JPH11227412A - 重荷重用空気入りラジアル・タイヤ - Google Patents
重荷重用空気入りラジアル・タイヤInfo
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Abstract
ファーなどのビード部補強材を除去してコスト低減、軽
量化および生産性向上を図るとともに、ビード部の肉厚
や形状を適正化することによってビード部耐久性に優れ
た重荷重用空気入りラジアル・タイヤを提供すること。 【解決手段】 カーカス・ラインが外側に凸の曲線から
内側に凸の曲線に変わるビード部変曲点をPとし、タイ
ヤを正規リムに装着して正規内圧を充填した状態で、リ
ム・フランジ円弧部の中心点をQとし、正規荷重を静的
に負荷したときのリム離反点をRとしたときに、該ビー
ド部変曲点Pと該リム・フランジ円弧部中心点Qとを結
んだ直線のタイヤ回転軸方向に対する傾斜角度θが20
乃至40度であり、該リム・フランジ円弧部中心点Qを
通りタイヤ回転軸方向に45度の方向に延びる直線上に
おける、カーカス本体とカーカス折り返し部との距離A
に対する、該リム離反点Rを通りカーカス本体に下ろし
た垂線上における、カーカス本体とカーカス折り返し部
との距離Bの比率B/Aが40乃至100%であること
を特徴とする重荷重用空気入りラジアル・タイヤ。
Description
タイヤに関するもので、特に、建設車両用タイヤに代表
される重荷重用空気入りラジアル・タイヤに関するもの
である。
気入りラジアル・タイヤのビード部には、耐久性を向上
するために、ワイヤー・チェーファーやナイロン・チェ
ーファーなどの補強材がビード部に配置され、また、ビ
ード部外側のリムと接触する位置に配置されたゴム・チ
ェーファーは、リムとの擦れなどによる故障発生を防止
するために、特にリム離反点近傍で十分な肉厚が確保さ
れていた。
ヤ等の重荷重用空気入りラジアル・タイヤは、上記のよ
うに、ワイヤー・チェーファーやナイロン・チェーファ
ーなどの補強材がビード部に配置され、十分な肉厚のゴ
ム・チェーファーが配置されていたので、タイヤの重量
増加によるコストの上昇および転がり抵抗の増加、ひい
ては燃料消費量の増加という不具合が生じる。また、ビ
ード部のゴム・ボリュームを極端に増加すると、ビード
部の発熱が大きくなり、高熱によるゴムとコード間の接
着力低下やゴム部材自体の劣化などによるビード部故障
を引き起こすことになる。さらに、それだけではなく、
タイヤの成型工程で、ワイヤー・チェーファーやナイロ
ン・チェーファーなどの補強材をビード部に貼り付ける
必要があり、生産性を向上する阻害要因の一つとなって
いた。これらの不具合を解消するためには、従来の建設
車両用タイヤ等の重荷重用空気入りラジアル・タイヤか
らワイヤー・チェーファーやナイロン・チェーファーな
どの補強材を除去し、ゴム・チェーファーの肉厚を薄く
することが最も手っ取り早い手段であるが、タイヤに荷
重が負荷されたときにビード部のリム・フランジへの倒
れ込みが大きくなり、プライ背面およびプライ端部から
の亀裂が発生してセパレーション故障につながりやすく
なる傾向があるという不具合が生じる。また、ビード部
へのせん断入力が大きくなって、ダイアゴナル・クラッ
ク(斜め方向の亀裂)故障が発生しやすくなるという不
具合が生じる。
不具合を解消し、ワイヤー・チェーファーやナイロン・
チェーファーなどのビード部補強材を除去してコスト低
減、軽量化および生産性向上を図るとともに、ビード部
の肉厚や形状を適正化することによってビード部耐久性
に優れた重荷重用空気入りラジアル・タイヤを提供する
ことである。
に、本発明による空気入りタイヤは、左右一対のビード
部に設けられたビード・コアーと、クラウン部から両サ
