JPH11137884A - ドラム式洗濯機及び乾燥機 - Google Patents

ドラム式洗濯機及び乾燥機

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JPH11137884A
JPH11137884A JP9330989A JP33098997A JPH11137884A JP H11137884 A JPH11137884 A JP H11137884A JP 9330989 A JP9330989 A JP 9330989A JP 33098997 A JP33098997 A JP 33098997A JP H11137884 A JPH11137884 A JP H11137884A
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drum
motor
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rotation speed
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智也 川口
Kunioki Honda
国興 本田
Naoki Hayashi
直樹 林
Kenji Nakagawa
謙治 中川
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  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドラムをダイレクトドライブする構成におい
て、モータの巻線温度の最高温度を抑える。 【解決手段】 乾燥運転中に、t2分間、モータを55
rpmで回転させて洗濯物の攪拌しつつ乾燥を行なう
(S26、S27)毎に、モータの回転速度を1分間5
00rpmに上昇させる(S19〜S22)。モータが
低速で回転するときにはロータと共に回転する翼体によ
り生起される空気流が僅かであるため、巻線の熱放散が
充分に行なえずに巻線温度は徐々に上昇するが、モータ
が高速回転されると巻線温度は急激に下がる。このた
め、1〜2時間連続してドラムが回転される乾燥運転時
にも、巻線温度は或る一定温度以下に保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドラム式の洗濯機及
び乾燥機に関し、特にドラムの主軸をダイレクトドライ
ブモータにより回転駆動するドラム式洗濯機及び乾燥機
に関する。
【0002】
【従来の技術】ドラム式洗濯乾燥機は、水平軸を中心に
回転されるドラム内に洗濯物を収容し、洗いから乾燥迄
を一貫して行なうことができるようになっている。ドラ
ムの主軸を回転駆動する方法としては、主軸とモータ軸
とを直結したいわゆるダイレクトドライブによるもの
と、主軸に取り付けたプーリとモータ軸に取り付けたプ
ーリとをVベルト等を用いて結合するいわゆるベルトド
ライブによるものとがある。ダイレクトドライブ方式は
ベルトドライブ方式と比較して、回転がスムーズで駆動
音が静かである、細かく回転速度を変化させるような制
御が容易である等の利点がある。しかしながら、ベルト
ドライブ方式と異なり減速機構が使用できず、モータの
回転速度とドラムの回転速度とが同一であるため、次の
ような問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、アウタロータ
形のブラシレスモータでは、ステータがロータの内側に
位置しているため、ステータの巻線に発生した熱が放散
されにくい。そこで、通常、ステータに対向するロータ
側に翼体が形成されており、ロータが回転すると翼体に
より生起された風がステータの巻線に当たって冷却され
る構造となっている。
【0004】ところが、上記ドラム式洗濯乾燥機では、
洗い、すすぎ及び乾燥運転時には洗濯物が攪拌されるよ
うな回転速度でもってドラムを回転しなければならない
ので、モータの回転速度は高々数十rpm程度に設定さ
れる。このような低い回転速度でもってロータが回転し
ても、付設された翼体により生起される空気流はごく僅
かであって、巻線の冷却には殆ど寄与しない。このた
め、モータへの通電が継続されるに伴い巻線の温度は徐
々に上昇する。
