JPH0873470A - エチニルマグネシウムハライドの製造方法 - Google Patents
エチニルマグネシウムハライドの製造方法Info
- Publication number
- JPH0873470A JPH0873470A JP23226994A JP23226994A JPH0873470A JP H0873470 A JPH0873470 A JP H0873470A JP 23226994 A JP23226994 A JP 23226994A JP 23226994 A JP23226994 A JP 23226994A JP H0873470 A JPH0873470 A JP H0873470A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acetylene
- halide
- group
- ethinylmagnesium
- magnesium halide
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【構成】アルキルマグネシウムハライドとアセチレンと
を反応させてエチニルマグネシウムハライドを製造する
に際して、炭素数6乃至20の直鎖又は分枝を有するア
ルキルマグネシウムハライドを使用することを特徴とす
るエチニルマグネシウムハライドの製造方法。 【効果】本発明の製造方法によれば、ブタン等の危険な
低沸点の気体(副生物)が系外に流出することがなく、
また、目的物たるエチニルマグネシウムハライドの収率
も向上する。
を反応させてエチニルマグネシウムハライドを製造する
に際して、炭素数6乃至20の直鎖又は分枝を有するア
ルキルマグネシウムハライドを使用することを特徴とす
るエチニルマグネシウムハライドの製造方法。 【効果】本発明の製造方法によれば、ブタン等の危険な
低沸点の気体(副生物)が系外に流出することがなく、
また、目的物たるエチニルマグネシウムハライドの収率
も向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチニルマグネシウムハ
ライドの製造方法に関する。
ライドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチニル化合物は種々の医薬、農薬、香
料などの合成中間体として有用である。かかるエチニル
化合物は、相当するカルボニル化合物や有機ハロゲン化
合物等とエチニルマグネシウムハライドとをグリニャー
ルカップリング反応することにより合成される。この時
用いるエチニルマグネシウムハライドは、エチルブロミ
ドやn−ブチルクロリドより調製したグリニャール試薬
とアセチレンを反応することにより得られる。そして、
エチニルマグネシウムハライドは、例えば「オーガニッ
ク シンセシス」4巻、792ページによれば、20℃
以下に冷却したテトラヒドロフラン中にアセチレンを吹
き込み飽和させ、アセチレンの吹き込みを続けながら2
0℃以下でエチルブロミドのTHF溶液を滴下するとい
う方法がある。また、「オーガニック シンセシス」8
巻、606ページによればエチルブロミドの代わりにn
−ブチルクロリドを用いている点が異なるだけで、エチ
ルブロミドの場合と同じ操作でエチニルマグネシウムク
ロリドを製造している。そして、これらの方法では、副
反応を抑制する為にグリニャール試薬に対して過剰のア
セチレンを使用している。しかし、かかる反応では、常
温常圧下で、気体で沸点の低いエタンやn−ブタンが発
生し、エタン等の危険性が高い気体を系外へ(大気中
に)大量に流出することになり、エチニルマグネシウム
ハライドの工業的生産には著しく安全性に欠ける。
料などの合成中間体として有用である。かかるエチニル
化合物は、相当するカルボニル化合物や有機ハロゲン化
合物等とエチニルマグネシウムハライドとをグリニャー
ルカップリング反応することにより合成される。この時
用いるエチニルマグネシウムハライドは、エチルブロミ
ドやn−ブチルクロリドより調製したグリニャール試薬
とアセチレンを反応することにより得られる。そして、
エチニルマグネシウムハライドは、例えば「オーガニッ
ク シンセシス」4巻、792ページによれば、20℃
以下に冷却したテトラヒドロフラン中にアセチレンを吹
き込み飽和させ、アセチレンの吹き込みを続けながら2
0℃以下でエチルブロミドのTHF溶液を滴下するとい
う方法がある。また、「オーガニック シンセシス」8
巻、606ページによればエチルブロミドの代わりにn
−ブチルクロリドを用いている点が異なるだけで、エチ
ルブロミドの場合と同じ操作でエチニルマグネシウムク
ロリドを製造している。そして、これらの方法では、副
反応を抑制する為にグリニャール試薬に対して過剰のア
セチレンを使用している。しかし、かかる反応では、常
温常圧下で、気体で沸点の低いエタンやn−ブタンが発
生し、エタン等の危険性が高い気体を系外へ(大気中
に)大量に流出することになり、エチニルマグネシウム
ハライドの工業的生産には著しく安全性に欠ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、エチニル
マグネシウムハライドを得るためのより安全な方法が待
たれている。
マグネシウムハライドを得るためのより安全な方法が待
たれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記観点か
ら鋭意研究の結果、より安全に、かつ、高収率でエチニ
ルマグネシウムハライドを得る方法を見出し、本発明に
