JPH091292A - 薄鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents
薄鋳片の連続鋳造方法Info
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- JPH091292A JPH091292A JP15480495A JP15480495A JPH091292A JP H091292 A JPH091292 A JP H091292A JP 15480495 A JP15480495 A JP 15480495A JP 15480495 A JP15480495 A JP 15480495A JP H091292 A JPH091292 A JP H091292A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】異形断面鋳型と未凝固圧下を用いる薄鋳片の連
続鋳造方法の提供。 【構成】偏平8角形状水平断面と可動壁とを有する鋳型
を用いて一定寸法の薄鋳片を鋳造し、薄鋳片を未凝固状
態で鋳型直下の案内ロールで圧下することにより、薄鋳
片の水平断面形状を矩形に整形する薄鋳片の連続鋳造方
法。この方法では鋳造中に幅、厚み替えを行うこともで
きる。 【効果】内部割れのない矩形状断面の薄鋳片を安定して
製造することができる。
続鋳造方法の提供。 【構成】偏平8角形状水平断面と可動壁とを有する鋳型
を用いて一定寸法の薄鋳片を鋳造し、薄鋳片を未凝固状
態で鋳型直下の案内ロールで圧下することにより、薄鋳
片の水平断面形状を矩形に整形する薄鋳片の連続鋳造方
法。この方法では鋳造中に幅、厚み替えを行うこともで
きる。 【効果】内部割れのない矩形状断面の薄鋳片を安定して
製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄鋳片の連続鋳造方法に
関する。
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、精錬技術や鋳造技術の著しい進歩
により品質性状の良好な鋳片の製造が容易化したことや
省力・省エネルギー思想の高まり等を背景にして、熱間
圧延工程の大幅な省略や熱間圧延を施すことなく溶湯か
ら直接的かつ連続的に薄鋳片(薄板材)を製造しようと
する試みが、比較的融点の低い非鉄金属ばかりでなく鉄
系金属にまで行われるようになってきた。
により品質性状の良好な鋳片の製造が容易化したことや
省力・省エネルギー思想の高まり等を背景にして、熱間
圧延工程の大幅な省略や熱間圧延を施すことなく溶湯か
ら直接的かつ連続的に薄鋳片(薄板材)を製造しようと
する試みが、比較的融点の低い非鉄金属ばかりでなく鉄
系金属にまで行われるようになってきた。
【0003】この薄鋳片を連続的に鋳造する手段とし
て、これまで以下の (1)〜(3) のような方法が提案され
ている。
て、これまで以下の (1)〜(3) のような方法が提案され
ている。
【0004】(1)ベルト式壁面移動鋳型を使用する連続
鋳造法 (2)異形断面鋳型を使用する連続鋳造法(SMS方式) (3)双ロール式連続鋳造法 しかし、これらの方法には次のような問題点が存在して
いる。すなわち、上記(1) のベルト式連続鋳造法ではベ
ルト冷却の困難さによるメンテナンス費用やランニング
コストが高いことのほか、この種の鋳型では配設に大き
な困難性を伴いがちな浸漬ノズルによる断気鋳造を行わ
ないと、表面品質を維持することが非常に難しい。(2)
の異形断面鋳型による連続鋳造法には、漸次ではあるが
鋳型内の断面積を鋳込み方向に向かって減少させるため
に、鋳型内面と鋳片表面との間に大きな摩擦力が生じ、
この摩擦抵抗により鋳片表面疵が発生するとともに鋳型
内面の摩耗が激しく、鋳型寿命が短くなる。(3) の双ロ
ール式連続鋳造法では、未凝固部でのロール圧下時に溶
湯の流動が激しく介在物の浮上分離が困難であり、偏析
が生じ易い。
鋳造法 (2)異形断面鋳型を使用する連続鋳造法(SMS方式) (3)双ロール式連続鋳造法 しかし、これらの方法には次のような問題点が存在して
いる。すなわち、上記(1) のベルト式連続鋳造法ではベ
ルト冷却の困難さによるメンテナンス費用やランニング
コストが高いことのほか、この種の鋳型では配設に大き
な困難性を伴いがちな浸漬ノズルによる断気鋳造を行わ
ないと、表面品質を維持することが非常に難しい。(2)
の異形断面鋳型による連続鋳造法には、漸次ではあるが
鋳型内の断面積を鋳込み方向に向かって減少させるため
に、鋳型内面と鋳片表面との間に大きな摩擦力が生じ、
この摩擦抵抗により鋳片表面疵が発生するとともに鋳型
内面の摩耗が激しく、鋳型寿命が短くなる。(3) の双ロ
ール式連続鋳造法では、未凝固部でのロール圧下時に溶
湯の流動が激しく介在物の浮上分離が困難であり、偏析
が生じ易い。
【0005】このように従来の薄鋳片連続鋳造法は、い
ずれも充分に満足できる品質の薄鋳片を良好な作業性の
下で安定製造するという観点からは多くの未解決な問題
を有し、特に鉄系金属薄板材の工業的製造において熱間
圧延を伴う従来法に代替し得るほどの域に達していな
い。
ずれも充分に満足できる品質の薄鋳片を良好な作業性の
下で安定製造するという観点からは多くの未解決な問題
を有し、特に鉄系金属薄板材の工業的製造において熱間
圧延を伴う従来法に代替し得るほどの域に達していな
い。
【0006】特に、薄肉厚の鋳型への給湯方法が最大の
問題点であり、これに対していろいろな提案がなされて
いる。
問題点であり、これに対していろいろな提案がなされて
いる。
【0007】方法別に整理すると、下記 (1)、(2) に分
類される。
類される。
【0008】(1)異形断面鋳型を用いる給湯(特開昭60
−158955、特開平62−220249、特開平2−295659、特開