イドを経て両ビード部に延び、該ビード・コアーをタイ
ヤ内側から外側に向けて折り返してビード部に係留され
た、ラジアル・コード層よりなるカーカス・プライを備
えた空気入りタイヤにおいて、カーカス・ラインが外側
に凸の曲線から内側に凸の曲線に変わるビード部変曲点
をPとし、タイヤを正規リムに装着し正規内圧を充填し
た状態で、リム・フランジ円弧部の中心点をQとし、正
規荷重を静的に負荷したときのリム離反点をRとしたと
きに、(1)該ビード部変曲点Pと該リム・フランジ円
弧部中心点Qとを結んだ直線のタイヤ回転軸方向に対す
る傾斜角度θが20乃至40度であり、(2)該リム・
フランジ円弧部中心点Qを通りタイヤ回転軸方向に45
度の方向に延びる直線上における、カーカス本体とカー
カス折り返し部との距離Aに対する、該リム離反点Rを
通りカーカス本体に下ろした垂線上における、カーカス
本体とカーカス折り返し部との距離Bの比率B/Aが4
0乃至100%であることを特徴とする重荷重用空気入
りラジアル・タイヤである。
空気入りタイヤでは、該リム・フランジ円弧部の曲率半
径をr1 とし、該リム・フランジ円弧部に隣接してラジ
アル方向外側に位置するタイヤ外輪郭の曲率半径をr2
とし、該リム・フランジ円弧部中心点Qを通りタイヤ回
転軸方向に延びる直線上におけるタイヤ表面からカーカ
ス折り返し部のコード層の中心までの距離をD1 とし、
該リム離反点Rからカーカス折り返し部のコード層の中
心までの距離をD2 とし、該リム離反点Rのレベルとタ
イヤ最大幅のレベルとの中間のレベルに位置するタイヤ
表面の中間点Sからカーカス折り返し部のコード層の中
心までの距離をD3 とし、該中間点Sからカーカス本体
のコード層の中心までの距離をD4 としたときに、
(1)該タイヤ外輪郭の曲率半径r2 が該リム・フラン
ジ円弧部の曲率半径r1の4乃至8倍であり、(2)該
リム離反点Rからカーカス折り返し部のコード層の中心
までの距離D2がタイヤ表面からカーカス折り返し部の
コード層の中心までの距離D1 の110乃至190%で
あり、(3)該カーカス・プライの折り返し端が該中間
点Sのレベルよりラジアル方向外側に位置し、該中間点
Sからカーカス折り返し部のコード層の中心までの距離
D3 がタイヤ表面からカーカス折り返し部のコード層の
中心までの距離D1 の70乃至110%であるか、また
は、該カーカス・プライの折り返し端が該中間点Sのレ
ベルよりラジアル方向内側に位置し、該中間点Sからカ
ーカス本体のコード層の中心までの距離D4 がタイヤ表
面からカーカス折り返し部のコード層の中心までの距離
D1 の125乃至180%であることが好ましい。
アーのラジアル方向外側に、該カーカス・プライのカー
カス本体とカーカス折り返し部とに挟まれて、略三角形
の断面形状を有するスティフナーを備え、タイヤ成型時
に該スティフナーのカーカス本体側が内側に凹んだ湾曲
状の形状をしていることが好ましい。
じて、JATMA(日本)、TRA(米国)およびET
RTO(欧州)などが発行する規格に定められた標準リ
ムに装着して使用され、この標準リムが通常正規リムと
称される。本明細書でもこの慣用呼称に従い、「正規リ
ム」とは、米国のタイヤとリムの協会であるTRAが1
997年度に発行したYEAR BOOKにおいて定め
られた、適用サイズ・プライレーティングにおける標準
リムを指す。同様に、本明細書において「正規荷重」お
よび「正規内圧」とは、TRAが1997年度に発行し
たYEAR BOOKにおいて定められた、適用サイズ
・プライレーティングにおける最大荷重および最大荷重
に対応する空気圧を指す。また、本明細書では、「カー
カス・ライン」とは、タイヤを正規リムに装着し正規内
圧を充填し無負荷時の状態で、タイヤの回転軸を含むタ
イヤ断面におけるカーカス本体の厚み中心ラインを意味
