JPH11243960A - ヒトcc型ケモカインエオタキシン3 - Google Patents

ヒトcc型ケモカインエオタキシン3

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JPH11243960A
JPH11243960A JP10054928A JP5492898A JPH11243960A JP H11243960 A JPH11243960 A JP H11243960A JP 10054928 A JP10054928 A JP 10054928A JP 5492898 A JP5492898 A JP 5492898A JP H11243960 A JPH11243960 A JP H11243960A
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protein
eotaxin
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chemokine
human
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JP10054928A
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Mototsugu Kitaura
基次 北浦
Toshio Imai
俊夫 今井
Osamu Yoshie
修 義江
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Shionogi and Co Ltd
Original Assignee
Shionogi and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なヒトCC型ケモカインエオタキシン3と
それをコードするポリヌクレオチド分子を提供する。 【解決手段】 エオタキシン3タンパク質、エオタキシ
ン3タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子、エ
オタキシン3タンパク質に対する抗体、およびエオタキ
シン3タンパク質とGタンパク質共役7回膜貫通型レセ
プターCCR3の結合による生物作用に対するアゴニストあ
るいはアンタゴニストは、炎症、免疫、感染、癌などの
治療および診断に有用な手段を提供することによって、
該課題を解決することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に、遺伝子発現
およびタンパク質工学の分野に属し、具体的には新規な
CC型ケモカインの遺伝子発現およびその関連技術並び
にその医薬への応用に関する。
【0002】
【従来の技術】物理的、化学的あるいは生物学的な機序
により起こる外来性あるいは内因性のさまざまな組織傷
害、侵襲、抗原暴露などは強い炎症反応や免疫反応を誘
導する。これらの反応は重要な生体防御反応であるが、
ときには急性あるいは慢性の疾患の原因ともなりうる。
炎症反応や免疫反応を誘発する原因が組織に加えられる
と、まず好中球、顆粒球、リンパ球あるいはマクロファ
ージなどのような炎症性細胞あるいは免疫担当細胞の血
管内皮細胞への吸着、血管外への移動、そして侵襲ある
いは障害された組織や抗原の存在する組織での集積が起
こる。このような一連の細胞遊走反応を誘導する物質と
して一群のケモタクティック・サイトカイン、いわゆる
ケモカインが存在する。ケモカインは遊走反応(ケモタ
クティック反応)を誘導する一群のサイトカインであ
り、アミノ酸配列の類似性から構造的にも相互に密接に
関係する。これまでにヒトでは少なくとも35種のケモカ
インが報告されている。ケモカインは共通に保存された
3個ないし4個のシステイン残基のうちの最初の2個の並
び方から、大きくC型、CXC型(2個のシステインが1個の
アミノ酸で隔てられている)とCC型(2個のシステイン
が隣り合っている)、CXXXC型(2個のシステインが3個
のアミノ酸で隔てられている)に分けられる。C型ケモ
カインとしてヒトではSCM-1が、CXXXC型ケモカインとし
てヒトではFractalkineが知られている。CXC型ケモカイ
ンとしてはヒトではIL-8、β-TG、PF-4、MGSA/GRO、ENA
-78、NAP-2、GCP-1、GCP-2、IP-10、SDF-1/PBSF、MIGな
どが知られ、主に好中球の活性化と遊走を誘導する。CC
型ケモカインとしてはヒトではMIP-1α、MIP-1β、RANT
ES、MCP-1、MCP-2、MCP-3、MCP-4、I-309、エオタキシ
ン、ELC、LARC、SLC、PARC、TARC、MDC、MPIF−1、MPIF
−2(エオタキシン2)、TECK、HCC-1、HCC-2などが知ら
れ、主にモノサイト/マクロファージの活性化と遊走を
誘導する。また、CC型ケモカインにはT細胞、好塩基
球、好酸球などに対して活性化と遊走誘導を示すものが
知られている(Oppenheim et al, Annu. Rev. Immunol.
9: 617-648, 1991; Baggiolini et al., Adv. Immuno
l. 55: 97-179, 1994; Ben-Baruch et al., J. Biol.
Chem. 270: 11703-11706, 1995)。
【0003】エオタキシンとは好酸球を遊走させる活性
を示す、CCR3をレセプターとするケモカインに付さ
れた名称であり、ヒトエオタキシンのアミノ酸配列およ
びそれをコードするDNA配列は1997年1月9日発行のWO970
0960に開示されている。次いで、Vikram P.Paterl.et a
l.,(1997),J. Exp. Med. vol. 185: 1163-1172およびUl
f Forssmann et al.,(1997) J. Exp. Med. Vol.185: 21
71-2176には、エオタキシン2(MPIF-2)が開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、新たな
CC型ケモカインを見い出すべく、ワシントン大学(Washi
ngton University)のGenome Sequencing Centerが公開
しているヒトゲノムシーケンスデータからゲノムDNA解
析プログラムGRAILを用いてタンパク質コード領域を検
索した。その結果、新たなCC型ケモカイン様タンパク質
をコードすると考えられる配列の存在を見い出し、ヒト
肺組織由来mRNAからcDNAを単離し、その全長にわたる塩
基配列を決定した。そして、遺伝子工学的技術を用いて
産生したタンパク質は、ヒトCCR3発現細胞に対して細胞
内カルシウム濃度を上昇させる活性を示すことを明らか
にし、これが好酸球、好塩基球、TH2タイプのT細胞上に
発現しているGタンパク質共役7回膜貫通型タンパク質
ケモカインレセプターCCR3 (Kitaura et al., J. Biol.
Chem. 271: 7725-7730, 1996) に特異的に反応するリ
ガンドであることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。そしてこの新規のヒトCC型ケモカインをエオタキシ
ン3(eotaxin3)と命名した。本発明エオタキシン3と
エオタキシンとの相同性は31%、エオタキシン2との相
同性は32%である。
【0005】エオタキシン3はcDNAの塩基配列から予想
されるオープンリーディングフレーム(open reading f
rame, ORF)から94個のアミノ酸からなるタンパク質
と推定され、さらに成熟型タンパク質では23番目のア
ラニンと24番目のスレオニンとの間でシグナル配列が
切断され、71個のアミノ酸からなる分子量約8.4kD
aの塩基性タンパク質であると推定される。成熟型のエ
オタキシン3は既知のCC型ケモカインと有意の相同性を
示し、特にCC型ケモカインで保存されている4個のシス
テインはすべて保存されている。しかし、既存のCCケモ
カインとの相同性は最も高いMIP-1βに対しても36%程
度である。エオタキシン3は、好酸球、好塩基球、TH2
タイプのT細胞に発現して喘息、アトピー等のアレルギ
ー、HIVの感染メカニズムに関係していると考えられて
いるGタンパク質共役7回膜貫通型タンパク質のケモカ
インレセプターであるCCR3 (Kitaura et al., J. Biol.