【0005】洗い及びすすぎ運転時には、通常、長くて
も十分〜十数分程度連続してドラムが低速回転された後
に、脱水のためにドラムは高速回転される。すなわち、
ロータは数百rpm〜1000rpmの回転速度でもっ
て回転され、翼体により生起される強い風が巻線に当た
って巻線を急速に冷却する。このため、巻線の温度上昇
の度合はそれほど大きくない。ところが、乾燥運転時に
は、1〜2時間も連続してドラムが低速で回転される。
しかも、乾燥運転時にはヒータ加熱の影響により筐体内
の温度自体が上昇しているため、巻線の熱は一層放散さ
れにくい。このため、巻線は冷却されることなく温度が
上昇し続けることとなり、その最高到達温度はかなり高
くなる。
【0006】モータの巻線が過熱されると、巻線の被覆
が損傷して絶縁不良が発生する恐れがある。これを防ぐ
には、巻線の絶縁特性(耐温度特性)が特に高いモータ
を使用する必要がある。このようなモータは一般に高価
であって、ドラム式洗濯乾燥機にダイレクトドライブ方
式を採用する際のネックの一つになっていた。
【0007】本発明は上記課題を解決するために成され
たもので、その目的とするところは、ダイレクトドライ
ブ方式によるドラムの回転駆動に際し、モータの巻線の
極端な温度上昇を防止することができるドラム式洗濯機
及び乾燥機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る第1のドラム式洗濯機及び乾燥
機は、 a)ドラムの主軸を直接的に駆動し、ロータの回転に伴い
生起される空気流によりステータの巻線を冷却する構造
を有するモータと、 b)洗い、すすぎ又は乾燥のいずれかの行程において、回
転に伴い洗濯物を攪拌するような第1の回転速度でドラ
ムを回転している期間中の一部に、該第1の回転速度よ
りも高い第2の回転速度をもって該ドラムが回転するよ
うに前記モータを制御する回転制御手段と、 を備えることを特徴としている。
【0009】本発明に係る第2のドラム式洗濯機及び乾
燥機は、上記第1のドラム式洗濯機及び乾燥機におい
て、前記回転制御手段は、予め定めた第1の所定時間第
1の回転速度でもってドラムを回転した後に第2の所定
時間第2の回転速度でもってドラムを回転し、これを繰
り返すことを特徴としている。
【0010】また、本発明に係る第3のドラム式洗濯機
及び乾燥機は、上記第2のドラム式洗濯機及び乾燥機に
おいて、ドラムに収容された洗濯物の量を検知する負荷
量検知手段を更に備え、前記回転制御手段は、該負荷量
検知手段により検知された負荷量に応じて前記第1及び
/又は第2の所定時間を変更することを特徴としてい
る。
【0011】また、本発明に係る第4のドラム式洗濯機
及び乾燥機は、上記第1のドラム式洗濯機及び乾燥機に
おいて、前記モータの巻線の温度を測定する温度測定手
段を更に備え、前記回転制御手段は、該温度測定手段に
よる検出温度に基づいて第1及び第2の回転速度の切替
えを制御することを特徴としている。
【0012】また、本発明に係る第5のドラム式洗濯機
及び乾燥機は、上記第1乃至第4のドラム式洗濯機及び
乾燥機において、前記モータはアウタロータ形ブラシレ
スモータであることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】一般にドラム式洗濯機及び乾燥機
では、洗い、すすぎ及び乾燥行程時には、ドラム内の洗
濯物を攪拌するような回転速度(つまり洗濯物に作用す
る遠心力と重力とが均衡する回転速度(以下「均衡回転
速度」という)よりも小さい範囲の回転速度)でもって
ドラムは一方向に或いは左右方向に反転を繰り返しなが
ら連続的に回転される。これに対し、本発明に係るドラ
ム式洗濯機及び乾燥機の回転制御手段は、例えば長時間
の乾燥行程において、洗濯物を攪拌するような第1の回
転速度でモータを回転させている期間中に、適宜の間隔
でもって、より高速の第2の回転速度迄モータの回転速
度を上昇させる。ここで第2の回転速度は、ロータ回転
にて生起される空気流によるステータの冷却効果が充分
に得られるような回転速度に設定される。
【0014】第1の回転速度でもってモータが回転され
る期間には、ロータの回転により生起される空気流は弱
く巻線の温度は徐々に上昇する。一方、第2の回転速度
でもってモータが回転される期間には、ロータの回転に
