JPH0731120B2 - インキュベーション方法 - Google Patents

インキュベーション方法

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JPH0731120B2
JPH0731120B2 JP26284988A JP26284988A JPH0731120B2 JP H0731120 B2 JPH0731120 B2 JP H0731120B2 JP 26284988 A JP26284988 A JP 26284988A JP 26284988 A JP26284988 A JP 26284988A JP H0731120 B2 JPH0731120 B2 JP H0731120B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、血液等の体液に存在する各種成分の定量分析
に用いられる化学分析スライドのインキュベータへ装填
するインキュベータ方法に関するものである。
〔従来の技術〕
最近、体液中に存在する各種成分、例えば尿素窒素、グ
ルコース、ヘモグロビン、アンモニア等を定量分析する
場合、乾式多層フィルム化技術を利用した化学分析スラ
イドを用いて臨床化学検査を行う、乾式法による分析が
行なわれるようになった。
この化学分析スライドは、一般に、第8図の断面図に示
すようなものであった。すなわち、分析スライド1は、
透明フィルム層の上に試薬層、反射層及び展開層を順次
層設した多層分析要素2と、この多層分析要素2を収容
し、上部に液体試料を点着させるための点着用開口3が
形成されるとともに下部に比色測定用の測光用開口4が
形成されたスライド枠5とで構成されている。
上述したような化学分析スライド1を用いて液体試料を
分析するには、点着用開口3から液体試料を多層分析要
素2に点着し、例えば、37℃で6分間インキュベートし
て発色反応を充分に行なわせる。そして、測光用開口4
を通して多層分析要素2の測光側の表面に光を投射し、
その反射光を比色測光して特定成分の定量分析を行なう
ものである。
このような化学分析スライド1をインキュベートするイ
ンキュベータとしては第7図に示すようなものがあっ
た。
第7図において、符号6はインキュベータ、符号7は測
光部、そして符号8はスライド押込み機構である。イン
キュベータ6は、加温手段としてのヒータ(図示せず)
が内蔵されたインキュベータ本体9に、水平方向に貫通
し化学分析スライド1が挿入載置されるセル10が穿設さ
れるとともに、このセル10の化学分析スライド1の載置
面の一部とインキュベータ本体9の下面を貫通する測光
用孔11が穿設されている。また、セル10内には、付勢手
段としてのコイルばね12を介してプラスチックから成る
押圧封止部材13が設けられ、この押圧封止部材13はコイ
ルばね12で常に測光用孔11方向へ付勢されている。そし
て、セル10の内側表面及び押圧封止部材13の表面は、発
生したガスを吸着、吸収しないようにポリテトラフルオ
ロエチレンのコーティングがされている。
測光部7は、測光用孔11の下方に設けられ、多層分析要
素2へ光を照射する光源14と、多層分析要素2からの反
射光を受光する受光器15で構成されている。
スライド押込み機構8は、セル10内の所定位置に化学分
析スライド1を挿入し、かつ挿入した化学分析スライド
1を排出するためのものである。この押込み機構8は、
セル10の化学分析スライド1の載置面と略同一平面上に
ある摺動面16と、化学分析スライド1を案内するガイド
17と、そして化学分析スライド1を押し込むレバー18と
で構成されている。
以上の装置で測定済みの化学分析スライド1を排出する
とともに、未測定の化学分析スライド1を挿入するに
は、第4図に示すように、未測定の化学分析スライド1a
をセル10に隣接させ、次に第5図に示すように、未測定
の化学分析スライド1aを押し込み、その先端が測定済み
の化学分析スライド1bを押し、最終的に、第6図に示す
ように、未測定の化学分析スライド1aは測定済みの化学
分析スライド1bをインキュベート6から排出するととも
に、測定済みの化学分析スライド1bの位置していた個所
に位置させられる。
そして、この状態でインキュベートされた後、測光部7
で呈色反応が測定される。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、化学分析スライドで測定される成分には、尿
素窒素、アンモニア、グルコース、ヘモグロビン等種々
の成分があり、それぞれ専用の化学分析スライドが用い
られている。
しかし、従来のように次に測定される化学分析スライド
が測定済みの化学分析スライドを押し出すとともに、同
時に自らもインキュベータに装填される方法では、測定
済みの化学分析スライドから発生したガスが次に測定す
る化学分析スライドの結果に影響を与え、正確な分析が
できない場合があった。例えば、先の化学分析スライド
が尿素窒素用で、次の化学分析スライドがアンモニア用
である場合、先の尿素窒素用の化学分析スライドから発
生したアンモニアが残留し、この残留アンモニアにより
次のアンモニア用の化学分析スライドの測定が正確にで
きなかった。
また、化学分析スライドから発生したガスの吸着及び吸
着ガスの脱着による測定の不正確さを防止するために、
インキュベータのスライドを収容するセルの内部表面と
押圧封止部材の表面をガスを吸着しにくいように表面加
工(例えば、ポリテトラフルオロエチレンのコーティン
グ、クロムメッキ、ステンレススチールの鏡面加工等金
属の表面を鏡面にしたもの。)したものもあった。しか
し、このようなインキュベータも、測定済み化学分析ス
ライドから発生したガスがインキュベータ内部に残留
し、次のスライドの測定に誤差を与えるものであった。
本発明は、以上の問題を解決し、先に測定した化学分析
スライドが次の化学分析スライドの測定に影響を与える
ガスを発生させる場合であっても、常に正確な測定がで
きる化学分析スライドのインキュベーション方法を提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、
