JPH0774915B2 - 静電トナ− - Google Patents

静電トナ−

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JPH0774915B2
JPH0774915B2 JP62031229A JP3122987A JPH0774915B2 JP H0774915 B2 JPH0774915 B2 JP H0774915B2 JP 62031229 A JP62031229 A JP 62031229A JP 3122987 A JP3122987 A JP 3122987A JP H0774915 B2 JPH0774915 B2 JP H0774915B2
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恵介 薩▲た▼
保春 飯田
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東洋インキ製造株式会社
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/097Plasticisers; Charge controlling agents

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は,電子写真,イオンフロー記録などの静電潜像
を乾式現像するための静電トナーに関する。
(従来の技術) 静電荷像を乾式現像するための静電トナーの製造方法と
しては,染料,顔料,磁性粉等をトナー用樹脂に溶融混
練によって分散し,これを機械的に粉砕,分級して得る
方法が一般的である。
しかしながら,この方法で得られるトナーは,不定形で
あり,均一な電荷が得られにくい,流動性が悪い等の欠
点が指摘されている。
また,溶融混練,粉砕に要する電気エネルギーの消費は
厖大であり,いわゆる粉砕以外の方法によってトナーを
製造する方法が種々提案されている。
上記粉砕以外の方法としては,噴霧乾燥法,乳化重合
法,界面重合法,懸濁重合法等が知られている。
しかしながら,噴霧乾燥法は,球状のトナーが生成する
ため,均一な電荷が得られ流動性が良好になるが,防爆
の対応および溶剤の回収を必要とすること,乾燥時に要
する熱エネルギーの消費が厖大であること,乾燥後にト
ナー中に溶剤が残存し,除去が困難であること,等の欠
点がある。
そこで現在乳化重合法,界面重合法,懸濁重合法等によ
り水中で球状のトナー粒子を生成する方法が種々検討さ
れているが,水中でのトナー粒子の分散剤,安定性がト
ナー表面に残存し,除去が困難であり,これが空気中の
水分を吸収してトナーの電気抵抗を低下させ普通紙複写
を困難にし,また表面の電荷を不均一にするという欠点
がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は,トナー表面の不均一さ,親水性,抵抗低下に
よる摩擦帯電性不良等を改良しようとしたもので平均粒
径2μ以下かつ体積固有抵抗が35℃,相対湿度90%以下
で1014Ωcm以上である疎水性樹脂微粒子により溶剤を使
わない方法にて(以下,乾式と略す)従来より容易にト
ナー表面を被覆し,上記特性に優れた静電トナーを得る
ことを目的とする。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明は,その平均粒径が2μ以下であり,かつ35℃,9
0%RH下における体積固有抵抗が1014Ωcm以上である疎
水性樹脂微粒子(B)を,目的とするトナー粒子(A)
に乾式で機械的歪力をかけて混合することによりコーテ
ィングした,トナー表面の疎水性,絶縁性に優れた静電
トナーに関する。
本発明において,平均粒径5〜20μのトナー粒子(A)
としては,粉砕法あるいはスプレー法等により製造した
トナー粒子を使用することもできるが,界面重合法,懸
濁重合法,乳化重合法等,水中にて製造したトナー粒子