至った。すなわち、本発明は炭素数6乃至20の直鎖及
び分岐を有するアルキルマグネシウムハライドとアセチ
レンを反応させることを特徴とするエチニルマグネシウ
ムハライドの製造方法に関する。
ら鋭意研究の結果、より安全に、かつ、高収率でエチニ
ルマグネシウムハライドを得る方法を見出し、本発明に
至った。すなわち、本発明は炭素数6乃至20の直鎖及
び分岐を有するアルキルマグネシウムハライドとアセチ
レンを反応させることを特徴とするエチニルマグネシウ
ムハライドの製造方法に関する。
【0005】エチニルマグネシウムハライドの製造方法
は、概略を示すと次のようになる。
は、概略を示すと次のようになる。
【0006】
【化1】
【0007】ここで、RXにおいて、XはCl,Br,
I等のハロゲン原子を示す。Rは炭素数6乃至20の直
鎖又は分岐を有するアルキル基を示し、具体的には、例
えばn−ヘキシル基、3−メチル−3−ペンチル基、2
−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、
2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、
n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル
基、2−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘ
キサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基
である。
I等のハロゲン原子を示す。Rは炭素数6乃至20の直
鎖又は分岐を有するアルキル基を示し、具体的には、例
えばn−ヘキシル基、3−メチル−3−ペンチル基、2
−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、
2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、
n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル
基、2−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘ
キサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基
である。
【0008】この反応において、溶媒はジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル
類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが使用され
る。また、必要に応じて、これらの溶媒とベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサ
ン等の炭化水素類が共溶媒として用いられる。
ル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル
類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが使用され
る。また、必要に応じて、これらの溶媒とベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサ
ン等の炭化水素類が共溶媒として用いられる。
【0009】RMgXとアセチレンの反応温度は、−2
0〜30℃の範囲で任意に選ばれ、また、使用するアセ
チレンは、アルキルマグネシウムハライドの1.0〜
2.0倍モルの範囲で任意に選ばれる。
0〜30℃の範囲で任意に選ばれ、また、使用するアセ
チレンは、アルキルマグネシウムハライドの1.0〜
2.0倍モルの範囲で任意に選ばれる。
【0010】
【実施例】以下に具体例を例示し、本発明を説明する。
【0011】実施例1 1000mlのフラスコにテトラヒドロフラン(TH
F)330mlを仕込み、10℃に冷却し、アセチレン
を20l/hrの吹き込み速度で1時間吹き込んだ
(0.89mol)。つぎに、アセチレンを20l/h
rの吹き込み速度で吹き込みながら、通常の方法で製造
したn−オクチルマグネシウムクロリド(1.0mo
l)を含むTHF溶液を20℃以下で40分かけて滴定
した。滴下終了後、さらにアセチレンの吹き込みを30
分間継続し、アセチレンの吹き込みを終了した後、20
℃で1時間攪拌した。反応中、13lの気体が系外へ流
出し、この気体を分析したところ全てアセチレンであっ
た。反応終了後、生成物をクロロトリメチルシランを用
いてトリメチルシリル化した後ガスクロマトグラフィー
分析を行った結果、エチニルマグネシウムクロリドが9
5%(収率)で得られた。
F)330mlを仕込み、10℃に冷却し、アセチレン
を20l/hrの吹き込み速度で1時間吹き込んだ
(0.89mol)。つぎに、アセチレンを20l/h
rの吹き込み速度で吹き込みながら、通常の方法で製造
したn−オクチルマグネシウムクロリド(1.0mo
l)を含むTHF溶液を20℃以下で40分かけて滴定
した。滴下終了後、さらにアセチレンの吹き込みを30
分間継続し、アセチレンの吹き込みを終了した後、20
℃で1時間攪拌した。反応中、13lの気体が系外へ流
出し、この気体を分析したところ全てアセチレンであっ
た。反応終了後、生成物をクロロトリメチルシランを用
いてトリメチルシリル化した後ガスクロマトグラフィー
分析を行った結果、エチニルマグネシウムクロリドが9
