JPH09162701A - 量子化ノイズ低減装置 - Google Patents

量子化ノイズ低減装置

Info

Publication number
JPH09162701A
JPH09162701A JP34552895A JP34552895A JPH09162701A JP H09162701 A JPH09162701 A JP H09162701A JP 34552895 A JP34552895 A JP 34552895A JP 34552895 A JP34552895 A JP 34552895A JP H09162701 A JPH09162701 A JP H09162701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bit length
signal
band
level
quantization noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34552895A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Noguchi
義 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pioneer Electronic Corp filed Critical Pioneer Electronic Corp
Priority to JP34552895A priority Critical patent/JPH09162701A/ja
Publication of JPH09162701A publication Critical patent/JPH09162701A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analogue/Digital Conversion (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振幅レベルが量子化幅に比べて相対的に小さ
いアナログ信号に対してなされた量子化値に対しても、
量子化ノイズの影響を低減できる量子化ノイズ低減装置
を提供する。 【解決手段】 所定のワードビット長Mより成るサンプ
ルデータ列を、Mより大きいワードビット長Nのサンプ
ルデータ列に変換することにより量子化ノイズを低減す
る際に、ビット長変換手段の出力信号を複数の帯域成分
に分割して、この分割した帯域毎に得られる入力信号の
信号レベルを基準レベルと比較し、信号レベルが基準レ
ベルより小さいとき制御信号を出力して対応する帯域成
分を減衰した後、各帯域成分を再合成してワードビット
長Nのサンプルデータ列として出力する。ビット長拡張
による微小信号の波形歪みの低減を行うと共に、量子化
ノイズの支配的な周波数帯域の利得を下げることができ
るため、デジタル変換を伴う信号再生装置にあっても、
より原信号に忠実な信号波形を再現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0001】
【0002】
【発明が属する技術分野】本発明は、アナログ信号を所
定のワードビット長で量子化した際に生じる量子化ノイ
ズを低減する量子化ノイズ低減装置に関し、より具体的
には、所定のワードビット長Mより成るサンプルデータ
列を、Mより大きいワードビット長Nのサンプルデータ
列に変換することにより量子化ノイズを低減する量子化
ノイズ低減装置に関する。
【0003】
【0002】
【0004】
【従来の技術】一般に、アナログ信号である音声信号を
ディジタル化する場合には、音声信号を標本化し、これ
を所定のサンプリング周波数に基づき量子化する量子化
工程が必須となる。この量子化工程においては、各サン
プリングタイミング毎のアナログ音声信号の振幅値であ
る標本値が、当該サンプリングタイミングにおいて量子
化され量子化値に変換される。このとき、当該量子化値
は所定の量子化幅の整数倍の値しか取り得ないので、量
子化値と標本値の間には、いわゆる量子化誤差が存在す
ることとなり、この量子化誤差が、ディジタル化処理に
おける量子化ノイズとなり、聴感上の雑音となって認識
される。
【0005】
【0003】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】量子化ノイズは、量子
化されるアナログ信号の振幅レベルが量子化幅に比べて
相対的に大きい場合には量子化ノイズの信号に対する比
が小さくなるため聴感上あまり目立たないが、アナログ
信号の振幅レベルが相対的に小さいときには、量子化ノ
イズの信号に対する比が大きくなり、量子化に伴う波形
