JPH10335299A - ウェーハ乾燥装置 - Google Patents

ウェーハ乾燥装置

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JPH10335299A
JPH10335299A JP14697597A JP14697597A JPH10335299A JP H10335299 A JPH10335299 A JP H10335299A JP 14697597 A JP14697597 A JP 14697597A JP 14697597 A JP14697597 A JP 14697597A JP H10335299 A JPH10335299 A JP H10335299A
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JP
Japan
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wafer
tank
water
drying
organic solvent
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Application number
JP14697597A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ishiyama
弘 石山
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構成で、ウエット洗浄されたウェーハ
を乾燥する際に用いられる有機溶剤を、外部に全く漏ら
すことなく、乾燥を行うことのできるウェーハ乾燥装置
を提供すること。 【解決手段】 洗浄槽20の内槽21に浸水されている
ウェーハWを覆うように、上方から密閉槽30を降下さ
せ、密閉槽30内に、内槽21の水によって水封された
内部空間31を形成する。そして、この内部空間31
に、ミスト状のイソプロピルアルコールを含有したN2
ガスを供給し続け、このガスの圧力により内部空間31
の液面を降下させながら、マランゴニ現象を用いて、ウ
ェーハWを乾燥させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェーハをウエッ
ト洗浄した後、ウェーハを乾燥させるウェーハ乾燥装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の特性は、公知のように、ウ
ェーハの表面のダストの量に関係し、よい特性の半導体
装置を得るためには、ダストの量は少ないのがよい。例
えば、ウェーハの表面には、エッチングやイオン打ち込
みなどの各工程で、ダストが残留するが、このダストを
除くために、各工程の最後に、ウェーハを洗浄する。こ
の洗浄する方法としては、ドライ洗浄とウエット洗浄が
あるが、現在の主流は、ウエット洗浄である。ウエット
洗浄では、酸やアルカリや有機溶媒などの洗浄液で洗浄
した後、これらを除くために純水でリンスするが、この
後、そのまま自然乾燥させると、ウェーハ上に、ウォー
タマークが残り、ダストも多くなる。又、乾燥時間も長
くなる。すなわち、良好な特性の半導体装置を製造する
ことができなくなる。そこで、ウェーハを、その洗浄の
最終工程において、いわば強制的に乾燥している。
【0003】ウェーハを乾燥させる方法として、従来、
ウェーハを高速回転させ、遠心力で表面の水分を吹き飛
ばすという方法があったが、これでは、吹き飛んだ水が
壁に当たってはね返ってウェーハに再付着するというこ
とがあるので、現在では、アルコール等の、親水性があ
り、蒸発しやすい(沸点の低い)溶剤との置換法が用い
られている。これは、溶剤の蒸気にウェーハが触れる
と、この蒸気がウェーハに付着している水を溶解しなが
らウェーハから離れるということを繰り返すことによ
り、ウェーハが乾燥されるというものである。なお、公
知のように、イソプロピルアルコール(以下、IPAと
記載する)が、通常、用いられているが、これは親水性
よく、また純度の高い溶剤を容易に得ることができるか
