JPH09176533A - インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents
インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法Info
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- JPH09176533A JPH09176533A JP26496396A JP26496396A JPH09176533A JP H09176533 A JPH09176533 A JP H09176533A JP 26496396 A JP26496396 A JP 26496396A JP 26496396 A JP26496396 A JP 26496396A JP H09176533 A JPH09176533 A JP H09176533A
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Abstract
に物性や吐出特性の変化がなく、固形分の析出もなく、
また再分散性も優れている、インクジェット記録用イン
ク組成物及び記録方法を提供する。 【解決手段】 組成物は、顔料と、樹脂分散剤と、熱可
塑性樹脂エマルジョンと、水とを含有し、前記顔料と前
記樹脂分散剤との重量比が20:1〜5:2である。記
録方法は、前記組成物の液滴を、インクジェット記録ヘ
ッドから吐出して記録媒体に付着させ、その付着と同時
に、記録媒体支持体から記録媒体を介してインク組成物
液滴に熱を加えて定着を行う。
Description
録用インク組成物及びインクジェット記録方法に関す
る。すなわち、インクジェット記録ヘッドからインク滴
を吐出させ、記録媒体、例えば、記録紙、又は木綿、若
しくは絹繊維等の記録媒体上にインク像を得るインクジ
ェットプリンタ用のインク組成物に関し、更に詳しくは
カラーインクジェットプリンタ用インク組成物、及びそ
のインク組成物を用いるインクジェット記録方法に関す
る。
は、一般的に次のような特性が要求される。
こと;及び(2)保存中に、物性や吐出特性が変化せ
ず、固形分の析出がないこと。
の印字において重要となる。カラー印字の場合、多色の
インク組成物を同一記録媒体上に印字する。色むらの無
いカラー印字を得るためには、画像中の色の境界は明確
である必要がある。そのためには、この領域でのインク
組成物の混じり合いは防止しなければならない。
で、種々の提案がなされている。例えば、特開昭58−
188684号及び特開昭62−288042号各公報
には、記録媒体を加熱しながら印字する方法が開示され
ている。しかし、これらの各公報には熱可塑性樹脂を含
んだインク組成物の使用は開示されていない。
ると共に、耐光性及び耐候性等の向上を目的として、顔
料系のインク組成物も研究開発されつつある。例えば、
特開平6−116522号公報には、水溶性樹脂、水溶
性溶剤、顔料、及び水をベースとして特定の添加物を添
加するインク組成物が示されている。しかし、前記の公
報に示されるインク組成物は、インク吐出ヘッドで目詰
まりを発生するという問題点を有することから、加熱さ
れた記録媒体にインク組成物が到達すると同時に定着を
行うタイプの記録方法には使用することができない。更
に、特公昭62−1426号、特開平2−255875
号、及び特開平4−18462号各公報には、インク組
成物の構成成分として、水と顔料と樹脂エマルジョンと
を含有することで、耐水性及び耐光性の問題を解決する
とともに、従来の染料系インクの問題点であった文字の
にじみ等を解決するインクが報告されている。
媒体にインクジェット記録方法によって付着させ、その
記録媒体を特定温度以上で加熱すると、印字の滲みを良
好に抑制することができる。この記録方法で用いるイン
ク組成物においても、保存中に物性値の変化や吐出特性
の変化がなく、固形分の析出がないことが望まれること
は当然である。また、この記録方法では熱を使うことか
ら、ノズルプレート上でインク組成物が乾燥固化するこ
とがある。
ク組成物であって、固形分を多く含む場合には、そのこ
とに起因する主な問題点として以下の2点がある。
クタンクからインク吐出ヘッドまでのインク流路内で何
らかのアクシデントによりインク組成物が固化する場合
があり、その固化により記録ヘッドで目詰まりを引き起
こすことがある。
列したプレート上でインク組成物が付着乾燥した場合、
記録装置のクリーニング動作で速やかに除去することが
できないと、印字中に、インク組成物の吐出不良(飛行
曲がり)を引き起こすことがある。
熱可塑性樹脂とを含んだインク組成物を記録媒体にイン
クジェット記録方法によって付着させ、その記録媒体を
特定温度以上で加熱する方式で好適に用いることのでき
るインク組成物の開発を更に進めた結果、顔料とその顔
料用の分散剤との比率を特定の範囲内に設定することに
より、印字の滲みが抑制され、長期間保存しても物性値
の変化や吐出特性の変化がなく、固形分が析出しないイ
ンク特性を維持しながら、しかも再分散性に優れたイン
ク組成物を得ることができることを見い出した。
樹脂とを含み、記録媒体を特定温度以上で加熱する方式
で好適に用いることができ、印字の滲みが抑制されるイ
ンク組成物を提供することにある。
物性値の変化や吐出特性の変化がなく、固形分が析出し
ないインク組成物を提供することにある。
が記録媒体上で特定温度以上で加熱され定着されるまで
の間に、インク流路内や記録ヘッドのノズルを配列した
プレート上で乾燥等で固まった固形物が、新たなインク
組成物と接触することで速やかに再分散することのでき
るインクジェット記録用インク組成物を提供することで
ある。
分散剤と、熱可塑性樹脂エマルジョンと、水とを含有
し、前記顔料と前記樹脂分散剤との重量比が20:1〜
5:2である、インクジェット記録用インク組成物に関
する。
滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出して記録媒体
に付着させ、その付着と同時に、記録媒体支持体(例え
ば、プラテン)から記録媒体を介してインク組成物液滴
に熱を加えて定着を行うことを含む、インクジェット記
録方法にも関する。
ンク組成物は、少なくとも顔料と、樹脂分散剤と、熱可
塑性樹脂エマルジョンと、水とを必須成分として含有す
る。
して、有機顔料又は無機顔料、例えば、インクジェット
記録用インク組成物において従来から使用されている有
機顔料又は無機顔料を用いることができる。無機顔料と
しては、酸化チタン及び酸化鉄や、コンタクト法、ファ
ーネスト法、又はサーマル法などの公知の方法によって
製造されたカーボンブラックを利用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料(例えば、アゾレー
キ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、又はキレートアゾ
顔料)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペ
リレン顔料、ベリノン顔料、アントラキノン顔料、キナ
クリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、
イソインドリノン顔料、又はキノフタロン顔料)、染料
キレート(例えば、塩基性染料型キレート、又は酸性染
料型キレート)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、又はアニ
リンブラックなどを利用することができる。これらの顔
料の内、水と親和性のよい顔料を用いるのが好ましい。
て、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、ア
セチレンブラック、若しくはチャンネルブラック等のカ
ーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、
又は銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック
11)、若しくは酸化チタン等の金属類、アニリンブラ
ック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料を
挙げることができる。
I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、
3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、1
7、23、24、34、35、37、42(黄色酸化
鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローH
R)、95、97、98、100、101、104、1
08、109、110、117、120、138、15
3;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、
22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、
31、38、48:2(パーマネントレッド2B(B
a))、48:2(パーマネントレッド2B (C
a))、48:3(パーマネントレッド2B(S
r))、48:4(パーマネントレッド2B(M
n))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブ
