JPH11105541A - ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 - Google Patents
ヒートポンプ式自動車用空気調和装置Info
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- JPH11105541A JPH11105541A JP9271387A JP27138797A JPH11105541A JP H11105541 A JPH11105541 A JP H11105541A JP 9271387 A JP9271387 A JP 9271387A JP 27138797 A JP27138797 A JP 27138797A JP H11105541 A JPH11105541 A JP H11105541A
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Abstract
回収を有効かつ効率的に行いうるヒートポンプ式自動車
用空気調和装置を提供する。 【解決手段】 冷媒を利用して暖房を行う場合におい
て、暖房運転初期に四方弁12を一時的に冷房運転側に
設定して、メインコンデンサ10に冷媒を流してその内
圧を上昇させた後、適当な圧力センサの出力(サイクル
圧力)が所定値以上に達した時点で四方弁12を本来の
暖房運転側に切り替える。
Description
室内の冷暖房を行うヒートポンプ式自動車用空気調和装
置に関し、特に、運転モードを暖房運転に切り替えたと
きの冷凍サイクル内の冷媒量を適正に維持することがで
きるものに関する。
は、ユニット内にサブコンデンサと呼ばれる室内熱交換
器を設け、コンプレッサによって圧縮された高温高圧の
冷媒を暖房熱源として利用するようにしたシステムであ
る。つまり、冷房、暖房ともに冷媒を用いたサイクル運
転を行って車室内を冷暖房するようにしたものである。
ユニット外にはメインコンデンサと呼ばれる室外熱交換
器が設けられ、暖房運転時と冷房運転時とで機能させる
コンデンサを切り替えることによって、運転モードが切
り替えられる。コンプレッサから吐出した冷媒は、冷房
運転時にはメインコンデンサに導入され、暖房運転時に
はメインコンデンサをバイパスして直接サブコンデンサ
に導入される。なお、以下では、冷房運転時に形成され
る冷凍サイクルを冷房サイクル、暖房運転時に形成され
る冷凍サイクルを暖房サイクルと呼ぶことにする。
和装置においては、暖房運転時にメインコンデンサをバ
イパスさせる暖房サイクルとなるため、メインコンデン
サに冷媒が過剰に滞留すると、暖房サイクルを循環する
冷媒量が不足するおそれがある。そこで、冷媒回収管を
設けて、暖房運転初期にメインコンデンサに滞留してい
る冷媒をコンプレッサの吸入側に戻すようにしたシステ
ムが現在開発されている(例えば、特開平9−1096
69号公報参照)。
空気調和装置には、暖房性能を向上させるため、冷媒を
熱源として利用する上記ヒートポンプシステムに加え、
エンジン冷却水を熱源として利用するヒータコアシステ
ムを併用したものがあり、また、通常は除湿機能を織り
込んで(除湿暖房の実現)、フロントガラスの曇りを防
止して、安全運転を確保しうるようにしている。さらに
は、そもそもエンジン冷却水を利用できない電気自動車
用のカーエアコンとしても使用可能である。
験などにより、暖房運転初期において冷媒回収管により
メインコンデンサに滞留している冷媒をコンプレッサの
吸入側に戻して回収しようとしても、回収される量はそ
れほど多くないことがわかった。その理由としては、主
に、メインコンデンサに滞留している冷媒の圧力が低い
ため、メインコンデンサ内の冷媒圧力とコンプレッサの
吸入圧力との差が小さく、圧力差による冷媒の移動が起
こりにくいためであると考えられる。暖房運転時にメイ
ンコンデンサからの冷媒の回収量が少ないと、暖房サイ
クル内の冷媒量を適正に維持することができず、いわゆ
る過少冷媒の状態で暖房運転を行うことになるため、暖
房性能が低下したり潤滑性が低下したりするおそれがあ
る。
サ)に滞留している冷媒の回収の仕方における上記課題
に着目してなされたものであり、部品を追加することな
く制御のみで暖房運転時の冷媒回収を有効かつ効率的に
行うことができるヒートポンプ式自動車用空気調和装置
