JPS6154726B2 - - Google Patents

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JPS6154726B2
JPS6154726B2 JP3973676A JP3973676A JPS6154726B2 JP S6154726 B2 JPS6154726 B2 JP S6154726B2 JP 3973676 A JP3973676 A JP 3973676A JP 3973676 A JP3973676 A JP 3973676A JP S6154726 B2 JPS6154726 B2 JP S6154726B2
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JP
Japan
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red phosphorus
metal
thermosetting resin
modification method
formalin
Prior art date
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JP3973676A
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English (en)
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JPS52125489A (en
Inventor
Tatsuro Nakagawa
Ichiro Sakon
Takeshi Funaki
Akira Tanimori
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PHOSPHORUS CHEM IND
Original Assignee
PHOSPHORUS CHEM IND
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Publication date
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Publication of JPS6154726B2 publication Critical patent/JPS6154726B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、赤リンの改質方法に関する。更に詳
しくは、赤リンの粒子を金属塩水溶液で処理した
後、樹脂状物質で被覆することにより、安定性及
び合成樹脂との相溶性が改良された汎用赤リンを
提供する方法にかかわる。 一般に、赤リンは空気中に放置すると、湿分の
存在下で酸化・還元不均化反応を起し、赤リンの
粒子表面にリンの酸化物もしくは酸を生成すると
同時に、空気中に有毒なリン化水素を放出する。
この反応は、発熱を伴うので、大量の赤リンの貯
蔵時に、内部蓄熱によつて自然発火を起し、大事
故につながる場合がある。又水中に赤リンを長時
間放置すると、水のPHを徐々に低下させ、周辺の
空気をリン化水素で汚染するのみならず、爆発の
危険性が生ずる。更に、赤リンは熱や摩擦に対し
ても極めて鋭敏であり、比較的低温又は軽い衝撃
で容易に発火・燃焼するにいたる。 従来、このような不安定で種々の危険性を包含
する赤リンの安定化法として、水酸化アルミニウ
ム又は水酸化マグネシウムを微量添加して、赤リ
ンの酸化を負触媒的に抑制する方法、パラフイン
又はワツクスで被覆して、赤リンと空気の接触を
抑制する方法、活性炭や酸化銅等のリン化水素吸
収剤を赤リン粉体に混合する方法、及びε−カプ
ロラクタムやトリオキサン等の有機物質の大量を
赤リンに含浸する方法等が知られている。 しかし負触媒を用いる方法では、安定化効果は
極めて微弱であり、パラフイン被覆を施す方法で
は、皮膜の機械的・熱的強度が弱いので、わずか
な衝撃や熱で容易に剥離し、十分な安定性は得ら
れない。リン化水素の吸収剤を用いる方法は、赤
リンから発生するリン化水素ガスを二義的に吸
収、抑制する方法であるが、吸収剤の寿命が短か
くて効果の持続が期待できない。又、大量の有機
物質に含浸させる方法では、樹脂に適用する際、