Chem.271: 7725-7730, 1996)と特異的に反応するとい
う特徴から、アレルギー発症メカニズムの解明およびHI
Vの感染メカニズムの解明に重要である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケモカインレ
セプターCCR3のリガンドであるヒトCC型ケモカイン
もしくはその変異体またはそれらの断片であるタンパク
質であって、CCR1、CCR2b、CCR4およびC
CR5に対してリガンド結合阻害作用を有するタンパク
質、好ましくは配列番号1のアミノ酸残基1あるいは24
から94のアミノ酸配列を有するヒトCC型ケモカイン、そ
の変異体またはそれらの断片であるタンパク質;本発明
タンパク質を含有する医薬組成物、好ましくは抗炎症
剤、免疫応答調節剤、抗感染症剤、抗癌剤、炎症及び/
又は免疫に関連する病気の診断薬;本発明タンパク質に
対する抗体、好ましくは単クローン抗体;本発明単クロ
ーン抗体を産生するハイブリドーマ細胞;
【0007】本発明タンパク質をコードするポリヌクレ
オチド分子、好ましくは配列番号1の28位のAから309位
のGまでの塩基配列の全長あるいは部分に対応するポリ
ヌクレオチド分子、またはその変異体、より好ましくは
DNA分子またはRNA分子であるポリヌクレオチド分子;配
列番号1の1位のCから467位のTまでの塩基配列の一部と
相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド分子、または
その変異体であって本発明タンパク質の活性または機能
を阻害する分子;
【0008】本発明ポリヌクレオチド分子を含有するベ
クター;本発明ベクターを宿主細胞に導入して得られる
形質転換体;本発明形質転換体を培養し、産生されたタ
ンパク質を培養物から回収することを特徴とする、本発
明タンパク質を製造する方法;本発明ポリヌクレオチド
分子またはその変異体を含有する医薬組成物;本発明タ
ンパク質とCCR3との結合による作用に対するアゴニ
スト、インバースアゴニストまたはアンタゴニストをス
クリーニングする方法であって、レセプターに対する結
合性および/または反応性を測定する工程を包含する方
法;および本発明スクリーニング方法によって得ること
のできる、本発明タンパク質とCCR3との結合による
作用に対するアゴニスト、インバースアゴニストまたは
アンタゴニスト、に関する。
【0009】本発明の1つの発明は、ケモカインレセプ
ターCCR3のリガンドであるヒトCC型ケモカインもし
くはその変異体またはそれらの断片であるタンパク質で
あって、CCR1、CCR2b、CCR4およびCCR
5に対してリガンド結合阻害作用を有するタンパク質に
関する。CCR1はMIP-1α、RANTESのレセプターとし
てNeote,K. et.al.(1993) Cell72,415-425に記載されて
いる。CCR2bはMCP-1、MCP-3のレセプターとしてCo
mbadiere,C.,et.al. (1995)J.Biol.Chem. 270,29671-29
675に記載されている。CCR4はTARC、MDCのレセプタ
ーとしてImai,T.,et.al.(1998) J.Biol.Chem.273,1764-
1768に記載されている。CCR5はMIP-12、MIP-1β、R
ANTESのレセプターとしてCombadiere, C., et.al. (199
5) J.Biol.Chem. 270,16491-16494に記載されている。
「リガンド結合阻害作用」とは、各レセプターのリガン
ドとしての機能は示さないが、本来のリガンドと各レセ
プターとの結合を阻害する作用を意味する
【0010】別の態様では、本発明は、配列番号1のア
ミノ酸残基1または24から94のアミノ酸配列を有す
るヒトCC型ケモカイン(エオタキシン3前駆体またはエ
オタキシン3)、またはこの配列に1または数個のアミ
ノ酸の置換、欠失、挿入、付加の中から選ばれる少なく
とも1つの変異を含む配列を有し、かつ該ヒトCC型ケモ
カインの機能または活性と実質的に同じ程度である機能
または活性を有する該ヒトCC型ケモカインの変異体、あ
るいは該ヒトCC型ケモカインに対するアンタゴニストと
して機能しうる該ヒトCC型ケモカインの変異体、または
それらの断片であるタンパク質に関する。
【0011】本明細書中、「CC型ケモカインエオタキシ
ン3の変異体」とはエオタキシン3タンパク質のアミノ
酸配列に1または数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、
付加の中から選ばれる少なくとも1つの変異を含む配列
を有し、および/あるいは化学的または生化学的な改変
または天然もしくは非天然のアミノ酸を含むことのでき
る改変タンパク質で、機能または活性が実質的に該CC型
ケモカインと同じであるタンパク質あるいは該CC型ケモ
カインのアンタゴニストとして機能するタンパク質、を
意味する。本明細書中、「CC型ケモカインエオタキシン
3またはその変異体の断片」とは特に規定されず、短く
てもエオタキシン3の活性に影響しない長さのタンパク
質を意味する。
【0012】別の態様として、本発明は、本発明のCC型
ケモカインおよび該タンパク質の変異体をコードするポ
リヌクレオチド分子に関する。好ましくは、配列番号1
の塩基配列の28位のAから309位のGまでの塩基配列の全
長あるいは部分に対応するポリヌクレオチド分子、また
はその塩基置換、塩基付加もしくはアレル変異による変
異体である。本明細書中、「ポリヌクレオチド分子」は
DNAでもRNA分子でもあり得る。DNAの場合、cDNA、ゲノ
ミックDNAあるいは合成DNAであり得る。またDNAおよびR
NAいずれも2本鎖でも1本鎖でもあり得る。1本鎖の場
合コード鎖あるいは非コード鎖であり得る。「本発明の
ポリヌクレオチド分子の塩基置換、塩基付加による変異
体」とは、配列番号1に記載された塩基配列とは異なる
遺伝子コードを用いて、結果的には配列番号1に記載さ
れたアミノ酸1から94のタンパク質と同じタンパク
質、あるいは配列番号1に記載されたアミノ酸配列24
から94のタンパク質と同じタンパク質、をコードしう
る変異体を意味する。「アレル変異による変異体」とは
自然に存在する個人差や人種差に基づく塩基変異を意味
し、コードするアミノ酸配列が変化する場合もある。ま
た、本発明のポリヌクレオチド分子は配列番号1の塩基
配列の97位のAから309位のGからなる塩基配列の
全長あるいは一部であり得る。一部の塩基配列の場合、
通常その長さは本発明タンパク質の断片をコードする長
さである。
【0013】本発明は別の態様として、配列番号1の1
位のCから467位のTまでの塩基配列の一部と相補的な配
列を有するオリゴヌクレオチド分子、またはその塩基置
換、塩基付加、アレル変異による変異体であって本発明
タンパク質の活性または機能を阻害する分子に関する。
特に、5'ノンコーディング部分の相補的な配列が好ま
しいが、より好ましくは転写開始部位、翻訳開始部位、
5'非翻訳領域、エクソンとイントロンとの境界領域も
しくは5'CAP領域に相補的配列であることが望ましい。
好ましい長さは、約10塩基対(bp)〜約40bpで
ある。
【0014】また、別の態様として、本発明は本発明の
ポリヌクレオチド分子を含有するベクターに関する。本
発明ベクターには発現ベクター、クローニングベクタ
ー、治療用ベクターなどの種々の用途を持つベクターが
包含される。発現ベクターは本発明タンパク質の大量生
産に利用できる。発現ベクターについての詳細は以下の
発明の実施形態の項に示す。治療用ベクターは本発明ポ
リヌクレオチド分子を投与し細胞内に導入する手法に用
い、ウイルスベクターによる方法およびその他の方法
(日経サイエンス、1994年4月号、20-45頁、月刊薬事、
36(1)23-48(1994)、実験医学増刊、12(15)、(1994)、お
よびこれらの引用文献(等)のいずれの手法も適用するこ
とができる。ウイルスベクターによる方法としては、例
えばレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイ
ルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポック
スウイルス、ポリオウイルス、シンビスウイルス等のRN
Aウイルス等に本発明のDNAを組み込んで導入する方法が
挙げられる。この中で、レトロウイルス、アデノウイル
ス、アデノ関連ウイルス、ワクシニアウイルス等を用い
た方法が特に好ましい。その他の方法としては、プラス
ミドを直接筋肉内に投与する方法(DNAワクチン法)リ
ポソーム法、リポフェクチン法、マイクロインジェクシ
ョン法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション
法等が挙げられ、特にDNAワクチン法、リポソーム法が
好ましい。
【0015】さらなる態様として、本発明は本発明のタ
ンパク質またはその変異体あるいはそれらをコードする
ポリヌクレオチド分子を含有する医薬組成物に関する。
本発明の医薬組成物には例えば、抗炎症剤、免疫応答調
節剤、抗感染症剤、抗癌剤、炎症および/または免疫に
関連する病気の予防薬または診断薬が包含される。本発
明のポリヌクレオチド分子を医薬として作用させるに
は、直接体内に導入するin vivo方法、およびヒトから
ある種の細胞を採用し体外で遺伝子を該細胞に導入しそ
の細胞を体内に戻すex vivo方法がある。本発明タンパ
ク質またはポリヌクレオチド分子の投与量は、患者の年
齢、体重等により適宜調整することができるが、通常本
発明タンパク質として、0.001mg〜100mgであり、これを
数日ないし数月に1回投与するのが好ましい。なお、本
発明のタンパク質は生体内活性物質であることから、該
タンパク質の活性が生じる量、すなわち本発明のタンパ
ク質を含む医薬組成物の使用量においてはその急性毒性
は問題とならないことが容易に推測される。
【0016】さらに、本発明は本発明のタンパク質また
はその変異体に対する抗体、特に単クローン抗体、およ
び該単クローン抗体を産生するハイブリドーマ細胞に関
する。
【0017】別の態様として、本発明は、本発明のタン
パク質とその特異的レセプターとの関係を提供すること
によって、本発明のタンパク質とその特異的レセプター
との結合により引き起こされる生物作用に対するアゴニ
スト、インバースアゴニストまたはアンタゴニストとし
て働く物質を探索し、評価する工程を包含する方法に関
する。すなわち、該アゴニスト、インバースアゴニスト
またはアンタゴニストを含むと推定される試料を該タン
パク質とその特異的レセプターの結合反応に加えてその
結合阻止を測定したり、該タンパク質に対する特異的レ
セプターへの直接の結合性および/または反応性を測定
する工程を包含する方法に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明はおもにどの組織において
も低レベルで構成的に発現しているヒトCC型ケモカイン
に関する。次に本発明タンパク質の調製工程を説明す
る。本明細書において、特に指示のない限り、当該分野
で公知である遺伝子組換え技術、動物細胞、昆虫細胞、
酵母および大腸菌での組換えタンパク質の生産技術、発
現したタンパク質の分離精製法、分析法および免疫学的
手法が採用され得る。
【0019】本発明タンパク質の調製 本発明のエオタキシン3タンパク質をコードするDNAを
含むDNA断片の配列決定方法を例示する。このDNA断片の
配列は、例えばヒトの肺組織などから由来したcDNAから
得ることができるが、そのためには、まずcDNAライブラ
リーからエオタキシン3タンパク質をコードするcDNAの
クローニングを行うためのプライマーが必要である。
【0020】(1)ヒトゲノムシーケンスデータからの
エオタキシン3 cDNA部分配列の検索 Washington UniversityのGenome Sequencing Centerが
公開しているヒトゲノムシーケンスデータからゲノムDN
A解析プログラムGRAILを用いてタンパク質コード領域を
検索し、CC型ケモカインと有意の 相同性をもつが、既
知のケモカインとは異なるタンパク質をコードすると考
えられるエキソン配列を見出す。得られたエキソン配列
をもとにポリメレース連鎖反応(PCR)用プライマー1対
を合成する。
【0021】(2)エオタキシン3の全長cDNAの塩基配
列の決定 つぎに、これらのプライマーを用いて、例えばヒト肺組
織のmRNAから、cDNA末端迅速増幅法(rapid amplificat
ion of cDNA ends、RACE法) (Frohman et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 85 : 8998-9002, 1988)を利用
し、cDNAの全長にわたる塩基配列を決定する。すなわち
ヒト肺組織より調製されたMarathon-ReadyTM cDNA (Cl
ontech社製)を用いて、5'側RACEと3'側RACEを行う。す
なわち、まず上流側の5'側プライマーから下流の3'側へ
向かってcDNAの3'端までcDNAを増幅し、得られたcDNA断
片を適当な塩基配列決定用ベクター、例えばpGEM-T (Pr
omega社製)やpBluescript II(Stratagene社製)に挿
入する。次に組換えプラスミドを回収し、クローニング
されたcDNA断片の塩基配列を、例えばSanger法(Sanger
et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74: 5463-546
7, 1977)によって決定する。つぎに、同様にして、下
流の3'側プライマーから上流の5'側へ向かってcDNAの5'
端までcDNAを増幅する。得られたcDNA断片を上記と同様
に適当な塩基配列決定用ベクターに挿入し、組換えプラ
スミドを回収し、クローニングされたcDNAの塩基配列を
決定する。このようにして決定した2種類のcDNAクロー
ンの塩基配列を両者で共通する領域を用いて重ね合せる
ことによって、全長のcDNAに対応する塩基配列が決定さ
れる。
【0022】(3)エオタキシン3の全長cDNAの調製 得られたエオタキシン3の全長 cDNAの塩基配列をもと
に、エオタキシン3タンパク質をコードする領域の両端
の塩基配列にもとづいて合成した2種類のプライマーを
用いてポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)により増幅し、
適当な塩基配列決定用ベクター(上記)に挿入し、組換
えベクターを回収して、クローニングされたcDNAの塩基
配列を決定する(上記)。
【0023】(4)組換えエオタキシン3の発現 つぎに得られたエオタキシン3タンパク質をコードする
cDNAを適当な発現ベクターに組み込み、エオタキシン3
タンパク質を発現するための発現ベクターとする。適当
な発現ベクターとしては、例えば、細菌についてはpRSE
T、 pGEMEX、pKK233-2、など、酵母についてはpYES2、
昆虫細胞についてはpVL1393、動物細胞についてはpEF-B
OS、pSRα、pDR2、などが各々挙げられる。この発現ベ
クターを適当な宿主細胞、例えば、細菌、酵母、昆虫細
胞、または動物細胞に導入して、形質転換体を作製す
る。大腸菌などの原核微生物では、原核微生物の分泌タ
ンパク質に由来するシグナル配列(例えばシグナルペプ
チドOMPa)と成熟型エオタキシン3タンパク質とが融合
した融合タンパク質として、強力なプロモーター(例え
ばT7プロモーター)の支配下に発現し得る。酵母では、
酵母の分泌タンパク質の天然前駆物質に由来するシグナ
ル配列(例えばフェロモンαのプレプロ配列)と成熟型
エオタキシン3タンパク質とが融合した融合タンパク質
として、発現し得る。動物細胞では、すでに存在するシ
グナル配列を含むエオタキシン3タンパク質の前駆体タ
ンパク質の遺伝子を強力なプロモーター(例えばEF-1α
プロモーター)の下流に挿入し、効果的な選択マーカー
(例えばジヒドロ葉酸レダクターゼ)と共に動物細胞
(例えば CHO dhfr- 細胞)に導入し、薬剤(この場合
はメトトレキセート)に対する耐性により細胞を選択
し、高発現の細胞株を樹立し得る。またシグナル配列を
含むエオタキシン3タンパク質前駆体の遺伝子をウイル
スまたはレトロウイルスに組込み、この組換えウイルス
を動物細胞に感染にさせることにより、発現し得る。こ
れら形質転換体を培養することにより、 エオタキシン
3タンパク質が産生分泌され得る。
【0024】あるいは、成熟型エオタキシン3タンパク
質は、例えば固相法を用いて、2個のジスルフィド結合
の存在に必要な注意を払って、報告された方法(Clark-
Lewis et al., Biochemistry 30:3128-3135, 1991)を
もちいて全合成される。得られたタンパク質の精製は当
業者に周知の方法、例えば、アフィニティーカラム、イ
オン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフ
ィー、逆相クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィ
ー、などを組み合わせて行うことができる(Imai et a
l., J. Biol. chem. 271: 21514-21521, 1996)。本発
明のエオタキシン3タンパク質の変異体の発現は、当業
者に周知の遺伝子組換え技術(Sambrook et al., Molec
