JPH10277627A - 熱間圧延機の出側温度制御方法およびその制御装置 - Google Patents
熱間圧延機の出側温度制御方法およびその制御装置Info
- Publication number
- JPH10277627A JPH10277627A JP9082907A JP8290797A JPH10277627A JP H10277627 A JPH10277627 A JP H10277627A JP 9082907 A JP9082907 A JP 9082907A JP 8290797 A JP8290797 A JP 8290797A JP H10277627 A JPH10277627 A JP H10277627A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- outlet temperature
- temperature
- rolling mill
- hot rolling
- rolling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Control Of Metal Rolling (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 仕上圧延機出側における圧延後の鋼板温度を
予め設定された目標の温度に高精度に制御する。 【解決手段】 仕上入側温度計6で計測した仕上入側温
度の実績値と、目標とする仕上入側温度との偏差に応じ
て速度コントローラ9で圧延速度を変更し、仕上出側温
度が許容範囲内に入るようフィードフォワードの制御を
行う。
予め設定された目標の温度に高精度に制御する。 【解決手段】 仕上入側温度計6で計測した仕上入側温
度の実績値と、目標とする仕上入側温度との偏差に応じ
て速度コントローラ9で圧延速度を変更し、仕上出側温
度が許容範囲内に入るようフィードフォワードの制御を
行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は熱間圧延機の出側
温度を制御する出側温度制御方法およびその制御装置に
関するもので、例えば熱延鋼板の圧延プラントの最終段
階で、複数の圧延スタンドで鋼板を所定の製品板厚にま
で圧延していく仕上圧延機において、仕上圧延機出側に
おける圧延後の鋼板温度を予め設定された目標の温度に
制御する仕上出側温度制御に関するものである。
温度を制御する出側温度制御方法およびその制御装置に
関するもので、例えば熱延鋼板の圧延プラントの最終段
階で、複数の圧延スタンドで鋼板を所定の製品板厚にま
で圧延していく仕上圧延機において、仕上圧延機出側に
おける圧延後の鋼板温度を予め設定された目標の温度に
制御する仕上出側温度制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延において良好な材質を得るため
には、仕上出側温度を所要の目標温度からの許容範囲内
に満たすようにすることが必要である。図11に熱間圧
延における典型的な仕上圧延機の構成について示す。図
において、1はN台のスタンドからなる仕上圧延機、2
は仕上圧延機入側に設置されている入側温度計、3は仕
上圧延機出側に設置されている出側温度計である。4は
仕上圧延機の各スタンドの間に設置されているスタンド
間スプレーであり、水冷によって熱延鋼板11を冷却す
る設備である。
には、仕上出側温度を所要の目標温度からの許容範囲内
に満たすようにすることが必要である。図11に熱間圧
延における典型的な仕上圧延機の構成について示す。図
において、1はN台のスタンドからなる仕上圧延機、2
は仕上圧延機入側に設置されている入側温度計、3は仕
上圧延機出側に設置されている出側温度計である。4は
仕上圧延機の各スタンドの間に設置されているスタンド
間スプレーであり、水冷によって熱延鋼板11を冷却す
る設備である。
【0003】仕上圧延機1の入側に至った時点の熱延鋼
板11はほぼ全長に渡って一様の温度分布になってい
る。熱延鋼板11が仕上入側温度計2を通過して仕上圧
延機1に入って圧延され、仕上出側温度計3に到達する
までには、主に空冷による温度降下、スプレー水冷によ
る温度降下、圧延中のロールへの熱伝導による温度降
下、そして圧延による加工発熱による温度上昇などの温
度変化現象がある。
板11はほぼ全長に渡って一様の温度分布になってい
る。熱延鋼板11が仕上入側温度計2を通過して仕上圧
延機1に入って圧延され、仕上出側温度計3に到達する
までには、主に空冷による温度降下、スプレー水冷によ
る温度降下、圧延中のロールへの熱伝導による温度降
下、そして圧延による加工発熱による温度上昇などの温
度変化現象がある。
【0004】通常、熱延鋼板11の先端部はある速度に
て仕上圧延機に噛み込まれ、仕上圧延機の全スタンドが
通板状態になったら、圧延速度を可能な最高圧延速度に
まで加速変化させる。圧延速度が変化すると、仕上圧延
機間の通過時間が変化するので、この間の空冷温度降下
量が変化し、その結果仕上出側温度が変化する。また、
圧延による板厚圧下分、速度が上昇している仕上圧延機
出側に対して圧下していない仕上圧延機入側では速度が
遅く、熱延鋼板11の長手方向に尾端に向かうほど、圧
延機に噛み込まれるまでの待ち時間が長くなり、この間
に空冷によって鋼板は冷却され、その結果仕上入側温度
は時間とともに下降していく。このような温度変化要因
により、仕上出側温度を鋼板長手方向に対し、許容範囲
内に収めるのは複雑である。
て仕上圧延機に噛み込まれ、仕上圧延機の全スタンドが
通板状態になったら、圧延速度を可能な最高圧延速度に
まで加速変化させる。圧延速度が変化すると、仕上圧延
機間の通過時間が変化するので、この間の空冷温度降下
量が変化し、その結果仕上出側温度が変化する。また、
圧延による板厚圧下分、速度が上昇している仕上圧延機
出側に対して圧下していない仕上圧延機入側では速度が
遅く、熱延鋼板11の長手方向に尾端に向かうほど、圧
延機に噛み込まれるまでの待ち時間が長くなり、この間
に空冷によって鋼板は冷却され、その結果仕上入側温度
は時間とともに下降していく。このような温度変化要因
により、仕上出側温度を鋼板長手方向に対し、許容範囲
内に収めるのは複雑である。
【0005】従来からの方法では、例えば、特開昭55
−158816号公報においては、圧延速度を変化させ
ることで仕上圧延機間の通過時間を変化させ、空冷温度
降下量を変化させることで仕上出側温度を調整する方法
や、特開昭58−181407号公報においては、スタ
ンド間スプレーによるストリップクーラントの数を変化
させて水冷温度降下量を変化させることで仕上出側温度
を調整する方法などが挙げられている。
−158816号公報においては、圧延速度を変化させ
ることで仕上圧延機間の通過時間を変化させ、空冷温度
降下量を変化させることで仕上出側温度を調整する方法
や、特開昭58−181407号公報においては、スタ
ンド間スプレーによるストリップクーラントの数を変化
させて水冷温度降下量を変化させることで仕上出側温度
を調整する方法などが挙げられている。
【0006】従来からの仕上出側温度制御方法では、圧
延速度やスタンド間スプレーの決定方法としては熱延鋼
板が仕上圧延機に到達するまでに、仕上入側温度から所
要の仕上出側目標温度に到達するための必要な冷却温度
降下量をもとに、伝熱理論などをもとにした空冷温度降
下量計算式や水冷温度降下量計算式などを使って所要の
圧延速度とスタンド間スプレー量を決定している。
延速度やスタンド間スプレーの決定方法としては熱延鋼
板が仕上圧延機に到達するまでに、仕上入側温度から所
要の仕上出側目標温度に到達するための必要な冷却温度
降下量をもとに、伝熱理論などをもとにした空冷温度降
下量計算式や水冷温度降下量計算式などを使って所要の
圧延速度とスタンド間スプレー量を決定している。
【0007】そして上記決定した圧延速度とスプレー水
量にて熱延鋼板の先端部より仕上圧延機にて圧延を行
う。次に圧延が始まってからは、仕上圧延機出側に設置
された仕上出側温度計にて測定される仕上出側温度実績
値から、仕上出側目標温度からの偏差をみて、その偏差
を縮小するために圧延速度またはスタンド間スプレー水
量をダイナミックに変化させて調整する方法がとられて
いる。
量にて熱延鋼板の先端部より仕上圧延機にて圧延を行
う。次に圧延が始まってからは、仕上圧延機出側に設置
された仕上出側温度計にて測定される仕上出側温度実績
値から、仕上出側目標温度からの偏差をみて、その偏差
を縮小するために圧延速度またはスタンド間スプレー水
量をダイナミックに変化させて調整する方法がとられて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来からの制御方法で
は、熱延鋼板の仕上出側温度をダイナミックに制御する
には仕上出側温度実績値と目標温度との偏差の大きさの
段階に応じて圧延速度とスプレー水量を段階的に変化さ
せる方法が主流であった。しかし、この方法では冷却量
を段階的にしか制御することができないため、仕上出側
温度偏差の大きさに合った適切な圧延速度またはスプレ
ー水量の変化量を求めることができず、その結果精度の
良い制御を行うことができない課題などがあった。
は、熱延鋼板の仕上出側温度をダイナミックに制御する
には仕上出側温度実績値と目標温度との偏差の大きさの
段階に応じて圧延速度とスプレー水量を段階的に変化さ
せる方法が主流であった。しかし、この方法では冷却量
を段階的にしか制御することができないため、仕上出側
温度偏差の大きさに合った適切な圧延速度またはスプレ
ー水量の変化量を求めることができず、その結果精度の
良い制御を行うことができない課題などがあった。
【0009】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、仕上圧延機出側における圧延
後の鋼板温度を予め設定された所要の目標温度からの許
容範囲内に満たすようにするための最適な仕上出側温度
制御方法を提供することを目的とする。
めになされたものであり、仕上圧延機出側における圧延
後の鋼板温度を予め設定された所要の目標温度からの許
容範囲内に満たすようにするための最適な仕上出側温度
制御方法を提供することを目的とする。
【0010】
(1)この発明に係わる熱間圧延機の出側温度制御方法
は、連続する複数の圧延スタンドとこの圧延スタンド間
に冷却水放出用のスプレーを有する熱間圧延機の出側温
度制御方法において、圧延材の入側温度と目標入側温度
との差に応じて圧延速度を変化し上記圧延材の出側温度
を許容範囲内に制御するようにしたものである。
は、連続する複数の圧延スタンドとこの圧延スタンド間
に冷却水放出用のスプレーを有する熱間圧延機の出側温
度制御方法において、圧延材の入側温度と目標入側温度
との差に応じて圧延速度を変化し上記圧延材の出側温度
を許容範囲内に制御するようにしたものである。
【0011】(2)また、上記(1)の熱間圧延機の出
側温度制御方法において、圧延材の出側温度と目標出側
温度とを比較し、この比較結果に応じて次の圧延材の圧
延速度を修正するようにしたものである。