らである。
【0004】IPAをガス化する方法としては、まず、
図7に示すように、乾燥装置の乾燥容器6の下部に封入
されているIPA(溶剤)P中に配設されているヒータ
hを100℃以上に熱する方法があるが、IPAは可燃
性であるため、安全のために、図示しないところに、色
々な装備(例えば消火器を設けるなど)やインターロッ
クを取らなければならず、乾燥装置全体が大掛かりとな
る。なお、この他に、超音波によってガス化し、これを
ウェーハ面上に吹きかける方法もある。
【0005】また、最近では、IPAを用いた置換法と
異なる、マランゴニ現象を用いた乾燥方法もある。この
方法は、次のようにして行われている。図8に示すよう
に、浸水しているウェーハ2を引き上げる(矢印Bの方
向に移動させる)際に、その雰囲気をIPA蒸気Gで充
満させると、水とIPAは水溶性であるので、IPA蒸
気Gが矢印Aで示されるように、表面から水3に拡散す
る。水3の領域Xでは、その層が薄いので、IPAの濃
度が高く、領域YではIPAの水3への拡散が進むので
濃度が小さい。そのため、この濃度差によって、領域X
から領域Yにかけて表面張力に勾配が生じ、ウェーハ2
の表面2a上の水は、引き上げ速度に対応して、常に、
領域Xから領域Yに矢印Fで示されるように運ばれる。
従って、ウェーハ2は、ウェーハを引き上げるだけで、
残留水分が極めて少ない乾燥が行われる。なお、上記で
は、ウェーハ2が引き上げられるとしたが、ウェーハ2
が浸水されている水3を下方より排水し、液面3aを下
げることでも、同様な乾燥が行われる。
【0006】しかしながら、上述した有機溶媒を用いた
乾燥方法を行う乾燥容器は、IPAガスの雰囲気として
おり、これは、従来、どの乾燥方法でも、メカニカルな
構造で密閉されている。例えば、図7で示す乾燥容器6
では、その蓋(又はカバー)5は、軸8を支点として回
転可能にされており、蓋5と乾燥容器6との間にはOリ
ング7が配設されている。そして、乾燥する際には、蓋
5が点線で示すように配設され、乾燥容器6の内部が密
閉されるのであるが、しかしながら、例えば、Oリング
7を設けているにもかかわらず、蓋5と乾燥容器6との
隙間からIPAが漏れてしまう。このIPAは、可燃性
で気化しやすく、また有機溶剤中毒予防規則に危険物と
して規定されている程、有毒であるので、漏れた場合に
は周囲の環境を脅かす恐れがある。また、半導体の製造
工程においては、他の薬品との化学反応なども考えられ
る。従って、乾燥容器6からIPAが漏れても、外部ま
では漏れないような構成としたり、また安全設備(例え
ば消火器など)を具備する必要があったりして、乾燥装
置を簡素化することができなかった。
【0007】また、上述した有機溶媒を用いたいずれも
乾燥方法においても、乾燥装置を洗浄装置に組込むと、
すなわち、複合機能洗浄装置とすると、有機溶媒を排気
する有機排気設備を設ける必要がある。従って、この場
合にも、装置全体が大きくなるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
に鑑みてなされ、有機溶媒を用いたウェーハ乾燥装置に
おいて、簡素な構成で、その有機溶媒を外部に漏らすこ
との全くないウェーハ乾燥装置を提供することを課題と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題は、ウェット
洗浄されたウェーハを、水封された空間で、有機溶剤を
用いて乾燥するウェーハ乾燥装置とすることで、達成さ
れる。水封することで、ウェーハを乾燥している雰囲気
中にある有機溶剤は外部に漏れることがない。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、ウエット洗浄された
ウェーハを、水封された空間で、乾燥するために用いら
れる有機溶媒により乾燥を行う。乾燥するために用いら
れる有機溶媒は、可溶性であるので、水封している水に
溶けることはあっても、水封された空間から外部に気体
として漏れることはない。すなわち、簡素な構成で、乾
