JPWO2004042832A1 - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

発光特性の向上が可能な半導体発光素子は、低抵抗のシリコン基板の上にバッファ層、n型半導体層、多重井戸構造活性層4、p型半導体層を有する。多重井戸構造活性層4は、複数のInyGa1−yNからなる障壁層7と複数のAlaGabIn1−a−bNからなる第1の補助層9と複数のInxGa1−xNからなる井戸層8と複数のAla′Gab′In1−a′−b′Nからなる第2の補助層10とから成る。第1の補助層9及び第2の補助層10はInの蒸発又は拡散を防止する。

Description

本発明は、窒化物系化合物半導体を用いた半導体発光素子に関する。
窒化物系化合物半導体を用いた高輝度発光特性を有する半導体発光素子は、例えば日本の特開平8−264832号公報、及び特開2001−313421号公報等に開示されている。この様な半導体発光素子の発光層に、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)等の窒化ガリウム系化合物半導体を用いると、紫外光から緑色光までの波長帯の光を発生させることができる。
従来の半導体発光素子は、一般に、サファイア、シリコンカーバイドあるいはシリコン等から形成された基板とこの基板上に形成された複数の窒化ガリウム系化合物半導体層とから成る。例えば、サファイア基板を用いた半導体発光素子は、サファイア基板の上に、GaNバッファ層と、Siがドープされたn型GaNコンタクト層と、n型AlGaN半導体層と、量子井戸構造の活性層と、p型AlGaN半導体層と、Mgがドープされたp型GaNコンタクト層とを順次に有する。
量子井戸構造には周知のように、多重量子井戸(MQW:Multi−Quantum−Well)構造と単一量子井戸(SQW:Single−Quantum−Well)構造とがある。それぞれの量子井戸構造の活性層は、例えば、In(インジウム)を比較的大きな割合で含むInGaNから成る井戸層(well layer)とIn(インジウム)を比較的小さい割合で含むInGaNから成る障壁層(barrier layer)を有する。
ところで、量子井戸構造における井戸層の成長温度は、Inの分解を抑制すること及び結晶品質を良好に保つことの両方を満足させるために、一般的に800℃又はこれより低い温度に設定される。一般には、障壁層も井戸層と実質的に同一の成長温度で形成される。井戸層と実質的に同一の温度で形成された障壁層の結晶性は必ずしも良くない。障壁層の結晶性が悪いと、障壁層によって井戸層のInの蒸発を十分に防止できず、結果として井戸層の結晶性も劣化する。更に、井戸層と障壁層との界面における井戸層のInと障壁層のGaの相互拡散によって実効的な井戸層の厚みが不均一となり、発光波長にばらつきが生じる。また、活性層形成後にp型GaN層を一般的には1100℃程度で結晶成長させる。このため、障壁層の結晶性が悪いと、このp型GaN層の結晶成長時に、井戸層のInの蒸発、及び井戸層と障壁層との界面における井戸層のInと障壁層のGaの相互拡散が更に促進される。また、p型GaN層から活性層への不純物(例えばMg)の拡散も生じて、活性層の結晶性が劣化するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、改善された量子井戸構造の活性層を有する半導体発光素子及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に従う量子井戸構造の活性層を有する半導体発光素子の製造方法は、
第1導電型半導体層を用意する工程と、
前記第1導電型半導体層の上に有機金属化学気相成長法によってInGa1−yN、ここで、yは、0<y≦0.5を満足する数値、から成る第1の障壁層を形成する第1の工程と、前記第1の障壁層の上に有機金属化学気相成長法によってAlGaIn1−a−bN、ここで、a、bは、0<a、b<1、a+b≦1を満足する数値、から成る第1の補助層を形成する第2の工程と、前記第1の補助層の上に、有機金属化学気相成長法によってInGa1−xN、ここで、xは、0<x≦0.5、及びy<xを満足する数値、から成る井戸層を形成する第3の工程と、前記井戸層の上に有機金属化学気相成長法によって、Ala′Gab′In1−a′−b′N、ここで、a′及びb′は、0<a′、b′<1、a′+b′≦1を満足する数値、から成る第2の補助層を形成する第4の工程と、前記第2の補助層の上に、有機金属化学気相成長法によってInGa1−yN、ここで、yは、0<y≦0.5を満足する数値、から成る第2の障壁層を形成する第5の工程とを有して量子井戸構造の活性層を形成する工程と
を含んでいる。
また、本発明に従う第1導電型半導体層と量子井戸構造の活性層と第2導電型半導体層とを順次に有する半導体発光素子における前記活性層は、
前記第1導電型半導体層の上に配置されており且つInGa1−yN、ここで、yは、0<y≦0.5を満足する数値、から成る第1の障壁層と、
前記第1の障壁層の上に配置されており且つAlGaIn1−a−bN、ここで、a、bは、0<a、b<1、a+b≦1を満足する数値、から成る第1の補助層と、