より強い空気流が生起される。このとき回転速度は高い
ので、巻線には第1の回転速度のときよりも多くの電流
が流れるが、空気流による冷却効果の方が遙かに大きい
ので巻線の温度は急速に下がる。第1及び第2の回転速
度をもって交互にモータが回転されると、第1の回転速
度でモータが回転されている期間に上昇した巻線の温度
が、モータの回転速度が第2の回転速度に上昇された期
間に急速に低下する。このため、巻線の温度が極端に高
くなることがない。
【0015】また、第2のドラム式洗濯機及び乾燥機で
は、第1の回転速度でもって第1の所定時間ドラムが回
転され、この期間には巻線の温度が上昇し、次に第2の
回転速度でもって第2の所定時間ドラムが回転されて、
この期間には巻線の温度が下降する。そして、このサイ
クルが運転時間終了迄繰り返される。従って、第1及び
第2の所定時間を予め適切に設定しておくことにより、
巻線の温度が或る一定の温度以上に上昇することをほぼ
確実に防止することができる。
【0016】また、ドラムが第1の回転速度でもって回
転されるとき、ドラム内の洗濯物の量が多いほど巻線に
はより大きな駆動電流が流れ、巻線の温度上昇の度合は
大きい(つまり、温度上昇の速度が速い)。そこで、第
3のドラム式洗濯機及び乾燥機では、回転制御手段は、
負荷量が大きいほど第1の所定時間の割合を相対的に短
くする。これにより、ロータの高速回転による巻線の冷
却がより頻繁に行なわれるので、負荷量の相違に拘らず
巻線の最高温度を或る一定温度にほぼ確実に抑えること
ができる。
【0017】また、第4のドラム式洗濯機及び乾燥機で
は、温度測定手段により巻線の現在温度を時々刻々と測
定し、回転制御手段は、測定温度が所定温度に到達する
迄第1の回転速度でもってドラムを回転させ、測定温度
が所定温度を越えたならば第2の回転速度に切り替え
る。これにより、モータの巻線の温度が所定温度を大き
く越えることを確実に防止することができる。
【0018】なお、アウタロータ形ブラシレスモータで
は、巻線の冷却は、ロータ内周側に形成された翼体によ
り生起される空気流によるところが大きいので、上記の
如き制御が特に効果的である。
【0019】
【発明の効果】本発明のドラム式洗濯機及び乾燥機によ
れば、ドラムの主軸を直接駆動するモータを備えたドラ
ム式洗濯機及び乾燥機において、通常、低速でモータが
回転する洗い、すすぎ又は乾燥運転中にも適宜高速でモ
ータが回転されるため、モータ低速回転中に上昇した巻
線の温度が高速回転により下降する。従って、巻線の温
度が或る温度以上に上昇することを回避できるので、巻
線の絶縁特性(耐温度特性)が比較的低いようなモータ
を用いることができる。これにより、モータのコストを
削減できるので、ドラム式洗濯機及び乾燥機にダイレク
トドライブ方式構造を採用し易くなる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例によるドラム式洗濯
乾燥機を図1〜図5に基づいて説明する。まず、この洗
濯乾燥機の全体構成を図1及び図2により説明する。図
1はこの洗濯乾燥機の概略側面断面図、図2は図1中の
A部の詳細構造を示す側面断面図である。
【0021】外箱1の内部には、前面が開口した外槽2
が防振バネ3及びダンパ4により吊支されている。外箱
1前面には外槽2の前面開口を開閉するドア5が設けら
れ、洗濯物はドア5を開放して外槽2内に配置されたド
ラム6内へと収容される。ドラム6の後面には固定軸受
7が堅固に取り付けられ、その固定軸受7には太径の主
軸8が固着されている。外槽2の後面には軸受9が固定
され、その軸受9はベアリング10を介して主軸8を回
転自在に支持している。外槽2の後方に突出した主軸8
及び軸受9には、アウタロータ形のブラシレスモータ1
1が後述のように取り付けられている。
【0022】外部の水道栓等に接続された給水管12は
給水バルブ13を介して外槽2に接続されると共に、冷
却水バルブ14を介して冷却水ホース15に接続されて
いる。ドラム6の周壁には多数の通水孔6aが設けられ
ると共に、ドラム6の後端面には通風開口6bが設けら
れている。外槽2内に給水された水は主として通水孔6
aを通してドラム6内へ流入し、また逆にドラム6内で
洗濯物から脱水された水は通水孔6aを通して外槽2へ
