JPH11218176A - ショックアブソーバおよびリーフバルブ - Google Patents

ショックアブソーバおよびリーフバルブ

Info

Publication number
JPH11218176A
JPH11218176A JP1735998A JP1735998A JPH11218176A JP H11218176 A JPH11218176 A JP H11218176A JP 1735998 A JP1735998 A JP 1735998A JP 1735998 A JP1735998 A JP 1735998A JP H11218176 A JPH11218176 A JP H11218176A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
leaf
shock absorber
chamber
leaf valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1735998A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazumichi Okada
一路 岡田
Kazunari Kamimura
一整 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP1735998A priority Critical patent/JPH11218176A/ja
Priority to FR9815419A priority patent/FR2772447A1/fr
Priority to US09/206,304 priority patent/US6202805B1/en
Priority to DE19857068A priority patent/DE19857068A1/de
Publication of JPH11218176A publication Critical patent/JPH11218176A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】リーフバルブを含むバルブを備えたショックア
ブソーバの設計上の自由度を増大させる。 【解決手段】ピストンロッドの伸長中には、3枚のリー
フバルブ102,104,106が撓められ、収縮中に
おいては、ショックアブソーバに作用する力が小さい状
態では1枚のリーフバルブ106が撓められ、大きい状
態では3枚のリーフバルブ102,104,106が撓
められる。したがって、伸長中には、収縮中より大きさ
減衰力を発生させることができ、収縮中においては、作
用する力が小さくても小さな減衰力を制御することがで
きる。このように、本発明にかかるショックアブソーバ
においては、減衰特性の設計上の自由度を増大させるこ
とができ、ショックアブソーバの設定上の自由度を増大
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、リーフバルブを含
むショックアブソーバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭62─114239号公報には、
上述のショックアブソーバの一例として、シリンダ本
体と、そのシリンダ本体内部を2つの室に仕切るとと
もに、当該ショックアブソーバの作動に伴って前記2つ
の室の容積を増減させるピストンおよびそれに固定のピ
ストンロッドと、前記2つの室のうち圧力が高い方の
高圧室から圧力が低い方の低圧室への作動液の流れを許
容するバルブとを含むショックアブソーバが記載されて
いる。このバルブは、厚さ方向に重ねられた2枚のリー
フバルブを含むものであるが、このバルブにおいては、
ショックアブソーバの作動状態のいかんを問わず、2枚
のリーフバルブが共に撓む。そのため、ショックアブソ
ーバの設計上の自由度が十分とは言えず、所望の減衰特
性のショックアブソーバを設計することが困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,解決手段,作用および
効果】そこで、本発明の課題は、リーフバルブを有する
バルブを備えたショックアブソーバの設計上の自由度を
増大させることにある。そして、本発明によれば、下記
各態様のショックアブソーバおよびリーフバルブが得ら
れる。なお、各態様はそれぞれ項に分け、項番号を付
し、必要に応じて他の項の番号を引用して請求項と同じ
形式で記載する。各項に記載の特徴を組み合わせて採用
することの可能性を明示するためである。 (1)シリンダ本体と、そのシリンダ本体内部を2つの
室に仕切るとともに、当該ショックアブソーバの作動に
伴って前記2つの室の容積を増減させるピストンおよび
それに固定のピストンロッドと、前記2つの室のうち圧
力が高い方の高圧室から圧力が低い方の低圧室への作動
液の流れを許容するバルブとを含むショックアブソーバ
であって、前記バルブが、複数枚重ねられたリーフバル
ブを含み、作動状態によって撓むリーフバルブの枚数が
異なることを特徴とするショックアブソーバ(請求項
1)。上述のように、本項に記載のショックアブソーバ
に設けられたバルブにおいては、ショックアブソーバの
作動状態に応じてリーフバルブの撓む枚数が異なるよう
にされている。通常、撓む枚数が少ない場合は多い場合
よりバルブは撓み易くなる。そのため、バルブの開弁圧
が小さくなったり、バルブにおいて発生させられる減衰
力の減衰係数(ピストンロッドのシリンダ本体に対する
相対移動速度の増加量に対する減衰力の増加量)が小さ
くなったりする。撓む枚数が異なるように設計すれば、
減衰特性を異ならせることができるのであり、減衰特性
の設計上の自由度を増加させることができる。本明細書
における複数のリーフバルブの各々は、ショックアブソ
ーバの作動時期の少なくとも一時期において撓むもので
あればよく、ショックアブソーバが作動する場合は必ず
撓むものでなくてもよい。例えば、ピストンロッドがシ
リンダ本体に対して収縮させられる収縮状態において撓
まなくても、伸長させられる伸長状態において撓むもの
であれば、リーフバルブなのである。そのため、バルブ
の弁座に対して、着座・離間しないものであっても、上
述の条件を満たすものは、リーフバルブとする。例え
ば、バルブを、3枚の円環板状部材と、前記2つの室の
うちの一方の室側に設けられた内周側弁座と、前記他方
の室側に設けられた外周側弁座とを含み、他方の室の液
圧が一方の室の液圧より高い場合に、3枚の円環板状部
材のうち最も一方の室側に位置する一方側板状部材のみ
が撓み、一方の室の液圧が他方の室の液圧より高い場合
に、3枚すべての円環板状部材が撓むようにすることが
できる。前者の他方の室の液圧が一方の室の液圧より高
い場合には、一方側板状部材の内周側の縁部が内周側弁
座に押し付けられた状態で外周側の部分が撓むことにな
るが、その外周側の部分は、外周側弁座に着座・離間さ
せられるのではなく、中間に位置する中間板状部材に対
して、着座・離間させられることになる。しかし、一方
側板状部材は、上述のショックアブソーバの作動時期の
少なくとも一時期において撓むものであるとする条件を