平2−500501の各号公報参照) (2)浸漬ノズルの偏平化による給湯(特開昭58−74258
、特開昭60−12264 、特開昭60−130456、特開昭62−1
97252、特開昭62−292255、特開昭63−53900 の各号公
報参照) しかし、鋳型の水平および横断面形状の異形化では、前
述のように鋳片および鋳型の表面疵の問題があり、偏平
浸漬ノズル給湯法についても、吐出流速の上昇や不均
一、またノズル詰まりなどの問題点が発生する。
−158955、特開平62−220249、特開平2−295659、特開
平2−500501の各号公報参照) (2)浸漬ノズルの偏平化による給湯(特開昭58−74258
、特開昭60−12264 、特開昭60−130456、特開昭62−1
97252、特開昭62−292255、特開昭63−53900 の各号公
報参照) しかし、鋳型の水平および横断面形状の異形化では、前
述のように鋳片および鋳型の表面疵の問題があり、偏平
浸漬ノズル給湯法についても、吐出流速の上昇や不均
一、またノズル詰まりなどの問題点が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】広幅薄鋳片を製造する
手段として鋳型厚みを直接目標の鋳片厚みとする鋳造方
法では、浸漬ノズルの形状を従来のような厚肉の円筒状
とするのは困難であり、偏平化せざるを得ないので、ノ
ズル吐出孔の幅が20〜30mmと狭くなり、ノズル詰
まりや片流れが発生しやすく、安定した給湯ができな
い。さらに、ノズルからの溶鋼吐出流速度が10〜20
cm/sec と非常に大きくなり、片流れが発生しやすく
なる。
手段として鋳型厚みを直接目標の鋳片厚みとする鋳造方
法では、浸漬ノズルの形状を従来のような厚肉の円筒状
とするのは困難であり、偏平化せざるを得ないので、ノ
ズル吐出孔の幅が20〜30mmと狭くなり、ノズル詰
まりや片流れが発生しやすく、安定した給湯ができな
い。さらに、ノズルからの溶鋼吐出流速度が10〜20
cm/sec と非常に大きくなり、片流れが発生しやすく
なる。
【0010】すなわち、浸漬ノズルの形状を偏平化する
場合、通常の浸漬ノズル形状よりも薄肉厚化および広幅
化が必要であり、放熱面積が大きくなることに加えて必
然的に溶鋼が通過する領域も薄くなり、ノズル詰まりが
発生しやすくなるのである。
場合、通常の浸漬ノズル形状よりも薄肉厚化および広幅
化が必要であり、放熱面積が大きくなることに加えて必
然的に溶鋼が通過する領域も薄くなり、ノズル詰まりが
発生しやすくなるのである。
【0011】また、ノズル詰まりによる片流れの悪影響
が大きいため、湯面変動やパウダー巻き込みなどが発生
しやすく、鋳片品質の劣化をもたらす。
が大きいため、湯面変動やパウダー巻き込みなどが発生
しやすく、鋳片品質の劣化をもたらす。
【0012】特に広幅薄鋳片への低流量給湯時に、通常
の浸漬ノズルからの溶鋼吐出流が鋳型短辺壁近傍まで回
らず、湯面の凝固が発生してパウダーの滓化不良やノズ
ルの切損などの問題が起こりやすくなる。
の浸漬ノズルからの溶鋼吐出流が鋳型短辺壁近傍まで回
らず、湯面の凝固が発生してパウダーの滓化不良やノズ
ルの切損などの問題が起こりやすくなる。
【0013】一方、広幅薄鋳片を製造する手段として鋳
込み方向に向かって鋳型断面を異形化(減少)し、浸漬
ノズルは従来方式の円筒形状のものを適用する方法で
は、鋳片表面に余計な摩擦力がかかり表面疵の原因にな
ると同時に、鋳型自身にも負荷がかかり鋳型内面に疵が
発生して鋳型寿命への影響が懸念される。特に、割れ感
受性の強い包晶鋼については、この異形断面鋳型を用い
る鋳造は非常に困難であると言われている。
込み方向に向かって鋳型断面を異形化(減少)し、浸漬
ノズルは従来方式の円筒形状のものを適用する方法で
は、鋳片表面に余計な摩擦力がかかり表面疵の原因にな
ると同時に、鋳型自身にも負荷がかかり鋳型内面に疵が
発生して鋳型寿命への影響が懸念される。特に、割れ感
受性の強い包晶鋼については、この異形断面鋳型を用い
る鋳造は非常に困難であると言われている。
【0014】また、上記方法では、未凝固圧下により鋳
片短辺近傍に内部割れが発生しやすくなる。図6は、従
来の矩形水平断面鋳型(パラレル鋳型)による圧下前と
未凝固圧下後との鋳片形状を示す断面図である。図示す
るように、鋳片の短辺自身は圧延されるので、座屈によ
り鋳片の短辺が凸型形状変形を余儀なくされる。これら
の欠陥は、後工程の圧延時に内部品質の劣化や表面疵の
発生につながる。
片短辺近傍に内部割れが発生しやすくなる。図6は、従
来の矩形水平断面鋳型(パラレル鋳型)による圧下前と
未凝固圧下後との鋳片形状を示す断面図である。図示す
るように、鋳片の短辺自身は圧延されるので、座屈によ
り鋳片の短辺が凸型形状変形を余儀なくされる。これら
の欠陥は、後工程の圧延時に内部品質の劣化や表面疵の
発生につながる。
【0015】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、本発明の目的は幅と厚み替えが可能
な8角形状水平断面鋳型を用いて鋳造し、未凝固状態で
鋳片を圧下することにより、矩形状の水平断面を有する
薄鋳片を製造する連続鋳造方法を提供することにある。
されたものであり、本発明の目的は幅と厚み替えが可能
な8角形状水平断面鋳型を用いて鋳造し、未凝固状態で
鋳片を圧下することにより、矩形状の水平断面を有する
薄鋳片を製造する連続鋳造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の
(1) および(2) の薄鋳片の連続鋳造方法にある。
(1) および(2) の薄鋳片の連続鋳造方法にある。
【0017】(1)偏平8角形状の水平断面を有する鋳型