燥に使用された有機溶媒を、外部に漏れることが防止で
きる。従って、簡素な構成にしても安全であるので、従
来の安全対策に必要であった大掛かりな設備が不要であ
る。また、可溶性である乾燥に用いた有機溶剤を、水封
する際に用いた水に混合させれば、この有機溶剤は、水
と一緒に排水されるので、排水設備と別に、有機物を気
体として排除するための設備、すなわち有機排気設備を
不要とすることができる。
【0011】この乾燥装置の具体的な構成としては、少
なくとも水槽と、この水槽の中央に配設され、下方に開
口を有した昇降可能な乾燥槽と、この乾燥槽の内部と連
通し、乾燥に用いられる有機溶剤が含有されたN2 ガス
を供給するガス供給管とを有した構造として、水槽の水
に浸漬されているウエット洗浄されたウェーハを囲むよ
うに、水槽の内部に乾燥槽を降下させて、この乾燥槽内
に水封された空間を形成し、この空間に、有機溶剤が含
有された前記N2 ガスを供給して乾燥するようにすれば
よい。このとき、有機溶剤として、アルコール類を使用
することができるが、親水性が良好で、不純物が少ない
高純度の溶液であるIPAを用いるのがよい。更に、例
えば、IPAのガス又はIPAが含有されたN2 ガスの
圧力により、水封していた水の液面を徐々に低下させな
がら、すなわち上記従来技術で説明したマランゴニ現象
を使用して、乾燥することも可能である。また、IPA
のガスを水封された内部空間31に供給しながら、水を
水槽の下方より排水しながら、水の液面を下方させて乾
燥するようにしてもよい。なお、この際に、IPAがミ
スト状態で含有されたN2 ガスを用いれば、このN2
スがウェーハWに残留するということはなく、かつIP
Aの使用量を低下させることができる。
【0012】また、水封する水を入れた水槽が、洗浄槽
であれば、すなわち、洗浄に使用した水を、乾燥装置の
水封用として兼用すれば、水を節約することも可能であ
り、またウェーハが浸水した状態からすぐに乾燥を行う
ことができるので、全体の処理時間を短くすることもで
きる。勿論、上述したように、洗浄装置と乾燥装置を1
つとしても、乾燥に使用された有機溶媒は、水に溶けて
排水されるので、この有機溶媒を気体として排出するた
めの排気設備を不要とすることができる。すなわち、乾
燥な構成で、洗浄槽に乾燥装置を組込むことが可能であ
る。なお、従来、洗浄槽と乾燥装置とを一体化する際に
は、洗浄槽の内部全体をIPAのガス雰囲気としなけば
成らなかったが、洗浄槽の中央で、ウェーハを覆える水
封された空間を形成すればよいので、乾燥に使用される
IPAの量を少なくすることができる。
【0013】なお、洗浄槽が、ウェーハを配置する内槽
と、この内槽の外周を囲む外槽とからなり、この内槽の
上端を上下にジグザグ状とすれば、その洗浄の際に、内
槽から外槽へと均一に水が流れるので、内槽において水
の流れが停滞することがない。また、内槽の下方に整流
板を設け、この上にウェーハを収納しているカセットを
支持するための部材を設けることによっても、一層、内
槽における水の流れの停滞を防止することができる。従
って、このような構造を具備させることにより、乾燥装
置を洗浄装置と一体化したときでも、ウェーハを均一に
洗浄することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
【0015】図1は、本発明の乾燥装置を水洗装置に組
み込んだ装置10の正面断面図を示しており、図2は図
1における[2]−[2]線方向の平面図、図3は斜視
図である。この装置10は、水洗いを行う洗浄槽20
(例えば石英ガラスでなる)と、この洗浄槽20の中央
に配設されている密閉槽30(例えば石英ガラスでな
る)とを有している。洗浄槽20は、上部21aがギザ
ギザ状になっている内槽21と、内槽21の外周を覆う
ように設けられている外槽22から成る。この外槽22
は、図1に示すように排水管23を有し、内槽21の上
部21aから流れる水を受け止め、排水管23へと流し
ている。なお、内槽21の高さは、本実施例では300
mm〜400mm程度である。また、内槽21には、底