満たすものであるため、リーフバルブなのである。他方
の室側に位置する他方側板状部材についても同様に、内
周側の部分が撓められる場合に内周側弁座に着座・離間
させられないものであるが、上述の条件を満たすもので
あるため、リーフバルブである。中間板状部材について
は、外周側弁座にも内周側弁座にも着座・離間させられ
ることがないが、リーフバルブである。上記作動状態と
しては、後に(4) 項に関して記載するように、高圧室と
低圧室との間の液圧差が小さいか大きいかとしたり、バ
ルブが、次の(2) 項に関して記載するように、ピストン
ロッドの伸長中にも収縮中にも作動液の流れを許容する
ものである場合には、(3) 項に関して記載するように、
作動状態を伸長中であるか収縮中であるかとしたりする
ことができる。 (2)前記バルブが、前記ピストンロッドが伸長させら
れる状態と収縮させられる状態との両方において作動液
の流れを許容するものである(1) 項に記載のショックア
ブソーバ(請求項2)。本項に記載のショックアブソー
バにおいては、バルブが、ピストンロッドの伸長中にも
収縮中にも作動液の流れを許容するものである。そのた
め、伸長中に許容する伸長用バルブと収縮中に許容する
収縮用バルブとの両方を設ける必要がなくなり、その
分、ショックアブソーバの構造を簡単にし得る。 (3)前記バルブが、前記ピストンロッドが伸長中であ
るか収縮中であるかの作動状態によって、撓むリーフバ
ルブの枚数が異なる(2) 項に記載のショックアブソーバ
(請求項3)。本項に記載のショックアブソーバにおい
ては、伸長中と収縮中とで、減衰特性を異ならせること
ができ、ピストンロッドのシリンダ本体に対する相対移
動速度が同じ場合に発生させられる減衰力の大きさを異
ならせることができる。撓む枚数は、伸長中と収縮中と
のいずれの場合が多くてもよいが、一般に伸長中の方が
収縮中より発生させられる減衰力が大きい方が望ましい
ため、伸長中に撓む枚数を収縮中に撓む枚数より多くす
ることが望ましい。例えば、収縮中に複数のリーフバル
ブのうちの一部のリーフバルブが撓み、伸長中にすべて
のリーフバルブが撓むようにするのである。また、バル
ブが3枚のリーフバルブを含むものである場合には、収
縮中に撓むリーフバルブの枚数を1枚または2枚とし、
伸長中に撓む枚数を2枚または3枚とすることができ
る。 (4)前記バルブが、当該ショックアブソーバの前記高
圧室と低圧室との間の液圧差が小さいか大きいかの作動
状態によって、撓むリーフバルブの枚数が異なる(1) 項
ないし(3) 項のいずれか1つに記載のショックアブソー
バ。本項に記載のショックアブソーバにおいては、高圧
室と低圧室との液圧差が小さい場合と大きい場合とで、
減衰特性を異ならせることができる。液圧差が小さい場
合に撓む枚数を少なくすれば、ショックアブソーバに作
用する力が小さい状態で、リーフバルブが撓むようにす
ることができ、小さい減衰力を制御することができる。
開弁圧の小さいバルブが得られるのである。本項に記載
のショックアブソーバを、(3) 項に記載のショックアブ
ソーバと組み合わせれば、減衰特性の設計上の自由度を
さらに増加させることができる。例えば、バルブがリー
フバルブを3枚含む場合において、伸長中に撓む枚数を
3枚とし、収縮中の枚数を1枚とするのであるが、収縮
中においては、さらに、液圧差が小さい場合の枚数を1
枚とし、大きい場合の枚数を2枚または3枚とすること
ができる。 (5)前記複数のリーフバルブが、前記ショックアブソ
ーバの作動状態に応じて撓んだり撓まなかったりする選
択撓みリーフバルブと作動状態に関係なく撓む非選択撓
みリーフバルブとを含む(1) 項ないし(4) 項のいずれか
1つに記載のショックアブソーバ。本項に記載のショッ
クアブソーバにおけるバルブにおいては、ショックアブ
ソーバの作動状態に応じて、非選択撓みリーフバルブが
撓んだり、非選択撓みリーフバルブと選択撓みリーフバ
ルブとが撓んだりする。また、非選択撓みリーフバルブ
と複数の選択撓みリーフバルブのうちの少なくとも1枚
とが撓む場合もある。複数のリーフバルブが厚さ方向に
重ねられた場合には、複数枚のリーフバルブのうちの、
厚さ方向のいずれか一方の側の最も外側に位置する最外
側リーフバルブを含む1枚以上のリーフバルブを非選択
撓みリーフバルブとし、すべてのリーフバルブから上記
非選択撓みリーフバルブを除くリーフバルブを選択撓み
リーフバルブとすることができる。 (6)前記選択撓みリーフバルブに、前記2つの室のう
ちの前記非選択撓みリーフバルブが位置する側とは反対
の側の室の液圧を前記非選択撓みリーフバルブに導く導
圧手段を設けた(5) 項に記載のショックアブソーバ。非
選択撓みリーフバルブに、この非選択撓みリーフバルブ
が位置する側(一方の側)とは反対側(他方の側)の室
(他方の室)の液圧が、導圧手段によって導かれる。非
選択撓みリーフバルブの他方の側の面(非選択撓みリー
フバルブが1枚以上ある場合には、1枚以上の非選択撓
みリーフバルブのうちの最も他方の側に位置するリーフ
バルブの他方の側の面のことをいう。以下、同様に略称
する)に、導圧手段によって導かれる他方の室の液圧が
作用し、一方の側の面に一方の室の液圧が作用する。他
方の面に作用する液圧が一方の側の面に作用する液圧よ
り、非選択撓みリーフバルブが撓むために必要な液圧差
(開弁圧)以上大きくなれば、非選択撓みリーフバルブ
が撓められる。 (7)前記導圧手段が、1枚以上の選択撓みリーフバル
ブを厚さ方向に貫通して形成された1つ以上の導圧路を
含む(6) 項に記載のショックアブソーバ。本項に記載の
ショックアブソーバにおいては、他方の室の液圧が、1
枚以上の選択撓みリーフバルブの各々に設けられた貫通
穴の集合により形成される導圧路を経て、非選択撓みリ
ーフバルブに導かれ、他方の側の面に作用させられる。
選択撓みリーフバルブの各々に厚さ方向の貫通穴が形成
され、これら選択撓みリーフバルブが、各々の貫通穴が
互いに連通する状態で重ねられれば、液圧がこれら複数
の貫通穴により形成される導圧路により導かれ、選択撓
みリーフバルブに作用する。導圧路は、断面積が軸方向
に一様なものであっても、断面積が小さい小面積部と断
面積が大きい大面積部(貫通穴の断面形状が円形の場合
は大径部と小径部)とを有する形状のものであってもよ
いが、導圧路の非選択撓みリーフバルブに隣接する部分
は、大面積部とすることが望ましい。大面積部とすれ
ば、非選択撓みリーフバルブに他方の室の液圧を良好に
作用させ得るからである。すなわち、選択撓みリーフバ
ルブが1枚の場合には、その1枚の選択撓みリーフバル
ブに形成される厚さ方向の貫通穴は、断面積が一様のも
のであっても、大面積部と小面積部とを有するものであ
ってもよく、複数の場合には、複数の選択撓みリーフバ
ルブ各々に形成される貫通穴の断面積が同じであって
も、互いに異なっていてもよい。複数の選択撓みリーフ
バルブを含む場合においても、1枚のリーフバルブに形
成される貫通穴が大面積部と小面積部とを有する形状の
ものとすることができる。導圧路の断面積によって、作
動状態に応じて撓むリーフバルブの枚数を決めることが
できる。導圧路が、断面積が一様で大きいものである場
合には、他方の室の液圧が一方の室の液圧より高い状態