ular Cloning: A laboraroy manual, 2ndedn. New Yor
k, Cold Spring Harbor Laboratory)によって変異を導
入したDNAを用いて行うことができる。
【0025】本発明タンパク質に対する抗体の調製 本発明のエオタキシン3タンパク質に対する抗体は、例
えば、推定されるエオタキシン3のアミノ酸配列の一部
に基づいて通常のペプチド合成機で合成した合成ペプチ
ドや、 エオタキシン3を発現するベクターで形質転換
した細菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞、などにより産生
されたエオタキシン3タンパク質を通常のタンパク化学
的方法で精製し、これらを免疫原として、マウス、ラッ
ト、ハムスター、ウサギ、などの動物を免疫して、その
血清由来の抗体(ポリクローナル抗体)を作製する。
【0026】あるいは、免疫したマウスやラットの脾臓
またはリンパ節からリンパ球を取りだし、ミエローマ細
胞と融合させてKohlerとMilsteinの方法[Nature,256,4
95-497(1975)]又はその改良法であるUedaらの方法[Pr
oc.Natl.Acad.Sci. USA, 79:4386-4390, 1982)]に従っ
てハイブリドーマを作製し、該ハイブリドーマから単ク
ローン抗体を産生させ得る。例えば以下の工程によりエ
オタキシン3タンパク質の単クローン抗体を得ることが
できる。 (a) エオタキシン3タンパク質によるマウスの免
疫、(b) 免疫マウスの脾臓の除去及び脾臓細胞の分
離、(c) 分離された脾臓細胞とマウスミエローマ細
胞との融合促進剤(例えばポリエチレングリコール)の
存在下での上記のKohlerらに記載の方法による融合、 (d) 未融合ミエローマ細胞が成長しない選択培地
での得られたハイブリドーマ細胞の培養、(e) 酵素
結合免疫吸着検定 (ELISA)、ウエスタンブロット、など
の方法による所望の抗体を生産するハイブリドーマ細胞
の選択及び限定希釈法等によるクローニング、(f)
エオタキシン3単クローン抗体を生産するハイブリドー
マ細胞を培養し、単クローン抗体を収穫する。
【0027】エオタキシン3タンパク質のmRNAとタンパ
ク質の 検出 本発明のエオタキシン3のmRNAとタンパク質の存在は、
通常の特異的mRNAおよびタンパク質に対する検出法を用
いて行うことができる(Sambrook et al., Molecular C
loning: A laboraroy manual, 2nd edn. New York, Col
d Spring Harbor Laboratory 1989; Harlow and Lane,
Antibodies: A laboratory manual, NewYork, Cold Spr
ing Harbor Laboratory 1988)。例えば、mRNAはアンチ
センスRNAやcDNAをプローブに用いたノーザンブロット
解析やインサイツ・ハイブリダイゼーション法により検
出できる。また、mRNAを逆転写酵素でcDNAに変換したの
ち、適当なプライマーの組み合わせによるポリメラーゼ
連鎖反応法(PCR)によっても検出することができる。
タンパク質については、 エオタキシン3タンパク質に
特異的な抗体を用いた免疫沈降やウエスタンブロットな
どにより検出することができる。
【0028】エオタキシン3タンパク質の免疫学的定量
例えば、放射性アイソトープ、ペルオキシダーゼやアル
カリフォスファターゼのような酵素、あるいは蛍光色素
などで標識した一定量のエオタキシン3に、濃度既知の
非標識エオタキシン3、および血清由来の抗エオタキシ
ン3ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を加
えて、抗原抗体競合反応を行わせる。非標識抗原の濃度
を適当に変化させた後、抗体と結合した標識抗原と抗体
に結合していない標識抗原とを適当な方法で分離して、
抗体と結合した標識抗原の放射能量、酵素活性または蛍
光強度を測定する。非標識抗原量が増すにつれ、抗体と
結合する標識抗原の量は減少する。この関係をグラフに
して標準曲線を得る。またエオタキシン3タンパク質上
の異なるエピトープを認識する2種類の単クローン抗体
の一方を固相化し、他方を上記のいずれかの方法でラベ
ルし、固相化抗体に結合したエオタキシン3の量をラベ
ル抗体で検出定量する、いわゆるサンドイッチ法も可能
である。次に、上記の反応系に濃度既知の非標識抗原の
代わりに未知量の抗原を含む試料を加え、これを反応さ
せた後に得られる、放射能量、酵素活性、または蛍光強
度、を標準曲線にあてはめれば、試料中の抗原、すなわ
ちエオタキシン3タンパク質の量を知ることができる。
エオタキシン3タンパク質を定量することにより、炎
症反応や免疫反応をモニターするための新しい方法が提
供され得る。
【0029】エオタキシン3タンパク質のケモカイン活
性の測定 本発明のエオタキシン3タンパク質のケモカイン活性
は、例えば、標的細胞にFura-2 AMやFura PE3を取り込
ませ、エオタキシン3タンパク質を添加したときの細胞
内カルシウム濃度の変化を蛍光高度計で測定してエオタ
キシン3タンパク質の標的細胞の反応性を見る。また、
例えば、試験管内では、一定の口径のポアを有するフィ
ルターを介在させて仕切った培養容器の一方の側にエオ
タキシン3タンパク質を入れ、他方の側に標的細胞を入
れて、一定時間後にフィルターのポアを通過してエオタ
キシン3タンパクの存在する側へ移動した細胞数をラン
ダムな移動数と比較して示し得る。また、生体内では、
精製したエオタキシン3タンパク質を動物に投与して細
胞の浸潤と集合を組織学的方法で検出することによって
も示し得る。
【0030】各種レセプターとの結合試験 CCR1、CCR2b、CCR3、CCR4およびCC
R5の各種レセプターの遺伝子を発現する細胞は、例え
ばT. Imai, et al.; J. Biol. Chem. Vol.273, 1764-1
768に記載されている作製方法に従って作製できる。細
胞としてはヒト赤白血病細胞株K562細胞、マウスプ
レB細胞株L1.2細胞などを利用すればよい。
【0031】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに説明する
が、本実施例は本発明を限定するものでない。実施例1 エオタキシン3のcDNAの単離およびその構造決定 (1) ヒトゲノムシーケンスデータからのエオタキシン
3 cDNA 部分配列の検索。 Washington UniversityのGenome Sequencing Centerが
公開しているヒトゲノムシーケンスデータ中の塩基配列
H_RG356E01からゲノムDNA解析ソフトGRAILを用いてタン
パク質コード領域を検索し、CC型ケモカインと有意の相
同性をもつが、既知のケモカインとは異なるケモカイン
タンパク質をコードすると考えられるエキソン配列を見
出した。
【0032】(2) エオタキシン3 mRNA発現ヒト組織
の確認 エオタキシン3 mRNAの検出は、エオタキシン3に特異
的なプライマーの組み合わせによるポリメラーゼ連鎖反
応法(PCR)を用いて行った。まず、Genome Sequencing
Centerが公開しているヒトゲノムシーケンスデータ中
の塩基配列H_RG356E01をもとにPCR用プライマー1対、m
c7.exon 1 Fプライマーおよびnc7.ex3Rプライマーを合
成した。mc7.exon 1 Fプライマーおよびnc7.ex3Rプライ
マーの配列はそれぞれつぎの通りである: mc7.exon 1 F 5'-AAGGGCCTGATTTGCAGCATC-3' (配列番号2) nc7.ex3R 5'-AAAGATTCCGCAGGCTCCCCAGAGG-3' (配列番号3) 次に、ヒト肺組織由来のヒト肺組織のMarathon-ReadyTM
cDNA (CLONTECH社製)を鋳型として、AmpliTaq Gold
TM( Applied Biosystems社製)を用いてPCRを行った。
すなわち、cDNAを鋳型とし、各1μMのmc7.exon 1 Fプ
ライマーとnc7.ex3Rプライマーおよび25 U/ml AmpliTaq
GoldTM、1X AmpliTaq GoldTM添付緩衝液、0.2 mM dNTP
sに加え、OmniGene (HYBAID社製)を用いてPCRを行っ
た。反応は、95℃で9分間前処理した後、94℃で1分間、
58℃で1分間、72℃で90秒の反応サイクルを40回、最後
に72℃で5分間を1回行った。増幅されたDNA断片をアガ
ロース電気泳動により分離し、臭化エチジウム法で染色
した。エオタキシン3のcDNAに由来する約390bpのDNAが
検出されたことから、ヒト肺組織がエオタキシン3 mRN