側温度制御方法において、圧延材の出側温度と目標出側
温度とを比較し、この比較結果に応じて次の圧延材の圧
延速度を修正するようにしたものである。
【0012】(3)また、連続する複数の圧延スタンド
とこの圧延スタンド間に冷却水放出用のスプレーを有す
る熱間圧延機の出側温度制御方法において、圧延材の入
側温度と目標入側温度との差に応じて上記スプレーによ
る冷却量を変化し上記圧延材の出側温度を許容範囲内に
制御するようにしたものである。
とこの圧延スタンド間に冷却水放出用のスプレーを有す
る熱間圧延機の出側温度制御方法において、圧延材の入
側温度と目標入側温度との差に応じて上記スプレーによ
る冷却量を変化し上記圧延材の出側温度を許容範囲内に
制御するようにしたものである。
【0013】(4)また、上記(3)の熱間圧延機の出
側温度制御方法において、圧延材の出側温度と目標出側
温度とを比較し、この比較結果に応じて次の圧延材の冷
却水放出用のスプレーによる冷却量を修正するようにし
たものである。
側温度制御方法において、圧延材の出側温度と目標出側
温度とを比較し、この比較結果に応じて次の圧延材の冷
却水放出用のスプレーによる冷却量を修正するようにし
たものである。
【0014】(5)また、上記(1)〜(4)のいずれ
か1項の熱間圧延機の出側温度制御方法において、入側
温度は入側に近い圧延スタンド間の温度を入側温度とす
るようにしたものである。
か1項の熱間圧延機の出側温度制御方法において、入側
温度は入側に近い圧延スタンド間の温度を入側温度とす
るようにしたものである。
【0015】(6)また、上記(1)〜(5)のいずれ
か1項の熱間圧延機の出側温度制御方法において、圧延
速度変化による制御またはスプレーでの冷却量変化によ
る制御は、圧延材の入側温度が所定の許容範囲を外れた
場合、実行するようにしたものである。
か1項の熱間圧延機の出側温度制御方法において、圧延
速度変化による制御またはスプレーでの冷却量変化によ
る制御は、圧延材の入側温度が所定の許容範囲を外れた
場合、実行するようにしたものである。
【0016】(7)また、連続する複数の圧延スタンド
とこの圧延スタンド間に冷却水放出用のスプレーを有す
る熱間圧延機の出側温度制御方法において、予め出側温
度変化量に対する圧延速度の加速率変化量を第1の影響
係数として求めておき、圧延材の出側温度と目標出側温
度との偏差と上記第1の影響係数とを乗じて得られる所
要加速率変化量に応じて圧延速度を変化し上記出側温度
を許容範囲内に制御するようにしたものである。
とこの圧延スタンド間に冷却水放出用のスプレーを有す
る熱間圧延機の出側温度制御方法において、予め出側温
度変化量に対する圧延速度の加速率変化量を第1の影響
係数として求めておき、圧延材の出側温度と目標出側温
度との偏差と上記第1の影響係数とを乗じて得られる所
要加速率変化量に応じて圧延速度を変化し上記出側温度
を許容範囲内に制御するようにしたものである。
【0017】(8)また、上記(7)の熱間圧延機の出
側温度制御方法において、所要加速率変化量に更に所定
のチューニング率を乗じた乗算結果に応じて圧延速度を
変化し圧延材の出側温度を許容範囲内に制御すると共
に、この制御による出側温度の実績精度に応じて上記チ
ューニング率を調整するようににしたものである。
側温度制御方法において、所要加速率変化量に更に所定
のチューニング率を乗じた乗算結果に応じて圧延速度を
変化し圧延材の出側温度を許容範囲内に制御すると共
に、この制御による出側温度の実績精度に応じて上記チ
ューニング率を調整するようににしたものである。
【0018】(9)また、放出用のスプレーを有する熱
間圧延機の出側温度制御方法において、予め出側温度変
化量に対するスプレー水量変化量を第2の影響係数とし
て求めておき、圧延材の出側温度と目標出側温度との偏
差と上記第2の影響係数とを乗じて得られる所要水量変
化量に応じてスプレー水量を変化し上記出側温度を許容
範囲内に制御するようにしたものである。
間圧延機の出側温度制御方法において、予め出側温度変
化量に対するスプレー水量変化量を第2の影響係数とし
て求めておき、圧延材の出側温度と目標出側温度との偏
差と上記第2の影響係数とを乗じて得られる所要水量変
化量に応じてスプレー水量を変化し上記出側温度を許容
範囲内に制御するようにしたものである。
【0019】(10)また、上記(9)の熱間圧延機の
出側温度制御方法において、所要水量変化量に更に所定
のチューニング率を乗じた乗算結果に応じてスプレー水
量を変化し圧延材の出側温度を許容範囲内に制御すると
共に、この制御による出側温度の実績精度に応じて上記
チューニング率を調整するようにしたものである。
出側温度制御方法において、所要水量変化量に更に所定
のチューニング率を乗じた乗算結果に応じてスプレー水
量を変化し圧延材の出側温度を許容範囲内に制御すると
共に、この制御による出側温度の実績精度に応じて上記
チューニング率を調整するようにしたものである。
【0020】(11)また、上記(9)または(10)
の熱間圧延機の出側温度制御方法によりスプレー冷却量
の段階的変化による制御を行うと共に、上記各段階間の
制御を上記(7)または(8)の熱間圧延機の出側温度
制御方法により圧延速度を変化させて制御するようにし
たものである。
の熱間圧延機の出側温度制御方法によりスプレー冷却量
の段階的変化による制御を行うと共に、上記各段階間の
制御を上記(7)または(8)の熱間圧延機の出側温度
制御方法により圧延速度を変化させて制御するようにし
たものである。
【0021】(12)また、圧延材の出側温度が目標出
側温度よりも高い場合、または、上記出側温度が所定の
許容範囲上限を超える場合は、上記(9)または(1
0)の熱間圧延機の出側温度制御方法を用いてスプレー
冷却量の変化により制御を行い、上記圧延材の出側温度
が目標出側温度よりも低い場合、または、上記出側温度
が所定の許容範囲下限より低い場合は、上記(7)また
は上記(8)の熱間圧延機の出側温度制御方法を用いて
圧延速度変化により制御を行うようにしたものである。
側温度よりも高い場合、または、上記出側温度が所定の
許容範囲上限を超える場合は、上記(9)または(1
0)の熱間圧延機の出側温度制御方法を用いてスプレー
冷却量の変化により制御を行い、上記圧延材の出側温度
が目標出側温度よりも低い場合、または、上記出側温度
が所定の許容範囲下限より低い場合は、上記(7)また
は上記(8)の熱間圧延機の出側温度制御方法を用いて
圧延速度変化により制御を行うようにしたものである。
【0022】(13)また、上記(1)〜(12)の熱
間圧延機の出側温度制御方法を用いた熱間圧延機の出側
温度制御装置としたものである。
間圧延機の出側温度制御方法を用いた熱間圧延機の出側
温度制御装置としたものである。
【0023】
実施の形態1.以下に、本発明の実施の形態1について
説明する。図1は、実施の形態1の制御形態について説
明する図であり、仕上圧延機の構成図である。図におい
て、5は仕上圧延機最終スタンド出側にある仕上出側温
度計、6は仕上圧延機第1スタンド入側にある仕上入側
温度計、7は仕上圧延機最終スタンドである。
説明する。図1は、実施の形態1の制御形態について説
明する図であり、仕上圧延機の構成図である。図におい
て、5は仕上圧延機最終スタンド出側にある仕上出側温
度計、6は仕上圧延機第1スタンド入側にある仕上入側
温度計、7は仕上圧延機最終スタンドである。
【0024】8は熱延鋼板11の冷却用に圧延スタンド
間に設けられたスタンド間スプレーを示し、このスプレ
ーは個々に別々に制御することが可能であり、又、この
スプレーはオン/ オフ制御しかできないため、余り細か
い制御はできない。9は速度コントローラで、仕上圧延
機の圧延速度をコントロールする制御機器であり、10
は温度コントローラで、仕上圧延機に備わっている冷却
用スタンド間スプレーをコントロールする制御機器であ
る。
間に設けられたスタンド間スプレーを示し、このスプレ
ーは個々に別々に制御することが可能であり、又、この
スプレーはオン/ オフ制御しかできないため、余り細か
い制御はできない。9は速度コントローラで、仕上圧延
機の圧延速度をコントロールする制御機器であり、10
は温度コントローラで、仕上圧延機に備わっている冷却
用スタンド間スプレーをコントロールする制御機器であ
る。
【0025】従来の方法は、圧延条件を見ながら、目標
とする仕上出側温度(以後FDTと略す)を予測し、初
期設定圧延速度と初期スプレー冷却量を決定した後、仕
上出側温度実績を見ながら、それが目標とする仕上出側
温度になるように、圧延速度、加速パターン、スプレー
冷却量を変化させて制御を行っており、仕上入側の状態
を周期的に計測し、制御を行ってはいなかった。
とする仕上出側温度(以後FDTと略す)を予測し、初
期設定圧延速度と初期スプレー冷却量を決定した後、仕
上出側温度実績を見ながら、それが目標とする仕上出側
温度になるように、圧延速度、加速パターン、スプレー
冷却量を変化させて制御を行っており、仕上入側の状態
を周期的に計測し、制御を行ってはいなかった。
【0026】この実施の形態1では、ある一定周期毎
に、目標とする仕上入側温度(以後FETと略す)を計
測し、仕上入側で圧延速度設定を修正し、従来の制御方
法より高精度の制御を行おうとするものである。
に、目標とする仕上入側温度(以後FETと略す)を計
測し、仕上入側で圧延速度設定を修正し、従来の制御方
法より高精度の制御を行おうとするものである。
【0027】以下、具体的な制御方法について述べる。
図2はこの実施の形態におけるある1制御周期の制御方
法の要部のフローチャートである。 (1)FET(目標とする仕上入側温度)とFDT(目
標とする仕上出側温度)の差は、外気によって冷却され
る空冷降下量と水によって冷却される水冷降下量の和と
なる。すなわち、 FET−FDT=TAIR (V)+TW (V) −−−−−(1.1) ここで、TAIR (V)は空冷降下量、TW (V)は水冷
降下量であり、これらの冷却量を求める。
図2はこの実施の形態におけるある1制御周期の制御方
法の要部のフローチャートである。 (1)FET(目標とする仕上入側温度)とFDT(目
標とする仕上出側温度)の差は、外気によって冷却され
る空冷降下量と水によって冷却される水冷降下量の和と
なる。すなわち、 FET−FDT=TAIR (V)+TW (V) −−−−−(1.1) ここで、TAIR (V)は空冷降下量、TW (V)は水冷
降下量であり、これらの冷却量を求める。
【0028】(2)初期圧延速度は圧延材が仕上圧延機
に入る前に式(1.1)により設定される。 (3)この速度設定・冷却量設定に基づき速度コントロ
ーラ5から圧延速度指令値が、又、温度コントローラ1
0から冷却量の指令値が仕上圧延機に送られ圧延が行わ
れる。
に入る前に式(1.1)により設定される。 (3)この速度設定・冷却量設定に基づき速度コントロ
ーラ5から圧延速度指令値が、又、温度コントローラ1
0から冷却量の指令値が仕上圧延機に送られ圧延が行わ
れる。
【0029】(4)その後、ある一定周期後、再度、仕
