JPH10512815A - 水平スピンドルを有する工作機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 工作機械は、その高さ方向および長手方向に沿って互いに独立して移動可能に支持体（１０）上に支持された２つの主軸台（１６，１７）を備えている。一方の主軸台（１７）が加工品搬送体（２０）に装着された加工品を加工処理している間に、他方の主軸台（１６）は、工具マガジン（２４）から工具を受け取るために、この工具マガジン（２４）の後方に移動可能である。また、一方の主軸台（１７）が加工品を処理している間、次の工具が取り付けられた他方の主軸台（１６）は、必要な作業回転速度に加速されることができ、前記工具の位置に前進可能である。こうして、工具の交換に必要な時間を大幅に短縮化できる。

Description

【発明の詳細な説明】 水平スピンドルを有する工作機械 この発明は、少なくとも２つの主軸台を備えた、加工品にドリル加工処理およ び／または研磨加工処理を施すための工作機械に関する。 固定されたまたは移動可能な工具マガジンに対してその主軸台が直接的に工具 を出し入れするようにした工作機械は、従来より知られている。このような工作 機械において、１つの加工処理が完了すると、前記主軸台は工具マガジンの位置 に移動されなければならない。該工具マガジンにおいて工具の交換を行った後、 前記主軸台は、適宜案内されながら加工品の位置に戻される。工具の交換を行う には、前記主軸台の移動時間の他に、作業スピンドルの減速および加速のために 時間損失が生じるので、かなりの時間が必要になる。また、工具の交換中には、 前記工作機械を加工処理に使用できない。 多数の作業スピンドルを“レボルバ”式に備えた工作機械において、連結作業 および加速作業を行いながら、１つの作業スピンドルを加工品から退却させ、他 の作業スピンドルを前記加工品の位置に進めるためには、かなりの時間が必要に なる。１つの作業スピンドルの作業中に他の作業スピンドルに新たな工具を取り 付けることは可能であるが、このような構成では、作業スピンドルのコストが高 くなる。さらに、このような方式には、動作位置にあるレボルバシステムに進め られる工具マガジンの使用が必要となる。 この出願の請求の範囲第１項の前段部の基礎を構成する工作機械は、日本国特 許公開公報第59-69242号（1984年8月15日に発行されたPatent Abstract,Japan M -317,第8巻、第177号）から公知である。この工作機械は、２つの主軸台が互い に独立して垂直移動可能に支持された支持体を備えている。各前記主軸台の上方 には、該主軸台と共に移動される専用の工具マガジンが設けられている。工具マ ガジンからこれに付随した主軸台への工具の移動は、スイベルアームによって行 われる。前記工作機械の支持体全体は、（工具に接近する）送り方向に変位可能 である。この工作機械によると、１つの主軸台において工具の交換が行われてい る 間にも、他の主軸台によって加工品の加工処理を行うことができる、という効果 を有する。従って、工具を交換するための時間が必要でないので、かなりの時間 が節約できることになる。 さらに、DD 263 725 A1から公知の工作機械は、支持体上で垂直移動可能な１ つの主軸台を備えている。さらに、該主軸台は、工具マガジンを使用した工具交 換を可能にするために、その長手方向に水平移動可能になっている。前記工具マ ガジンは、前記支持体の前方に配置され、水平移動可能なスライダを介して、前 記主軸台に対する移送位置に各種工具を搬送する。前記工具マガジン用の案内路 は、工具を搬送するマガジンスライダの少なくとも２倍の長さを有する必要があ る。 故に、この発明の目的は、構造が極めて簡単で、極めて迅速な工具交換を可能 にする工作機械を提供することである。 この発明によると、上記目的は、請求の範囲第１項に記載された特徴によって 達成される。 この発明の工作機械において、各主軸台は、支持体上において、垂直ガイドに 沿って互いに独立して移動可能である。さらに、各主軸台は、その長手方向に水 平移動可能である。一方の主軸台が工具を使って加工品を加工処理している間、 他方の主軸台は、工具マガジンの位置に移動し、旧い工具を放出し、新たな工具 を受け取る。前記加工品を加工処理していた主軸台がその処理を完了すると、該 主軸台は退却させられ、新たな工具を受け取った方の主軸台が前記加工品に適用 される。このようにして、加工処理完了後の工具交換時間は、１つの作業位置か ら次の作業位置への移動に通常必要な時間長さに制限されることができる。こう して、工具交換のための付加的な時間は、ほとんど、または、全然、必要無い。 工具交換は、約１秒以内に実行可能である。加工品に対する加工処理は、前記２ つの主軸台による交互の処理動作によって実行される。すなわち、一方の主軸台 が加工品に対する加工処理を行っている間に、他方の主軸台は、工具交換を行う か、または、待機位置に維持される。 