歪みの影響が現れるという問題があった。
【0007】
【0004】本願発明の目的は、振幅レベルが相対的に
小さいアナログ信号に対してなされた量子化値に対して
も、量子化ノイズの影響を低減できる量子化ノイズ低減
装置を提供することにある。
【0008】
【0005】
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は上記課題を解
決するために請求項1に記載の発明は、所定のワードビ
ット長Mより成るサンプルデータ列を、Mより大きいワ
ードビット長Nのサンプルデータ列に変換することによ
り量子化ノイズを低減する量子化ノイズ低減装置であっ
て、前記ワードビット長Mより成るサンプルデータ列を
ワードビット長N以上のサンプルデータ列へ変換するビ
ット長変換手段と、前記ビット長変換手段の出力信号を
複数の帯域成分に分割する帯域分割手段と、前記帯域成
分の信号レベルを検出する信号レベル検出手段と、検出
された前記信号レベルを設定された所定値と比較し、前
記信号レベルが前記所定値より小さいとき制御信号を出
力するレベル比較手段と、前記レベル比較手段からの制
御信号に応じて、対応する帯域成分を減衰する減衰手段
と、各帯域成分を合成して前記ワードビット長Nのサン
プルデータ列として出力する合成手段と、から構成され
る。
【0010】
【0006】請求項2に記載の発明は、前記所定値を、
ワードビット長Mによる理論的な量子化ノイズレベルに
比例した値に設定するように構成される。
【0011】
【0007】
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、ビット長変換
手段は、アナログ信号をワードビット長Mで量子化した
サンプルデータ列を、Mより大きいワードビット長Nの
サンプルデータ列に変換する。帯域分割手段は、ビット
長変換手段によって変換されたワードビット長Nのサン
プルデータを複数の帯域成分に分割する。帯域成分ごと
に設けられた信号レベル検出手段により各帯域成分の信
号レベルを検出する。検出された各信号レベルは各帯域
毎に設定された所定値と比較され、信号レベルが所定値
より小さいとき、減衰手段によって対応する帯域成分が
減衰される。以上のように信号処理された各帯域成分が
合成されて、ワードビット長Nのサルプルデータ列とし
て出力される。したがって、ビット拡張による微小信号
の波形歪みの低減を行うと共に、ワードビット長Mで量
子化した際に生じる量子化ノイズの支配的な周波数帯域
の利得を下げることができる。
【0013】
【0008】請求項2に記載の発明によれば、所定値を
ワードビット長Mによる理論的な量子化ノイズレベルに
比例した値に設定する。よって、ノイズの支配的な帯域
における量子化ノイズを減衰できる。
【0014】
【0009】
【0015】
【発明の実施の形態】本願発明の好ましい実施の形態に
ついて、図面を用いて説明する。尚、以下の実施例で
は、入力されるサンプルデータのワードビット長を16
ビットとし、これを32ビットにビット長変換するとと
もに、帯域分割として4分割した場合について説明す
る。
【0016】
【0010】図1は、本発明における量子化ノイズ低減
装置のブロック構成図を示したものである。この図に示
す量子化ノイズ低減装置は、例えばCD(コンパクトデ
ィスク)等から読取ったワードビット長16のサンプル
データを入力するための入力端子1と、入力したサンプ
ルデータのビット長を所望のビット長に変換すると共に
入力したサンプルデータを帯域分割するために、例え
ば、図3に示す非巡回形のデジタルフィルタからなるビ
ット長変換回路21〜24と、後述する制御信号が存在
しないときはビット長変換回路21〜24からの出力デ
ータをそのままの信号レベルで通過させる一方、制御信
号が存在するときにはビット長変換回路21〜24から
の出力データの信号レベルを減衰する減衰回路31〜3
4と、ビット長変換回路21〜24の出力データ信号を
受けて各信号レベルを検出する信号レベル検出回路51
〜54と、量子化ノイズレベルに相当する基準レベルを
記憶する記憶回路61〜64と、信号レベル回路51〜
54の出力と記憶回路に記憶された基準レベルとを比較
して制御信号を生成する比較回路71〜74と、各帯域
毎に減衰制御されたサンプルデータを再合成し、この合
成データを後段のA/D変換器(図示せず)へ出力する
合成回路4とから構成されている。尚、デジタルフィル
タは、巡回形のデジタルフィルタの構成とすることも可
能である。
【0017】
【0011】次に動作を説明する。
【0018】入力端子1に入力した16ビットのサンプ
ルデータは、例えば図2に示す如く、ナイキスト間隔に
基づいて規定した原信号の最大周波数スペクトラム(標
