JPH08178291A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

ガスタービン燃焼器

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JPH08178291A
JPH08178291A JP32663494A JP32663494A JPH08178291A JP H08178291 A JPH08178291 A JP H08178291A JP 32663494 A JP32663494 A JP 32663494A JP 32663494 A JP32663494 A JP 32663494A JP H08178291 A JPH08178291 A JP H08178291A
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聰 塚原
Hiromi Koizumi
浩美 小泉
Toshibumi Sasao
俊文 笹尾
Kazumi Iwai
一躬 岩井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】本発明はガスタービン燃焼器に係り、NOx生
成の少ない燃焼方法,構造を提供する。 【構成】内筒182の端部中心に拡散燃焼用の第1燃料
ノズル131とスワーラ151を設け、その外周には環
状予混合室152,153とその燃料供給用の燃料ノズ
ル132,133を設けて、保炎器162,163によ
って希薄予混合気を安定燃焼する。また、内筒182の
外周空気通路に予混合燃料供給用の第4燃料ノズル13
5を設け、内筒冷却空気にも燃料を予混合する。 【効果】この結果、内筒上流部の燃焼域での燃空比又は
火炎温度を低くすることが可能となり、NOx生成を大
幅に低減可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスタービン燃焼器にお
ける希薄予混合気形成方法および燃焼方法に関する。
【0002】
【従来の技術】希薄予混合燃焼を主体とするガスタービ
ン燃焼器の一例は実願平1−5663 号に示されており、そ
の概略図を図3に示す。内筒182の中心軸上の燃料ノ
ズル131からは拡散燃焼用の燃料が噴射されて燃焼安
定性を高める働きをし、その外周の各予混合室152,
153,154からは燃料希薄予混合気が旋回して供給
され、燃料ノズル131からの拡散燃料によって補助さ
れながら燃焼する。燃焼室193は1500℃以上の高
温になるので内筒182の壁面温度が高くなり、通常の
耐熱金属材料の許容温度を超える。したがって、図示し
ない空気孔を多数設けて内筒182と外筒181の間を
流れる空気の一部を流して冷却している。燃焼器出口平
均ガス温度の高いガスタービン燃焼器では燃焼域の局所
温度を燃焼反応を安定保持できる限界まで下げてNOx
の生成を抑制しようとするために、予混合室152,1
53,154へ供給する空気割合をできるだけ多くしよ
うとしている。一方、内筒182の壁面温度は燃焼域の
温度および燃焼器出口平均ガス温度が上昇すると高くな
る傾向にあり、高温ガスタービンになるほど内筒冷却に
必要な空気流量は増加する。したがって高温ガスタービ
ン燃焼器では、燃焼用空気と冷却用空気とを分け、燃焼
用空気のみに燃料を予混合して燃焼する方法では燃焼域
の局所温度を必要温度まで下げることができなくなり、
NOx生成量が多くなると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、高温
ガスタービンの高負荷時に燃焼域の火炎温度を下げて、
NOx生成を抑制するために必要な空気を確保できな
い。
【0004】本発明の目的は従来の燃焼域に供給する燃
料流量を減少し、残りの燃料を従来の燃焼域の下流側の
ガス温度がわずかに低下した領域で、局所的な火炎温度
の上昇を防止しつつ燃焼させる方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】内筒と外筒で形成される
空気流路を流れる空気すなわち燃焼用空気および冷却用
空気に燃料を供給,混合するための複数の燃料ノズルと
燃料供給配管および流量制御機構を設け、燃焼器全体燃
料流量の一部を供給する。
【0006】また、内筒冷却用空気に燃料を供給,混合