し、「カーカス本体」とは、カーカスのビード折り返し
部を除いた部分であって、クラウン部から両サイドを経
て両ビード部まで延びている部分を指し、「カーカス本
体とカーカス折り返し部との距離」は、カーカス・プラ
イを形成するラジアル・コード層の中心間の距離を指
す。
は、ビード部にトルクによるせん断変形が生じ、タイヤ
の表面から内側へそのせん断変形が伝わって行くが、特
に、タイヤを正規リムに装着し正規内圧を充填した状態
で、正規荷重を静的に負荷したときのリム離反点Rの近
傍でこのせん断変形による歪が大きくなる。本発明のタ
イヤでは、上述のように、(1)カーカス・ラインが外
側に凸の曲線から内側に凸の曲線に変わるビード部変曲
点Pとリム・フランジ円弧部の中心点Qとを結んだ直線
のタイヤ回転軸方向に対する傾斜角度θが20乃至40
度であり、(2)リム・フランジ円弧部の中心点Qを通
りタイヤ回転軸方向に45度の方向に延びる直線上にお
ける、カーカス本体とカーカス折り返し部との距離Aに
対する、正規荷重を静的に負荷したときのリム離反点R
を通りカーカス本体に下ろした垂線上における、カーカ
ス本体とカーカス折り返し部との距離Bの比率B/Aが
40乃至100%であるので、タイヤの負荷時の倒れ込
みによるリム反力が抑制される。その結果、ワイヤー・
チェーファーやナイロン・チェーファーなどのビード部
補強材を除去してコスト低減、軽量化および生産性向上
を図るとともに、ビード部の耐久性を向上させることが
可能となる。
インが外側に凸の曲線から内側に凸の曲線に変わるビー
ド部変曲点Pとリム・フランジ円弧部の中心点Qとを結
んだ直線のタイヤ回転軸方向に対する傾斜角度θが20
乃至40度であるので、タイヤに内圧を充填したとき
に、リム離反点R近傍でカーカスラインが自然平衡形状
に向かい、タイヤの内側へ入る。これによって内圧充填
時のリム反力が小さくなり、タイヤの負荷時の倒れ込み
によるリム反力が抑制される。ビード部変曲点Pとリム
・フランジ円弧部の中心点Qとを結んだ直線のタイヤ回
転軸方向に対する傾斜角度θが20度より小さくなる
と、カーカス・プライに加わる張力が大きくなり過ぎ
て、カーカス本体側でセパレーション故障が生じやすく
なり、またビード・コアーの角でカーカス・プライが擦
れて故障が生じやすくなる傾向がある。一方、ビード部
変曲点Pとリム・フランジ円弧部の中心点Qとを結んだ
直線のタイヤ回転軸方向に対する傾斜角度θが40度よ
り大きくなると、従来のタイヤの形状に近くなり、ワイ
ヤー・チェーファーやナイロン・チェーファーなどのビ
ード部補強材を除去すると、内圧充填時のリム反力が大
きくなって、カーカス折り返し部の界面やビード部の表
面で亀裂故障が生じやすくなる。
フランジ円弧部の中心点Qを通りタイヤ回転軸方向に4
5度の方向に延びる直線上における、カーカス本体とカ
ーカス折り返し部との距離Aに対する、正規荷重を静的
に負荷したときのリム離反点Rを通りカーカス本体に下
ろした垂線上における、カーカス本体とカーカス折り返
し部との距離Bの比率B/Aが40乃至100%である
が、この比率B/Aが100%より大きくなると、リム
反力がカーカス折り返し部に伝わりやすくなって、カー
カス折り返し部の界面の歪が増加し、界面でセパレーシ
ョンが発生しやすくなる。一方、上記の比率B/Aが4
0%より小さくなると、リム離反点R近傍でのビード部
の曲げ剛性が低下し、カーカス折り返し部の界面でセパ
レーションが発生しやすくなり、またビード部の表面で
亀裂故障が生じやすくなる。
上述のように、リム・フランジ円弧部の曲率半径をr1
とし、リム・フランジ円弧部に隣接してラジアル方向外
側に位置するタイヤ外輪郭の曲率半径をr2 とし、リム
・フランジ円弧部の中心点Qを通りタイヤ回転軸方向に
