JPH07286250A - 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法 - Google Patents
熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法Info
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- JPH07286250A JPH07286250A JP30372794A JP30372794A JPH07286250A JP H07286250 A JPH07286250 A JP H07286250A JP 30372794 A JP30372794 A JP 30372794A JP 30372794 A JP30372794 A JP 30372794A JP H07286250 A JPH07286250 A JP H07286250A
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Abstract
ろう付時に溶融せず、熱交換器の小型化・軽量化が可能
なアルミニウム合金ブレージングシートの提供。 【構成】 Si0.2 〜1.5wt%、Cu0.05〜1.5wt%、Mn0.05〜
2.0wt%を含有し、残部アルミニウムと不可避的不純物と
からなるアルミニウム合金芯材の片面にアルミニウム合
金からなるろう材をクラッドし、他の片面にZn 0.5〜6.
0wt%、Mg 0.8〜2.5wt%を含有し、残部アルミニウムと不
可避的不純物からなるアルミニウム合金犠牲材をクラッ
ドした3層構造のクラッド材を、熱交換器用アルミニウ
ム合金ブレージングシートに製造する方法において、前
記クラッド材を熱間圧延し、次いで冷間圧延し、前記冷
間圧延の途中に、到達温度 400〜550 ℃で 1〜60秒間保
持後100℃/min. 以上の冷却速度で冷却する中間焼鈍を
入れ、更に冷間で仕上圧延する熱交換器用アルミニウム
合金ブレージングシートの製造方法。
Description
構成部材として使用される熱交換器用アルミニウム合金
ブレージングシートの製造方法に関し、更に詳しくは、
電縫加工等によりチューブ材とし、ろう付後の強度が高
く、熱交換器用部材とした後の外部及び内部耐食性に優
れ,更に熱交換器としての熱交性能に優れた熱交換器用
アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法に関す
る。
に示すように複数本の偏平チューブ1の間にコルゲート
状に加工した薄肉フィン2を一体に形成し、該偏平チュ
ーブ1の両端はヘッダー3とタンク4とで構成される空
間にそれぞれ開口しており、高温冷媒を一方のタンク側
の空間から偏平チューブ1内を通して他方のタンク4側
の空間に送り、チューブ1及びフィン2の部分で熱交換
して低温になった冷媒を再び循環させるものである。
ダー材は例えばJIS-3003合金を芯材とし、この芯材の内
側、即ち冷媒に常時触れる側には内張材としてJIS-7072
合金を、そしてこの芯材の外側には、通常JIS-4045等の
ろう材をクラッドしたブレージングシートを用い、コル
ゲート加工を行ったフィン等の他の部材とともにブレー
ジングにより一体に組立てられている。ブレージング工
法には、真空ブレージング法、フラックスブレージング
法、非腐食性フラックスを用いたノコロックブレージン
グ法等が用いられ、 600℃付近の温度に加熱してろう付
けされる。
換器は小型化・軽量化の方向にあり、その為に材料の薄
肉化が望まれている。しかし従来技術の範疇で薄肉化し
た場合、次の問題があった。先ず冷媒通路構成部材(チ
ューブ材ブレージングシート)を十分薄肉化し得る高強
度合金が得られていない。次に薄肉高強度材を電縫加工
(ブレージングシートを冷媒通路構成部材に加工溶接す
る工法)するに際して、溶接前の成形性が劣る、電
縫溶接後の芯材にミクロ割れが生じる、犠牲材が芯材
から剥がれる、溶接部に段差が生じる、等である。特
に〜の欠陥問題は、電縫管を自動車用ラジエーター
として使用した場合に、溶接部の腐食を促進させる恐れ
があり非常に重大であった。
接前の成形条件、溶接条件、チューブ材の合金組成等に
左右される。特に、芯材にはSiやCuが強度向上の為に多
量に含有されており、又犠牲材にもMg等が多く添加され
る場合が多い。高強度を確保する為には、これら合金元
素の添加量が多くなるのは避けられず、従来技術によ
り、強度、ろう付性、耐食性、電縫加工性、溶接性等の
諸特性を全て満足させることは不可能であった。
発明者らは、溶接部の欠陥発生の原因について鋭意研究
を行ない、芯材中に分布したCu系化合物、又は芯材と犠
牲材の界面に沿って析出したMg-Si 系の微細化合物が影