するための複数の燃料ノズルと燃料供給配管および流動
制御機構を設け、燃焼器全体燃料流量の一部を供給す
る。
【0007】
【作用】内筒と外筒で形成される空気通路を流れる空気
に少量の燃料を混合し、燃焼器入口空気温度条件では発
火しない希薄予混合気を形成する。従来の燃焼域に供給
される希薄予混合気は新たに燃料を供給され、予混合燃
焼又は一部が拡散燃焼する。この結果、燃焼域では15
00℃以上の高温ガスが生成される。この高温ガスに対
して内筒壁面穴を介して供給される内筒冷却用希薄予混
合気は内筒を冷却した後に高温燃焼ガスと混合する。こ
の混合ガスの温度は燃焼域よりも低いが、可燃ガスが燃
焼反応を進行させるために必要な温度よりも十分に高い
ため、冷却空気中に混合した燃料は局所的に急激な温度
上昇をしないで燃焼する。
【0008】燃焼域供給空気と内筒冷却空気との通路が
分離している場合には、内筒冷却空気に燃料を混合して
希薄混合気を形成すると前述と同様の働きを期待でき
る。
【0009】
【実施例】本発明の一実施例を図1に示す。燃焼室19
3を形成する内筒182と、その外周の熱遮蔽効果と内
筒冷却性能の調節機能を有する内筒フロースリーブ18
3と、その外周の燃焼器部全体を収納する圧力容器であ
る外筒181と、内筒182の端部中心の第1燃料ノズル
131と、その外周の空気供給用のスワーラ151と、
更にその外周の第1予混合室152,第2予混合室15
3と、各予混合室内の第2燃料ノズル132,第3燃料
ノズル133と、各予混合室出口近傍外周壁の第1保炎
器162,第2保炎器163と、各燃料ノズルへ燃料を
供給する配管111,112,113と途中の流量制御
弁121,122,123に加えて、内筒182と内筒
フロースリーブ183の間を流れる空気に燃料を供給す
る第4燃料ノズル135と、燃料を供給する配管115
と、その途中の流量制御弁125、更に内筒182と図示
しないタービンノズルとを接続する尾筒184とそのフ
ロースリーブ185によって燃焼器部を構成している。
図示しない圧縮機から燃焼器部へ供給される空気は尾筒
184と尾筒フロースリーブ185とによって形成され
る環状通路および内筒182と内筒フロースリーブ18
3とによって形成される環状通路191内を矢印201
の方向に全量が進み、途中で内筒182の冷却効果を高
めるために設けられた冷却空気孔192を通って燃焼室
193に流入する空気流205がまず分岐し、更に矢印
202,203のように燃焼用空気が分岐した後に、予
混合燃焼空気は予混合室152,153を通り、拡散燃
焼空気はスワーラ151を通って燃焼室193へと供給
される。一方、拡散燃焼する第1燃料ノズル131用燃
料F1 は配管111と流量制御弁121を介して供給さ
れ、予混合燃焼する第2燃料ノズル132用燃料F2
配管112と流量制御弁122を介して供給され、予混
合燃焼する第3燃料ノズル133用燃料F3 は配管11
3と流量制御弁123を介して供給され、空気全体と予
混合する第4燃料ノズル135用燃料F4 は配管115
と流量制御弁125を介して供給される。
【0010】この燃焼器はガスタービン負荷によって燃
料供給系統及び流量を図2に示すように制御しており、
その詳細を以下に記す。ガスタービン負荷O〜A%の低
負荷では、第1燃料ノズル131から噴射される燃料F
1 がスワーラ151から供給される旋回空気中で拡散燃
焼し、火炎171を形成する。ガスタービン負荷がA%
に達すると、燃料F1 をfからeまで減少し、第1予混
合室152内へ第2燃料ノズル132から燃料F2 をf
eだけ供給する。この条件では、拡散火炎171からの熱
供給があるために、第1予混合室152から燃焼室19
3へ噴射される混合気は燃焼しやすくなっており、第1
保炎器162によって保炎され、第1予混合火炎172
を形成する。ガスタービン負荷がA%以上になると、燃
料F1 とF2 を増す。燃料が増すとNOx生成量も増
し、NOxが許容値に達するガスタービン負荷B%で
は、燃料F1とF2を減少し、第2予混合室153内へ第
3燃料ノズル133から燃料F3 をjiだけ供給して混
合気を形成し、この混合気は拡散火炎171と第1予混
合火炎172から熱供給されて燃焼しやすくなるので、
第2保炎器163によって保炎され、第2予混合火炎1
73を形成する。ガスタービン負荷がB%以上ではNO
x生成量の多い拡散燃焼に使われる燃料F1 は安定燃焼