リリアントカーミン6B)、60:1、63:1、6
3:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、8
3、88、92、101(べんがら)、104、10
5、106、108(カドミウムレッド)、112、1
14、122(キナクリドンマゼンタ)、123、14
6、149、166、168、170、172、17
7、178、179、185、190、193、20
9、219;又はC.I.ピグメントブルー1、2、1
5(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、
15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、1
5:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、
56、60、63;等を使用することができる。前記の
顔料を1種類で用いるか、又は2種以上を適宜組合せて
用いることができる。本発明のインク組成物では、顔料
を使用するので、染料を用いるインク組成物において見
られる保存中の染料の分解等によるインク組成物物性の
劣化や、これに起因する吐出特性の変化及び吐出ノズル
の目詰まり等が発生しない。
対して、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましく
は0.5〜5重量%である。含有量を0.1重量%以上
にすることにより、充分な印字濃度を確保することがで
き、含有量を10重量%以下にすることにより、インク
の粘度特性に構造粘性を生じさせずに、一層充分な吐出
安定性を確保することができる。また、0.5〜5重量
%とすることにより、特に吐出安定性の耐久性を向上さ
せることができる。
ものではないが、粒経(平均粒子径)は、好ましくは2
5μm以下、より好ましくは1μm以下である。粒径が
25μm以下の顔料を用いることにより、目詰まりの発
生を抑制することができ、一層充分な吐出安定性を実現
することができる。
インク組成物内で微粒子状で分散安定化させることので
きる樹脂分散剤を含有する。使用することのできる樹脂
分散剤としては、例えば、親水性部分と疎水性部分とを
分子中に有する共重合体樹脂、具体的には、アクリル酸
系分散剤、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、ス
チレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、ス
チレン−メタクリル酸共重合体、又はスチレン−メタク
リル酸−アクリル酸エステル共重合体、マレイン酸系分
散剤、例えば、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリ
ル酸エステル−マレイン酸共重合体、又はスチレン−ア
クリル酸エステル−マレイン酸共重合体、スルホン酸系
分散剤、例えば、アクリル酸エステル−スチレンスルホ
ン酸共重合体、スチレン−メタクリルスルホン酸共重合
体、又はアクリル酸エステル−アリルスルホン酸共重合
体、あるいはこれらの塩を挙げることができる。重量平
均分子量(以下、単に分子量と称す)が1600〜25
000で、酸価が100〜250の共重合体樹脂、特に
スチレンアクリル酸共重合体樹脂を用いるのが好まし
い。分子量が1600〜25000で、しかも酸価の値
が100〜250の範囲以外の共重合体樹脂、特にスチ
レンアクリル酸共重合体樹脂を使用すると、インク組成
物の長期放置により、インク組成物中に顔料の凝集物が
発生することがある等、インク組成物の放置安定性を確
保することができないという問題が起こる場合がある。
(例えば、塊状重合や溶液重合)によって調製すること
もできるが、市販の樹脂分散剤を用いることもできる。
市販の樹脂分散剤の例としては、ジョンソンポリマー株
式会社製の、ジョンクリル68(分子量=10000;
酸価=195)、ジョンクリル679(分子量=700
0;酸価=200)、ジョンクリル680(分子量=3
900;酸価=215)、ジョンクリル682(分子量
=1600;酸価=235)、ジョンクリル550(分
子量=7500;酸価=200)、ジョンクリル555
(分子量=5000;酸価=200)、ジョンクリル5
86(分子量=3100;酸価=105)、ジョンクリ
ル683(分子量=7300;酸価=150)、又はB
−36(分子量=6800;酸価=250)等を挙げる
ことができる。
料と前記樹脂分散剤との重量比(顔料:樹脂分散剤)は
20:1〜5:2の範囲内である。
ると、インク組成物を放置した場合の顔料の分散安定性
が経時的に劣化し、凝集が発生したり、粘度特性が劣化
したりする。樹脂分散剤の含有量が前記の比率より高く
なると、インク組成物の乾燥時に必要となる再分散性を
得ることができない。
成物中に溶解させるため、樹脂分散剤に含まれる酸基
(例えば、アクリル酸基)にカウンターイオンとの塩を
形成させるのが好ましい。この目的で用いることのでき
る化合物は、カルボキシル基と塩を形成することのでき
る塩基であれば特に限定されないが、有機アミン類、例
えば、第1、第2、第3アミン又は4級化アミン、ある
いはアミノアルコール化合物(例えば、アミノメチルプ
ロパノール、2−アミノイソプロパノール、トリエタノ
ールアミン)、環状アミン、例えば、モルホリン、更に
は無機塩基、例えば、アンモニア水等を挙げることがで
きる。塩基の含有量は、樹脂分散剤の中和当量以上であ
ることが好ましく、印字後の定着性の点から、ほぼ中和
当量の1.3倍位の含有量がより好ましい。
グリコール、及び/又は一価アルコール類、例えば、イ
ソプロパノールなどを樹脂分散剤の溶解助剤として用い
ることもできる。
の塩をイオン解離させ易いように、本発明のインク組成
物にpH緩衝液を含有させ、インク組成物を最適なpH
値に調節して、前記分散剤の溶解安定性を得るのが好ま
しい。pH緩衝液は、インク組成物をpH7〜pH10
に調節することのできる緩衝剤であれば特に限定されな
いが、具体例としては、フタル酸水素カリウム、リン酸
二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、四ホウ酸ナ
トリウム、酒石酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメ
タン、及び/又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメ
タン塩酸塩等を挙げることができる。その含有量は、ヘ
ッドの部材の耐久性とインク組成物の安定性の観点か
ら、インク組成物が概ねpH7〜pH10になる量であ
るのが好ましい。
マルジョンを含有する。この熱可塑性樹脂エマルジョン
は、水媒質中に熱可塑性樹脂を分散したものである。
熱可塑性樹脂成分としては、インクジェット記録用イン
ク組成物において従来から使用されている熱可塑性樹脂
エマルジョンと同様の熱可塑性樹脂成分を使用すること
ができる。熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリ
ル系重合体、例えば、ポリアクリル酸エステル若しくは
その共重合体、ポリメタクリル酸エステル若しくはその
共重合体、ポリアクリロニトリル若しくはその共重合
体、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、又はポリメ
タクリル酸;ポリオレフィン系重合体、例えば、ポリエ
チレン、ポリスチレン又はそれらの共重合体;酢酸ビニ
ル系重合体、又は酢酸ビニル系含有共重合体、例えば、
ポリ酢酸ビニル若しくはその共重合体、又はポリビニル
アセタール;ポリ塩化ビニル若しくはその共重合体、ポ
リ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリクロロプレン、又
は天然高分子樹脂等を用いることができる。特には、ス
チレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸
エステル、ポリメタアクリル酸エステル、ポリスチレ
ン、ポリエチルアクリル酸エステル、スチレンーブタジ
エン共重合体、ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
ーブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、架橋ア
クリル樹脂、架橋スチレン樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビ
ニリデン、ベンゾグアナミン樹脂、ポリオレフィン樹
脂、スチレンーメタアクリル酸エステル共重合体、ポリ
スチレン、スチレンーアクリルアミド共重合体、n−イ
ソブチルアクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、アクリルアミド、ポリビニルアセタール、ロジン系
樹脂、ポリエチレン、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−ア
クリル共重合体、又は塩化ビニル樹脂が好ましい。
塑性樹脂エマルジョンにおける熱可塑性樹脂成分は、
「軟化/溶融温度」が好ましくは50〜150℃、より
好ましくは60℃〜100℃のものである。なお、本明
細書において「軟化/溶融温度」とは、熱可塑性樹脂の