響していることを知見した。即ち、高強度化の為に含有
させたCu量が多くなると、電縫溶接時に、芯材中に多数
分布したCu系化合物周囲に応力が集中してミクロ割れが
発生し易くなる。又芯材中のSiと犠牲材中のMgとが反応
し、犠牲材と芯材の界面に沿って Mg-Si系の微細化合物
が多量に析出し、その近傍がマトリックスに比べて溶融
し易くなり、その結果溶接部近傍の犠牲材が芯材との界
面から剥離し易くなる。中間焼鈍を従来と同様な条件、
例えば 300〜400 ℃×2〜3hr 程度で行った場合、犠牲
材と芯材の界面に沿ってMg-Si系の微細化合物が析出し
てしまい、実際に電縫溶接時において欠陥を発生させ
る。又中間焼鈍後の冷却を従来と同じ10〜100 ℃/hr の
遅い条件で行った場合、冷却過程で芯材にCu系化合物が
形成されて、電縫溶接時に芯材にミクロ割れが発生す
る、等の知見である。そして、このような知見に基づい
て、3層構造ブレージングシートの芯材及び犠牲材の合
金組成を探索し、又製造条件の検討を進め、電縫加工性
を始め、強度、ろう付性、耐食性等の諸特性に優れた熱
交換器用アルミニウム合金ブレージングシートの製造方
法を完成するに至ったのである。
%、Cu0.05〜1.5wt%、Mn0.05〜2.0wt%を含有し、残部ア
ルミニウムと不可避的不純物とからなるアルミニウム合
金芯材の片面にアルミニウム合金からなるろう材をクラ
ッドし、他の片面にZn0.5 〜6.0wt%、Mg0.8 〜2.5wt%を
含有し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなる
アルミニウム合金犠牲材をクラッドした3層構造のクラ
ッド材を、熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシ
ートに製造する方法において、前記クラッド材を熱間圧
延し、次いで冷間圧延し、前記冷間圧延の途中に、到達
温度 400〜550 ℃で 1〜60秒間保持後 100℃/min. 以上
の冷却速度で冷却する中間焼鈍を入れ、更に冷間で仕上
圧延することを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金
ブレージングシートの製造方法である。
0.05〜1.5wt%、Mn0.05〜2.0wt%を含有し、更にMg0.03〜
0.5wt%、Cr0.03〜0.3wt%、Zr0.03〜0.3wt%、Ti0.03〜0.
3wt%、Ni0.03〜1.5wt%のうち1種又は2種以上を含有
し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなるアル
ミニウム合金芯材の片面にアルミニウム合金からなるろ
う材をクラッドし、他の片面にZn0.5 〜6.0wt%、Mg0.8
〜2.5wt%を含有し、残部アルミニウムと不可避的不純物
とからなるアルミニウム合金犠牲材をクラッドした3層
構造のクラッド材を、熱交換器用アルミニウム合金ブレ
ージングシートに製造する方法において、前記クラッド
材を熱間圧延し、次いで冷間圧延し、前記冷間圧延の途
中に、到達温度 400〜550 ℃で 1〜60秒間保持後 100℃
/min. 以上の冷却速度で冷却する中間焼鈍を入れ、更に
冷間で仕上圧延することを特徴とする熱交換器用アルミ
ニウム合金ブレージングシートの製造方法である。
0.05〜1.5wt%、Mn0.05〜2.0wt%を含有し、残部アルミニ
ウムと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金芯材
の片面にアルミニウム合金からなるろう材をクラッド
し、他の片面にZn 0.5〜6.0wt%、Mg 0.8〜2.5wt%を含有
し、更にMn0.05〜1.6wt%、In 0.002〜0.3wt%、Sn0.002
〜0.3wt%のうち1種又は2種以上を含有し、残部アルミ
ニウムと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金犠
牲材をクラッドした3層構造のクラッド材を、熱交換器
用アルミニウム合金ブレージングシートに製造する方法
において、前記クラッド材を熱間圧延し、次いで冷間圧
延し、前記冷間圧延の途中に、到達温度 400〜550 ℃で
1〜60秒間保持後 100℃/min. 以上の冷却速度で冷却す
る中間焼鈍を入れ、更に冷間で仕上圧延することを特徴
とする熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート
の製造方法である。
0.05〜1.5wt%、Mn0.05〜2.0wt%を含有し、更にMg0.03〜
0.5wt%、Cr0.03〜0.3wt%、Zr0.03〜0.3wt%、Ti0.03〜0.