を提供することを目的とする。
め、請求項1記載の発明は、コンプレッサ、室外熱交換
器、冷媒流れ方向上流側の第1室内熱交換器、冷媒流れ
方向下流側の第2室内熱交換器、および減圧手段を冷媒
配管により連結し、前記コンプレッサから吐出した冷媒
を前記室外熱交換器をバイパスさせて前記第1室内熱交
換器に導くバイパス管と、前記コンプレッサから吐出し
た冷媒を冷房運転時は前記室外熱交換器側に導き暖房運
転時は前記バイパス管側に導く冷媒流路切替手段と、前
記室外熱交換器に滞留している冷媒を前記コンプレッサ
の吸入側に戻すための冷媒回収管とを備えてなるヒート
ポンプ式自動車用空気調和装置において、前記冷媒流路
切替手段は、暖房運転初期に、冷房運転側に設定される
ことを特徴とする。
冷媒流路切替手段は冷房運転側に設定されるので、コン
プレッサから吐出した冷媒は室外熱交換器側に導かれ、
冷房運転時の冷凍サイクル(冷房サイクル)が一時的に
形成される。冷房サイクルの立ち上がりに伴って冷房サ
イクルの圧力は次第に上昇し、室外熱交換器の内圧、つ
まり室外熱交換器内の冷媒圧力も上昇する。したがっ
て、その後、適当なタイミングで冷媒流路切替手段を本
来の暖房運転側に切り替えると、この時点では室外熱交
換器の内圧とコンプレッサの吸入圧力との差がある程度
大きくなっているので、その圧力差によって室外熱交換
器内の冷媒は冷媒回収管を通って低圧のコンプレッサの
吸入側に移動し、暖房運転時の冷凍サイクル(暖房サイ
クル)内に戻されることになる。
のヒートポンプ式自動車用空気調和装置において、暖房
運転初期に冷房運転側に設定された冷媒流路切替手段
は、サイクル圧力が所定値以上になった時に暖房運転側
に切り替えられることを特徴とする。
イクル圧力を監視するものである。サイクル圧力は、室
外熱交換器の内圧と正の相関関係にあるから、冷媒の移
動が生じやすい程度にまで室外熱交換器の内圧が上昇し
たと判断することができるものであれば、冷房サイクル
内のどこの圧力でもよい。例えば、コンプレッサ吐出圧
力またはこれに相当する圧力、あるいは室外熱交換器の
入口または出口の圧力などである。
は2記載のヒートポンプ式自動車用空気調和装置におい
て、前記室外熱交換器は、ラジエータとコンデンサを一
体化した一体型熱交換器であることを特徴とする。
タとコンデンサとの一体型熱交換器であるため、暖房運
転初期に冷媒流路切替手段を冷房運転側に制御したこと
による冷房サイクルの形成に伴うコンデンサ部の内圧の
上昇に加えて、ラジエータ部で放出された熱によるコン
デンサ部内の冷媒の加熱によりその圧力はさらに迅速に
上昇することになる。したがって、より短時間で冷媒流
路切替手段を本来の暖房運転側に切り替えることができ
る。
施の形態を説明する。
明の第1の実施の形態に係るヒートポンプ式自動車用空
気調和装置を示す概略構成図であり、図1は暖房運転
時、図2は暖房運転初期および冷房運転時をそれぞれ示
している。ここでは、例として、冷媒を利用して暖房を
行うヒートポンプシステムとエンジン冷却水を利用して
暖房を行うヒータコアシステムとを併用したものの一例
を示している。
空気(内外気)を選択的に取り入れて空気調和した後車
室内の所定の場所に向かって吹き出す空調ユニット1を
有している。
車室内に向かって送るためのダクト2を有し、このダク
ト2内の空気通路3内に、白抜き矢印で示す空気の流れ
方向の上流側から順に、内気取入口および外気取入口
(共に図示せず)を選択的に開閉する図示しないインテ
ークドアと、インテークドアにより選択された内外気を
空気通路3内に導入し下流側に向かって圧送するブロア
ファン4と、第2室内熱交換器5と、第1室内熱交換器
6と、エンジン冷却水を利用して取入れ空気を加熱する
ヒータコア7とを有している。ヒータコア7の前面に
は、ヒータコア7を通過する空気とこれを迂回する空気
との割合を調節するためのエアミックスドア8が回動自
在に設けられている。また、図示しないが、ヒータコア
7の下流側には、温度調節された空気を車室内の所定の
場所に向かって吹き出すための各種吹出口が形成されて
いる。後で詳述するように、第1室内熱交換器6は、暖
房運転時には冷媒を凝縮液化させて取入れ空気を加熱す
るサブコンデンサとして、暖房運転初期および冷房運転
時には冷媒を蒸発させて取入れ空気を冷却するエバポレ