と飛散される。また、ドラム6の内周壁には、洗濯物を
かき上げるためのバッフル6cが所定の間隔で設けられ
ている。外槽2内に溜まった水は、排水ポンプ16の駆
動力により、前方から引き出し可能なリントフィルタ1
7を介して排水ホース18を通って外部に排出される。
【0023】外槽2の背面下方には空気出口19が設け
られ、その空気出口19に接続された通風路20は外槽
2の後方及び上方を通って外槽2前面上部に設けられた
空気供給口21に接続されている。この通風路20の途
中には送風用のブロアファン22及び加熱用のヒータ2
3が配設されている。また、通風路20の外槽2背面側
の直立部には上記冷却水ホース15の端部が接続されて
いる。
【0024】而して、乾燥運転時には、ブロアファン2
2により生起された風がヒータ23で加熱された後にド
ラム6内に供給される。その熱風はドラム6を通過する
際に洗濯物から水分を奪い、通風開口6b、空気出口1
9を通って通風路20に流れ込む。通風路20の直立部
には冷却水ホース15を介して所定量の水が連続的に流
下されており、湿った熱風がこの冷却水に接触すると水
蒸気は凝縮する。凝縮した水は冷却水と共に通風路20
の内壁を伝い落ちて外槽2内に流れ、水蒸気が除かれた
乾いた風がヒータ23に循環する。
【0025】図2に示すように、モータ11は、主軸8
に取着されたロータ11aとネジ24によって軸受9に
固定されたステータ11bとから成る。ロータ11aは
樹脂材等から成る円盤状部材111の外周端部に永久磁
石114が取り付られた構造となっており、円盤状部材
111の前面側(図2では左側)には所定間隔で放射状
に翼体112が突出して形成され、隣接する翼体112
の間の適宜の箇所に通風開口113が設けられている。
一方、ステータ11bは、樹脂材等から成る支持部材1
17の外周端部にロータ11aの永久磁石114と所定
の間隙を隔てて鉄心115を配置し、その周囲に巻線1
16を巻回した構造を有している。支持部材117の適
宜の箇所にも通風開口118が設けられており、通風開
口118を介してステータ11bの前方及び後方が連通
している。
【0026】ステータ11bの巻線116に駆動電流が
供給されると、外側のロータ11aが回転し、これによ
り主軸8が回転駆動される。ロータ11aが回転すると
翼体112により空気が攪拌され、図2に矢印で示すよ
うに、ロータ11aの内側の通風開口113を介して後
方から吸い込まれた空気とステータ11bの通風開口1
18を介して前方から吸い込まれた空気とが外周側に送
られ、ステータ11bの巻線116に接触して、ロータ
11aの外側の通風開口113又は鉄心115と永久磁
石114との空隙を通って外周側へ出てゆく。この空気
流によって、巻線116で発生した熱は放散される。
【0027】次に、このドラム式洗濯乾燥機の電気系構
成を図3を参照して説明する。制御の中心には、CPU
31、タイマ32、RAM33、ROM34等から成る
マイクロコンピュータを中心に構成される制御部30が
備えられており、制御部30はROM34に予め記憶さ
れている運転プログラムに従って後述の各部を制御する
ことにより、洗い、すすぎ、脱水及び乾燥から成る一連
の洗濯乾燥運転を実行する。制御部30には、操作部4
0、表示部41、給水バルブ13、冷却水バルブ14、
モータ11を制御するインバータ制御部42、ブロアフ
ァン22を回転駆動するブロアモータ43、排水ポンプ
16、ヒータ23等が接続されている。
【0028】以下、上記洗濯乾燥機における乾燥運転時
の制御部30の処理動作を図5のフローチャートを参照
して説明する。なお、以下の説明では、ドラム6の径を
470mmとしたときの回転速度の数値例を挙げている
が、ドラム径が相違する場合に回転速度等の各数値を適
宜変更することにより対応可能であることは明白であ
る。
【0029】図5には示していないが、洗濯の洗い行程
に先立って、ドラム6内に収容された洗濯物の量(負荷
量)の検知が行なわれる。負荷量検知は周知の種々の方
法によることができるが、例えば次のような方法によっ
て行なうことができる。まず、乾いた状態の洗濯物がド
ラム6内に収容された後に、給水管12を通して供給さ
れた所定量の水を外槽2に給水する。次いで、ドラム6
を洗い行程時の回転速度(例えば55rpm程度)で所