を使用する場合において,顕著な効果が得られる。
すなわち,粉砕法にて製造したトナー粒子は,粉砕時に
発生する破断面に顔料,染料,磁性粉等が露出し,これ
が耐環境性の悪化,地汚れの発生,印字耐用枚数の劣化
等の問題を引き起す。
よって,これらを疎水性樹脂微粒子(B)でコーティン
グすることにより,また,トナー表面の電荷制御を目的
として,電荷制御剤を微量併用して,上記問題点を解決
する。
また,スプレー法にて製造したトナー粒子は,製造時に
顔料,染料,磁性粉等が表面に浮き出る傾向にあり,前
記のような処理法にて問題点が解決する。
上記のようなトナー粒子(A)は,水との接触をなくし
て製造できるため,トナー粒子(A)は,乾式現像を行
うに十分な抵抗値が容易に得られる。
しかしながら,界面重合法,懸濁重合法,乳化重合法等
水中にて製造したトナー粒子(A)は,分散安定剤,界
面活性剤等の残留に起因する抵抗の低下があり,乾式現
像を行うに十分な抵抗値が容易に得られない。
したがってトナー粒子(A)として水中にて製造したト
ナー粒子を対象とする場合において本発明は特に有効で
ある。
界面重合法によるトナー粒子としては顔料,ワックス,
磁性粉,樹脂,溶剤等を分散させてあらかじめインキ状
としたものに親油性の重合性化合物を加え,これを分散
安定剤を溶解させた水溶液中に投入して高速撹拌させる
ことにより微小滴に分散し,微小滴と水との界面におい
て重合を行うことにより得られるもので,例えば,特開
シ昭54−76233,特開昭58−66948等,従来より公知の方
法によって種々得られるものが対象とされる。
また,懸濁重合法によるトナー粒子としては,顔料,ワ
ックス,磁性粉,樹脂等を重合性単量体にて溶解ないし
分散した液を分散安定剤の入った水溶液中にて微小滴に
分散させながら重合を行うことによって得られるもの
で,例えば特開昭59−152450,特開昭59−28164,特開昭5
5−50962,特開昭51−14895等従来より公知の方法によっ
て種々得られるものが対象とされる。
また,前記同様乳化重合法によるトナー粒子,冷却析出
法によるトナー粒子等,水中にて生成される球形のトナ
ー粒子が種々対象とされる。
これらのトナー粒子(A)は,5〜20μの平均粒径を有す
るものが好ましい。
なお,トナー粒子(A)を形成するものとしては染料,
顔料等の着色材,磁性粉,ワックス,樹脂等があり,以
下のものが例示される。
着色材としては,亜鉛黄,黄色酸化鉄,ハンザイイエロ
ー,ジスアゾイエロー,キノリンイエロー,パーマネン
トイエロー,ベンガラ,リソールレッド,ウァッチャン
レッドCa塩,ウォッチャンレッドMn塩,ピラゾロンレッ
ド,レーキレッドC,ブリリヤントカーミン6B,ブリリヤ
ントカーミン3B,紺青,フタロシアニンブルー,無金属
フタロシアニン,酸化チタン,カーボンブラック等の顔
料ないし,油溶性の染料を使用することができる。
磁性粉は,各種フェライト,マグネタイト,ヘマタイト
等の鉄,亜鉛,コバルト,ニッケル,マンガン等の合金
ないし化合物等を使用することができる。
これら磁性粉は,球状ないしキュービック状正八面体状
等で0.1〜0.5ミクロンの平均粒径を有するものが好まし
く,樹脂溶液への良好な分散を有するように表面処理,
例えば,脂肪酸等による疎水処理,シランカップリング
剤処理,樹脂コート処理等を施したものであってもよ
い。
ワックスは,トナーの耐オフセット性等を向上させるた
めに用いるものであり,ポリエチレンワックス,ポリプ
ロピレンワックス,マイクルクリスタリンワックス,パ
ラフィンワックス,酸化ワックス,植物性ワックス,動
物性ワックス,鉱物ワックス等が例示でき,必要に応
じ,単独ないし混合して使用することができる。
また,通常の粉砕法によるトナーではバインダーとして
熱可塑性樹脂を用いる。トナー用樹脂としては,ポリス
チレン系,スチレンとアクリル酸エステル,メタクリル
酸エステル,アクリロニトリルあるいはマレイン酸エス