を用いる薄鋳片の連続鋳造方法であって、下記〜の
条件を備えた鋳型を用いて、偏平8角形状水平断面を有
する一定寸法の薄鋳片を鋳造し、未凝固状態において薄
鋳片を鋳型直下の案内ロールで圧下することにより、薄
鋳片の水平断面を矩形状に整形することを特徴とする薄
鋳片の連続鋳造方法(以下、本発明の第1方法とい
う)。
を用いる薄鋳片の連続鋳造方法であって、下記〜の
条件を備えた鋳型を用いて、偏平8角形状水平断面を有
する一定寸法の薄鋳片を鋳造し、未凝固状態において薄
鋳片を鋳型直下の案内ロールで圧下することにより、薄
鋳片の水平断面を矩形状に整形することを特徴とする薄
鋳片の連続鋳造方法(以下、本発明の第1方法とい
う)。
【0018】偏平8角形状水平断面は、鋳型短辺壁側
の厚みが薄く、長辺壁側中央部の厚みが厚く、厚みの薄
い部分から厚い部分への過渡部分が直線的に変化したも
の。
の厚みが薄く、長辺壁側中央部の厚みが厚く、厚みの薄
い部分から厚い部分への過渡部分が直線的に変化したも
の。
【0019】鋳型短辺壁が幅方向に移動可能な台形状
水平断面の可動壁である。
水平断面の可動壁である。
【0020】鋳型長辺壁の一つが厚み方向に移動可能
な可動壁である。
な可動壁である。
【0021】(2)鋳造開始時には上記(1) の本発明の第
1方法により、一定寸法の比較的広幅で厚い薄鋳片を鋳
造し、未凝固状態において薄鋳片を鋳型直下の案内ロー
ルで圧下して薄鋳片の水平断面を矩形状に整形しなが
ら、鋳造中に幅と厚みとの縮小(以下、幅替えという)
を行い、引き続き矩形状水平断面の狭幅薄鋳片を鋳造
し、未凝固状態において前記圧下を施すことにより、さ
らに薄鋳片の水平断面形状を矩形に整形することを特徴
とする薄鋳片の連続鋳造方法(以下、本発明の第2方法
という)。
1方法により、一定寸法の比較的広幅で厚い薄鋳片を鋳
造し、未凝固状態において薄鋳片を鋳型直下の案内ロー
ルで圧下して薄鋳片の水平断面を矩形状に整形しなが
ら、鋳造中に幅と厚みとの縮小(以下、幅替えという)
を行い、引き続き矩形状水平断面の狭幅薄鋳片を鋳造
し、未凝固状態において前記圧下を施すことにより、さ
らに薄鋳片の水平断面形状を矩形に整形することを特徴
とする薄鋳片の連続鋳造方法(以下、本発明の第2方法
という)。
【0022】上記(1) において「直線的」とは「直線ま
たは幅替えや鋳片の引き抜きなどに支障が生じない程度
の実質的に直線」を、上記(2) において「比較的」とは
「幅替え後に比較して」を、それぞれ意味する。
たは幅替えや鋳片の引き抜きなどに支障が生じない程度
の実質的に直線」を、上記(2) において「比較的」とは
「幅替え後に比較して」を、それぞれ意味する。
【0023】
【作用】図1に基づいて本発明方法で用いる鋳型の構成
例を説明する。図1はこの鋳型の水平断面図である。
例を説明する。図1はこの鋳型の水平断面図である。
【0024】本発明方法で用いる鋳型3は、水冷構造の
長辺壁(銅板)1,1および短辺壁(銅板)2,2から
なり、各壁はそれぞれ独立している。鋳型3の水平断面
形状は図示するような偏平8角形状であり、鋳型短辺壁
2,2側の厚みT3 が薄く、長辺壁1,1側の中央部の
厚みT1 が厚く、厚みの薄い部分から厚い部分への過渡
部分が前記直線的に変化するものである。
長辺壁(銅板)1,1および短辺壁(銅板)2,2から
なり、各壁はそれぞれ独立している。鋳型3の水平断面
形状は図示するような偏平8角形状であり、鋳型短辺壁
2,2側の厚みT3 が薄く、長辺壁1,1側の中央部の
厚みT1 が厚く、厚みの薄い部分から厚い部分への過渡
部分が前記直線的に変化するものである。
【0025】短辺壁2,2の水平断面形状は図示するよ
うな台形状である。短辺壁2,2は、鋳造中に幅縮小を
可能とする通常の幅縮小機構4,4を備えた可動壁とな
っている。このため、長辺壁1,1のどちらか片方に同
様の図示しない通常の厚み縮小機構を備えた可動壁と
し、幅縮小時に長辺壁1,1の一方も同時に移動させて
厚みを縮小し鋳型厚みも同時に変えることで、幅替えを
行う必要がある。短辺壁2,2の水平断面形状を台形状
に限定する理由は、上記のように幅替えに伴って厚みが
減少するが、この減少および更に減少した厚みの中での
幅変更を可能にするためである。図1においてW1 は鋳
型幅である。
うな台形状である。短辺壁2,2は、鋳造中に幅縮小を
可能とする通常の幅縮小機構4,4を備えた可動壁とな
っている。このため、長辺壁1,1のどちらか片方に同
様の図示しない通常の厚み縮小機構を備えた可動壁と
し、幅縮小時に長辺壁1,1の一方も同時に移動させて
厚みを縮小し鋳型厚みも同時に変えることで、幅替えを
行う必要がある。短辺壁2,2の水平断面形状を台形状
に限定する理由は、上記のように幅替えに伴って厚みが
減少するが、この減少および更に減少した厚みの中での
幅変更を可能にするためである。図1においてW1 は鋳
型幅である。
【0026】本発明の第1方法における鋳造では、上記
の図1に示す鋳型3を用いて、偏平8角形の水平断面形
状を有する一定寸法の薄鋳片を鋳造する。鋳型3への溶
湯の供給には浸漬ノズル5を用いる。図1においてt1
は浸漬ノズル5と鋳型長辺壁1,1の中央部との離間距
離である。
の図1に示す鋳型3を用いて、偏平8角形の水平断面形
状を有する一定寸法の薄鋳片を鋳造する。鋳型3への溶
湯の供給には浸漬ノズル5を用いる。図1においてt1
は浸漬ノズル5と鋳型長辺壁1,1の中央部との離間距
離である。
【0027】鋳型、浸漬ノズルおよび鋳造速度の好まし
い条件は次のとおりである。
い条件は次のとおりである。
【0028】 鋳型幅(W1):1000〜1800mm 鋳型中央部の厚み(T1):100〜150mm 直線的に変化する過渡部分の幅方向の長さ:200〜
400m(上記厚みT1 部の幅=鋳型中央部の幅:20