では、ショックアブソーバの作動速度が小さくても大き
くても、非選択撓みリーフバルブのみが撓み、一方の室
の液圧が他方の室の液圧より高い状態では、非選択撓み
リーフバルブおよび選択撓みリーフバルブが一緒に撓
む。他方の室の液圧が一方の室の液圧より高い場合に
は、他方の室の液圧が導圧路を経て導かれ、非選択撓み
リーフバルブの他方の側の面に作用させられ、非選択撓
みリーフバルブが撓んで導圧路内に作動液の流れが生じ
るが、導圧路の断面積が大きければ、作動液が十分な流
量で流れることが許容されるため、選択撓みリーフバル
ブの両側に実質的な液圧差が生じず、選択撓みリーフバ
ルブは撓まないのである。それに対して、導圧路が、小
面積部と、非選択撓みリーフバルブに隣接する部分に形
成された大面積部とを有する形状のものである場合に
は、その小面積部が形成される位置によって作動状態に
応じて撓む枚数が決まる。他方の室の液圧が一方の室の
液圧より高い場合においては、ショックアブソーバの作
動速度が小さい状態では、非選択撓みリーフバルブのみ
が撓み、作動速度が大きい状態では、小面積部が形成さ
れた選択撓みリーフバルブおよびそれより一方の室の側
に位置する選択撓みリーフバルブも撓む。液圧差が大き
くなると、小面積部において作動液の流れが抑制される
ため、十分な流量で流れることができない。そのため、
選択撓みリーフバルブの前後に液圧差が生じ、選択撓み
リーフバルブも撓むことになるのである。非選択撓みリ
ーフバルブと小面積部を有する選択撓みリーフバルブお
よびそれより一方の室の側に位置する選択撓みリーフバ
ルブとが撓むのである。このように、作動状態に応じて
撓むリーフバルブの枚数を、導圧路の断面積の大きさや
小面積部が形成される選択リーフバルブの厚さ方向の位
置等に基づいて決めることができる。他方の室の液圧が
一方の室の液圧より高い場合に、非選択撓みリーフバル
ブのみが撓む状態においては、作動液は、導圧路と、選
択撓みリーフバルブと非選択撓みリーフバルブとの間の
隙間とを経て流れるが、非選択撓みリーフバルブと選択
撓みリーフバルブとが撓む状態においては、上記経路の
他にリーフバルブとバルブの弁座との間の隙間を経ても
流れる。前者の場合において、導圧路が小面積部を有し
ている場合には、非選択撓みリーフバルブが撓んだ後
に、オリフィス特性が得られ、すべてのリーフバルブが
撓む状態においては、実質的にバルブ特性のみとなる。
また、一方の室の液圧が他方の室の液圧より高く、すべ
てのリーフバルブが撓む状態においては、バルブ特性の
みが得られる。 (8)前記バルブが、厚さ方向に重ねられた3枚のリー
フバルブを含み、これら3枚のリーフバルブが、前記厚
さ方向のいずれか一方の側に位置する主撓みリーフバル
ブと、前記厚さ方向の他方の側に位置し、小断面積の貫
通穴を有する絞り用リーフバルブと、中間に位置し、大
断面積の貫通穴を有する導圧用リーフバルブとを含む
(1) 項ないし(7) 項のいずれか1つに記載のショックア
ブソーバ。ショックアブソーバの作動により、他方の室
の液圧が一方の室の液圧より高くなった場合には、他方
の室の作動液は、小断面積の貫通穴および大断面積の貫
通穴を経て導かれ、主撓みリーフバルブの他方の側の面
に作用する。それに対して、主撓みリーフバルブの一方
の側の面には、一方の室の液圧が作用する。他方の室の
液圧が一方の室の液圧より、その主撓みリーフバルブが
撓むために必要な液圧差以上高くなれば、主撓みリーフ
バルブが撓み、作動液の流れが許容される。この主撓み
リーフバルブが、撓み易いものであれば、他方の室と一
方の室との液圧差が小さくても(ショックアブソーバに
作用する力が小さくても)、バルブが開かれることにな
る。ショックアブソーバに作用する力が大きくなり(シ
ョックアブソーバの作動速度が大きくなり)、絞り用リ
ーフバルブの他方の側の面に作用する他方の室の液圧
が、一方の側の面に作用する一方の室の液圧より、絞り
用,導圧用の2枚のリーフバルブが撓むために必要な液
圧差以上大きくなれば、2枚のリーフバルブが一緒に撓
む。この状態においては、結果的に、3枚のリーフバル
ブすべてが撓むことになる。逆に、主撓みリーフバルブ
に作用する一方の室の液圧が、絞り用リーフバルブに作
用する他方の室の液圧より、3枚のリーフバルブが撓む
ために必要な液圧差(開弁圧)以上高い場合には、3枚
のリーフバルブが一緒に撓むことになる。なお、中間に
位置する導圧用リーフバルブを、大断面積の貫通穴を有
するものとする代わりに、絞り用リーフバルブに形成さ
れた小断面積の貫通穴を塞がない形状,寸法のものとし
ても似た効果を得ることができる。 (9)前記バルブが2枚のリーフバルブを含み、一方の
リーフバルブの全体と、他方のリーフバルブの一部とが
重ねられた(1) 項ないし(4) 項のいずれか1つに記載の
ショックアブソーバ。本項に記載のショックアブソーバ
においては、他方のリーフバルブには、一方のリーフバ
ルブと重なっている部分と重なっていない部分とがあ
る。そのため、作動状態に応じて他方のリーフバルブ1
枚が撓んだり、一方および他方のリーフバルブ2枚が撓
んだりするようにすることができる。 (10)シリンダ本体と、そのシリンダ本体内部を2つ
の室に仕切るとともに、当該ショックアブソーバの作動
に伴って前記2つの室の容積を増減させるピストンおよ
びそれに固定のピストンロッドと、前記2つの室のうち
圧力が高い方の高圧室から圧力が低い方の低圧室への作
動液の流れを許容するバルブとを含むショックアブソー
バであって、前記バルブにおいて発生させられる減衰力
の減衰特性が作動状態に応じて変わるショックアブソー
バ。バルブにおいて、作動状態に応じてリーフバルブの
撓む枚数が異なれば、減衰特性が変わる。本項に記載の
バルブは、例えば、前述の(1) 項ないし(9) 項のいずれ
か1つに記載のバルブとすることができる。 (11)シリンダ本体と、そのシリンダ本体内部を2つ
の室に仕切るとともに、当該ショックアブソーバの作動
に伴って、それら2つの室の容積を増減させるピストン
およびそれに固定のピストンロッドと、 前記2つの室のうちの圧力が高い方の高圧室と圧力が
低い方の低圧室との間の液圧差が大きい場合に、前記高
圧室から低圧室への作動液の流れを許容するハードバル
ブと、前記液圧差が小さい状態から、高圧室から低圧
室への作動液の流れを許容するソフトバルブと、前記
ハードバルブと並列に設けられた絞り機能を有する液通
路とを含むショックアブソーバであって、前記ソフトバ
ルブとハードバルブとの少なくとも一方が、複数枚重ね
られたリーフバルブを含み、当該ショックアブソーバの
作動状態に応じて撓むリーフバルブの枚数が異なるショ
ックアブソーバ。ショックアブソーバの作動状態に応じ
て撓むリーフバルブの枚数が異なるバルブは、ハードバ
ルブに適用しても、ソフトバルブに適用しても、両方に
適用してもよいが、本項に記載のショックアブソーバに
おいては、ハードバルブと並列に絞り機能を有するハー
ドバルブバイパス通路が設けられているため、ソフトバ
ルブに適用することが望ましい。ハードバルブとソフト
バルブとの少なくとも一方は、上述の(2) 項ないし(9)
項に記載のいずれか1つのバルブとすることができる。
また、ハードバルブとソフトバルブとは同じ態様のバル