上入側温度を計測し(S1)、 (5)式(1.1)において、目標FDTまでの必要冷
却量を計算し(S2)、 (6)FETの数値を置き換えて、新たに圧延速度を再
計算し(S3)、 (7)圧延速度を再設定して修正する(S4)。
上入側温度を計測し(S1)、 (5)式(1.1)において、目標FDTまでの必要冷
却量を計算し(S2)、 (6)FETの数値を置き換えて、新たに圧延速度を再
計算し(S3)、 (7)圧延速度を再設定して修正する(S4)。
【0030】すなわち、初期設定時よりも仕上入側温度
が低くなっていれば、初期設定速度を上げ、仕上圧延機
での圧延時間を短くし、圧延材の空冷降下量すなわち、
TAIR (V)を少なくする。一方、初期設定時よりも仕
上入側温度が高くなっていれば、初期設定速度を下げ、
仕上圧延機での圧延時間を長くし、圧延材の空冷降下量
を多くする。
が低くなっていれば、初期設定速度を上げ、仕上圧延機
での圧延時間を短くし、圧延材の空冷降下量すなわち、
TAIR (V)を少なくする。一方、初期設定時よりも仕
上入側温度が高くなっていれば、初期設定速度を下げ、
仕上圧延機での圧延時間を長くし、圧延材の空冷降下量
を多くする。
【0031】この制御を行う周期を短くすれば、従来の
制御よりも、短い周期で仕上入側温度を計測し、それを
制御に反映することによって、仕上入側温度の変動を考
慮したダイナミックな制御を行うことが可能となり、仕
上出側温度を精度良く制御することができる。
制御よりも、短い周期で仕上入側温度を計測し、それを
制御に反映することによって、仕上入側温度の変動を考
慮したダイナミックな制御を行うことが可能となり、仕
上出側温度を精度良く制御することができる。
【0032】制御を行う周期は、制御装置の処理能力に
よるがマイクロプロセッサの性能向上により、実質的に
は連続制御が行われる。例えば100msec位の短周
期で制御する。
よるがマイクロプロセッサの性能向上により、実質的に
は連続制御が行われる。例えば100msec位の短周
期で制御する。
【0033】以上のように、従来では熱延鋼板が仕上圧
延機入側から順々に各スタンドに噛み込んでいく際に設
定された圧延速度と、スタンド間スプレー水量の初期値
は、熱延鋼板の先端部に対して計算決定されたもので、
その後は変化しないようにしていたものを、この発明の
実施の形態1では、仕上圧延機入側にて順次採取される
熱延鋼板の仕上入側温度実績をもとに修正再設定計算を
行って圧延速度を修正して制御することにより、仕上入
側温度の変動を考慮したダイナミックな制御を行うこと
が可能となり、仕上出側温度を精度良く制御することが
できる。
延機入側から順々に各スタンドに噛み込んでいく際に設
定された圧延速度と、スタンド間スプレー水量の初期値
は、熱延鋼板の先端部に対して計算決定されたもので、
その後は変化しないようにしていたものを、この発明の
実施の形態1では、仕上圧延機入側にて順次採取される
熱延鋼板の仕上入側温度実績をもとに修正再設定計算を
行って圧延速度を修正して制御することにより、仕上入
側温度の変動を考慮したダイナミックな制御を行うこと
が可能となり、仕上出側温度を精度良く制御することが
できる。
【0034】また、上記実施の形態の変形例として仕上
げ入側温度が予め設定した所定の許容範囲を外れた場合
に、上記説明した再計算を行い制御するようにしてもよ
い。
げ入側温度が予め設定した所定の許容範囲を外れた場合
に、上記説明した再計算を行い制御するようにしてもよ
い。
【0035】実施の形態2.次に、実施の形態2につい
て述べる。この実施の形態では、実施の形態1に加え
て、圧延後、圧延材の先端から尾端にかけて採取された
FDT実績と目標FDTとの比を学習係数としそれを圧
延速度の各加速域の設定圧延速度の係数として掛けてい
くものである。
て述べる。この実施の形態では、実施の形態1に加え
て、圧延後、圧延材の先端から尾端にかけて採取された
FDT実績と目標FDTとの比を学習係数としそれを圧
延速度の各加速域の設定圧延速度の係数として掛けてい
くものである。
【0036】以後、図3に従って実施の形態2を説明す
る。図3(a)に仕上圧延機での典型的な圧延材の速度
変化を示す。横軸に時間T,縦軸に速度Vを示し、時間
の少ない方が圧延材の先端側の速度、時間の多い方が圧
延材の尾端側の速度である。この図に示すように、仕上
圧延機第1スタンドに噛み込んでしばらくの間は速度は
定常状態である。その後、圧延材が加速する部分があり
それを第1加速域と呼ぶ。その後、新たに加速する部分
がありそれを第2加速域と呼ぶ。
る。図3(a)に仕上圧延機での典型的な圧延材の速度
変化を示す。横軸に時間T,縦軸に速度Vを示し、時間
の少ない方が圧延材の先端側の速度、時間の多い方が圧
延材の尾端側の速度である。この図に示すように、仕上
圧延機第1スタンドに噛み込んでしばらくの間は速度は
定常状態である。その後、圧延材が加速する部分があり
それを第1加速域と呼ぶ。その後、新たに加速する部分
がありそれを第2加速域と呼ぶ。
【0037】図3(b)はその時の圧延材の先端から尾
端にかけてのFDTの変化を示している。ここで、各速
度域で実績値のFDTと目標とするFDTとの比、すな
わち学習係数μをとっていく。そして3つの各々の速度
領域で、ある一定個数の学習係数を計測し、その平均を
その速度領域の学習係数とする。
端にかけてのFDTの変化を示している。ここで、各速
度域で実績値のFDTと目標とするFDTとの比、すな
わち学習係数μをとっていく。そして3つの各々の速度
領域で、ある一定個数の学習係数を計測し、その平均を
その速度領域の学習係数とする。
【0038】すなわち、 μI =1+(ΔFDT/FDT0 ) −−−−−−−(2.1) ΔFDT=FDT−FDT0 −−−−−−−(2.2)
【0039】
【数1】
【0040】ただし、K=1,2,3 Kは速度領域
No. FDTは実績FDT FDT0 は目標FDT μI は学習係数 μ0 K は速度領域Kでの学習係数
No. FDTは実績FDT FDT0 は目標FDT μI は学習係数 μ0 K は速度領域Kでの学習係数
【0041】学習方法について以下に述べる。 (1)初期設定方法及び制御方法は実施の形態1と同じ
である。 (2)各速度領域で学習係数抽出ポイントを予め一定周
期毎(所定の時間間隔毎)にM個の学習ポイントを設け
る。
である。 (2)各速度領域で学習係数抽出ポイントを予め一定周
期毎(所定の時間間隔毎)にM個の学習ポイントを設け
る。
【0042】(3)そして、圧延後、ある層別(鋼板の
材質、幅、厚さによる材料の区別)Aの材料の第1加速
領域での第I番目の学習ポイントおける実績FDTと目
標FDT0 より、式(2.1)から学習係数μI を求め
る。すなわち、当該材の第1加速領域での第I番目の実
績FDTは目標FDTよりも (μI −1)・FDT0 (=ΔFDT) だけ高い(または低い)ということである。
材質、幅、厚さによる材料の区別)Aの材料の第1加速
領域での第I番目の学習ポイントおける実績FDTと目
標FDT0 より、式(2.1)から学習係数μI を求め
る。すなわち、当該材の第1加速領域での第I番目の実
績FDTは目標FDTよりも (μI −1)・FDT0 (=ΔFDT) だけ高い(または低い)ということである。
【0043】(4)この学習係数を第1加速領域で設け
られたM個の学習係数抽出ポイントで積算し、式(2.
3)のように平均した学習係数を求める。 (5)そして、予め層別毎・加速領域毎にファイルにセ
ーブしてある当該層別の学習係数と層別Aの材料が今ま
で流れた本数Nを用いて、新たに新しい当該層別の学習
係数μX と今回までに流れた本数NA を以下の式で算出
する。
られたM個の学習係数抽出ポイントで積算し、式(2.
3)のように平均した学習係数を求める。 (5)そして、予め層別毎・加速領域毎にファイルにセ
ーブしてある当該層別の学習係数と層別Aの材料が今ま
で流れた本数Nを用いて、新たに新しい当該層別の学習
係数μX と今回までに流れた本数NA を以下の式で算出
する。
【0044】 μX =(μA ・N+μ0 1 )/(N+1) −−−−−(2.4) NA =N+1 −−−−−(2.5)
【0045】(6)次に同じ層別ナンバーの材料を圧延
する場合、目標FDTに学習係数μXを乗じた値を新し
い目標FDTとして、設定計算をするときに用いる。す
なわち、目標FDTをFDT1 、設定計算に用いる目標
FDTをFDTX とすると、 FDTX =μX ・FDT1 −−−−−(2.6) となる。
する場合、目標FDTに学習係数μXを乗じた値を新し
い目標FDTとして、設定計算をするときに用いる。す
なわち、目標FDTをFDT1 、設定計算に用いる目標
FDTをFDTX とすると、 FDTX =μX ・FDT1 −−−−−(2.6) となる。
【0046】(7)式(2.6)の式で毎回(圧延材の
制御対象点毎の)設定計算に用いる目標FDTを計算し
ていき、それを用いて、通板速度を変化させていく。こ
の制御方法はその他の速度領域である定常状態や第2加
速領域でも適用され、同様な制御方法を行う。
制御対象点毎の)設定計算に用いる目標FDTを計算し
ていき、それを用いて、通板速度を変化させていく。こ
の制御方法はその他の速度領域である定常状態や第2加
速領域でも適用され、同様な制御方法を行う。
【0047】以上の様な学習効果を加味した制御方法で
制御を行うことにより、FETからFDTまでの冷却量
計算の精度が向上し、さらに高精度な仕上出側温度制御
を行うことができる。
制御を行うことにより、FETからFDTまでの冷却量
計算の精度が向上し、さらに高精度な仕上出側温度制御
を行うことができる。
【0048】実施の形態3.次に実施の形態3にていて
述べる。実施の形態1では、圧延条件を見ながら、ある
一定周期毎に、FETを見ながら、仕上入側で圧延速度
設定を再計算修正し、高精度の制御を実現しようとして
いた。
述べる。実施の形態1では、圧延条件を見ながら、ある
一定周期毎に、FETを見ながら、仕上入側で圧延速度
設定を再計算修正し、高精度の制御を実現しようとして
いた。
【0049】しかし、この場合、一定周期ごとに採取す
るFETの変動によって圧延速度がダイナミックに変化
するということは、その分、操業が不安定になりやす
く、安定操業につながらない場合がある。そこで、実施
の形態3は圧延速度やその加速率は変えず、熱延鋼板冷
却用に圧延スタンド間に設けられたスタンド間スプレー
の冷却量を変えて目標とするFDTを確保しようという
制御である。
るFETの変動によって圧延速度がダイナミックに変化
するということは、その分、操業が不安定になりやす
く、安定操業につながらない場合がある。そこで、実施
の形態3は圧延速度やその加速率は変えず、熱延鋼板冷
却用に圧延スタンド間に設けられたスタンド間スプレー
の冷却量を変えて目標とするFDTを確保しようという
制御である。
【0050】以下に具体的な制御について述べる。図4
はある1制御周期の制御方法の要部のフローチャートで
ある。 (1)初期圧延速度と加速パターンは圧延材が仕上圧延
機にはいる前に設定される。 (2)上記(1)の速度設定と実施の形態1の式(1.