0〜1400mm) 浸漬ノズル:外径40〜60mmの円筒または正4角
筒形状、もしくは厚み40〜60mm、幅80〜150
mmの偏平筒形状 吐出孔は2孔(内径20〜30mm)、下向き20〜4
5° 浸漬ノズルと鋳型長辺壁中央部との離間距離(t1
):20〜55mm 鋳造速度:3.0〜7.0m/min 例えば、目標厚み70mm、幅1000〜1800mm
の鋼の薄鋳片を鋳造速度5.0m/minで鋳造する場
合には、鋳型形状は、鋳型中央部の幅が1000mmの
とき、鋳型中央部の厚み(T1)が100mm、両短辺の
厚み(T3)が目標鋳片厚み70mmの偏平8角形とす
る。浸漬ノズルの形状は、外径または厚みが60mm、
下向き45゜(内径30mm)の吐出角度を持つ2孔ノズ
ルを用い、このとき上記離間距離t1 は20mmとな
る。
400m(上記厚みT1 部の幅=鋳型中央部の幅:20
0〜1400mm) 浸漬ノズル:外径40〜60mmの円筒または正4角
筒形状、もしくは厚み40〜60mm、幅80〜150
mmの偏平筒形状 吐出孔は2孔(内径20〜30mm)、下向き20〜4
5° 浸漬ノズルと鋳型長辺壁中央部との離間距離(t1
):20〜55mm 鋳造速度:3.0〜7.0m/min 例えば、目標厚み70mm、幅1000〜1800mm
の鋼の薄鋳片を鋳造速度5.0m/minで鋳造する場
合には、鋳型形状は、鋳型中央部の幅が1000mmの
とき、鋳型中央部の厚み(T1)が100mm、両短辺の
厚み(T3)が目標鋳片厚み70mmの偏平8角形とす
る。浸漬ノズルの形状は、外径または厚みが60mm、
下向き45゜(内径30mm)の吐出角度を持つ2孔ノズ
ルを用い、このとき上記離間距離t1 は20mmとな
る。
【0029】本発明の第1方法では、上記鋳造で得た偏
平8角形の水平断面形状を有する薄鋳片の長辺側中央
部、すなわち厚みが厚いT1 部分のみを、未凝固状態に
おいて鋳型直下に設けた3対3段〜5対5段の案内ロー
ルで圧下することにより、薄鋳片の短辺厚みT3 を維持
したままでその水平断面形状を矩形に整形する。この例
を図2および図3により説明する。
平8角形の水平断面形状を有する薄鋳片の長辺側中央
部、すなわち厚みが厚いT1 部分のみを、未凝固状態に
おいて鋳型直下に設けた3対3段〜5対5段の案内ロー
ルで圧下することにより、薄鋳片の短辺厚みT3 を維持
したままでその水平断面形状を矩形に整形する。この例
を図2および図3により説明する。
【0030】図2は、上記圧下方法の例を説明する概略
の縦断面図である。図示するように、鋳型3の直下に備
えた3対3段の案内ロール6により、薄鋳片7の長辺両
側部分から、その中央部厚みがT1 からT3 になるよう
に順次未凝固圧下を施す。厚みT3 が鋳型短辺壁側の厚
みT3 である。
の縦断面図である。図示するように、鋳型3の直下に備
えた3対3段の案内ロール6により、薄鋳片7の長辺両
側部分から、その中央部厚みがT1 からT3 になるよう
に順次未凝固圧下を施す。厚みT3 が鋳型短辺壁側の厚
みT3 である。
【0031】例えば、T1 を100mmとして鋳造し、
厚み(T3)70mmの矩形状に整形された薄鋳片として
圧下鋳造を完了させる場合には、合計圧下量として30
mmの未凝固圧下を施し、30mmの圧下パターンは1
5mm→10mm→5mmのトップ強圧下パターンとす
るのが望ましい。これは、歪積算モデルによりトップ強
圧下の方が歪の蓄積が少ないため、薄鋳片の内部割れの
発生を抑制することができるからである。
厚み(T3)70mmの矩形状に整形された薄鋳片として
圧下鋳造を完了させる場合には、合計圧下量として30
mmの未凝固圧下を施し、30mmの圧下パターンは1
5mm→10mm→5mmのトップ強圧下パターンとす
るのが望ましい。これは、歪積算モデルによりトップ強
圧下の方が歪の蓄積が少ないため、薄鋳片の内部割れの
発生を抑制することができるからである。
【0032】図3は、上記圧下前後の鋳片形状の変化例
を示す水平断面図である。上記の圧下方法によれば鋳片
短辺部分の圧延がないため、短辺形状は図3に示すよう
に圧下後も矩形のまま保たれることになり、後工程の圧
延時に表面割れの発生がなく、良好なコイルの製造が可
能である。
を示す水平断面図である。上記の圧下方法によれば鋳片
短辺部分の圧延がないため、短辺形状は図3に示すよう
に圧下後も矩形のまま保たれることになり、後工程の圧
延時に表面割れの発生がなく、良好なコイルの製造が可
能である。
【0033】鋳型の水平断面形状を偏平な8角形とし、
これと同じ断面形状の鋳片を製造して図3のように未凝
固圧下する本発明の第1方法の場合には、未凝固圧下時
に凝固シェルの倒れ込みがあるのみで、短辺形状は図3
に示すように圧下後も矩形のまま保たれる。この結果、
図6に示すように、水平断面がもともと矩形状である鋳
型から鋳造した矩形断面鋳片からの未凝固圧下の際に短
辺の圧延の際の座屈による凸型変形時に発生する内部割
れが、抑制できるのである。
これと同じ断面形状の鋳片を製造して図3のように未凝
固圧下する本発明の第1方法の場合には、未凝固圧下時
に凝固シェルの倒れ込みがあるのみで、短辺形状は図3
に示すように圧下後も矩形のまま保たれる。この結果、
図6に示すように、水平断面がもともと矩形状である鋳
型から鋳造した矩形断面鋳片からの未凝固圧下の際に短
辺の圧延の際の座屈による凸型変形時に発生する内部割
れが、抑制できるのである。
【0034】さらに、図6に示すような矩形断面鋳片か
らの未凝固圧下では、上記凸型変形を防止するために、
油圧シリンダーなどの適切な短辺部分専用の圧下装置も
必要となるが、本発明方法における圧下では短辺の圧延
がなく、特別な圧下装置は不要であり、ロールレイアウ
トの絞り込みで充分矩形に未凝固圧下整形できるという
利点もある。