Aを発現すること確認した。
【0033】(3)エオタキシン3 cDNAの単離 まずヒト肺組織由来のヒト肺組織のMarathon-ReadyTM c
DNA (CLONTECH社製)を用いて5'RACE反応と3'RACE反応
(Frohman et al., Proc.Natl.Acad.Sci. USA 85 : 8998
-9002, 1988)を行った。5'RACE反応と3'RACE反応用のプ
ライマーをGenome Sequencing Centerが公開しているヒ
トゲノムシーケンスデータ中の塩基配列H_RG356E01をも
とに合成した。 MPIF-3.ex2F2 5'-CATATCCAAGACCTGCTGCTTCCAATACAGCC-3' (配列番号4) nc7.ex2F 5'-TTCCCTGGACCTGGGTGCGAAGCTA-3' (配列番号5) MPIF-3.ex3R2 5'-CTTCAGAAAAGATTCCGCAGGCTCCCCAGAG-3' (配列番号6) nc7.ex3 XbaI 5'-GCTCTAGACAATTGTTTCGGAGTTTTCAGTAAAGAA-3'(配列番号7)
【0034】まず、5' RACE反応では、上記のcDNA 2μl
にdNTPs(終濃度 0.2 mM)、 AmpliTaq GoldTM (0.625
unit)、アダプター部に結合するAP1プライマー4 pmol
e、およびMPIF-3.ex3R2プライマー(配列番号6)4 pmo
l を加え、1x AmpliTaq GoldTM 緩衝液の反応液20μl
中、94℃で5分の前処理後、直ちに94℃、1分間;68℃、
2分間の条件で40サイクル後、72℃;5分処理するPCR反
応を行った。また、3'RACE反応は、上記と同様の反応条
件で、 MPIF-3.ex3R2プライマーの代わりにMPIF-3.ex2F
2プライマー(配列番号4)を用いて行った。反応後、
それぞれのPCR産物を鋳型にし、セカンドPCRを行った。
5' RACE反応では、上記のPCR産物を50倍希釈したものを
5 ul、 dNTPs( 終濃度 0.2 mM)、 AmpliTaq GoldTM
(1.25 unit)、アダプター部に結合するAP2プライマー
10 pmol、 nc7.ex3 XbaIプライマー(配列番号7)10 p
molを加え、1x AmpliTaq GoldTM 緩衝液の反応液50μl
中、94℃で5分の前処理後、直ちに94℃、1分間;60℃、
1分間;72℃;1分間の条件で30サイクル後、72℃;5分
処理するPCR反応を行った。また、3' RACE反応は、上記
と同様の反応条件で、 nc7.ex3 XbaIプライマーの代わ
りにnc7.ex2Fプライマー(配列番号5)を用いて行っ
た。
【0035】PCR産物をフェノール抽出法を行い、それ
ぞれエタノール沈殿の操作を行った後、3%低融点アガロ
ースゲル電気泳動で分離し、おもな5'RACE断片(約340b
p)およびおもな3' RACE断片(約390bp)をWizard PCR
Preps DNA Purification System (Promega社製)を用
いて回収した。それぞれのDNA水溶液の4.5μlを ベクタ
ーpGEM-T Easy( Promega社製)0.5μlと混合し、DNA L
igation Kit Ver.2 (TaKaRa社製)のI液を5ul加え
て、16℃、30分反応後、大腸菌 DH5α (TOYOBO社製)
にトランスフォームし、形質転換体を得た。 (4)陽性クローンの同定と塩基配列決定 上記工程で得られたコロニーの内の数個からプラスミド
DNAを抽出し、SP6プロモーター・プライマーおよびT7
プロモーター・プライマーを用いてcDNAの5'および3'
端側の塩基配列を調べた。5' RACE反応および3' RACE反
応のそれぞれから得られたクローン(以下5'-RACE cDNA
と3'-RACE cDNAと称す)から抽出したプラスミドをdRho
damine Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction
Kit (Applied Biosystems社製)を用いて反応し、ABI
PRISM 310 ( Applied Biosystems社製)で塩基配列を
決定した。 そしてこのようにして得られた一部重複す
る2つのcDNA配列からエオタキシン3のcDNAの全長が決
定された。その結果、最初に現れる翻訳開始コドンATG
の規定するメチオニンを含む94個のアミノ 酸残基から
なるタンパク質をコードする塩基配列が存在することが
判明した.このタンパク質のアミノ酸配列は既知のケモ
カインとは一致はしないが、有意の相同性を有し、また
ケモカインの構造的特徴である保存された4個のシステ
イン残基を含むこと、また分泌タンパク質の特徴である
N端側に疎水性に富むシグナル配列様の配列が存在する
こと、などから新規のケモカインと推定した。
【0036】(5)エオタキシン3の推定アミノ酸配列
の解析 決定された全長cDNAの塩基配列および推定される開始コ
ドンから始まる最長の翻訳枠(open reading frame :O
RF)のアミノ酸配列を図1に示す。この遺伝子は94個の
アミノ酸よりなるORFを有し、N末端には分泌タンパク質
に特徴的なシグナルペプチドと推定される約23個の疎
水性の強いアミノ酸配列を有する。この94個のアミノ
酸からなるタンパク質の分子量は10.6kDaであっ
た。シグナルペプチド切断後の、71個のアミノ酸から
なる、推定上の成熟型タンパク質は、分泌タンパク質で
あると推定され、その分子量は8.4kDa、また等電点
は10.9であった。アミノ酸配列の類似性解析は、Cl
ustalWプログラムを用いて行った。その結果を図2及び
図3に示す。得られたcDNA塩基配列のORFから推定され
るタンパク質を含めてすべてのCC型ケモカインで保存さ
れているアミノ酸は*印で示した。また得られたcDNA塩
基配列のORFから推定されるタンパク質と他のCC型ケモ
カインとの相同性の程度を%表示で右側に示した。すな
わち推定されるアミノ酸配列はCC型ケモカインに属す
る、例えば、エオタキシンと31%、エオタキシン2と32
%、MCP-4と29%、MIP-1bと36%、RANTESと34%、MIP-1aと3
5%、MCP-3と31%の相同性があることが明らかとなった。
また、全てのCCケモカインで保存されている、4つのシ
ステインはエオタキシン3でも保存されていることが明
らかとなった。従って、得られたアミノ酸配列は新規の
ヒトCC型ケモカインのものであると考えられる。
【0037】実施例2 PCR法によるエオタキシン3 mRNAの発現解析 Multiple Tissue cDNA PanelsのHuman MTC Panel IとII
(CLONTECH社製)を鋳型として、AmpliTaq GoldTM(Ap
plied Biosystems社製)を用いてPCRを行った。すなわ
ち、cDNAを鋳型とし、各0.2uMのmc7.exon 1 Fプライマ
ーとnc7.ex3Rプライマーおよび25 U/ml AmpliTaq Gold
TM、1X AmpliTaq GoldTM添付緩衝液、0.2mM dNTPsに加
え、DNA Thermal Cycler (Perkin-Elmer社製)を用いて
PCRを行った。反応は、95℃で9分間前処理した後、94℃
で1分間、60℃で1分間、72℃で1分の反応サイクルを33
回、最後に72℃で5分間を1回行った。 増幅されたDNA断
片をアガロース電気泳動により分離し、臭化エチジウム
法で染色した。図4のAに示すとおり、エオタキシン3
のcDNAに由来する約390bpのDNAがどの組織においても低
レベルで検出された。
【0038】ノーザンブロット解析によるエオタキシン
3 mRNAの発現解析 まず、エオタキシン3のプローブを作るために、MPIF-
3.ex2F2(配列番号4)とMPIF-3.ex3R2(配列番号6)の
プライマーを用いてPCR法を行った。各種のヒト組織よ
り単離したpoly(A)+RNA 2μgをアガロースゲル電気泳動
にかけ、既にナイロン膜に転写した状態のもの(マルチ
プルティッシュブロット)をClonetech社より購入し、
マルチプライムDNA標識システム(Stratagene社製)に
より32Pで標識した上記のエオタキシン3遺伝子DNA断片
をプローブとして、ハイブリダイゼーション反応を行っ
た。ハイブリダイゼーション溶液はQuikHyb(Stratagene
社製)にサケ精子DNA100μg/mlを加えたものを用い、65
℃で1時間ハイブリダイゼーションを行った。膜の洗浄
は2x SSC、0.1% SDSの緩衝液で15分を室温で2回、2xSS
C、0.1% SDSの緩衝液で15分、65℃で1回、0.1x SSC、0.