本化周波数をFsとすると、最大周波数はFs/2である。)
を含む帯域(CDに記録されたオーディオ信号であれ
ば、22.05KHz)を等間隔、或いは、オクターブ間隔で分
割すべく、それぞれの通過帯域が設定されたデジタルフ
ィルタからなるビット長変換回路21〜24に送出され
る。デジタルフィルタは図3に示すように、入力したサ
ンプルデータをナイキスト間隔Tと等価な遅延量を有す
る遅延メモリDと各段の遅延メモリDの出力にフィルタ
リング特性に応じて決められる係数値aを乗算する乗算
器とからなる。今、サンプルデータのビット長を16ビ
ット、乗算器にて乗算される係数値のビット長を16ビ
ットとすると、乗算器からの出力データのビット長は、 216×216=232 となることから、32ビットである。係数値のビット長
を規定することにより乗算器からの出力データのビット
長を2ビット単位で変換することが可能である。このビ
ット長変換により、ビット長変換回路からの出力は、3
2ビットの量子化幅で表されることになり、分解能が向
上する。帯域分割及びビット長変換された入力データ
は、分割された各帯域毎に減衰回路31〜34及び、信
号レベル検出回路51〜54に入力する。信号レベル検
出回路51〜54は、帯域制限を受けた入力サンプルデ
ータを絶対値変換し、比較回路71〜74へ出力する。
また比較回路71〜74には、記憶回路61〜64に記
憶された16ビットの量子化に伴う量子化ノイズレベル
に相当する基準レベルも与えられている。さらに、比較
回路71〜74は、各帯域毎に決められた所定時間を計
時する計時回路を有しており、この計時回路は、信号レ
ベル検出回路51〜54からサンプリング間隔で送られ
てくる帯域制限されたサンプルデータの信号レベルが基
準レベル以下になった時点から計時動作を開始し、所定
時間計時すると計時完了信号を発生して、計時値をリセ
ットする一方、所定時間計時する間に入力するサンプル
データの信号レベルが基準レベル以上になると計時値を
リセットする構成となっている。この計時動作は、各帯
域成分がノイズ成分か情報たる信号成分かを識別するた
めに行う。したがって、計時する所定時間は、周波数帯
域が高くなるほど短く設定するのが好ましい。比較回路
71〜74は、記憶回路61〜64から与えられる基準
レベルと、信号レベル検出回路51〜54から与えられ
る帯域制限されたサンプルデータの信号レベルとを比較
し、信号レベルが基準レベルより小さい状態が、所定の
時間継続するとき、つまり、計時回路から計時完了信号
が発生したときには、サンプルデータの利得を減衰させ
るための制御信号を減衰回路31〜34へ出力する。
【0019】
【0012】ここで、記憶回路61〜64に記憶する基
準レベルについて説明する。
【0020】この基準レベルには、入力端子1に入力す
る16ビットサンプルデータの理論上の最大量子化ノイ
ズレベルであるXMAX ×2-15 に相当するレベルが採用
される。XMAX は、入力信号の最大振幅であり、例え
ば、CDの場合、1である。つまり、帯域分割された入
力サンプルデータのうち、量子化ノイズレベルに満たな
い帯域成分は、まさに、ノイズ成分であると見なして、
その帯域成分の通過を阻止するのである。したがって、
減衰回路31〜34における、制御信号によって設定さ
れる利得Aは0であることが好ましいが、少なくとも1
倍未満(0<A<1)であれば、ノイズの低減効果は得
られる。
【0021】
【0013】以上のようにして利得制御を受けた各帯域
成分は合成回路4に出力され、量子化ノイズの低減と、
ビット長拡張に伴う波形歪みの低減されたオーディオ信
号として再合成される。図4に示した単信号(例えば、
1000Hzの正弦波信号)を入力したときの本発明に
よるノイズ低減装置からの出力信号の周波数スペクトラ
ムから、原信号の存在する帯域(この場合、帯域1)を
除く帯域における量子化ノイズのエネルギーが減衰され
ている様子がわかる。
【0022】
【0014】尚、記憶回路61〜64に記憶する基準レ
ベルとしては、上述したような理論上の量子化ノイズレ
ベルの代わりに、図5に示す、人の聴感特性における、
例えば最小可聴限レベルに比例した信号レベルを用いる
ようにしても良い。つまり、分割した帯域毎に聴感特性
に応じた基準レベルを設定せしめても良いのである。
【0023】
【0015】また、上記実施形態では、ビット長変換の
例として、16ビットから32ビットに変換する例を示
したが、これに限定されるものではなく、入力されるサ
ンプルデータのビット長より長ければ、何ビットでも良
い。さらに、ビット長変換回路にてNビット(上記実施
形態では、32ビット)以上のワードビット長へビット
長変換して、上述したノイズ低減処理を施した後、合成
回路4にて合成する際、又は合成した後に、Nビットの
