JPH0780882B2 - 6‐チオキサンチン誘導体 - Google Patents

6‐チオキサンチン誘導体

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JPH0780882B2
JPH0780882B2 JP61024248A JP2424886A JPH0780882B2 JP H0780882 B2 JPH0780882 B2 JP H0780882B2 JP 61024248 A JP61024248 A JP 61024248A JP 2424886 A JP2424886 A JP 2424886A JP H0780882 B2 JPH0780882 B2 JP H0780882B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、6−キサンチン誘導体に関し、更に詳しくは
喘息の痙攣を鎮静させる気管支拡張剤として用いる新規
な6−キサンチン誘導体に関する。
[発明の背景] 幾つかのキサンチン誘導体は、喘息の痙攣を鎮静させる
気管支拡張剤として、既に使用されている。例えばエン
プロフィリン(3−プロピルキサンチン)及びテオフィ
リン(1,3−ジメチルキサンチン)は何れも痙攣鎮静及
び気管支拡張剤として公知である。“Allergy"1983年,v
ol 38,75−79では、エンプロフィリンの気管支拡張作用
を分析し、“Medical Hypotheses"1962年,vol 8,515−5
26では、エンプロフィリンが、テオフィリンの4〜5倍
も有効であり、而もテオフィリンに見られるような、ア
デノシン拮抗作用を呈しないとの所見を報告している。
然し、エンプロフィリンの半減期は2時間以下であり、
テオフィリンの場合と同様、好ましくない副作用である
嘔吐作用を呈する。
1−非置換チオキサンチン誘導体として、特定の1種類
だけ、特に3−イソブチル−6−チオキサンチンが調製
され、その気管支拡張作用が検討された(Brit.J.Pharm
acol.1961年,vol 17,196−207)。この化合物(第4表
化合物No.30)が、6−チオテオブロミン(3,7−ジ置換
6−チオキサンチン)及び6−チオカフェイン(1,3,7
−トリ置換6−チオキサンチン)と共に試験された。こ
の化合物の気管支拡張作用を検討する実験は2回しか行
なわれず、実験回数が少なく、データに対する統計的検
討は行なわれなかった。
[発明の概要] 本発明者は幾つかの6−チオキサンチン誘導体が気管支
拡張作用を改善するだけでなく、従来使用されている同
様のキサンチン誘導体気管支拡張剤よりも半減期を長く
し、而も副作用を軽減するという所見を得た。
本発明は、軽微な副作用で優れた気管支拡張作用を有す
る幾つかの新規のキサンチン誘導体に係わる。これらの
化合物は、公知の気管支拡張剤に比較して半減期が長い
という長所をも具える。
従って、本発明の目的は、喘息患者における気管支拡張
効果を高めることにある。
本発明の他の目的は、気管支拡張効果を高めると共に副
作用を軽減することにある。
本発明の更に他の目的は、優れた気管支拡張作用を達成
するための、経時安定性に富む新しい化合物を提供する
ことにある。
本発明は、これらの目的を、R3がエチル、n−プロピル
またはn−ブチルであり、R8が水素、メチルまたはエチ
ルであるとして、式 で表わされ、副作用が少なく、安定性、特に半減期が従
来使用されて来た同様の化合物及び組成物よりも優れ、
而も従来よりも顕著な気管支拡張作用を呈する化合物に
よってその目的を達成する。本発明の誘導体によれば、
気管支拡張を必要とする患者に、上記式で表わされる化
合物を気管支拡張有効量だけ投与することによって、副
作用の少ない気管支拡張を達成する。
本発明の化合物は、従来気管支拡張用に使用されて来た
類型的なキサンチン誘導体、特にエンプロフィリンに比
較して、生体内安定性、即ち、半減期において優れてい
る。本発明はまた、他のキサンチン誘導体、例えばエン
プロフィリンよりも優れた気管支拡張作用を発揮するの
にもかかわらず、軽微な副作用を伴なうだけである。
[詳細な説明] 本発明の3−エチル−6−チオキサンチン、3−プロピ
ル−6−チオキサンチン、及び3−n−ブチル−6−チ