有機物質によつて樹脂が汚染され、樹脂の品質低
下をもたらすだけでなく、樹脂との混練時に、有
機物質が揮散し作業環境を悪化させる等の弊害を
もたらし、汎用赤リンの安定化法として難点があ
る。 一方、赤リン表面を合成樹脂のみでコートする
改質方法もあり、それなりの効果は認められるが
充分な安定効果は得られない。 他方、赤リン表面を合成樹脂でコートした後、
金属酸化物粉体を配合する改質方法も考えられる
が、この方法では金属酸化物が赤リンの安定化に
直接関与せず、充分な安定効果は得られない。 本発明者等は、上記のごとき諸欠点を取除き、
簡単な処理で酸化、衝撃及び熱に対して極めて安
定で、リン化水素の発生が少なく、しかも合成樹
脂等との相溶性に優れた汎用赤リンを得ることを
目的として鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。 本発明は、液中に溶解している銅、ニツケル、
鉄及び銀の群より選ばれた金属イオンが赤リン粒
子表面上でリン化物を生成するという基本的な発
見に基づくもので、赤リンを該金属塩水溶液で処
理して、赤リン粒子表面に該金属リン化物を析出
させ、以後、熱硬性樹脂で被覆することからなり
立つている。 本発明ではまず、金属塩の水溶液に赤リンを懸
濁し、必要に応じて加温しながらかきまぜ、赤リ
ン粒子表面上に該金属のリン化物を析出させる。
赤リン粒子表面上のリン化物の析出量は、赤リン
に対して金属換算で0.01〜5.0重量%の範囲とな
るようにする。この範囲において、赤リンの安定
性は、リン化物の析出量に比例して上昇するが、
5.0重量%以上では、ほぼ一定となる。0.01%以
下では、金属塩処理の効果が微弱である。 処理に用いる金属塩水溶液の濃度は、金属イオ
ンとして0.5−5.0重量%の範囲が、又金属塩水溶
液に対する赤リンの懸濁液濃度は、10−40重量%
の範囲がそれぞれ作業性と反応性の両面で良好で
ある。 本発明で用いる金属塩は、無機酸塩、有機酸塩
又はハロゲン化物の水可溶性塩であり、例えば、
硫酸第二銅五水塩、塩化第二銅、酢酸銅、水酸化
テトラアンミン銅、硝酸銀、塩化ニツケル六水
塩、硫酸ニツケル、硝酸ニツケル六水塩、塩化第
二鉄六水塩、乳酸鉄、及び硫酸第一鉄五水塩等が
挙げられる。 赤リンを金属塩水溶液で処理する温度は、常温
乃至100℃の範囲であり、処理温度に比例して反
応速度が上昇する。例えば、30℃の反応温度で
は、定量的に反応を完結するには3〜4時間を要
するが、90℃の反応温度では、30分以内で完結す
る。 反応の進行度は経過時に対する液中の金属イオ
ン量の測定により、又赤リン表面におけるリン化
物の析出は化学分析、X線回析、顕微鏡観察、又
は比重分離等によつて確認することができる。 次に、金属塩との反応を終了した赤リンは、懸
濁液のまゝ熱硬化性樹脂で被覆する。 熱硬化性樹脂は、フエノール樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂、フルフリルアルコール樹脂、アニ
リン樹脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂、及びアル
キツド樹脂からなる群から選ばれ、該樹脂の被覆
量は、改質赤リンの用途に応じて任意に選ばれる
が、通常、赤リンに対し0.1〜20重量%の範囲で
ある。一般に、10〜15重量%程度の被覆量で、高
度に安定化された赤リンが得られ、1重量%の被
覆量でも、空気中における酸化抑制には、十分満
足な結果が得られる。20重量%以上では、粒子間
に凝集塊を形成する傾向があり、0.1重量%以下
では、十分な安定性が得られない。 該樹脂処理は、上記の赤リン懸濁液に熱硬化性
樹脂の合成原料又はその初期縮合物を添加し、強
くかきまぜながら、適用樹脂原料の単独重合条件
下で処理する。これら樹脂の合成原料又はその初
期縮合物は、金属塩処理された赤リンの懸濁液中
で容易に重合反応が進行するか、又はその初期縮
合物が水中に乳化分散し、赤リン粒子表面に均一
に沈着・皮膜化するものが好ましく、通常、フエ
ノール−ホルマリン系、尿素−ホルマリン系、フ
ルフリルアルコール−ホルマリン系、アセトン−
ホルマリン系、アニリン−ホルマリン系、エポキ
シ系、及びグリセリン−無水フタル酸系物質より
なる群から選ばれる。 このうち、フルフリルアルコール−ホルマリン