部の中央に管25が配設されているが、これは、排水管
26及び給水管27に接続されている。更に、内槽21
の内部には、多数の孔12aを有した整流板12が水平
に配設されているおり、この上面の中央には、カセット
載置部材14が配設されている。このカセット載置部材
14は、内側に溝14aaが形成されたブロック形状の
2つの部材14aから構成されている。
【0016】カセット載置部材14の溝14aに、その
2つの側部53の下端部を嵌合することによって、カセ
ット13が載置されている。このカセット13は、例え
ば合成樹脂でなり、2つの側部53と、これらを結合さ
せている薄板部13bとから構成されている。側部53
の上端部には、水平方向に突出した突出部53aが設け
られている。また、側部53は、下部が内側に傾斜して
おり、この傾斜部分に、ウェーハW(これは、図3では
カセット13と区別するために点線でなく一点鎖線で示
している)を保持するための孔53bが設けられてい
る。また、壁部13bには、ウェーハWを孔53bに保
持させるためのガイド溝53cが設けられている。な
お、本実施例のカセット13は、ウェーハWが25枚、
収納可能である。
【0017】一方、密閉槽30は、その下面が開口した
箱形状をして、洗浄槽20の内槽21の中央に配設され
ている。そして、その上面には、排気バルブ18を有し
た排気管17及び保持アーム15が設けられている。保
持アーム15は、その外方に位置する端部には、例え
ば、ボールねじなどの回り止めされた状態のねじ部15
aが形成されている。これに、モータ33に回転される
ねじ部材32が螺合しており、モータ33を回転するこ
とによって、保持アーム15を介して密閉槽30が昇降
可能になっている。また、保持アーム15には、ガス供
給管19が接続されており、保持アーム15には、密閉
槽30の内部空間31とガス供給管19とを連通させる
ための孔15bが内部に形成されている。
【0018】ガス供給管19は、図4に示されている霧
化室45に連通しているが、この霧化室45は、IPA
供給装置40のノズル部材42の外周部に取り付けられ
たカバー43によって形成されている。この霧化室45
は、更に、N2 ガスが供給される搬送管44(これは、
流速を大きくするために、霧化室45の入口で径を細く
している)に連通しているおり、更に、この霧化室45
の下方には、ガス供給管19に運ばれずに残ったIPA
を容器41へと戻すための孔43aが設けられている。
なお、この孔43aは、霧化室45から容器41への流
れは許容し、容器41から霧化室45への流れは遮断す
る逆止弁46を設けられたバイパス47に接続されてい
る。また、霧化室45の内部には、ノズル部材42の先
端が突出している。ノズル部材42は、液状のイソプロ
ピルアルコールIが封入されている容器41に螺合して
おり、その内孔42aは容器41に設けられた管41a
の内孔に整合している。また、容器41には、送気管4
8が設けられ、この送気管48から供給される不活性ガ
ス(例えばN2 ガス)の圧力によって、イソプロピルア
ルコールIをノズル部材42の先端から噴霧している。
また、容器41内は、リリーフ弁50を有した排気管4
9が接続されている。なお、このリリーフ弁50は、容
器41内の圧力が、ある一定値以上になったときに、開
弁し、その圧力を逃がすものである。
【0019】本実施例の乾燥装置が組み込まれた装置1
0は、以上のようにして構成されるが、次に、その乾燥
方法について、説明する。
【0020】まず、公知のように、有機溶媒や酸などの
洗浄液によって、ウェーハWを洗浄する。そして、図5
に示すように、ウェーハWを収納したカセット13を、
洗浄槽20の内孔21の中央に、すなわちカセット13
の側部53の下端部を、カセット載置部材14の溝14
aに係合させる。このとき、支持アーム15のねじ部1
5aは、ねじ部材32の上方に配設されて、すなわち密
閉槽30が洗浄槽20の上方に位置している。
【0021】そして、公知のオーバーフロー式によって
ウェーハWの水洗いが行われる。すなわち、給水管26
から超純水が供給され、整流板12を介して、内槽21
