜図10を用いて実施の形態1を説明する。まず、図1〜図4を用いて、実施の形態1に係る画像表示装置の構成概要について説明する。
[1−1.画像表示装置の構成概要]
図1は、実施の形態1に係る画像表示装置10の、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。図2は、実施の形態1に係る表示パネル110及び上照明部220の構成概要を示す断面図である。具体的には、図2は、図1におけるII−II線断面を示す図である。図3は、実施の形態1に係る表示パネル110及び下照明部210の構成概要を示す断面図である。具体的には、図3は、図1におけるIII−III線断面の一部を示す図である。図4は、実施の形態1に係る画像表示装置10の側面図である。なお、図4では、表示パネル110及び光透過パネル300のおおよその配置位置が、点線または一点鎖線で表されている。
図1〜図4に示すように、本実施の形態に係る画像表示装置10は、表示パネル110及び表示パネル110を支持するフレーム130を有する画像表示部100と、棚板部150と、照明部200と、フレーム130に支持される光透過パネル300とを備える。
フレーム130は、本実施の形態では、Tフレーム131、Rフレーム132、Lフレーム133、Bフレーム134、及びMフレーム135を有する。Tフレーム131は、表示パネル110の上辺に沿って配置される。Rフレーム132は、前面視における表示パネル110の右辺に沿って配置される。Lフレーム133は、前面視における表示パネル110の左辺に沿って配置される。Bフレーム134は、光透過パネル300の下辺に沿って配置される。Mフレーム135は、表示パネル110と光透過パネル300との間に配置される。つまり、Mフレーム135は、Rフレーム132とLフレーム133との間に渡されるように配置される。これらの部分的なフレーム(131〜135)のそれぞれは、隣接する他の部分的なフレームと機械的に接続されている。
なお、フレーム130の素材としては、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属が採用される。これにより、例えば、比較的に重量が小さなフレーム130であって、かつ、強度の高いフレーム130を得ることができる。また、フレーム130を、照明部200等で発する熱を外部に放熱する放熱部材として機能させることも可能である。
上記構成を有するフレーム130において、表示パネル110は、Tフレーム131、Rフレーム132、Lフレーム133、及びMフレーム135によって支持される。また、光透過パネル300は、Mフレーム135、Rフレーム132、Lフレーム133、及びBフレーム134によって支持される。なお、フレーム130は、上記のように、5つの部材に分割されていることは必須ではない。例えば、T、R、L、Bフレーム(131〜134)に対応する角環状のフレーム、及び、Mフレーム135の2つの部材でフレーム130が形成されてもよい。
表示パネル110は、画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に、画像表示部100の背面側の物体が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能なディスプレイ装置である。具体的には、図2及び図3に示すように、有機EL(electro−luminescence)パネル111と、有機ELパネル111の背面側に配置された調光パネル112とを備える。なお、表示パネル110に表示される「画像」は、静止画及び動画のいずれであってもよく、静止画及び動画の両方を含む映像コンテンツであってもよい。
本実施の形態において、有機ELパネル111では、EL層と、EL層を挟む透明電極とを有する有機EL素子がマトリクス状に配列されており、画像(背景画像を含む)を表示しない領域は、一般的に透明と呼ばれる程度の光透過性を有している。
また、調光パネル112は、調光シート113と、調光シート113の前面側に配置された第一ガラス板114aと、調光シート113の背面側に配置された第二ガラス板114bとを有する。調光シート113は、所定の電圧の印加の有無により、光の透過及び不透過を切替可能な部材である。調光シート113は、例えば、電圧の印加の有無によって配向状態を変化させる液晶分子を含有する液晶層と、液晶層を挟む樹脂製のシートとで構成されている。
上記の有機ELパネル111と調光パネル112とが重ね合わされた構造を有する表示パネル110では、例えば図1に示すように、有機ELパネル111に画像を表示させず、かつ、調光シート113に所定の電圧を印加する(調光シート113をオンにする)ことで、画像表示部100の背面側の物体500が視認可能な透過状態となる。本実施の形態では、この動作モードを、透過モードという。
なお、表示パネル110が透過モードで動作する場合、より詳細には、図1に示すように有機ELパネル111に画像が表示されない場合と、有機ELパネル111の一部に画像が表示される場合とがある。そのため、これらの動作モードを区別するために、図1に示すように有機ELパネル111に画像が表示されない場合を、第一透過モードと呼び、有機ELパネル111の一部に画像が表示される場合を第二透過モードと呼ぶ。第二透過モードについては、図7を用いて後述する。また、表示パネル110は、上記説明された構成要素の他、例えば、反射防止フィルムなどの光学部材を備えてもよい。
表示パネル110を含む画像表示部100の背面には、後方に向けて立設された棚板部150が配置されている。本実施の形態では、棚板部150は、図1に示すように、上棚板部170と、下棚板部160とを含む。上棚板部170は、第一棚板部の一例であり、下棚板部160は、第二棚板部の一例である。上棚板部170及び下棚板部160は、フレーム130に固定されている。また、下棚板部160は、図1及び図4に示すように、支持部材190によって下方から支持されている。支持部材190には、図5を用いて後述する、下棚板部160に収容される制御部等と電気的に接続される電線400が収容されている。
上棚板部170及び下棚板部160のそれぞれには、物体500(写真、人形、花瓶、玩具、模型、または絵画等)を載置可能であり、表示パネル110が第一透過モードで動作する場合、ユーザは、表示パネル110を介して、上棚板部170及び下棚板部160のそれぞれに載置された物体500を視認することができる。