ータとしてそれぞれ機能し、第2室内熱交換器5は、暖
房運転時および冷房運転時にエバポレータとして機能す
るようになっている。
は、冷房、暖房ともに冷媒を用いたサイクル運転を行う
ことによって車室内の冷房と除湿暖房を行うものであっ
て、従来と同様の冷凍サイクルを有している。
示しないエンジンにより図示しないベルトを介して回転
駆動されるコンプレッサ9と、室外熱交換器としてのメ
インコンデンサ10とが配設されている。冷凍サイクル
は、これらコンプレッサ9およびメインコンデンサ1
0、ならびに上記した第1室内熱交換器6および第2熱
交換器5、ならびに減圧手段としての流量切替電磁弁
A,Bを、冷媒配管11により連結し、その中に冷媒を
封入して構成されている。流量切替電磁弁A,Bは、外
部からの電気的信号により、その弁位置が全開状態と絞
り状態の二段階に切替え可能なものであって、絞り状態
に設定された場合には冷媒を減圧し膨脹させるためのオ
リフィスとして機能することになる。流量切替電磁弁A
は第1室内熱交換器6用、流量切替電磁弁Bは第2室内
熱交換器5用である。
せるコンデンサを切り替えるため、メインコンデンサ1
0の入口には、冷媒の流れを切り替えるための四方弁1
2が冷媒流路切替手段として設けられている。この四方
弁12は、密閉ケースに一つの入口ポートと三つの出口
ポートを設けるとともに、同ケース内に前記三つの出口
ポートのうち二つの出口ポートを連通するスライド部材
を設け、このスライド部材によって選択された出口ポー
ト以外の出口ポートが入口ポートと連通するように構成
されている。したがって、スライド部材の位置によって
入口ポートと連通される出口ポートが選択されることに
なる。ここでは、四方弁12の入口ポートはコンプレッ
サ9の吐出側と接続され、四方弁12の三つの出力ポー
トは、メインコンデンサ10の入口、冷媒回収管13を
介してコンプレッサ9の吸入側、バイパス管14を介し
てメインコンデンサ10の出口にそれぞれ接続されてい
る。このような四方弁12によって、コンプレッサ9か
ら吐出された冷媒をメインコンデンサ10に導く冷房サ
イクル(図2参照)と、コンプレッサ9から吐出された
冷媒をバイパス管14を介して直接サブコンデンサとし
ての第1室内熱交換器6に導く暖房サイクル(図1参
照)とが切り替えられる。
ポンプによる暖房性能を高めるため、コンプレッサ9の
吸入側とエバポレータとして機能する第2室内熱交換器
5の出口との間の低圧側冷媒通路に、サブエバポレータ
と呼ばれる室外エバポレータ(室外熱交換器)が設けら
れている。このサブエバポレータ15は、内部を流通す
る冷媒をエンジン冷却水との熱交換により加熱する機能
を有しており、いわば温水−冷媒熱交換器ともいうべき
ものである。
ことで、たとえ低温のため空気と熱交換してもただちに
暖房用として使用できないエンジン冷却水であっても、
当該サブエバポレータ15において流入した冷媒と熱交
換させることにより、その冷媒はエンジン冷却水が保有
する熱を有効に取り込んで加熱された(つまり、エンタ
ルピーが増加した)後、コンプレッサ9に帰還し、再度
コンプレッサ9で圧縮、加圧されることになるので、コ
ンプレッサ9から吐出される冷媒はより高温の冷媒とな
って、サブコンデンサ(第1室内熱交換器)6に供給さ
れることになる。その結果、サブコンデンサ6の放熱性
能が高まり、そこで熱交換された空気はより高温となる
ため、より高い暖房性能が発揮され、即暖性も向上する
ことになる。
ッサ9との間には、余剰冷媒の貯溜と気液の分離を行い
ガス冷媒のみをコンプレッサ9に戻すためのアキュムレ
ータ16が設けられている。アキュムレータ16は、冷
媒を貯溜する比較的容量のある容器であるため、仮に冷
媒が液状態で帰還してきても、これを気化してコンプレ
ッサ9に戻すことができ、液圧縮によるコンプレッサ9
の破損を防止することができるようになっている。
(出口ポートの一つ)とコンプレッサ9の吸入側との間
には冷媒回収管13が設けられているが、この冷媒回収
管13は、外気温度が低く、エンジン冷却水をただちに
暖房熱源として使用できないときに、冷媒を利用して暖
房を行うべく、メインコンデンサ10に滞留しているい
わゆる寝込み冷媒をコンプレッサ9に戻し、適正な多量
の冷媒を用いて性能の高い暖房ができるようにするため
のものである。この冷媒の回収の仕方については、本発