ブとしても、異なる態様のバルブとしてもよいが、異な
る態様のバルブとした場合には、上述の(1) 項ないし
(9) 項に記載のバルブの任意の2つの組み合わせとする
ことができる。 (12)前記ハードバルブとソフトバルブとが、前記ピ
ストンロッドの伸長状態と収縮状態との両方において、
前記高圧室から低圧室への作動液の流れを許容するもの
であり、かつ、前記ハードバルブとソフトバルブとがそ
れぞれ、前記ピストンの前記2つの室のうちの一方の室
の側の部分と他方の室の側の部分とに設けられており、
前記液通路が、前記ピストンの内部に設けられ、前記ハ
ードバルブが設けられている側の室と、前記ハードバル
ブと前記ソフトバルブとの間の液通路とに開口している
(11)項に記載のショックアブソーバ。ハードバルブとソ
フトバルブとがピストンの両側に設けられているため、
ピストンの小形化を図ることができる。 (13)ショックアブソーバのバルブ用リーフバルブで
あって、円環板状を成し、外周縁と内周縁との間の部分
に厚さ方向に貫通する貫通穴を備えたリーフバルブ(請
求項4)。例えば、前記 (8)項に記載の絞り用リーフバ
ルブや導圧用リーフバルブが本態様のリーフバルブに相
当する。 (14)前記貫通穴が絞り機能を果たす大きさの断面積
を有し、ショックアブソーバ作動中の少なくとも一時期
に貫通穴の前後に生じる圧力差により撓む(13)項に記載
のリーフバルブ。本リーフバルブは絞り用リーフバルブ
と称することができる。 (15)前記貫通穴が、ショックアブソーバ作動中のい
かなる時期にも実質的な絞り機能を果たさない大きさの
断面積を有する(13)項に記載のリーフバルブ。本リーフ
バルブは導圧用リーフバルブと称することができる。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態であるショッ
クアブソーバを、図面に基づいて詳細に説明する。ショ
ックアブソーバはサスペンションの構成要素の一つであ
る。図3に示すように、ショックアブソーバのシリンダ
本体10が、ブラケットを介して車輪側部材12に取り
付けられ、ピストンロッド14が、車体側部材16に取
り付けられている。また、スプリング18が、アッパシ
ート22とシリンダ本体10に取り付けられたロアシー
ト20との間に配設されている。
【0005】ショックアブソーバは、図1,2に示すよ
うに、上記シリンダ本体10、ピストンロッド14、ピ
ストン28、減衰力制御装置30等を含むものである。
ピストン28には、ピストンロッド14が貫通し、その
端部においてナットによって固定され、ピストン28お
よびピストンロッド14が一体的に移動可能とされてい
る。ピストン28はシリンダ本体10に対して液密かつ
摺動可能とされており、シリンダ本体10の内部が、ピ
ストン28によって下室34および上室36に仕切られ
る。
【0006】減衰力制御装置30は、ハードバルブ4
0、ソフトバルブ42、可変絞り装置44等を含むもの
である。ハードバルブ40がピストン28の下室側に設
けられ、ソフトバルブ42が上室側に設けられ、これら
ハードバルブ40とソフトバルブ42との間に中間液通
路46が設けられている。また、ピストンロッド14の
内部には、軸方向に伸び、下室34に開口を有する貫通
穴48が設けられ、この貫通穴48にスプール50が摺
動可能に配設されている。ピストンロッド14の中間液
通路46に対応する部分には、半径方向に伸びる複数の
半径方向穴52が形成され、これによって、中間液通路
46と貫通穴48とが連通させられる。貫通穴48,半
径方向穴52によって、下室34と中間液通路46と
が、ハードバルブ40をバイパスして接続される。この
ピストンロッド14に設けられた貫通穴48の下室34
と中間液通路46との間の部分および半径方向穴52等
によってハードバルブバイパス通路54が構成される。
スプール50の軸方向の移動に伴って半径方向穴52の
開口面積が制御され、ハードバルブバイパス通路54の
流路面積が制御されることになる。
【0007】可変絞り装置44は、上記スプール50
と、スプール50を軸方向に移動させる移動装置56と
を含むものである。移動装置56は、電動モータ60
と、電動モータ60の回転運動を軸方向の直線移動に変
換する運動変換機構62と、軸方向に移動可能なシャフ
ト64とを含むものである。電動モータ60が回転させ
られると、その回転が運動変換機構62によってシャフ
ト64の軸方向移動に変換され、シャフト64の軸方向
の移動によりスプール50が軸方向に移動させられる。
このように、本実施形態においては、ハードバルブ4
0,ソフトバルブ42およびハードバルブバイパス通路
54がピストン28に設けられ、ハードバルブバイパス
通路54の流路面積を制御する可変絞り装置44が、ピ
ストンロッド14の内部に設けられるのである。ピスト
ンロッド14の途中には、また、リバウンドストッパ7
0が取り付けられ、ピストンロッド14の伸長限度が規
定されている。
【0008】前記ハードバルブ40は、図4に示すよう
に、ピストン28の下部に設けられた弁座80と、概し
て円環薄板状を成したリーフバルブ82と、リーフバル
ブ82の内周側に設けられ、リーフバルブ82の半径方
向の位置を決める位置決め部材84と、リーフバルブ8
2の内周側の縁部の上面側(中間液通路46に対向する
側)に設けられた中間側シート部材86とを含むもので
ある。中間側シート部材86は、スペーサ88を介して
ピストン本体に当接させられているため、リーフバルブ
82に加えられる下室34と中間液通路46との間の差
圧に応じた差圧作用力を受けることが可能とされてい
る。ピストン28には、円環状の溝90および複数の下
室34への液通路91が形成され、その溝90の周辺が
室側シートとしての弁座80とされている。その結果、
リーフバルブ82は、リーフバルブ82の上面92が中
間液通路46に対向し、下面94が下室34に対向した
状態で、弁座80と中間側シート部材86とによって弾
性変形させられた状態で支持される。リーフバルブ82
は、中間液通路46と下室34との間の圧力差が設定圧
(ハードバルブの開弁圧)以上大きくなると撓められ
て、ハードバルブ40が開かれる。
【0009】下室34の液圧が中間液通路46の液圧よ
り開弁圧以上高い場合は、リーフバルブ82の内周側の
縁部が中間側シート部材86に押し付けられ、その内周
側の縁部を支点として外周側の部分が撓められる。中間
液通路46の液圧が下室34の液圧より開弁圧以上高い
場合には、外周側の縁部が弁座80に押し付けられ、外
周側の縁部を支点として内周側の部分が撓められる。こ
こで、リーフバルブ82は、内周側の部分の方が外周側
の部分より撓み難い。ハードバルブ40の開弁圧は、内
周側の部分が撓められる場合の方が大きいのであり、内
周側の部分が撓められる場合に発生させられる減衰力
は、外周側の部分が撓められる場合におけるそれより、
ピストンロッド14のシリンダ本体10に対する相対移
動速度が同じ場合に大きくなる。ピストンロッド14の
伸長中の方が収縮中より開き難くされているのであり、
ショックアブソーバにおいて発生させられる減衰力が、
大きくなるようにされている。
【0010】ソフトバルブ42は、図5,6に示すよう