下棚板部160の前方には、Rフレーム132とLフレーム133との間に渡されるMフレーム135が配置される。Mフレーム135には、下棚板部160に収容される一対のスピーカ装置が発する音の出口である一対の開口部135aが形成されている。なお、図示は省略されているが、Mフレーム135の前面には、例えば下棚板部160と同じ模様のシート(木目シートなど)が貼付される。これにより、Mフレーム135は、外観上、下棚板部160の一部のように認識される。また、当該シートの、開口部135aの位置には、開口部135aからの音の出力が妨げられないように、例えば微細な孔が複数形成されている。
また、Mフレーム135は、光透過パネル300の上端を支持する役目も有している。光透過パネル300は、表示パネル110の下方に配置され、背面側の物体を視認可能な板状の光透過部材の一例である。光透過パネル300は、例えばガラス板によって実現される。より具体的には、光透過パネル300は、透過モードで動作している状態における表示パネル110の光透過率と同程度の光透過率を有するように形成される。また、光透過パネル300の色も、透過モードで動作している状態における表示パネル110の色に近くなるように調整される。これにより、表示パネル110が透過モードで動作している場合、外観上、表示パネル110と光透過パネル300とは、裏面に上下2段の棚板を備える一連のガラス板のように認識される。
ここで、表示パネル110は、上述のように、有機EL素子及び液晶などの微細な遮光要素が分散して配置されているため、第一透過モードで動作する場合であっても、光の透過率は、例えば40%〜50%程度である。従って、例えば比較的に暗い環境に画像表示装置10が置かれた場合、ユーザは、表示パネル110の背面側にある物体500を明瞭に視認できない可能性がある。
しかしながら、本実施の形態に係る画像表示装置10は、照明部200を備えており、照明部200から出射される光により、表示パネル110の背面側にある物体500を照らすことができる。
具体的には、本実施の形態に係る照明部200は、図2〜図4に示すように、上照明部220と下照明部210とを有する。上照明部220は、第一照明部の一例であり、下照明部210は第二照明部の一例である。
上照明部220は、画像表示部100の背面における上端部に配置されている。具体的には、図2に示すように、Tフレーム131に、表示パネル110の上端部を保持する保持溝131aと、上照明部220が取り付けられる照明用溝131bとが設けられている。上照明部220は、光を放出する光源部221と、光源部221の光の放出側に配置されたマイクロルーバ225とを有している。マイクロルーバ225は、光源部221の光の配光角を制限する光学部材の一例である。上照明部220は、照明用溝131bに埋設されており、これにより、表示パネル110が透過状態になった場合において、上照明部220から出射された光が、画像表示装置10の前方に存在するユーザの目に直接的に入る可能性はない。
光源部221は、X軸方向に長尺状の基板223と、基板223に実装された複数のLED素子222とを有する。マイクロルーバ225は、光源部221に沿って配置されたX軸方向に長尺状の部材であり、X軸方向に延設された遮光体と透光体とが、短手方向に交互に並べられた構造を有している。マイクロルーバ225のより具体的な構成例については、図9及び図10を用いて後述する。
下照明部210は、上棚板部170における根本部分に配置されている。具体的には、図3に示すように、上棚板部170の、フレーム130側の端部の下面に、下照明部210を取り付けるための取付部材172が配置されている。下照明部210は、取付部材172を介して上棚板部170に固定されている。
下照明部210は、上照明部220と共通する構成および特徴を有している。すなわち、下照明部210は、光を放出する光源部211と、光源部211の光の放出側に配置されたマイクロルーバ215とを有している。マイクロルーバ215は、光源部211の光の配光角を制限する光学部材の一例である。
光源部211は、X軸方向に長尺状の基板213と、基板213に実装された複数のLED素子212とを有する。マイクロルーバ215は、光源部211に沿って配置されたX軸方向に長尺状の部材であり、X軸方向に延設された遮光体と透光体とが、短手方向に交互に並べられた構造を有している。
なお、マイクロルーバ225(215)は、例えば指向性半値角が120°程度である、LED素子222(212)からの光の配光角を、60°程度に制限することができる。また、マイクロルーバ225(215)は、例えば、光源部221(211)を外部から隠す役割、及び、LED素子222(212)が点在することによる光の粒子感を抑制する役割を備えている。
上記のように構成された照明部200により、棚板部150に載置された1以上の物体500が照らされる。つまり、図4に示すように、上照明部220から放出された光によって、上棚板部170に載置された物体500bが照らされ、下照明部210から放出された光によって下棚板部160に載置された物体500aが照らされる。
より具体的には、上照明部220では、光源部221から放出された光の配光角は、マイクロルーバ225によって狭められる。つまり、上照明部220から放出される光は、マイクロルーバ225により、Y軸方向において、上棚板部170を中心とする所定の範囲内に収まるよう制限される。従って、上照明部220から放出される光の、表示パネル110への入射量は抑制され、例えば、前面から表示パネル110を見た場合に、上照明部220の光によって部分的に白く見える可能性が低減される。また、上棚板部170よりも後方の領域を、上照明部220が不必要に明るく照らす状態が発生し難い。
下照明部210についても同様に、光源部211から放出された光の配光角は、マイクロルーバ215によって制限され、これにより、当該光の照射範囲が、下棚板部160を中心とする所定の範囲内に収められる。従って、下照明部210から放出される光は、表示パネル110に入射し難い。また、下照明部210が、下棚板部160よりも後方の領域を不必要に明るく照らす状態が発生し難い。
[1−2.下棚板部]
次に、本実施の形態に係る下棚板部160の構成について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態1に係る下棚板部160の構成概要を示す分解斜視図である。具体的には、図5では、下棚板部160を棚本体部161と載置面部162とに分離して示している。