ワードビットとなるように丸める演算を施すように構成
することも可能である。
【0024】
【0016】また、上記実施形態では帯域分割として4
分割した例を述べたが、これに限定されるものではな
く、必要ならば、より細かく帯域分割しても構わない。
【0025】
【0017】
【0026】
【発明の効果】上記のように本発明によると、所定のワ
ードビット長Mより成るサンプルデータ列を、Mより大
きいワードビット長Nのサンプルデータ列に変換するこ
とにより量子化ノイズを低減する際に、ビット長変換手
段の出力信号を複数の帯域成分に分割して、この分割し
た帯域毎に得られる入力信号の信号レベルを基準レベル
と比較し、信号レベルが基準レベルより小さいとき制御
信号を出力して対応する帯域成分を減衰した後、各帯域
成分を再合成してワードビット長Nのサンプルデータ列
として出力するように構成したので、ビット拡張による
微小信号の波形歪みの低減を行うと共に、量子化ノイズ
の支配的な周波数帯域の利得を下げることができるた
め、デジタル変換を伴う信号再生装置にあっても、より
原信号に忠実な信号波形を再現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における量子化ノイズ低減装
置の全体構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における帯域分割の例を示す
図である。
【図3】本発明の実施形態におけるビット長変換回路を
構成するデジタルフィルタを示すブロック図である。
【図4】図1の量子化ノイズ低減装置からの出力信号の
周波数スペクトラムを表す図である。
【図5】人間の可聴特性を示す図である。
【符号の説明】
1・・・サンプルデータの入力端子 21〜24・・・ビット長変換回路 31〜34・・・減衰回路 4・・・合成回路 51〜54・・・信号レベル検出回路 61〜64・・・記憶回路 71〜74・・・レベル比較回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、アナログ信号を所
定のワードビット長で量子化した際に生じる量子化ノイ
ズを低減する量子化ノイズ低減装置に関し、より具体的
には、所定のワードビット長Mより成るサンプルデータ
列を、Mより大きいワードビット長Nのサンプルデータ
列に変換することにより量子化ノイズを低減する量子化
ノイズ低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アナログ信号である音声信号を
ディジタル化する場合には、音声信号を標本化し、これ
を所定のサンプリング周波数に基づき量子化する量子化
工程が必須となる。この量子化工程においては、各サン
プリングタイミング毎のアナログ音声信号の振幅値であ
る標本値が、当該サンプリングタイミングにおいて量子
化され量子化値に変換される。このとき、当該量子化値
は所定の量子化幅の整数倍の値しか取り得ないので、量
子化値と標本値の間には、いわゆる量子化誤差が存在す
ることとなり、この量子化誤差が、ディジタル化処理に
おける量子化ノイズとなり、聴感上の雑音となって認識
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】量子化ノイズは、量子
化されるアナログ信号の振幅レベルが量子化幅に比べて
相対的に大きい場合には量子化ノイズの信号に対する比
が小さくなるため聴感上あまり目立たないが、アナログ
信号の振幅レベルが相対的に小さいときには、量子化ノ
イズの信号に対する比が大きくなり、量子化に伴う波形
歪みの影響が現れるという問題があった。
【0004】本願発明の目的は、振幅レベルが相対的に
小さいアナログ信号に対してなされた量子化値に対して
も、量子化ノイズの影響を低減できる量子化ノイズ低減
装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明は上記課題を解
決するために請求項1に記載の発明は、所定のワードビ
ット長Mより成るサンプルデータ列を、Mより大きいワ
ードビット長Nのサンプルデータ列に変換することによ
り量子化ノイズを低減する量子化ノイズ低減装置であっ
て、前記ワードビット長Mより成るサンプルデータ列を
ワードビット長N以上のサンプルデータ列へ変換するビ
ット長変換手段と、前記ビット長変換手段の出力信号を
複数の帯域成分に分割する帯域分割手段と、前記帯域成
分の信号レベルを検出する信号レベル検出手段と、検出
された前記信号レベルを設定された所定値と比較し、前
記信号レベルが前記所定値より小さいとき制御信号を出
力するレベル比較手段と、前記レベル比較手段からの制
御信号に応じて、対応する帯域成分を減衰する減衰手段