テル等とのスチレンを含む共重合体系,ポリアクリル酸
エステル系,ポリメタクリル酸エステル系,ポリエステ
ル系,ポリアミド系,ポリ酢酸ビニル系,エポキシ系,
フェノール系,炭化水素系,石油系等の樹脂を例示する
ことができ,これらを単独ないし,混合して使用するこ
とができる。
本発明にて用いる疎水性樹脂微粒子(B)は,ビニル系
重合体ないし二種以上のビニル系単量体の共重合体が使
用される。
疎水性樹脂微粒子(B)は以下のようなビニル系単量系
を使用し,重合させたものである。
すなわちビニル系単量体としては,スチレン,ビニルト
ルエン,2−メチルスチレン,t−ブチルエチルンなどのス
チレン系単量体,メチルアクリレート,エチルアクリレ
ート,イソプロピルアクリレート,n−ブチルアクリレー
ト,2−エチルヘキシルアクリレート,メチルネタクリレ
ート,エチルメタクリレート,プロピルメタクリレー
ト,n−ブチルメタクリレート,イソブチルメタクリレー
ト,2−エチルヘキシルメタクリレートなどのアクリル酸
もしくはメタクリル酸アルキルエステル類,アクリル
酸,メタクリル酸,クロトン酸などの一塩基酸,フマー
ル酸,イタコン酸,マレイン酸などの二塩基酸またはそ
れらの無水物などのエチレン性不飽和カルボン酸単量
体,N−メチロールメタクリルアミド,N−ブトキシメチル
アクリルアミド,N−ブトキシメチルメタクリルアミドな
どのN−置換(メタ)アクリル系単量体,ヒドロキシエ
チルアクリルレート,ヒドロキシプロピルアクリルレー
ト,ヒドロキシエチルメタクリレート,ヒドロキシプロ
ピルアクリレートなどの水酸基含有単量体,ジリシジル
アクリレート,ジリシジルメタアクリレートなどのエポ
キシ基含有単量体等が挙げられる。
また上記樹脂微粒子(B)は平均粒径2μ以下かつ体積
固有抵抗が35℃,90%RH下で1014Ωcm以上の疎水性粒子
であれば使用可能であるが,特に乳化重合または懸濁重
合法によって生成した,粒子径の揃った(粒度分布のシ
ャープな)球形粒子であることが望ましい。またさらに
望ましくは,樹脂微粒子表面の残存界面活性剤による吸
湿性の影響の少ない,例えば特開昭61−14201に示され
る製造法もしくは,特開昭58−127702,59−199703,59−
1503等に示されるソープフリー乳化重合法による粒子が
適する。しかし,通常の乳化重合,懸濁重合法による粒
子でも表面処理により疎水化することにより得られたも
のであってもよい。
また,上記樹脂微粒子(B)は,上記特性を満足してい
れば特に物性上制限はないが,特にガラス転移温度が45
℃以上であることが望ましく,45℃未満の場合は貯蔵安
定性に問題を生じやすい。また架橋樹脂を使用しても問
題はない。
なお,トナー粒子(A)100重量部に対して,疎水性樹
脂微粒子(B)は,0.3〜10重量部を用いる。0.3重量部
以下であっては,トナー粒子(A)の表面が十分にコー
ティングできず,また,10重量部以上のおいては加えた
だけの効果が得られない。
本発明にて,その他の必要に微粒子(C)も混合するこ
とができる。
その他の必要な微粒子(C)としては,電荷制御剤,シ
リカ,研磨剤,滑剤等が使用される。
これらの微粒子(C)は,疎水性樹脂微粒子(B)とと
もに,若しくは疎水性樹脂微粒子(B)によって混合処
理された後にトナー粒子(A)にコーティングする。
よってこの微粒子(C)も粒子径の大きなものは,予め
粉砕し,平均粒径が2μ以下にする必要がある。平均粒
径が2μ以上であると,コーティング層からの離脱が生
じ,静電トナーの耐刷性が低下する。
電荷制御剤としては,自体公知のものであり,例えばフ
エットシュバルツーHBN,ニグロシンベース,ブリリアン
トシュバルツ,ザボンシュバルツX,セレスシュバルツRG
などの染料,含金染料があり,その他C.I.ソルベントブ
ラック1,2,3,5,7,C.I.アシッドブラック123,22,23,28,4
2,43,オイルブラック(C.I.26150),スピロンブラック