本実施の形態において、下棚板部160は、制御部180を収容した状態で保持する保持部材の一例であり、具体的には、図5に示すように、下棚板部160の内部に、制御部180が収容されている。制御部180は、表示パネル110及び照明部200の動作を制御する。制御部180は、1以上の回路基板181、及び、1以上の回路基板181に実装された複数の電子部品182等で構成されている。制御部180は、下棚板部160の厚み(Z軸方向の幅)内に収まるように、棚本体部161の底面161aに沿う姿勢で配置されている。つまり、平板状の制御部180は、下棚板部160と同じく、画像表示部100の背面に対して起立した姿勢で下棚板部160に収容されている。
また、下棚板部160にはさらに、画像表示部100の前面側から音を放出するスピーカ装置が収容されている。本実施の形態では、例えば2chステレオ音声を出力するための一対のスピーカ装置184が、下棚板部160の内部に収容されている。一対のスピーカ装置184のそれぞれの前方には、上述のように、Mフレーム135に形成された開口部135aが存在し、スピーカ装置184から出力される音は、開口部135aを介して画像表示装置10の前方に放出される。このように、本実施の形態では、制御部180を保持する下棚板部160は、制御部180及びスピーカ装置184を隠す部材としても機能する。
また、下棚板部160にはさらに、制御部180及びスピーカ装置184等の、下棚板部160の内部に収容された装置を冷却するための排気ファン189を2つ備えている。これら2つの排気ファン189が駆動することで、例えば、下棚板部160に形成された孔または隙間から外気が下棚板部160の内部に導入され、制御部180及びスピーカ装置184等を冷却して2つの排気ファン189から外部に放出される。
なお、下棚板部160に収容される要素は、制御部180及びスピーカ装置184等の装置には限定されず、例えば、図示しないテレビチューナ及び光ディスクプレーヤ等が収容されてもよい。
上記のように、制御部180及びスピーカ装置184を保持する下棚板部160は、支持部材190によって下方から支持されている。そのため、下棚板部160の耐荷重が増加する。従って、例えば、下棚板部160に収容される要素(制御部180等)の数または重量を増加させることが可能となる。また、支持部材190には、少なくとも制御部180と電気的に接続された電線400が収容されている。電線400は、例えば、商用電源と接続された電源ケーブル、または、外部のAV(Audio Visual)機器と接続された信号ケーブルである。なお、支持部材190に複数の電線400が収容されてもよい。つまり、下棚板部160を下方から支持する支持部材190は、例えば、制御部180に電力及び/または各種の信号を供給する電線400を隠す部材として利用することができる。また、支持部材190、例えば、複数の電線400を束ねる部材としても利用することができる。
[1−3.画像表示装置の動作例]
以上のように構成された画像表示装置10の動作例を、図6〜図8を用いて説明する。図6は、実施の形態1に係る画像表示装置10の、画像表示モードで動作している状態を示す外観斜視図である。図7は、実施の形態1に係る画像表示装置10の、第二透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。図8は、実施の形態1に係る画像表示装置10の表示パネル及び照明部の状態を、動作モードごとにまとめた表を示す図である。
なお、上述の第一透過モード(図1参照)、並びに、以下で説明する画像表示モード及び第二透過モードの各々の動作モード間の切り替えは、例えば、画像表示装置10を操作する専用リモコンもしくは汎用の携帯端末、または、画像表示装置10に画像データを供給するAV機器等からの制御信号に基づいて行われる。また、例えば、画像データに付加された情報に基づいて、画像表示装置10の制御部180が動作モードを切り替えてもよい。
図6に示すように、画像表示装置10は、表示パネル110に画像120を表示する画像表示モードで動作する。より詳細には、制御部180は、有機ELパネル111の画像表示領域の全域に画像120を表示させ、かつ、調光パネル112の調光シート113をオフ(不透過)にする。さらに制御部180は、照明部200(上照明部220及び下照明部210)をオフ(消灯)にする。これにより、有機ELパネル111の裏面からの光の入射が、調光シート113によって遮られ、かつ、照明部200による光の照射は停止される。その結果、表示パネル110に表示される画像120は、表示パネル110の背面側からの光の影響をほぼ受けることなく、明瞭に表示される。
なお、表示パネル110に表示される画像に対応する画像データは、下棚板部160に収容されているテレビチューナ、または、電線400に接続されたAV機器等から制御部180に供給される。制御部180は、供給される画像データに基づいて有機ELパネル111を駆動し、これにより、表示パネル110に画像が表示される。なお、画像データの供給元に特に限定はなく、例えば、画像表示装置10に接続されたハードディスクまたは半導体メモリから画像データが制御部180に読み込まれてもよい。また、制御部180は、例えば、Bluetooth(登録商標)またはWi−Fi(登録商標)等の所定の規格に従った無線通信を介して、パーソナルコンピュータ、タブレット、またはスマートフォン等から画像データを取得してもよい。
また、例えば、「動作モードの切り替え時に調光シート113をオフにする」、と言う場合、動作モードの切り替え前において、調光シート113がオフであれば、調光シート113をオフのまま維持することを意味する。このことは、「調光シート113をオンにする」との表現についても同じであり、照明部200等の他の装置のオン及びオフについても同じである。
また、図7に示すように、画像表示装置10は、表示パネル110を透過状態とし、かつ、表示パネル110に画像を表示する第二透過モードで動作する。すなわち、図1を用いて説明した第一透過モードでは、表示パネル110には画像が表示されず、全面が透過状態になるのに対し、第二透過モードでは、表示パネル110の一部が透過状態となり、他の部分には画像(部分画像121)が表示される状態となる。