3wt%、Ni0.03〜1.5wt%のうち1種又は2種以上を含有
し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなるアル
ミニウム合金芯材の片面にアルミニウム合金からなるろ
う材をクラッドし、他の片面にZn0.5 〜6.0wt%、Mg0.8
〜2.5wt%を含有し、更にMn0.05〜1.6wt%、In0.002 〜0.
3wt%、Sn0.002 〜0.3wt%のうち1種又は2種以上を含有
し、残部アルミニウムと不可避的不純物とからなるアル
ミニウム合金犠牲材をクラッドした3層構造のクラッド
材を、熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート
に製造する方法において、前記クラッド材を熱間圧延
し、次いで冷間圧延し、前記冷間圧延の途中に、到達温
度 400〜550 ℃で1〜60秒間保持後 100℃/min. 以上の
冷却速度で冷却する中間焼鈍を入れ、更に冷間で仕上圧
延することを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金ブ
レージングシートの製造方法である。
シートは、図2に示す3層構造からなる。即ち、高強度
アルミニウム合金を芯材5とし、この芯材5の一面にろ
う材6、他面に犠牲材7がクラッドされている。熱交換
器に組立てる際にろう材6を外側に、犠牲材7を冷媒通
路側にして使用する。本発明では、芯材合金は高強度の
合金元素Si及びCuを含有しており、その添加量も多い。
即ち、Si0.2 〜1.5wt%、Cu0.05〜1.5wt%を含有するアル
ミニウム合金芯材である。
る。Siは、強度向上に寄与する。Siが0.2wt%未満では、
その効果が十分でなく、又電縫加工性を劣化させる含有
量ではないので、本発明の製造条件を取る必要性がな
い。Si量が1.5wt%を超えるとろう付加熱時に芯材が溶融
する恐れがあり、又犠牲材層を超えて腐食が進む場合に
耐食性を低下させる問題も出てくる。従って、Siは0.2w
t%以上1.5wt%以下とするが、特に0.4 〜0.8wt%付近で特
性が飛躍的に向上する。
布し、耐食性を低下させることなく強度を向上させる。
その量が0.05wt% 未満ではその効果が十分でなく、2.0w
t%を超えると成形性が低下し、組付け等の加工時にブレ
ージングシートが割れてしまう。従って、Mnは0.05wt%
以上2.0wt%以下とするが、特に 0.5〜1.5wt%付近で安定
した特性を示し、更には 0.8〜1.2wt%付近で特性が飛躍
的に向上する。
に寄与する。Cuが0.05wt% 未満では強度向上効果が十分
でない。耐食性を考えるとCu量の上限は1.5wt%が望まし
い。従って、Cuは0.05wt% 以上1.5wt%以下とするが、特
に0.3 〜1.0wt%で安定した特性を示す。
析出物として存在し、強度を向上させる。0.03wt% 未満
ではその効果がなく、0.5wt%を超えて添加すると非腐食
性のフラックスを用いたろう付けをする場合にフラック
スとMgが反応してろう付けができなくなる。従って、Mg
は0.03wt% 以上0.5wt%以下とするが、特に0.05〜0.2wt%
で安定した特性を示す。
形成して合金の強度を向上させる働きを有する。しか
し、それぞれ 0.03wt%未満ではその効果がなく、又それ
ぞれ0.3wt%を超えて含有させた場合成形性が低下し、組
付け等の加工時にブレージングシートが割れてしまう。