と、各帯域成分を合成して前記ワードビット長Nのサン
プルデータ列として出力する合成手段と、から構成され
る。
【0006】請求項2に記載の発明は、前記所定値を、
ワードビット長Mによる理論的な量子化ノイズレベルに
比例した値に設定するように構成される。
【0007】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、ビット長変換
手段は、アナログ信号をワードビット長Mで量子化した
サンプルデータ列を、Mより大きいワードビット長Nの
サンプルデータ列に変換する。帯域分割手段は、ビット
長変換手段によって変換されたワードビット長Nのサン
プルデータを複数の帯域成分に分割する。帯域成分ごと
に設けられた信号レベル検出手段により各帯域成分の信
号レベルを検出する。検出された各信号レベルは各帯域
毎に設定された所定値と比較され、信号レベルが所定値
より小さいとき、減衰手段によって対応する帯域成分が
減衰される。以上のように信号処理された各帯域成分が
合成されて、ワードビット長Nのサルプルデータ列とし
て出力される。したがって、ビット拡張による微小信号
の波形歪みの低減を行うと共に、ワードビット長Mで量
子化した際に生じる量子化ノイズの支配的な周波数帯域
の利得を下げることができる。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、所定値を
ワードビット長Mによる理論的な量子化ノイズレベルに
比例した値に設定する。よって、ノイズの支配的な帯域
における量子化ノイズを減衰できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本願発明の好ましい実施の形態に
ついて、図面を用いて説明する。尚、以下の実施例で
は、入力されるサンプルデータのワードビット長を16
ビットとし、これを32ビットにビット長変換するとと
もに、帯域分割として4分割した場合について説明す
る。
【0010】図1は、本発明における量子化ノイズ低減
装置のブロック構成図を示したものである。この図に示
す量子化ノイズ低減装置は、例えばCD(コンパクトデ
ィスク)等から読取ったワードビット長16のサンプル
データを入力するための入力端子1と、入力したサンプ
ルデータのビット長を所望のビット長に変換すると共に
入力したサンプルデータを帯域分割するために、例え
ば、図3に示す非巡回形のデジタルフィルタからなるビ
ット長変換回路21〜24と、後述する制御信号が存在
しないときはビット長変換回路21〜24からの出力デ
ータをそのままの信号レベルで通過させる一方、制御信
号が存在するときにはビット長変換回路21〜24から
の出力データの信号レベルを減衰する減衰回路31〜3
4と、ビット長変換回路21〜24の出力データ信号を
受けて各信号レベルを検出する信号レベル検出回路51
〜54と、量子化ノイズレベルに相当する基準レベルを
記憶する記憶回路61〜64と、信号レベル回路51〜
54の出力と記憶回路に記憶された基準レベルとを比較
して制御信号を生成する比較回路71〜74と、各帯域
毎に減衰制御されたサンプルデータを再合成し、この合
成データを後段のA/D変換器(図示せず)へ出力する
合成回路4とから構成されている。尚、デジタルフィル
タは、巡回形のデジタルフィルタの構成とすることも可
能である。
【0011】次に動作を説明する。入力端子1に入力し
た16ビットのサンプルデータは、例えば図2に示す如
く、ナイキスト間隔に基づいて規定した原信号の最大周
波数スペクトラム(標本化周波数をFsとすると、最大
周波数はFs/2である。)を含む帯域(CDに記録さ
れたオーディオ信号であれば、22.05KHz)を等
間隔、或いは、オクターブ間隔で分割すべく、それぞれ
の通過帯域が設定されたデジタルフィルタからなるビッ
ト長変換回路21〜24に送出される。デジタルフィル
タは図3に示すように、入力したサンプルデータをナイ
キスト間隔Tと等価な遅延量を有する遅延メモリDと各
段の遅延メモリDの出力にフィルタリング特性に応じて
決められる係数値aを乗算する乗算器とからなる。今、
サンプルデータのビット長を16ビット、乗算器にて乗
算される係数値のビット長を16ビットとすると、乗算
器からの出力データのビット長は、 216×216=232 となることから、32ビットである。係数値のビット長
を規定することにより乗算器からの出力データのビット
長を2ビット単位で変換することが可能である。このビ
ット長変換により、ビット長変換回路からの出力は、3
2ビットの量子化幅で表されることになり、分解能が向
上する。帯域分割及びビット長変換された入力データ
は、分割された各帯域毎に減衰回路31〜34及び、信