第二透過モードでは、制御部180は、有機ELパネル111の画像表示領域の一部に部分画像121を表示させ、かつ、調光パネル112の調光シート113をオン(透過)にする。さらに制御部180は、照明部200(上照明部220及び下照明部210)をオン(点灯)にする。これにより、ユーザは、有機ELパネル111における部分画像121が表示されていない領域を介して、棚板部150に載置された物体500を視認することができる。また、このとき、棚板部150に載置された物体500には、照明部200からの光が照射され、これにより、仮に、画像表示装置10が比較的に暗い環境に置かれている場合であっても、ユーザは物体500を明瞭に視認することができる。
さらに、例えば、棚板部150に載置された物体500とともに、部分画像121をユーザに見せることができるため、例えば、物体500と部分画像121との組み合わせにより、仮想現実(AR:Augumented Reality)映像をユーザに提供することも可能である。
なお、1以上の部分画像121のそれぞれは、動画及び静止画のいずれであってもよい。また、部分画像121そのものが動画及び静止画のいずれであっても、表示パネル110における部分画像121の位置は一定であってもよく、また、変化してもよい。
なお、表示パネル110に1以上の部分画像121を表示するための画像データは、画像表示モード(図6参照)における画像120と同じく、テレビチューナ、AV機器、またはパーソナルコンピュータ等から制御部180に供給される。
以上のように、画像表示装置10は、画像表示モード、及び透過モード(第一透過モード及び第二透過モード)で動作することができる。各動作モードにおける、表示パネル110及び照明部200の状態(動作内容)をまとめると、図8のように示される。
すなわち、画像表示装置10が、画像が全画面表示される画像表示モードで動作する場合、有機ELパネル111には画像が表示され(画像表示がオン)、調光シート113はオフ(不透過)となり、照明部200もオフ(消灯)となる。これにより、例えば、ユーザは、画像表示装置10で、通常のテレビ放送、または、AV機器で再生される映画等を、適切な画質で視聴することができる。
また、画像表示装置10が、画像を表示しない第一透過モードで動作する場合、有機ELパネル111には画像が表示されず(画像表示がオフ)、調光シート113はオン(透過)となり、照明部200もオン(点灯)となる。これにより、例えば、ユーザは、画像表示装置10の棚板部150に載置された1以上の物体500を、表示パネル110を介して明瞭に視認することができる。
また、画像表示装置10は、一部のみに画像を表示する第二透過モードで動作する場合、有機ELパネル111の画像表示領域の一部のみに画像が表示され(画像表示がオン)、調光シート113はオン(透過)となり、照明部200もオン(点灯)となる。これにより、例えば、ユーザは、表示パネル110に表示される仮想の物体(部分画像121(図7参照))と、棚板部150に載置された1以上の現実の物体500とを、1つの画面内で同時に見ることができる。
このように、本実施の形態に係る画像表示装置10では、調光シート113が透過状態となる透過モード(第一透過モード及び第二透過モード)動作する場合は、制御部180は、照明部200をオンにする。つまり、透過モードは、表示パネル110の少なくとも一部を介して背面側の物体500を視認させる動作モードであり、この場合、制御部180は、照明部200をオンにすることで、照明部200に光を放出させる。これにより、表示パネル110を前方から見た場合における物体500の明瞭性であって、光の透過率が比較的に低い表示パネル110の背面側に配置された物体500の明瞭性を向上させることができる。
[1−4.マイクロルーバの構成例]
次に、図9及び図10を用いて、実施の形態1に係る照明部200が備える、光の配光角を制限する光学部材であるマイクロルーバの構成例について説明する。
図9は、実施の形態1に係るマイクロルーバ225の構成例を示す図であり、図10は、図9に示すマイクロルーバ225による配光角制御の結果の一例を示す図である。
なお、図9、図10及びその説明では、上照明部220が有するマイクロルーバ225に着目し、その図示及び説明を行っているが、マイクロルーバ225に関する特徴的な事項は、下照明部210が有するマイクロルーバ215に適用されてもよい。
また、図9における一点鎖線は、光源部221の光軸を表している。また、図10では、上照明部220がオンの場合における、上棚板部170における明るさの分布をドットの濃淡で模式的に示しており、ドットが濃いほど明るいこと意味する。また、図10において、マイクロルーバ225及び光源部221は、光源部221と上棚板部170との間にマイクロルーバ225が配置されることを表すために、模式的に図示されており、それらの姿勢は実際の姿勢とは異なる。
図9に示すように、マイクロルーバ225における複数の遮光体226は、複数の遮光体226の並び方向(マイクロルーバ225の短手方向)において等間隔で並んでいなくてもよい。例えば図9に示すように、マイクロルーバ225を、短手方向において3つの領域(領域a、b、c)に分割した場合を想定する。この場合、領域a、b、cのそれぞれにおける、短手方向の単位長さあたりの遮光体226の数(密度:Da、Db、Dc)は、Db<Da<Dcであってもよい。
この場合、短手方向において、マイクロルーバ225の中央部分では遮光体226が粗に並べられることで、マイクロルーバ225から放出される光量が多くなる。マイクロルーバ225の後端部分(Y軸プラス側の端部)では、遮光体226が密に並べられることで、マイクロルーバ225から放出される光量が少なくなる。マイクロルーバ225の前端部分(Y軸マイナス側の端部)では、遮光体226がさらに密に並べられることで、マイクロルーバ225から放出される光量がさらに少なくなる。
その結果、上照明部220によって照らされる、上棚板部170における光量の分布は、図10に示すように模式的に表される。すなわち、マイクロルーバ225の領域a、b、cに放出される光に照らされる、上棚板部170の領域をA、B、Cとした場合、領域Bが最も明るく、次に領域Aが明るく、領域Cが、領域A、B、Cのうちで最も暗くなる。つまり、上棚板部170の奥行方向(Y軸方向)の中央部から後端にかけて、多くの光が照射され、これにより、例えば、上棚板部170に載置された物体500を効率よく照らすことができる。また、上棚板部170よりも後方への不要な光の放出量が低減される。また、表示パネル110に近い領域である領域Cについては、上照明部220から比較的に少ない光が照射されることで、上照明部220から表示パネル110に入射する光量が低減される。これにより、例えば、上照明部220の光によって表示パネル110が部分的に白く見える可能性が低減される。