従って、Cr,Zr,Tiはいずれも0.03wt% 以上0.3wt%以下と
する。特に0.05〜0.2wt%で安定した特性を示す。Niも微
細な金属間化合物を形成し合金の強度を向上させる働き
を有する。しかし、0.03wt% 未満ではその効果がなく、
1.5wt%を超えると成形性が低下し、組付け等の加工時に
ブレージングシートが割れてしまう。従って、Niは0.03
wt% 以上1.5wt%以下とするが、特に0.2 〜0.8wt%で安定
した特性を示す。
不可避不純物の代表的元素として、Feがある。Feは1.2w
t%以下であれば、含有されていてもかまわない。又鋳塊
組織の微細化の為に添加されるB等、上記以外の元素は
それぞれ0.05wt% 以下であれば含有されていても差支え
ない。
ついて説明する。ろう材には、JIS-4343(Al-7.5wt%Si)
合金、JIS-4045(Al-10wt%Si)合金、JIS-4047(Al-12wt%S
i)合金、JIS-4004(Al-10wt%Si-1.5 wt%Mg)合金、Al-10w
t%Si-1.5 wt%Mg-0.1wt%Bi合金、その他 Al-Si系合金に
ろう付性や耐食性の改善に有効な元素を微量添加したAl
合金が適用できる。更に、耐食性の向上を目的として、
ろう付温度を 600℃より低温化した場合に、十分に良好
なろう付性が確保できるろう材、例えば Al-Si-Cu-Zn系
合金等も、本発明で限定したブレージングシートのろう
材合金として適用できる。特にその添加元素範囲が、Al
-7〜12wt%Si- 0.8〜3wt%Cu- 0.05〜0.4wt%Fe-1〜5wt%Zn
合金において優れた特性を示す。
説明する。Znは犠牲材合金に犠牲効果を付与する。その
量が0.5wt%未満では効果が十分でなく、その量が6.0wt%
を超えると融点が低下してろう付時に溶融してしまう。
従って、Znの含有量を0.5 〜6.0wt%とするが、 1.5〜5.
0wt%が望ましく、特に2.5〜4.5wt%で優れた犠牲効果を
示す。In,Sn の添加も犠牲効果を合金に付与する。その
量が0.002wt%未満では効果が十分でなく、その量が 0.3
wt% を超えると合金の圧延加工性が低下し、3層構造の
ブレージングシートに用いる犠牲材としては適さなくな
る。従って、In,Sn 量を各々0.002 〜0.3wt%に限定する
が、特に0.02〜0.15wt% で優れた犠牲効果を発揮する。
ト全体の強度を向上させる。その量が0.8wt%未満では効
果が十分でなく、2.5wt%を超えるとクラッド材の圧延が
困難になる。圧延ができたとしても融点が低下してろう
付時に溶融してしまう。従って、Mgの量は 0.8〜2.5wt%
とするが、特に 1.0〜2.2wt%において強度と犠牲効果の
バランスが優れる。
ト全体の強度を向上させる。その量が 0.05wt%未満では
効果が十分でなく、1.6wt%を超えると圧延加工性が低下
して3層構造のブレージングシートに用いる犠牲材とし
ては適さなくなる。従って、Mn量は0.05〜1.6wt%に限定
するが、特には0.5 〜1.2wt%の組成範囲において強度と
圧延加工性のバランスがとれて好ましい。
ある。次に不可避的不純物について説明する。Siは0.5w
t%以下であれば問題ないが、特には0.1wt%以下が望まし
い。Feは0.8wt%以下であれば問題ないが、特には0.1wt%
以下が望ましい。強度向上効果のあるCr,Zr,Ti等の元素