明の内容でもあり、後で詳述する。
ンサ10に空気を送りこれを冷却するためのコンデンサ
ファン、18,19はそれぞれ反対方向の流れを阻止す
るための逆止弁、20は冷媒回収管13を開閉するため
の電磁弁、21,22はそれぞれサブエバポレータ15
およびヒータコア7にエンジン冷却水を流通させこれら
を機能させるためのウォータバルブである。冷媒回収管
13に取り付ける電磁弁20は、コンプレッサ9の吸入
側に向かう一方向に流れる冷媒のみを制御可能な弁(例
えば、パイロット差圧作動式電磁弁など)であることが
好ましい。
く)、例えば、外気温度が低いため従来のヒータコア7
では十分な暖房が得られない領域において冷媒を利用し
て暖房を行う場合には、図3の制御弁の作動状態図に示
すように、四方弁12をバイパス側に制御することによ
って、コンプレッサ9から吐出した冷媒をメインコンデ
ンサ10をバイパスさせて直接サブコンデンサ(第1室
内熱交換器)6に導く暖房サイクルを形成する。つま
り、メインコンデンサ10を使用せず、コンプレッサ9
から出た冷媒は、四方弁12→バイパス管14→電磁弁
A→第1室内熱交換器(サブコンデンサ)6→電磁弁B
→第2室内熱交換器(エバポレータ)5→サブエバポレ
ータ15→アキュムレータ16と流れて、コンプレッサ
9に帰還する。このとき、電磁弁Aは全開状態、電磁弁
Bは絞り状態にそれぞれ制御される。これにより、第1
室内熱交換器6はサブコンデンサとして機能し、第2室
内熱交換器5はエバポレータとして機能することにな
る。したがって、コンプレッサ9から吐出され四方弁1
2でメインコンデンサ10をバイパスしたガス状冷媒
は、第1室内熱交換器(サブコンデンサ)6で凝縮液化
されて放熱を行い、第2室内熱交換器(エバポレータ)
5で冷却された空気は加熱されて車室内に吹き出され、
もって車室内が暖房される。その際、第2室内熱交換器
(エバポレータ)5は取入れ空気を冷却して除湿を行う
ので、除湿暖房が実現される(以上、図1参照)。
動状態図に示すように、四方弁12をメインコンデンサ
側に制御することによって、コンプレッサ9から吐出し
た冷媒をメインコンデンサ10に導く冷房サイクルを形
成する。つまり、コンプレッサ9から出た冷媒は、四方
弁12→メインコンデンサ10→電磁弁A→第1室内熱
交換器(エバポレータ)6→電磁弁B→第2室内熱交換
器(エバポレータ)5→サブエバポレータ15→アキュ
ムレータ16と流れて、コンプレッサ9に帰還する。こ
のとき、電磁弁Aは絞り状態、電磁弁Bは全開状態にそ
れぞれ制御される。これにより、第1室内熱交換器6、
第2室内熱交換器5はともにエバポレータとして機能す
ることになる(つまり、第1室内熱交換器6で蒸発しき
れなかった液状冷媒は、次の第2室内熱交換器5で完全
に蒸発することになる)。したがって、エバポレータ
(第1室内熱交換器6、第2室内熱交換器5)において
は、液状冷媒と取入れ空気との熱交換が行われ、液状冷
媒が蒸発しながら冷媒通路の周囲を通過する取入れ空気
が冷却され、車室内が冷房される。また、メインコンデ
ンサ10においては、エバポレータ(第1室内熱交換器
6、第2室内熱交換器5)で奪った熱を外気との熱交換
により外部に放出して、ガス状冷媒を冷却し凝縮液化さ
せる。なお、このとき、少なくとも、ブロアファン4、
コンデンサファン17はともにONされ、サブエバポレ
ータ15用のウォータバルブ21は閉じられている(以
上、図2参照)。
器6と第2室内熱交換器5のそれぞれについて流量切替
電磁弁A,Bを設けているが、これは冷房運転時に第1
室内熱交換器6をもエバポレータとして機能させて冷房
能力を高めるためである。
用空気調和装置においては、上記のように、従来と同
様、メインコンデンサ10に滞留している冷媒をコンプ
レッサ9の吸入側に戻すため、四方弁12とコンプレッ
サ9の吸入側との間に冷媒回収管13を設けるととも
に、この冷媒回収管13に電磁弁20を取り付けている
が、前述したように、暖房運転初期に電磁弁20を開け
ただけではメインコンデンサ10の内圧とコンプレッサ
9の吸入圧力との差が小さいため冷媒の回収量は少な
い。そこで、本発明では、メインコンデンサ10に滞留
している冷媒を回収しやすくするため、暖房運転初期に
一時的にメインコンデンサ10に冷媒を流すようにシス
テムを制御するように構成している。