らの未凝固圧下では、上記凸型変形を防止するために、
油圧シリンダーなどの適切な短辺部分専用の圧下装置も
必要となるが、本発明方法における圧下では短辺の圧延
がなく、特別な圧下装置は不要であり、ロールレイアウ
トの絞り込みで充分矩形に未凝固圧下整形できるという
利点もある。
【0035】本発明の第2方法は、図1に示す鋳型を用
いて、鋳造開始時には本発明の第1の方法に従い、偏平
8角形の水平断面形状を有する一定寸法の、後の幅替え
後よりも広幅で厚い薄鋳片を鋳造し、この鋳片を図2お
よび図3に示す方法で未凝固状態において鋳型直下の案
内ロールで圧下する。そして、鋳造中に幅替えを行い、
引き続き水平断面が矩形状の狭幅薄鋳片を鋳造し、この
鋳片を同様に未凝固状態において鋳型直下の案内ロール
で圧下することにより、さらに鋳片の水平断面形状を矩
形に整形して薄鋳片を得るものである。この場合、鋳造
開始時から幅替えに至るまでの鋳造および圧下方法、本
発明の第1方法と同じである。その後、鋳造中に幅替え
を行う。図4により、この場合の鋳型形状を説明する。
いて、鋳造開始時には本発明の第1の方法に従い、偏平
8角形の水平断面形状を有する一定寸法の、後の幅替え
後よりも広幅で厚い薄鋳片を鋳造し、この鋳片を図2お
よび図3に示す方法で未凝固状態において鋳型直下の案
内ロールで圧下する。そして、鋳造中に幅替えを行い、
引き続き水平断面が矩形状の狭幅薄鋳片を鋳造し、この
鋳片を同様に未凝固状態において鋳型直下の案内ロール
で圧下することにより、さらに鋳片の水平断面形状を矩
形に整形して薄鋳片を得るものである。この場合、鋳造
開始時から幅替えに至るまでの鋳造および圧下方法、本
発明の第1方法と同じである。その後、鋳造中に幅替え
を行う。図4により、この場合の鋳型形状を説明する。
【0036】図4は、本発明の第2方法を実施する場合
の鋳型の幅替え後を示す水平断面図である。幅替えで
は、鋳型3の厚みが直線的に変化する過渡部分がなくな
るまでまたはそれ以上に短辺壁2,2を移動させて鋳型
幅W1 をW2 に減少し、かつ長辺壁1,1のどちらか一
方を鋳型厚みがT1 からD2 に縮小するように移動さ
せ、鋳型3の水平断面形状を矩形とする。
の鋳型の幅替え後を示す水平断面図である。幅替えで
は、鋳型3の厚みが直線的に変化する過渡部分がなくな
るまでまたはそれ以上に短辺壁2,2を移動させて鋳型
幅W1 をW2 に減少し、かつ長辺壁1,1のどちらか一
方を鋳型厚みがT1 からD2 に縮小するように移動さ
せ、鋳型3の水平断面形状を矩形とする。
【0037】厚みが変わると同時に鋳型3の厚みセンタ
ーに浸漬ノズル5を設置する必要があるため、幅替えと
同時に浸漬ノズル5の位置、すなわちタンディッシュ
(図示せず)の位置の変更を実施する。
ーに浸漬ノズル5を設置する必要があるため、幅替えと
同時に浸漬ノズル5の位置、すなわちタンディッシュ
(図示せず)の位置の変更を実施する。
【0038】鋳片の幅縮小は、圧延工程の物流の関係か
ら広幅から狭幅への変更が一般的である。本発明の第2
方法でも前述のように、厚みの変更は厚い方から薄い方
への変更になる。
ら広幅から狭幅への変更が一般的である。本発明の第2
方法でも前述のように、厚みの変更は厚い方から薄い方
への変更になる。
【0039】上記幅替え後の鋳型、浸漬ノズルおよび鋳
造速度の好ましい条件は次のとおりである。
造速度の好ましい条件は次のとおりである。
【0040】鋳型幅(W2):200〜1400mm 鋳型中央部の厚み(D2):90〜100mm 浸漬ノズルと鋳型長辺壁中央部との離間距離(t2
):15〜25mm 鋳造速度:3.0〜7.0m/min この場合においても、浸漬ノズル5と鋳型長辺壁1,1
の中央部との離間距離t2 は最小でも15mmが確保で
き、鋳型3と浸漬ノズル5との間の溶鋼の凝固(皮張
り)によるノズル切損などの問題は発生せず、鋳造が可
能である。
):15〜25mm 鋳造速度:3.0〜7.0m/min この場合においても、浸漬ノズル5と鋳型長辺壁1,1
の中央部との離間距離t2 は最小でも15mmが確保で
き、鋳型3と浸漬ノズル5との間の溶鋼の凝固(皮張
り)によるノズル切損などの問題は発生せず、鋳造が可
能である。
【0041】厚みが90〜120mm程度の鋼の薄鋳片
の鋳造時の問題点の一つに鋳造開始時の湯面の凝固によ
る浸漬ノズルの折損などがある。しかし、本発明の第2
方法を適用すれば、この問題についての解決も可能とな
る。つまり、鋳造開始時の鋳片厚みは鋳型中央部で10
0mmまたはこれを少し超える程度が望ましく、本発明
の第2方法により鋳造を継続するにつれて鋳片幅は狭
く、鋳片厚は薄くなることになり、鋳造初期の湯面凝固
問題は鋳型厚み50〜70mmのパラレル(水平断面が
矩形状)鋳型を用いる場合よりは緩和される。
の鋳造時の問題点の一つに鋳造開始時の湯面の凝固によ
る浸漬ノズルの折損などがある。しかし、本発明の第2
方法を適用すれば、この問題についての解決も可能とな
る。つまり、鋳造開始時の鋳片厚みは鋳型中央部で10
0mmまたはこれを少し超える程度が望ましく、本発明
の第2方法により鋳造を継続するにつれて鋳片幅は狭
く、鋳片厚は薄くなることになり、鋳造初期の湯面凝固
問題は鋳型厚み50〜70mmのパラレル(水平断面が
矩形状)鋳型を用いる場合よりは緩和される。
【0042】上記方法で外径が40mmの浸漬ノズルを
用いれば厚み70mmの薄鋳片の製造が可能となるが、
従来のパラレル鋳型を用いれば浸漬ノズルと鋳型長辺壁
中央部との離間距離(t2 )は5mm以下となり、皮張
りが発生して鋳造継続が困難である。従って、浸漬ノズ
ルの外径を30mm以下とせねばならず、タンディッシ
ュからの給湯が実質上困難である。
用いれば厚み70mmの薄鋳片の製造が可能となるが、
従来のパラレル鋳型を用いれば浸漬ノズルと鋳型長辺壁