前記第1の補助層の上に配置されており且つInGa1−xN、ここで、xは、0<x≦0.5、及びy<xを満足する数値、から成る井戸層と、
前記井戸層の上に配置されており且つAla′Gab′In1−a′−b′N、ここで、a′及びb′は、0<a′、b′<1、a′+b′≦1を満足する数値、から成る第2の補助層と、
前記第2の補助層の上に配置されており且つInGa1−yN、ここで、yは、0<y≦0.5、及びy<xを満足する数値、から成る第2の障壁層とから成る。
本発明によれば、Ala′Gab′In1−a′−b′N即ち窒化アルミニュム系化合物半導体から成る第2の補助層の働きによって井戸層のIn等の蒸発が抑制され、また、井戸層のInと障壁層のGaとの相互拡散が抑制される。また、AlGaIn1−a−bNから成る第1の補助層の働きによって井戸層のInと障壁層のGaの相互拡散が抑制される。従って、活性層の結晶性の劣化を良好に防ぐことができる。
なお、多重量子井戸構造の活性層を得るために、更に、前記第2の障壁層の上に、前記第1の障壁層と前記第1の補助層と前記井戸層と前記第2の補助層と前記第2の障壁層と同様な機能を有する複数の層が配置されていることが望ましい。
また、前記Ala′Gab′In1−a′−b′Nから成る第2の補助層のAlの割合a′が前記AlGaIn1−a−bNから成る第1の補助層のAlの割合aよりも大きいことが望ましい。この様に、第2の補助層のAlの割合a′を第1の補助層のAlの割合aよりも大きくすると、活性層全体の抵抗値を比較的低く抑えて井戸層のIn等の蒸発及び拡散を良好に防止できる。即ち、AlGaIn1−a−bNから成る第1の補助層及びAla′Gab′In1−a′−b′から成る第2の補助層におけるAlの混合割合a及びa′が大きくなるに従ってIn等の蒸発及び相互拡散を防止する働きが大きくなる。しかし、Alの混合割合が大きくなるに従って第1及び第2の補助層の抵抗値が大きくなる。そこで、Inの蒸発防止に重点を置く場合には、Ala′Gab′In1−a′−b′Nからなる第2の補助層のAlの割合a′をAlGaIn1−a−bNからなる第1の補助層のAlの割合aよりも大きくすることが望ましい。これにより、Inの蒸発の問題と、In及びGaの相互拡散の問題とを合理的に解決することができる。
また、前記Ala′Gab′In1−a′−b′Nから成る第2の補助層は前記AlGaIn1−a−bNから成る第1の補助層よりも厚く形成されていることが望ましい。これにより、前述の第2の補助層のAlの割合a′を第1の補助層のAlの割合aよりも大きくした場合と同様な効果を得ることができる。
また、前記第1導電型半導体層又は前記第1導電型半導体層と基板との間に配置されるバッファ層を、AlGa1−xN、ここで、xは0<x≦1を満足する数値、から成り且つ量子力学的なトンネル効果が生じる厚みを有している第1の層と、AlGa1−yN、ここで、yはy<x及び0≦y<1を満足する数値、から成り且つ前記第1の層よりも厚く且つ10nm〜500nmの厚みを有している第2の層との複合層で構成することができる。これにより、前記第1導電型半導体層又は前記バッファ層の抵抗の増大を抑えることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に従うの発光ダイオードを概略的に示す中央縦断面図である。
図2は、図1のバッファ層の一部を拡大して示す断面図である。
図3は、図1の活性層の一部を拡大して示す断面図である。
図4は、本発明の第2の実施形態に従うの発光ダイオードを概略的に示す中央縦断面図である。
発明実施するための最良の形態
次に、本発明の第1の実施形態に従う窒化ガリウム系化合物半導体発光素子としての発光ダイオード及びその製造方法を図1〜図3を参照して説明する。
図1に概略的に示す本発明の第1の実施形態に従う発光ダイオードは、不純物がドープされたシリコン単結晶基板から成る低抵抗基板1と、n型バッファ層2と、第1導電型半導体層としてのn型半導体層3と、活性層4と、第2導電型半導体層としてのp型半導体層5と、第1の電極としてのアノード電極6aと、第2の電極としてのカソード電極6bとを有している。なお、n型半導体層3がn型クラッド層と呼ばれることもあり、また、p型半導体層5がp型クラッド層と呼ばれることもある。また、n型バッファ層2を第1導電型半導体層の一部と考えることもできる。
基板1は、導電型決定不純物として、例えばAs(砒素)を含むn型シリコン単結晶から成る。この基板1のバッファ層2が配置されている側の主面1aは、ミラー指数で示す結晶の面方位において(111)ジャスト面である。この基板1の不純物濃度は、5×1018cm−3〜5×1019cm−3程度であり、この基板1の抵抗率は0.0001Ω・cm〜0.01Ω・cm程度である。抵抗率が比較的低い基板1はアノード電極6aとカソード電極6bとの間の電流通路として機能する。また、基板1は、比較的厚い約350μmの厚みを有し、バッファ層2、n型半導体層3、活性層4及びp型半導体層5から成る主半導体領域の支持体として機能する。バッファ層2は全体的に見てn型半導体として機能する。