に、ピストン28に設けられた弁座100と、3枚の円
環薄板状を成したリーフバルブ102,104,106
と、位置決め部材110と、室側シート部材112とを
含むものである。室側シート部材112は、ピストンロ
ッド14に当接させられ、リーフバルブ102,10
4,106に作用する差圧作用力を受けることが可能と
されている。ピストン28には円環状の溝114が形成
され、溝114と中間液通路46とが複数の液通路11
6によって連通させられている。この溝114の外周縁
が弁座100とされるのである。ソフトバルブ42にお
いては、3枚のリーフバルブ102,104,106が
軸方向に重ねられている。最も中間液通路46側に位置
するリーフバルブ102は、小径の軸方向の貫通穴12
0がほぼ同一半径の円周に沿って複数形成されたもので
あり、最も上室36側に位置するリーフバルブ106
は、厚みが薄く、撓み易いものであり、中間に位置する
リーフバルブ104は、大径の貫通穴122が複数形成
されたものである。2枚のリーフバルブ102,104
は、小径の貫通穴120と大径の貫通穴122とが同一
位相に位置する状態で、すなわち、貫通穴120,12
2が互いに連通させられた状態で、配設される。小径の
貫通穴120によってオリフィスが形成され、大径の貫
通穴122によってリーフバルブ106の中間液圧室側
の面124に、中間液通路46の液圧が良好に伝達可能
とされている。中間液通路46の液圧は、小径の貫通穴
120,大径の貫通穴122を経てリーフバルブ106
に伝達される。貫通穴120,122によって導圧路が
構成される。
【0011】図7に示すように、中間液通路46の液圧
が上室36の液圧より高い場合には、中間液通路46の
液圧が、貫通穴120,122を経てリーフバルブ10
6の中間液通路側の面124に導かれ、作用する。それ
に対して、リーフバルブ106の上室側の面126に
は、上室36の液圧が作用する。リーフバルブ106の
両面124,126に生じる実質的な液圧差が、リーフ
バルブ106が撓むのに必要な大きさ(開弁圧)以上に
なれば、リーフバルブ106が内周側の縁部がシート部
材112に押し付けられ、外周側の部分が上方へ撓めら
れる。中間液通路46の作動液は、小径の貫通穴12
0,大径の貫通穴122、リーフバルブ104と106
との間の隙間を経て、上室36に流れさせられる。リー
フバルブ106は、撓み易いものであるため、中間液通
路46と上室36との間の液圧差が小さくても、撓めら
れ、作動液の流れが許容される。この場合には、オリフ
ィス特性の減衰力が発生させられる。
【0012】その後、中間液通路46と上室36との間
の液圧差が大きくなると、作動液の流れが貫通穴120
において抑制されるため、十分な流量で流れることがで
きない。そのため、中間液通路46の液圧がリーフバル
ブ102の中間液通路側の面128に作用する。それに
対してリーフバルブ104の上室側の面130には、上
室36の液圧に応じた液圧作用力が作用する。これらリ
ーフバルブ102の面128に作用する中間液通路46
の液圧と、リーフバルブ104の面130に作用する上
室36の液圧との液圧差が、リーフバルブ102,10
4が撓むために必要な液圧差以上になれば、リーフバル
ブ102,104の外周側の部分が共に上方に撓められ
る。リーフバルブ102と弁座100との間からの作動
液の流れも許容され、バルブ特性の減衰力が発生させら
れる。図に示すように、作動液は、貫通穴120,12
2,リーフバルブ106,104間の隙間を経て流れる
ことも、リーフバルブ102,104間の隙間を経て流
れることもできるのである。
【0013】このように、中間液通路46の液圧が上室
36の液圧より高い場合においては、中間液通路46と
上室36との間の液圧差が小さい場合には、リーフバル
ブ106のみが撓められ、大きい場合には、リーフバル
ブ102,104も撓められる。このように、液圧差が
小さい場合と大きい場合とで、撓む枚数が異なり、異な
る減衰特性の減衰力が発生させられることになる。ま
た、リーフバルブ106が撓み易いものであるため、液
圧差が非常に小さく、ショックアブソーバの作動速度が
非常に小さい状態で作動液の流れを許容し、減衰力を制
御し得るという利点もある。
【0014】それに対して、上室36の液圧が中間液通
路46の液圧より、リーフバルブ102,104,10
6が撓むために必要な液圧差(開弁圧)以上大きくなる
と、リーフバルブ102,104,106は、外周側の
縁部が弁座100に押し付けられて、内周側の部分が下
方に撓められる。この場合には、3枚のリーフバルブ1
02,104,106が共に撓められることになり、作
動液に加えられる抵抗が大きくなり、バルブ特性の減衰
力が発生させられる。
【0015】図8に示すように、ソフトバルブ42にお
いては、中間液通路46の液圧が上室36の液圧より高
い場合において、液圧差が小さい場合は、オリフィス特
性の減衰力が発生させられ、液圧差が大きい場合は、バ
ルブ特性の減衰力が発生させられる。上室36の液圧が
中間液通路46の液圧より高い場合においては、3枚の
リーフバルブ102,104,106が共に撓められる
ため、1枚のリーフバルブが撓められる場合より大きな
減衰力が発生させられる。この場合には、開弁圧も減衰
係数も大きくなる。
【0016】前記電動モータ60は、制御装置130に
よって制御される。電動モータの制御により、ハードバ
ルブバイパス通路54の流路面積が制御され、減衰力が
制御される。以上のように構成されたショックアブソー
バにおいては、ショックアブソーバに作用する力が小さ
く、ソフトバルブ42が開かれる以前には高圧室から低
圧室へ向かって作動液が流れることはない。ショックア
ブソーバに作用する力が大きくなり、ソフトバルブ42
が開かれると、ソフトバルブ42、中間液通路46,ハ
ードバルブバイパス通路54を経て作動液が流れさせら
れ、さらに、大きくなり、ハードバルブ40が開かれる
と、一部の作動液が、ソフトバルブ42,中間液通路4
6,ハードバルブ40を経て流れさせられることにな
る。
【0017】車体側部材16と車輪側部材12との間が
小さくなると、ピストン28に下向きの力が作用し、ピ
ストンロッド14を収縮させようとする力が作用する。
ショックアブソーバに作用する力が小さい場合には、ハ
ードバルブ40は開かれないが、ソフトバルブ42にお
いては、リーフバルブ106のみが撓められ、作動液の
流れが許容される。ソフトバルブ42が開かれれば、ハ
ードバルブバイパス通路54,中間液通路46,ソフト
バルブ42を経て作動液が流れることになる。ショック
アブソーバに作用する力が大きくなると、リーフバルブ
102および104も撓められる。さらに大きくなる
と、ハードバルブ40において、リーフバルブ82が撓
められ、作動液の流れが許容される。一部の作動液は、
ハードバルブ40,中間液通路46,ソフトバルブ42
を経て流れることになる。車体側部材16と車輪側部材
12との間が大きくなると、ピストン28に上向きの力
が作用し、ピストンロッド14を伸長させようとする力
が作用する。伸長中においては、ソフトバルブ42にお
いて、リーフバルブ102,104,106が撓められ