中央部との離間距離(t2 )は5mm以下となり、皮張
りが発生して鋳造継続が困難である。従って、浸漬ノズ
ルの外径を30mm以下とせねばならず、タンディッシ
ュからの給湯が実質上困難である。
【0043】上記の幅替えの後、得られた水平断面が矩
形状の狭幅薄鋳片を前述と同じ未凝固圧下法を用いて、
さらに矩形状に整形した狭幅薄鋳片とする。
形状の狭幅薄鋳片を前述と同じ未凝固圧下法を用いて、
さらに矩形状に整形した狭幅薄鋳片とする。
【0044】鋳型幅が減少するに伴って鋳片厚みも減少
し、鋳型直下の案内ロールは一定の厚み間隔になるよう
に設定されているだけで圧下装置を備えていないので、
鋳片の厚み減少に追随しない。このため、サポートがな
くなり鋳片がバルジングすることになるが、鋳片は3対
3段〜5対5段の案内ロールの間に絞り込まれて目標薄
鋳片厚みに未凝固圧下されることになり、特に大きな問
題とはならない。
し、鋳型直下の案内ロールは一定の厚み間隔になるよう
に設定されているだけで圧下装置を備えていないので、
鋳片の厚み減少に追随しない。このため、サポートがな
くなり鋳片がバルジングすることになるが、鋳片は3対
3段〜5対5段の案内ロールの間に絞り込まれて目標薄
鋳片厚みに未凝固圧下されることになり、特に大きな問
題とはならない。
【0045】またこの場合には、幅替え後の未凝固鋳片
圧下は水平断面が矩形状から同じく矩形状となるが、従
来のパラレル鋳型を用いる場合に比べてもともとの短片
厚み(D2)が小さいので、図6に示すような短辺側が凸
状になることが軽減される。
圧下は水平断面が矩形状から同じく矩形状となるが、従
来のパラレル鋳型を用いる場合に比べてもともとの短片
厚み(D2)が小さいので、図6に示すような短辺側が凸
状になることが軽減される。
【0046】本発明方法は、水平式連続鋳造機を除いて
機種や鋼種を問わず、さらに比較的融点の低い銅やアル
ミニウムなどの非鉄金属にも適用することができる。
機種や鋼種を問わず、さらに比較的融点の低い銅やアル
ミニウムなどの非鉄金属にも適用することができる。
【0047】
(試験1)2ストランド湾曲型スラブ連続鋳造機を用い
て、表1に示す組成の低炭素アルミキルド鋼を下記条件
で鋳造した。
て、表1に示す組成の低炭素アルミキルド鋼を下記条件
で鋳造した。
【0048】
【表1】
【0049】本発明例1:1ストランドに図1の鋳型を
使用(W1 =1800m、T1 =100mm、T3 =7
0mm、t1 =25mm) 浸漬ノズル外径は40mm 鋳片長辺中央部の未凝固圧下は図2の方法(T1 =10
0mm、T3 =70mm、圧下パターンは15mm→1
0mm→5mmのトップ強圧下) 比較例1 :2ストランドに従来方式のパラレル鋳型を
使用(厚み70mm、幅1800mm、t1 =20m
m) 浸漬ノズル外径は30mm 鋳片長辺中央部の未凝固圧下なし 鋳造速度 :両ストランドともに5.0m/min この結果、本発明の第1方法を適用した1ストランド側
では、100トン取鍋で最高7連々鋳が可能であった。
一方、従来鋳型の2ストランド側では、浸漬ノズルの外
径が30mmまでしか許容されず、溶鋼100トンの鋳
造終了時期に早くもノズル詰まりが発生し、鋳造継続が
不可能になった。
使用(W1 =1800m、T1 =100mm、T3 =7
0mm、t1 =25mm) 浸漬ノズル外径は40mm 鋳片長辺中央部の未凝固圧下は図2の方法(T1 =10
0mm、T3 =70mm、圧下パターンは15mm→1
0mm→5mmのトップ強圧下) 比較例1 :2ストランドに従来方式のパラレル鋳型を
使用(厚み70mm、幅1800mm、t1 =20m
m) 浸漬ノズル外径は30mm 鋳片長辺中央部の未凝固圧下なし 鋳造速度 :両ストランドともに5.0m/min この結果、本発明の第1方法を適用した1ストランド側
では、100トン取鍋で最高7連々鋳が可能であった。
一方、従来鋳型の2ストランド側では、浸漬ノズルの外
径が30mmまでしか許容されず、溶鋼100トンの鋳
造終了時期に早くもノズル詰まりが発生し、鋳造継続が
不可能になった。
【0050】(試験2)試験1の連続鋳造機を用いて、
表1に示す組成の低炭素アルミキルド鋼を下記条件で鋳
造した。
表1に示す組成の低炭素アルミキルド鋼を下記条件で鋳
造した。
【0051】本発明例2:1ストランドに本発明例1と
同条件 比較例2 :2ストランドに鋳型および浸漬ノズルは上
記本発明例2と同条件 鋳片長辺中央部の未凝固圧下は図2の方法(T1 =10
0mm、T3 =70mm、圧下パターンは5mm→10
mm→15mmのボトム強圧下) 比較例3 :2ストランドに従来方式のパラレル鋳型を
使用(厚み100mm、幅1800mm、t1 =25m
m) 鋳片長辺中央部の未凝固圧下は上記本発明例2と同じト
ップ強圧下 鋳造速度 :いずれも5.0m/min 本発明例2と比較例3で得られた未凝固圧下後の薄鋳片
の断面形状を比較したところ、本発明例2では図3に示
すような矩形に近い形状を呈しているのに対して、比較
例3では短辺が図6に示すような凸型形状を呈した。こ
れらの鋳片を後工程の圧延に供して比較した結果、比較
例3の場合には圧延材の短辺近傍に表面疵が多発した
が、本発明2の場合には表面疵は発生していないことを
確認した。
同条件 比較例2 :2ストランドに鋳型および浸漬ノズルは上
記本発明例2と同条件 鋳片長辺中央部の未凝固圧下は図2の方法(T1 =10
0mm、T3 =70mm、圧下パターンは5mm→10
mm→15mmのボトム強圧下) 比較例3 :2ストランドに従来方式のパラレル鋳型を
使用(厚み100mm、幅1800mm、t1 =25m
m) 鋳片長辺中央部の未凝固圧下は上記本発明例2と同じト
ップ強圧下 鋳造速度 :いずれも5.0m/min 本発明例2と比較例3で得られた未凝固圧下後の薄鋳片