前記２つの主軸台に共通に設けられた工具マガジンは、合計２つの交換位置、 すなわち、各主軸台毎に１つの交換位置を有する。前記工具マガジンの自動制御 の下、個々の工具は、指定された主軸台に関する交換位置に移動される。前記主 軸台は、単純な前進移動を行うことによって前記工具マガジンの後方に案内され 、前記交換位置に位置決めされた工具を受け取る。故に、前記工具マガジンと主 軸台との間に、移送装置を設ける必要がない。前記工具マガジンは、構造長さが 長く、工具格納容量が大きく、両前記主軸台は、循環式の前記マガジンの下方水 平部から工具交換サービスを受ける。また、前記２つの交換位置は同一高さに設 定される。 前記主軸台の二重構造は、加工処理用の移動シーケンス（基本処理時間）と工 具交換（付加的処理時間）との分離を可能にする。新たな道具が取り付けられ、 作業回転速度に加速された主軸台の交互の使用によって、非生産的な前記付加的 処理時間を、略無くすることができる。前記二重構造による効果により、特に、 主軸台の作業スピンドルの加速時および減速時、前記マガジンおよび工具のクラ ンプ動作時、および、工具交換のための主軸台の軸方向移動時において、加速ジ ャンプおよび加速衝撃が効果的に阻止されるよう、工具交換に必要な移動処理を 設定することができる。このようにして、機械的構成要素および電気的構成要素 の寿命を長くすることができる。 両前記主軸台は互いに異なるパワー仕様に設計可能であり、各々の加工処理は 、当該加工処理に適した主軸台によって実行される。こうして、例えば、一方の 主軸台は大きな研磨工具によるパワー工作を行うための寸法に設計されることが でき、他方の主軸台は高速ドリル工具を使用するための寸法に設計されることが できる。 また、この発明によると、一方の主軸台が故障した場合であっても、前記工作 機械による加工処理を維持できる（しかし、この場合、工具交換により多くの時 間がかかる）、という効果がもたらされる。さらに、一定の条件の下に、２つの 加工品を同時並列的に処理できる。 好ましくは、前記工作機械の支持体は、２つの垂直ポストと１つのクロスヘッ ドとで構成される門状の支持体である。このような構成において、両前記主軸台 の案内路は、前記２つの垂直ポストの互いに対向した内側に設けられている。代 案として、１つのポストで構成される支持体が使用されてもよく、この場合、ス ピンドルのヘッドの案内路は、互いに反対の側となる外側に設けられる。前記工 具マガジンは、前記支持体の前方に設けられている。 好ましくは、工具マガジンは前記支持体の上端部に設けられている。しかし、 該工具マガジンは、前記工作機械の下端部、すなわち、基部に設けられていても よい。工具マガジンが前記支持体の上端部に設けられている場合、その高さが高 いので、作業員が該工具マガジンに工具をロードする作業が難しくなる。この発 明の好ましい実施の形態に従うと、前記工具マガジンはその一端近くの軸を中心 として回動され、これにより、その他端がロード位置に下降可能である。 好ましくは、前記工作機械は、前記主軸台の長手方向を横切る方向に水平移動 可能な加工品搬送体を備えている。このタイプの工作機械は、自己完備型の加工 処理ユニットを構成する。前記加工品搬送体を移送ラインに組み込むことによっ て、前記工作機械は、相互にリンクされた複数のシステムにおける融通性の高い 作業ステーションとして使用されることもできる。 好ましくは、前記工作機械の制御は、完全に、数値的に実行される。すなわち 、両前記主軸台のすべての移動処理は、自動的に行われるよう、所定のプログラ ムシーケンスに従って制御され、相互に調整される。 以下、この発明の一実施の形態を添付図面を参照して詳述する。 図１は、この発明に係る工作機械の一部切欠斜視図、 図２は、前記工作機械の側面図であって、その上部および工具マガジンの断面 を示したもの、 図３は、図１の部分図であって、前記工具マガジンがロード位置に下方回動し た状態を示すものである。 図１において、この発明に係る工作機械は、基部１１から突出した支持体１０ を備えている。該支持体１０は、２つの相互離隔した垂直ポスト１２からなる門 状支持体として設けられており、これら垂直ポスト１２の上端はクロスヘッド１ ３によって連結されている。 前記２つの垂直ポスト１２の対向した内側には、垂直移動可能なスライダ１５ をそれぞれ案内するための垂直方向ガイド１４が設けられている。各スライダ１ ５は、主軸台１６または１７の水平移動を案内する水平方向ガイド部を有する。 該主軸台１６または１７内には作業スピンドル１８のための駆動ユニットが設け られており、該作業スピンドル１８は、前記主軸台１６の前端から突出しており 、工具受取り部を備えている。 前記支持体１０の前方において、加工品搬送体２０は、前記主軸台１６，１７ の長手方向を横切る方向に設けられた水平方向ガイド手段２１に沿って変位可能 に、前記基部１１上に設けられている。前記加工品搬送体２０の移動方向はＸ方 向であり、前記垂直方向はＹ方向であり、前記主軸台１６，１７の長手方向はＺ 方向である。 