基板1の一方の主面1aの全体を被覆するよう配置されたバッファ層2は、図1では1つの層で概略的に示されているが、実際には図2に示すように複数の第1の層2aと複数の第2の層2bとが交互に積層された複合層から成る。この実施形態では、バッファ層2が50個の第1の層2aと50個の第2の層2bとで構成されている。
第1の層2aは、化学式AlGa1−xN、ここで、xは0<x≦1を満足する任意の数値、で示すことができる材料で形成される。即ち、第1の層2aは、AlN(窒化アルミニウム)又はAlGaN(窒化ガリウム アルミニウム)で形成される。この実施形態では、前記式のxが1とされた材料に相当するAlN(窒化アルミニウム)が第1の層2aに使用されている。第1の層2aは、絶縁性を有し且つ量子力学的トンネル効果を得ることができる極く薄い厚さを有する。第1の層2aの格子定数及び熱膨張係数は第2の層2bよりもシリコン基板1に近い。従って、第1の層2aは第2の層2bよりもバッファ作用が大きい。
第2の層2bは、化学式AlGa1−yN、ここで、yは、y<x、0≦y<1を満足する任意の数値、で示すことができる半導体材料にn型導電型決定不純物がドープされたものから成る。即ち、第2の層2bは、n型導電型決定不純物を含むGaN(窒化ガリウム)又はAlGaN(窒化ガリウム アルミニウム)から成る。第2の層2bの厚みは第1の層2aの厚みよりも大きい。第2の層2bとしてn型AlGaNを使用する場合には、第2の層2bの電気抵抗の増大を抑えるために、yを0<y<0.8を満足する値即ち0よりも大きく且つ0.8よりも小さくすることが望ましい。第2の層2bは第1の層2aの電気的接続のための導電体又は半導体として機能する。
バッファ層2の第1の層2aの厚みは、好ましくは0.5nm〜10nm即ち5〜100オングストローム、より好ましくは1nm〜8nmである。第1の層2aの厚みが0.5nm未満の場合にはバッファ層2の上面に形成されるn型半導体層3、活性層4、及びp型半導体層5の全ての平坦性が良好に保てなくなる。第1の層2aの厚みが10nmを超えると、量子力学的トンネル効果を良好に得ることができなくなり、バッファ層2の電気的抵抗が増大する。
第2の層2bの厚みは、好ましくは10nm〜500nm即ち100〜5000オングストロームであり、より好ましくは10nm〜300nmである。第2の層2bの厚みが10nm未満の場合には、基板1と第2の層2bとの間のエネルギバンドの不連続性が比較的大きくなり、発光素子の動作時のアノード電極6aとカソード電極6bとの間の抵抗及び電圧が比較的大きくなる。また、第2の層2bの厚みが10nm未満の場合には、第2の層2bの上に形成される一方の第1の層2aと第2の層2bの下に形成される他方の第1の層2aとの間の電気的接続が良好に達成されず、バッファ層2の電気的抵抗が増大する。第2の層2bの厚みが500nmを超えた場合には、バッファ層2全体に対する第1の層2aの割合が低下し、バッファ機能が相対的に小さくなり、バッファ層2の上の半導体領域の平坦性が良好に保てなくなる。バッファ層2は、この上に形成するn型半導体層3、活性層4、p型半導体層5の結晶性及び平坦性の改善に寄与する。
バッファ層2の上に配置されたn型半導体層3は、例えばn型AlGa1−xN、ここでxは0≦x<1を満足する数値、から成る窒化ガリウム系化合物半導体、即ちn型GaN(窒化ガリウム)又はn型AlGaN(窒化ガリウム アルミニウム)で形成されている。なお、この実施形態のn型半導体層3はx=0に相当するn型GaNから成る。
n型半導体層3の上に形成された多重井戸即ちMQW(Multi−Quantum−Well)構造の活性層4は、図1では1つの層で概略的に示されているが、実際には図3に示すように複数の障壁層7と複数の井戸層8と複数の第1及び第2の補助層9、10の積層体である。即ち活性層4のn型半導体層3側の主面4aからp型半導体層5側主面4bに向って障壁層7、第1の補助層9、井戸層8、及び第2の補助層10から成る組み合せが繰返して配置され、更にこの組み合せの上に障壁層7が配置されている。換言すれば、活性層4のn型半導体層側主面4aを提供している最も下側の障壁層7の上に、第1の補助層9と井戸層8と第2の補助層10と障壁層7との組み合せが繰返して配置されている。この実施形態では、井戸層8、第1及び第2の補助層9、10がそれぞれ15層であり、障壁層7が16層である。本発明では、基板1の直ぐ上の障壁層7を第1の障壁層と呼び、また、第1の障壁層の上に第1の補助層9と井戸層8と第2の補助層10とを介して配置された障壁層7を第2の障壁層と呼んでいる。即ち、井戸層8を基準にしてn型半導体層3側に配置された障壁層7を第1の障壁層と呼び、p型半導体層5側に配置された障壁層7を第2の障壁層と呼んでいる。第1及び第2の障壁層の呼び方を使用して活性層4の構成を表現すると、活性層4は第1の障壁層7と第1の補助層9と井戸層8と第2の補助層10と第2の障壁層7とを有し、更に、第2の障壁層7の上に、第1の補助層9と井戸層8と第2の補助層10と第2の障壁層7と同様な機能を有する複数の層を有する。