などの染料,ナフテン酸金属塩,脂肪酸金属石ケンなど
がある。
シリカとしては,表面のシラノール基を疎水化処理した
ものが好ましい。
研磨剤としては,カーボランダム,アルミナ,酸化セリ
ウム等,滑剤としては金属石ケン粉末,ポリテトラフロ
オロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,ポリエチレン,
スチレンアクリル共重合樹脂等の微粒子等がある。
これらの微粒子(C)は,必要に応じて加えるもので疎
水性樹脂微粒子(B)100重量部に対して0.5〜50重量部
用いることで効果が得られる。
この機械的歪力をかけて乾式でコーティングする方式の
利点は従来知られていた湿式によるコーティング方法に
比べ,操作が簡単であり有機溶剤を用いないため安全か
つ工程が単純化できる点である。さらにそのコーティン
グ材料に疎水性樹脂微粒子を用いることにより最も良好
な特性を得ることができる。
本発明において,上記トナー粒子(A)と疎水性樹脂微
粒子(B)とを平均粒径が5〜25μの範囲となる条件に
おいて機械的歪力をかけて混合する方法としては,トナ
ー粒子(A)が融着して大きい塊となったり,逆に歪力
が大き過ぎて微細に粉砕されたりすることがない条件で
あり,かつ,トナー粒子(A)の表面に樹脂微粒子
(B)が付着しつつ発生する摩擦熱により熱溶融するよ
うな条件である。この両条件を満たす具体的な方法とし
ては,実験室的には乳鉢が使用されるが実用的には不十
分である。工業的には,乳鉢と同様な効果を示す磨砕
機,ボールミル,サンドミルなどの分散機などの運転条
件,処理量,分散媒体などの条件を上記の目的が達成さ
れるように変更すればが使用可能である。
しかしながら,乳鉢では数時間〜数十日間を要し,ボー
ルミル,サンドミルでも長時間を要するため,工業的に
は,粉体が流動床状態で,気流と共に高速で運動するよ
うな混合機,または衝撃を与える羽根,ハンマーなどが
取り付けられているような混合機であり,このような混
合機の例としては,SIミル(東洋インキ製造(株)製,
その概要は特公昭57−43051号参照),アトマイザー,
自由粉砕機((株)奈良機械製作所),川崎重工業
(株)製粉砕機(KTM−1)などを例示することがで
き,これらの装置はそのまま,もしくは適宜本発明の目
的に合わせて改良して使用することができる。できれば
循環式であり,密閉系の装置が望ましい。
このような混合処理によってトナー粒子(A)の表面に
樹脂微粒子(B)が付着しつつ熱溶融し,トナー粒子
(A)の表面をコーティングするという効果が生ずるの
は,トナー粒子(A)および樹脂微粒子(B)が粉体同
士あるいは,壁,羽根,ビーズなどの分散媒体などと衝
突して,瞬間的,かつ,部分的にかなり高温となるため
と考えられ,系内の気流温度は樹脂のガラス転移温度
(Tg)近くまで上昇し,系を冷却することも場合によっ
ては必要となる。上記現象は,予備混合しただけの処理
前および混合処理後の電子顕微鏡写真の観察によって理
解される。すなわち,混合処理前においては比較的粒度
分布の大きいトナー粒子(A)と,樹脂微粒子(B)が
一部凝集した状態であり,処理後はトナー粒子(A)の
表面は滑らかとなっており樹脂微粒子(B)の微粒子は
ほとんど見られず,樹脂微粒子(B)の簿層によって覆
われており,複写機内でのランニングテストによっても
壊れ難い粒子となっている。
また,処理後のトナー粒子(A)は小さな粒子が少なく
なり粒度が揃っており,かつ,不定形のトナー粒子にお
いては,粒子の角が丸くなっていることが観察される。
すなわち,小さな粒径のトナー粒子(A)は,混合処理
によって,一定の大きさの粒子に整粒されているものと
考えられる。
上記のような効果を得るためのファクターとしては,種
々考えられるが,本発明者等の研究によると気流の速度
が最も大きく,数10m/秒〜数100m/秒とすることが好ま
しい。
本発明において,トナーの粒度としては,平均粒径が数