弁の作動状態図に示すように、冷房運転時と同様、四方
弁12をメインコンデンサ側に制御することによって、
コンプレッサ9から吐出した冷媒をメインコンデンサ1
0に導く冷房サイクルを一時的に形成する。このとき、
冷房運転時と同様、電磁弁Aは絞り状態、電磁弁Bは全
開状態にそれぞれ制御されるが、車室内の冷房が目的で
はないので、ブロアファン4とコンデンサファン17は
ともにOFFしておく。また、サブエバポレータ15用
のウォータバルブ21は閉じておく。このようなシステ
ムの設定状態において、冷房サイクルの立ち上がりに伴
い、冷房サイクルの圧力は次第に上昇し、メインコンデ
ンサ10の内圧、つまりメインコンデンサ10内の冷媒
圧力も上昇する。その後、適当なタイミングで四方弁1
2を本来の暖房運転側に切り替えると、この時点ではメ
インコンデンサ10の内圧とコンプレッサ9の吸入圧力
との差がある程度大きくなっているので、その圧力差に
よってメインコンデンサ10内の冷媒は冷媒回収管13
を通って低圧のコンプレッサ吸入側に移動し、暖房サイ
クル内に実際に戻されることになる。
サイクル圧力を監視して、サイクル圧力があらかじめ設
定された所定値以上になった時点で、四方弁12を本来
の暖房運転側に切り替えるようにしている。具体的に、
どのサイクル圧力を監視するかは、冷媒の移動が生じや
すい程度にまでメインコンデンサ10の内圧が上昇した
と判断することができるものであれば、冷房サイクル内
のどの圧力を使用してもよい。例えば、コンプレッサ吐
出圧力またはこれに相当する圧力、あるいはメインコン
デンサ10の入口または出口の圧力などである。実際に
は、圧力センサなどの取付けのしやすさなどを考慮して
決定すればよい。
が所定値以上になった時点で四方弁12を暖房運転側に
切り替えることで、暖房に必要な冷媒回収のための準備
が終了し、その後、実際に冷媒の回収を行いながら暖房
運転を行うことになる。
は、サイクル圧力に限定されるわけではなく、例えば、
あらかじめ実験などにより、冷媒が移動しやすい圧力差
になるのに必要十分な所定の時間を設定しておき、暖房
運転モードがスタートしてからその所定時間経過後に四
方弁12を一時的な冷房運転側から本来の暖房運転側に
切り替えるようにしてもよい。
を利用して暖房を行う場合において、暖房運転初期に四
方弁12を一時的に冷房運転側に設定して、メインコン
デンサ10に冷媒を流してその内圧を上昇させた後、適
当な圧力センサの出力(サイクル圧力)が所定値以上に
達した時点で四方弁12を本来の暖房運転側に切り替え
るようにしたので、冷媒移動に必要な圧力差を確保する
ことが可能となり、部品を追加することなく上記の制御
を追加するだけで、メインコンデンサ10内に滞留して
いる冷媒を有効に回収することができるようになる。し
たがって、暖房運転時に暖房サイクル内の冷媒量を適正
に維持することができるようになり、過少冷媒の状態で
の暖房運転による暖房性能の低下や潤滑性の低下といっ
た不具合が解消される。
明の第2の実施の形態に係るヒートポンプ式自動車用空
気調和装置を示す概略構成図であり、図4は暖房運転
時、図5は暖房運転初期および冷房運転時をそれぞれ示
している。ここでは、上記した第1実施形態と比べて、
使用する室外熱交換器の構造が異なるのみであり、その
他のシステム構成および制御は全く同様であるから、共
通する部材には同一の符合を付してその説明を省略し、
異なる部分のみを説明するにとどめる。
おけるメインコンデンサ10に代えて、室外熱交換器と
して、ラジエータとコンデンサとを一体化した一体型熱
交換器を使用している。この一体型熱交換器は、ラジエ
ータとコンデンサの構成部品を簡素化・共有化して一体
ロー付けして構成されたものであって、その構造自体は
周知であるので(例えば、特開平1−247990号公
報、特開平3−177795号公報、実開平2−622
68号公報参照)、その説明は省略する。
は、エンジン25と、温水配管26を介して連結され、
一体型熱交換器30のコンデンサ部32は、第1実施形
態のメインコンデンサ10と同じ位置に、冷媒配管11
を介して設置されている。一体型熱交換器30のコンデ
ンサ部32は、第1実施形態のメインコンデンサ10と
全く同じ機能を有するものである。
て従来のヒータコア7では十分な暖房が得られない領域