各障壁層7は、化学式InGa1−yN、ここで、yは0<y≦0.5を満足する数値、で示すことができる窒化ガリウムインジウム化合物半導体から成る。この障壁層7におけるyのより好ましい範囲は0.01〜0.1であり、更に好ましい範囲は0.01〜0.05である。本実施形態では、各障壁層7がy=0.03に相当するIn0.03Ga0. 97Nで形成されている。各障壁層7の厚みは、5〜20nmであることが望ましく、本実施形態では10nmとした。各障壁層7は、エネルギーバンド図において井戸層8よりも大きいバンドギャップを有する。
各井戸層8は、化学式InGa1−xN、ここでxは、0<x≦0.5、x>yを満足する数値、で示すことができる窒化ガリウムインジウム化合物半導体から成る。この井戸層8は、障壁層7よりも小さいバンドギャップを得るために、障壁層7におけるInの混合比yよりも大きいInの混合比xを有する。井戸層8におけるxの好ましい範囲は0.01〜0.4であり、より好ましい範囲は0.02〜0.3である。本実施形態では、各井戸層8がx=0.2に相当するIn0.2Ga0.8Nで形成されている。各井戸層8の厚みは1〜10nmであることが望ましく、本実施形態では3nmとした。
各井戸層8とこの下側の第1の障壁層7との間に配置された第1の補助層9は、第1の障壁層7のGaと井戸層8のInの相互拡散を抑制するためのものであって、化学式AlGaIn1−a−bN、ここで、a、bは、0<a、b<1、a+b≦1を満足する数値、で示すことができるAlを含む窒化物系化合物半導体で形成されている。即ち、第1の補助層9は、AlN(窒化アルミニウム)又はAlGaN(窒化ガリウム アルミニウム)又はAlGaInN(窒化インジウム ガリウム アルミニウム)から成る。Alの割合aの好ましい範囲は0.01〜0.9であり、より好ましい範囲は0.1〜0.7である。本実施形態の第1の補助層9は、a=0.5、b=0.5に相当するAl0.5Ga0.5Nから成る。第1の補助層9におけるAlの割合aは第2の補助層10のAlの割合a′よりも小さい。第1の補助層9の厚みは好ましくは0.1〜20nmであり、より好ましくは0.5〜1.5nmであり、本実施形態では0.8nmである。この第1の補助層9は第2の補助層10よりも薄く形成されている。
井戸層8とこの上側の第2の障壁層7との間に配置された第2の補助層10は、主として井戸層8のInの蒸発を抑制するためのものであって、化学式Ala′Gab′In1−a′−b′N、ここで、a′、b′は、0<a′、b′≦1、a′+b′≦1、a′>aを満足する数値、で示すことができるAlを含む窒化物系化合物半導体で形成されている。即ち、第2の補助層10は、AlN(窒化アルミニウム)又はAlGaN(窒化ガリウム アルミニウム)又はAlGaInN(窒化インジウム ガリウム アルミニウム)から成る。第2の補助層10のAlの割合a′の好ましい範囲は0.01〜1であり、より好ましい範囲は0.1〜1であり、本実施形態ではa′=1、b′=0である。従って、本実施形態に従う第2の補助層10はAlNから成る。第2の補助層10によってInの蒸発の抑制を良好に達成するために、Alの割合a′を第1の補助層9のAlの割合aよりも大きく設定し且つ第2の補助層10の厚みを第1の補助層9よりも厚く設定することが望ましい。第2の補助層10の厚みは、好ましくは0.5〜3nmであり、より好ましくは1〜2nmであり、本実施形態では1.5nmに設定されている。
上述から明らかなように、第1の補助層9の機能は主として第1の障壁層7のGaと井戸層8のInの相互拡散の抑制であり、第2の補助層10の機能は主として井戸層8のIn(インジウム)の蒸発を抑制である。第1及び第2の補助層9、10のAl(アルミニウム)は上述の相互拡散の抑制及びInの蒸発を抑制の両方の機能を有する。しかし、Al(アルミニウム)の割合a、a′が大きくなると、第1及び第2の補助層9、10の電気抵抗が増大する。また、第1及び第2の補助層9、10の厚みが増大するに従って第1及び第2の補助層9、10の電気抵抗が増大する。このため、第1及び第2の補助層9、10のAl(アルミニウム)の割合a、a′及び第1及び第2の補助層9、10の厚みを制限することが必要になる。第2の補助層10のAlによるInの蒸発抑制に基づく活性層4の発光特性の向上効果は、第1の補助層9のAlによる相互拡散の抑制に基づく活性層4の発光特性の向上効果よりも大きい。従って、第2の補助層10のAlの割合a′を第1の補助層9のAlの割合aよりも大きく設定し且つ第2の補助層10の厚みを第1の補助層9よりも厚く設定することが望ましい。
活性層4の上に配置されたp型半導体層5は、好ましくは、化学式AlGa1−yN、ここで、yは、0≦y<1を満足する数値、で示すことができるGaN(窒化ガリウム)又はAlGaN(窒化ガリウム アルミニウム)にp型不純物をドープしたものから成る。この実施形態のp型半導体層5はy=0に相当するp型GaNから成る。なお、活性層4とp型半導体層5との間にp型AlGaN層等の別の窒化ガリウム系化合物半導体層を介在させることができる。