号レベル検出回路51〜54に入力する。信号レベル検
出回路51〜54は、帯域制限を受けた入力サンプルデ
ータを絶対値変換し、比較回路71〜74へ出力する。
また比較回路71〜74には、記憶回路61〜64に記
憶された16ビットの量子化に伴う量子化ノイズレベル
に相当する基準レベルも与えられている。さらに、比較
回路71〜74は、各帯域毎に決められた所定時間を計
時する計時回路を有しており、この計時回路は、信号レ
ベル検出回路51〜54からサンプリング間隔で送られ
てくる帯域制限されたサンプルデータの信号レベルが基
準レベル以下になった時点から計時動作を開始し、所定
時間計時すると計時完了信号を発生して、計時値をリセ
ットする一方、所定時間計時する間に入力するサンプル
データの信号レベルが基準レベル以上になると計時値を
リセットする構成となっている。この計時動作は、各帯
域成分がノイズ成分か情報たる信号成分かを識別するた
めに行う。したがって、計時する所定時間は、周波数帯
域が高くなるほど短く設定するのが好ましい。比較回路
71〜74は、記憶回路61〜64から与えられる基準
レベルと、信号レベル検出回路51〜54から与えられ
る帯域制限されたサンプルデータの信号レベルとを比較
し、信号レベルが基準レベルより小さい状態が、所定の
時間継続するとき、つまり、計時回路から計時完了信号
が発生したときには、サンプルデータの利得を減衰させ
るための制御信号を減衰回路31〜34へ出力する。
【0012】ここで、記憶回路61〜64に記憶する基
準レベルについて説明する。この基準レベルには、入力
端子1に入力する16ビットサンプルデータの理論上の
最大量子化ノイズレベルであるXMAX×2−15に相
当するレベルが採用される。XMAXは、入力信号の最
大振幅であり、例えば、CDの場合、1である。つま
り、帯域分割された入力サンプルデータのうち、量子化
ノイズレベルに満たない帯域成分は、まさに、ノイズ成
分であると見なして、その帯域成分の通過を阻止するの
である。したがって、減衰回路31〜34における、制
御信号によって設定される利得Aは0であることが好ま
しいが、少なくとも1倍未満(0<A<1)であれば、
ノイズの低減効果は得られる。
【0013】以上のようにして利得制御を受けた各帯域
成分は合成回路4に出力され、量子化ノイズの低減と、
ビット長拡張に伴う波形歪みの低減されたオーディオ信
号として再合成される。図4に示した単信号(例えば、
1000Hzの正弦波信号)を入力したときの本発明に
よるノイズ低減装置からの出力信号の周波数スペクトラ
ムから、原信号の存在する帯域(この場合、帯域1)を
除く帯域における量子化ノイズのエネルギーが減衰され
ている様子がわかる。
【0014】尚、記憶回路61〜64に記憶する基準レ
ベルとしては、上述したような理論上の量子化ノイズレ
ベルの代わりに、図5に示す、人の聴感特性における、
例えば最小可聴限レベルに比例した信号レベルを用いる
ようにしても良い。つまり、分割した帯域毎に聴感特性
に応じた基準レベルを設定せしめても良いのである。
【0015】また、上記実施形態では、ビット長変換の
例として、16ビットから32ビットに変換する例を示
したが、これに限定されるものではなく、入力されるサ
ンプルデータのビット長より長ければ、何ビットでも良
い。さらに、ビット長変換回路にてNビット(上記実施
形態では、32ビット)以上のワードビット長へビット
長変換して、上述したノイズ低減処理を施した後、合成
回路4にて合成する際、又は合成した後に、Nビットの
ワードビットとなるように丸める演算を施すように構成
することも可能である。
【0016】また、上記実施形態では帯域分割として4
分割した例を述べたが、これに限定されるものではな
く、必要ならば、より細かく帯域分割しても構わない。
【0017】
【発明の効果】上記のように本発明によると、所定のワ
ードビット長Mより成るサンプルデータ列を、Mより大
きいワードビット長Nのサンプルデータ列に変換するこ
とにより量子化ノイズを低減する際に、ビット長変換手
段の出力信号を複数の帯域成分に分割して、この分割し
た帯域毎に得られる入力信号の信号レベルを基準レベル
と比較し、信号レベルが基準レベルより小さいとき制御
信号を出力して対応する帯域成分を減衰した後、各帯域
成分を再合成してワードビット長Nのサンプルデータ列
として出力するように構成したので、ビット拡張による
微小信号の波形歪みの低減を行うと共に、量子化ノイズ
の支配的な周波数帯域の利得を下げることができるた
め、デジタル変換を伴う信号再生装置にあっても、より
原信号に忠実な信号波形を再現できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のワードビット長Mより成るサン