ガラス転移点、融点、粘性率が1011〜1012ポアズに
なる温度、軟化点、又は最低造膜温度(MFT)のうち
の何れかの最も低い温度を意味するものとする。
写真方式のプリンタと比較して、記録媒体への定着強度
(耐水性、及び/又は耐擦過性)が弱いと言われてい
る。しかしながら、前記の熱可塑性樹脂エマルジョンを
含有する本発明のインク組成物を用いてインクジェット
記録方法を実施すると、従来法のインク組成物を用いて
インクジェット記録方法を実施した場合と比較して、定
着強度が高くなる。すなわち、本発明のインク組成物を
使用するインクジェット記録方法の印字物の定着は、記
録装置内で熱可塑性樹脂エマルジョンの樹脂成分の「軟
化/溶融温度」を越える温度で行われる。この時のプラ
テンの温度は、インク組成物吐出ヘッドの目詰まりを考
えて、記録媒体に対して充分な定着強度をもたせる温度
〔熱可塑性樹脂エマルジョンの樹脂成分の最低造膜温度
(MFT)以上であり、インク組成物溶媒を乾燥するの
に十分な温度〕とする。この熱可塑性樹脂成分の膜化に
よる定着は記録媒体に対しては充分な定着強度を示す。
従って、熱エネルギー付与により記録媒体上に定着した
インク組成物は十分な耐水性、及び耐擦過性等の印字堅
牢性を有する。
脂エマルジョンは、それ自体公知の方法(例えば、乳化
重合)によって調製することもできるが、公知又は市販
の樹脂分散剤を用いることもできる。例えば、熱可塑性
樹脂エマルジョンとして、特公昭62−1426号、特
開平3−56573号、特開平3−79678号、特開
平3−160068号、又は特開平4−18462号各
公報などに記載の樹脂エマルジョンをそのまま用いるこ
とができる。また、市販の樹脂エマルジョンとしては、
例えば、マイクロジェルE−1002、E−2002、
E−5002(スチレンアクリル系樹脂エマルジョン;
日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アク
リル系エマルジョン;大日本インキ化学工業株式会社
製)、ボンコート5454(スチレンアクリル系樹脂エ
マルジョン;大日本インキ化学工業株式会社製)、SA
E1014(スチレンアクリル系樹脂エマルジョン;日
本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(ア
クリル系樹脂エマルジョン;サイデン化学株式会社
製)、ナノクリルSBCX−2821(シリコン変性ア
クリル樹脂エマルジョン;東洋インキ社製)、ナノクリ
ルSBCX−3689(シリコン変性アクリル樹脂エマ
ルジョン;東洋インキ社製)、#3070(メタクリル
酸メチル重合体樹脂エマルジョン;御国色素社製)、S
G−60(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン;株
式会社岐阜セラミック製造所製)、グランドールPP−
1000(スチレン−アクリル樹脂エマルジョン;大日
本インキ社製)などを挙げることができる。
脂成分(分散相)との割合は、横脂成分100重量部に
対して水60〜400重量部、好ましくは100〜20
0重量部の範囲が適当である。
料と同様に分散安定性を維持するために、インク組成物
を最適なpH範囲(好ましくは7〜10、より好ましく
は7.5〜9)に調節するのが好ましい。従って、顔料
と熱可塑性樹脂エマルジョンの両方の分散安定性を維持
するために、インク組成物のpH値を両者の最適値であ
る範囲(好ましくは7〜10、より好ましくは7.5〜
9)に維持するのが好ましい。
ク組成物全体に対して、好ましくは0.2〜20重量
%、より好ましくは7〜20重量%である。含有量を
0.2重量%以上にすることによって、一層良好な印字
品質を確保することができ、含有量を20重量%以下に
することによって、インク組成物の粘度を適切に抑える
ことができる。
を含む。従来から、インク組成物用溶媒としては、低粘
度であること、安全性に優れること、取扱が容易である
こと、コストが安いこと、あるいは臭気が無いこと等の
理由から、主に水が用いられる。インク組成物用の水と
しては、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、又は蒸
留水などの純水又は超純水であるのが好ましい。更に、
紫外線照射や過酸化水素の添加により殺菌した水を用い
ると、長期保存に際してかびやバクテリアなどの発生を
防止することができるので好ましい。
物は、糖類を更に含むことができる。糖類を含むことに
より、インク組成物を増粘し、インク組成物に保湿性を
付与することができる。この糖類の含有量は、前記の熱
可塑性樹脂エマルジョン中の熱可塑性樹脂成分との重量
比(糖類/熱可塑性樹脂成分)で、好ましくは2/1以
下、より好ましくは1/5〜1である。
ス、キシロース又はアラビノース;二糖類、例えばサッ
カロース又はマルトース;多糖類、例えばマルトトリイ
トール又はデンプン;更に、糖誘導体、例えばマルチト
ール又はオリゴ糖アルコール等を挙げることができる。
物は、ポリオキシエチレン基をその分子骨格中に有する
ノニオン系界面活性剤を含むことができる。このノニオ
ン系界面活性剤を含むことにより、印字後に、優れた耐
水性、耐擦性、耐マーカー性、及び耐水擦性を付与する
ことができる。このノニオン系界面活性剤の含有量は、
インク組成物全体に対して、好ましくは12重量%以
下、より好ましくは0.05〜10重量%である。12
重量%よりも多いと泡立ちが激しくなることがあり、
0.05重量%未満となると被記録媒体上でのインクの
広がり不足が起きることがある。
有するノニオン系界面活性剤としては、HLB値が13
以上のノニオン系界面活性剤を使用するのが好ましい。
HLB値が13以上のノニオン系界面活性剤としては、
例えば、アセチレングリコールへのポリオキシエチレン
付加物、アルコールエチレンオキサイド、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェノールエーテル、ポリオキシエチレンポリスチルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオールプロ
ピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多価アル
コール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレン化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
が印字堅牢性の観点から好ましい。これらのノニオン系
界面活性剤を単独で又は2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。
物は、ポリオキシエチレン基をその分子骨格中に有する
アニオン系界面活性剤を含むことができる。このノニオ
ン系界面活性剤を含むことにより、優れた吐出安定性
と、印字物の耐擦性、又は耐水性を付与することができ
る。このノニオン系界面活性剤の含有量は、インク組成
物全体に対して、好ましくは12重量%以下、より好ま
しくは0.05〜10重量%である。12重量%よりも
多いと泡立ちが激しくなることがあり、0.05重量%
未満となると被記録媒体上でのインクの広がり不足が起
きることがある。
含有するアニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル燐酸塩などがあげられる。特
に好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸塩を挙げることができる。前記塩の好ましい例として
は、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、モノ
エタノールアミン塩、又はジエタノールアミン塩等を挙
げることができ、特にアンモニウム塩が好ましい。これ
らのアニオン系界面活性剤を単独で又は2種以上を組み
合わせて用いることができる。更に、前記アニオン系界
面活性剤に関して列挙した各化合物において、ポリオキ
シエチレン基の重合度は3〜10程度が好ましく、また
アルキル基は炭素数1〜17程度が好ましい。
シエチレン基をその分子骨格中に有するノニオン系界面
活性剤と、ポリオキシエチレン基をその分子骨格中に有
するアニオン系界面活性剤とを同時に含有していること
もできる。この場合の両界面活性剤の合計含有量は、両
者の重量比(ノニオン/アニオン)が1/10〜1であ
ることが好ましく、両界面活性剤を含有することによ
り、泡立ちを抑制しつつ、被記録媒体上でのインクの十
分な広がりを確保することができる。
点低揮発性溶媒(水溶性有機溶媒)を含むことができ
る。親水性高沸点低揮発性溶媒を含有することにより、
ノズルの耐目詰まり性、保湿性、及び/又は分散安定性
を向上させることができる。
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、
又はポリプロピレングリコール等の高沸点低揮発性の多
価アルコール類、それらのモノエーテル化物、ジエーテ
ル化物、又はエステル化物、例えば、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、又はジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル等、更にはN−メチル−2−ピロ
リドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、モノエタ
ノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、
N,N−ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、N−n−ブチルジエタノールアミン、トリイソプロ
パノールアミン、又はトリエタノールアミン等の含窒素
有機溶剤等の親水性高沸点低揮発性溶媒を、にじみが生
じない範囲で含有することができる。
向上を目的として、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、又はブタノール等の高揮発性の一価アルコ
ール類も少量ならば含有することができる。
成物の液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出して
記録媒体に付着させ、その付着と同時に、プラテンから
記録媒体を介してインク組成物液滴に熱を加えて定着を
行う加熱型のインクジェット記録装置に好適に用いるこ
とのできるインク組成物において、前記の本発明インク
組成物における溶存空気量を14ppm以下にすること
によって、安価に製造可能で、前記の加熱型インクジェ
ット記録装置における吐出安定性と、長期保存安定性と
を同時に満足することのできるインクジェット記録用イ
ンク組成物とすることができる。
が存在すると、吐出不良を起こしたり、インク組成物中
の溶存空気がインク組成物成分と反応して、長期間の保
存に問題を起こすことがある。従って、気泡の原因であ
るインク組成物中の溶存空気を除くための様々な脱気方
法や気泡除去方法が提案されている。
には、窒素又はヘリウム等の気体とインク組成物とを低
圧下で接触させる方法が記載されており、溶存酸素を含
まないインク組成物を提供するとしている。また、特開
昭53−61412号公報にも、インク組成物に酸素吸
収剤を加えることで、溶存酸素を含まないインク組成物
が提案されている。更に、特開昭59−65664号公
報には、低圧容器にインク組成物を噴射することで生じ
る圧力変動によって、インク組成物の完全脱気を行うと
する技術が記載されている。また、特開昭59−656
65号公報には、インク組成物を加熱した上で真空脱気
し、インク組成物の完全脱気を実現するとした技術が記
載されている。
インク組成物成分の酸化反応による劣化を抑制し、イン
ク組成物の長期保存性を向上させる効果をねらったイン
ク組成物については、残った溶存窒素が温度や圧力の変
化によって気泡になり、吐出不良を引き起こす欠点があ
る。この欠点は印字ヘッドが高い温度にさらされる加熱
型インクジェット記録装置では顕著である。また、完全
脱気を行い、吐出不良防止やインク組成物の長期保存性
向上の効果をねらったインク組成物においては、インク
組成物の製造時に高い真空度や高温条件を必要とし、製
造コストが高くなるという欠点がある。
量、すなわち、溶存酸素と溶存窒素との和を14ppm
以下に調整することで、安価に製造可能で、加熱型のイ
ンクジェット記録装置における吐出安定性と、長期保存
安定性とを満足することのできるインクジェット記録用
インク組成物を得ることができることを見出した。
いる場合、その空気成分はインク組成物成分と反応し、
粘度若しくは表面張力等の物性の変化、又は凝集物の発
生等、様々なインク組成物劣化の原因となる場合があ
る。特に、インク組成物に溶け込んだ酸素は、インク組
成物の染料成分を酸化し、色濃度や色相に変化を生じさ
せることが多い。従って、染料系インク組成物において
は、溶存空気、特に酸素を除去することが必須となって
いる。染料と比較して顔料は安定性が高いので、色剤に
顔料を用いることにより、溶存酸素による濃度変化や色
相変化が少ないインク組成物を調製することができる。
このため、顔料系インク組成物では、溶存空気を完全に
除去する必要がないとされている。
ク組成物は、機械的圧力あるいはインク組成物成分の気
化熱膨張時の圧力を受け、液滴の形で吐出される。この
とき、インク組成物中に気泡が存在すると、気泡が吐出
圧力を吸収して吐出不良を起こす。
物においても気泡を発生しないように、以下の点に注意
しなければならない。
に温度が高くなるに従って少なくなるので、インク組成
物に溶けている空気もインク組成物の温度が上昇すると
溶けきれなくなり、気泡になる。そのため、インク組成
物内の溶存空気量は、ヘッドの温度上昇を見込んで低く
抑える必要がある。
ェットプリンターにおいても、環境温度の変化等でヘッ
ド温度は35℃付近に上昇することは十分に考えられ
る。そのとき気泡を発生させないためには35℃での飽
和溶存空気量(18ppm)以下に、インク組成物の溶
存空気量を抑える必要がある。更に、インク組成物の定
着性向上や滲み抑制のために、記録媒体を加熱して印字
する記録方法の場合には、ヘッド温度がより高温になる
ため、溶存空気量をより低く抑えなければならない。例
えば、ヘッド温度が80℃や100℃まで上昇するとす
れば、インク組成物の溶存空気量を14ppm以下に抑
える必要がある。言い換えれば、溶存空気量を14pp
m以下に調整することにより、加熱型のインクジェット
においても気泡発生が生じないインク組成物とすること
ができる。
下に抑える方法は、特に限定されるものではないが、例
えば、通常の方法で調製したインク組成物を、密閉容器
内で希薄空気と接触させることによって溶存空気量を制
御することができる。希薄空気の圧力、すなわち減圧の
程度は、好ましくは200mmHg以下、より好ましく
は5〜100mmHgである。希薄空気の圧力が200
mmHgを越えると、溶存空気除去不良となることがあ
る。また、下限は特に限定されないが、5mmHg未満
にするとコストが高くなり過ぎるので好ましくない。希
薄空気と接触させる際に、インク組成物を、好ましくは
20〜60℃、より好ましくは30〜50℃に加熱する
と効率よく溶存空気を除去することができる。インク組
成物と希薄空気との接触時間は、特に限定されるもので
はないが、所定の溶存空気量に到達したことは、溶存空
気量をガスクロマトグラフィーによって測定することに
よって判断することができる。
(a)加熱された記録媒体の加熱温度における非蒸発成
分を、インク組成物全重量に対して23重量%以上の量
で含有し、更に、(b)分子中にアルコール性水酸基2
個以上を有し、かつ1分子中のアルコール性水酸基数
(N)と分子量(M)との比(N/M)が0.01以上
であるヒドロキシ化合物2種類以上を合計で、インク組
成物全重量に対して10重量%以上の量で含有するイン
クジェット記録用インク組成物を提供する。
ルジョンを含有する従来のインク組成物としては、例え
ば、特開平4−18462号公報及び特開平5−148
441号各公報に、吐出安定性を確保しつつ、記録媒体
への定着性の確保を目的としたインク組成物が開示され
ている。しかしながら、これらの従来のインク組成物を
用いて、加熱された記録媒体への印字を行なった場合、
インク組成物中の熱可塑性樹脂がその軟化温度以上で加
熱されることにより、溶媒の蒸発と樹脂の相変化により
粘度上昇が速やかに行われ、高品質画像が得られるとい
う効果がある反面、ヘッド内での増粘による吐出不良を
防止するために、水溶性保湿成分が多量に必要となる。
保湿作用が過剰な場合や、湿度又は温度等の周囲環境が
変化した場合には、印画直後に画像の乾燥ムラを発生さ
せてしまう。また、この不良現象は、画像表面のべたつ
きや、白濁といったモードで現れ、画質の劣化を生じて
しまう。
ら吐出して記録媒体に付着させ、その付着と同時に、プ
ラテンから記録媒体を介してインク組成物液滴に熱を加
えて定着を行うインクジェット記録方法に用いるインク
組成物において、(a)加熱された記録媒体の加熱温度
における非蒸発成分を、インク組成物全重量に対して2
3重量%以上の量で含有させ、更に、(b)前記ヒドロ
キシ化合物2種類以上を合計で、インク組成物全重量に
対して10重量%以上の量で含有させることによって、
吐出不良を生ずることなく、印画直後の乾燥不良を防止
することができ、更に周囲環境に影響されることなく高
品質画像を得ることのできるインクジェット記録用イン
ク組成物〔以下、ヒドロキシ化合物含有インク組成物と
称することがある〕とすることができることを見出し
た。
ては、加熱された記録媒体の加熱温度における非蒸発成
分を、インク組成物全重量に対して好ましくは23重量
%以上、より好ましくは25〜35重量%とすることに
より、加熱された記録媒体上にインク組成物が付着した
際に、加熱による急速な増粘現象を得ることができ、そ
の結果として、高品質画像を得ることができる。なお、
記録媒体の加熱温度は、一般的には80〜120であ
り、個々の記録方法に用いる具体的な加熱温度と、その
記録方法に用いるヒドロキシ化合物含有インク組成物の
非蒸発成分含有量とは、十分な増粘速度が得られる量と
して決めることができる。
分として、水中に分散された顔料と熱可塑性樹脂エマル
ジョンの樹脂成分とを合計で、非蒸発成分量に対して、
好ましくは10重量%以上、より好ましくは20〜50
重量%とすることにより、より早くインクを増粘させる
ことができる。なお、前記の非蒸発成分には、顔料及び
熱可塑性樹脂エマルジョンの樹脂成分以外に、例えば、
顔料の分散剤等が含まれる。
は固形分比率を大きくすると、ヘッド内の温度上昇に伴
う増粘現象による吐出不良が生じ易くなる。これを防止
するためには、保湿性水溶性成分を含有させることが有
効であるが、これらの成分の種類や含有量が不適切であ