アノード電極6aはp型半導体層5の上面の中央に配置され且つp型半導体層5に電気的に接続されている。なお、p型半導体層5とアノード電極6aとの間にp型コンタクト層を設けることができる。また、活性層4とアノード電極6aとの間に周知の電流制限層を設けることができる。カソード電極6bは基板1の下面に配置され且つ基板1に電気的に接続されている。
次に本発明の第1の実施形態に従う発光ダイオードの製造方法を説明する。
まず、n型不純物が導入されたn型シリコン半導体から成る基板1を用意する。バッファ層2を形成するためのシリコン基板1の一方の主面1aは、ミラー指数で示す結晶の面方位において(111)ジャスト面、即ち正確な(111)面である。しかし、(111)ジャスト面に対して数度の角度範囲で基板1の主面1aを傾斜させることができる。
次に、基板1の主面1a上に第1導電型半導体層の1部としてのバッファ層2を形成する。このバッファ層2は、周知のMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)即ち有機金属化学気相成長法によってAlNから成る第1の層2aとGaNから成る第2の層2bとを繰返して積層することによって形成する。即ち、シリコン単結晶の基板1をMOCVD装置の反応室内に配置し、まず、サーマルアニーリングを施して表面の酸化膜を除去する。次に、反応室内にTMA(トリメチルアルミニウム)ガスとNH(アンモニア)ガスを約27秒間供給して、基板1の一方の主面に厚さ約5nmのAlN層から成る第1の層2aを形成する。本実施形態では基板1の加熱温度を1120℃とした後に、TMAガスの流量即ちAlの供給量を約63μmol/min、NHガスの流量即ちNHの供給量を約0.14mol/minとした。続いて、基板1の加熱温度を1120℃とし、TMAガスの供給を止めてから反応室内にTMG(トリメチルガリウム)ガスとNH(アンモニア)ガスとSiH(シラン)ガスを約83秒間供給して、基板1の一方の主面に形成された上記AlNから成る第1の層2aの上面に、厚さ約30nmのn型のGaNから成る第2の層2bを形成する。ここで、SiHガスは形成膜中にn型不純物としてのSiを導入するためのものである。本実施形態では、TMGガスの流量即ちGaの供給量を約63μmol/min、NHガスの流量即ちNHの供給量を約0.14mol/min、SiHガスの流量即ちSiの供給量を約21nmol/minとした。本実施形態では、上述のAlNから成る第1の層2aとGaNから成る第2の層2bの形成を50回繰り返してAlNから成る第1の層2aとGaNから成る第2の層2bとが交互に100層積層されたバッファ層2を形成する。勿論AlNから成る第1の層2a、GaNから成る第2の層2bをそれぞれ25層等の任意の数に変えることもできる。
次に、バッファ層2の上面に周知のMOCVD法によってn型半導体層3、活性層4及びp型半導体層5を順次連続して形成する。
即ち、上面にバッファ層2が形成された基板1をMOCVD装置の反応室内に配置して、反応室内にまずトリメチルガリウムガス即ちTMGガス、NH(アンモニア)ガス、SiH(シラン)ガスを供給してバッファ層2の上面にn型GaNから成るn型半導体層3を形成する。ここで、シランガスはn型半導体層3中にn型不純物としてのSiを導入するためのものである。本実施形態ではバッファ層2が形成された基板1の加熱温度を1040℃とした後、TMGガスの流量即ちGaの供給量を約4.3μmol/min、NHガスの流量即ちNHの供給量を約53.6mmol/min、シランガスの流量即ちSiの供給量を約1.5nmol/minとした。また、本実施形態では、n型半導体層3の厚みを約0.2μmとした。従来の一般的発光ダイオードの場合には、n型半導体層の厚みが約4.0〜5.0μmであるから、これに比べて図1のn型半導体層3はかなり肉薄に形成されている。また、n型半導体層3の不純物濃度は約3×1018cm−3であり、基板1の不純物濃度よりは十分に低い。なお、本実施形態によればバッファ層2が介在しているので、1040℃のような比較的高い温度でn型半導体層3を形成することが可能になる。
次に、活性層4を図3に示すように形成する。まず、n型半導体層3の上にMOCVD法によってInGa1−yNからなる障壁層7を形成する。即ち、基板1の加熱温度を800℃とし、反応室内にTMGガス、アンモニアガスに加えてトリメチルインジウムガス(以下、TMIガスという)を供給してn型半導体層3の上面に例えばIn0.03Ga0.97Nからなる窒化ガリウムインジウム化合物半導体の障壁層7を形成する。この工程におけるTMGガスの供給量は1.1μmol/minであり、TMIガスの供給量は1.0μmol/minである。障壁層7の厚みは約10nmである。なお、活性層4に含まれ別の障壁層7も同様に形成する。
次に、障壁層7の上にMOCVD法によってAlGaIn1−a −bNからなる第1の補助層9を形成する。この実施形態では第1の補助層9としてa=0.5、b=0.5に相当するAl0. Ga0.5Nを形成する。即ち、反応室内にTMGガス、アンモニアガスに加えてトリメチルアルミニウムガス(以下、TMAガスという)を供給してMOCVD法によってAl0.5Ga0.5Nを形成する。この時のTMGガスの供給量は1.1μmol/minであり、TMAガスの供給量は1.2μmol/minである。なお、活性層4に含まれ別の第1の補助層9も同様に形成する。
