JPH1118378A - 回転電機のステータ及びその製造方法 - Google Patents

回転電機のステータ及びその製造方法

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JPH1118378A
JPH1118378A JP16227597A JP16227597A JPH1118378A JP H1118378 A JPH1118378 A JP H1118378A JP 16227597 A JP16227597 A JP 16227597A JP 16227597 A JP16227597 A JP 16227597A JP H1118378 A JPH1118378 A JP H1118378A
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美雄 仲
Tadatsugu Nakamura
忠嗣 中村
Kazutaka Maeda
和上 前田
Kazuyoshi Suzuki
和義 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステータコアへの巻線作業を容易化するこ
と。ストレートコア2Aを屈曲して環状のコアを形成す
る際にコイル線3aの絶縁被膜の破壊を防止すること。
及びウェッジ部品を廃止してコストダウンを図ること。 【解決手段】 まず、コイル線3a(ここでは自己融着
線を使用する)を環状に巻き取りながら整列させて所定
のコイル形状に成形する。次に、そのコイル線3aを通
電加熱または外部加熱して、融着層を溶かしてコイル線
3a同士を融着させることによりコイル全体をブロック
化する。そのブロック化したコイル3をストレートコア
2Aに設けられたスロット2aに挿入して組付ける。続
いて、コイル3が組付けられたストレートコア2Aを円
環状に屈曲してステータサブアッシーを完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機のステー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、回転電機では高性能化の要求が高
まっており、出力アップのためにステータ巻線に対して
更なる高占績率化、高効率化を達成していく必要があ
る。そこで、特開平8−19196号公報では、直線状
に展開されたストレートコアに巻線を施した後、そのス
トレートコアを環状に屈曲させる方法が開示されてい
る。この方法によれば、ストレートコアの状態でスロッ
トピッチを大きく確保できる(環状のコアを直線状に展
開すればスロットピッチが大きくなる)ため、環状のコ
アに直接コイルを装着する場合より線径の太いコイル線
を使用することができ、その分、高占績率化が可能であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の方法
では、コイルをコアに装着する際にコイルの成形形状が
崩れ易い。また、コイルをコアへ装着した後でも、コア
を屈曲させる際にコイル線がスロットから飛び出す可能
性がある。このため、コイルが崩れない様に、且つコイ
ル線の飛び出しを防止しながら巻線作業(コイルをコア
へ装着する作業)を行う必要があることから、作業性が
悪いという問題があった。また、図11に示す様に、ス
ロット100内でコイル線110が整列されていないた
め、コア120を屈曲する際にコイル線110同士ある
いはコイル線110とコア120間に生じる応力がコイ
ル線110に働き、コイル線110の絶縁被膜を破壊す
る恐れがあった。
【0004】更に、従来の回転電機では、使用時に発生
する振動等によってスロットからコイル線が飛び出すの
を防止するために、スロット内にウェッジ部品を挿入す
る必要がある。このため、部品点数の増大、組付け工数
の増大に伴ってコストが大幅に高くなるという問題があ
った。本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、
第1の目的は、ステータコアへの巻線作業を容易化する
こと。第2の目的は、ストレートコアを屈曲して環状の
コアを形成する際にコイル線の絶縁被膜の破壊を防止す
ること。第3の目的は、コイル線の飛び出し防止を目的