このように、マイクロルーバ225が有する複数の遮光体226の粗密を調整することで、上棚板部170に照射する照明光の分布を調整することが可能である。なお、図9に示すマイクロルーバ225の構成は一例であり、例えば、遮光体226の粗密に加えてまたは換えて、遮光体226の傾きを変えることで、上照明部220から放出される光の配光角または配光特性を調整してもよい。つまり、マイクロルーバ225における複数の遮光体226のうちの1以上の遮光体226は、光源部221の光軸に対して傾いていてもよい。すなわち、1以上の遮光体226の傾きを調整することで、上照明部220から放出される光の配光角または配光特性を調整してもよい。
[1−5.効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る画像表示装置10は、画像表示部100であって、画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に画像表示部100の背面側の物体500が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能な表示パネル110を有する画像表示部100と、表示パネル110の動作を制御する制御部180と、保持部材である下棚板部160とを備える。下棚板部160は、画像表示部100の背面から後方に向けて立設されており、制御部180を収容した状態で保持する。
この構成によれば、表示パネル110の動作を制御する制御部180は、画像表示部100の背面から立設された保持部材である下棚板部160に保持される。つまり、表示パネル110が透過状態である場合において、下棚板部160及び上棚板部170は、ユーザの視線方向に沿った姿勢でユーザに視認される。そのため、下棚板部160の、ユーザの視野に入る面積は比較的に小さくなる。本実施の形態では、このように目立ち難い姿勢で配置される下棚板部160に、制御部180が保持される。そのため、表示パネル110が透過モードで動作している場合であっても、制御部180が、背面側の視野に与える影響が少ない。従って、画像表示装置10の動作制御に必要な制御部180を、透過モードで動作可能な画像表示部100の背面側に配置することができ、かつ、制御部180を人目から隠すことができる。また、保持部材として機能する下棚板部160に、写真、人形、または花瓶等の物体500を載置できる。このように、本実施の形態に係る画像表示装置10によれば、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10において、保持部材である下棚板部160は、画像表示部100の背面側において横方向に延設されている。
この構成によれば、保持部材として機能する下棚板部160の、1以上の物体500が置かれる棚としての有用性が高まる。また、横方向に延在する棚板部150は、例えば、画像表示部100を補強する梁として機能させることができる。これにより、例えば画像表示装置10の大型化が可能となる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10は、さらに、保持部材である下棚板部160を下方から支持する支持部材190を備える。
この構成によれば、下棚板部160の耐荷重が増加する。従って、例えば、下棚板部160が保持する要素(制御部180等)の数または重量を増加させることが可能となる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10において、支持部材190には、制御部180と接続された電線400が収容されている。
この構成によれば、支持部材190を、制御部180に電力及び/または各種の信号を供給する電線400を隠す部材として利用することができる。また、支持部材190、例えば、複数の電線400を束ねる部材としても利用することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10は、さらに、保持部材である下棚板部160に保持され、画像表示部100の前面側から音を放出するスピーカ装置184を備える。
具体的には、本実施の形態では、一対のスピーカ装置184が、制御部180とともに、下棚板部160に収容されており、これにより、制御部180だけでなく、一対のスピーカ装置184も人目から隠すことができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10は、さらに、表示パネル110の下方に配置され、背面側の物体を視認可能な板状の光透過パネル300を備える。
この構成によれば、例えば、外観上、表示パネル110と光透過パネル300とを、裏面に棚板部150を備える一連のガラス板のように認識させることができる。
(実施の形態2)
次に、図11〜図14を用いて実施の形態2に係る画像表示装置10aについて説明する。なお、以下では、実施の形態1と共通する構成要素及び動作内容については適宜省略し、実施の形態1との差分を中心に説明する。
図11は、実施の形態2に係る画像表示装置10aの、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。図12は、実施の形態2に係る棚板部250の構成概要を示す分解斜視図である。具体的には、図12では、棚板部250を棚本体部251と載置面部252とに分離して示している。
図13は、実施の形態2に係る表示パネル110及び照明部201の構成概要を示す断面図である。具体的には、図13は、図11におけるXIII−XIII線断面の一部を示す図である。図14は、実施の形態2に係る画像表示装置10aの側面図である。なお、図14では、右側壁部232の図示が省略され、かつ、表示パネル110及び照明部201の側面が簡易的に図示されている。
図11〜図14に示すように、本実施の形態に係る画像表示装置10aは、表示パネル110を有する画像表示部101と、棚板部150と、枠体230と、照明部201とを備える。本実施の形態では、画像表示部101が、枠体230及び棚板部250により形成される矩形環状の外囲部材によって、外周から囲まれ、かつ、支持される構造を有している。また、本実施の形態において、画像表示部101は、表示パネル110の前面を保護するための保護パネルなど、表示パネル110以外の部材を有してもよいが、その説明及び図示は省略する。