に水が満たされた後、内槽の上部21aから水が、矢印
Eの方向に、均一に外槽22へと流れる。更に、超純水
が供給され続け、内槽21内の上に向かう超純水の流れ
によって、ウェーハWが(カセット13、洗浄槽20に
付着しているダストも)水洗いされる。なお、このとき
外槽22に流れた超純水は、排水管23を介して排水さ
れる。そして、充分にウェーハWが水洗いされると、超
純水の供給が停止される。すると、図5に示すように、
ウェーハWは水V中に浸漬された状態となる。なお、細
線Hで示される線は、このときの水面を示している。
【0022】水洗いの動作が終了すると、次に、モータ
33が稼動され、密閉槽30が降下される。これは、排
気バルブ18を開けて、密閉槽30の内部空間31から
空気を排出しながら行う。そして、密閉槽30は、図1
に示すように、密閉槽30が、ウェーハWを収納したカ
セット13をほとんど覆うまで降下されると、排気バル
ブ18を閉じる。すると、密閉槽30の内部空間31
は、水封された空間となる。なお、図1で一点鎖線で示
される線は、このときの密閉槽30内の水面H’を示し
ており、これは密閉槽30の外周の水面H”と同じ高さ
である。
【0023】次に、図4に示すように、排気管48か
ら、すなわち矢印Cの方向に、例えばN2 などの不活性
ガスを、例えば0.5kg/cm2 の圧力で流し、容器
41の内圧を高くする。この圧力によって、イソプロピ
ルアルコールIは管41aの内孔及びノズル部材42の
内孔42aを通って、霧化室45にミスト状となって噴
出される。同時に、搬送管44から、すなわち矢印Dの
方向に、N2 ガスが、例えば0.1m/s以上の速度で
供給される。供給されたN2 ガスは、霧化室45にある
IPAのミストMを混合して、ガス供給管19へと流れ
る。なお、霧化室45でミスト状となったIPAが搬送
管44からのN2 ガスによって搬送されずに、霧化室
の下方に溜ったIPAは、逆止弁46を開け、バイパ
ス47を介して、容器41内へと戻される。
【0024】すなわち、IPAのミストMを含有したN
2 ガスが、図1で示すように、ガス供給管19から密閉
槽30の内部空間31に供給される。供給されたガスの
圧力により、密閉槽30にある水Vは下方へと押圧さ
れ、すなわち、その内部空間31の水面H’は、徐々に
下がる。なお、供給されたIPAのミストMは、水Vよ
りも比重が軽いので、その一部は液面H’の上に堆積
し、膜tを作るが、水Vと膜tとの境界面(これは水面
H’と同じレベルとして示されている)では、IPAが
水Vの中に拡散する。従って、従来の技術で上述したよ
うに、マランゴニ現象によって、その膜tの液面の降下
とともに、ウェーハWは上方から乾燥される。なお、こ
のとき、液面が低下したために、内槽21にある水は、
矢印Eで示すように外槽22へと流れ、排水管23を介
して排水される。そして、図6に示されるように、ガス
の圧力によって低下した膜tの液面taが、ウェーハW
の下端部を下回ると、図2の送気管48のN2 ガスの供
給を停止し、密閉槽30へのガスの供給を停止させる。
すなわち、これにてウェーハWの乾燥が終了する。
【0025】乾燥が終了すると、管15に接続されてい
る排水管26を介して、洗浄槽20の内槽21にある水
Vを排水する。このときには、密閉槽30に供給された
IPAは、可溶性であるため、すべて密閉槽30の水V
に溶ける。従って、洗浄槽20の内槽21の水Vを排水
することで、密閉槽30に供給されたIPAはすべて排
出される。そして、密閉槽30にある水がほとんどすべ
て排水された後、モータ33を、密閉槽30を降下させ
た時とは逆方向に回転させて、密閉槽30を上昇させ
る。そして、乾燥したウェーハWを収納したカセット1
3を取り出す。
【0026】本実施例では、水封された空間である内部
空間31において、ウェーハWを乾燥させたので、乾燥
に用いたIPAが外部に漏れるということがない。ま
た、乾燥するために供給されたIPAは、水封として使
用された水Vに溶け、水Vと一緒に洗浄槽20から排出
される。従って、乾燥に供給されたIPAを気体として