に必要な一定量とし、NOx生成の少ない予混合燃焼に
使われる燃料F2,F3 を増加する。そして、内筒182
の内筒冷却孔192から流入する内筒冷却空気205に
燃料F4 が混合し、その燃料F4 が尾筒184内部を流
れる時間内で燃焼反応が完了する尾筒184の出口ガス
温度約1200℃に相当するガスタービン負荷C%に達
すると、燃焼器部空気全体に対して第4燃料ノズル13
5から燃料F4 を供給する。燃料F4 の一部は、内筒冷
却空気205と混合して、内筒182の側面に設けた冷
却孔192から内筒内部に流入し上流の拡散火炎171,第
1予混合火炎172と第2予混合火炎173によって生
成された高温燃焼ガスと混合して燃焼する。この際に内
筒182の外周環状流路191で形成される予混合気
は、内筒182の外側の空気温度,圧力,水分濃度条件
では燃焼できない燃料希薄予混合気とする。従って、内
筒冷却空気205に混合した燃料F4 が尾筒184内部
で燃焼する場合でも、上流側の火炎171,172,1
73の温度よりも低く、NOx生成はほとんどゼロであ
る。この燃料F4 で形成される予混合気濃度条件を満足
しつつ、ガスタービン負荷100%まで燃料流量を増加
する。この結果、燃料F4 を別系統から内筒182の内
部へ流したことにより、ガスタービン負荷100%にお
ける第1予混合火炎172への燃料F2 と第2予混合火
炎173への燃料F3 は少なくなっており、火炎温度も
低下している。
【0011】予混合火炎の保炎方法が異なる、他の一実
施例を図4に示す。第1予混合室152の環状出口端の
流路中心近傍にブラフボディ型の第1保炎器162を設
け、第2予混合室153の環状出口端の流路中心近傍に
ブラフボディ型の第2保炎器163を設けている。機能
上は図1と同じであるが、1つの保炎器の内周側と外周
側に火炎が分割されて形成される点が異なる。しかし、
ガスタービン負荷に対する燃料供給系統及び流量の制御
は、図2に従って行うことが可能であり、燃料F4 を供
給する効果は図1の構造と同じである。
【0012】また、予混合火炎の保炎方法が異なる、別
の一実施例を図5に示す。第1予混合室152の環状出
口端の流路中心近傍にはブライボディ型の第1保炎器1
62を有するが、第2予混合室153の環状出口端には
保炎器を有しない。この構造において、メタンガスを燃
焼する場合、燃料F1 から燃料F2 の燃焼によって、尾
筒184の出口平均ガス温度が約1200℃(メタンガ
ス燃焼時)に達した後に、第2予混合室153内へ第3
燃料ノズル133から燃料F3 を供給して予混合気とし
て、燃焼室193へ供給することにより、尾筒184の
出口端に達する前に燃料F3 は燃焼を完了することがで
き、燃焼温度が通常の保炎器で保炎される火炎の温度よ
りも低いために、NOxはほとんど生成しない。そし
て、燃焼器全体空気に第4燃料ノズル135から燃料F
4 を噴射して混合気を作り、その一部が内筒冷却空気2
05として内筒冷却孔192から燃焼室193に流入
し、上流の約1200℃以上の燃焼ガスと混合して燃焼
する場合も前記の燃料F3 の燃焼と同様であり、燃焼温
度が通常の保炎器で保炎される火炎の温度よりも低いた
めにNOxはほとんど生成しない。
【0013】以上の実施例において、尾筒184の外周
に、燃焼器部全体空気を流すためのフロースリーブ18
5を有する構造の場合には、第4燃料ノズル135を尾
筒184とフロースリーブ185とによって形成される
空間に設けることにより、同様の機能・効果が得られ
る。
【0014】また、さらに別の一実施例として、内部冷
却空気通路を燃焼空気通路と分離した構造を図6に示
す。この構造では、第4燃料ノズル135を内筒182
とフロースリーブ183によって形成される内筒冷却空
気通路211に設け、図示しない尾筒184の出口平均
ガス温度が約1200℃(メタンガス燃焼時)以上の条
件で燃料F4 を第4燃料ノズル135から噴射し、混合
気を形成した後に内筒冷却孔192から燃焼室193へ
供給することにより、尾筒184の途中で燃焼が完了す
る。燃料F4 と内筒冷却空気を予混合した混合気は内筒
182の外周の空気温度,圧力,水分濃度条件では燃焼
できない燃料希薄予混合気であり、燃焼室193で燃焼
している火炎温度よりも低い温度で燃焼するためには、
NOxはほとんど生成しない。又、予混合燃料F2,F3