測定済みの化学分析スライドを排出後、インキュベータ
内部を短時間空室に保ち発生したガスを拡散させた状態
で未測定の化学分析スライドをインキュベータに挿入す
るようにしたものである。
すなわち、本発明のインキュベート方法は、液体試料が
点着された化学分析スライドをインキュベータで加温保
持した後呈色反応を測定する方法において、測定済みの
化学分析スライドがインキュベータから排出された後、
前記インキュベータ内部を短時間空室に保ち、その後に
未測定の化学分析スライドをインキュベータに挿入する
ことを特徴として構成されたものである。
測定済みの化学分析スライドをインキュベータから排出
する方法は、次に測定する未だ測定されていない化学分
析スライドで押し出して排出する方法以外であればよ
く、スライドの挿入部材や、別個に設けられた押出し専
用の押出部材をインキュベータ内部の所定位置まで押し
込んで、インキュベータ内部の空気を押し出しつつ化学
分析スライドを排出したり、また引き出して排出したり
する等種々の方法を採ることができる。
インキュベータ内部を短時間空室に保つのは、先の化学
分析スライドから発生した残留ガスを拡散させて、次の
化学分析スライドの測定に影響を与えないインキュベー
タ内部からガス除去するためである。この空室に保つ時
間は、約1秒以上が好ましく、特に約10秒から約30秒の
範囲が好ましい。
〔作用〕
本発明のインキュベート方法では、測定済みの化学分析
スライドをインキュベータから排出し、その後少なくと
も1秒経過した後に未測定の化学分析スライドをインキ
ュベータに挿入することにより、発生したガスをインキ
ュベータから拡散させ、ガスの濃度を測定に影響を与え
ないだけの極めて、低い濃度にする。
〔実施例〕
本発明のインキュベーション方法の一実施例を第1図か
ら第3図に基づいて説明する。
第1図から第3図は、化学分析スライドの排出及び挿入
の各動作を示す断面図である。これらの図において、化
学分析スライド1及びインキュベータ6は、従来と同様
の構造である。
まず、第1図に示すように、化学分析スライド1がイン
キュベータ6の所定個所に装填させられ呈色反応の測定
が終わったものとする。この化学分析スライド1を排出
するには、第2図に示すように、化学分析スライド1と
略同一の寸法形状をした押込み部材19を挿入し、この押
込み部材19で化学分析スライド1を押し出す。
次に、押込み部材19を抜き出した後、第3図に示すよう
に、押込み部材19で化学分析スライド1を押し込んで所
定個所に装填させるが、この時、押込み部材19の抜き出
し及び押し込み動作は1秒以上経過しており、化学分析
スライド1から発生したガスはインキュベータ6内外に
拡散し希薄化されている。
そして、化学分析スライド1は加温保持された後呈色反
応を測定される。
次にA、B2つの検体をA、Bの順序で続けて測定した場
合の実験結果について説明する。
以上の結果より、実施例Iはアンモニアの正常な値が測
定され、A検体の発生したアンモニアの影響を受けてな
いことが確認できるが、従来例Iはアンモニアの高濃度
な値が測定され、A検体の発生したアンモニアの影響を
受けていることが確認できる。なお、従来例IIは、検体
Aがアンモニアを発生しないグルコースなので、B検体
の測定は影響を受けていない。
〔発明の効果〕 本発明は測定済みの化学分析スライドを排出後、インキ
ュベータ内部を短時間空室に保ち、その後次に測定する
化学分析スライドをインキュベータに挿入することによ
り、先に測定した化学分析スライドから次の測定に影響
を与えるガスが発生していたとしても、このガスは拡散
して極めて低濃度となるので、常に正確な測定をするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図は、本発明によるインキュベータ方法
の各動作を示す断面図、第4図から第6図は従来例の各
動作を示す断面図、第7図はインキュベータの断面図、
第8図は化学分析スライドの断面図である。 1……化学分析スライド、6……インキュベータ 7……測光部、10……セル 19……押込み部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体試料が点着された化学分析スライドを
    インキュベータで加温保持した後呈色反応を測定する方
    法において、測定済みの化学分析スライドがインキュベ
    ータから排出された後、前記インキュベータ内部を短時
    間空室に保ち、その後に未測定の化学分析スライドをイ
    ンキュベータに挿入するインキュベーション方法
  2. 【請求項2】前記インキュベータ内部を空室に保つ短時
    間を1秒ないし30秒とした請求項(1)に記載のインキ
    ュベーション方法
JP26284988A 1988-10-20 1988-10-20 インキュベーション方法 Expired - Lifetime JPH0731120B2 (ja)

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DE68926210T DE68926210D1 (de) 1988-10-20 1989-10-19 Inkubationsprozess
EP19890119420 EP0365006B1 (en) 1988-10-20 1989-10-19 Incubation process

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JPH02110352A JPH02110352A (ja) 1990-04-23
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JPH02110352A (ja) 1990-04-23
EP0365006A1 (en) 1990-04-25
DE68926210D1 (de) 1996-05-15

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