排出するための排気設備が不要となる。また、乾燥が行
われる内部空間31は、ウェーハWが収納されたカセッ
ト13を覆うだけの容積でよいので、この中に供給され
るIPAの量を少なくすることもできる。
【0027】また、本実施例では、水封している水の液
面を低下させながら、ミスト状のIPAをその水の表面
に拡散しているので、すなわちマランゴニ現象によっ
て、ウェーハを乾燥しているので、マランゴニ現象を用
いた乾燥で得られる効果が本実施例でも得られる。ま
た、マランゴニ現象を用いたので、密閉槽30の内部空
31には、ガス状でなくミスト状のIPAを供給して
もよく、例えば管の継ぎ目などからIPAが漏れるとい
う恐れも一層なくなる。また、IPAがガスでないた
め、密閉槽30の液面低下の速さは、ミスト状のIPA
を搬送するN2 ガスによる内部空間31の圧力上昇によ
り制御することができる。なお、ミスト状のIPAをN
2 ガスによって搬送させたので、このN2 ガスがウェー
ハWに残留するということはなく、かつIPAの使用量
を低下させることができる。
【0028】また、本実施例では、水封する水槽を洗浄
槽30としたので、すなわち、乾燥装置と洗浄装置とを
一体化させても、排気設備は不要であり、コンパクトに
することができる。また、洗浄槽10は、その内槽21
の上部21aを上下にジグザグ形状をしているので、水
洗いを行う場合には、内槽21の周囲から、均一に外槽
へと水を流すことができる。従って、内槽21で水の流
れが停滞することがなく、均一に水洗いをすることがで
きる。また、内槽21に、整流板12を設けたので、水
の流れが一様となる効果がある。
【0029】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明
の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0030】例えば、上記実施例では、ミスト状とした
IPAをN2 ガスにより搬送したが、ガス化したIPA
を内部空間31に供給して行ってもよい。ただし、この
場合、マランゴニ現象を用いて乾燥するには、ガス化し
たIPAの圧力で液面を低下させればならないので、上
記実施例よりも乾燥に供給されるIPAの量が増加する
可能性もある。また、上記実施例では、マランゴニ現象
を用いて乾燥を行ったが、すなわち、液面を低下させな
がら乾燥をするようにしたが、先に内部空間に水封され
た空間を作り、ここにガス化したIPAを供給して、こ
の中で従来例で説明した置換法による乾燥を行っても、
乾燥に使用されるIPA等の有機溶媒が外部に漏れるこ
とはない。また、IPA以外の有機溶媒、他のアルコー
ル類や、アセトン、キシレン、フロンR113などを使
用して乾燥する場合には、本発明は適用可能である。
【0031】また、上記実施例では、水洗いを行う洗浄
装置と乾燥装置とを一つの槽で行える装置10について
説明したが、乾燥装置だけとしてもよいし、また、1つ
の槽で、洗浄液(例えば塩酸、硫酸、フッ酸、アンモニ
アなどの酸や有機溶媒)を使用した洗浄も行えるように
してもよい。ただし、この場合、洗浄した酸を排気する
ための酸排気設備が必要となる。
【0032】また、装置の細部、例えば、洗浄槽20の
形状やカセット13の形状などについては、上記実施例
で示したものに限定される必要は全くなく、種々のもの
が可能である。また、上記実施例では、モータ33の回
転を直線運動に変えて密閉槽30を昇降させたが、この
機構の代わりに、空気圧を利用したシリンダーを用いて
密閉槽30を昇降させるようにしてもよい。更に、洗浄
槽20やカセット13などの材質も、上記実施例で限定
される必要はなく、例えば洗浄槽であれば、PFA(フ
ッ素化合物)や塩化ビニールなどであってもよい。ただ
し、洗浄液を用いた洗浄をも1つの槽で行うには、フッ
素系の以外の薬品に強い石英ガラスを用いるのがよい。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のウェーハ乾
燥装置によれば、水封した空間で乾燥を行うということ