る場合には、印画後の印画像に乾燥ムラを発生させる可
能性がある。
を主溶媒とするインク組成物において、分子中にアルコ
ール性水酸基(−OH)を2個以上有し、かつアルコー
ル性水酸基の含有量が、1分子中のアルコール性水酸基
の数(N)と分子量(M)との比(N/M)で0.01
以上(好ましくは0.1以上)であるヒドロキシ化合物
を2種類以上含有させることが有効であり、そしてそれ
らのヒドロキシ化合物としては、糖類等の水溶性高分子
化合物及び多価アルコールであることをが好ましい。す
なわち、水溶性成分として互いに水酸基価が大きく、相
互作用が強い化合物を適当量含有させることにより、ヘ
ッド内では適度な保湿性を保持しながら、加熱された記
録媒体上に付着した際には、両者が相溶し、特定成分が
分離して浮き出ることよって生ずる乾燥ムラを防止する
ことができる。
に対し最適比率の水溶性成分を含有させることにより大
きくなる。すなわち、ヒドロキシ化合物含有インク組成
物中に分散された顔料(A)及び熱可塑性樹脂エマルジ
ョン(B)と、水中に溶解された水溶性高分子化合物
(C)及び多価アルコール(D)について、各成分の合
計量(A+B+C+D)が、インク組成物全重量に対し
て20〜50重量%であって、かつ、熱可塑性樹脂エマ
ルジョン(B)と水溶性高分子化合物(C)と多価アル
コール(D)との重量比(B:C:D)が、1:0.3
〜1:0.1〜1の範囲であることが効果的である。
ることのできる2種の前記ヒドロキシ化合物としては、
水溶性高分子化合物と多価アルコールとの組み合わせが
好ましい。
ロース、マルチトール、マルトース、グルコン酸、ソル
ビトール、マンニトール、グルコース、ポリビニルアル
コール、アルギン酸ナトリウム、及びポリエチレンオキ
サイドからなる群から選んだ化合物少なくとも1種を用
いることができる。また、前記多価アルコールとして
は、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリ
コール、及び1,2,6−ヘキサントリオールからなる
群から選んだ化合物少なくとも1種を用いることができ
る。
は、界面活性剤を含有することができる。使用すること
のできる界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活
性剤、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン
酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルス
ルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩
(Na、K、Li、Ca)、ホルマリン重縮合物、高級
脂肪酸とアミノ酸との縮合物、ジアルキルスルホコハク
酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフテン酸
塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチ
ド、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタ
ウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコー
ルエトキシサルフェート、モノグリサルフェート、アル
キルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニ
ウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナト
リウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸モノエタノールアミン、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル燐酸アンモニウム塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル燐酸カリウム塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル燐酸ジエタノールアミン、アル
キルナフタレンスルホン酸ナトリウム、又はラウリル硫
酸ナトリウム等;カチオン界面活性剤、例えば、脂肪族
アミン塩、第4アンモニウム塩、スルホニウム塩、又は
ホスフォニウム塩等;両性界面活性剤、例えば、カルボ
キシベタイン型、アミノカルボン酸塩、レシチン等;あ
るいは、ノニオン界面活性剤、例えば、フッ素系界面活
性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノステアレート、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ソルビタンモノステアレート、アセチレ
ングリコール、アセチレングリコールのエチレンオキサ
イド付加物(アセチレングリコールアルコールエチレン
オキサイド)、プロピルエタノールアミド、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル等を挙げることができる。前記
の界面活性剤1種又はそれ以上を用いることにより、印
画直後の乾燥性をさらに均一化することができ、乾燥ム
ラ防止に効果的である。
重量%が好ましい。含有量が1重量%を越えると、起泡
性が大きくなり、吐出安定性を損なわせる危険性が生じ
るからである。
は、式(I):
ンゾイソチアゾリン−3−オン)を含有するインク組成
物に関する。
成物は優れた特性を有している。しかし、その反面、水
に分散している固形分が多い場合には、保管時の環境の
影響を受けやすく、それら固形分の凝集や沈降が生じる
可能性も高くなる。また、インク組成物の主成分である
顔料、樹脂エマルジョン、及び樹脂分散剤等が有機化合
物である以上、カビや微生物等の発生も回避し難い。特
に、インク組成物を空気と接触させた場合には、より異
物発生の危険性が高くなる。このような固形分の凝集、
更にカビや微生物等の異物の発生は、インク組成物の吐
出特性の低下等の弊害をもたらす。しかしながら、これ
らの異物の発生を抑える目的での防カビ剤や防腐剤等を
添加すると、インク組成物の分散系が不安定になる要因
となりやすい。
物を含有させることにより前記の各問題点を解決するこ
とができることを見出した。前記式(I)で表される化
合物は、公知化合物であり、それ自体公知の方法で調製
することもできるが、市販の化合物を用いることもでき
る。市販の化合物としては、例えば、ゼネカ株式会社製
のProxel BDN(上記化合物が水中に分散され
た形態のもの),Proxel CRL,Proxel
XL−2等(上記化合物が水中に溶解された形態のも
の)を用いることができる。前記式(I)で表される化
合物の含有量は、インク組成物全重量に対して、好まし
くは0.0001重量%〜0.5重量%、より好ましく
は0.005重量%〜0.1重量%である。含有量が
0.0001重量%未満になると所望の効果を得ること
ができず、0.5重量%を越えると、有害性が発生して
しまうことがある。
インク組成物は、前記のヒドロキシ化合物含有インク組
成物が含有することのできる界面活性剤を含有すること
ができる。
態で含有することもできるが、分散状態で含有するのが
好ましい。
は、顔料粒子の平均粒子径が200nm以下であり、か
つ前記熱可塑性樹脂エマルジョンの分散相成分の平均粒
子径が200nm以下であるインク組成物に関する。
安定に微分散させる必要がある。インクジェット記録方
法に用いられるインク組成物にあっては、微細なノズル
からインク滴を吐出させる必要があるため、析出物の発
生はこのノズルの目語まりの原因となる。従って、イン
ク組成物は、析出物の発生を抑制し、更に析出物が生じ
てもそれらを容易に除去することができる性質を有する
必要がある。
開平1−204979号公報に、顔料粒径の分布を、
0.6μm以下及び0.2μm以下の値を指標に制御し
たインク組成物が記載されている。このインク組成物に
よれば、ノズルの目詰まりが無く、インク滴の安定な吐
出が可能とされている。また、特開平4−18462号
公報には、顔料とマイクロエマルジョンとを組み合わせ
たインク組成物が記載されている。この公報において
は、インク組成物中のマイクロエマルジョンの平均粒子
径が50nm以下であることが目詰まりのないインクジ
ェット記録方法には必要とされている。
ク組成物に対する希求が存在している。とりわけ、イン
ク組成物中で安定に顔料粒子を存在させるためには極め
て微細な粒径まで顔料粒子を分散しなければならない。
顔料をある程度の粒径で安定に分散させることができれ
ば、その製造は容易になると言える。また、OHPシー
トに印字された場合、画像の光透過性が低いと暗い画像
となってしまう。そこで、より光透過性の高い画像が得
られるインク組成物が望まれている。更に、画像に高級
感を与えるため、より光沢ある画像を実現することがで
きるインク組成物が望まれている。
均粒子径を200nm以下とし、かつ前記熱可塑性樹脂
エマルジョンの分散相成分の平均粒子径を200nm以
下とすることによって、本発明のインク組成物を、OH
Pシート上の画像にあっては極めて光透過性が高くて明
るく、また通常の記録紙上の画像にあっては光沢のある
インク組成物(以下、微細粒子含有インク組成物と称す
ることがある)とすることができることを見出した。