1)による冷却量設定が行われ、この速度設定・冷却量
設定に基づき速度コントローラ9から通板速度指令値
が、又、温度コントローラ10から冷却量の指令値が仕
上圧延機に送られ圧延が行われる。
はある1制御周期の制御方法の要部のフローチャートで
ある。 (1)初期圧延速度と加速パターンは圧延材が仕上圧延
機にはいる前に設定される。 (2)上記(1)の速度設定と実施の形態1の式(1.
1)による冷却量設定が行われ、この速度設定・冷却量
設定に基づき速度コントローラ9から通板速度指令値
が、又、温度コントローラ10から冷却量の指令値が仕
上圧延機に送られ圧延が行われる。
【0051】(3)その後、ある一定周期後、再度、仕
上入側温度を計測し(T1)、 (4)前述の式(1.1)において、目標FDTまでの
必要冷却量を計算し(T2)、 (5)FETの数値を置き換えて、新たに冷却量を再計
算し(T3)、 (6)スプレー冷却量を再設定して修正する(T4)。
上入側温度を計測し(T1)、 (4)前述の式(1.1)において、目標FDTまでの
必要冷却量を計算し(T2)、 (5)FETの数値を置き換えて、新たに冷却量を再計
算し(T3)、 (6)スプレー冷却量を再設定して修正する(T4)。
【0052】すなわち、初期設定時よりも仕上入側温度
が低くなっていれば、現在の冷却量よりも減少して設定
が修正され、一方、初期設定時よりも仕上入側温度が高
くなっていれば、現在の冷却量よりも増加して設定が修
正される。
が低くなっていれば、現在の冷却量よりも減少して設定
が修正され、一方、初期設定時よりも仕上入側温度が高
くなっていれば、現在の冷却量よりも増加して設定が修
正される。
【0053】この制御を行う周期を短くすれば、実施の
形態1に比べて、安定した操業状態にて仕上出側温度制
御を行うことができ、従来の制御よりも、短い周期で仕
上入側温度を計測し、それを制御に反映することによっ
て、仕上出側温度を精度良く制御することができる。
形態1に比べて、安定した操業状態にて仕上出側温度制
御を行うことができ、従来の制御よりも、短い周期で仕
上入側温度を計測し、それを制御に反映することによっ
て、仕上出側温度を精度良く制御することができる。
【0054】実施の形態4.次に、実施の形態4につい
て述べる。この実施の形態は、実施の形態3に加えて、
圧延後、圧延材の先端から尾端にかけて採取されたFD
T実績と目標FDTとの比を学習係数としそれを新たに
設定される冷却量に係数として掛けていくものである。
て述べる。この実施の形態は、実施の形態3に加えて、
圧延後、圧延材の先端から尾端にかけて採取されたFD
T実績と目標FDTとの比を学習係数としそれを新たに
設定される冷却量に係数として掛けていくものである。
【0055】つまり実施の形態1の圧延速度を変化して
制御する場合に、実施の形態2により学習して圧延速度
を修正するようにしたが、この実施の形態4では実施の
形態3のスプレーによる冷却量による結果を学習して修
正するようにしたものである。従って、学習方法は実施
の形態2と同様に行う。
制御する場合に、実施の形態2により学習して圧延速度
を修正するようにしたが、この実施の形態4では実施の
形態3のスプレーによる冷却量による結果を学習して修
正するようにしたものである。従って、学習方法は実施
の形態2と同様に行う。
【0056】実施の形態2で用いた図3に従って実施の
形態4を説明する。図3(a)に仕上圧延機での圧延材
の速度変化を示す。横軸に時間T,縦軸に速度Vを示
し、時間の少ない方が圧延材の先端側の速度、時間の多
い方が圧延材の尾端側の速度である。この図に示すよう
に、仕上圧延機第1スタンドに噛み込んでしばらくの間
は速度は定常状態である。その後、圧延材が加速する部
分がありそれを第1加速域と呼ぶ。その後、新たに加速
する部分がありそれを第2加速域と呼ぶ。
形態4を説明する。図3(a)に仕上圧延機での圧延材
の速度変化を示す。横軸に時間T,縦軸に速度Vを示
し、時間の少ない方が圧延材の先端側の速度、時間の多
い方が圧延材の尾端側の速度である。この図に示すよう
に、仕上圧延機第1スタンドに噛み込んでしばらくの間
は速度は定常状態である。その後、圧延材が加速する部
分がありそれを第1加速域と呼ぶ。その後、新たに加速
する部分がありそれを第2加速域と呼ぶ。
【0057】図3(b)はその時の圧延材の先端から尾
端にかけてのFDTの変化を示している。ここで、各速
度域で実績値のFDTと目標とするFDTとの比、すな
わち学習係数μをとっていく。そして3つの各々の速度
領域で、ある一定個数の学習係数を計測し、その平均を
その速度領域の学習係数とする。
端にかけてのFDTの変化を示している。ここで、各速
度域で実績値のFDTと目標とするFDTとの比、すな
わち学習係数μをとっていく。そして3つの各々の速度
領域で、ある一定個数の学習係数を計測し、その平均を
その速度領域の学習係数とする。
【0058】すなわち、 μI =1+(ΔFDT/FDT0 ) −−−−−−−(4.1) ΔFDT=FDT−FDT0 −−−−−−−(4.2)
【0059】
【数2】
【0060】ただし、K=1,2,3 Kは速度領域
No. FDTは実績FDT FDT0 は目標FDT μI は学習係数 μ0 K は速度領域Kでの学習係数
No. FDTは実績FDT FDT0 は目標FDT μI は学習係数 μ0 K は速度領域Kでの学習係数
【0061】なお、式(4.1)、(4.2)、(4.
3)は式(2.1)(2.2)(2.3)と同一であ
る。
3)は式(2.1)(2.2)(2.3)と同一であ
る。
【0062】学習方法について以下に述べる。 (1)初期設定方法及び制御方法は実施の形態3と同じ
である。 (2)各速度領域で学習係数抽出ポイントを予め一定周
期毎(所定の時間間隔毎)にM個の学習ポイントを設け
る。
である。 (2)各速度領域で学習係数抽出ポイントを予め一定周
期毎(所定の時間間隔毎)にM個の学習ポイントを設け
る。
【0063】(3)そして、圧延後、ある層別Aの材料
の第1加速領域での第I番目の学習ポイントでの実績F
DTと目標FDT0 より、式(4.1)から学習係数μ
I を求める。すなわち、当該材の第1加速領域での第I
番目の実績FDTは目標FDTよりも (μI −1)・FDT0 (=ΔFDT) だけ高い(または低い)ということである。
の第1加速領域での第I番目の学習ポイントでの実績F
DTと目標FDT0 より、式(4.1)から学習係数μ
I を求める。すなわち、当該材の第1加速領域での第I
番目の実績FDTは目標FDTよりも (μI −1)・FDT0 (=ΔFDT) だけ高い(または低い)ということである。
【0064】(4)この学習係数を第1加速領域で設け
られたM個の学習係数抽出ポイントで積算し、式(4.
3)のように平均した学習係数を求める。 (5)そして、予め層別毎・加速領域毎にファイルにセ
ーブしてある当該層別の学習係数と層別Aの材料が今ま
で流れた本数Nを用いて、新たに新しい当該層別の学習
係数μX と今回までに流れた本数NA を以下の式で算出
する。
られたM個の学習係数抽出ポイントで積算し、式(4.