延びる直線上におけるタイヤ表面からカーカス折り返し
部のコード層の中心までの距離をD1 とし、該リム離反
点Rからカーカス折り返し部のコード層の中心までの距
離をD2 とし、該リム離反点Rのレベルとタイヤ最大幅
のレベルとの中間のレベルに位置するタイヤ表面の中間
点Sからカーカス折り返し部のコード層の中心までの距
離をD3 とし、該リム離反点Rのレベルとタイヤ最大幅
のレベルとの中間のレベルに位置するタイヤ表面の中間
点Sからカーカス本体のコード層の中心までの距離をD
4 としたときに、(1)タイヤ外輪郭の曲率半径r2 が
リム・フランジ円弧部の曲率半径r1 の4乃至8倍であ
り、(2)該リム離反点Rからカーカス折り返し部のコ
ード層の中心までの距離D2がタイヤ表面からカーカス
折り返し部のコード層の中心までの距離D1 の110乃
至190%であり、(3)該カーカス・プライの折り返
し端が該中間点Sのレベルよりラジアル方向外側に位置
するときには、該中間点Sからカーカス折り返し部のコ
ード層の中心までの距離D3 がタイヤ表面からカーカス
折り返し部のコード層の中心までの距離D1 の70乃至
110%であること、もしくは、該カーカス・プライの
折り返し端が該中間点Sのレベルよりラジアル方向内側
に位置するときには、該中間点Sからカーカス本体のコ
ード層の中心までの距離D4 がタイヤ表面からカーカス
折り返し部のコード層の中心までの距離D1 の125乃
至180%であることが好ましい。これは、上記のよう
なビード部形状および構造を採用することによって、ワ
イヤー・チェーファーやナイロン・チェーファーなどの
ビード部補強材を除去してコスト低減、軽量化および生
産性向上を図るとともに、ビード部耐久性に優れた重荷
重用空気入りラジアル・タイヤが得られるからである。
明に基づく実施例1乃至4の重荷重用空気入りラジアル
・タイヤおよび従来例の重荷重用空気入りラジアル・タ
イヤについて説明する。タイヤ・サイズは、いずれも、
20.5R25である。TRAが1997年度に発行し
たYEAR BOOKによれば、タイヤ・サイズ20.
5R25に相当する正規リムは25×17.00/2.
0で、正規内圧は500kPaで、正規荷重は9500
kgである。
気入りラジアル・タイヤの一方のビード部の部分断面略
図である。図2はタイヤ成型時のスティフナー4の断面
図である。実施例1の重荷重用空気入りラジアル・タイ
ヤは、左右一対のビード部に設けられたビード・コアー
1と、クラウン部から両サイドを経て両ビード部に延
び、ビード・コアー1をタイヤ内側から外側に向けて折
り返してビード部に係留された、ラジアル・コード層よ
りなるカーカス・プライ2と、ゴム・チェーファー3と
を備えている。カーカス・ラインが外側に凸の曲線から
内側に凸の曲線に変わるビード部変曲点をPとし、実施
例1の重荷重用空気入りラジアル・タイヤを正規リム2
5×17.00/2.0に装着し正規内圧500kPa
を充填した状態で、リム・フランジ円弧部の中心点をQ
とし、正規荷重9500kgを静的に負荷したときのリ
ム離反点をRとしたときに、ビード部変曲点Pとリム・
フランジ円弧部中心点Qとを結んだ直線のタイヤ回転軸
方向に対する傾斜角度θが30度であり、リム・フラン
ジ円弧部の中心点Qを通りタイヤ回転軸方向に45度の
方向に延びる直線上における、カーカス本体21とカー
カス折り返し部22との距離Aに対する、リム離反点R
を通りカーカス本体に下ろした垂線上における、カーカ
ス本体21とカーカス折り返し部22との距離Bの比率
B/Aが95%である。リム・フランジ円弧部に隣接し
てラジアル方向外側に位置するタイヤ外輪郭の曲率半径
r2 がリム・フランジ円弧部の曲率半径r1 の2.5倍
で、換言すればこれらの曲率半径の比r1 /r2 が0.