としたウェッジ部品を廃止してコストダウンを図ること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)コイルは、コイル線を環状に巻き取
って所定のコイル形状に成形し、且つコイル線同士が整
列した状態で接合されてコイル全体をブロック状に固着
してからステータコアへ装着される。この場合、コイル
をコアへ装着する際に、コイルが崩れることがないた
め、スロット内への挿入が容易であり、且つスロットか
らのコイル線の飛び出しを防止できるため、ウェッジ部
品を廃止することもできる。
【0006】(請求項2の手段)請求項1に記載したス
テータにおいて、ステータコアは、直線状に展開された
ストレートコアを所定形状に屈曲して設けられ、コイル
は、ストレートコアの状態でスロットに挿入される。こ
の場合、コイルをストレートコアへ装着した時に、スロ
ット内でコイル線同士が整列した状態を維持できる。こ
れにより、ストレートコアを屈曲させる時にもコイル線
には殆ど応力が加わらないため、コイル線の絶縁被膜が
破壊されるのを防止できる。
【0007】(請求項3の手段)請求項2に記載したス
テータにおいて、ストレートコアのスロットピッチをP
0 、屈曲後のステータコアのスロットピッチをP、磁極
ティース巾をL、及びブロック状に固着されたコイル全
体のコイル巾をCとした時に、以下の関係が成立する。 P0 −L>C>P−L この場合、ブロック状に固着されたコイル全体のコイル
巾Cより、ストレートコアのスロット入口巾(つまりP
0 −L)の方が大きいため、ストレートコアの状態でコ
イルを装着する際に、容易にスロット内へコイルを挿入
することができる。そして、ストレートコアを屈曲した
後では、ブロック状に固着されたコイル全体のコイル巾
Cより、スロット入口巾(つまりP−L)の方が小さい
ため、スロットからのコイルの飛び出しを防止できる。
この結果、従来使用していたウェッジ部品を廃止してコ
ストダウンを図ることができる。
【0008】(請求項4の手段)ステータコアは、直線
状に展開されたストレートコアを所定形状に屈曲して設
けられ、コイルは、ストレートコアの状態でコイル線を
磁極ティースに巻き付けながらスロットに挿入され、ス
トレートコアのスロットピッチをP0 、屈曲後のステー
タコアのスロットピッチをP、磁極ティース巾をL、及
びコイル線径をφとした時に、以下の関係が成立する。 P0 −L>φ>P−L この場合、コイル線径φよりストレートコアのスロット
入口巾(つまりP0 −L)の方が大きいため、ストレー
トコアの状態でコイルを装着する際に、容易にスロット
内へコイル線を挿入することができる。そして、ストレ
ートコアを屈曲した後では、コイル線径φよりスロット
入口巾(つまりP−L)の方が小さいため、スロットか
らのコイル線の飛び出しを防止できる。この結果、従来
使用していたウェッジ部品を廃止してコストダウンを図
ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1は直線状のコアとコイルの斜視図
である。本実施例のステータ1は、例えば交流発電機の
界磁を形成するもので、図2に示す様に、円環状のステ
ータコア2と、このステータコア2に装着されるステー
タコイル3(以下コイル3と略す)とを備える。ステー
タコア2は、図1に示す様な直線状のコア(以下、スト
レートコア2Aと言う)を円環状に曲げて使用される。
ストレートコア2Aは、複数枚のコアシート20を積層
して構成され、その長手方向に複数のスロット2aが等
ピッチに設けられて、隣合う各スロット2a間にコイル
3を巻き付けるための磁極ティース2bが形成されてい
る。
【0010】コイル3は、図1に示す様に、予めコイル
線3aを環状に巻き取って所定のコイル形状に成形した
後、コイル線3a同士を接合してコイル3全体をブロッ
ク状に固着してから、ストレートコア2Aの1つの磁極
ティース2bの周囲あるいは2つ以上の磁極ティース2
bに跨がってスロット2aに挿入される。以下に、ステ
ータサブアッシーを製造するまでの工程について図3を
参照しながら説明する。まず、プレス成形された複数枚
のコアシート20を積層してかしめ固定することにより
ストレートコア2Aを形成する(3−a)。
【0011】一方、コイル線3a(ここでは自己融着線
を使用する)を環状に巻き取りながら整列させて所定の
コイル形状に成形する(3−b)。続いて、コイル線3
