JPH07268554A - 成形加工性および耐熱性の優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼板 - Google Patents
成形加工性および耐熱性の優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼板Info
- Publication number
- JPH07268554A JPH07268554A JP5779494A JP5779494A JPH07268554A JP H07268554 A JPH07268554 A JP H07268554A JP 5779494 A JP5779494 A JP 5779494A JP 5779494 A JP5779494 A JP 5779494A JP H07268554 A JPH07268554 A JP H07268554A
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- exhaust system
- automobile exhaust
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、自動車排気系用の材料として、熱
間圧延後焼鈍を施した状態または熱間圧延ままで耐熱性
および加工性を確保したフェライト系ステンレス鋼を提
供するものである。 【構成】 重量%でC+N:0.03%以下、Si:
0.05〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Cr:
10〜25%に加えて、Ti、Nb、Moの1種以上を
含み、残部Feおよび不可避不純物からなり、熱間圧延
後焼鈍を施した状態または熱間圧延ままで、圧延方向に
平行な板厚断面の結晶粒形状因子A(アスペクト比)、
即ち板厚方向の単位長さ当たりの粒数÷圧延方向の単位
長さ当たりの粒数が5以下である成形加工性および耐熱
性の優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼。
間圧延後焼鈍を施した状態または熱間圧延ままで耐熱性
および加工性を確保したフェライト系ステンレス鋼を提
供するものである。 【構成】 重量%でC+N:0.03%以下、Si:
0.05〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Cr:
10〜25%に加えて、Ti、Nb、Moの1種以上を
含み、残部Feおよび不可避不純物からなり、熱間圧延
後焼鈍を施した状態または熱間圧延ままで、圧延方向に
平行な板厚断面の結晶粒形状因子A(アスペクト比)、
即ち板厚方向の単位長さ当たりの粒数÷圧延方向の単位
長さ当たりの粒数が5以下である成形加工性および耐熱
性の優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車排気系用等の材
料として、熱間圧延後焼鈍を施した状態または熱間圧延
ままで成形加工性および耐熱性の優れたフェライト系ス
テンレス鋼板に関するものである。
料として、熱間圧延後焼鈍を施した状態または熱間圧延
ままで成形加工性および耐熱性の優れたフェライト系ス
テンレス鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の高燃費化および高出力化に伴
い、排気ガス温度は900℃にまで達しており、今後さ
らに上昇すると言われている。また、軽量化や低熱量化
によって、燃費向上および排ガス浄化を達成させようと
している。このような背景から、自動車排気系材料に
は、耐熱性の向上や部品のコンパクト化および軽量化か
ら成形性の向上も同時に求められている。
い、排気ガス温度は900℃にまで達しており、今後さ
らに上昇すると言われている。また、軽量化や低熱量化
によって、燃費向上および排ガス浄化を達成させようと
している。このような背景から、自動車排気系材料に
は、耐熱性の向上や部品のコンパクト化および軽量化か
ら成形性の向上も同時に求められている。
【0003】従来、自動車排気系材料には、SUS40
9D、SUS430J1LやSUS436L等の冷間圧
延材が用いられ、成形加工性向上の観点から、製造工程
において熱延板焼鈍を施すことや、冷間圧延にて圧下率
を高くする等の手法が用いられている。例えば、特開平
3−264652号公報では、熱延板焼鈍を施すことを
条件としている。このように、加工性を改善するために
は、熱延板にて焼鈍しさらに冷延圧下率を高めることが
重要な条件として取り上げられている。
9D、SUS430J1LやSUS436L等の冷間圧
延材が用いられ、成形加工性向上の観点から、製造工程
において熱延板焼鈍を施すことや、冷間圧延にて圧下率
を高くする等の手法が用いられている。例えば、特開平
3−264652号公報では、熱延板焼鈍を施すことを
条件としている。このように、加工性を改善するために
は、熱延板にて焼鈍しさらに冷延圧下率を高めることが
重要な条件として取り上げられている。
【0004】しかし、熱延板焼鈍や冷延での高圧下は経
済的に不利であるとともに、自動車排気系材料は薄板の
中でも比較的厚物が多く、板厚にして1.0〜2.0m
mのものがよく使用されている。このことから考えると
冷延での高圧下率はとり難いのが現状である。さらに、
耐熱性、特に高温強度に関しては、TiやNbの析出物
の形態が大きく影響する。したがって、熱履歴が多岐に
わたることや複雑になることは析出物制御の観点からは
望ましいことではない。
済的に不利であるとともに、自動車排気系材料は薄板の
中でも比較的厚物が多く、板厚にして1.0〜2.0m
mのものがよく使用されている。このことから考えると
冷延での高圧下率はとり難いのが現状である。さらに、
耐熱性、特に高温強度に関しては、TiやNbの析出物