次に、第1の補助層9の上にMOCVD法によってInGa1−xNからなる井戸層8を形成する。即ち、反応室内にTMGガス、アンモニアガスに加えてTMIガスとを供給して第1の補助層9の上面に例えばIn0.2Ga0.8Nからなる窒化ガリウムインジウム化合物半導体の井戸層8を形成する。この工程におけるTMGガスの供給量は1.1μmol/minであり、TMIガスの供給量は4.5μmol/minである。井戸層8の厚みは約3nmである。なお、活性層4に含まれ別の井戸層8も同様に形成する。
次に、井戸層8の上にMOCVD法によってAla′Gab′In1− a′−b′Nからなる第2の補助層10を形成する。この実施形態では第2の補助層10としてa′=1、b′=0に相当するAlNを形成する。即ち、反応室内にアンモニアガスに加えてトリメチルアルミニウムガス(TMAガス)を供給してMOCVD法によってAlNを形成する。この時のTMAガスの供給量は2.4μmol/minである。なお、活性層4に含まれ別の第2の補助層10も同様に形成する。
次に、基板1の加熱温度を1040℃とし、反応室内にTMGガス、アンモニアガス及びビスシクロペンタジェニルマグネシウムガス(以下、CpMgガスという。)を供給して活性層4の上面にp型GaN(窒化ガリウム)から成るp型半導体層5を形成する。ここで、CpMgガスは半導体層5の中にp型導電形不純物としてのMg(マグネシウム)を導入するためのものである。本実施形態では、この時のTMGガスの流量を約4.3μmol/min、アンモニアガスの流量を約53.6μmol/min、CpMgガスの流量を約0.12μmol/minとした。p型半導体層5の厚みは約0.2μmであり、また、p型半導体層5の不純物濃度は約3×1018cm−3である。
上記のMOCVD成長方法によれば、シリコン単結晶から成る基板1の結晶方位を良好に引き継いでいるバッファ層2を形成することができる。また、バッファ層2の結晶方位に対してn型半導体層3、活性層4及びp型半導体層5の結晶方位を揃えることができる。
第1の電極としてのアノード電極6aは、例えばニッケルと金を周知の真空蒸着法等によってp型半導体層5の上面に付着させることによって形成し、p型半導体層5の表面に低抵抗接触させる。p型半導体層5の上面のうち、アノード電極6aの形成されていない領域は、光取り出し領域として機能する。
第2の電極としてのカソード電極6bは、例えばチタンとアルミニウムを周知の真空蒸着法等によって基板1の下面全体に形成する。
本実施形態の発光素子即ち発光ダイオードは次の効果を有する。
(1) 多重井戸構造の活性層4の井戸層8とこの上の障壁層7との間にInの蒸発を阻止する機能を有する第2の補助層10が配置されるので、井戸層8の上にMOCVD法によって第2の障壁層7を形成する時に井戸層8のInの蒸発が第2の補助層10によって抑制される。これにより、井戸層8の結晶性が良好に保たれ且つ障壁層7に井戸層8のInが入り込むことによる障壁層7の結晶性の劣化を防止することができ、発光特性の良い発光素子を提供することができる。
(2) 活性層4の井戸層8とこの下の障壁層7との間にIn及びGaの拡散を阻止する機能を有する第1の補助層9が配置されるので、活性層4の形成工程、p型半導体層5の形成工程、及びp型半導体層5の形成よりも後の工程から選択された一つ又は複数又はこれらの全部の工程における熱処理において、障壁層7のGaと井戸層8のInとの相互拡散を防止することができる。なお、第2の補助層10も第1の補助層9と同様に障壁層7のGaと井戸層8のInとの相互拡散を防止する機能を有する。これにより、障壁層7及び井戸層8の結晶性が良好に保たれ、発光特性の良い発光素子を提供することができる。
(3) 第2の補助層10のAlの混合比を第1の補助層9のAlの混合比よりも大きくし且つ第2の補助層10の厚さを第1の補助層9の厚さよりも厚くしたので、井戸層8のInの蒸発を良好に抑制できる。また、第1の補助層9のAlの混合比を第2の補助層10のAlの混合比よりも小さくし且つ第1の補助層9の厚さを第2の補助層10の厚さよりも薄くしたので、第1の補助層9の電気抵抗の増大を抑制できる。
(4) 第1及び第2の補助層9、10によってp型半導体層5の導電決定不純物が活性層4に拡散することを抑制でき、活性層4の結晶劣化を防止できる。
(5) バッファ層2のAlNから成る第1の層2aの格子定数はシリコン基板1と GaNとの間の値を有するので、AlNから成る第1の層2aは、シリコン基板1の結晶方位を良好に引き継ぐことができる。この結果、バッファ層2の一方の主面に、n型半導体層3、活性層4及びp型半導体層5等のGaN系半導体を結晶方位を揃えて良好に形成することができる。このため、発光特性が良くなる。