    プルデータ列を、Mより大きいワードビット長Nのサン
    プルデータ列に変換することにより量子化ノイズを低減
    する量子化ノイズ低減装置であって、 前記ワードビット長Mより成るサンプルデータ列をワー
    ドビット長N以上のサンプルデータ列へ変換するビット
    長変換手段と、 前記ビット長変換手段の出力信号を複数の帯域成分に分
    割する帯域分割手段と、 前記帯域成分の信号レベルを
    検出する信号レベル検出手段と、 検出された前記信号レベルを設定された所定値と比較
    し、前記信号レベルが前記所定値より小さいとき制御信
    号を出力するレベル比較手段と、 前記レベル比較手段からの制御信号に応じて対応する帯
    域成分を減衰する減衰手段と、 各帯域成分を合成して前記ワードビット長Nのサンプル
    データ列として出力する合成手段と、 からなることを特徴とする量子化ノイズ低減装置。
  2. 【請求項2】 前記所定値を、ワードビット長Mによ
    る理論的な量子化ノイズレベルに比例した値に設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の量子化ノイズ低減装
    置。
JP34552895A 1995-12-08 1995-12-08 量子化ノイズ低減装置 Pending JPH09162701A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34552895A JPH09162701A (ja) 1995-12-08 1995-12-08 量子化ノイズ低減装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34552895A JPH09162701A (ja) 1995-12-08 1995-12-08 量子化ノイズ低減装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09162701A true JPH09162701A (ja) 1997-06-20

Family

ID=18377201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34552895A Pending JPH09162701A (ja) 1995-12-08 1995-12-08 量子化ノイズ低減装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09162701A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100294163B1 (ko) 개선된신호엔코드/디코드시스템
CA1214998A (en) Digitally processed gain control device
KR20060004695A (ko) 오디오 신호의 대역을 확장하기 위한 방법 및 장치
US7369906B2 (en) Digital audio signal processing
JPH0773587A (ja) ディザ生成装置
EP1895516B1 (en) Apparatus and method for widening audio signal band
JPS6044837A (ja) 波形再生装置
US20070118362A1 (en) Audio compression/decompression device
JP3334413B2 (ja) ディジタル信号処理方法及び装置
JPH0773186B2 (ja) ディジタルアナログ変換装置
JP3465401B2 (ja) オーデイオ信号処理装置及びオーデイオ記録装置
JPH09162701A (ja) 量子化ノイズ低減装置
EP0481626A2 (en) D/A conversion apparatus
JP3312538B2 (ja) 音響信号処理装置
JP2832780B2 (ja) エコー付加回路を有するオーディオ装置
JP3336823B2 (ja) 音響信号処理装置
JP2752284B2 (ja) ビット圧縮回路
JP3719503B2 (ja) 音楽再生装置
JPS5898793A (ja) 音声合成装置
JP2824731B2 (ja) 信号再生方法および信号記録再生方法
JPH0974358A (ja) デジタル信号の圧縮伸張方法及び装置
JP4118226B2 (ja) デジタル信号処理回路及び音声信号記録再生装置
JPH07199998A (ja) 音声信号圧縮伸張装置
JP3416477B2 (ja) デルタ・シグマ型d/a変換器
JPH0481279B2 (ja)