3)のように平均した学習係数を求める。 (5)そして、予め層別毎・加速領域毎にファイルにセ
ーブしてある当該層別の学習係数と層別Aの材料が今ま
で流れた本数Nを用いて、新たに新しい当該層別の学習
係数μX と今回までに流れた本数NA を以下の式で算出
する。
【0065】 μX =(μA ・N+μ0 1 )/(N+1) −−−−−(4.4) NA =N+1 −−−−−(4.5)
【0066】(6)次に、同じ層別ナンバーの材料を圧
延する場合、目標FDTに学習係数μX を乗じた値を新
しい目標のFDTとして、設定計算をするときに用い
る。すなわち、目標FDTをFDT1 、設定計算に用い
る目標FDTをFDTX とすると、 FDTX =μX ・FDT1 −−−−−(4.6) となる。なお、式(4.4)、(4.5)、(4.6)
は式(2.4)(2.5)(2.6)と同一である。
延する場合、目標FDTに学習係数μX を乗じた値を新
しい目標のFDTとして、設定計算をするときに用い
る。すなわち、目標FDTをFDT1 、設定計算に用い
る目標FDTをFDTX とすると、 FDTX =μX ・FDT1 −−−−−(4.6) となる。なお、式(4.4)、(4.5)、(4.6)
は式(2.4)(2.5)(2.6)と同一である。
【0067】(7)式(4.6)の式で毎回(圧延材の
制御対象点毎の)設定計算に用いる目標FDTを計算し
ていき、それを用いて、冷却量を変化させていく。この
制御方法はその他の速度領域である定常状態や第2加速
領域でも適用され、同様な制御方法を行う。
制御対象点毎の)設定計算に用いる目標FDTを計算し
ていき、それを用いて、冷却量を変化させていく。この
制御方法はその他の速度領域である定常状態や第2加速
領域でも適用され、同様な制御方法を行う。
【0068】以上の様な制御方法で制御を行うと、学習
を加えることによりFETからFDTまでの冷却量計算
の精度が向上し、さらに高精度な仕上出側温度制御を行
うことができる。
を加えることによりFETからFDTまでの冷却量計算
の精度が向上し、さらに高精度な仕上出側温度制御を行
うことができる。
【0069】実施の形態5.次に、実施の形態5につい
て述べる。実施の形態1は、ある一定周期毎に、仕上入
側温度(以後FETと略す)を測し、仕上入側で圧延速
度設定を修正再計算し、従来の制御方法より高精度の制
御を行おうとするものであった。
て述べる。実施の形態1は、ある一定周期毎に、仕上入
側温度(以後FETと略す)を測し、仕上入側で圧延速
度設定を修正再計算し、従来の制御方法より高精度の制
御を行おうとするものであった。
【0070】しかし、実際の圧延プラントの仕上入側温
度計で計測されるFETは、熱延鋼板が仕上入側温度計
に到達するまでかなり外気に触れており、圧延材上のス
ケールの影響により十分な信頼性のあるFETが計測で
きない。この仕上入側温度計を仕上入側に設置されてい
るスケールブレーカーより下流側に設置すれば、スケー
ルが圧延材にのっておらず、精度の良いFETを計測す
ることが可能になる。
度計で計測されるFETは、熱延鋼板が仕上入側温度計
に到達するまでかなり外気に触れており、圧延材上のス
ケールの影響により十分な信頼性のあるFETが計測で
きない。この仕上入側温度計を仕上入側に設置されてい
るスケールブレーカーより下流側に設置すれば、スケー
ルが圧延材にのっておらず、精度の良いFETを計測す
ることが可能になる。
【0071】そこで、実施の形態5では、仕上入側に設
置されている仕上入側温度計を仕上げ第1スタンドの直
後に設置し、そこから計測されるFETを用いて、仕上
入側で圧延速度設定を修正再計算し、実施の形態1より
高精度の制御を実現しようとするものである。
置されている仕上入側温度計を仕上げ第1スタンドの直
後に設置し、そこから計測されるFETを用いて、仕上
入側で圧延速度設定を修正再計算し、実施の形態1より
高精度の制御を実現しようとするものである。
【0072】図5はこの実施の形態における仕上圧延機
設備の構成図である。ここでは仕上入側温度計6は第1
スタンドの直後に設置されており、この温度計6にて採
取される温度実績を仕上入側温度として制御を行う。具
体的な計算制御方法については実施の形態1と同様であ
る。
設備の構成図である。ここでは仕上入側温度計6は第1
スタンドの直後に設置されており、この温度計6にて採
取される温度実績を仕上入側温度として制御を行う。具
体的な計算制御方法については実施の形態1と同様であ
る。
【0073】上記の様な制御方法で制御を行うと、実施
の形態1と比べてより信頼度の高いFETを計測するこ
とが可能になり、その結果制御精度の向上した仕上出側
温度制御を行うことができる。
の形態1と比べてより信頼度の高いFETを計測するこ
とが可能になり、その結果制御精度の向上した仕上出側
温度制御を行うことができる。
【0074】実施の形態6.次に、実施の形態6につい
て述べる。この実施の形態6では、仕上圧延機入側に設
置されている仕上入側温度計を仕上げ第1スタンドの直
後に設置し、そこから計測されるFETを用いて、仕上
入側で圧延速度設定を修正再計算し、高精度の制御を実
現し、かつ、圧延後、圧延材の先端から尾端にかけて採
取されたFDT実績と目標FDTとの比を学習係数と
し、それを各加速域の設定圧延速度の係数として掛けて
いくものである。具体的な計算制御方法は実施の形態2
と同様である。
て述べる。この実施の形態6では、仕上圧延機入側に設
置されている仕上入側温度計を仕上げ第1スタンドの直
後に設置し、そこから計測されるFETを用いて、仕上
入側で圧延速度設定を修正再計算し、高精度の制御を実
現し、かつ、圧延後、圧延材の先端から尾端にかけて採
取されたFDT実績と目標FDTとの比を学習係数と
し、それを各加速域の設定圧延速度の係数として掛けて
いくものである。具体的な計算制御方法は実施の形態2
と同様である。
【0075】上記の様な制御方法で制御を行うと、実施
の形態5と比べてより信頼度の高いFETを計測するこ
とが可能になり、さらに学習機能を加えることによっ
て、高精度の仕上出側温度制御を行うことができる。
の形態5と比べてより信頼度の高いFETを計測するこ
とが可能になり、さらに学習機能を加えることによっ
て、高精度の仕上出側温度制御を行うことができる。
【0076】実施の形態7.次に、実施の形態7につい
て述べる。実施の形態3は、ある一定周期毎に、仕上入
側温度(以後FETと略す)を計測し、熱延鋼板冷却用
に圧延スタンド間に設けられたスタンド間スプレーの冷
却量を変えて目標とするFDTを確保しようという制御
であった。
て述べる。実施の形態3は、ある一定周期毎に、仕上入
側温度(以後FETと略す)を計測し、熱延鋼板冷却用
に圧延スタンド間に設けられたスタンド間スプレーの冷
却量を変えて目標とするFDTを確保しようという制御
であった。
【0077】しかし、前述したように実際の圧延プラン
トの仕上入側温度計で計測されるFETは、熱延鋼板が
仕上入側温度計に到達するまでかなり外気に触れてお
り、圧延材上のスケールの影響により十分な信頼性のあ
るFETが計測できない。この仕上入側温度計を仕上入
側に設置されているスケールブレーカーより下流側に設
置すれば、スケールが圧延材にのっておらず、精度の良
いFETを計測することが可能になる。
トの仕上入側温度計で計測されるFETは、熱延鋼板が
仕上入側温度計に到達するまでかなり外気に触れてお
り、圧延材上のスケールの影響により十分な信頼性のあ
るFETが計測できない。この仕上入側温度計を仕上入
側に設置されているスケールブレーカーより下流側に設
置すれば、スケールが圧延材にのっておらず、精度の良
いFETを計測することが可能になる。
【0078】そこで、実施の形態7では、仕上入側に設
置されている仕上入側温度計を仕上第1スタンドの直後
に設置し、そこから計測されるFETを用いて、熱延鋼
板冷却用に圧延スタンド間に設けられたスタンド間スプ
レーの冷却量を変えて、実施の形態3より高精度の制御
を実現しようとするものである。具体的な計算制御方法
は実施の形態3と同様である。
置されている仕上入側温度計を仕上第1スタンドの直後
に設置し、そこから計測されるFETを用いて、熱延鋼
板冷却用に圧延スタンド間に設けられたスタンド間スプ
レーの冷却量を変えて、実施の形態3より高精度の制御
を実現しようとするものである。具体的な計算制御方法
は実施の形態3と同様である。
【0079】上記の様な制御方法で制御を行うと、実施
の形態3と比べてより信頼度の高いFETを計測するこ
とが可能になり、その結果制御精度の向上した仕上出側
温度制御を行うことができる。
の形態3と比べてより信頼度の高いFETを計測するこ
とが可能になり、その結果制御精度の向上した仕上出側
温度制御を行うことができる。
【0080】実施の形態8.次に、実施の形態8につい
て述べる。この実施の形態8では、仕上入側に設置され
ている仕上入側温度計を仕上第1スタンドの直後に設置
し、そこから計測されるFETを用いて、仕上入側でス
タンド間スプレーの冷却量を修正再計算し、高精度の制
御を実現し、かつ、圧延後、圧延材の先端から尾端にか
けて採取されたFDT実績と目標FDTとの比を学習係
数とし、それを新たに設定される冷却量に係数として掛
けていくものである。具体的な計算制御方法は実施の形
態4と同様である。
て述べる。この実施の形態8では、仕上入側に設置され
ている仕上入側温度計を仕上第1スタンドの直後に設置
し、そこから計測されるFETを用いて、仕上入側でス
タンド間スプレーの冷却量を修正再計算し、高精度の制
御を実現し、かつ、圧延後、圧延材の先端から尾端にか
けて採取されたFDT実績と目標FDTとの比を学習係
数とし、それを新たに設定される冷却量に係数として掛
けていくものである。具体的な計算制御方法は実施の形
態4と同様である。
【0081】上記の様な制御方法で制御を行うと、実施
の形態7と比べてより信頼度の高いFETを計測するこ
とが可能になり、さらに学習機能を加えることによっ
て、高精度の仕上出側温度制御を行うことができる。
の形態7と比べてより信頼度の高いFETを計測するこ
とが可能になり、さらに学習機能を加えることによっ
て、高精度の仕上出側温度制御を行うことができる。
【0082】実施の形態9.実施の形態1〜8までは、
仕上げ入側温度(FET)の実績値から圧延速度やスタ
ンド間スプレー水量を制御するフィードフォワード制御
についての実施の形態について説明したが、次に仕上げ
出側温度(以下FDTと呼ぶ)の実績値から圧延速度を
制御するフィードバック制御についての実施の形態を説
明する。
仕上げ入側温度(FET)の実績値から圧延速度やスタ
ンド間スプレー水量を制御するフィードフォワード制御
についての実施の形態について説明したが、次に仕上げ
出側温度(以下FDTと呼ぶ)の実績値から圧延速度を
制御するフィードバック制御についての実施の形態を説
明する。
【0083】この実施の形態では従来ではFDTが目標
のFDTからずれて偏差が生じた場合には、その偏差量
の大きさを数段階に分けて各々の段階に応じて加速率を
段階的に変化させていたものを、影響係数を用いて連続
的に変化制御させることでより制御精度を細かくしたも
のである。
のFDTからずれて偏差が生じた場合には、その偏差量
の大きさを数段階に分けて各々の段階に応じて加速率を
段階的に変化させていたものを、影響係数を用いて連続
的に変化制御させることでより制御精度を細かくしたも
のである。
【0084】図6のフローチャートはこの制御方法を説
明するものである。以下この実施の形態について説明す
る。 (1)まず、FDT偏差に対する所要加速率aの変化率
の影響係数
明するものである。以下この実施の形態について説明す
る。 (1)まず、FDT偏差に対する所要加速率aの変化率
の影響係数
【0085】
【数3】
【0086】を予め計算しておく(U1)。この影響係
数を求める方法としては、仕上圧延機を通過する際の温
度降下量を算出する計算式と、仕上入側の空冷による温
度降下量の計算式の2つを合わせた仕上出側温度計算式
より、偏微分計算によって求めることができる。