(6) 第1の層2aと第2の層2bが複数積層されて成るバッファ層2を介してn型半導体層3、活性層4及びp型半導体層5等を形成すると、これらの平坦性が良くなる。即ち、シリコンから成る基板1の一方の主面に、もしGaN半導体層のみによって構成されたバッファ層を形成した場合、シリコンとGaNとは格子定数の差が大きいため、このバッファ層の上面に平坦性に優れたn型半導体層3等のGaN系半導体領域を形成することはできない。また、比較的厚いAlNのみでバッファ層を形成すると、バッファ層の抵抗が大きくなる。また、比較的薄いAlNのみでバッファ層を形成すると、十分なバッファ機能が得られない。これに対し、本実施形態では、基板1とn型半導体層3等のGaN系半導体領域との間にシリコンとの格子定数差が比較的小さいAlNから成る複数の第1の層2aが介在し、且つ第1の層2aの相互間に第2の層2bが介在した複合構造のバッファ層2が設けられている。このため、バッファ層2の上に平坦性及び結晶性の良いn型半導体層3等のGaN系半導体領域を形成することができる。この結果、発光特性が良くなる。
(7) バッファ層2に含まれている複数の第1の層2aのそれぞれが量子力学的なトンネル効果の生じる厚さに設定されているので、バッファ層2の抵抗の増大を抑えることができる。
(8) シリコン基板1とn型半導体層3等のGaN系半導体領域との熱膨張係数の差に起因する歪みの発生を抑制できる。即ち、シリコンの熱膨張係数とGaNの熱膨張係数とは大きく相違するため、両者を直接に積層すると熱膨張係数差に起因する歪みが発生し易い。しかし、本実施形態のAlNからなる第1の層2aの熱膨張係数はシリコン基板1の熱膨張係数とn型半導体層3等のGaN系半導体領域の熱膨張係数との中間値を有する。また。第1の層2aと第2の層2bとの複合層から成るバッファ層2の平均的な熱膨張係数は基板1の熱膨張係数とn型半導体層3等のGaN系半導体領域の熱膨張係数との中間値を有する。このため、このバッファ層2によって基板1とn型半導体層3等のGaN半導体領域との熱膨張係数の差に起因する歪みの発生を抑制することができる。
(9) 第2の層2bの厚みが10nm以上の30nmに設定されているので、第2の層2bの価電子帯と伝導帯とにおける離散的なエネルギー準位の発生が抑制され、第2の層2bにおけるキャリアの伝導に関与するエネルギー準位の増大が抑制される。即ち、第1の層2aと第2の層2bが超格子状態になることが阻止される。この結果、基板1と第2の層2bとの間のエネルギバンドの不連続性の悪化が抑制され、アノード電極6aとカソード電極6bとの間の抵抗及び電圧が低くなる。
次に、図4に示す第2の実施形態に従う発光ダイオードを説明する。但し、図4において図1と実質的に同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示す第2の実施形態に従う発光ダイオードは、図1の第1の実施形態に従う発光ダイオードのn型半導体層3に相当するものを有さない他は図1の第1の実施形態に従う発光ダイオードと同一に構成されている。図4では活性層4がn型バッファ層2の上に直接に配置されている。従って、図4のn型バッファ層2は本発明の第1導電型半導体層として機能している。図4の発光ダイオードは、図1の肉厚のn型半導体層3を介在させて活性層4を形成する場合に比較して活性層4に加わる引っ張り応力が緩和される効果を有する。このため、活性層4の結晶性が良好となり、発光素子の発光特性が更に良好になる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、例えば次の変形が可能なものである。
(1)基板1を単結晶シリコン以外の多結晶シリコン又はSiC等のシリコン化合物又はサファイアとすることができる。
(2)シリコン基板1、バッファ層2、n型半導体層3、活性層4及びp型半導体層5の導電型を実施形態と逆にすることができる。
(3)バッファ層2、n型半導体層3、p型半導体層5のそれぞれを、GaN(窒化ガリウム)、AlInN(窒化インジウム アルミニウム)、AlGaN(窒化ガリウム アルミニウム)、InGaN(窒化ガリウム インジウム)、及びAlInGaN(窒化ガリウム インジウム アルミニウム)から選択された窒化ガリウム系化合物半導体又は窒化インジウム系化合物半導体とすることができる。
(4)n型半導体層3、及びp型半導体層5のそれぞれを、複数の半導体層の組み合せで構成することができる。
(5)アノード電極6aを透明電極とすることができる。
(6)バッファ層2の第1の層2aの数を第2の層2bよりも1層多くしてバッファ層2の最上層を第1の層2aとすることができる。また、逆に第2の層2bの数を第1の層2aの数よりも1層多くすることもできる。
(7)多重量子井戸構造とせずに単一量子井戸構造とすることもできる。この場合には、1つの井戸層8と第1及び第2の障壁層7と第1及び第2の補助層9、10で活性層を形成する。
(8)活性層4の中の障壁層7、第1の補助層9、井戸層8、及び第2の補助層10から選択された1つ又は複数又は全部にn型不純物又はp型不純物をドープすることができる。
(9)カソード電極6bをバッファ層2に直接接続することができる。
産業上の利用の可能性
本発明は発光ダイオード等の半導体発光素子に利用可能である。

Claims (9)

  1. 量子井戸構造の活性層を有する半導体発光素子の製造方法であって、