1% SDSの緩衝液で1時間、65℃で1回行った後X線フィル
ム(Kodak社製)に感光させ、それらを現像して解析し
た。各種のヒト組織でのエオタキシン3 mRNAの発現を
図4のBに示す。図4のBの結果から、ノザンブロット
ではエオタキシン3のmRNAは、心臓と卵巣で発現してい
ることが明らかとなった。
【0039】実施例3 組換えエオタキシン3タンパク質の調製 (1)組換えエオタキシン3タンパク質の発現 エオタキシン3タンパク質をコードするcDNAを導入して
昆虫細胞にエオタキシン3タンパク質を産生させた。
エオタキシン3タンパク質発現用のベクターを構築する
為にまず、 エオタキシン3 cDNAのORFを単離した。実
施例1の(2)で得られたPCR産物をベクターpCRTM2.1
(invitrogen社製)に組み込んだ。このプラスミドを制
限酵素BamHIとXhoIで分解し、大腸菌内でバキュロウイ
ルスと組み換えをおこせるベクターpFAST-Bac(Gibco-B
RL社製)のBamHIとXhoIサイトの間に挿入し、ベクターp
FAST-Bac-エオタキシン3を作製した。このベクターを
大腸菌(E. coli) DH10Bac(Gibco-BRL社製) に導入
し、エオタキシン3タンパク質を発現する組み換えバキ
ュロウイルスDNAを作製した。この組み換えバキュロウ
イルスDNAを、昆虫細胞Sf9に、CellFectin Reagent(G
ibco-BRL社製)を用いて導入しその培養上清から組み換
えバキュロウイルスを得た。こうして得られた組み換え
バキュロウイルスを発現効率のよい昆虫細胞High Five
感染させに培養2日後、培養上清を回収した。
【0040】(2)エオタキシン3タンパク質の精製 組み換えバキュロウイルスを感染させた昆虫細胞の培養
上清を0.22μmのフィルターでろ過滅菌し、緩衝液A(50m
M MES pH6.5)で一晩透析後、イオン交換カラムHiTrap S
P陽イオン交換カラム(pharmacia社製)にアプライし、
緩衝液Aで洗浄後、緩衝液B(50mM MES pH6.5, 1M NaCl)
によるグラディエントによりタンパク質を溶出させた。
エオタキシン3を含むフラクションはSDS-PAGEを用いて
同定し、0.7−0.8M NaCl溶出画分に12kDのタンパク質を
見出すことができた。この画分をコスモシル逆相カラム
5C4-AR300(ナカライテスク社製)にアプライし、溶液C
(0.05%TFA)で洗浄後、溶液D(アセトニトリル, 0.05% TF
A)によるグラディエントをもちいた逆相クロマトグラフ
ィーによって精製を行なった。エオタキシン3タンパク
質はアセトニトリル約30%の位置の単一ピークとして同
定でき、SDS-PAGE後の銀染色によりほぼ単一バンドのエ
オタキシン3タンパク質を得ることに成功した。精製エ
オタキシン3タンパク質は凍結乾燥後、エンドトキシン
フリーの蒸留水(扶桑薬品株式会社製)に溶解し、ケモ
カインレセプターの細胞内カルシウムの変化を測定し
た。
【0041】実施例4 eotaxin3-Flag タンパク質の調製 エオタキシン3遺伝子が分泌タンパク質をコードしてい
るか、また分泌型成熟エオタキシン3タンパク質のアミ
ノ末端を決定する目的で、エオタキシン3のカルボキシ
ル末端にFlagペプチドを融合した融合タンパク質を調製
した。Flagペプチドは抗Flagペプチド抗体を用いた免疫
学的方法で検出ができ、また抗Flagペプチド抗体カラム
により融合タンパク質の精製ができる。エオタキシン3
とFlagペプチドとの融合タンパク質を発現するためのベ
クターpDREF-エオタキシン3−Flagを図5のAに示す。
pDREF-エオタキシン3−Flagの作製はつぎのように行っ
た。まず、エオタキシン3タンパク質発現ベクター構築
用のプライマーを合成した。 nc7.ex1 SalI 5'-GCGTCGACAGCATCATGATGGGCCTCTCCTTG-3' (配列番号8) 実施例3の(1)のエオタキシン3 cDNAのORFを組み込
んだプラスミドを鋳型にnc7.ex1 SalI(配列番号8)と
nc7.ex3 XbaI(配列番号7)を用いてPCRにより増幅
し、制限酵素SalIとXbaIで消化した。
【0042】一方、pBluescript KSベクターにMCP-1-F
lag融合タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだプ
ラスミド(Yoshida et al., J.Biol.Chem. 272: 13803-1
3809, 1997)を制限酵素SalIとXbaIで消化してMCP-1遺伝
子を切り出し、代りに上記のPCR産物を組み込んでeotax
in3-Flagを融合タンパク質をコードする遺伝子を構築し
た(pBS-eotaxin3-Flag)。pBS-eotaxin3-Flagを制限酵
素SalIとNotIで消化し、eotaxin3-Flag遺伝子を切り出
し、図5のAに示すように、pDREF-Hyg (Imai et al.,
J.Biol.Chem. 271: 21514-21521, 1996)のSalIとNotIサ
イトの間に導入して、pDREF-eotaxin3-Flagを作製し
た。pDREF-eotaxin3-Flagベクターを293/EBNA-1細胞(In
vitrogen社製) にLipofectamin (GIBCO-BRL社製) を用
いて導入した。培養3〜4日後、培養上清を回収し、0.
22 mmのポアサイズのフィルターを通した。
【0043】試験例1 ヒトeotaxin3-Fl ag融合タンパク質の同定 産生されたヒトeotaxin3-Flag融合タンパク質の発現確
認を抗Flagペプチド抗体を用いて行った。pDREF-eotaxi
n3-Flagベクターを組み込んだ293/EBNA-1細胞の培養上
清と組み込んでいない293/EBNA-1細胞の培養上清10ulを
15/25マルチゲル (第一化学薬品社製)を用いてSDS-PAGE
を行った。電気泳動後のゲルをPVDF膜、ImmobilonTM-P
(MILLIPORE社製)にトランンスファーした。トランスフ
ァーしたPVDF膜をブロックエースTM(雪印乳業社製 )
で4℃、overnightでブロッキングした後、PBS/0.5% Twe
en 20で5分間を室温で2回洗浄し、1次抗体のAnti-FLAG
M2モノクローナル抗体(Kpdak社製)を最終濃度5ug/
mlでPBS/0.5% Tween 20/10% ブロックエースに溶か
したもので室温2時間インキュベートした。PBS/0.5% T
ween 20で5分間を室温で2回洗浄し、2次抗体であるHRP
標識ヤギ抗マウスIgG抗体(ORGANON TEKNIKA 社製)を
最終濃度183 ug/mlになるようにPBS/0.5% Tween 20/1
0% ブロックエースに溶かし、室温で1時間インキュベ
ートした。PVDF膜をPBS/0.5% Tween 20で5分間を室温
で2回洗浄した後、ECLウェスタンブロッティング検出試
薬(アマシャム社製)でeotaxin3-Flagのタンパク質を
検出した。その結果、pDREF-eotaxin3-Flagベクターを
組み込んだ293/EBNA-1細胞の培養上清のみ分子量約14kD
aのeotaxin3-Flagのタンパク質を検出することができ
た。以上から、エオタキシン3遺伝子は分泌型のタンパ
ク質となることが確認できた。
【0044】試験例2 eotaxin3-Flag の精製とN末端の決定 成熟型のエオタキシン3のN末端のアミノ酸シーケンス
を調べるためにeotaxin3-Flagのタンパク質を精製し
た。293/EBNA-1細胞で発現させたeotaxin3-Flagの培養
上清を150ml回収し、0.45umのフィルターでろ過し、最
終濃度50mM Tris-HCl(pH7.4)になるように調製し、A緩
衝液(50mM Tris-HCl (pH7.4)/150mM NaCl)で平衡化し
た1ml容量の抗Flagペプチド抗体カラムAnti・FLAG M2 Af
finity Gel(Kodak社製)にアプライした。このeotaxin3
-Flag融合タンパクの結合したカラムをA緩衝液で洗浄
後、あらかじめ試験管に1M Tris-HCl (pH8.0)を10 ul入
れておき、そこに溶出液C(0.1 M Glycine・HCl pH3.5)
により500ulずつ溶出した。eotaxin3-Flag融合タンパク
を含むフラクションはSDS-PAGEを用いて同定した。この
精製eotaxin3-Flag融合タンパクのN末端アミノ酸配列
は、アミノ酸シーケンサー(島津社製)を用いて決定す
ると、TRGSであった。このアミノ酸配列は、図1に
示した塩基配列から推定されるアミノ酸配列のうち、推
定されるシグナル配列の切断部位である23位のアラニ
ン残基と24位のスレオニン残基の間でシグナルペプチ
ドが切断され、71個のアミノ酸からなる成熟型分泌エ
オタキシン3タンパク質となったときに予想されるN末
端アミノ酸配列と完全に一致した。
【0045】試験例3 エオタキシン3タンパク質のケモカインレセプターへの
反応試験 実施例3で得られたエオタキシン3タンパク質を用いて
恒常的にケモカインレセプターCCR3 (Kitaura et al.,
J. Biol. Chem. 271: 7725-7730, 1996)に対する反応性
を調べた。ケモカインはレセプターと反応すると細胞内
のカルシウム濃度を上昇させることが知られている。そ
こで、マウスpre B細胞株 L1.2に恒常的にケモカインレ