も、各々0.05wt% 以下であれば不純物元素として含有さ
れてもかまわない。3層構造のブレージングシートのろ
う材と犠牲材の厚さ又は被覆率はブレージングシート全
体の厚さ等により決まるが、通常、厚さは30μm程度で
ある。
明する。本発明では、冷間圧延の途中に入れる中間焼鈍
を到達温度 400〜550 ℃で1〜60秒間保持し、保持後10
0 ℃/min. 以上の冷却速度で冷却して施す。中間焼鈍温
度を 400〜550 ℃に限定した理由は、中間焼鈍温度が 4
00℃未満では、溶体化処理が完全にはなされず、Mg-Si
系化合物が犠牲材と芯材の界面に沿って析出して溶接部
に欠陥が生じ、又 550℃を超えるとろう材が溶融する危
険がある為である。保持時間を1〜60秒間に限定した理
由は、1秒未満では溶体化処理が完全でなく、60秒を超
えると犠牲材、芯材各々の添加元素拡散量が増大して、
ろう付性、耐食性が大きく低下する恐れがある為であ
る。又冷却速度を 100℃/min. 以上に限定した理由は、
冷却速度が 100℃/min. 未満では、到達温度 400〜550
℃で1〜60秒間保持しても、冷却途中にAl-Cu 系化合物
が析出してしまい、電縫加工時に溶接部に欠陥が発生す
る恐れがある為である。特に冷却を 500℃/min. 以上の
速度で行えば、ブレージングシートをより優れた溶接性
で電縫加工できる。
ないが、本発明で限定した冷却速度と同じ条件範囲内で
行うことにより、芯材の再結晶粒を微細均一にすること
ができ、電縫溶接時の芯材ミクロ割れの原因となる応力
集中が緩和されることを新たな知見として得ている。又
加熱速度は、速い程、生産性が向上し好ましい。特に、
中間焼鈍をオンラインで行う場合は有効である。加熱速
度が遅過ぎると、拡散が促進して他の特性に悪影響を及
ぼす恐れがある。温度管理、炉の使用コスト、総合的な
材料の特性確保の観点から判断して、加熱速度は冷却速
度と同程度にするのが望ましい。その他の製造条件につ
いては特に限定しないが、熱間圧延の開始温度を 420〜
520 ℃の温度範囲とし、又冷間圧延における最終の冷間
圧延率を20〜50%にするのが望ましい。更に成形性を考
慮して、最終冷間圧延後 200〜300 ℃の温度で安定化処
理を行ってもよい。
ジングシートは、電縫加工等によりチューブとしたり、
そのままヘッダー材等としてろう付され、熱交換器とし
て用いられる。ろう付条件は従来とほとんど同じでよ
い。即ち、フラックスブレージング法、非腐食性フラッ
クスを用いたノコロックブレージング法等であればよ
く、特に限定するものではない。ろう付け前の組立て、
洗浄、フラックス塗布等は従来通り行えばよい。この場
合フラックスは、例えばセシウム系のフラックスを用い
てもよい。本発明では、加熱後の工程は特に限定しな
い。従来より行われているように、時効処理やフラック
ス除去や塗装等の工程を行えばよい。
る。 (実施例1)表1に示す組成のアルミニウム合金チュー
ブ材用の板厚0.25mmの3層ブレージングシート板材を表
2に示す中間焼鈍条件を経て製造した。比較の為従来法
でも製造した。本発明方法品及び比較例品のろう材のク
ラッド率は10%、犠牲材のクラッド率は20%である。但
し、現行材の犠牲材クラッド率は10%とした。又犠牲材
中には不純物元素として、Fe,Si がそれぞれ0.01〜0.2w
t%の範囲で含まれている。ろう材にはJIS-4045合金又は
Al-Si-Cu-Zn 系合金を用いた。これらコイル状ブレージ