    第1導電型半導体層(3)を用意する工程と、
    前記第1導電型半導体層(3)の上に有機金属化学気相成長法によってInGa1−yN、ここで、yは、0<y≦0.5を満足する数値、から成る第1の障壁層(7)を形成する第1の工程と、前記第1の障壁層(7)の上に有機金属化学気相成長法によってAlGaIn1−a− N、ここで、a、bは、0<a、b<1、a+b≦1を満足する数値、から成る第1の補助層(9)を形成する第2の工程と、前記第1の補助層(9)の上に、有機金属化学気相成長法によってInGa1−xN、ここで、xは、0<x≦0.5、及びy<xを満足する数値、から成る井戸層(8)を形成する第3の工程と、前記井戸層(8)の上に有機金属化学気相成長法によって、Ala′Gab′In1−a′−b′N、ここで、a′及びb′は、0<a′、b′<1、a′+b′≦1を満足する数値、から成る第2の補助層(10)を形成する第4の工程と、前記第2の補助層(10)の上に、有機金属化学気相成長法によってInGa1−yN、ここで、yは、0<y≦0.5を満足する数値、から成る第2の障壁層(7)を形成する第5の工程とを有して量子井戸構造の活性層(4)を形成する工程と
    を含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  2. 更に、前記第5の工程の後に前記第2、第3、第4及び第5の工程と同様な工程を繰返すことによって多重量子井戸構造の活性層(4)を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に従う半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記Ala′Gab′In1−a′−b′Nから成る第2の補助層(10)のAlの割合a′が前記AlGaIn1−a−bNから成る第1の補助層(9)のAlの割合aよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に従う半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記Ala′Gab′In1−a′−b′Nから成る第2の補助層(10)が前記AlGaIn1−a−bNから成る第1の補助層(9)よりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1又は2に従う半導体発光素子の製造方法。
  5. 第1導電型半導体層(3)と量子井戸構造の活性層(4)と第2導電型半導体層(5)とを順次に有する半導体発光素子であって、
    前記活性層(4)が、
    前記第1導電型半導体層(3)の上に配置されており且つInGa −yN、ここで、yは、0<y≦0.5を満足する数値、から成る第1の障壁層(7)と、
    前記第1の障壁層(7)の上に配置されており且つAlGaIn −a−bN、ここで、a、bは、0<a、b<1、a+b≦1を満足する数値、から成る第1の補助層(9)と、
    前記第1の補助層(9)の上に配置されており且つInGa1−xN、ここで、xは、0<x≦0.5、及びy<xを満足する数値、から成る井戸層(8)と、
    前記井戸層(8)の上に配置されており且つAla′Gab′In1−a′ −b′N、ここで、a′及びb′は、0<a′、b′<1、a′+b′≦1を満足する数値、から成る第2の補助層(10)と、
    前記第2の補助層(10)の上に配置されており且つInGa1−yN、ここで、yは、0<y≦0.5、及びy<xを満足する数値、から成る第2の障壁層(7)と
    を有していることを特徴とする半導体発光素子。
  6. 前記活性層が、多重量子井戸構造の活性層を得るために、更に、前記第2の障壁層の上に、前記第1の補助層(9)と前記井戸層(8)と前記第2の補助層(10)と前記第2の障壁層(7)と同様な機能を有する複数の層を有していることを特徴とする請求項5に従う半導体発光素子。
  7. 前記Ala′Gab′In1−a′−b′Nから成る第2の補助層(10)のAlの割合a′が前記AlGaIn1−a−bNから成る第1の補助層(9)のAlの割合aよりも大きいことを特徴とする請求項5又は6に従う半導体発光素子。
  8. 前記Ala′Gab′In1−a′−b′Nから成る第2の補助層(10)は前記AlGaIn1−a−bNから成る第1の補助層(9)よりも厚く形成されていることを特徴とする請求項5又は6に従う半導体発光素子。
  9. 前記第1導電型半導体層は、
    AlGa1−xN、ここで、xは0<x≦1を満足する数値、から成り且つ量子力学的なトンネル効果が生じる厚みを有している第1の層(2a)と、
    AlGa1−yN、ここで、yはy<x及び0≦y<1を満足する数値、から成り且つ前記第1の層(2a)よりも厚く且つ10nm〜500nmの厚みを有している第2の層(2b)と
    の複合層から成ることを特徴とする請求項5又は6に従う半導体発光素子。
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