系、ケトン−ホルマリン系、エポキシ系、又は多
価アルコール−多塩基酸系物質では、大量の水の
存在で重合反応が進行し難いので、樹脂原料の初
期縮合物をあらかじめ調製しておき、これを金属
塩処理された赤リン懸濁液に添加するのが好まし
い。この場合、水中への分散性を向上させるた
め、溶媒もしくは乳化分散剤を適宜使用すること
ができる。 適用樹脂原料の単独重合条件とは、赤リン不在
下において、対象とする個々の樹脂を生成させる
条件を言い、これには、必要に応じて重合促進触
媒を用いる条件も含まれる。 一般に、金属塩処理された赤リン懸濁液に、樹
脂の合成原料を添加するほうが好ましいもので
は、40〜100℃、1〜3時間の被覆条件がとら
れ、他方、あらかじめ別途に調製した樹脂の初期
縮合物を添加するほうが好ましいものでは、60〜
100℃、1〜2時間の被覆条件が採用される。 なお樹脂処理の前、又は樹脂処理時に、従来の
赤リン安定化剤として知られている水酸化アルミ
ニウム又は水酸化マグネシウムを、赤リン懸濁液
に添加することができる。この添加により、該水
酸化物と赤リン表面上の金属リン化物との相乗効
果が発現し、赤リンの安定性は著しく向上する。 該水酸化物の添加によるこのような相乗効果
は、赤リンに対して0.5重量%の添加量で認めら
れ、0.5〜20重量%の範囲では、その効果は添加
量に比例して増大し、20重量%以上では、ほゞ一
定となる。 更に、樹脂被覆処理において、必要に応じて、
難燃剤、安定剤、帯電防止剤、顔料、着色剤、又
は補強剤等、通常、合成樹脂、合成繊維及び油剤
等の改質を目的として添加される種々の薬剤を添
加含有させることも可能である。 赤リン粒子に樹脂被覆を施した後、従来の赤リ
ン製造方法に準じて、ろ過・水洗及び乾燥を行
う。被処理物が粘着性の凝集塊を全く形成せす、
個々の赤リン粒子が、硬い樹脂皮膜で覆われるこ
とは驚くべきことであり、又ろ過及び水洗が、従
来と同じ設備と操作により簡単に成就できること
は、使用された樹脂の初期縮合物の粘着性からは
予想もされなかつたことである。 乾燥処理は、従来の設備で行えるが、赤リン粒
子表面における樹脂の重合、硬化を完結させるた
め、常法よりやや高温、すなわち90〜150℃の乾
燥温度を適用したほうがよい。 本発明に用いる赤リンの粒径は、特に限定され
ないが、通常、0.1〜100ミクロンの範囲のもの
が、工業的に容易に入手されるので汎用される。 本発明で得られる赤リンは、比重分離しないこ
と、物性の著しい変化及び電子顕微鏡による観察
結果から、赤リン粒子表面上に金属リン化物が形
成され、更にその上に樹脂が均一に付着分布して
いること、及び水酸化アルミニウム又は水酸化マ
グネシウムを添加した場合は、その金属リン化物
と樹脂との中間層に、該水酸化物が分布すること
等が確認される。 赤リン粒子表面上の樹脂皮膜の厚さは、平均粒
径20ミクロンの赤リン粉体に熱硬化性樹脂を5重
量%被覆した場合、約0.2〜0.3ミクロンとなる。 本発明によれば、以下に記載するごとく、赤リ
ンとしての外観がほとんど変らないが、大幅に物
理的・化学的性質が改良された赤リンが取得され
る。 すなわち本発明で得られる赤リンは、水中、湿
つた空気中及び合成樹脂中における耐酸化・還元
安定性が著しく向上しているので、リン化水素の
発生はほとんど認められず、又、水懸濁液のPH降
下も強く抑制される。 例えば、平均粒径20ミクロンの赤リン粉末の30
%水懸濁液を、500ml容の密栓容器内に24時間放
置したところ、空間部に315ppmのリン化水素が
検出されたが、同一の赤リンを硫酸銅溶液で処理
して、赤リンに対して銅として3.8重量%に相当
するリン化銅を析出させた後、フエノール樹脂を
5重量%被覆した本発明品では、リン化水素が全
く検出されなかつた。又、この本発明品1部をポ
リアミド樹脂9部に添加・混練・成型して得られ
る試片10gを、200ml容の密栓容器内に24時間放
置したところ、空間部に0.15ppmのリン化水素が
検出されたが、フエノール樹脂で被覆する前に、
水酸化マグネシウムを赤リンに対して3%添加し
た本発明品では、リン化水素は全く検出されなか
つた。 赤リンの水懸濁液は、本発明により得られる改
質赤リンも未処理の赤リンも、ともに初期PH値は
7〜8を示すが、経日変化のため、未処理品は著