表示パネル110は、実施の形態1で説明したように、画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に、表示パネル110の背面側の物体が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能なディスプレイ装置である。表示パネル110は、図12に示すように、有機ELパネル111と、有機ELパネル111の背面側に配置された調光パネル112とを備える。図11では、表示パネル110は、第一透過モードで動作しており、表示パネル110の前面側から表示パネル110の背面側の物体500は視認可能である。また、図示は省略されているが、表示パネル110は、画像表示モード(図6参照)及び第二透過モード(図7参照)でも動作可能であり、これら表示パネル110の特徴は、実施の形態1及び2において共通する。
枠体230は、本実施の形態では、上壁部231、右側壁部232、及び左側壁部233を有する。上壁部231は、画像表示部101の上辺に沿って配置される。右側壁部232は、前面視における画像表示部101の右辺に沿って配置される。左側壁部233は、前面視における画像表示部101の左辺に沿って配置される。右側壁部232は、前面視において棚板部250の右端部に接続され、左側壁部233は、前面視において棚板部250の左端部に接続されている。上壁部231は、右側壁部232及び左側壁部233の上端部に接続されている。上壁部231及び棚板部250と、右側壁部232及び左側壁部233とは、例えばネジによって接続されている。なお、本実施の形態では、棚板部250は、枠体230とは別の部材として扱われるが、棚板部250は、枠体230の一部として扱われてもよい。
左側壁部233には、図11及び図12に示すように、前面視における画像表示部101の左端縁を保持する保持溝233aが形成されている。右側壁部232にも同様に、前面視における画像表示部101の右端縁を保持する保持溝(図示せず)が形成されている。上壁部231には、図12〜図14に示すように、画像表示部101の上端縁を保持する保持溝231aが形成されている。
本実施の形態では、上壁部231、右側壁部232、及び左側壁部233のそれぞれは木製である。そのため、画像表示装置10aは、図11に示すように第一透過モードで動作中は、前面がガラスで覆われた、物体500を展示するための家具または什器として認識される。
棚板部250は、画像表示部101の背面から後方に向けて立設されている。具体的には、棚板部250は、図11、図12、及び図14に示すように、画像表示部101の下端縁を支持する支持部255を前端部に有している。棚板部250は、支持部255よりも後方に、画像表示部101の背面から後方に向けて立設された部分を有している。また、棚板部250は横方向(左右方向)に延在しており、画像表示部101の下辺の全域を支持しかつ覆う大きさに形成されている。
物体500は、棚板部250の上面を形成する載置面部252に載置され、第一透過モードまたは第二透過モードで動作中の表示パネル110を介して、画像表示装置10aの前方のユーザによって視認される。表示パネル110の透過率は、例えば40%〜50%程度であるため、比較的に暗い環境に画像表示装置10aが置かれた場合に、ユーザが物体500を明瞭に視認できない可能性がある。そこで、画像表示装置10aでは、実施の形態1に係る画像表示装置10と同様に、物体500に照明光を照射する照明部201を有している。
照明部201は、画像表示部101の背面における上端部に配置されている。具体的には、図13に示すように、上壁部231に、照明部201が取り付けられる照明用溝231bが設けられている。照明部201は、光を放出する光源部202と、光源部202で発生する熱を放熱するためのヒートシンク205とを有している。ヒートシンク205は、光源部202を照明用溝231bに取り付けるため取付部材としても機能する。ヒートシンク205は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属製の部材である。光源部202は、X軸方向に長尺状の基板204と、基板204に実装された複数のLED素子203とを有する。照明部201は、実施の形態1に係る照明部200と同じく、表示パネル110の透過状態及び不透過状態の切り替えに同期してオンオフが切り替えられる(例えば図8参照)。これにより、例えば図14に示すように、照明部201の下方に位置する物体500に照明光が照射され、ユーザは、表示パネル110を介して、より明瞭に物体500を視認することができる。また、照明部201は、照明用溝231bに埋設されており、これにより、表示パネル110が透過状態になった場合において、照明部201から出射された光が、画像表示装置10aの前方に存在するユーザの目に直接的に入る可能性はない。
なお、図13には図示されていないが、本実施の形態に係る照明部201は、光源部202の光の配光角を制限する光学部材であるマイクロルーバを有してもよい。これにより、光源部202から放出される光を効率よく物体500に照射することができる。また、照明部201から表示パネル110に入射する光量が低減される。これにより、例えば、照明部201の光によって表示パネル110が部分的に白く見える可能性が低減される。
このように構成された画像表示装置10aにおいて、画像表示部101が有する表示パネル110及び照明部201の動作は、棚板部250に保持された制御部180によって制御される。棚板部250は、制御部180を収容した状態で保持する保持部材の一例であり、具体的には、図12に示すように、棚板部250の内部に制御部180が収容されている。制御部180は、棚板部250の厚み(Z軸方向の幅)内に収まるように、棚本体部251の底面251aに沿う姿勢で配置されている。つまり、平板状の制御部180は、棚板部250と同じく、画像表示部101の背面に対して起立した姿勢で棚板部250に収容されている。
なお、図12には図示されていないが、棚板部250には、実施の形態1に係る下棚板部160と同様に、スピーカ装置及び排気ファン等の電気機器が収容されてもよい。