4である。リム離反点Rからカーカス折り返し部22の
コード層の中心までの距離D2 がリム・フランジ円弧部
の中心点Qを通りタイヤ回転軸方向に延びる直線上にお
けるタイヤ表面からカーカス折り返し部22のコード層
の中心までの距離D1 の250%であり、カーカス・プ
ライ2の折り返し部22の端部が中間点Sのレベルより
ラジアル方向外側に位置していて、リム離反点Rのレベ
ルとタイヤ最大幅のレベルとの中間のレベルに位置する
タイヤ表面の中間点Sからカーカス折り返し部22のコ
ード層の中心までの距離D3 がタイヤ表面からカーカス
折り返し部22のコード層の中心までの距離D1 の12
5%である。実施例1重荷重用空気入りラジアル・タイ
ヤは、ビード・コアー1のラジアル方向外側に、カーカ
ス・プライ2のカーカス本体21とカーカス折り返し部
22とに挟まれて、略三角形の断面形状を有するスティ
フナー4を備えていて、図2に示すように、タイヤ成型
時にスティフナー4のカーカス本体側が内側に凹んだ湾
曲状の形状をしている。
イヤは、ビード部変曲点Pとリム・フランジ円弧部の中
心点Qとを結んだ直線のタイヤ回転軸方向に対する傾斜
角度θが35度であり、リム・フランジ円弧部の中心点
Qを通りタイヤ回転軸方向に45度の方向に延びる直線
上における、カーカス本体21とカーカス折り返し部2
2との距離Aに対する、リム離反点Rを通りカーカス本
体に下ろした垂線上における、カーカス本体21とカー
カス折り返し部22との距離Bの比率B/Aが90%で
あることを除いて、上記の実施例1の重荷重用空気入り
ラジアル・タイヤとほぼ同じタイヤである。実施例3の
重荷重用空気入りラジアル・タイヤは、ビード部変曲点
Pとリム・フランジ円弧部の中心点Qとを結んだ直線の
タイヤ回転軸方向に対する傾斜角度θが25度であるこ
とを除いて、上記の実施例1の重荷重用空気入りラジア
ル・タイヤとほぼ同じタイヤである。実施例4の重荷重
用空気入りラジアル・タイヤは、リム・フランジ円弧部
に隣接してラジアル方向外側に位置するタイヤ外輪郭の
曲率半径r2 がリム・フランジ円弧部の曲率半径r1 の
4.2倍で、換言すればこれらの曲率半径の比r1 /r
2 が0.24であり、リム離反点Rからカーカス折り返
し部22のコード層の中心までの距離D2 がリム・フラ
ンジ円弧部の中心点Qを通りタイヤ回転軸方向に延びる
直線上におけるタイヤ表面からカーカス折り返し部22
のコード層の中心までの距離D1 の115%であり、カ
ーカス・プライ2の折り返し部22の端部が中間点Sの
レベルよりラジアル方向外側に位置していて、リム離反
点Rのレベルとタイヤ最大幅のレベルとの中間のレベル
に位置するタイヤ表面の中間点Sからカーカス折り返し
部22のコード層の中心までの距離D3 がタイヤ表面か
らカーカス折り返し部22のコード層の中心までの距離
D1 の85%であることを除いて、上記の実施例1の重
荷重用空気入りラジアル・タイヤとほぼ同じタイヤであ
る。従来例の重荷重用空気入りラジアル・タイヤは、ビ
ード部変曲点Pとリム・フランジ円弧部の中心点Qとを
結んだ直線のタイヤ回転軸方向に対する傾斜角度θが4
8度であり、リム・フランジ円弧部の中心点Qを通りタ
イヤ回転軸方向に45度の方向に延びる直線上におけ
る、カーカス本体21とカーカス折り返し部22との距
離Aに対する、リム離反点Rを通りカーカス本体に下ろ
した垂線上における、カーカス本体とカーカス折り返し
部との距離Bの比率B/Aが75%であること、およ
び、ビード部補強材としてワイヤー・チェーファーとナ
イロン・チェーファーを備えていることを除いて、上記
の実施例1の重荷重用空気入りラジアル・タイヤとほぼ
同じタイヤである。
ジアル・タイヤおよび上記従来例の重荷重用空気入りラ
ジアル・タイヤについて、ビード部耐久性能の比較試験
を実施した。この比較試験は、正規内圧500kPaを
供試タイヤに充填し、8km/hの速度で室内ドラム試
験機による耐久試験であり、荷重はステップ・ロード方
式とし、第一ステップは正規荷重9500kgの150
%を負荷して3×24時間走行、第二ステップは正規荷
重の170%負荷でさらに3×24時間走行、第三ステ
ップは正規荷重の190%負荷の状態でさらに3×24
時間走行、以降第三ステップと同一条件で故障が発生す
るまで走行させるという試験条件である。
で走行時間を、上記従来例のタイヤを100として指数
表示で示すと、上記実施例1のタイヤは112で、上記
実施例2のタイヤは105で、上記実施例3のタイヤは
118で、上記実施例4のタイヤは131であった。数
字が大きいほどビード部耐久性能が優れていることを示