5%(収率)で得られた。
【0012】実施例2〜8 実施例1のn−オクチルマグネシウムクロリドの代わり
に、2−エチルヘキシルマグネシウムブロミド、n−ヘ
キシルマグネシウムクロリド、n−ヘプチルマグネシウ
ムクロリド、n−デシルマグネシウムクロリド、n−ド
デシルマグネシウムブロミド、3−メチル−3−ペンチ
ルマグネシウムクロリド及び2−エチルブチルマグネシ
ウムブロミドを用いる以外は、実施例1と同様の反応を
行った。これらの反応で、12〜14lの気体が系外に
流出した。各気体を分析したところ、いずれもアセチレ
ンであった。これらの結果を第1表にまとめた。
に、2−エチルヘキシルマグネシウムブロミド、n−ヘ
キシルマグネシウムクロリド、n−ヘプチルマグネシウ
ムクロリド、n−デシルマグネシウムクロリド、n−ド
デシルマグネシウムブロミド、3−メチル−3−ペンチ
ルマグネシウムクロリド及び2−エチルブチルマグネシ
ウムブロミドを用いる以外は、実施例1と同様の反応を
行った。これらの反応で、12〜14lの気体が系外に
流出した。各気体を分析したところ、いずれもアセチレ
ンであった。これらの結果を第1表にまとめた。
【0013】比較例1(オーガニック シンセシスによ
る製造方法) 1000mlのフラスコにテトラヒドロフラン(TH
F)330mlを仕込み、10℃に冷却し、アセチレン
を20l/hrの吹き込み速度で1時間吹き込んだ
(0.89mol)。つぎに、アセチレンを20l/h
rの吹き込み速度で吹き込みながら、通常の方法で製造
したn−ブチルマグネシウムクロリド(1.0mol)
を含むTHF溶液を20℃以下で40分かけて滴定し
た。滴下終了後、さらにアセチレンの吹き込みを30分
間継続し、アセチレンの吹き込みを終了した後、20℃
で1時間攪拌した。反応中、約40lの気体が系外へ流
出し、この気体を分析したところアセチレンが44%、
n−ブタンが56%であった。反応終了後、生成物をク
ロロトリメチルシランを用いてトリメチルシリル化しガ
スクロマトグラフィー分析を行った結果、エチニルマグ
ネシウムクロリドが80%(収率)で得られた。
る製造方法) 1000mlのフラスコにテトラヒドロフラン(TH
F)330mlを仕込み、10℃に冷却し、アセチレン
を20l/hrの吹き込み速度で1時間吹き込んだ
(0.89mol)。つぎに、アセチレンを20l/h
rの吹き込み速度で吹き込みながら、通常の方法で製造
したn−ブチルマグネシウムクロリド(1.0mol)
を含むTHF溶液を20℃以下で40分かけて滴定し
た。滴下終了後、さらにアセチレンの吹き込みを30分
間継続し、アセチレンの吹き込みを終了した後、20℃
で1時間攪拌した。反応中、約40lの気体が系外へ流
出し、この気体を分析したところアセチレンが44%、
n−ブタンが56%であった。反応終了後、生成物をク
ロロトリメチルシランを用いてトリメチルシリル化しガ
スクロマトグラフィー分析を行った結果、エチニルマグ
ネシウムクロリドが80%(収率)で得られた。
【0014】
【表1】
【0015】
【効果】実施例1〜8の結果から明らかなように、本発
明の製造方法によれば、ブタン等の危険な低沸点の気体
(副生物)が系外に流出することがなく、また、目的物
たるエチニルマグネシウムハライドの収率も向上する。
明の製造方法によれば、ブタン等の危険な低沸点の気体
(副生物)が系外に流出することがなく、また、目的物
たるエチニルマグネシウムハライドの収率も向上する。
Claims (1)
- 【請求項1】アルキルマグネシウムハライドとアセチレ
ンとを反応させてエチニルマグネシウムハライドを製造
するに際して、炭素数6乃至20の直鎖又は分枝を有す
るアルキルマグネシウムハライドを使用することを特徴
とするエチニルマグネシウムハライドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23226994A JPH0873470A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | エチニルマグネシウムハライドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23226994A JPH0873470A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | エチニルマグネシウムハライドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0873470A true JPH0873470A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=16936603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23226994A Pending JPH0873470A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | エチニルマグネシウムハライドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0873470A (ja) |
-
1994
- 1994-08-31 JP JP23226994A patent/JPH0873470A/ja active Pending
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