ことのできる顔料は、その粒子の平均粒子径が200n
m以下、好ましくは150nm以下、より好ましくは1
00nm以下である。本発明の微細粒子含有インク組成
物にあっては、顔料粒子は小さなものであることが望ま
しいが、小さなものとするためには、その顔料粒子の調
製に、よりエネルギーを必要とする。本発明の微細粒子
含有インク組成物にあっては、前記のような200nm
以下というやや大きな平均粒子径を有する顔料であって
も安定に存在させることができる。
ては、平均粒子径が200nm以下であることを除け
ば、前記で列挙した顔料を用いることができる。顔料の
含有量は、前記のとおり、好ましくは0.1〜10重量
%、より好ましくは0.5〜5重量%である。
ては、熱可塑性樹脂エマルジョンの樹脂成分(分散相成
分)の平均粒子径も200nm以下、好ましくは150
nm以下、より好ましくは100nm以下である。この
ような熱可塑性樹脂エマルジョンとしては、前記で列挙
した熱可塑性樹脂エマルジョンをそのまま用いることが
できる。
ては、樹脂エマルジョンの含有量は、前記のとおり、
0.2〜20重量%が好ましく、更に好ましくは7〜2
0重量%である。
用いられる熱可塑性樹脂エマルジョンは、常温環境下で
乾燥した際には、造膜化せずに、固体又は脆い固形物を
形成し、軟化又は溶融温度以上に加熱された場合には、
冷却された際に強固な耐水性のある膜を形成するものが
好ましい。さらにこのような強固な耐水性のある膜を形
成させるために最低必要な温度である最低造膜温度は6
0℃以上であるのが好ましく、より好ましくは70℃以
上である。
制御することができるが、本発明の好ましい態様によれ
ば、インク組成物の粘度は25mPa・秒以下であるの
が好ましく、より好ましくは10mPa・秒以下(25
℃)である。粘度がこの範囲にあると、インク組成物が
安定にインク吐出ヘッドから吐出される。また、インク
組成物の表面張力は適宜制御することができるが、30
〜50mN/m(25℃)であるのが好ましい。
物は、前記の各配合成分を任意の順序で適宜混合し、溶
解及び/又は分散させた後、不純物などを濾過して除去
することにより、調製することができる。特には、顔料
と樹脂分散剤と水とにより水性顔料分散液を調製し、そ
の水性顔料分散液に熱可塑性樹脂エマルジョンなどのそ
の他の配合成分を混合して調製するのが好ましい。
り、選択された前記顔料との組み合わせで他の配合成分
を適宜選択し、カラーインクジェット記録用の本発明に
よるイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シ
アンインク組成物、ブラックインク組成物、ブルーイン
ク組成物、グリーンインク組成物、又はレッドインク組
成物を調製することができる。
のインクカートリッジに収納して、慣用のインクジェッ
ト記録装置に挿入し、インクジェット記録方法を実施す
ることができる。また、イエローインク組成物、マゼン
タインク組成物、シアンインク組成物、ブラックインク
組成物、ブルーインク組成物、グリーンインク組成物、
又はレッドインク組成物の少なくとも1種(好ましくは
前記各色のインク組成物全て)を本発明によるインク組
成物として、マゼンタインク組成物を収納する前記のイ
ンクカートリッジと、イエローインク組成物を収納する
インクカートリッジと、シアンインク組成物を収納する
インクカートリッジと、場合によりブラックインク組成
物を収納するインクカートリッジとを組み合わせて挿入
するか、あるいはマゼンタインク組成物と、イエローイ
ンク組成物と、シアンインク組成物と、場合によりブラ
ックインク組成物とを、それぞれ別々に、仕切られた画
分中に収納するインクカートリッジを挿入したカラーイ
ンクジェット記録装置を用いて、カラーインクジェット
記録方法を実施することができる。
クジェット記録方法に有利に用いることができるが、記
録媒体を加熱して記録媒体上のインク組成物の定着を行
うインクジェット記録方法に好適に使用することができ
る。すなわち、本発明によるインク組成物のインク滴
を、印字ヘッドから、加熱された記録媒体に吐出してイ
ンク像を形成するインクジェット記録方法に用いた場合
には、加熱された記録媒体上にインクが付着した際に、
加熱によってインク組成物が急速に増粘し、高品質画像
を得ることができる。
ッドから吐出して記録媒体に付着させ、その付着と同時
に、記録媒体支持体(例えば、プラテン)から記録媒体
を介してインク組成物液滴に熱を加えて定着を行うこと
を含む、インクジェット記録方法にも関する。プラテン
の加熱温度は、好ましくは約80〜120℃である。8
0℃よりも低いと乾燥不足及び定着不足となることがあ
り、120℃よりも高いと過剰なエネルギーが必要とな
ることがある。
前記の本発明によるインク組成物1種又はそれ以上を用
いるかぎり特に限定されないが、特に少なくとも2色以
上のインク組成物を用いて実施するカラーインクジェッ
ト記録方法において、2色以上の前記の本発明によるイ
ンク組成物を用いるのが好ましい。すなわち、前記のイ
エローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシア
ンインク組成物、並びに場合によりブラックインク組成
物を組み合わせたインクセットを用い、レッド画像、グ
リーン画像及びブルー画像を形成し、更に3色のインク
組成物を重ねるか又は別に用いるブラックインク組成物
によってブラック画像を形成するカラーインクジェット
記録方法が好ましい。また、前記の各色のインク組成物
に加えて、ブルーインク組成物、グリーンインク組成
物、及び/又はレッドインク組成物を用いて各種画像を
形成するカラーインクジェット記録方法も本発明に含ま
れる。
説明するが、本発明は以下の実施例によって限定される
ものではない。以下の実施例において、部及び%は、特
に断らないかぎり重量による。
25000;酸価=200)4部、トリエタノールアミ
ン2.7部、イソプロピルアルコール0.4部、及びイ
オン交換水72.9部を70℃の加温下で完全溶解させ
た。次に、カーボンブラックMA−100(三菱化成株
式会社製)20部を加え、プレミキシングを行った後、
アイガーミル(アイガージャパン社製)で顔料の平均粒
子径が100nmになるまで分散を行った(ビーズ充填
率70%、メディア径0.7mm)。こうして顔料分散
液を得た。
ク組成物を調製した。
分50%品の水分散液であり、マルチトールは固形分8
0%の水溶液であるため、前記の値は固形分換算した値
で示してある。なお、アセチレングリコール系界面活性
剤としては、サーフィノール465(日信化学工業;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−
ジオールのポリエチレンオキサイド付加物)を用いた。
また、アニオン界面活性剤としては、ハイテノールN.
07(ポリオキシエチレンアルキルノニルフェニルエー
テル)を用いた。
とした。こうして得られたインク組成物を、金属メッシ
ュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り2300メ
ッシュ)に通し、本発明の実施例1のインク組成物を得
た。
記載の配合成分を以下の表1及び表2に記載の配合量で
用いることを除いて、前記実施例1に記載の製造方法を
繰り返すことにより、本発明によるインクジェット記録
用インク組成物を得た。なお、表中の値は重量%での添
加量を示す。
解させた。この溶液に、カーボンブラック(MCF88
三菱化成株式会社製)15部を加え、プレミキシング
(容器中の混合物の撹拌)を行った後、アイガーミル
(アイガージャパン社製)で分散を行い(ビーズ充填率
70%、メディア径0.7mm)、顔料分散液を得た。
組成物に調整した。
ーフィノール465(日信化学工業;2,4,7,9−
テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール)を用い
た。
になるように、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノ
ールを添加した。こうして得られたインク組成物を、金
属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製 綾織り2
300メッシュ)に通し、比較例1のインク組成物を得
た。なお、比較例1のインク組成物は、特開平6−11
6522号公報に記載の組成物とほぼ同様なインク組成
を有する。
インクジェットプリンタのインク組成物とほぼ同様な組
成を有するインク組成物を調製した。
後に、直接染料(C.I.ダイレクトブラック19)を
加え、完全に溶解させた後、メンブレンフィルターで濾
過させて染料系インク組成物を調製した。
の配合成分を以下の表3に記載の配合量で用いること、
及び得られた組成物を45℃にて70mmHgの希薄空
気環境下に15分間放置することを除いて、前記実施例
1に記載の製造方法を繰り返すことにより、本発明によ
るインクジェット記録用インク組成物を得た。なお、表
中の値は重量%での添加量を示す。
配合成分を以下の表4に記載の配合量で用いること、及
び前記式(I)で表される1,2−ベンゾイソチアゾリ
ン−3−オンを加えることを除いて、前記実施例1に記
載の製造方法を繰り返すことにより、本発明によるイン
クジェット記録用インク組成物を得た。なお、表中の値
は重量%での添加量を示す。
配合成分を以下の表5に記載の配合量で用いること、及
び分散時間を制御して顔料の平均粒径を表5に記載の数