している。
要とともに表1に示す。
本発明による実施例1乃至4の重荷重用空気入りラジア
ル・タイヤは従来例の重荷重用空気入りラジアル・タイ
ヤに比べ、ビード部耐久性に優れたタイヤであることが
わかる。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 左右一対のビード部に設けられたビード
・コアーと、クラウン部から両サイドを経て両ビード部
に延び、該ビード・コアーをタイヤ内側から外側に向け
て折り返してビード部に係留された、ラジアル・コード
層よりなるカーカス・プライを備えた空気入りタイヤに
おいて、カーカス・ラインが外側に凸の曲線から内側に
凸の曲線に変わるビード部変曲点をPとし、タイヤを正
規リムに装着し正規内圧を充填した状態で、リム・フラ
ンジ円弧部の中心点をQとし、正規荷重を静的に負荷し
たときのリム離反点をRとしたときに、(1)該ビード
部変曲点Pと該リム・フランジ円弧部中心点Qとを結ん
だ直線のタイヤ回転軸方向に対する傾斜角度θが20乃
至40度であり、(2)該リム・フランジ円弧部中心点
Qを通りタイヤ回転軸方向に45度の方向に延びる直線
上における、カーカス本体とカーカス折り返し部との距
離Aに対する、該リム離反点Rを通りカーカス本体に下
ろした垂線上における、カーカス本体とカーカス折り返
し部との距離Bの比率B/Aが40乃至100%である
ことを特徴とする重荷重用空気入りラジアル・タイヤ。 - 【請求項2】 該リム・フランジ円弧部の曲率半径をr
1 とし、該リム・フランジ円弧部に隣接してラジアル方
向外側に位置するタイヤ外輪郭の曲率半径をr2 とし、
該リム・フランジ円弧部中心点Qを通りタイヤ回転軸方
向に延びる直線上におけるタイヤ表面からカーカス折り
返し部のコード層の中心までの距離をD1 とし、該リム
離反点Rからカーカス折り返し部のコード層の中心まで
の距離をD2 とし、該リム離反点Rのレベルとタイヤ最
大幅のレベルとの中間のレベルに位置するタイヤ表面の
中間点Sからカーカス折り返し部のコード層の中心まで
の距離をD3 としたときに、(1)該タイヤ外輪郭の曲
率半径r2 が該リム・フランジ円弧部の曲率半径r1の
4乃至8倍であり、(2)該リム離反点Rからカーカス
折り返し部のコード層の中心までの距離D2がタイヤ表
面からカーカス折り返し部のコード層の中心までの距離
D1 の110乃至190%であり、(3)該カーカス
・プライの折り返し端が該中間点Sのレベルよりラジア
ル方向外側に位置し、該中間点Sからカーカス折り返し
部のコード層の中心までの距離D3 がタイヤ表面からカ
ーカス折り返し部のコード層の中心までの距離D1 の7
0乃至110%であることを特徴とする請求項1記載の
重荷重用空気入りラジアル・タイヤ。 - 【請求項3】 該リム・フランジ円弧部の曲率半径をr
1 とし、該リム・フランジ円弧部に隣接してラジアル方
向外側に位置するタイヤ外輪郭の曲率半径をr2 とし、
該リム・フランジ円弧部中心点Qを通りタイヤ回転軸方
向に延びる直線上におけるタイヤ表面からカーカス折り
返し部のコード層の中心までの距離をD1 とし、該リム
離反点Rからカーカス折り返し部のコード層の中心まで
の距離をD2 とし、該リム離反点Rのレベルとタイヤ最
大幅のレベルとの中間のレベルに位置するタイヤ表面の
中間点Sからカーカス本体のコード層の中心までの距離
をD4 としたときに、(1)該タイヤ外輪郭の曲率半径
r2 が該リム・フランジ円弧部の曲率半径r1の4乃至
8倍であり、(2)該リム離反点Rからカーカス折り返
し部のコード層の中心までの距離D2がタイヤ表面から
カーカス折り返し部のコード層の中心までの距離D1 の
110乃至190%であり、(3)該カーカス・プライ
の折り返し端が該中間点Sのレベルよりラジアル方向内
側に位置し、該中間点Sからカーカス本体のコード層の
中心までの距離D4 がタイヤ表面からカーカス折り返し
部のコード層の中心までの距離D1 の125乃至180
%であることを特徴とする請求項1記載の重荷重用空気
入りラジアル・タイヤ。 - 【請求項4】 該ビード・コアーのラジアル方向外側
に、該カーカス・プライのカーカス本体とカーカス折り
返し部とに挟まれて、略三角形の断面形状を有するステ
ィフナーを備え、タイヤ成型時に該スティフナーのカー
カス本体側が内側に凹んだ湾曲状の形状をしていること
を特徴とする請求項1乃至3記載の重荷重用空気入りラ
ジアル・タイヤ。
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