セプターCCR3を発現させた細胞株L1.2 CCR3を用いてエ
オタキシン3がCCR3に対して上記のような活性を示すか
どうか調べた。L1.2 CCR3、5X106個をPBS(-)で洗浄後、
緩衝液C(HBSS(GIBCO社製)/10nM HEPES (pH7.4)/1mg
/ml BSA)を2mlで懸濁し、最終濃度3uM Fura2 AM(モレ
キュラー・プローブ社製)で37℃、1時間、インキュベー
トした。細胞を緩衝液Cで洗浄後、緩衝液C2mlに懸濁
した。細胞懸濁液を蛍光光度計(LS50B、PERKIN ELMER
社製)励起波長340nm及び380nm、蛍光波長510nm、レス
ポンス0.2秒で測定した。その結果を340nmと380nmとの
蛍光強度の比で図6に示す。エオタキシン3タンパク質
を測定開始60秒後にセルに加えた。エオタキシン3タン
パク質は1nMからL1.2 CCR3発現細胞に対して反応し、10
0nMで飽和状態になった。以上から、エオタキシン3は
ケモカインレセプターCCR3のリガンドであるケモカイン
であることを同定した。
【0046】試験例4 エオタキシン3タンパク質の各種ケモカインレセプター
との結合阻害作用 マウスプレB細胞株L1.2細胞にケモカインレセプターCCR
1、CCR2b、CCR3、CCR4、CCR5をそれぞれ恒常的に発現さ
せた細胞株(T. Imai, et al.; J. Biol. Chem. Vol.2
73, 1764-1768)を用いて、エオタキシン3との結合実
験を行った。200μlの結合緩衝液 A (RPMI1640,20mM
Hepes(pH7.4),1% BSA,0.02% azide)中にL1.2 CCR1
細胞を5x105個、最終濃度0.1nMの125I-MIP-1α(アマシ
ャム社製)、非標識のケモカインを最終濃度0から1000
nM加え、16℃で1時間インキュベートしたあと、新し
い1.5 ml チューブでフタル酸ジ−n−ブチルとオリブ
油の80:20の混合液300μlの上に反応液200μlを重
層し、12,000 rpm 90秒遠心後、デカンテーションで上
清を捨て、沈澱物を含むチューブの底を切り、切り取っ
たチューブの底をガンマーカウンターで測定した。ガン
マーカウンターの測定値をリガンドの結合活性とした。
L1.2 CCR2b細胞は5x105個で0.1nM 125I-MCP-1(アマシ
ャム社製)で、L1.2 CCR5細胞は2x106個で0.5nMの125I-
MIP-1α(アマシャム社製)で行った。L1.2 CCR3細胞は
1x106個で、0.1nM 125I-エオタキシン(アマシャム社
製)で結合緩衝液 A の代りに結合緩衝液 B (25mM Hep
es(pH7.6)、1mM CaCl2、5mM MgCl2、0.5% BSA、120mM
NaCl)を用いた。L1.2 CCR4細胞においては、2x105個で
1nMのTARC-SEAPで(T.Imai, et. al .;Vol.272,
15036-15042,J.Biol.Chem)で行った。得られた結果を
図7および図8に示す。エオタキシン3はケモカインレ
セプターCCR1, CCR2b、CCR3、CCR4、CCR5のリガンドの
結合に対して結合阻害活性を有していることを確認でき
た。以上から、エオタキシン3はCCR3に対してはアゴニ
スト、CCR1、CCR2b、CCR4、CCR5に対してはアンタゴニ
ストとして働く得る。
【0047】試験例5 各種ケモカインレセプターとエオタキシン3との反応性 マウスプレB細胞株L1.2細胞にケモカインレセプターCCR
1、CCR2b、CCR3、CCR4、CCR5をそれぞれ恒常的に発現さ
せた細胞株(T.Imai,et al.;J.Biol.chem.Vol.27
3,1764-1768)を用いて、エオタキシン3とケモカイン
レセプターとの反応性を細胞内カルシウム濃度の変化で
調べた。各細胞を5X106個をPBS(-)で洗浄後、緩衝液C
(HBSS(GIBCO社製)/10nM HEPES (pH7.4)/1mg/ml BS
A)を2mlで懸濁し、最終濃度3μM Fura2 AM(モレキュラ
ー・プローブ社製)で37℃、1時間、インキュベートし
た。細胞を緩衝液Cで洗浄後、緩衝液C2mlに懸濁し
た。細胞懸濁液を蛍光光度計(LS50B、PERKIN ELMER社
製)励起波長340nm及び380nm、蛍光波長510nm、レスポ
ンス0.2秒で測定した。その結果を340nmと380nmとの蛍
光強度の比で示す。最終濃度100 nMのエオタキシン3蛋
白を測定開始30秒後にセルに加えた。測定開始90秒後に
それぞれのケモカインレセプターのリガンドであるケモ
カインを最終濃度10 nMになるように加えた。得られた
結果を図9及び図10に示す。エオタキシン3はケモカ
インレセプターCCR3にのみ反応し、また、CCR1、CCR2
b、CCR4、CCR5はそれぞれのレセプターのリガンドには
反応したにもかかわらず、エオタキシン3に反応しなか
った。以上から、エオタキシン3はCCR3のリガンドであ
ることがわかった。
【0048】
【発明の効果】白血球の遊走と組織への浸潤を誘導する
ケモカインは生体内での炎症反応や免疫反応にとって必
須の物質である。ケモカインには現在、主にC型、CXXXC
型、CXC型とCC型が知られており、それぞれに複数の種
類が存在し、産生組織、産生細胞、産生を誘導する刺激
の種類、産生誘導から産生停止に到る反応時間、遊走を
誘導する標的細胞の種類、特異的レセプターの存在、な
どに関し相互に異なる性質を示す。本発明エオタキシン
3は構造的にはCC型ケモカインのグループに属し、どの
組織においても低レベルの発現がみられるが、アレルギ
ーに関係している好酸球、好塩基球で発現しているCCR3
に反応するという性質を示す。血中に流れる好酸球はア
レルギー性疾患、特に喘息およびアトピー性皮膚炎にお
いて、病変部へ浸潤し、その浸潤にはエオタキシン3の
ようなケモカインが関与していると考えられる。病変部
に浸潤した好酸球は主要塩基性タンパク質(MBP)また
は好酸球陽イオンタンパク質(ECP)を放出し、組織を破
壊して病状を重篤化する。また、CCR3はAIDSの原因ウィ
ルスであるHIV-1がヒトの細胞に感染するのに必要であ
ることが知られている。CCR3のリガンドの一つであるエ
オタキシンはHIV-1の感染を阻害することが知られてお
り、エオタキシン3も抗HIV活性を持つことが期待され
る。
【0049】本発明のエオタキシン3はCCR3を介して細
胞内カルシウム濃度を上昇させる活性を有するため、CC
R3を発現している好酸球、好塩基球が関与するアレルギ
ー性疾患の治療薬、ならびに抗HIV薬の検索に用いられ
得る。また、ケモカインの活性は、N末端のアミノ酸残
基からシステイン残基までの部分のアミノ酸を順次欠失
させることにより変化することが明らかになっている。
したがって、本発明のエオタキシン3ペプチドの部分ペ
プチドはエオタキシン3ペプチドの阻害剤となりうるこ
とが期待される。このようなペプチドはエオタキシン3
ペプチドの阻害剤として、すなわちアレルギー性疾患の
治療薬、抗HIV薬として用いられ得る。また本発明によ
って提供されるエオタキシン3を全長あるいは部分的に
コードするポリヌクレオチド分子(DNAあるいはRNA、2
本鎖あるいは1本鎖)は、適当な方法によりそのままポ
リヌクレオチド分子として生体内に投与したり、適当な
ベクターに導入して生体外で細胞に導入してその細胞
(形質転換細胞)を体内に戻したり、あるいは適当なベ
クターに導入して直接体内に投与したりしうる。それに
よって、目的とする組織や細胞でのエオタキシン3タン
パク質の産生を増強したり抑制したりすることが可能と
なり、アレルギー性疾患、癌、ウイルスやその他の微生
物による感染症、エオタキシン3遺伝子の構造や発現の
異常をともなう疾患、などへの治療法に有用である。ま
た、本発明によって提供されるエオタキシン3の塩基配
列、エオタキシン3を全長あるいは部分的にコードする
ポリヌクレオチド分子(DNAあるいはRNA)、エオタキシ
ン3に対する特異的抗体は、エオタキシン3の遺伝子変
異を検出し解析するのに有用であり、またエオタキシン
3の遺伝子発現(mRNA)やタンパク質の発現を特異的に
検出し定量することに有用である。それによってエオタ
キシン3遺伝子やエオタキシン3タンパク質の関与する
血液系疾患、免疫系疾患、感染症、癌、などの診断や原
因究明にあらたな手段を提供し、またそのような疾患の
診断および治療にあらたな手段を提供することが期待さ
れる。
【0050】
【配列表】