図示例において、前記加工品搬送体２０はＸ方向にのみ移動可能である。前記 Ｙ方向およびＺ方向の移動は各前記主軸台によって行われる。 前記加工品搬送体２０は、回転テーブル、回転機構、パレットクランプ装置、 バレット交換装置等を備えていてよい。該加工品搬送体２０は、正確に規定され た方法で加工品を受け取り、該加工品を位置決め可能であることが必要である。 前記主軸台１６，１７の垂直移動のための駆動装置２２，２３は、クロスヘッ ド１３上に設けられている。前記主軸台１６，１７は、Ｙ方向およびＸ方向に、 互いに独立して変位可能である。例えば、主軸台１７が加工品の加工処理に関わ っている間、主軸台１６は工具交換のために工具受取り位置に移動されることが できる。 工具マガシン２４は、前記支持体１０上の固定した高さにおける前方位置（す なわち、前記支持体の前方）に設けられている。該工具マガシン２４は、垂直面 をエンドレスに循環動するよう設けられてた無端コンベア手段、すなわち、無端 チェーンを含み、該無端チェーンには、外方に突出した工具保持ユニット２５が 取り付けられている。該工具マガシン２４は長尺状であり、その下方水平部は前 記主軸台に係止可能になっている。各工具保持ユニット２５には、工具２６を保 持するグリッパアームが設けられている。 図２に示すように、前記主軸台１６は、前記工具マガシン２４の後方の受取り 位置ＵＰまで、上方移動可能になっている。該受取り位置ＵＰは、前記主軸台１ ６のＹ方向上端位置であり、且つ、Ｚ方向後端位置でもある。該受取り位置ＵＰ において、作業スピンドル１８は、前記工具マガシン２４の下方水平部の交換位 置ＷＰにある工具２６の後方に軸方向に整列する。前記主軸台１６が前記受取り 位置ＵＰからＺ軸方向にわずかに前進しているとき、該主軸台１６は、前記作業 スピンドル１８の受取り部によって、工具２６の後端を掴む。同時に、該工具２ ６は前記作業スピンドル１６に固定される。その後、前記主軸台１６は下方に移 動し、その間、前記工具２６を工具マガシン２４から分離させることができるよ うになっている。前記工具マガシン２４は、その下方水平部の高さ位置において 、各主軸台毎に１つの交換位置、すなわち、合計２つの交換位置を有する。 作業員が前記支持体１０の上端部に設けられた工具マガシン２４に工具を手作 業でロードする作業を容易にするために、前記工具マガシン２４は、図１に略示 されている水平回動軸３０を中心として回動可能になっている。該水平回動軸３ ０は、前記長尺の工具マガシン２４の一端近くに設けられている。前記水平回動 軸３０を中心として工具マガシン２４を回動すると、その端部２４ａが下方回動 した図３の回動位置をとることになる。こうして、下方回動した端部２４ａ近く の工具２６に対するアクセスが容易になる。該工具マガシン２４をこのように回 動させるために、シリンダ３１が前記クロスヘッド１３に設けられている。前記 工具マガシン２４のチェーンは、個々の工具保持ユニット２５がそれぞれ所望の 位置に移動可能なよう数値制御される駆動ユニットによって駆動される。 前記工具マガシン２４は、前記支持体１０の上端部に取り付けられていて、且 つ、下方にのみ開口したフード３２によって覆われている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミューラー， ベルナー ドイツ国 45133 エッセン，マイゼンベ ルクストラーセ 25 (72)発明者 ファイン， ホルスト ドイツ国 40589 デュッセルドルフ，ア ムランゲンワイヘル 31

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．支持体（１０）と、垂直ガイド（１４）に沿って互いに独立して移動可能に 前記支持体（１０）上に支持された２つの主軸台（１６，１７）とを備えた工作 機械において、 各前記主軸台（１６，１７）が、さらに、前記支持体（１０）上において、そ の長手方向に水平移動可能であり、 前記支持体（１０）には、循環式の無端コンベア手段を含む循環式のマガジン として構成された、両前記主軸台（１６，１７）に共通の工具マガジン（２４） が設けられており、 各前記主軸台（１６，１７）が、前記工具マガジン（２４）から工具（２６） を受け取る受取り位置（ＵＰ）に移動可能である ことを特徴とする工作機械。 ２．前記工具マガジン（２４）が、前記支持体（１０）の上端部における固定し た高さ位置に設けられている請求の範囲第１項に記載の工作機械。 ３．前記工具マガジン（２４）が、長尺状であり、その一端近くの回動軸（３０ ）を中心として回動し、これにより、その他端がロード位置に下降可能なもので ある請求の範囲第１項または第２項に記載の工作機械。 ４．前記支持体（１０）の前方に加工品搬送体（２０）が設けられており、該加 工品搬送体（２０）は、前記主軸台（１６，１７）の長手方向を横切る方向に水 平移動可能である請求の範囲第１項から第３項までのいずれか１項に記載の工作 機械。