オキサンチンは、上記構造式から明らかなように、8位
置でメチルまたはエチルと置換することができる。本発
明の化合物はJ.Chem.Soc.1962年、1863−1863に発表さ
れたWooldridge及びSlackの方法による適当な先駆物質
から合成することができる。
本発明の化合物は、公知の薬剤用として許容できる賦形
剤または佐薬と共に、個々の患者に投与するための組成
物に組込むことができる。化合物は遊離の形または非毒
性の、薬剤用として許容できる塩の形で組成物に組込む
ことができる。本発明化合物の薬剤用として許容できる
塩は、当量の有機または無機塩基との公知の反応によっ
て得られる。このような薬剤用として許容できる塩とし
ては、カリウム、ナトリウム、塩素、及び塩基性アミノ
酸塩などが挙げられる。
本発明の組成物は、公知の注射用液状キャリア、例えば
水または適当なアルコールと組合わせて腸管外(非経
口)投与することができる。この注射可能な組成物に
は、公知の注射左薬、例えば、安定化剤、可溶化剤、緩
衝剤を含めることができる。これらの組成物は、筋肉、
腹膜内、または静脈注射することができる。
本発明の組成物は、1種類または複数種類の生理的に適
合性のある賦形剤または佐薬を含有する固形または液状
の経口投与組成物として調合することもできる。これら
の組成物は、公知の成分、例えば結合剤、充填剤、滑沢
剤、許容できる潤滑剤などを含有してもよい。また、組
成物は、錠剤、カプセル、糖衣錠、水性または油性懸濁
液、エマルジヨン、または、直接放出させるか、制御下
に放出させるかに応じて、使用前に、水またはその他の
適当な液状媒と再配合するのに適した粉末状など、任意
の形態を採ることができる。
液状経口投与形式の場合、甘味料、香料、防腐剤、乳化
剤などの添加物を含有してもよい。非水性液状経口投与
組成物として調合することも可能であり、この場合には
食用油を含有する。このような液状組成物は、1回の投
与量毎に、例えばゼラチンのカプセルに封入すれば便利
である。
本発明の組成物は、エアロゾルとして局所投与すること
もできる。本発明の特徴として、気管支拡張を必要とす
る患者に対し、気管支拡張有効量の上記式の化合物を投
与することにより、副作用としての嘔吐作用を軽微に抑
制しながら気管支拡張を達成する。
本発明の目的に利用される投与量は上下限の幅が広く、
個々の患者の条件など種々の要因に左右される。適当な
経口投与量は、50−1000mgを1日に1〜4回、適当な非
経口投与量は、20−500mgである。
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。
[実施例I]3−エチル−6−チオキサンチン 110mlのピリジン中に11.7g(65mM)の3−エチルキサン
チンを懸濁させたものを、135mlのピリジン中に23.5g
(106mM)の5硫化燐を加えたもので処理した。温度
は、25℃から40℃まで上昇した。
反応混合物を4時間に亘って(溶解させながら)還流さ
せ、350mlの水をゆっくり添加して冷却させた。得られ
た淡緑色の懸濁液を約200mlに濃縮し、固形物を回収し
た。
未だ湿潤している生成物を100mlの2N NaOH中に懸濁さ
せ、濾液を回収し、5N HClでpH2−3まで酸性化した。
得られた沈澱物を回収して、50mlの2N NaOHに溶かし、
この溶液を0.4gの木炭で処理した後濾過し、2N HClで再
びpH2まで酸性化した。
得られた沈澱物を回収し、氷水で洗浄し、乾燥させた。
融点278−280℃の3−エチル−6−チオキサンチン10.3
g(収率80.7%)を得た。
C7H8N4OS(分子量196.24) の元素分析値 計算値 実測値 C 42.85% 42.97% H 4.11% 4.14% N 28.55% 28.44% O 8.15% 7.96% S 16.34% 16.49% [実施例II]3−プロピル−6−チオキサンチン80mlの
ピリジンに、9.32g(48mM)の3−プロピルキサンチン
を懸濁させたものを、80mlのピリジンに17.33g(78ml)
の5硫化燐を加えたもので処理し、以下、実施例Iと同
様の手順を実施した。8.9gの3−プロピル−6−チオキ
サンチンを得た。メタノール・アセトンから再結晶さ