ることにより、作動液の流れが許容され、ハードバルブ
40においては、リーフバルブ82が撓められることに
より流れが許容される。
【0018】本実施形態におけるショックアブソーバに
おいては、減衰力は、図9に示すように発生させられ
る。伸長中において、ソフトバルブ42において撓めら
れるリーフバルブは3枚であるため、収縮中より、開弁
圧が大きく、減衰係数が大きくなる。また、収縮中にお
いては、ショックアブソーバに作用する力が小さく、中
間液通路46と上室36との間の液圧差が小さい場合
に、リーフバルブ106が撓められ、作動液の流れが許
容される。このように、本実施形態においては、ソフト
バルブ42において、ピストンロッド14の伸長中,収
縮中,液圧差が小さい場合,大きい場合で撓む枚数を異
ならせることができるのであり、減衰特性の設計上の自
由度を増大させ、ショックアブソーバの設定上の自由度
を増大させることができる。ソフトバルブ42に含まれ
るリーフバルブ102,104は、請求項4に記載の発
明の一実施形態のリーフバルブである。
【0019】なお、ソフトバルブは、上記実施形態にお
けるソフトバルブ42に限らず、図10,11に示す態
様のものとすることもできる。ソフトバルブ150は、
ソフトバルブ42と同様に、3枚のリーフバルブ15
2,154,156を含むものであるが、中間に位置す
るリーフバルブ154は、外径が、リーフバルブ152
に形成された小径の貫通穴158を塞がない大きさとさ
れている。小径の貫通穴158がほぼ同一半径の円周に
沿って設けられているため、その半径よりリーフバルブ
154の外径が小さくされているのである。また、上記
実施形態における場合と同様に、ピストン28には、円
環状の溝160が形成されており、それの外周縁が弁座
162とされているのであるが、外周縁が内周縁より突
出させられている。弁座162によって支持されたリー
フバルブ152の外周側の縁部が上方に撓ませられてリ
ーフバルブ156の外周側の縁部に押し付けられ、これ
らが密着させられるのである。リーフバルブ154の外
径が、リーフバルブ152,156の外径より小さいた
め、ショックアブソーバの非作動状態において、リーフ
バルブ152,156の外周側の縁部同士が当接させら
れ、これらの間から作動液が流れることが回避される。
【0020】図12に示すように、中間液通路46の液
圧が上室36の液圧より高い場合には、中間液通路46
の液圧が、貫通穴158,リーフバルブ152,154
の間の隙間を経てリーフバルブ156の中間液通路46
側の面に作用する。また、リーフバルブ156の上室3
6側の面には、上室36の液圧が作用する。これらの液
圧差が、リーフバルブ156を撓めるのに必要な液圧差
(開弁圧)以上になれば、リーフバルブ156の外周側
の部分が上方に撓められ、オリフィス特性の減衰力が発
生させられる。さらに、リーフバルブ152の中間液通
路46側の面,上室36側の面にそれぞれ作用する液圧
の液圧差が、リーフバルブ152,154を撓めるのに
必要な液圧差以上になれば、リーフバルブ152,15
4が共に上方に撓められ、バルブ特性の減衰力が発生さ
せられる。上室36の液圧が中間液通路46の液圧よ
り、リーフバルブ152,154,156が撓むのに必
要な液圧差(開弁圧)以上高くなると、リーフバルブ1
52,154,156は、内周側の部分が共に下方に撓
められる。伸長中においては、3枚のリーフバルブ15
2,154,156が撓められるため、開弁圧が大き
く、減衰係数が大きくなる。なお、リーフバルブ152
は、請求項4に記載の発明の一実施形態としてのリーフ
バルブである。
【0021】ソフトバルブは、また、図13に示すソフ
トバルブ180とすることもできる。ソフトバルブ18
0は、3枚のリーフバルブ182,184,186を含
むものであるが、中間液通路46側に位置するリーフバ
ルブ182に形成された貫通穴188が比較的大きく、
導圧路が絞り機能を有しないものである。そのため、1
枚のリーフバルブ186が撓められた状態においては、
作動液は、貫通穴188,190を経て流れるが、発生
させられる減衰力がオリフィス特性でなく、バルブ特性
となる。また、貫通穴188が大流量の作動液の流れを
許容し得る大きさであるため、液圧差が大きくなって
も、3枚のリーフバルブ182,184,186が共に
撓められることはなく、1枚のリーフバルブ186が撓
むだけである。このように、ピストンロッド14の収縮
中には、1枚のリーフバルブ186が撓められ、伸長中
には、3枚のリーフバルブ182,184,186が共
に撓められることになる。なお、リーフバルブ184の
外径をリーフバルブ182に形成された貫通穴188が
形成される半径より小径のものとしても、似た効果を得
ることができる。また、図に示すように、リーフバルブ
182,184,186の各々に対応して位置決め部材
を設けることは不可欠ではなく、上記実施形態における
場合と同様に、位置決め部材は1つでもよい。
【0022】ソフトバルブは、さらに、図14に示すソ
フトバルブ200とすることもできる。ソフトバルブ2
00に含まれる2枚のリーフバルブ202,204は、
内径がほぼ同じで外径が異なるものであり、リーフバル
ブ204の全体とリーフバルブ202の一部とが重ねら
れている。ソフトバルブ200は、リーフバルブ20
2,204の他、位置決め部材206,208も含むも
のであり、中間液通路46側に位置するリーフバルブ2
02は、位置決め部材206によって位置決めされ、上
室36側に位置するリーフバルブ204は、位置決め部
材208によって位置決めされるが、位置決め部材20
8は、リーフバルブ202の上室側シート部材としての
機能も兼ねることになる。また、リーフバルブ204に
ついての上室側シート部材は、ピストンロッド14であ
る。図15に示すように、ピストンロッド14の収縮中
には、リーフバルブ202,204が共に撓められる
が、伸長中には、リーフバルブ204は殆ど撓められ
ず、リーフバルブ202のみが撓められることになり、
収縮中と伸長中とで撓むリーフバルブの枚数が異なるこ
とになる。伸長中においては、リーフバルブ202と2
04との間に作動液が入り込むため、リーフバルブ20
2の両面に液圧差が生じ、リーフバルブ202のみが撓
むことになる。
【0023】なお、位置決め部材206,208の外周
側の縁部に1つ以上の切欠を設けることができる。切欠
を設ければ、開弁初期に、十分な流量で作動液の流れを
許容することができる。また、リーフバルブ204を、
図16に示す液圧伝達部228および複数の貫通穴23
0を含むリーフバルブ232とすることもできる。上室
36の液圧は、貫通穴230,液圧伝達部228を経て
リーフバルブ202の上室36側の面に良好に伝達され
る。リーフバルブ202の両面に生じる液圧差が開弁圧
以上になると、リーフバルブ204は撓むことなく、リ
ーフバルブ202のみが撓むことになる。
【0024】ソフトバルブは、また、図17に示すソフ
トバルブ250とすることもできる。ソフトバルブ25
0は、2枚のリーフバルブ252,254と、内周側位
置決め部材256と、外周側位置決め部258と、上室
側シート部材260とを含むものである。2枚のリーフ