が減少し、予混合火炎172,173の温度が低下するの
で、NOxの生成は減少する。
【0015】なお、燃料F4 を空気と均一混合しやすく
するために、F4 燃料ノズル135は図1に示す先端開
口のパイプ状の他に、側面開口のパイプ状のものを複数
本、放射状に配置する形式や、環状空気通路191,2
11に対応した環状パイプを設け、その側面に複数の開
口を有する形式が可能である。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、従来の燃焼域に供給す
る燃料が、全体燃料流量から内筒冷却空気に予混合する
燃料流量を差し引いた流量となるので、従来の燃焼域の
燃料流量と空気流量の比すなわち火炎温度を下げること
が可能となり、火炎温度に支配されることが公知である
NOxの生成を抑制できる。そして従来の燃焼域の下流
で内筒冷却空気中の燃料が燃焼するが、低温燃焼であ
り、NOxの生成はほとんどないので、燃焼器全体での
NOx生成を抑制できる。
【0017】特に高温ガスタービン燃焼器で、冷却空気
を除いた燃焼空気と燃料を予混合燃焼する場合には低温
燃焼するための燃焼空気が不足するのでNOx生成が多
くなる傾向にあり、本発明の効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の縦断面図。
【図2】本発明の燃料制御図。
【図3】従来例の縦断面図。
【図4】本発明の他の一実施例の縦断面図。
【図5】本発明の別の一実施例の縦断面図。
【図6】本発明の更に別の一実施例の縦断面図。
【符号の説明】
131…第1燃料ノズル、132…第2燃料ノズル、1
33…第3燃料ノズル、135…第4燃料ノズル、15
1…スワーラ、152…第1予混合室、153…第2予
混合室、181…外筒、182…内筒、183…内筒フ
ロースリーブ、184…尾筒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩井 一躬 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室を形成する内筒と、前記内筒へ直接
    又は予混合室を経て燃料を供給する燃料ノズルと、これ
    らを収納する外筒より成るガスタービン燃焼器におい
    て、前記内筒と外筒とによって形成される空間に燃料供
    給部材を設け、前記燃料供給部材から燃焼器全体燃料供
    給量の一部を供給し、内筒冷却空気を含む全体空気と混
    合して、内筒外部条件における不燃希薄混合気を形成す
    ることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 【請求項2】燃焼室を形成する内筒と、前記内筒へ直接
    又は予混合室を経て燃料を供給する燃料ノズルと、これ
    らを収納する外筒より成るガスタービン燃焼器におい
    て、前記内筒と、その外周の内筒冷却空気フロースリー
    ブとによって形成される空気に燃料供給部材を設け、前
    記燃料供給部材から燃焼器全体燃料供給量の一部を供給
    し、内筒冷却空気と混合して、内筒外部条件における不
    燃希薄混合気を形成することを特徴としたガスタービン
    燃焼器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000046332A (ja) * 1998-07-27 2000-02-18 Asea Brown Boveri Ag ガス状の燃料でガスタ―ビンを運転する方法及び装置
JP2006144759A (ja) * 2004-11-25 2006-06-08 Toyota Central Res & Dev Lab Inc ガスタービン用予混合燃焼器およびその燃料供給制御方法
CN103791517A (zh) * 2012-10-31 2014-05-14 中航商用航空发动机有限责任公司 燃烧室燃油喷射混合装置

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CN103791517A (zh) * 2012-10-31 2014-05-14 中航商用航空发动机有限责任公司 燃烧室燃油喷射混合装置

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