しいPH降下をおこす。このPHの経日変化は便宜的
に、水懸濁液の初期のPHをアルカリ性に調整して
測定するが、本発明品では、そのPH降下がきわめ
て少ない。 又、本発明で得られる赤リンは、耐熱性が著し
く向上し、空気中における発火点は、用いる金属
塩と熱硬化性樹脂の種類や添加量、及び水酸化ア
ルミニウム又は水酸化マグネシウムの有無により
多少変動するが、未処理の赤リンよりも30〜100
℃ほど高くなる。 さらに流動性の向上も認められ、平均粒径20ミ
クロンの赤リンについて安息角を測定したとこ
ろ、未処理の赤リンやパラフイン被覆の赤リンで
は、60゜〜65゜であるが、本発明による赤リンで
は、48゜〜58゜の値を示す。 その上、合成樹脂類との相溶性が向上し、且つ
赤リン色の隠敝効果が得られる。すなわち本発明
の赤リンをポリウレタン、ポリスチレン、
ABS、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリ
カーボネート、及びポリオレフイン等の各種合成
樹脂溶融体中に、容易に混練、溶解させることが
でき、混練後に成形して得られたものの着色の度
合は、未処理赤リンを同一量添加して得られた成
形品に比較し、いちじるしく軽度である。 なお本発明で得られる赤リンは、耐衝撃性もか
なり改良される。耐衝撃度は一般に、熱硬化性樹
脂の添加量に比例して向上する。しかしその添加
量が、赤リンの5重量%以下であれば、酸化剤を
含む易可燃性物質に対する摩擦発火誘因性は、ほ
とんど変化しない。したがつて、本発明による赤
リンは、上記の如き数々の良好な性質とともに、
マツチの側薬や花火の原料に必要な性質も具備す
ることになる。 このような赤リンの数々の改質結果は、工業的
及び安全な立場からみれば、次のごとく多くの利
益をもたらす。 すなわち、耐酸化・還元安定性の向上により、
人体に対し有害なリン化水素の発生がいちじるし
く抑制されるので、赤リンの製造工場及び加工工
場の作業環境が改善される。また耐熱性、耐衝撃
性の向上により、赤リンの自然発火や爆発等、不
慮の事故が防止できるばかりでなく、かなり高温
のふんい気でも、従来のごとく不活性ガスを用い
る必要がない等、これまで必要とされた予防措置
が一斉不要となる。更に、粉体としての流動性の
向上は、赤リンの運搬、計量作業を容易にすると
ともに、貯蔵時における凝集及び塊状化を防止す
る。 その上、合成樹脂への相溶性の向上は、合成樹
脂溶融物への赤リンの混練作業を容易にし、混練
中における赤リンの飛散、リン化水素の発生及び
発火を防止し、短時間で均質な難燃化樹脂製品の
製造を可能にする。 なお本発明品を添加して得られる合成樹脂成型
品から、リン化水素の発生は全く認められない。 したがつて本発明により、合成樹脂や合成繊維
等の難燃剤としての用途分野にも、数々の利点を
もつ汎用赤リンが提供されることになる。 以下の実施例によつて、本発明の実施態様を具
体的に説明し、得られた製品の物性値を一括して
物性表に示す。 実施例 1 塩化ニツケル六水塩101gを1000mlの水に溶解
し、この溶液に平均粒径20ミクロンの赤リン500
gを懸濁し、90℃に昇温して強力にかきまぜる。
反応中、徐々に溶液の緑色が褪色すると同時に、
赤リン粒子が黒灰色に変る。これは粒子表面上に
リン化ニツケルが生成したことを示す。30分間反
応して液中のニツケルイオン濃度が1ppm以下で
あることを確めた後、反応を終了する。 一方、フルフリールアルコール27g、水3ml、
及び85%リン酸0.5gよりなる混合物を沸とう水
浴上で5時間反応し、得られる粘稠な初期縮合物
と37%ホルマリン10gを強力にかきまぜながら、
上記ニツケル塩処理された赤リン懸濁液に添加
し、90℃に加熱する。同温度で1時間かきまぜを
続けた後、反応液を放冷、ろ過及び水洗し、ろ滓
を130℃に保持された炉内に3時間放置し、乾燥
と同時に赤リン粒子表面上の樹脂の硬化を完結さ
せる。 かくして、外観上は通常の赤リンと変らない改
質赤リン550gを得た。 実施例 2 硝酸銀31.5gを1200mlの水に溶解し、この溶液
に平均粒径20ミクロンの赤リン500gを懸濁し、
75℃に昇温して強くかきまぜる。反応中、赤リン
粒子は徐々に黒灰色に変る。これは粒子表面にリ
ン化銀が生成したことを示す。30分間反応して、
液中の銀イオン濃度が1ppm以下であることを確