バルブ252,254は、外径がほぼ同じで、内径が異
なるものであり、リーフバルブ252の全体とリーフバ
ルブ254の一部とが重ねられることになる。リーフバ
ルブ254は、内周側位置決め部材256によって位置
決めされ、リーフバルブ252は、外周側位置決め部2
58によって位置決めされる。外周側位置決め部258
は、ピストン28の外周部に設けられたものであるが、
その内周側には、複数の切欠262が形成され、これの
内周面にリーフバルブ252の外周面が当接することに
よって位置決めされるのである。また、これら切欠26
2によって、開弁初期において、十分な流量での作動液
の流れを許容し得る。
【0025】ピストンロッド14の収縮中には、図18
に示すように、リーフバルブ252は殆ど撓められず、
リーフバルブ254が撓められるが、伸長中には、リー
フバルブ252,254が共に撓められる。収縮中に
は、リーフバルブ252の影響を殆ど受けることなくリ
ーフバルブ254が撓められるのであり、収縮中と伸長
中とで撓むリーフバルブの枚数が異なることになる。な
お、上記実施形態における場合と同様に、リーフバルブ
252を、図16に示すように、貫通穴と液圧伝達部と
を有するものとすることができる。この場合には、液圧
伝達部228が上面に位置する状態で配設する。
【0026】ソフトバルブは、さらに、図19,20に
示すソフトバルブ280とすることもできる。ソフトバ
ルブ280は、2枚のリーフバルブ282,284を含
むものであるが、リーフバルブ282は、外形が円形の
ものであり、リーフバルブ284は、概して長方形のも
のである。中間液通路46の液圧が上室36の液圧より
高い場合において、これらの液圧差が小さい場合には、
リーフバルブ282のみが撓められ、大きくなるとリー
フバルブ282および284が共に撓められる。上室3
6の液圧が中間液通路46の液圧より高い場合には、リ
ーフバルブ282,284が共に撓められ、大きな減衰
力が発生させられる。
【0027】また、上記各実施形態においては、ソフト
バルブに、本発明の一実施形態であるショックアブソー
バに含まれるバルブを適用したが、ハードバルブに適用
することも、ソフトバルブとハードバルブとの両方に適
用することもできる。また、ショックアブソーバの構造
も、上記実施形態におけるそれに限らず、ハードバルブ
が、ソフトバルブとそれに直列に設けられた液通路とに
並列に設けられた構造としても、ハードバルブとソフト
バルブとの一方のみが設けられている構造とする等種々
の構造のショックアブソーバに適用することができる。
その他、いちいち例示することはしないが、特許請求の
範囲を逸脱することなく当業者の知識に基づいて種々の
変形,改良を施した態様で本発明を実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に共通の一実施形態であるショックアブ
ソーバのピストン周辺の断面図である。
【図2】上記ショックアブソーバ全体の断面図である。
【図3】上記ショックアブソーバ全体の外観図である。
【図4】上記ショックアブソーバに含まれるハードバル
ブの断面図である。
【図5】上記ショックアブソーバに含まれるソフトバル
ブの断面図である。このソフトバルブは、請求項4に記
載の発明の一実施形態であるリーフバルブを含むもので
ある。
【図6】上記ソフトバルブに含まれるリーフバルブの平
面図である。
【図7】上記ソフトバルブの作動図である。
【図8】上記ソフトバルブにおいて発生させられる減衰
力の減衰特性を示す図である。
【図9】上記ショックアブソーバにおいて発生させられ
る減衰力の減衰特性を示す図である。
【図10】本発明の別の一実施形態であるショックアブ
ソーバに含まれるソフトバルブの断面図である。このソ
フトバルブは、請求項4に記載の発明の一実施形態であ
るリーフバルブを含むものである。
【図11】上記ソフトバルブに含まれるリーフバルブの
平面図である。
【図12】上記ソフトバルブの作動図である。
【図13】本発明のさらに別の一実施形態であるショッ
クアブソーバに含まれるソフトバルブの作動図である。
このソフトバルブは、請求項4に記載の発明の一実施形
態であるリーフバルブを含むものである。
【図14】本発明のさらに別の一実施形態であるショッ
クアブソーバに含まれるソフトバルブの断面図である。
【図15】上記ソフトバルブの作動図である。
【図16】上記ソフトバルブに含まれる別のリーフバル
ブの一部断面図である。このリーフバルブは、請求項4
に記載の発明の一実施形態であるリーフバルブである。
【図17】本発明のさらに別の一実施形態であるショッ
クアブソーバに含まれるソフトバルブの断面図である。
【図18】上記ソフトバルブの作動図である。
【図19】本発明のさらに別の一実施形態であるショッ
クアブソーバに含まれるソフトバルブの断面図である。
【図20】上記ソフトバルブの平面図である。
【符号の説明】
10 シリンダ本体 14 ピストンロッド 28 ピストン 30 減衰力制御装置 40 ハードバルブ 42,150,180.200,250,280 ソフ
トバルブ 102,104,106,152,154,156,1
82,184,186,202,204,232,25
2,254,282,284 リーフバルブ 120,122,158,188,190,230 貫
通穴

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ本体と、 そのシリンダ本体内部を2つの室に仕切るとともに、当
    該ショックアブソーバの作動に伴って前記2つの室の容
    積を増減させるピストンおよびそれに固定のピストンロ
    ッドと、 前記2つの室のうち圧力が高い方の高圧室から圧力が低
    い方の低圧室への作動液の流れを許容するバルブとを含
    むショックアブソーバであって、 前記バルブが、複数枚重ねられたリーフバルブを含み、
    当該ショックアブソーバの作動状態によって撓むリーフ
    バルブの枚数が異なることを特徴とするショックアブソ
    ーバ。
  2. 【請求項2】前記バルブが、前記ピストンロッドが伸長
    させられる状態と収縮させられる状態との両方において
    作動液の流れを許容するものである請求項1に記載のシ
    ョックアブソーバ。
  3. 【請求項3】前記バルブが、前記ピストンロッドが伸長
    中であるか収縮中であるかの作動状態によって、撓むリ
    ーフバルブの枚数が異なる請求項2に記載のショックア
    ブソーバ。
  4. 【請求項4】ショックアブソーバのバルブ用リーフバル
    ブであって、円環板状を成し、外周縁と内周縁との間の
    部分に厚さ方向に貫通する貫通穴を備えたリーフバル
    ブ。
JP1735998A 1997-12-11 1998-01-29 ショックアブソーバおよびリーフバルブ Pending JPH11218176A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1735998A JPH11218176A (ja) 1998-01-29 1998-01-29 ショックアブソーバおよびリーフバルブ