ングシート板材は電縫管のサイズに合わせスリッターし
て56.0mmの条材にした。この条材を電縫管製造装置を用
いて幅27.0mm、厚さ1.9mm の通液管用の電縫管に加工し
た。表3に各条材の電縫加工性の評価結果を示した。評
価項目として、洩れ、内部静水圧試験による耐圧性能、
電縫溶接部での芯材ミクロ割れ、犠牲材剥離、段差、及
び寸法精度を調べた。結果を表3に示した。
(No.1〜11, 20〜22)は、電縫溶接部の品質がいずれも
良好であり、電縫管に洩れ箇所は認められず、耐圧性能
にも優れ、溶接部からの破断も起きなかった。これに対
し比較例品のNo.17 〜19は合金組成が本発明の限定範囲
から外れていた為、又No.12 〜15は製造条件が本発明の
条件から外れていた為、又No.16 とNo.18 は合金組成と
製造条件の両方が外れていた為、いずれも電縫加工性が
悪化した。
ンプル(厚さ0.25mmの3層ブレージングシート板材)を
595℃×3.5min. 窒素ガス中で加熱保持した後、引張強
度、耐食性、ろう付性を試験して、溶接性(ブレージン
グ性)を調査した。耐食性はろう材部をマスキングした
板材をCu2+イオンを10ppm 添加した水道水中に浸漬し、
80℃で8時間・室温で16時間のサイクル腐食試験を5カ
月間行い、犠牲材表面に発生したピット深さを光学顕微
鏡を用いた焦点深度法により求めた。ろう付性はT字型
流動性試験により行い、外観を目視して評価した。結果
を表4に示した。尚、0.25mmの板材に圧延した際の圧延
性を併記した。圧延性は、冷間圧延中のコバ割れ、肌荒
れ、板切れ等の発生状況を観察し判定した。
(No.1〜11, 20〜22) は、いずれも良好な特性を示し
た。又比較例品の No.12〜15は、この溶接性試験では特
に特性低下はなかった。しかしNo.16 は犠牲材のMg量が
多かった為、芯材と犠牲材の界面にMg-Si 系化合物が多
量に析出して双方が剥離して圧延不可能になった。No.1
7,18は犠牲材にMgが含有されず又Zn量が少なすぎて耐食
性が低下した。No.19 は芯材のSiとCu量が多すぎた為圧
延性が劣り又部分的に溶融した。
加工性に優れ、高強度で耐食性に優れ、ろう付時に溶融
せず、熱交換器の小型化・軽量化が可能なアルミニウム
合金ブレージングシートが得られ、工業上顕著な効果を
奏する。
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 Si0.2 〜1.5wt%、Cu0.05〜1.5wt%、Mn0.
05〜2.0wt%を含有し、残部アルミニウムと不可避的不純
物とからなるアルミニウム合金芯材の片面にアルミニウ
ム合金からなるろう材をクラッドし、他の片面にZn 0.5
〜6.0wt%、Mg0.8〜2.5wt%を含有し、残部アルミニウム
と不可避的不純物からなるアルミニウム合金犠牲材をク
ラッドした3層構造のクラッド材を、熱交換器用アルミ
ニウム合金ブレージングシートに製造する方法におい
て、前記クラッド材を熱間圧延し、次いで冷間圧延し、
前記冷間圧延の途中に、到達温度 400〜550 ℃で 1〜60
秒間保持後 100℃/min. 以上の冷却速度で冷却する中間
焼鈍を入れ、更に冷間で仕上圧延することを特徴とする
熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートの製造
方法。 - 【請求項2】 Si0.2 〜1.5wt%、Cu0.05〜1.5wt%、Mn0.
