JPS6039487Y2 - 増圧式ユニツトインジエクタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ディーゼルエンジンに用いる増圧式ユニット
インジェクタに関するものである。

増圧式ユニットインジェクタＡは第１図に示すようにな
っていて、これのサーボピストン室１がロータリバルブ
２の供給ポート３に接続されており、この供給ポート３
から供給された高圧の燃料にてサーボピストン室１内の
増圧ピストン４が戻しばね５に抗して押動され、これと
共に作動するプランジャ６にて増圧室７内にメータリン
グされた燃料がノズル８から噴射されるようになってい
る。

ロータリバルブ２が切換ってサーボピストン室１が低圧
になると増圧ピストン４およびプランジャ６が戻しばね
５にて、この戻しばね５の付勢力とサーボピストン室１
内の圧力と釣合う位置まで戻される。

そしてこのときのプランジャ６の戻り量に応じた量の燃
料がサーボピストン室１より逆止弁９を介装したメータ
リング回路１０から増圧室７に流入してメータリングさ
れるようになっている。

なお、１１は吸い戻し弁で、噴射行程の終了時にプラン
ジャ６に設けた漏れ孔１２を介してここから増圧室７の
燃料を漏らすようになっている。

このような増圧式ユニットインジェクタＡは、サーボピ
ストン室１と増圧室７とを連通ずるメータリング回路１
０には、増圧室方向へ流れのみを許す常閉の逆止弁９を
１個設けた構成であったため、サーボピストン室１内圧
力の変動、戻しばね５のオーバシュート等によって増圧
ピストン４が希望するメータリング高さ以上にメータリ
ング動をしてしまった場合、増圧室７内に逆止弁９を通
って流入した次回噴射分であるところのメータリング量
は希望噴射量より多くなってしまう。

この現象は逆止弁９を通して一度流入したメータリング
量は逆流しないことによって生じるものである。

このため、上記した常閉の逆止弁９を１個用いた増圧式
ユニットインジェクタにおいては噴射量がばらつきやす
く、また噴射量の減少は１サイクル後でしか行なえない
ため、エンジンの減速性が低下するという不具合があっ
た。

本考案は上記のことにかんがみなされたもので、増圧ピ
ストンが戻った状態、すなわちメータリング状態で、メ
ータリング回路を連通状態とすることができるようにす
ることにより、メータリング時における増圧式ピストン
を、サーボピストン室内圧力と戻しばねの付勢力とのバ
ランスによってのみ所定の位置に停止させることができ
、常に希望するメータリング量をバラツキなく安定して
得ることができると共に、エンジンの減速性を向上する
ことができるようにした増圧式ユニットインジェクタを
提供しようとするものである。

以下その構成を第２図に示した実施例に基いて説明する
。

なおこの実施例において、上記した従来列のものと同−
構成の部材は同一符号で示し説明を省略した。

サーボピストン室１と増圧室７とを連通ずるメータリン
グ回路１３のサーボピストン室１側端部に、常開で、か
つサーボピストン室１内がピストン作動圧になったとき
のみメータリング回路１３をはねに抗して閉じるように
した第１逆止弁１４が介装しである。

またメータリング回路１３の増圧室７側端部に常開で、
かつ増圧室７が燃料噴射時の圧力になったときのみにば
ねに抗して閉じるようにした第２逆止弁１５が介装しで
ある。

上記構成において、サーボピストン室１内に高圧の燃料
が作用して増圧ピストン４が戻しばね５に抗して押動さ
れた状態であるところの燃料噴射時には、第１逆止弁１
４がサーボピストン室１内の作動圧によって閉となり、
また第２逆止弁１５は増圧室７内の噴射時の圧力にて閉
となり、増圧室７内の燃料はノズル８から噴射される。

噴射行程の終了時にはプランジャ６に設けた漏れ孔１２
が吸い戻し孔に連通して増圧室７内が低圧になる。

このとき第２逆止弁１５が開となるが、まだサーボピス
トン室１内の圧力が作動圧となっていて第１逆止弁１４
が閑となっているので、上記第２逆止弁１５が開となっ
てもサーボピストン室１内の燃料が上記漏れ孔１２から
漏れることがない。