定時間回転させた後に一旦停止させる。これにより洗濯
物が吸水するため、外槽2内の水位は洗濯物が吸水した
分だけ低下する。洗濯物の量が多い場合には水位低下の
度合も大きくなるから、制御部30は外槽2に付設した
水位センサによりその水位低下量を検知し、検知量に基
づいて負荷量を判断する。なお、このように検知された
負荷量は、例えば洗い行程時の給水量の制御等にも利用
することができる。
【0030】洗い、すすぎ及び脱水の一連の洗濯行程が
終了し乾燥行程が開始されると、まず始めに制御部30
は、先に検知された負荷量が1kg以下であるか否かを
判定する(ステップS10)。ここで負荷量が1kg以
下であると判定されると、モータ11(つまりドラム
6)の回転速度を切り替えるためのパラメータであるt
1及びt2をそれぞれ20及び15に設定する(ステッ
プS12)。また、ステップS10にて負荷量が1kg
を越えていると判定されると、次いで負荷量が2kg以
下であるか否かを判定する(ステップS11)。ここで
負荷量が2kg以下であると判定されると、t1及びt
2をそれぞれ15及び12に設定する(ステップS1
3)。ステップS11にて負荷量が2kgを越えている
と判定されると、t1及びt2をそれぞれ12及び10
に設定する(ステップS14)。
【0031】次いで、制御部30は、モータ11が55
rpmの回転速度で所定時間毎に左右に回転方向を反転
するようにインバータ制御部42に指示を与える(ステ
ップS15)。また、ブロアモータ43を起動させてブ
ロアファン22を回転すると共に、ヒータ23に通電し
て加熱を開始する(ステップS16)。これにより、上
述のように通風路20内に空気流が生じ、乾燥運転が開
始される。このとき、ドラム6内の洗濯物はバッフル6
cによりかき上げられ攪拌されるので、洗濯物の隅々迄
熱風が行き渡り易く、乾燥むらが少なく且つふっくらと
仕上がる。
【0032】その後、制御部30はタイマ32による計
時を開始し(ステップS17)、その計時がt1を経過
したか否かを繰り返し判定する(ステップS18)。タ
イマ32による計時がt1を経過したならば、モータ1
1の回転速度が500rpm迄上昇するようにインバー
タ制御部42に指示を与える(ステップS19)。これ
により、モータ11の回転速度は急速に上昇する。
【0033】制御部30はモータ11の回転速度が50
0rpmに到達したか否かを判定し(ステップS2
0)、その回転速度が500rpmに到達したならば、
タイマ32による計時を零から開始する(ステップS2
1)。タイマ32による計時が1分を経過する迄その回
転速度(500rpm)を維持し(ステップS22)、
1分が経過したならばモータ11の回転速度を55rp
m迄落とすようにインバータ制御部42に指示を与える
(ステップS23)。その後、モータ11の回転速度が
55rpmに低下したか否かを判定し(ステップS2
4)、モータ11の回転速度が55rpmになったなら
ばタイマ32による計時を零から開始する(ステップS
25)。そして、上記ステップS15と同様に所定時間
毎に左右回転を行なう(ステップS26)。次いで、タ
イマ32による計時がt2を経過したか否かを判定し
(ステップS27)、その計時がt2を経過したならば
上記ステップS19へ戻ってモータ11の回転速度を5
00rpm迄上昇させる。
【0034】従って、上記ステップS19〜S27の処
理の繰り返しにより、t2〔分間〕の55rpmの回転
速度(左右反転)と、1分間の500rpmの回転速度
(一方向)とをもって、交互にドラム6が回転される。
図4には示していないが、このような繰り返しの途中で
適宜の間隔で乾燥運転の終了条件が満たされているか否
かを判定する。例えば、予め設定されている乾燥運転時
間が経過した場合や、ドラム6の空気供給口21及び空
気出口19にそれぞれ取り付けた温度センサの検出温度
の差が所定値以上になった場合に、乾燥が終了したと判
断する。
【0035】上記処理により、例えば負荷量が1kg以
下である場合、運転開始後に20分間、回転速度55r
pmでドラム6が左右回転された後、1分間のドラム高
速回転(500rpm)と15分間のドラム左右回転
(55rpm)とが交互に繰り返し実行される。また、