せ、融点249−250℃の針状結晶7.4g(収率59%)を得
た。
C8H10N4OS(分子量210.26) の元素分析値 計算値 実測値 C 45.70% 45.88% H 4.79% 4.84% N 26.65% 26.66% O 7.61% 7.36% S 15.25% 15.26% [実施例III]3−ブチル−8−エチル−6−チオキサ
ンチン 11.8g(50mM)の3−ブチル−8−エチル−キサンチン
(融点304−309℃)及び18.2g(82mM)の5硫化燐を、1
70mlのピリジン中で2時間還流させ、この溶液を周囲温
度まで冷却させ、110mlの水でゆっくり処理した(発熱
反応)。得られた懸濁液を、60℃、真空中で100mlに濃
縮し、更に140mlの水で希釈し、再び約120mlに濃縮し
た。粗生成物を回収し、氷水で洗浄した。乾燥した生成
物(11.1g)を約100mlのクロロホルムに溶かし、この溶
液を55gのシリカゲルで濾過した。クロロホルムを蒸発
させ、残留物をアセトン・エーテルから結晶させた。融
点206−207℃の3−ブチル−8−エチル−6−チオキサ
ンチン7.2g(収率57.5%)を得た。母液から2次生成物
2.1g(16.3%)を得た。
C11H16N4OS(分子量252.3) の元素分析値 計算値 実測値 C 52.36% 52.26% H 6.39% 6.48% N 22.20% 22.25% O 6.35% 6.35% S 12.70% 12.66% [実施例IV] 実施例I、II及びIIIに述べた3−エチル−6−チオキ
サンチン、3−プロピル−6−チオキサンチン、または
3−ブチル−8−エチル−6−チオキサンチンと同様
に、3−エチル−8−メチル−6−チオキサンチン、3
−エチル−8−エチル−6−チオキサンチン、3−プロ
ピル−8−メチル−6−チオキサンチン、3−プロピル
−8−エチル−6−チオキサンチン、3−ブチル−6−
チオキサンチン、及び3−ブチル−8−メチル−6−チ
オキサンチンを合成することができる。
以上、本発明を実施例に関連して説明したが、これらの
実施例が本発明の範囲を制限するものではない。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】R3がエチル、n−プロピルまたはn−ブチ
    ルであり、R8が水素、メチルまたはエチル、及びその塩
    であるとして、式 で表わされることを特徴とする6−チオキサンチン誘導
    体。
  2. 【請求項2】R3がエチルである特許請求の範囲第(1)
    項に記載の6−チオキサンチン誘導体。
  3. 【請求項3】R3がn−プロピルである特許請求の範囲第
    (1)項に記載の6−チオキサンチン誘導体。
  4. 【請求項4】R3がn−ブチルである特許請求の範囲第
    (1)項に記載の6−チオキサンチン誘導体。
  5. 【請求項5】R8が水素である特許請求の範囲第(1)項
    に記載の6−チオキサンチン誘導体。
  6. 【請求項6】R8がメチルである特許請求の範囲第(1)
    項に記載の6−チオキサンチン誘導体。
  7. 【請求項7】R8がエチルである特許請求の範囲第(1)
    項に記載の6−チオキサンチン誘導体。
  8. 【請求項8】3−エチル−6−チオキサンチンである特
    許請求の範囲第(1)項に記載の6−チオキサンチン誘
    導体。
  9. 【請求項9】3−プロピル−6−チオキサンチンである
    特許請求の範囲第(1)項に記載の6−チオキサンチン
    誘導体。
  10. 【請求項10】3−プロピル−6−チオキサンチン,3−
    プロピル−8−エチル−6−チオキサンチン,3−ブチル
    −8−エチル−6−チオキサンチン,3−プロピル−8−
    メチル−6−チオキサンチン,3−エチル−8−メチル−
    6−チオキサンチン,3−エチル−6−チオキサンチン,3
    −エチル−8−エチル−6−チオキサンチン,3−ブチル
    −8−メチル−6−チオキサンチン及び薬剤上受容し得
    るそれらの塩からなる群から選択された特許請求の範囲
    第(1)項に記載の6−チオキサンチン誘導体。
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