数を求める方法としては、仕上圧延機を通過する際の温
度降下量を算出する計算式と、仕上入側の空冷による温
度降下量の計算式の2つを合わせた仕上出側温度計算式
より、偏微分計算によって求めることができる。
【0087】(2)次に圧延加速中のFDTの実績を計
測し(U2)、 (3)目標FDTからの偏差量ΔFDTを計算し(U
3)、 (4)偏差ΔFDTが生じた時は、下記の式(9.1)
に従ってΔFDTの量に応じた適切な加速率aの変化率
Δaを求める(U4)。
測し(U2)、 (3)目標FDTからの偏差量ΔFDTを計算し(U
3)、 (4)偏差ΔFDTが生じた時は、下記の式(9.1)
に従ってΔFDTの量に応じた適切な加速率aの変化率
Δaを求める(U4)。
【0088】
【数4】
【0089】(5)式(9.2)のように、現在の加速
率aに上記で求めたΔaを加えた修正加速率a’になる
ように圧延速度を制御する(U5)。 a’= a + Δa −−−−−−−−−−−−−−(9.2) (6)制御周期ごとに上記(9.1)と(9.2)の計
算処理を繰り返したフィードバック制御を行う。
率aに上記で求めたΔaを加えた修正加速率a’になる
ように圧延速度を制御する(U5)。 a’= a + Δa −−−−−−−−−−−−−−(9.2) (6)制御周期ごとに上記(9.1)と(9.2)の計
算処理を繰り返したフィードバック制御を行う。
【0090】以上のように、フィードバック制御をする
ことによって、FDT偏差が連続的に変化してもその偏
差量ΔFDTの大きさに合わせた適切な加速率変化量Δ
aを求めることができ、より制御精度が向上した仕上出
側温度制御を実現することができる。
ことによって、FDT偏差が連続的に変化してもその偏
差量ΔFDTの大きさに合わせた適切な加速率変化量Δ
aを求めることができ、より制御精度が向上した仕上出
側温度制御を実現することができる。
【0091】実施の形態10.上記実施の形態9では、
予め計算された影響係数
予め計算された影響係数
【0092】
【数5】
【0093】を用いた適切な加速率aの変化率Δaを制
御周期ごとに計算して圧延速度を制御する方法について
説明した。ここでは影響係数
御周期ごとに計算して圧延速度を制御する方法について
説明した。ここでは影響係数
【0094】
【数6】
【0095】は一定であり、各制御周期において同一の
値である。従って、もし影響係数
値である。従って、もし影響係数
【0096】
【数7】
【0097】の予測計算値と実績値との間に誤差が生じ
た場合には、予測計算値の影響係数を用いた修正加速率
の算出値も誤差を含むことになり、正確な修正値から外
れることになる。
た場合には、予測計算値の影響係数を用いた修正加速率
の算出値も誤差を含むことになり、正確な修正値から外
れることになる。
【0098】そこで、修正加速率の計算式において、影
響係数に加えてチューニング率を乗ずる形式として、F
DT制御精度の実績に応じてチューニング率を自動で調
整することによって制御精度を高める構成にする例が考
えられる。
響係数に加えてチューニング率を乗ずる形式として、F
DT制御精度の実績に応じてチューニング率を自動で調
整することによって制御精度を高める構成にする例が考
えられる。
【0099】図7はこの実施の形態の動作のフローを説
明するものである。なお、このフローチャートのV1〜
V5は、実施の形態9の図6のU1〜U5と同一である
ので異なるところを中心に説明する。
明するものである。なお、このフローチャートのV1〜
V5は、実施の形態9の図6のU1〜U5と同一である
ので異なるところを中心に説明する。
【0100】(1)前記実施の形態9の(9.1)式で
表せる加速率aの変化率Δaの算出式を以下の式(1
0.1)ようにする(V1)。
表せる加速率aの変化率Δaの算出式を以下の式(1
0.1)ようにする(V1)。
【0101】
【数8】
【0102】ここで、αはチューニング率であり、α=
1.0の時は影響係数
1.0の時は影響係数
【0103】
【数9】
【0104】を補正していないことに対応する。
【0105】(2)まず、チューニング率の初期値を
1.0とし、1本の圧延鋼板に対してこの初期値のチュ
ーニング率にて制御を行う。 (3)また、制御を行うと同時に仕上出側温度実績値も
収集する(V2)。 (4)この圧延鋼板1本全体の制御が終了したら(V2
〜V5)、 (5)この圧延鋼板に対する温度実績より仕上出側温度
精度を算出する(例えば、鋼板全長に渡る仕上出側目標
温度からの標準偏差値など)(V6)。
1.0とし、1本の圧延鋼板に対してこの初期値のチュ
ーニング率にて制御を行う。 (3)また、制御を行うと同時に仕上出側温度実績値も
収集する(V2)。 (4)この圧延鋼板1本全体の制御が終了したら(V2
〜V5)、 (5)この圧延鋼板に対する温度実績より仕上出側温度
精度を算出する(例えば、鋼板全長に渡る仕上出側目標
温度からの標準偏差値など)(V6)。
【0106】(6)次にこの仕上出側温度精度よりチュ
ーニング率を調整する(V7)。仕上出側温度精度が悪
化した場合には、チューニング率を下げて次の圧延鋼板
の制御に使用する。また逆に仕上出側温度精度が良化し
た場合は、チューニング率を上げて次の圧延鋼板の制御
に使用する。
ーニング率を調整する(V7)。仕上出側温度精度が悪
化した場合には、チューニング率を下げて次の圧延鋼板
の制御に使用する。また逆に仕上出側温度精度が良化し
た場合は、チューニング率を上げて次の圧延鋼板の制御
に使用する。
【0107】こうしてチューニング率を自動で調整する
ことにより、常に最適なチューニング率にて制御するこ
とができる。
ことにより、常に最適なチューニング率にて制御するこ
とができる。
【0108】実施の形態11.上記実施の形態9では、
FDT偏差に応じて圧延速度を変化させるフィードバッ
ク制御について説明したが、これをFDT偏差に応じて
スタンド間スプレー水量を変化させる方法にすることも
できる。
FDT偏差に応じて圧延速度を変化させるフィードバッ
ク制御について説明したが、これをFDT偏差に応じて
スタンド間スプレー水量を変化させる方法にすることも
できる。
【0109】図8はこの制御方法を説明するものであ
る。以下この実施の形態について説明する。 (1)まず、FDT偏差に対する所要スタンド間スプレ
ー水量Qの変化率の影響係数
る。以下この実施の形態について説明する。 (1)まず、FDT偏差に対する所要スタンド間スプレ
ー水量Qの変化率の影響係数
【0110】
【数10】
【0111】を予め計算しておく(W1)。この影響係
数を求める方法としては、仕上圧延機を通過する際のス
タンド間スプレー水冷による温度降下量を算出する計算
式より、偏微分計算によって求めることができる。
数を求める方法としては、仕上圧延機を通過する際のス
タンド間スプレー水冷による温度降下量を算出する計算
式より、偏微分計算によって求めることができる。
【0112】(2)次に圧延加速中のFDTの実績を計
測し(W2)、 (3)目標FDTからの偏差量ΔFDTを計算し(W
3)、 (4)目標FDTからの偏差ΔFDTが生じた時は、下
記の式(11.1)に従ってΔFDTの量に応じた適切
なスタンド間スプレー水量Qの変化率ΔQを求める(W
4)。
測し(W2)、 (3)目標FDTからの偏差量ΔFDTを計算し(W
3)、 (4)目標FDTからの偏差ΔFDTが生じた時は、下
記の式(11.1)に従ってΔFDTの量に応じた適切
なスタンド間スプレー水量Qの変化率ΔQを求める(W
4)。
【0113】
【数11】
【0114】(5)式(11.2)のように、現在のス
タンド間スプレー水量Qに上記で求めたΔQを加えた修
正水量Q’になるようにスプレー水量を制御する。 Q’= Q + ΔQ ………………………………………………(11. 2)
タンド間スプレー水量Qに上記で求めたΔQを加えた修
正水量Q’になるようにスプレー水量を制御する。 Q’= Q + ΔQ ………………………………………………(11. 2)
【0115】(6)制御周期ごとに上記(11.1)と
(11.2)の計算処理を繰り返したフィードバック制
御を行う。
(11.2)の計算処理を繰り返したフィードバック制
御を行う。
【0116】以上のようなフィードバック制御をするこ
とによって、FDT偏差が連続的に変化してもその偏差
量ΔFDTの大きさに合わせた適切なスタンド間スプレ
ー水量変化量ΔQを求めることができ、より制御精度が
向上した仕上出側温度制御を実現することができる。
とによって、FDT偏差が連続的に変化してもその偏差
量ΔFDTの大きさに合わせた適切なスタンド間スプレ
ー水量変化量ΔQを求めることができ、より制御精度が
向上した仕上出側温度制御を実現することができる。
【0117】実施の形態12.上記実施の形態11で
は、予め計算された影響係数
は、予め計算された影響係数
【0118】
【数12】
【0119】を用いた適切なスタンド間スプレー水量Q
の変化率ΔQを制御周期ごとに計算して圧延速度を制御
する方法について説明した。
の変化率ΔQを制御周期ごとに計算して圧延速度を制御
する方法について説明した。
【0120】ここでは影響係数
【0121】
【数13】
【0122】は一定であり、各制御周期において同一の
値である。
値である。
【0123】従って、もし影響係数
【0124】
【数14】
【0125】の予測計算値と実績値との間に誤差が生じ
た場合には、予測計算値の影響係数を用いた修正加速率
の算出値も誤差を含むことになり、正確な修正値から外
れることになる。
た場合には、予測計算値の影響係数を用いた修正加速率
の算出値も誤差を含むことになり、正確な修正値から外
れることになる。
【0126】そこで、修正スプレー水量の計算式におい
て、影響係数に加えてチューニング率を乗ずる形式とし
て、FDT制御精度の実績に応じてチューニング率を自
動で調整することによって制御精度を高める構成にする
例が考えられる。
て、影響係数に加えてチューニング率を乗ずる形式とし
て、FDT制御精度の実績に応じてチューニング率を自
動で調整することによって制御精度を高める構成にする
例が考えられる。
【0127】図9はこの実施の形態を説明するものであ
る。なお、このフローチャートのX1〜X5は、実施の
形態10の図8のW1〜W5と同一であるので異なると
ころを中心に説明する。
る。なお、このフローチャートのX1〜X5は、実施の
形態10の図8のW1〜W5と同一であるので異なると
ころを中心に説明する。
【0128】(1)前記実施の形態11の(11.1)
式で表せるスプレー水量Qの変化率ΔQの算出式を以下
の式(12.1)のようにする。
式で表せるスプレー水量Qの変化率ΔQの算出式を以下
の式(12.1)のようにする。
【0129】
【数15】
【0130】ここで、αはチューニング率であり、α=
1.0の時は影響係数
1.0の時は影響係数
【0131】
【数16】
【0132】を補正していないことに対応する(X
1)。
1)。
【0133】(2)まず、チューニング率の初期値を
1.0とし、1本の圧延鋼板に対してこの初期値のチュ
ーニング率にて制御を行う。 (3)また、制御を行うと同時に仕上出側温度実績値も
収集する(X2)。 (4)この圧延鋼板1本全体の制御が終了したら(X2
〜X5)、 (5)この圧延鋼板に対する温度実績より仕上出側温度
精度を算出する(例えば、鋼板全長に渡る仕上出側目標
温度からの標準偏差値など)(X6)。
1.0とし、1本の圧延鋼板に対してこの初期値のチュ
ーニング率にて制御を行う。 (3)また、制御を行うと同時に仕上出側温度実績値も
収集する(X2)。 (4)この圧延鋼板1本全体の制御が終了したら(X2
〜X5)、 (5)この圧延鋼板に対する温度実績より仕上出側温度
精度を算出する(例えば、鋼板全長に渡る仕上出側目標
温度からの標準偏差値など)(X6)。
【0134】(5)次にこの仕上出側温度精度よりチュ
ーニング率を調整する(X7)。仕上出側温度精度が悪
化した場合には、チューニング率を下げて次の圧延鋼板
の制御に使用する。また逆に仕上出側温度精度が良化し