aを通電加熱または外部加熱して(3−c)、融着層を
溶かしてコイル線3a同士を融着させることによりコイ
ル3全体をブロック化する(3−d)。なお、融着層と
しては、例えばポリビニルブチラール、ナイロン、エポ
キシ等が使用される。次に、ブロック化したコイル3を
ストレートコア2Aに組付ける(3−e)。ストレート
コア2Aのスロット2aにブロック化したコイル3を挿
入した状態を図5に示す。続いて、コイル3が組付けら
れたストレートコア2Aを円環状に屈曲する(3−
f)。ここでは、図6に示す様に、スロット2a内にコ
イル3の飛び出しを防止するためのウェッジ部品4を挿
入しても良い。以上の工程を経てステータサブアッシー
を完成する。
【0012】上記の製造方法では、コイル3をブロック
化するためにコイル線3aとして自己融着線を使用した
が、接着剤によりコイル線3a同士を接合しても良い。
この場合、図4に示す様に、まず、コイル線3aを環状
に巻き取って所定のコイル形状に成形する(4−a)。
続いて、コイル線3aに接着剤を塗布し(4−b)、そ
の接着剤を固化させる(4−c)ことにより、コイル3
全体を固着してブロック化することができる。なお、接
着剤としては、例えばエポキシ系、アクリル系、クロロ
ピレン系等を使用できる。
【0013】(本実施例の効果)本実施例によれば、コ
イル線3a同士を融着してブロック化したコイル3をス
トレートコア2Aへ組付けるため、組付け時にコイル形
状が崩れることがない。このため、スロット2a内への
挿入が容易であり、且つストレートコア2Aを円環状に
曲げる際にもコイル線3aがスロット2aから飛び出す
ことがないため、コアへの巻線作業を容易に行うことが
できる。また、ストレートコア2Aのスロット2a内で
コイル線3a同士が整列した状態を維持できるため、ス
トレートコア2Aを円環状に屈曲させる時にも、コイル
線3aには殆ど応力が加わらない。これにより、コイル
線3aの絶縁被膜が破壊されるのを防止できる。
【0014】(第2実施例)図7はストレートコア2A
の一部断面図、図8はステータコア2の一部断面図であ
る。本実施例は、スロット2aからコイル3の飛び出し
を防止できるように、スロット2aの入口寸法を最適設
計したものである。具体的には、ストレートコア2Aを
内径2R(図2参照)に屈曲させた時のステータコア2
のスロットピッチをP、スロット数をnとすれば、スロ
ットピッチPは、下記の式で求められる。
【数1】P≒2πR/n そこで、ストレートコア2AのスロットピッチをP0 、
磁極ティース巾をL、及びブロック化したコイル全体の
巾をCとした時に、下記の式に示す関係が成立する様に
磁極ティース巾Lを設定している。
【数2】P0 −L>C>P−L=2πR/n−L>0
【0015】この場合、ブロック化したコイル全体の巾
Cより、ストレートコア2Aのスロット2aの入口寸法
(つまりP0 −L)の方が大きいため、ストレートコア
2Aの状態でコイル3を組付ける際に、容易にスロット
2a内へコイル3を挿入することができる。そして、コ
アを屈曲した後では、ブロック化したコイル全体の巾C
より、スロット2aの入口寸法(つまりP−L)の方が
小さいため、スロット2aからのコイル3の飛び出しを
防止できる。この結果、従来使用していたウェッジ部品
を廃止してコストダウンを図ることができる。
【0016】(第3実施例)図9はストレートコア2A
の一部断面図、図10はステータコア2の一部断面図で
ある。本実施例では、予め成形されたコイル3をストレ
ートコア2Aに組付けるのではなく、ストレートコア2
Aの磁極ティース2bにコイル線3aを複数回巻き付け
てコイル3を形成している。この構成において、スロッ
ト2aからコイル線3aの飛び出しを防止できるよう
に、スロット2aの入口寸法を最適設計したものであ
る。具体的には、ストレートコア2Aを内径2R(図2
参照)に屈曲させた時のステータコア2のスロットピッ
チをP、スロット数をnとすれば、スロットピッチP
は、下記の式で求められる。
【数3】P≒2πR/n そこで、ストレートコア2AのスロットピッチをP0 、
磁極ティース巾をL、及びコイル線径をφとした時に、
下記の式に示す関係が成立する様に磁極ティース巾Lを
設定している。
【数4】P0 −L>φ>P−L=2πR/n−L>0