値にすることを除いて、前記実施例1に記載の製造方法
を繰り返すことにより、本発明によるインクジェット記
録用インク組成物を得た。なお、表中の値は重量%での
添加量を示す。
〜32のインク組成物並びに比較例1及び2のインク組
成物について、物性を評価した。
図面を参照しながら説明する。
物の評価に用いたインクジェット記録装置を示すもので
ある。
テン71は、記録媒体75を加熱する手段と、記録媒体
を搬送する手段とをかねるものである。このプラテン7
1は、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)か
らなる円筒であり、図示しない駆動装置によって図中の
矢印の方向に回転する。このプラテン71の表面は、シ
リコーンゴムなどを積層して構成されていてもよい。ま
た、このプラテン71の内部には、ヒータ72が配置さ
れ、このプラテン71を加熱することができる。更に、
このプラテン71には、紙押さえローラ73及び74が
圧接されており、このプラテン71と紙押さえローラ7
3及び74との間に記録媒体75を挿入し、これらの回
転に伴い記録媒体75を搬送することができる。紙押さ
えローラ73は、例えば、金属製の芯材に弾性部材(例
えば、アクリルニトリルゴム)をその表面に接着させて
構成することができる。
5を間に挟んで対向する位置に、インクジェット記録ヘ
ッド76を配置する。この記録ヘッド76は、圧電素子
によって液滴を形成するものであることも、あるいは熱
エネルギーによって液滴を形成するものであることもで
きる。この記録ヘッド76は、48個のノズルを任意の
マトリックスで配置してなることができる。この記録ヘ
ッド76のノズルは、図示しない演算装置によって与え
られた印字データに基づき、インク液滴を吐出する。こ
の記録ヘッド76には、インクタンク77よりインク組
成物が供給され、また記録ヘッド駆動装置78により記
録媒体が送られる方向と直行する方向に動くことができ
る。
れる。まず、記録媒体75がプラテン71と紙押さえロ
ーラ73及び74との間に挟持されて搬送される。搬送
されながら、記録媒体75は、ヒータ72で加熱された
プラテン71に接触して加熱される。従って、この態様
の装置においては、記録媒体75の温度が前記した熱可
塑性樹脂の軟化温度以上の温度となるよう、プラテン7
1の表面温度が制御されている。次に、搬送された記録
媒体75に、記録ヘッド76により印字パターンに従っ
て、選択的にインク組成物の液滴が吐出される。記録媒
体75に付着したインク組成物の液滴は加熱され、膜化
してインクドッドを形成する。次にプラテン71と、紙
押さえローラ73及び74とにより所定量記録媒体が搬
送され、再び記録ヘッド76により記録が行われる。こ
こで、インクドットを隣接して、又は重ねて形成する場
合には、一定の印字間隔を設けて印字が行われるのが好
ましい。記録媒体75に必要な記録が行われた後、記録
媒体75は装置から排出される。
とプラテンの距離は約1.5mm離されており、インク
ジェット記録ヘッドの温度は概ね40℃〜50℃であ
り、プラテン71の表面温度は約120℃であり、記録
媒体の表面温度は80℃〜110℃であった。
記録装置を示すものである。この装置において、図1の
装置と同一の要素については、図1と同一の参照番号を
付してある。この装置においては、記録ヘッドがインク
組成物の色ごとに設けられてなる。すなわち、記録ヘッ
ド81、82、83、及び84が、それぞれブラックイ
ンク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成
物、及びイエローインク組成物を吐出する記録ヘッドで
ある。それら記録ヘッドへのインク組成物の供給はイン
クタンク77から行われる。
1の装置による印字と同様である。すなわち、記録媒体
75が記録媒体巻き付け装置85によってプラテン71
に巻き付けられる。次に記録ヘッド81〜84によって
一列又は複数列の印字を行う。次に記録ヘッド78を所
定量動かし、更に一列又は複数列の印字を行う。これを
繰り返して記録媒体75に画像を記録する。
別の記録装置を示すものである。この装置において、プ
ラテン1は記録媒体5を加熱し搬送する。このプラテン
1は、アルミニウムからなる円筒であり、図示しない駆
動装置によって図中の矢印の方向に回転する。このプラ
テン1の表面にはシリコーンゴムを積層している。ま
た、このプラテン1の内部には、ヒータ2が配置され、
このプラテン1を加熱する。さらに、このプラテン1に
は、紙押さえローラ3及び4が圧接されており、このプ
ラテン1と紙押さえローラ3及び4との間に記録媒体5
が置かれ、これらの回転に伴い記録媒体5が搬送され
る。紙押さえローラ3は、例えば金属製の芯材にアクリ
ルニトリルゴムをその表面に接着させて構成される。ま
た、プラテン1に記録媒体5を間に挟んで対向する位置
に、インクジェット記録ヘッド6を配置する。この記録
ヘッド6は、圧電素子によって液滴を形成するものであ
る。ヘッド6には、48個のノズルが任意のマトリック
スで配置されている。この記録ヘッド6のノズルは、図
示しない演算装置によって与えられた印字データに基づ
き、インク組成物液滴を吐出する。この記録ヘッド6に
はインクタンク7よりインク組成物が供給され、また図
示しない記録ヘッド駆動装置によりガイド軸8上を、記
録媒体が送られる方向と直行する方向に動くことができ
る。
る。まず、記録媒体5がプラテン1と紙押さえローラ3
及び4との間に挟持されて搬送される。搬送されなが
ら、記録媒体5はヒータ2で加熱されたプラテン1に接
触して加熱される。次に、搬送された記録媒体5に、記
録ヘッド6により印字パターンに従って、選択的にイン
ク組成物液滴が吐出される。記録媒体に付着したインク
組成物液滴はインクドッドを形成する。次に、プラテン
1と、紙押さえローラ3及び4とにより記録媒体の所定
量が搬送され、再び記録ヘッド6により記録が行われ
る。記録媒体5に必要な記録が行われた後、記録媒体5
は装置から排出される。この装置では、インクジェット
記録ヘッド6とプラテン1の距離は約1mmに離されて
いる。プラテン1の表面温度は約60〜120℃に調整
されており、インクジェット記録ヘッド6の温度は概ね
30℃〜80℃となる。
1ヶ月間放置した場合の経時的な変化によって評価し
た。評価項目は、(a)pH変化、(b)粘度変化、及
び(c)異物発生状況の3種であり、それぞれ以下の基
準によって3段階で評価した。
ベルである。 ×(不適):変化が初期値に対し5%を越える。
ベルである。 ×(不適):変化が初期値に対し5%を越える。
(400倍)で観察し、初期状況と比較した。 ◎(好適):異物の発生が無い。 ○(適):多少の異物はあるが、インク組成物吐出ノズ
ルにおいて目詰まりを引き起こす大きさでない。 ×(不適):異物の発生があり、目詰まりを引き起こす
大きさである。
1及び2の評価結果を表6〜表9に示す。
8の本発明によるインクジェット記録用インク組成物
は、長時間放置後でも初期のpHや粘度を維持し異物の
発生が無く、保存安定性に優れるものであった。これに
対し比較例1のインク組成物は若干の異物の発生が認め
られた(実使用には問題のないレベル)。また、比較例
1のインク組成物においては、pH変化や粘度変化が初
期値5%以上の変化率が確認された。また比較例2のイ
ンク組成物においては、pH変化及び粘度変化は初期値
に対して5%以内であった。なお、比較例2のインク組
成物は染料系のインク組成物であるため、異物の発生に
ついては評価は行わなかった。
きかったXEROXーR紙(XEROX社製:再生紙)
上に、図1に記載の構成のインクジェットプリンタを用
いて印字した。
per inch)、インク吐出周波数6kHz、キャ
リッジ移動速度510mm/秒の条件で印字評価試験を
行った。また、記録媒体の加熱温度は約100℃(プリ
ンタのプラテン温度120℃)とした。印字物のドット
のインク滲み長さを次の基準で評価した。
越える高解像度においても、再生紙で良好な画像を得ら
れる。 ○(適):3〜5μm(=360〜600dpi)の解
像度において、再生紙で良好な画質が得られる。 △(可):5〜10μm(=360dpi)までの解像
度において、再生紙で良好な画像が得られる。 ×(不適):10μm(=360dpi)以上の解像度
において、インクの滲みにより明らかに画質が劣化す
る。
に、図2に記載の構成を備えたインクジェットプリンタ
を用いて、実施例7のイエローインク組成物をベタ印字
(100%duty)し、その上に実施例1のブラック
インク組成物を印字した。印字条件は、解像度600d
pi、インク吐出周波数14kHz、キャリッジ移動速
度590mm/秒、イエローインク組成物の吐出用のノ
ズルとブラックインク組成物の吐出用のノズルの間隔は
10mmとした。またプラテンの温度は120℃とし
た。
色のインク組成物との組み合わせにより、評価を行い、
以下の判定基準により、評価した。
越える高解像度においても、4024紙で良好な画像を
得られる。 ○(適):3〜5μm(=360〜600dpi)の解
像度において、4024紙で良好な画質が得られる。 △(可):5〜10μm(=360dpi)までの解像
度において、4024紙で良好な画像が得られる。 ×(不適):10μm(=360dpi)の解像度にお
いて、インク滲みにより明らかに画質が劣化する。
1及び2の評価結果を表6及び表7に示す。
20の本発明によるインクジェット記録用インク組成物
は、単色インクの滲み長さ、及び多色印字のインク滲み