μ〜20μの範囲であり,5μ以下および25μ以上のトナー
を実質的に含まないことが好ましい。5μ以下の粒径の
トナーが多くなると,流動性が悪化し,地汚れが生ず
る。また,25μ以上のトナーが多くなると,画像がアレ
て商業上の価値を減ずる。
上記のように機械的歪力をかけて乾式でコーティングす
る方法の利点は,湿式によるコーティング方法に比べ,
操作が簡単であり,有機溶剤を用いないため安全かつ工
程が単純化できる点である。
また,界面重合法,懸濁重合法等のトナー粒子に対して
は,有機溶剤を用いてコーティングを行うことが,カプ
セル内の溶出,重合樹脂の膨潤等の問題で実質的に行な
えなかったことが,有機溶剤を用いない本発明の方法に
よって容易に処理できる点である。
また,コーティング材料として,疎水性樹脂微粒子を用
いることにより良好なトナー特性を得ることができる。
以下具体例によって本発明を説明する。例中部は重量部
を示す。
実施例 1 スチレン−アクリル樹脂(日本カーバイド工業(株)
製,商品名NC−6157)80部,磁性粉(戸田工業(株)
製,EPT500)15部,カーボンブラック(キャボット社製,
Mogul−L)2部および低分子量ポリプロピレン(三洋
化成(株)製,商品名ビスコール550P)3部をヘンシェ
ルミキサーにて予備混合し,これを二軸のエクストルー
ダーで溶融・混練し,放冷し,この混練物を粗砕したも
のをI式ジェットミル粉砕機で上限粒度が25μ以下,平
均粒径が約10μとしたトナー粒子(A1)を用意した。
この樹脂粒子(A1)100部と平均粒径0.2μのスチレン−
メチルメタクリレート共重合体(ガラス転移温度120℃,
4×1014Ωcm,35℃,90%RH下)微粒子(B1)1部および
予め自動乳鉢にて粉砕した電荷制御剤(保土谷化学
(株)製,スピロンブラックTRH)0.1部とをスーパーミ
キサーにて2500rpmの回転速度で1分間予備混合し,ト
ナー粒子(A1)の表面に樹脂微粒子(B1)および電荷制
御剤を静電的に付着させた。ついで,これを自由ミルM
−3に導入し,内部の回転数を5000rpmとした。このと
きの自由ミル中の気流速度は約90m/秒となり,導入され
た混合物の系内の平均滞留時間は約3秒であり,補集機
へ排出した混合物を計7回自由ミルに通して目的とする
トナーを得た。
このトナー粒子の平均粒径は12μであり,5μ以下および
25μ以上の粒子は実質的になく,分級を必要としなかっ
た。さらにこれにコロイダルシリカ(日本アエロジル
(株)製,商品名R−972)をトナー100部に対し,0.3部
混合し,トナー試料とした。
このトナー15部とフェライトキャリア(日本鉄粉(株)
製,商品名F−141−400)85部をボールミルにて1時間
回転混合し,二成分現像剤として調整し,これを市販の
複写機(松下電器産業(株)製,商品名FP−2520)内に
セットし,テストチャートを用いて普通紙に連続運転で
複写した。
この複写において,磁性粉の離脱およびトナー表面への
露出が抑えられたため,感光ドラムのキズ等がなくな
り,トナーの定着性,荷電安定性,耐ブロッキング性,
および耐オフセット性は極めて良好であり,また,複写
機内のトナー補給ホッパーに本発明のトナーを投入する
ランニング画像テストでは6万枚にわたり初期画像と同
等の画像が維持されており,トナーの補給性も良好であ
った。
比較例 1 実施例1と同じ原料を用いて従来法による製造を行っ
た。すなわち,電荷制御剤を0.5部(表面コーティング
ではないため増量する),スチレン−アクリル樹脂80
部,磁性粉15部,カーボンブラック2部,および低分子
量ポリプロピレン3部を混合し,ヘンシェルミキサーで
予備混合した後,これを二軸エクストルーダーで溶融・
混練し,放冷し,この混練物を粗砕したものをI式ジェ
ットミル粉砕機で上限粒度が25μ以下,平均粒径が約12
μ,5μ以下のトナーをカットしたトナーを得た。さらに
これに実施例1と同様にコロイダルシリカを混合し,ト
ナー試料とした。