つぎにロータリバルブ２が切換ってサーボピストン室１
の圧力が低圧になると、増圧ピストン４が戻しばね５に
より戻され、これと共にプランジャ６が戻る。

このとき、サーボピストン室１および増圧室７内の圧力
が低くなることにより、第１．第２逆止弁１４，１５が
開となり、上記プランジャ６の戻りに従ってサーボピス
トン室１内の燃料がメータリング回路１３を通って増圧
室７へ流入してメータリングされる。

上記両逆止弁１４．１５の開状態はメータリングが終了
して噴射行程が始まるまで保たれ、この間ではサーボピ
ストン室１と増圧室７とは略同−の圧力となる。

従って上記メータリング時の増圧ピストン４は、かりに
サーボピストン室１内の圧力変動、戻しばね５のオーバ
シュート等によって希望するメータリング高さ以上にメ
ータリング動してしまっても、増圧室７内の燃料に邪魔
されることなく戻ることができ、サーボピストン室１内
圧力と戻しばね５でバランスする位置、すなわち希望す
るメータリング高さに停止される。

本考案は以上のようになり、ロータリバルブ２の供給ポ
ートに接続したサーボピストン室１と、このサーボピス
トン室１に嵌合され、かつサーボピストン室１内に供給
される高圧燃料の押圧力にて作動し、また戻しばね５に
てメータリング動作する増圧ピストン４と、サーボピス
トン室１とメータリング回路１３を介して連通し、上記
増圧ピストン４のメータリング動作時にこのメータリン
グ回路１３により燃料が流入してメータリングされる増
圧室７とよりなり、上記増圧ピストン４の作動により増
圧室７内の燃料をノズル８より噴射するようにした増圧
式ユニットインジェクタにおいて、上記サーボピストン
室１と増圧室７とを連通ずるメータリング回路１３のサ
ーボピストン室１側端部に、サーボピストン室１内の圧
力がピストン作動圧になったときにのみ閉となる常開の
第１逆止弁１４を、またメータリング回路１３の増圧室
７側端部に、増圧室７内の圧力が燃料噴射圧になったと
きにのみ閉となる常開の第２逆止弁１５をそれぞ介装し
て増圧式ユニットインジェクタを構成したからサーボピ
ストン室１と増圧室７とを連通ずるメータリング回路１
３を、メータリング時に開放状態とすることができ、こ
れによってメータリング時における増圧ピストン４をサ
ーボピストン室１内圧力と戻しばね５の付勢力とのバラ
ンスによってのみ所定の位置に停止させることができ、
常に希望するメータリング量をバラツキなく安定して得
ることができる。

また噴射量を１サイクル毎に所定量ずつ設定することが
できることにより、噴射量の減少を１サイクル毎に行な
うことができ、エンジンの減速性を向上することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図、第２図は本考案の実施例
を示す断面図である。 １はサーボピストン室、２はロークリバルブ、４は増圧
ピストン、５は戻しばね、７は増圧室、８はノズル、１
３はメータリング回路、１４．１５は逆止弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロータリバルブ２の供給ポートに接続したサーボゼスト
   ン室１と、このサーボゼストン室１に嵌合され、かつサ
   ーボピストン室１内に供給される高圧燃料の押圧力にて
   作動し、また戻しばね５にてメータリング動作する増圧
   ピストン４と、サーボピストン室１とメータリング回路
   １３を介して連通し、上記増圧ピストン４のメータリン
   グ動作時にこのメータリング回路１３により燃料が流入
   してメータリングされる増圧室７とよりなり、上記増圧
   ピストン４の作動により増圧室７内の燃料をノズル８よ
   り噴射するようにした増圧式ユニットインジェクタにお
   いて、上記サーボピストン室１と増圧室７とを連通ずる
   メータリング回路１３のサーボピストン室１側端部に、
   サーボピストン室１内の圧力がピストン作動圧になった
   ときにのみ閉となる常開の第１逆止弁１４を、またメー
   タリング回路１３の増圧室７側端部に、増圧室７内の圧
   力が燃料噴射圧になったときにのみ閉となる常開の第２
   逆止弁１５をそれぞ介装したことを特徴とする増圧式ユ
   ニットインジェクタ。