例えば負荷量が2kgを越える場合には、運転開始後に
12分間、回転速度55rpmでドラム10が回転され
た後、1分間のドラム高速回転(500rpm)と10
分間のドラム左右回転(55rpm)とが交互に繰り返
し実行される。すなわち、負荷量が大きいほど、洗濯物
が攪拌される時間が短くなり、高速回転の頻度が高くな
る。
【0036】モータ11のロータ11aが回転すると、
前述のように翼体112により生起された空気流がステ
ータ11bの巻線116に当たるが、洗濯物が攪拌され
るような回転速度(この例では55rpm)ではこの空
気流はごく弱く、巻線116から奪う熱量よりも駆動電
流によって巻線116に発生する熱量の方が大きい。こ
のため、ドラム6が55rpmで回転される期間中、巻
線116の温度は徐々に上昇する。一方、モータ11の
ロータ11aが高速回転(この例では500rpm)す
ると、強い空気流が発生する。このとき、モータ11の
巻線116には先の低速回転時よりも大きな駆動電流が
流れ、発生する熱量も増加するが、空気流に奪われる熱
量が大きいので巻線116の温度は下降する。従って、
図4に示すように、巻線116の温度は上昇と下降とを
交互に繰り返すこととなり、結局、その最高温度は或る
一定温度以下にほぼ保たれる。
【0037】また、同一回転速度でドラム6を回転させ
る場合、負荷量が大きいほどより大きな回転トルクを必
要とする。このため、巻線116に流れる駆動電流も増
加し、温度上昇の度合は大きくなる。上記処理ではこの
点を考慮し、負荷量が大きいほどモータ11が55rp
mで回転する時間を短くしている。このため、負荷量が
相違しても、巻線の最高温度を或る一定温度以下にほぼ
保つことができる。
【0038】次に、本発明の他の実施例によるドラム式
洗濯乾燥機を図6及び図7により説明する。本実施例で
は、図6に示すように、ステータ11bの巻線116に
密着してサーミスタ等から成る温度センサ25が取り付
けられている。この温度センサ25の検出信号は制御部
30に入力され、制御部30は検出温度に応じて次のよ
うにモータ11の回転速度を切り替える。
【0039】以下、図7のフローチャートに沿って本実
施例の乾燥制御動作を説明する。乾燥行程が開始される
と、制御部30は、モータ11が55rpmの回転速度
で所定時間毎に左右に回転方向を反転するようにインバ
ータ制御部42に指示を与える(ステップS30)。ま
た、ブロアモータ43を起動させてブロアファン22を
回転すると共に、ヒータ23に通電して加熱を開始する
(ステップS31)。これにより、上述のように通風路
20内に空気流が生じ、乾燥運転が開始される。
【0040】運転開始後、温度センサ25から与えられ
る検出信号により巻線116の温度Tをモニタし、温度
Tが予め決められたれ上限設定温度である120℃迄上
昇したか否かを判定する(ステップS32)。温度Tが
120℃に達する迄上記回転速度を維持し、温度Tが1
20℃以上になったならば、モータ11の回転速度が5
00rpm迄上昇するようにインバータ制御部42に指
示を与える(ステップS33)。これにより、巻線11
6に当たる空気の流量が増加するので、巻線116の温
度は下降する。その後、温度Tが予め決められたれ下限
設定温度である70℃以下に低下したか否かを判定する
(ステップS34)。温度Tが70℃以下に下がったな
らば、制御部30は再びモータ11の回転速度を55r
pmに落とし、左右回転を実行させる(ステップS3
5)。
【0041】通常、温度センサ25は温度変動が急峻で
あるとき温度検出に遅延が生じる。そこで、特に急峻に
温度が下降する際の判定基準である下限設定温度は、こ
のような遅延を考慮して高めに設定しておくとよい。
【0042】なお、この実施例では、温度Tが120℃
に到達したことを検知した後にモータ11の回転速度を
500rpmに上昇させたとき、先の実施例のように、
予め定めた時間(例えば1分間)だけその回転速度を維
持するようにしてもよい。
【0043】この実施例によれば、温度センサ25によ
り実際の巻線温度がモニタされるので、最高温度が或る
一定温度以上に上昇することをより確実に防止すること
ができる。
【0044】なお、上記実施例では乾燥運転時の制御に
ついて説明した。前述のように、乾燥運転では、1〜2