長さの両方の試験において、いずれもインクの滲み長さ
は3μm以内であり、カラープリンタのインクとして好
適に使用することができる。
ンが加熱されていたために、記録ヘッドで目詰まりを発
生し、適正な評価ができなかった。
印字のインク滲み長さの試験において、10μm以上で
あり、カラープリンタのインク組成物としては不適当で
あると判断される。
を、プレパラート上にそれぞれ10μgの量で滴下し、
40℃の乾燥器内に1週間放置して乾燥させた後、同じ
組成のインク組成物10μgを滴下し、カバーガラスを
のせ、指腹で2〜3回押しつけて、顕微鏡(400倍)
で観察した。乾燥インクの再分散状態により以下の判定
を行った。
されない。 ○(適):確認できるインクの凝集物が全て10μm以
下である(10μm以下の凝集物は存在したとしても、
記録ヘッドのノズルから排出可能である)。 ×(不適):10μm以上の凝集物が確認される。
び表7に示す。
0の本発明のインクジェット記録用インク組成物は、再
分散性試験で何れも良好な結果を示し、カラープリンタ
のインク組成物としては十分に実使用可能なものであっ
た。
性不良が確認できた。また比較例2のインク組成物は、
再分散性は良好であった。
物を使用して再生紙とコピー用紙にベタ印画を行い、印
画直後からの放置時間による乾燥ムラの発生状況を評価
した。なお、評価は実施例1〜20のインク組成物の単
色での評価と、実施例1〜4、及び実施例9〜12の4
色のインク組成物を重ねあわせて印画したフルカラー印
画パターンの2種類で行なった。評価は、以下の基準に
より3段階で行った。
る。 ×(不適):印画後5分間を経てもべたつきが残り、白
濁部も残る。
燥ムラが無い。 ○(適):相対湿度60%(30℃)以下の環境下で乾
燥ムラが無い。 ×(不適):相対湿度60%(30℃)以下で環境下で
乾燥ムラが発生している。
1及び2の評価結果を表6及び表7に示す。
20の本発明によるインク組成物は、印画直後の乾燥不
良を防止することができ、周囲環境に影響されることな
く高品質画像を得ることができる。
30℃、40℃、60℃及び80℃)において、実施例
21及び22で調製したインク組成物の吐出状況を観察
し、以下の基準によって4段階で評価した。
速度の差異がいずれも10%以内にそろっている。 〇:48個のノズルからの吐出量及び吐出速度の差異が
いずれも10%を越えるが、20%以内にそろってい
る。 △:48個のノズルからの吐出量及び吐出速度の差異が
いずれも20%を越えるが、48個のノズルから吐出が
ある。 ×:飛ばないノズルがある。
F製)と、スチレンアクリル酸共重合体(商品名:AS
T一7022,株式会社日本触媒製)とを10:4.5
の重量比で混合し、塗工液とした。この塗エ液を、厚さ
100μmの透光性ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムに、バーコー夕ーにより乾燥後の膜厚が5
μmになるように塗工し、100〜120℃で約20分
間乾燥して、OHPシート(以下、OHPシート1)を
得た。
レ社製)とシリ力とを99.5:0.5の重量比で混合
し、塗工液とした。この塗工液を、厚さ100μmの透
光性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
に、バーコー夕ーにより乾燥後の膜厚が10μmになる
ように塗工し、100〜120℃で約20分間乾燥し
て、OHPシート(以下、OHPシート2)を得た。
たOHPシート1及び2に印字を行った。印字に用いた
インクジェット記録プリンターはMJ一5000C(セ
イコーエプソン株式会社製)とした。なお、印字後に記
録媒体の加熱は行わず、印字後常温で放置した。
いて印字した後、表10に示される温度で記録媒体を加
熱したこと以外は、前記(c)印字評価試験(非加熱)
と同様の操作を繰り返した。
t)中の散乱光(Hd)の割合として定義される濁度
(Haze)を濁度計(日本電色工業株式会社製,ND
H−100IDP)によって測定した。結果を表10に
示す。
(Xero×−4024)に印字した後、記録された印
字部分の光沢度をJIS Z8741の方法3(θ=6
0°)に従って測定した。結果を表10に示す。
評価に用いたインクジェット記録装置を模式的に示す斜
視図である。
評価に用いた別のインクジェット記録装置を模式的に示
す斜視図である。
フである。
評価に用いた更に別のインクジェット記録装置を模式的
に示す斜視図である。
Claims (17)
- 【請求項1】 顔料と、樹脂分散剤と、熱可塑性樹脂エ
マルジョンと、水とを含有し、前記顔料と前記樹脂分散
剤との重量比が20:1〜5:2である、インクジェッ
ト記録用インク組成物。 - 【請求項2】 糖を更に含む、請求項1に記載のインク
組成物。 - 【請求項3】 ポリオキシエチレン基を有するノニオン
系界面活性剤を更に含む、請求項1に記載のインク組成
物。 - 【請求項4】 ポリオキシエチレン基を有するアニオン
系界面活性剤を更に含む、請求項1に記載のインク組成
物。 - 【請求項5】 ポリオキシエチレン基を有するノニオン
系界面活性剤と、ポリオキシエチレン基を有するアニオ
ン系界面活性剤とを更に含む、請求項1に記載のインク
組成物。 - 【請求項6】 溶存空気量が14ppm以下である、請
求項1に記載のインク組成物。 - 【請求項7】 糖を更に含む、請求項6に記載のインク
組成物。 - 【請求項8】 加熱された記録媒体の加熱温度における
非蒸発成分を、インク組成物全重量に対して23重量%
以上の量で含有し、更に、分子中にアルコール性水酸基
2個以上を有し、かつ1分子中のアルコール性水酸基数
(N)と分子量(M)との比(N/M)が0.01以上
であるヒドロキシ化合物2種類以上を合計で、インク組
成物全重量に対して10重量%以上の量で含有する、請
求項1に記載のインク組成物。 - 【請求項9】 2種類の前記ヒドロキシ化合物として、
水溶性高分子化合物と多価アルコールとを含有する、請
求項8に記載のインク組成物。 - 【請求項10】 前記水溶性高分子化合物として、サッ
カロース、マルチトール、マルトース、グルコン酸、ソ
ルビトール、マンニトール、グルコース、ポリビニルア
ルコール、アルギン酸ナトリウム、及びポリエチレンオ
キサイドからなる群から選んだ化合物少なくとも1種を
含有する、請求項9に記載のインク組成物。 - 【請求項11】 前記多価アルコールとして、グリセリ
ン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、及び
1,2,6−ヘキサントリオールからなる群から選んだ
化合物少なくとも1種を含有する、請求項9に記載のイ
ンク組成物。 - 【請求項12】 前記顔料と前記熱可塑性樹脂エマルジ
ョンの熱可塑性樹脂成分とを合計で、インク組成物全重
量に対して10重量%以上の量で含有する、請求項8に
記載のインク組成物。 - 【請求項13】 前記顔料と、前記熱可塑性樹脂エマル
ジョンの熱可塑性樹脂成分と、水溶性高分子化合物と、
多価アルコールとを合計で、インク組成物全重量に対し
て20〜50重量%以上の量で含有し、しかも前記熱可
塑性樹脂エマルジョンの熱可塑性樹脂成分と、水溶性高
分子化合物と、多価アルコールとの含有量の重量比が1
0:7.5:12の範囲である、請求項8に記載のイン
ク組成物。 - 【請求項14】 界面活性剤0.1〜1重量%を更に含
む、請求項8に記載のインク組成物。 - 【請求項15】 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−
オンを含有する、請求項1に記載のインク組成物。 - 【請求項16】 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−
オン0.005〜0.1重量%を含有する、請求項15
に記載のインク組成物。 - 【請求項17】 請求項1に記載のインク組成物の液滴
を、インクジェット記録ヘッドから吐出して記録媒体に
付着させ、その付着と同時に、記録媒体支持体から記録
媒体を介してインク組成物液滴に熱を加えて定着を行う
ことを含む、インクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP26496396A JP4003239B2 (ja) | 1995-10-06 | 1996-10-04 | インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法 |
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JP27815595 | 1995-10-25 | ||
JP27815895 | 1995-10-25 | ||
JP27815795 | 1995-10-25 | ||
JP7-278157 | 1995-10-25 | ||
JP7-260588 | 1995-10-25 | ||
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JP26496396A Expired - Lifetime JP4003239B2 (ja) | 1995-10-06 | 1996-10-04 | インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法 |
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