では冷媒により暖房を行うが、暖房運転初期には、第1
実施形態の場合と同様、四方弁12を冷房運転側に制御
することによって、コンプレッサ9から吐出した冷媒を
一体型熱交換器30のコンデンサ部32に導く冷房サイ
クルを一時的に形成する。このときにも、電磁弁Aは絞
り状態、電磁弁Bは全開状態にそれぞれ制御し、ブロア
ファン4とコンデンサファン17はともにOFF状態に
し、サブエバポレータ15用のウォータバルブ21は閉
じておく。このようなシステムの設定状態において、冷
房サイクルの立ち上がりに伴い、冷房サイクルの圧力は
次第に上昇し、コンデンサ部32の内圧が上昇すると同
時に、ラジエータ部31で放出された熱によりコンデン
サ部32内の冷媒が加熱され、その結果、コンデンサ部
32内の圧力はさらに迅速に上昇することになる。その
後、適当なタイミングで、例えば、サイクル圧力(適当
な圧力センサの検出値)が所定値以上になった時点で、
四方弁12を本来の暖房運転側に切り替えることによ
り、暖房に必要な冷媒を回収するための準備は終了し、
コンデンサ部32の内圧とコンプレッサ9の吸入圧力と
の圧力差によってコンデンサ部32内の冷媒は冷媒回収
管13を通って低圧のコンプレッサ吸入側への移動を開
始し、その後、実際に冷媒の回収を行いながら暖房運転
を行うことになる。
を利用して暖房を行う場合において、暖房運転初期に四
方弁12を一時的に冷房運転側に設定して、ラジエータ
とコンデンサとの一体型熱交換器30のコンデンサ部3
2に冷媒を流してそのコンデンサ部32の内圧を冷媒の
循環とラジエータ部31の放熱とにより上昇させた後、
適当な圧力センサの出力(サイクル圧力)が所定値以上
に達した時点で四方弁12を本来の暖房運転側に切り替
えるようにしたので、冷媒移動に必要な圧力差をより迅
速に確保することが可能となり、部品を追加することな
く上記の制御を追加するだけで、コンデンサ部32内に
滞留している冷媒を有効にかつ効率良く回収することが
できるようになる。したがって、暖房運転時に暖房サイ
クル内の冷媒量を適正に維持することができるようにな
り、過少冷媒の状態での暖房運転による暖房性能の低下
や潤滑性の低下といった不具合が解消される。
載の発明によれば、冷媒を利用して暖房を行う場合にお
いて、暖房運転初期に冷媒流路切替手段を一時的に冷房
運転側に設定して、室外熱交換器の内圧を冷媒の循環に
より上昇させた後、冷媒流路切替手段を本来の暖房運転
側に切り替えるようにしたので、冷媒移動に必要な圧力
差を確保することが可能となり、部品を追加することな
く制御を追加するだけで、室外熱交換器内に滞留してい
る冷媒を有効に回収することができるようになる。した
がって、暖房運転時に暖房サイクル内の冷媒量を適正に
維持することができるようになり、過少冷媒の状態での
暖房運転による暖房性能の低下や潤滑性の低下といった
不具合が解消され、性能および信頼性の向上が図られ
る。
請求項1または2記載の発明の効果に加え、前記請求項
1または2記載の室外熱交換器をラジエータとコンデン
サとの一体型熱交換器で構成して、コンデンサ部の内圧
を冷媒の循環とラジエータ部の放熱とにより上昇させる
ようにしたので、冷媒移動に必要な圧力差をより迅速に
確保することが可能となり、部品を追加することなく制
御を追加するだけで、コンデンサ部内に滞留している冷
媒を有効にかつ効率良く回収することができるようにな
る。
プ式自動車用空気調和装置を示す概略構成図(暖房運転
時)である。
トポンプ式自動車用空気調和装置を示す概略構成図(暖
房運転初期、冷房運転時)である。
プ式自動車用空気調和装置を示す概略構成図(暖房運転
時)である。
トポンプ式自動車用空気調和装置を示す概略構成図(暖
房運転初期、冷房運転時)である。
Claims (3)
- 【請求項1】 コンプレッサ(9) 、室外熱交換器(10)、
冷媒流れ方向上流側の第1室内熱交換器(6) 、冷媒流れ
方向下流側の第2室内熱交換器(5) 、および減圧手段
(A,B) を冷媒配管(11)により連結し、前記コンプレッサ
(9) から吐出した冷媒を前記室外熱交換器(10)をバイパ
スさせて前記第1室内熱交換器(6) に導くバイパス管(1
4)と、前記コンプレッサ(9) から吐出した冷媒を冷房運
転時は前記室外熱交換器(10)側に導き暖房運転時は前記
バイパス管(14)側に導く冷媒流路切替手段(12)と、前記