た場合は、チューニング率を上げて次の圧延鋼板の制御
に使用する。
ーニング率を調整する(X7)。仕上出側温度精度が悪
化した場合には、チューニング率を下げて次の圧延鋼板
の制御に使用する。また逆に仕上出側温度精度が良化し
た場合は、チューニング率を上げて次の圧延鋼板の制御
に使用する。
【0135】こうしてチューニング率を自動で調整する
ことにより、常に最適なチューニング率にて制御するこ
とができる。
ことにより、常に最適なチューニング率にて制御するこ
とができる。
【0136】実施の形態13.実施の形態9〜12で
は、仕上出側温度実績の偏差より、圧延速度あるいはス
タンド間スプレー水量のどちらかを制御するフィードバ
ック制御について説明したが、この両者を使い分けて併
用することによりより高精度の制御にすることができ
る。
は、仕上出側温度実績の偏差より、圧延速度あるいはス
タンド間スプレー水量のどちらかを制御するフィードバ
ック制御について説明したが、この両者を使い分けて併
用することによりより高精度の制御にすることができ
る。
【0137】まず、スタンド間スプレー水量変化による
制御方法では、空冷よりも水冷のほうが温度冷却の効果
は大きく、現在、設備機械上の制約より、スタンド間ス
プレー水量を変化させる場合、スタンド間単位にてスプ
レーのオンオフ切り替えにて変化させるのが一般的であ
り、この場合、水量調節が離散的にしか行えず、従って
水冷温度降下量も段階状に離散的に制御するしかできな
い。
制御方法では、空冷よりも水冷のほうが温度冷却の効果
は大きく、現在、設備機械上の制約より、スタンド間ス
プレー水量を変化させる場合、スタンド間単位にてスプ
レーのオンオフ切り替えにて変化させるのが一般的であ
り、この場合、水量調節が離散的にしか行えず、従って
水冷温度降下量も段階状に離散的に制御するしかできな
い。
【0138】一方、圧延速度変化による制御方法では、
圧延速度は連続的に変化させることができ、連続的な制
御が可能である。
圧延速度は連続的に変化させることができ、連続的な制
御が可能である。
【0139】(1)まず、FDT偏差に対する所要加速
率aの変化率の影響係数
率aの変化率の影響係数
【0140】
【数17】
【0141】と、FDT偏差に対する所要スタンド間ス
プレー水量Qの変化率の影響係数
プレー水量Qの変化率の影響係数
【0142】
【数18】
【0143】とを予め計算しておく。
【0144】(2)次に圧延加速中においてFDTに偏
差ΔFDTが生じた時は、下記の式(13.1)に従っ
てΔFDTの量に応じた適切なスタンド間スプレー水量
Qの変化率ΔQを求める。
差ΔFDTが生じた時は、下記の式(13.1)に従っ
てΔFDTの量に応じた適切なスタンド間スプレー水量
Qの変化率ΔQを求める。
【0145】
【数19】
【0146】(3)式(13.2)のように、現在のス
タンド間スプレーオンオフパターンでの水量Qに上記で
求めたΔQを加えた修正水量Q’に一番近いオンオフパ
ターンを決定する。 Q’= Q + ΔQ ……………………………………………(13.2 )
タンド間スプレーオンオフパターンでの水量Qに上記で
求めたΔQを加えた修正水量Q’に一番近いオンオフパ
ターンを決定する。 Q’= Q + ΔQ ……………………………………………(13.2 )
【0147】(4)上記の修正前のスプレーオンオフパ
ターンを、修正後のオンオフパターンに変化させること
で得られるFDT是正量をΔFDT’とし、もともとの
FDT偏差ΔFDTより、下記の式によりスプレーオン
オフパターン変化では是正されきれない補正量ΔFD
T’’を下記の式(13.3)で算出する。 ΔFDT’’= ΔFDT − ΔFDT’…………………………(13. 3)
ターンを、修正後のオンオフパターンに変化させること
で得られるFDT是正量をΔFDT’とし、もともとの
FDT偏差ΔFDTより、下記の式によりスプレーオン
オフパターン変化では是正されきれない補正量ΔFD
T’’を下記の式(13.3)で算出する。 ΔFDT’’= ΔFDT − ΔFDT’…………………………(13. 3)
【0148】(5)次に、この補正量ΔFDT’’を是
正するのに必要となる加速率aの変化率Δaを以下の算
出式(13.4)より求める。
正するのに必要となる加速率aの変化率Δaを以下の算
出式(13.4)より求める。
【0149】
【数20】
【0150】(6)以上で求めたスプレーオンオフ修正
パターンと、修正加速率によって制御を行う。
パターンと、修正加速率によって制御を行う。
【0151】こうして、スプレー水量の変化に圧延速度
の変化を補正的に加えるような制御で使い分けることに
より、よりきめの細かい制御を行うことができる。
の変化を補正的に加えるような制御で使い分けることに
より、よりきめの細かい制御を行うことができる。
【0152】実施の形態14.この実施の形態では、熱
延鋼板の生産性をできる限り高くなるようなスタンド間
スプレー制御と圧延速度制御との併用による仕上出側温
度制御について説明する。
延鋼板の生産性をできる限り高くなるようなスタンド間
スプレー制御と圧延速度制御との併用による仕上出側温
度制御について説明する。
【0153】図10はこの制御方法を説明するものであ
る。 (1)まず仕上圧延出側温度を計測し、これを実績仕上
出側温度とする。 (2)この実績仕上出側温度が目標仕上出側温度の公差
下限より低くなった場合には、実施の形態9〜10によ
る圧延速度変更方法により加速率を大きくすることで、
仕上出側温度を目標仕上出側温度まで上げるようにす
る。
る。 (1)まず仕上圧延出側温度を計測し、これを実績仕上
出側温度とする。 (2)この実績仕上出側温度が目標仕上出側温度の公差
下限より低くなった場合には、実施の形態9〜10によ
る圧延速度変更方法により加速率を大きくすることで、
仕上出側温度を目標仕上出側温度まで上げるようにす
る。
【0154】(3)一方、実績仕上出側温度が目標仕上
出側温度の公差上限より高くなった場合は、実施の形態
11〜12による水量変更方法により水量を大きくする
ことで、仕上出側温度を目標仕上出側温度まで下げるよ
うにする。
出側温度の公差上限より高くなった場合は、実施の形態
11〜12による水量変更方法により水量を大きくする
ことで、仕上出側温度を目標仕上出側温度まで下げるよ
うにする。
【0155】このように、圧延加速中において目標仕上
出側温度を制御する方法を上記のように温度下降時は加
速率の方を上昇させ、一方、温度上昇時はスプレー水量
の方を増加させるような組み合わせ方法で行うことによ
り、加速率を減少させることなく、最高速度になるまで
の時間を最短にすることができ、生産性を優先した制御
を行うことができる。
出側温度を制御する方法を上記のように温度下降時は加
速率の方を上昇させ、一方、温度上昇時はスプレー水量
の方を増加させるような組み合わせ方法で行うことによ
り、加速率を減少させることなく、最高速度になるまで
の時間を最短にすることができ、生産性を優先した制御
を行うことができる。
【0156】実施の形態15.上記実施の形態1〜14
では、仕上温度制御の方法を説明したが、これらの方法
を適用した仕上温度制御装置を構成することができる。
では、仕上温度制御の方法を説明したが、これらの方法
を適用した仕上温度制御装置を構成することができる。
【0157】
(1)以上のようにこの発明によれば、実績入側温度と
目標入側温度との偏差に応じて圧延速度またはスプレー
冷却量を変化してフィードフォワード制御をするように
したので、出側温度を精度良く制御できる。
目標入側温度との偏差に応じて圧延速度またはスプレー
冷却量を変化してフィードフォワード制御をするように
したので、出側温度を精度良く制御できる。
【0158】(2)また、出側温度の偏差と影響係数と
の乗算結果に応じて圧延速度または/およびスプレー水
量を変化してフィードバック制御をするようにしたの
で、出側温度を精度良く制御できる。
の乗算結果に応じて圧延速度または/およびスプレー水
量を変化してフィードバック制御をするようにしたの
で、出側温度を精度良く制御できる。
【図1】 この発明の実施の形態1における仕上圧延機
設備の構成図である。
設備の構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における制御方法の
フローチャートである。
フローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態2および実施の形態3
における仕上圧延機の圧延材の速度変化と仕上出側温度
の変化を示す図である。
における仕上圧延機の圧延材の速度変化と仕上出側温度
の変化を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態3における制御方法の
フローチャートである。
フローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態3における仕上圧延機
設備の構成図である。
設備の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態9における制御方法の
フローチャートである。
フローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態10における制御方法
のフローチャートである。
のフローチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態11における制御方法
のフローチャートである。
のフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態12における制御方法
のフローチャートである。
のフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態14における制御方
法を示す説明図である。
法を示す説明図である。
【図11】 従来の熱間圧延における仕上圧延機の構成
図である。
図である。
1 仕上圧延機 2 仕上入側温度
計 3 仕上出側温度計 4 スタンド間ス
プレー 5 仕上出側温度計 6 仕上入側温度
計 7 仕上最終スタンド 8 スタンド間ス
プレー 9 速度コントローラー 10 温度コントロ
ーラー 11 熱延鋼板
計 3 仕上出側温度計 4 スタンド間ス
プレー 5 仕上出側温度計 6 仕上入側温度
計 7 仕上最終スタンド 8 スタンド間ス
プレー 9 速度コントローラー 10 温度コントロ
ーラー 11 熱延鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹本 健一郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内
Claims (13)
- 【請求項1】 連続する複数の圧延スタンドとこの圧延
スタンド間に冷却水放出用のスプレーを有する熱間圧延
機の出側温度制御方法において、圧延材の入側温度と目
標入側温度との差に応じて圧延速度を変化し上記圧延材
の出側温度を許容範囲内に制御するようにした熱間圧延
機の出側温度制御方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の熱間圧延機の出側温度
制御方法において、圧延材の出側温度と目標出側温度と
を比較し、この比較結果に応じて次の圧延材の圧延速度
を修正するようにした熱間圧延機の出側温度制御方法。 - 【請求項3】 連続する複数の圧延スタンドとこの圧延
スタンド間に冷却水放出用のスプレーを有する熱間圧延
機の出側温度制御方法において、圧延材の入側温度と目
標入側温度との差に応じて上記スプレーによる冷却量を
変化し上記圧延材の出側温度を許容範囲内に制御するよ
うにした熱間圧延機の出側温度制御方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載の熱間圧延機の出側温度
制御方法において、圧延材の出側温度と目標出側温度と
を比較し、この比較結果に応じて次の圧延材の冷却水放