時間連続してドラムが回転され、しかも外箱内部の温度
も高くなるので、一連の洗濯乾燥行程中で巻線温度が最
も高くなる可能性が高い。一方、洗いやすすぎ時にはド
ラムは通常十分〜十数分連続して回転されるだけなの
で、巻線の温度上昇は乾燥時と比較して小さい筈であ
る。従って、一般にドラム式洗濯乾燥機では、乾燥時に
のみ上記回転制御処理を組み込めば充分である。
【0045】しかしながら、例えば周囲温度が異常に高
温である等の状況下では、洗い又はすすぎ運転時にもモ
ータ11の巻線の温度が異常に上昇することがあり得
る。そこで、洗い又はすすぎ時にも、温度センサにより
巻線の温度をモニタし、その検出温度が所定値以上に上
昇したならば、モータ11の回転速度を上昇させるよう
にしてもよい。但し、洗いやすすぎ時には外槽内に水が
溜まっているので、そのままでドラムの回転速度を例え
ば500rpmに迄上昇させるのは困難である。従っ
て、この場合には、排水ポンプを駆動し一旦外槽内の水
を外部に排出した後にモータの回転速度を上昇させ、巻
線の温度が下降したならば外槽内に給水を行なって再び
洗い又はすすぎを実行する、という制御を行なうことが
好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるドラム式洗濯乾燥機
の概略側面断面図。
【図2】 図1中のA部の詳細構造を示す側面断面図。
【図3】 本実施例のドラム式洗濯乾燥機の電気系構成
図。
【図4】 本実施例におけるモータの巻線温度の変化を
示すグラフ。
【図5】 このドラム式洗濯乾燥機の乾燥運転の制御フ
ローチャート。
【図6】 本発明の他の実施例であるドラム式洗濯乾燥
機のA部の詳細構造を示す側面断面図。
【図7】 この他の実施例の乾燥運転の制御フローチャ
ート。
【符号の説明】
6…ドラム 8…主軸 9…軸受 10…ベアリン
グ 11…モータ 11a…ロータ 11b…ステー
タ 111…円盤状部材 112…翼体 113、118…通風開口 114…永久磁
石 115…鉄心 116…巻線 117…支持部材 30…制御部 42…インバー
タ制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 謙治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)ドラムの主軸を直接的に駆動し、ロー
    タの回転に伴い生起される空気流によりステータの巻線
    を冷却する構造を有するモータと、 b)洗い、すすぎ又は乾燥のいずれかの行程において、回
    転に伴い洗濯物を攪拌するような第1の回転速度でドラ
    ムを回転している期間中の一部に、該第1の回転速度よ
    りも高い第2の回転速度をもって該ドラムが回転するよ
    うに前記モータを制御する回転制御手段と、 を備えることを特徴とするドラム式洗濯機及び乾燥機。
  2. 【請求項2】 前記回転制御手段は、予め定めた第1の
    所定時間第1の回転速度でもってドラムを回転した後に
    第2の所定時間第2の回転速度でもってドラムを回転
    し、これを繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の
    ドラム式洗濯機及び乾燥機。
  3. 【請求項3】 ドラムに収容された洗濯物の量を検知す
    る負荷量検知手段を更に備え、前記回転制御手段は、該
    負荷量検知手段により検知された負荷量に応じて前記第
    1及び/又は第2の所定時間を変更することを特徴とす
    る請求項2に記載のドラム式洗濯機及び乾燥機。
  4. 【請求項4】 前記モータの巻線の温度を測定する温度
    測定手段を更に備え、前記回転制御手段は、該温度測定
    手段による検出温度に基づいて第1及び第2の回転速度
    の切替えを制御することを特徴とする請求項1に記載の
    ドラム式洗濯機及び乾燥機。
  5. 【請求項5】 前記モータはアウタロータ形ブラシレス
    モータであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の
    ドラム式洗濯機及び乾燥機。
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