め、反応の終点とする。 本懸濁液にフエノール15gと37%ホルマリン27
gと水酸化マグネシウム25gを添加し、80℃に15
分間加熱し、その後強力なかきまぜ下で85%リン
酸10gを加える。同温度で1時間かきまぜを続け
た後、放冷、ろ過及び水洗する。 次に、得られたろ滓を140℃のろ内で3時間乾
燥し、樹脂の硬化を完結させる。 かくして、改質赤リン568gを得た。 実施例 3 酸化銅25gを2000mlの2%アンモニア水に加え
溶解する。この溶液に平均粒径20ミクロンの赤リ
ン500gを懸濁し、90℃に昇温して強くかきまぜ
る。反応中、徐々に溶液の青色が褪色すると同時
に、赤リン粒子は黒灰色に変る。これは粒子表面
にリン化銅が生成したことを示す。 45分間反応して液中の銅イオン濃度が1ppm以
下であることを確め、反応の終点とする。本懸濁
液に硫酸アルミニウム55gを添加し、水酸化アル
ミニウムとして沈殿させた後、更にメラミン6
g、37%ホルマリン28g及び炭酸ナトリウム10g
を加え、90℃で2時間強くかきまぜる。 反応後、一昼夜放冷した後、ろ過、水洗し、得
られたろ滓を135℃で3時間保持し、乾燥ととも
に樹脂の硬化を完結させる。 かくして流動性に富む改質赤リン560gを得
た。 実施例 4 硫酸銅五水塩98gを1500mlの水に溶解し、この
溶液に、平均粒径20ミクロンの赤リン500gを懸
濁し、90℃に昇温して強くかきまぜる。反応中、
溶液の淡青色が徐々に褪色するとともに赤リン粒
子が黒灰色に変る。これは粒子表面上にリン化銅
が生成したことを示す。45分間反応して液中の銅
イオン濃度が1ppm以下であることを確め、反応
を終了する。 得られた懸濁液に、あらかじめ調製しておいた
50%濃度のリゾール型フエノール樹脂の初期縮合
物(フエノール/ホルマリンのモル比1/2、
SG1.18/25℃、PH10)50gを添加し、強力なか
きまぜ下で90℃に加熱し、20%塩化アンモニウム
水溶液50gを添加する。同一温度で1.5時間、か
きまぜを続けた後、放冷、ろ過及び水洗し、140
℃で4時間保つて、乾燥と同時に樹脂の硬化を完
結させる。 かくして545gの流動性に富む改質赤リンを得
た。 実施例 5 硝酸第二鉄六水塩156gを1500mlの水に溶解
し、この溶液に平均粒径20ミクロンの赤リン500
gを懸濁させ、60℃に昇温して強くかきまぜる。
反応中、溶液の鉄イオン特有の黄褐色が徐々に褪
色し、無色透明となる。これは鉄イオンが赤リン
と反応したことを示す。60分間反応して液中の鉄
イオン濃度が1ppm以下であることを確め、反応
を終了する。 本懸濁液に尿素10g、37%ホルマリン20gを添
加・溶解させ、強力なかきまぜ下で90℃に熱し、
更に85%リン酸10gを添加し、2時間加熱しなが
らかきまぜを続ける。それから懸濁液を一昼夜放
冷した後、ろ過、水洗し、140℃の炉内で5時間
保持し、乾燥と同時に樹脂の硬化を完結させる。
かくして改質赤リン540gを得た。 実施例 6 硫酸ニツケル52.8gを1200mlの水に溶解し、こ
の溶液に平均粒径20ミクロンの赤リン500gを懸
濁させ、90℃に昇温して強くかきまぜる。反応
中、溶液の緑色が徐々に褪色するとともに赤リン
粒子が黒灰色に変る。これは粒子表面上にリン化
ニツケルが生成したことを示す。30分間反応して
液中のニツケルイオン濃度が0.1ppm以下である
ことを確め、反応を終了する。 一方、アセトン13gと37%ホルマリン21gの混
合溶液を還流冷却器を付した容器内で60℃に保
ち、30%か性ソーダ水溶液を、反応液のPHが8に
なるように滴下しながらかきまぜ、ホルマリン臭
がなくなれば、反応を終了する。本反応物を上記
ニツケル塩処理して得られた赤リン懸濁液中に、
強力なかきまぜ下で添加し、85℃に加熱してかき
まぜを1.5時間続行する。反応後、反応液を放冷
し、ろ過・水洗し、ろ滓を140℃の炉内で乾燥す
ると同時に樹脂の硬化を完結させる。 かくして流動性に富む改質赤リン535gを得
た。 実施例 7 塩化銅21.2gを1800mlの水に溶解し、この溶液
に平均粒径20ミクロンの赤リン500gを懸濁さ
せ、90℃に昇温して強くかきまぜる。反応中、
徐々に溶液の緑青色が褪色すると同時に赤リン粒
子が黒灰色に変る。これは粒子表面にリン化銅が
生成したことを示す。45分間反応して液中の銅イ