【0017】この場合、コイル線径φよりストレートコ
ア2Aのスロット2aの入口寸法(つまりP0 −L)の
方が大きいため、ストレートコア2Aの状態でコイル線
3aを磁極ティース2bに巻き付ける際に、容易にスロ
ット2a内へコイル線3aを挿入することができる。そ
して、コアを屈曲した後では、コイル線径φよりスロッ
ト2aの入口寸法(つまりP−L)の方が小さいため、
スロット2aからのコイル線3aの飛び出しを防止でき
る。この結果、従来使用していたウェッジ部品を廃止し
てコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストレートコアとコイルの斜視図である。
【図2】ステータの側面図である。
【図3】ステータサブアッシーの製造工程を示す説明図
である。
【図4】ステータサブアッシーの製造工程を示す他の説
明図である。
【図5】ストレートコアのスロット内にブロック化した
コイルを挿入した状態を示す一部断面図である。
【図6】ステータコアのスロット内にブロック化したコ
イルを挿入した状態を示す一部断面図である。
【図7】ストレートコアのスロットピッチと磁極ティー
ス巾とを示す一部断面図である(第2実施例)。
【図8】ステータコアのスロットピッチを示す一部断面
図である(第2実施例)。
【図9】ストレートコアのスロットピッチと磁極ティー
ス巾とを示す一部断面図である(第3実施例)。
【図10】ステータコアのスロットピッチを示す一部断
面図である(第3実施例)。
【図11】ストレートコアのスロット内にコイルを挿入
した状態を示す一部断面図である(従来技術)。
【符号の説明】
1 ステータ 2 ステータコア 2A ストレートコア 2a スロット 2b 磁極ティース 3 コイル 3a コイル線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 和義 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各スロット間に磁極ティースを有するステ
    ータコアと、 1つの前記磁極ティースの周囲あるいは2つ以上の前記
    磁極ティースに跨がって前記スロットに挿入されたコイ
    ルとを備えたステータであって、 前記コイルは、コイル線を環状に巻き取って所定のコイ
    ル形状に成形し、且つ前記コイル線同士が整列した状態
    で接合されてコイル全体をブロック状に固着してから前
    記ステータコアへ装着されることを特徴とする回転電機
    のステータ製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載したステータにおいて、 前記ステータコアは、直線状に展開されたストレートコ
    アを所定形状に屈曲して設けられ、 前記コイルは、前記ストレートコアの状態で前記スロッ
    トに挿入されることを特徴とする回転電機のステータ製
    造方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載したステータにおいて、 前記ストレートコアのスロットピッチをP0 、屈曲後の
    前記ステータコアのスロットピッチをP、磁極ティース
    巾をL、及びブロック状に固着された前記コイル全体の
    コイル巾をCとした時に、以下の関係が成立することを
    特徴とする回転電機のステータ。 P0 −L>C>P−L
  4. 【請求項4】各スロット間に磁極ティースを有するステ
    ータコアと、 1つの前記磁極ティースの周囲あるいは2つ以上の前記
    磁極ティースに跨がって前記スロットに挿入されたコイ
    ルとを備えたステータであって、 前記ステータコアは、直線状に展開されたストレートコ
    アを所定形状に屈曲して設けられ、 前記コイルは、前記ストレートコアの状態でコイル線を
    前記磁極ティースに巻き付けながら前記スロットに挿入
    され、 前記ストレートコアのスロットピッチをP0 、屈曲後の
    前記ステータコアのスロットピッチをP、磁極ティース
    巾をL、及びコイル線径をφとした時に、以下の関係が
    成立することを特徴とする回転電機のステータ。 P0 −L>φ>P−L
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