【0051】配列番号:1 配列の長さ:467 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:ヒト 配列の特徴 特徴を表わす記号:CDS 存在位置:28..309 特徴を決定した方法:S CCTGAGAAGG GCCTGATTTG CAGCATC ATG ATG GGC CTC TCC TTG GCC TCT 51 Met Met Gly Leu Ser Leu Ala Ser 1 5 GCT GTG CTC CTG GCC TCC CTC CTG AGT CTC CAC CTT GGA ACT GCC ACA 99 Ala Val Leu Leu Ala Ser Leu Leu Ser Leu His Leu Gly Thr Ala Thr 10 15 20 CGT GGG AGT GAC ATA TCC AAG ACC TGC TGC TTC CAA TAC AGC CAC AAG 147 Arg Gly Ser Asp Ile Ser Lys Thr Cys Cys Phe Gln Tyr Ser His Lys 25 30 35 40 CCC CTT CCC TGG ACC TGG GTG CGA AGC TAT GAA TTC ACC AGT AAC AGC 195 Pro Leu Pro Trp Thr Trp Val Arg Ser Tyr Glu Phe Thr Ser Asn Ser 45 50 55 TGC TCC CAG CGG GCT GTG ATA TTC ACT ACC AAA AGA GGC AAG AAA GTC 243 Cys Ser Gln Arg Ala Val Ile Phe Thr Thr Lys Arg Gly Lys Lys Val 60 65 70 TGT ACC CAT CCA AGG AAA AAA TGG GTG CAA AAA TAC ATT TCT TTA CTG 291 Cys Thr His Pro Arg Lys Lys Trp Val Gln Lys Tyr Ile Ser Leu Leu 75 80 85 AAA ACT CCG AAA CAA TTG TGA CTCAGCTGAA TTGTCATCCG AGGACGCTTG 342 Lys Thr Pro Lys Gln Leu 90 GACCCCGCTC TTGGCTCTGC AGCCCTCTGG GGAGCCTGCG GAATCTTTTC TGAAGGCTAC 402 ATGGACCCGC TGGGGAGGAG AGGGTGTTTC CTCCCAGAGT TACTTTAATA AAGGTTGTTC 462 ATAGT 467
【0052】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAGGGCCTGA TTTGCAGCAT C 21
【0053】配列番号3 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAAGATTCCG CAGGCTCCCC AGAGG
25
【0054】配列番号4 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CATATCCAAG ACCTGCTGCT TCCAATACAG CC 32
【0055】配列番号5 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TTCCCTGGAC CTGGGTGCGA AGCTA 25
【0056】配列番号6 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTTCAGAAAA GATTCCGCAG GCTCCCCAGA G 31
【0057】配列番号7 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCTCTAGACA ATTGTTTCGG AGTTTTCAGT AAAGAA 36
【0058】配列番号8 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCGTCGACAG CATCATGATG GGCCTCTCCT TG 32
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトエオタキシン3のcDNAの塩基配列と
推定アミノ酸配列を示す。
【図2】 本発明のエオタキシン3タンパク質と、既知
の20種のヒトCC型ケモカインとのアミノ酸配列の比較を
示す。
【図3】 本発明のエオタキシン3タンパク質と、既知
の20種のヒトCC型ケモカインとのアミノ酸配列の比較を
示す。
【図4】 各種のヒト組織におけるエオタキシン3のmR
NAの発現をPCR法(A)とノーザンブロットにより解析
した結果(B)を示す図面に代わる写真である。
【図5】 組換えベクターpDREF-eotaxin3-Flagの遺伝
子地図(A)と発現させたeotaxin3-Flag融合タンパク
質の検出結果を示す図面に代わる写真(B)である。
【図6】 エオタキシン3タンパク質によるL1.2 CCR3
発現細胞株の細胞内カルシウム濃度の変化を示すグラフ
である。
【図7】 エオタキシン3タンパク質の各種ケモカイン
レセプターに対する結合性を示すグラフである。
【図8】 エオタキシン3タンパク質の各種ケモカイン
レセプターに対する結合性を示すグラフである。
【図9】 エオタキシン3タンパク質の各種ケモカイン
レセプターに対する反応性を示すグラフである。
【図10】 エオタキシン3タンパク質の各種ケモカイ
ンレセプターに対する反応性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 14/47 G01N 33/53 D 16/18 33/577 B C12N 5/10 C12P 21/02 C 15/02 21/08 G01N 33/15 A61K 37/02 ABF 33/53 ADU 33/577 ADY // C12P 21/02 C12N 5/00 B 21/08 15/00 C (C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケモカインレセプターCCR3のリガン
    ドであるヒトCC型ケモカインもしくはその変異体または
    それらの断片であるタンパク質であって、CCR1、C
    CR2b、CCR4およびCCR5に対してリガンド結
    合阻害作用を有するタンパク質。
  2. 【請求項2】 配列番号1のアミノ酸残基1または24か
    ら94のアミノ酸配列を有するヒトCC型ケモカイン、また
    はこの配列に1または数個のアミノ酸の置換、欠失、挿
    入、付加の中から選ばれる少なくとも1つの変異を含む
    配列を有し、かつ該ヒトCC型ケモカインの機能または活
    性と実質的に同じ程度である機能または活性を有する該
    ヒト型CCケモカインの変異体あるいは該ヒトCC型ケモカ
    インのアンタゴニストとして機能する該ヒトCC型ケモカ
    インの変異体、またはそれらの断片である請求項1記載
    のタンパク質。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のタンパク質を含
    有する医薬組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のタンパク質に対
    する抗体。
  5. 【請求項5】 単クローン抗体である請求項4記載の抗
    体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の単クローン抗体を産生す
    るハイブリドーマ細胞。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載のタンパク質をコ
    ードするポリヌクレオチド分子。
  8. 【請求項8】 配列番号1の28位のAから309位のGまで
    の塩基配列の全長またはその部分に対応する請求項7記
    載のポリヌクレオチド分子、またはその塩基置換、塩基
    付加もしくはアレル変異による変異体。
  9. 【請求項9】 DNA分子またはRNA分子である請求項8記
    載のポリヌクレオチド分子。
  10. 【請求項10】 請求項7から9までのいずれかに記載
    のポリヌクレオチド分子またはその塩基置換、塩基付加
    もしくはアレル変異による変異体を含有する医薬組成
    物。
  11. 【請求項11】 配列番号1の1位のCから467位のTまで
    の塩基配列の一部と相補的な配列を有するオリゴヌクレ
    オチド分子、またはその塩基置換、塩基付加、アレル変
    異による変異体であって請求項1または2記載のタンパ
    ク質の活性または機能を阻害する分子。
  12. 【請求項12】 請求項7から9までのいずれかに記載
    のポリヌクレオチド分子を含有するベクター。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のベクターを宿主細
    胞に導入して得られる形質転換体。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の形質転換体を培養
    し、産生されたタンパク質を培養物から回収することを
    特徴とする、請求項1または2記載のタンパク質を製造
    する方法。
  15. 【請求項15】 請求項1または2記載のタンパク質と
    CCR3との結合による作用に対するアゴニスト、イン
    バースアゴニストまたはアンタゴニストを含むと推定さ
    れる試料を該タンパク質とCCR3との結合反応系に加
    えてその結合阻止を測定し、あるいはCCR3と直接反
    応させて、そのレセプターに対する結合性および/また
    は反応性を測定する工程を包含する、該アゴニスト、イ
    ンバースアゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニ
    ングする方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載のスクリーニング方法
    によって得ることのできる、請求項1から3までのいず
    れかに記載のタンパク質とCCR3との結合による作用
    に対するアゴニスト、インバースアゴニストまたはアン
    タゴニスト。
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