により、簡素な構成で、乾燥に用いられる有機溶媒が外
部に漏れるということを防止して乾燥を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における洗浄装置と乾燥装置と
を一体化した装置の正面断面図である。
【図2】図1における[2]−[2]線方向の平面図で
ある。
【図3】本発明の実施例における洗浄装置と乾燥装置と
を一体化した装置の斜視図である。
【図4】本発明の実施例に使用されるIPAを含有した
2 ガスを内部空間へと供給するためのIPA供給装置
の正面断面図である。
【図5】本発明の実施例における乾燥方法を説明するた
めの、洗浄装置と乾燥装置とを一体化した装置正面断面
図であり、水洗いが終了した状態を示している。
【図6】本発明の実施例における乾燥方法を説明するた
めの、洗浄装置と乾燥装置とを一体化した装置正面断面
図であり、乾燥が終了した状態を示している。
【図7】従来例における乾燥装置の概略図である。
【図8】マランゴニ現象を説明するたの模式図である。
【符号の説明】
10……装置、12……整流板、13……カセット、1
4……カセット載置部材、15b……孔、19……ガス
供給管、20……洗浄槽、21……内槽、22……外
槽、30……密閉槽、31……内部空間、32……ねじ
部材、33……モータ、40……IPA供給装置、41
……容器、44……搬送管、45……霧化室、48……
送気管、I……イソプロピルアルコール、H’……水
面、M……IPAのミスト、V……水、W……ウェー
ハ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェット洗浄されたウェーハを、有機溶
    剤を用いて乾燥するウェーハ乾燥装置において、 水封された空間で前記ウェーハを乾燥するようにしたこ
    とを特徴とするウェーハ乾燥装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも、水槽と、 前記水槽の中央に配設され、下方に開口を有した昇降可
    能な乾燥槽と、 前記乾燥槽の内部と連通し、前記有機溶剤のガス又は前
    記有機溶剤が含有されたN2 ガスを供給するガス供給管
    とを有し、 前記水槽の水に浸漬されている前記ウェーハを囲むよう
    に、前記水槽の内部に前記乾燥槽を降下させて前記乾燥
    槽内に、前記空間を形成し、 前記空間に、前記有機溶剤のガス又は前記有機溶剤が含
    有された前記N2 ガスを供給して乾燥するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のウェーハ乾燥装置。
  3. 【請求項3】 前記有機溶剤がイソプロピルアルコール
    であることを特徴とする請求項2に記載のウェーハ乾燥
    装置。
  4. 【請求項4】 前記有機溶剤のガスの圧力又は前記有機
    溶剤が含有された前記N2 ガスの圧力により、 前記水の液面を下げながら、前記乾燥が行なわれるよう
    にしたことを特徴とする請求項3に記載のウェーハ乾燥
    装置。
  5. 【請求項5】 前記有機溶剤が含有された前記N2 ガス
    は、ミスト状態の前記有機溶剤が、N2 ガスに含有され
    てなることを特徴とする請求項4に記載のウェーハ乾燥
    装置。
  6. 【請求項6】 前記水槽が、洗浄槽であることを特徴と
    する請求項2乃至請求項5の何れかに記載のウェーハ乾
    燥装置。
  7. 【請求項7】 前記洗浄槽が、 前記ウェーハを配置する内槽と、 前記内槽の外周を囲む外槽とから成り、 前記内槽の上端が上下にジグザグ状をしていることを特
    徴とする請求項6に記載のウェーハ乾燥装置。
  8. 【請求項8】 前記内槽の下方には、整流板が配設さ
    れ、この上に、前記ウェーハを収納しているカセットを
    支持するための部材が設けられていることを特徴とする
    請求項7に記載のウェーハ乾燥装置。
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