以上説明したように、本実施の形態に係る画像表示装置10aは、画像表示部101であって、画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に画像表示部101の背面側の物体500が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能な表示パネル110を有する画像表示部101と、表示パネル110の動作を制御する制御部180と、保持部材である棚板部250とを備える。棚板部250は、画像表示部101の背面から後方に向けて立設されており、制御部180を収容した状態で保持する。
この構成によれば、表示パネル110の動作を制御する制御部180は、画像表示部100の背面から立設された保持部材である棚板部250に保持される。つまり、表示パネル110が透過状態である場合において、棚板部250は、ユーザの視線方向に沿った姿勢でユーザに視認される。そのため、棚板部250の、ユーザの視野に入る面積は比較的に小さくなる。本実施の形態では、このように目立ち難い姿勢で配置される棚板部250に、制御部180が保持される。そのため、表示パネル110が透過モードで動作している場合であっても、制御部180が、背面側の視野に与える影響が少ない。従って、画像表示装置10の動作制御に必要な制御部180を、透過モードで動作可能な画像表示部101の背面側に配置することができ、かつ、制御部180を人目から隠すことができる。また、保持部材として機能する棚板部250に、写真、人形、または花瓶等の物体500を載置できる。このように、本実施の形態に係る画像表示装置10によれば、透過モードで動作可能な表示パネルを有効に利用することができる。
また、本実施の形態に係る画像表示装置10aはさらに、前面視において、保持部材である棚板部250の右端部に接続され、画像表示部101を右側方から覆う右側壁部232と、前面視において、棚板部250の左端部に接続され、画像表示部101を左側方から覆う左側壁部233と、右側壁部232及び左側壁部233それぞれの上端部に接続され、画像表示部101を上方から覆う上壁部231と、を備える。
このように、本実施の形態では、枠体230及び棚板部250によって形成される矩形環状の外囲部材によって画像表示部101が囲まれており、これにより、画像表示装置10aは、全体としてシンプルな箱型形状となる。また、画像表示装置10aの下面を形成する棚板部250は、平面視における面積が比較的に大きく、また、制御部180及び物体500等の荷重が下向きに加えられる。そのため、棚板部250を、画像表示装置10aのスタンドとして利用することができ、例えば、住宅内の床面に画像表示装置10aを置くことも可能である。さらに、上述のように、例えば枠体230を木製とすることができ、これにより、画像表示装置10aを、室内において、物体500を展示するための家具または什器のように見せることもできる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これらに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
例えば、実施の形態1及び2に係る表示パネル110は、画像を表示するためのディスプレイ装置として、有機ELパネル111とは異なる種類のディスプレイ装置を有してもよい。具体的には、有機ELパネル111と同じく自発光型のディスプレイ装置である無機ELパネルが、有機ELパネル111の代わりに、表示パネル110に備えられてもよい。
また、第二透過モードは、表示パネル110の一部に画像が表示される動作モードであるため、「画像表示モード」の一種として扱われてもよい。例えば、図6に示される画像表示装置10の動作モードを、「第一画像表示モード」とし、図7に示される画像表示装置10の動作モードを、「第二画像表示モード」としてもよい。この場合、制御部180は、表示パネル110が画像表示モードで動作する場合、原則、照明部200に光の照射を停止させ、例外として、表示パネル110が第二画像表示モードで動作する場合は、照明部200に光を照射させる。これにより、表示パネル110が第二透過モードで動作する場合と同じく、部分画像121が表示される表示パネル110の一部を介して、ユーザに、表示パネル110の背面側の物体500を明瞭に視認させることができる。
また、棚板部150が、上下方向において離間して配置された2枚の棚板部(上棚板部170及び下棚板部160)を有することは必須ではない。棚板部150は、少なくとも、保持部材として機能する下棚板部160を有すればよい。つまり、下棚板部160のみが棚板部150として扱われてもよい。また、上棚板部170が、制御部180を保持する保持部材として機能してもよく、この場合、棚板部150は、少なくとも上棚板部170を有していればよい。
また、棚板部150は、上下方向または左右方向に分離した3以上の棚板部を有してもよい。いずれの場合であっても、棚板部150が有する1以上の棚板部のそれぞれに載置された物体500に光を照射するように、照明部200が配置されていればよい。すなわち、照明部200が、上下方向において離間して配置された2つの照明部(上照明部220及び下照明部210)で構成されることは必須ではない。照明部200は、棚板部150を構成する、物理的に分離された棚板部のそれぞれに向けて光を照射するように、1以上の照明部を有すればよい。
また、上照明部220における、光源部221の光の配光角を制限する光学部材は、マイクロルーバとは異なる種類の光学部材(例えば、レンズ、または、反射板など)であってもよい。下照明部210についても同様に、光学部材として、例えば、レンズ、または、反射板などが採用されてもよい。
また、例えば下棚板部160の根本部分(光透過パネル300に近い側の端部)に、光軸を、下斜め後方に向けた姿勢で第三照明部を配置してもよい。これにより、例えば、光透過パネル300の背面側に置かれた物体500を、第三照明部によって照らすことができる。なお、この場合、光透過パネル300の背面側に、物体500を載置するための棚板部(第三棚板部)が配置されてもよい。また、この場合、例えば、表示パネル110の透過状態及び不透過状態の切り替えに同期して、第三照明部のオン及びオフが切り替えられてもよく、また、画像表示装置10の主電源がオンの場合は常に、第三照明部がオンであってもよい。