出用のスプレーによる冷却量を修正するようにした熱間
圧延機の出側温度制御方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱
間圧延機の出側温度制御方法において、入側温度は入側
に近い圧延スタンド間の温度を入側温度とするようにし
た熱間圧延機の出側温度制御方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱
間圧延機の出側温度制御方法において、圧延速度変化に
よる制御またはスプレーでの冷却量変化による制御は、
圧延材の入側温度が所定の許容範囲を外れた場合、実行
するようにした熱間圧延機の出側温度制御方法。 - 【請求項7】 連続する複数の圧延スタンドとこの圧延
スタンド間に冷却水放出用のスプレーを有する熱間圧延
機の出側温度制御方法において、予め出側温度変化量に
対する圧延速度の加速率変化量を第1の影響係数として
求めておき、圧延材の出側温度と目標出側温度との偏差
と上記第1の影響係数とを乗じて得られる所要加速率変
化量に応じて圧延速度を変化し上記出側温度を許容範囲
内に制御するようにした熱間圧延機の出側温度制御方
法。 - 【請求項8】 請求項7に記載の熱間圧延機の出側温度
制御方法において、所要加速率変化量に更に所定のチュ
ーニング率を乗じた乗算結果に応じて圧延速度を変化し
圧延材の出側温度を許容範囲内に制御すると共に、この
制御による出側温度の実績精度に応じて上記チューニン
グ率を調整するようにした熱間圧延機の出側温度制御方
法。 - 【請求項9】 連続する複数の圧延スタンドとこの圧延
スタンド間に冷却水放出用のスプレーを有する熱間圧延
機の出側温度制御方法において、予め出側温度変化量に
対するスプレー水量変化量を第2の影響係数として求め
ておき、圧延材の出側温度と目標出側温度との偏差と上
記第2の影響係数とを乗じて得られる所要水量変化量に
応じてスプレー水量を変化し上記出側温度を許容範囲内
に制御するようにした熱間圧延機の出側温度制御方法。 - 【請求項10】 請求項9に記載の熱間圧延機の出側温
度制御方法において、所要水量変化量に更に所定のチュ
ーニング率を乗じた乗算結果に応じてスプレー水量を変
化し圧延材の出側温度を許容範囲内に制御すると共に、
この制御による出側温度の実績精度に応じて上記チュー
ニング率を調整するようにした熱間圧延機の出側温度制
御方法。 - 【請求項11】 請求項9または請求項10に記載の熱
間圧延機の出側温度制御方法によりスプレー冷却量の段
階的変化による制御を行うと共に、上記各段階間の制御
を請求項7または請求項8に記載の熱間圧延機の出側温
度制御方法により圧延速度を変化させて制御するように
した熱間圧延機の出側温度制御方法。 - 【請求項12】 圧延材の出側温度が目標出側温度より
も高い場合、または、上記出側温度が所定の許容範囲上
限を超える場合は、請求項9または請求項10に記載の
熱間圧延機の出側温度制御方法を用いてスプレー冷却量
の変化により制御を行い、上記圧延材の出側温度が目標
出側温度よりも低い場合、または、上記出側温度が所定
の許容範囲下限より低い場合は、請求項7または請求項
8の熱間圧延機の出側温度制御方法を用いて圧延速度変
化により制御を行うようにした熱間圧延機の出側温度制
御方法。 - 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか一項記載の
熱間圧延機の出側温度制御方法を用いた熱間圧延機の出
側温度制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9082907A JPH10277627A (ja) | 1997-04-01 | 1997-04-01 | 熱間圧延機の出側温度制御方法およびその制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9082907A JPH10277627A (ja) | 1997-04-01 | 1997-04-01 | 熱間圧延機の出側温度制御方法およびその制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10277627A true JPH10277627A (ja) | 1998-10-20 |
Family
ID=13787334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9082907A Pending JPH10277627A (ja) | 1997-04-01 | 1997-04-01 | 熱間圧延機の出側温度制御方法およびその制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10277627A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008221282A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱延鋼板の製造装置及び製造方法 |
JP2011073058A (ja) * | 2009-09-02 | 2011-04-14 | Hitachi Ltd | 熱間仕上げ圧延機出側温度制御装置および制御方法 |
JP2012040593A (ja) * | 2010-08-20 | 2012-03-01 | Jfe Steel Corp | 熱間圧延における仕上温度制御装置 |
JP2012170963A (ja) * | 2011-02-18 | 2012-09-10 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 熱間圧延ラインの制御装置 |
JP2014059345A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 板バネの製造方法 |
CN105522003A (zh) * | 2014-09-30 | 2016-04-27 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 低成本热轧带钢分段冷却控制方法 |
KR20190005202A (ko) | 2016-08-09 | 2019-01-15 | 도시바 미쓰비시덴키 산교시스템 가부시키가이샤 | 압연기의 출측 온도 제어 시스템 |
JP2021178349A (ja) * | 2020-05-14 | 2021-11-18 | Jfeスチール株式会社 | 圧延材の冷却制御方法及び冷却制御装置 |
-
1997
- 1997-04-01 JP JP9082907A patent/JPH10277627A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008221282A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱延鋼板の製造装置及び製造方法 |
JP2011073058A (ja) * | 2009-09-02 | 2011-04-14 | Hitachi Ltd | 熱間仕上げ圧延機出側温度制御装置および制御方法 |
JP2012040593A (ja) * | 2010-08-20 | 2012-03-01 | Jfe Steel Corp | 熱間圧延における仕上温度制御装置 |
JP2012170963A (ja) * | 2011-02-18 | 2012-09-10 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 熱間圧延ラインの制御装置 |
JP2014059345A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 板バネの製造方法 |
CN105522003A (zh) * | 2014-09-30 | 2016-04-27 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 低成本热轧带钢分段冷却控制方法 |
KR20190005202A (ko) | 2016-08-09 | 2019-01-15 | 도시바 미쓰비시덴키 산교시스템 가부시키가이샤 | 압연기의 출측 온도 제어 시스템 |
JPWO2018029768A1 (ja) * | 2016-08-09 | 2019-03-14 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 圧延機の出側温度制御システム |
US11033942B2 (en) | 2016-08-09 | 2021-06-15 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial Systems Corporation | Rolling mill exit side temperature control system |
JP2021178349A (ja) * | 2020-05-14 | 2021-11-18 | Jfeスチール株式会社 | 圧延材の冷却制御方法及び冷却制御装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6225609B1 (en) | Coiling temperature control method and system | |
JPS6121729B2 (ja) | ||
JP2783124B2 (ja) | 熱延鋼材の温度制御方法 | |
JPH10277627A (ja) | 熱間圧延機の出側温度制御方法およびその制御装置 | |
US6220067B1 (en) | Rolled material temperature control method and rolled material temperature control equipment of delivery side of rolling mill | |
JP2961464B2 (ja) | 棒鋼・線材の水冷制御方法 | |
JP2003039109A (ja) | 巻取温度制御装置 | |
JP5861436B2 (ja) | 熱間仕上温度制御方法、熱間仕上温度制御装置、及び熱延金属板の製造方法 | |
KR100563260B1 (ko) | 수냉 필요량 재계산에 의해서 설정온도를 보정하는냉각제어방법 | |
KR100568358B1 (ko) | 권취목표온도 변경을 통한 열연강판의 냉각제어방법 | |
JPH11267730A (ja) | 熱延鋼板の温度制御装置及びその方法 | |
JPH08252625A (ja) | 熱間圧延巻取温度制御方法 | |
JP3290840B2 (ja) | 走間板厚変更時のパススケジュール決定方法 | |
JP3520868B2 (ja) | 鋼板の製造方法 | |
JP3109067B2 (ja) | 熱間連続圧延における板幅制御方法 | |
JP3450108B2 (ja) | 熱延板材の冷却制御装置 | |
JP3329297B2 (ja) | 熱間圧延方法 | |
JP2004331992A (ja) | 熱間圧延における金属板の温度予測方法および冷却方法 | |
JP2803573B2 (ja) | テーパー鋼板の製造方法 | |
JP3403330B2 (ja) | 熱間圧延における板幅制御方法 | |
JPH105845A (ja) | 熱延鋼板の温度制御方法 | |
JPH08252624A (ja) | 熱間連続圧延における仕上温度制御方法 | |
JP3636029B2 (ja) | 金属板の圧延設備および圧延方法 | |
JP3516726B2 (ja) | 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法 | |
JP2002011502A (ja) | 熱延鋼板の製造方法および製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040330 |