オン濃度が1ppm以下であることを確め、反応の
終点とする。 一方、4.3gの98%グリセリン、2.5gの無水フ
タル酸、15gの亜麻仁油脂肪酸を混合し、炭酸ガ
スを通じながら、200〜230℃に加熱した後、3.3
gの無水フタル酸を添加し、245℃まで更に加熱
する。酸価が12〜15になつたときに冷却し、花王
アトラスKK製の乳化分散剤エマノーン#4110を
2ml添加し、100gの水に分散させる。本懸濁液
を上記銅塩処理して得られた赤リン懸濁液中に添
加混合し、90℃に保ちながら1時間かきまぜる。
反応液を放冷し、ろ過・水洗後、ろ滓を140℃の
炉内で4時間乾燥した結果、改質赤リン530gを
得た。 実施例 8 硝酸ニツケル六水塩123.9gを1500mlの水に溶
解し、この溶液に平均粒径20ミクロンの赤リン
500gを懸濁させ、90℃に昇温して強力にかきま
ぜる。反応中、徐々に溶液の緑色が褪色すると同
時に、赤リンが黒灰色に変る。これは粒子表面上
にリン化ニツケルが生成したことを示す。30分間
反応して液中のニツケルイオン濃度が1ppm以下
であることを確めた後、反応を終了する。 得られた赤リン懸濁液を還流冷却器付き容器に
移し、1:1重量比のトルエン−アセトン混合溶
媒150ml中に東都化成KK製のエポキシ樹脂
TW701の主剤15gを加えた分散液と、花王アト
ラスKK製のエマノーン#4110の乳化分散剤2ml
とを、強力なかきまぜ下で添加し、90℃に昇温す
る。20分間かきまぜを続けた後、更にTW701の
硬化剤15gを該混合溶媒150mlに分散したものを
添加し、同一温度で2時間かきまぜを続ける。 その後、反応液を放冷し、ろ過・水洗し、ろ滓
を135℃の炉内で4時間乾燥した結果、改質赤リ
ン550gを得た。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 赤リンを銅、ニツケル、銀及び鉄からなる群
    から選ばれた金属の塩の水溶液で処理して、赤リ
    ン粒子表面に該金属のリン化物を折出させ、以
    後、熱硬化性樹脂で被覆することを特徴とする赤
    リンの改質方法。 2 該金属リン化物を赤リンに対して金属換算で
    0.01〜5.0重量%折出させる特許請求の範囲第1
    項記載の改質方法。 3 金属塩が水可溶性の無機酸塩、有機酸塩又は
    ハロゲン化物である特許請求の範囲第1項記載の
    改質方法。 4 赤リンを常温乃至100℃の温度範囲において
    金属塩の水溶液で処理する特許請求の範囲第1項
    記載の改質方法。 5 熱硬化性樹脂がフエノール樹脂、メラミン樹
    脂、尿素樹脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂及びア
    ルキツド樹脂からなる群から選ばれる特許請求の
    範囲第1項記載の改質方法。 6 熱硬化性樹脂の被覆量が、赤リンに対して
    0.1〜20重量%である特許請求の範囲第1項記載
    の改質方法。 7 熱硬化性樹脂で被覆する方法として、赤リン
    懸濁液に熱硬化性樹脂の合成原料又は初期縮合物
    を添加する方法を用いる特許請求の範囲第1項記
    載の改質方法。 8 熱硬化性樹脂の合成原料又は初期縮合物がフ
    エノール−ホルマリン系、尿素−ホルマリン系、
    フルフリルアルコール−ホルマリン系、アセトン
    −ホルマリン系、アニリン−ホルマリン系、エポ
    キシ系及びグリセリン−無水フタル酸系物質から
    なる群から選ばれる特許請求の範囲第7項記載の
    改質方法。 9 赤リンを銅、ニツケル、銀及び鉄からなる群
    から選ばれた金属の塩の水溶液で処理して、赤リ
    ン粒子表面に該金属リン化物を折出させ、得られ
    る赤リン懸濁液に水酸化アルミニウム又は水酸化
    マグネシウムを添加し、以後、熱硬化性樹脂で被
    覆することを特徴とする赤リンの改質方法。 10 水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウ
    ムを赤リンに対して0.5〜20重量%添加する特許
    請求の範囲第9項記載の改質方法。
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