また、実施の形態1及び2に係る調光シート113は、所定の電圧を印加すること(オンにすること)で、不透過状態から透過状態に切り替えられるとした。しかしながら、調光シート113は、所定の電圧を印加することで、透過状態から不透過状態に切り替えられてもよい。この場合、例えば、画像表示装置10の主電源がオフの場合であっても、調光シート113は透過状態を維持する。従って、画像表示装置10の主電源をオフにした状態においても、表示パネル110の前面側に存在するユーザに、表示パネル110の背面側の物体500を、表示パネル110を介して視認させることは可能である。なお、この場合、物体500を照らすために、画像表示装置10は、主電源がオフであっても照明部200をオン(点灯状態)にすることができる電気回路を有してもよい。
また、フレーム130の素材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属ではなくてもよい。例えば、フレーム130の素材として樹脂が採用されてもよい。
また、実施の形態1において、制御部180を保持する保持部材は下棚板部160であるとしたが、制御部180を保持する保持部材は、1以上の物体500を載置可能な棚板部として実現する必要はない。例えば、画像表示部100の裏面から後方に向けて立設された平板状のケースに、制御部180が保持されてもよい。この場合、当該ケースは、1以上の物体500の載置が不可能な、または、載置に適していない、形状、姿勢、サイズまたは強度であってもよい。この場合であっても、当該ケースは画像表示部100の裏面から後方に向けて立設されているため、透過モードで動作中の表示パネル110を前方から見た場合に、当該ケースは目立ち難い姿勢である。従って、画像表示装置10の動作制御に必要な制御部180を、透過モードで動作可能な画像表示部100の背面側に配置することができ、かつ、制御部180を人目から隠すことができる。
また、表示パネル110は、調光パネル112を有しなくてもよい。この場合、画像表示モードにおいて、有機ELパネル111の裏面からの光の入射が、調光パネル112によって遮られないため、表示画像の明瞭性が低下する場合がある。しかし、第一透過モード及び第二透過モードにおいて、調光パネル112による光透過性のロスがなくなるため、表示パネル110を介して物体500を見た場合における物体500の明瞭性が向上する。
また、上記の実施の形態1に関する補足事項は、実施の形態2について適用されてもよい。例えば、棚板部250ではなく、右側壁部232または左側壁部233が、制御部180を保持する保持部材として機能してもよい。この場合、画像表示装置10aの右側面または左側面における比較的に広い面積に、外部機器との接続を行うコネクタを配置することができる。
また、例えば、実施の形態2に係る画像表示装置10aは、上下に分離して配置される複数の棚板部を有してもよい。例えば、画像表示装置10aにおいて、棚板部250が、現在の棚板部250の位置に配置される下棚板部、及び、下棚板部と上壁部231との間に配置される上棚板部を有してもよい。この場合、照明部201は、実施の形態1に係る照明部200と同様に、上棚板部に置かれた物体500を照らすための上照明部と、下棚板部に置かれた物体500を照らすための下照明部とを有してもよい。また、この場合、下棚板部及び上棚板部のいずれか一方に制御部180が保持されてもよい。
また、実施の形態2に係る枠体230は木製である必要はない、例えば、上壁部231、右側壁部232、及び左側壁部233それぞれの少なくとも一部が、樹脂または金属で形成されていてもよい。
また、実施の形態2に係る画像表示装置10aは、棚板部250よりも下方に、画像表示装置10aを設置するためのスタンド等を有してもよい。また、画像表示装置10aの設置場所に特に限定はなく、例えば壁掛けユニットによって、画像表示装置10aが壁面に取り付けられてもよい。
また、上下方向または/及び左右方向に並べられた、物体500の載置が可能な複数の区画を有するラックにおける1つの区画に、画像表示部101が配置されてもよい。これにより、少なくとも1つの区画において物体500の展示及び画像の表示が可能であり、かつ、他の1以上の区画を用いて物体500を展示または収容することができる画像表示装置(またはラック)を構成することができる。
また、棚板部150及び250に物体500が載置されることは必須ではない。棚板部150は、画像表示装置10の躯体の一部としての機能のみを有してもよく、棚板部250は、画像表示装置10aの躯体の一部としての機能のみを有してもよい。また、照明部200及び201は、下方の物体500を照らすためではなく、画像表示装置10または10aが置かれた空間における照明(間接照明)として用いられてもよい。
また、棚板部150及び250に物体500が載置されるか否かにかかわらず、画像表示装置10は照明部200を備えなくてもよく、画像表示装置10aは照明部201を備えなくてもよい。例えば、画像表示装置10(10a)が、背面から外光または照明光が入射する環境に置かれことが前提である場合、画像表示装置10(10a)は、照明部200(201)を備えなくてもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、テレビジョン受像機、モニタディスプレイ、または、デジタルサイネージなどの画像表示装置に適用可能である。
10、10a 画像表示装置
100、101 画像表示部
110 表示パネル
111 有機ELパネル
112 調光パネル
113 調光シート
114a 第一ガラス板
114b 第二ガラス板
120 画像
121 部分画像
130 フレーム
131 Tフレーム
131a、231a、233a 保持溝
131b、231b 照明用溝
132 Rフレーム
133 Lフレーム
134 Bフレーム
135 Mフレーム
135a 開口部
150、250 棚板部
160 下棚板部
161、251 棚本体部
161a、251a 底面
162、252 載置面部
170 上棚板部
172 取付部材
180 制御部
181 回路基板
182 電子部品
184 スピーカ装置
189 排気ファン
190 支持部材
200、201 照明部
210 下照明部
202、211、221 光源部
203、212、222 LED素子
204、213、223 基板
215、225 マイクロルーバ
220 上照明部
226 遮光体
230 枠体
231 上壁部
232 右側壁部
233 左側壁部
255 支持部
300 光透過パネル
400 電線
500、500a、500b 物体