05〜2.0wt%を含有し、更にMg0.03〜0.5wt%、Cr0.03〜0.
3wt%、Zr0.03〜0.3wt%、Ti0.03〜0.3wt%、Ni0.03〜1.5w
t%のうち1種又は2種以上を含有し、残部アルミニウム
と不可避的不純物とからなるアルミニウム合金芯材の片
面にアルミニウム合金からなるろう材をクラッドし、他
の片面にZn 0.5〜6.0wt%、Mg 0.8〜2.5wt%を含有し、残
部アルミニウムと不可避的不純物からなるアルミニウム
合金犠牲材をクラッドした3層構造のクラッド材を、熱
交換器用アルミニウム合金ブレージングシートに製造す
る方法において、前記クラッド材を熱間圧延し、次いで
冷間圧延し、前記冷間圧延の途中に、到達温度 400〜55
0 ℃で 1〜60秒間保持後 100℃/min. 以上の冷却速度で
冷却する中間焼鈍を入れ、更に冷間で仕上圧延すること
を特徴とする熱交換器用アルミニウム合金ブレージング
シートの製造方法。 - 【請求項3】 Si0.2〜1.5wt%、Cu0.05〜1.5wt%、Mn0.
05〜2.0wt%を含有し、残部アルミニウムと不可避的不純
物とからなるアルミニウム合金芯材の片面にアルミニウ
ム合金からなるろう材をクラッドし、他の片面にZn 0.5
〜6.0wt%、Mg0.8〜2.5wt%を含有し、更にMn0.05〜1.6wt
%、In 0.002〜0.3wt%、Sn 0.002〜0.3wt%のうち1種又
は2種以上を含有し、残部アルミニウムと不可避的不純
物からなるアルミニウム合金犠牲材をクラッドした3層
構造のクラッド材を、熱交換器用アルミニウム合金ブレ
ージングシートに製造する方法において、前記クラッド
材を熱間圧延し、次いで冷間圧延し、前記冷間圧延の途
中に、到達温度 400〜550 ℃で 1〜60秒間保持後 100℃
/min. 以上の冷却速度で冷却する中間焼鈍を入れ、更に
冷間で仕上圧延することを特徴とする熱交換器用アルミ
ニウム合金ブレージングシートの製造方法。 - 【請求項4】 Si0.2〜1.5wt%、Cu0.05〜1.5wt%、Mn0.
05〜2.0wt%を含有し、更にMg0.03〜0.5wt%、Cr0.03〜0.
3wt%、Zr0.03〜0.3wt%、Ti0.03〜0.3wt%、Ni0.03〜1.5w
t%のうち1種又は2種以上を含有し、残部アルミニウム
と不可避的不純物からなるアルミニウム合金芯材の片面
にアルミニウム合金からなるろう材をクラッドし、他の
片面にZn 0.5〜6.0wt%、Mg 0.8〜2.5wt%を含有し、更に
Mn0.05〜1.6wt%、In 0.002〜0.3wt%、Sn 0.002〜0.3wt%
のうち1種又は2種以上を含有し、残部アルミニウムと
不可避的不純物とからなるアルミニウム合金犠牲材をク
ラッドした3層構造のクラッド材を、熱交換器用アルミ
ニウム合金ブレージングシートに製造する方法におい
て、前記クラッド材を熱間圧延し、次いで冷間圧延し、
前記冷間圧延の途中に、到達温度 400〜550 ℃で 1〜60
秒間保持後 100℃/min. 以上の冷却速度で冷却する中間
焼鈍を入れ、更に冷間で仕上圧延することを特徴とする
熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートの製造
方法。
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JP2014047355A (ja) * | 2012-08-29 | 2014-03-17 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 電縫溶接チューブ用アルミニウム合金ブレージングシート |
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1994
- 1994-12-07 JP JP6303727A patent/JP2990027B2/ja not_active Expired - Fee Related
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