FR9815419A FR2772447A1 (fr) 1997-12-11 1998-12-07 Amortisseur comportant une soupape bidirectionnelle et un passage de limitation d'ecoulement parallele a la soupape
US09/206,304 US6202805B1 (en) 1997-12-11 1998-12-07 Shock absorber having bidirectional valve and flow restricting passage parallel to the valve
DE19857068A DE19857068A1 (de) 1997-12-11 1998-12-10 Stossdämpfer mit einem in zwei Richtungen wirkenden Ventil und einem strömungseinschränkenden Kanal, der parallel zu dem Ventil angeordnet ist

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1735998A JPH11218176A (ja) 1998-01-29 1998-01-29 ショックアブソーバおよびリーフバルブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11218176A true JPH11218176A (ja) 1999-08-10

Family

ID=11941859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1735998A Pending JPH11218176A (ja) 1997-12-11 1998-01-29 ショックアブソーバおよびリーフバルブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11218176A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007071235A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Kayaba Ind Co Ltd バルブ構造
JP2011236935A (ja) * 2010-05-07 2011-11-24 Kyb Co Ltd 空圧緩衝器
JP2016102574A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 日立オートモティブシステムズ株式会社 緩衝器
WO2017145983A1 (ja) * 2016-02-24 2017-08-31 日立オートモティブシステムズ株式会社 減衰力調整式緩衝器
WO2018062150A1 (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 緩衝器

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007071235A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Kayaba Ind Co Ltd バルブ構造
JP2011236935A (ja) * 2010-05-07 2011-11-24 Kyb Co Ltd 空圧緩衝器
JP2016102574A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 日立オートモティブシステムズ株式会社 緩衝器
WO2017145983A1 (ja) * 2016-02-24 2017-08-31 日立オートモティブシステムズ株式会社 減衰力調整式緩衝器
JPWO2017145983A1 (ja) * 2016-02-24 2018-11-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 減衰力調整式緩衝器
WO2018062150A1 (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 緩衝器
KR20190035883A (ko) * 2016-09-27 2019-04-03 히다치 오토모티브 시스템즈 가부시키가이샤 완충기
CN109790900A (zh) * 2016-09-27 2019-05-21 日立汽车系统株式会社 缓冲器
JPWO2018062150A1 (ja) * 2016-09-27 2019-06-24 日立オートモティブシステムズ株式会社 緩衝器
CN109790900B (zh) * 2016-09-27 2021-04-23 日立汽车系统株式会社 缓冲器
US10995813B2 (en) 2016-09-27 2021-05-04 Hitachi Astemo, Ltd. Shock absorber

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6722683B2 (ja) 緩衝器
KR101946642B1 (ko) 감쇠력 조정식 완충기
JP6108912B2 (ja) 緩衝器
JPH1194004A (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
US6202805B1 (en) Shock absorber having bidirectional valve and flow restricting passage parallel to the valve
JPH10141416A (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
WO2007029861A1 (ja) 油圧緩衝器の減衰力発生機構
JP7329063B2 (ja) 緩衝器
JP2001208123A (ja) 油圧緩衝器
JP2022186977A (ja) 緩衝器
JPH11218176A (ja) ショックアブソーバおよびリーフバルブ
US10995815B2 (en) Damper with flexible floating disc
WO2018163443A1 (ja) 圧力緩衝装置
JPH11280819A (ja) ショックアブソ―バ
JPH08291836A (ja) 液圧緩衝装置
WO2022196044A1 (ja) バルブおよび緩衝器
WO2016052701A1 (ja) 緩衝器
JPH11173364A (ja) ショックアブソーバ
JPH11173366A (ja) ショックアブソーバ
JP3646228B2 (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
JP5078737B2 (ja) 油圧緩衝器の減衰力調整構造
WO2023037713A1 (ja) 緩衝器
WO2023095382A1 (ja) 緩衝器
JP2805479B2 (ja) 油圧緩衝器
JPH11173365A (ja) ショックアブソーバ