このトナーを用いて実施例1と同様のテストをしたとこ
ろ,本発明のトナーと比較すると,地汚れが見られ,ラ
ンニングテストのよると約5千枚で感光ドラムのキズ発
生が認められ,また,補給用ホッパー中でブリッジ現象
が観察された。
実施例 2 スチレン240部,n−ブチルアクリレート60部,磁性粉
(表面をステアリン酸コーティングした四三酸化鉄)13
5部,過酸化ベンゾイル60%キシレン溶液12部を高速撹
拌機TK−ホモミキサー(特殊機化(株)製にてよく分散
させた。
上記分散液を0.75%ポリビニルアルコール(日本合成化
学(株)製GH−20)水溶液1500部に入れ,ウルトラホモ
ミキサー(日本精機(株)製)にて10.111rpm3分間の高
速撹拌を行なった。
高速撹拌により得られた乳化液を,撹拌機,温度計,コ
ンデンサー,窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラス
コに入れ,窒素ガスを導入しながら,90℃で7時間低速
撹拌をしながら重合反応を続けた後,洗浄,乾燥を行っ
て平均粒径15μの球状のトナー粒子を得た(比較例2−
1トナー)。
次に,比較例2−1トナーに対して,実施例1と同様な
方法で平均粒径0.4μの樹脂微粒子(ポリメチルメタク
リレート−イソブチルメタクリレート共重合体。ガラス
転移温度78℃,1.0×1015Ωcm35℃,90%RH)および電荷
制御剤(T−2080住友化学社製)を機械的歪力をかけて
コーティングした(実施例2トナー)。
また,比較例2−1トナーに対して,平均粒径0.4μの
樹脂微粒子(ポリメチルメタクリレート,ガラス転移温
度120℃,4.0×1014Ωcm35℃,90%RH)および電荷制御剤
(スピロンブラックTRH)を上記同様機械的歪力をかけ
てコーティングした(比較例2−2トナー)。
上記3点のトナーの体積固有抵抗および吸着水分量を表
1に示した。
実施例2は比較例2−1および2−2に比較して良好な
結果を得た。
上記実施例2のサンプルに分級処理を施し,5μ以下およ
び25μ以上の粒子を除去した平均粒径13μのトナーを得
た。
これにコイルダルシリカ(日本アエロジル(株)製,商
品名R−972)0.3%を添加し,市販の複写機(キャノン
(株)製,商品名NP−300Z)にて印字し,未定着画像を
自社製の試験用熱圧定着ロールにて定着したところ,カ
ブリのない良好な画像を得ることができた。
実施例 3 下記の処方に従い3本ロールミルにてトナー原料のイン
キ状物を得た。
合成ワックス(サンワックス131−P 三洋化成工業
製) 5部 EVA(AC−430 アライドケミカル製) 5部 石油樹脂(コーポレックス#2100東邦石油樹脂製)5部 ジオクチルフタレート 10部 高沸点溶剤(ハイゾール100日本石油化学製) 20部 磁性粉(四三酸化鉄)(EPT500戸田工業製) 40部 上記インキ状物320gにジフェニルメタンジイソシアネー
ト(日本ポリウレタン(株)製,ミリオネートMR−20
0)50gを加え,0.75%ポリビニルアルコール(日本合成
化学(株)製商品名GH−20)水溶液1600g中に混合し,60
℃に加熱した後,容量3のウルトラホモミキサー(日
本精機(株)製)を用い,1000rpmにて3分間撹拌し,乳
化した。撹拌機を停止後,10%ジエチレントリアミン水
溶液180gを上記乳化液に加え,3時間撹拌し,界面重合反
応によりマイクロカプセルを生成した。さらにこれに濾
過,水洗を3回行った後,真空乾燥機にて乾燥し,気流
分級機にて粒度を調節してマイクロカプセルトナー粒子
を得た。これを比較例3トナーとする。
また,比較例3トナーに実施例1と同様な方法で平均粒
径0.4μの樹脂微粒子(スチレン−メチルメタクリレー
ト共重合樹脂,ガラス転移温度120℃2×1014Ωcm35℃,
90%RH下)および電荷制御剤(PNR−BE オリエント化
学社製)を機械的歪力をかけてコーティングした(実施
例3トナー)。
また,比較例3トナーに実施例1と同様な方法で平均粒