室外熱交換器(10)に滞留している冷媒を前記コンプレッ
サ(9) の吸入側に戻すための冷媒回収管(13)とを備えて
なるヒートポンプ式自動車用空気調和装置において、 前記冷媒流路切替手段(12)は、暖房運転初期に、冷房運
転側に設定されることを特徴とするヒートポンプ式自動
車用空気調和装置。 - 【請求項2】 暖房運転初期に冷房運転側に設定された
前記冷媒流路切替手段(12)は、サイクル圧力が所定値以
上になった時に暖房運転側に切り替えられることを特徴
とする請求項1記載のヒートポンプ式自動車用空気調和
装置。 - 【請求項3】 前記室外熱交換器は、ラジエータとコン
デンサを一体化した一体型熱交換器(30)であることを特
徴とする請求項1または2記載のヒートポンプ式自動車
用空気調和装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27138797A JP3830242B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27138797A JP3830242B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11105541A true JPH11105541A (ja) | 1999-04-20 |
JP3830242B2 JP3830242B2 (ja) | 2006-10-04 |
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ID=17499369
Family Applications (1)
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JP27138797A Expired - Fee Related JP3830242B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3830242B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003291635A (ja) * | 2002-04-02 | 2003-10-15 | Denso Corp | 空調装置 |
KR101137266B1 (ko) | 2006-07-24 | 2012-04-20 | 한라공조주식회사 | 히트 펌프식 공기조화장치 |
EP2640585B1 (de) | 2010-11-15 | 2016-01-27 | Audi AG | Fahrzeug mit einer klimaanlage |
WO2024090122A1 (ja) * | 2022-10-25 | 2024-05-02 | サンデン株式会社 | 車両用空調装置 |
WO2024195122A1 (ja) * | 2023-03-23 | 2024-09-26 | 三菱電機株式会社 | ヒートポンプ装置 |
-
1997
- 1997-10-03 JP JP27138797A patent/JP3830242B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003291635A (ja) * | 2002-04-02 | 2003-10-15 | Denso Corp | 空調装置 |
KR101137266B1 (ko) | 2006-07-24 | 2012-04-20 | 한라공조주식회사 | 히트 펌프식 공기조화장치 |
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WO2024090122A1 (ja) * | 2022-10-25 | 2024-05-02 | サンデン株式会社 | 車両用空調装置 |
WO2024195122A1 (ja) * | 2023-03-23 | 2024-09-26 | 三菱電機株式会社 | ヒートポンプ装置 |
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JP3830242B2 (ja) | 2006-10-04 |
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