の断面形状を比較したところ、本発明例2では図3に示
すような矩形に近い形状を呈しているのに対して、比較
例3では短辺が図6に示すような凸型形状を呈した。こ
れらの鋳片を後工程の圧延に供して比較した結果、比較
例3の場合には圧延材の短辺近傍に表面疵が多発した
が、本発明2の場合には表面疵は発生していないことを
確認した。
【0052】比較例2のボトム強圧下を施した場合に
は、短片コーナー部のみならず長片中央部にも内部割れ
が発生した。
は、短片コーナー部のみならず長片中央部にも内部割れ
が発生した。
【0053】図5は上記の本発明例2と比較例2、3と
における内部割れ発生状況の差を示す図である。図示す
るように、本発明例2では内部割れの発生は皆無である
のに対して、比較例3ではコーナー部近傍で内部割れの
発生が認められた。特にボトム強圧下を施した比較例2
では、その傾向が著しかった。
における内部割れ発生状況の差を示す図である。図示す
るように、本発明例2では内部割れの発生は皆無である
のに対して、比較例3ではコーナー部近傍で内部割れの
発生が認められた。特にボトム強圧下を施した比較例2
では、その傾向が著しかった。
【0054】(試験3)試験1の連続鋳造機を用いて、
表1に示す組成の低炭素アルミキルド鋼を下記条件で鋳
造した。
表1に示す組成の低炭素アルミキルド鋼を下記条件で鋳
造した。
【0055】本発明例3:1ストランドにおいて、鋳造
初期は本発明例1、2と同条件で鋳造し、鋳造中に下記
のように幅替えを行い、その後の圧下条件は同じくは1
5mm→10mm→5mmのトップ強圧下パターンとし
て、最小幅1000mm、厚み70mmの薄鋳片を製造
した。
初期は本発明例1、2と同条件で鋳造し、鋳造中に下記
のように幅替えを行い、その後の圧下条件は同じくは1
5mm→10mm→5mmのトップ強圧下パターンとし
て、最小幅1000mm、厚み70mmの薄鋳片を製造
した。
【0056】W1 =1800mm→W2 =1000mm (ただし、200mmずつ5段階) T1 =100mm→D2 =70mm 比較例4 :2ストランドにおいて幅替えが可能なパラ
レル鋳型を使用し、鋳造初期は比較例3と同条件で鋳造
し、鋳造中に下記のように幅替えを行い、その後本発明
例3と同様のトップ強圧下パターンで、幅1000m
m、厚み40mmの薄鋳片を製造した。
レル鋳型を使用し、鋳造初期は比較例3と同条件で鋳造
し、鋳造中に下記のように幅替えを行い、その後本発明
例3と同様のトップ強圧下パターンで、幅1000m
m、厚み40mmの薄鋳片を製造した。
【0057】幅=1800mm→1000mm 厚み=100mm→70mm 比較例5 :2ストランドにおいて幅替えが可能なパラ
レル鋳型を使用し、鋳造初期は厚み=70mm、幅=1
800mm、t1 =10mmとし、その他は比較例3と
同条件で鋳造し、鋳造中に下記のように幅のみの替えを
行い、その後は未凝固圧下を行わず、幅1000mm、
厚み70mmの薄鋳片を製造した。
レル鋳型を使用し、鋳造初期は厚み=70mm、幅=1
800mm、t1 =10mmとし、その他は比較例3と
同条件で鋳造し、鋳造中に下記のように幅のみの替えを
行い、その後は未凝固圧下を行わず、幅1000mm、
厚み70mmの薄鋳片を製造した。
【0058】幅=1800mm→1000mm 鋳造速度 :いずれも5.0m/min 本発明例3の幅替え前では、内部割れ発生のない厚み7
0mm、幅1800mmの薄鋳片が得られた。幅替え後
では短片が凸型形状となったが、その張り出し量は5m
mと小さく、かつ内部割れ発生のない厚み70mm、幅
1000mmの薄鋳片が得られた。
0mm、幅1800mmの薄鋳片が得られた。幅替え後
では短片が凸型形状となったが、その張り出し量は5m
mと小さく、かつ内部割れ発生のない厚み70mm、幅
1000mmの薄鋳片が得られた。
【0059】比較例4の幅替え前では、厚み70mm、
幅1800mmの薄鋳片が得られたが、未凝固圧下によ
り短片の張り出し量が15mmと大きい凸型形状となっ
た。
幅1800mmの薄鋳片が得られたが、未凝固圧下によ
り短片の張り出し量が15mmと大きい凸型形状となっ
た。
【0060】さらに、内部割れが鋳片コーナー部近傍に
発生した。幅替え後では未凝固圧下により厚み70m
m、幅1000mmの薄鋳片が得られたが、鋳片の短片
形状および内部割れは、上記幅替え前と全く同等によく
なかった。
発生した。幅替え後では未凝固圧下により厚み70m
m、幅1000mmの薄鋳片が得られたが、鋳片の短片
形状および内部割れは、上記幅替え前と全く同等によく
なかった。
【0061】比較例5では、鋳造開始直後は溶鋼過熱度
(ΔT)が低く、かつ鋳造速度が遅いので、鋳型内溶鋼
の流動が小さい。このため、浸漬ノズルと鋳型長辺壁中
央部との離間距離(t1)が10mmと小さいこの例で
は、鋳造開始直後に鋳型内壁と浸漬ノズルとの間に皮張
り(凝固)が発生し、鋳造継続が困難となった。
(ΔT)が低く、かつ鋳造速度が遅いので、鋳型内溶鋼
の流動が小さい。このため、浸漬ノズルと鋳型長辺壁中
央部との離間距離(t1)が10mmと小さいこの例で
は、鋳造開始直後に鋳型内壁と浸漬ノズルとの間に皮張
り(凝固)が発生し、鋳造継続が困難となった。
【0062】
【発明の効果】本発明の偏平8角形異形断面鋳型を用い
る未凝固圧下連続鋳造方法によれば、内部割れのない矩
形断面の薄鋳片を安定して製造することができる。
る未凝固圧下連続鋳造方法によれば、内部割れのない矩
形断面の薄鋳片を安定して製造することができる。
【図1】本発明方法で用いる鋳型の水平断面図である。
【図2】本発明方法で用いる、鋳型直下での未凝固鋳片
圧下方法の例を説明する概略の縦断面図である。
圧下方法の例を説明する概略の縦断面図である。