径0.4μの樹脂微粒子(ポリメチルメタクリレート,ガ
ラス転移温度125℃,2×1013Ωcm35℃,90%RH下)および
電荷制御剤(スピロンブラックTRH)を機械的歪力をか
けてコーティングした(比較例3−2トナー)。
上記3点のサンプルを35℃,90%RHの環境下で24時間放
置した後,実施例2と同様な方法で体積固有抵抗および
吸着水分量を比較した。結果を表2に示した。
実施例3は比較例3−1および3−2に比較して良好な
結果を得た。
上記実施例3のサンプルに分級処理を施し,5μ以下およ
び40μ以上の粒子を除去した平均粒径18μのトナーを得
た。
これにコイルダルシリカ(日本アエロジル(株)製,商
品名R−972)0.3%を添加し,市販の複写機(キャノン
(株)製,商品名NP−300Z)に印字試験を行い,未定着
画像を加圧ロールにて定着したところ,カブリのない良
好の画像を得ることができた。
実施例 4 実施例3と同様な方法でマイクロカプセルを生成した。
これに,実施例3で用いたと同一の樹脂微粒子1部,電
荷制御剤(PNR−BE オリエント化学社製)0.1部および
疎水性コイルダルシリカ(日本アエロジル(株)製,商
品名R−972)0.5部を実施例3と同様な方法でコーティ
ングした。上記サンプルを35℃,90%RH下で24時間放置
し,体積固有抵抗および吸着水分量を比較したところ,
表3の通り実施例3より各特性が向上した。
〔発明の効果〕 本発明に係わる疎水性樹脂微粒子を機械的歪力にてコー
ティングする表面処理により顔料,染料,磁性粉等の露
出,もしくは親水性の強い物質の残存などによる品質の
低下の無い優れた静電トナーが得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径5〜20μのトナー粒子(A)と,
    平均粒径2μ以下かつ体積固有抵抗が35℃,相対湿度90
    %下で1014Ω以上である疎水性樹脂微粒子(B)もしく
    は該疎水性樹脂微粒子(B)とその他の必要な微粒子
    (C)とを,平均粒径が5〜25μの範囲となる条件にお
    いて機械的歪力をかけて混合し,疎水性樹脂微粒子
    (B)その他必要な微粒子(C)をトナー粒子(A)の
    表面に被覆してなることを特徴とする静電トナー。
  2. 【請求項2】トナー粒子(A)が界面重合法により製造
    した球状微粒子であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の静電トナー。
  3. 【請求項3】トナー粒子(A)が懸濁重合法により製造
    した球状微粒子であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の静電トナー。
  4. 【請求項4】疎水性樹脂微粒子(B)がソープフリー乳
    化重合により生成したビニル系重合体であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の静電トナー。
  5. 【請求項5】その他の必要な微粒子(C)が平均粒径2
    μ以下の電荷制御剤であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の静電トナー。
  6. 【請求項6】トナー粒子(A)100重量部に対して,疎
    水性樹脂微粒子(B)0.3〜10重量部を用いることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の静電トナー。
  7. 【請求項7】疎水性樹脂微粒子(B)100重量部に対し
    て,電荷制御剤0.5〜50重量部を用いることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の静電トナー。
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