【図3】本発明方法による未凝固圧下前後の鋳片形状を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図4】本発明方法で用いる鋳型の幅替え後の水平断面
図である。
図である。
【図5】薄鋳片の内部割れ発生状況の差を示す図であ
る。
る。
【図6】従来の矩形水平断面鋳型の場合の、未凝固圧下
前後の鋳片形状を示す断面図である。
前後の鋳片形状を示す断面図である。
1:長辺壁、 2:短辺壁、 3:鋳型、 4:
幅縮小機構、5:浸漬ノズル、6:案内ロール、7:薄
鋳片
幅縮小機構、5:浸漬ノズル、6:案内ロール、7:薄
鋳片
Claims (2)
- 【請求項1】偏平8角形状の水平断面を有する鋳型を用
いる薄鋳片の連続鋳造方法であって、偏平8角形状水平
断面は鋳型短辺壁側の厚みが薄く、長辺壁側中央部の厚
みが厚く、厚みの薄い部分から厚い部分への過渡部分が
直線的に変化し、鋳型短辺壁として幅方向に移動可能な
台形状水平断面の可動壁を、鋳型長辺壁の一つが厚み方
向に移動可能な可動壁をそれぞれ備えた鋳型を用いて、
偏平8角形状水平断面を有する一定寸法の薄鋳片を鋳造
し、未凝固状態において薄鋳片を鋳型直下の案内ロール
で圧下することにより、薄鋳片の水平断面を矩形状に整
形することを特徴とする薄鋳片の連続鋳造方法。 - 【請求項2】偏平8角形状の水平断面を有する鋳型を用
いる薄鋳片の連続鋳造方法であって、偏平8角形状水平
断面は鋳型短辺壁側の厚みが薄く、長辺壁側中央部の厚
みが厚く、厚みの薄い部分から厚い部分への過渡部分が
直線的に変化し、鋳型短辺壁として幅方向に移動可能な
台形状水平断面の可動壁を、鋳型長辺壁の一つが厚み方
向に移動可能な可動壁をそれぞれ備えた鋳型を用いて、
鋳造開始時には偏平8角形状水平断面形状を有する一定
寸法の比較的広幅で厚い薄鋳片を鋳造し、未凝固状態に
おいて薄鋳片を鋳型直下の案内ロールで圧下して薄鋳片
の水平断面を矩形状に整形しながら、鋳造中に幅と厚み
との縮小を行い、引き続き矩形状水平断面の狭幅薄鋳片
を鋳造し、未凝固状態において前記圧下を施すことによ
り、さらに薄鋳片の水平断面形状を矩形に整形すること
を特徴とする薄鋳片の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15480495A JPH091292A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 薄鋳片の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15480495A JPH091292A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 薄鋳片の連続鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH091292A true JPH091292A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15592258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15480495A Pending JPH091292A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 薄鋳片の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH091292A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4945852A (en) * | 1987-09-04 | 1990-08-07 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Compact planning type boat |
JP2008055512A (ja) * | 2007-10-10 | 2008-03-13 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 連続鋳造スラブおよびそれを用いた鋼板の製造方法 |
JP2009519134A (ja) * | 2005-12-14 | 2009-05-14 | エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト | 薄いストリップを連続鋳造するための方法と連続鋳造装置 |
-
1995
- 1995-06-21 JP JP15480495A patent/JPH091292A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4945852A (en) * | 1987-09-04 | 1990-08-07 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Compact planning type boat |
JP2009519134A (ja) * | 2005-12-14 | 2009-05-14 | エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト | 薄いストリップを連続鋳造するための方法と連続鋳造装置 |
JP2008055512A (ja) * | 2007-10-10 | 2008-03-13 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 連続鋳造スラブおよびそれを用いた鋼板の製造方法 |
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