の形態が大きく影響する。したがって、熱履歴が多岐に
わたることや複雑になることは析出物制御の観点からは
望ましいことではない。
【0005】一方、自動車排気系材料等は、表面光沢度
や粗さ等の表面に関する特性については特に厳しく制御
する必要性は少なく、疲労特性等に悪影響を及ぼさない
程度の表面であれば良いと考えられる。
や粗さ等の表面に関する特性については特に厳しく制御
する必要性は少なく、疲労特性等に悪影響を及ぼさない
程度の表面であれば良いと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車排気
系用材料として、熱間圧延後焼鈍を施した状態または熱
間圧延ままで成形加工性および耐熱性を確保したフェラ
イト系ステンレス鋼を提供することを目的とするもので
ある。
系用材料として、熱間圧延後焼鈍を施した状態または熱
間圧延ままで成形加工性および耐熱性を確保したフェラ
イト系ステンレス鋼を提供することを目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述のように、自動車排
気系材料は加工性向上の観点から、製造工程上、熱延板
焼鈍や比較的高圧下の冷間圧延を適用し、冷延板を作成
している。しかし、熱延板焼鈍や冷延での高圧下は経済
的に不利であるとともに、自動車排気系材料は薄板の中
でも厚物が多いため、冷延での高圧下率はとり難い。ま
た、析出物制御の観点からも熱履歴をなるべく単純化す
ることが望ましい。
気系材料は加工性向上の観点から、製造工程上、熱延板
焼鈍や比較的高圧下の冷間圧延を適用し、冷延板を作成
している。しかし、熱延板焼鈍や冷延での高圧下は経済
的に不利であるとともに、自動車排気系材料は薄板の中
でも厚物が多いため、冷延での高圧下率はとり難い。ま
た、析出物制御の観点からも熱履歴をなるべく単純化す
ることが望ましい。
【0008】さらに、自動車排気系材料等は車体下部に
搭載されることから、表面光沢度、リジングおよびロー
ピングを厳しく制御する必要はなく、特公平4−985
1号公報、特公平4−9852号公報、特公平4−98
53号公報記載の技術のように、耐リジング性に特に考
慮する必要はない。以上の理由から、本発明では、冷延
鋼板を熱延鋼板に切替えることで熱履歴を単純化し、結
晶粒形状因子:A比(アスペクト比)を規定することで
耐熱性および成形加工性の確保を図るものである。
搭載されることから、表面光沢度、リジングおよびロー
ピングを厳しく制御する必要はなく、特公平4−985
1号公報、特公平4−9852号公報、特公平4−98
53号公報記載の技術のように、耐リジング性に特に考
慮する必要はない。以上の理由から、本発明では、冷延
鋼板を熱延鋼板に切替えることで熱履歴を単純化し、結
晶粒形状因子:A比(アスペクト比)を規定することで
耐熱性および成形加工性の確保を図るものである。
【0009】まず、成分系としては、延性やr値が特に
必要な場合に固溶Cおよび固溶Nを低くすることを基本
とした。さらには、TiおよびNbを単独または複合し
て添加し、CおよびNを固着することで加工性をさらに
向上させた。ここで、TiおよびNbの添加量を、C+
N量に対して過剰になるように下限を制限した。また、
TiおよびNbは高温強度および耐酸化性向上にも寄与
する。
必要な場合に固溶Cおよび固溶Nを低くすることを基本
とした。さらには、TiおよびNbを単独または複合し
て添加し、CおよびNを固着することで加工性をさらに
向上させた。ここで、TiおよびNbの添加量を、C+
N量に対して過剰になるように下限を制限した。また、
TiおよびNbは高温強度および耐酸化性向上にも寄与
する。
【0010】また、結晶粒の形状因子としてA比(アス
ペクト比)を規定することで、加工性および耐熱性の向
上を図った。すなわち、結晶粒形状をある範囲で等軸化
することにより加工性の確保を図ると同時に、析出物の
再溶解による製品板における高温強化元素の固溶量の増
加を促すものである。高温強化には、NbやMoを添加
することが一般的である。高温強度や耐熱疲労性を向上
させる場合、NbやMoの存在状態が特に問題になる。
すなわち、NbやMoを固溶させておくことが高温強化
に有効であることが『材料とプロセス』VOL.4(1
991)p.1796等に示されている。したがって、
高温強度や耐熱疲労性の改善のためには、最終製品板の
状態で固溶Nb量や固溶Mo量を確保するために、各熱
処理工程でのこれら元素の析出を極力抑制させるような
工程条件を設定する必要がある。このため、熱履歴は単
純化した方が望ましく、製品板での固溶量確保が重要と
なる。
ペクト比)を規定することで、加工性および耐熱性の向
上を図った。すなわち、結晶粒形状をある範囲で等軸化
することにより加工性の確保を図ると同時に、析出物の
再溶解による製品板における高温強化元素の固溶量の増
加を促すものである。高温強化には、NbやMoを添加
することが一般的である。高温強度や耐熱疲労性を向上
させる場合、NbやMoの存在状態が特に問題になる。
すなわち、NbやMoを固溶させておくことが高温強化
に有効であることが『材料とプロセス』VOL.4(1
991)p.1796等に示されている。したがって、
高温強度や耐熱疲労性の改善のためには、最終製品板の
状態で固溶Nb量や固溶Mo量を確保するために、各熱
処理工程でのこれら元素の析出を極力抑制させるような
工程条件を設定する必要がある。このため、熱履歴は単
純化した方が望ましく、製品板での固溶量確保が重要と
なる。
【0011】以上の理由から、本発明では、圧延方向に
平行な板厚断面の結晶粒形状因子A比(アスペクト比=
板厚方向の単位長さ当たりの粒数÷圧延方向の単位長さ
当たりの粒数)を5以下に規定することで、熱間圧延後
焼鈍を施した状態または熱間圧延ままで、成形加工性お
よび耐熱疲労性の優れた自動車排気系用フェライト系ス
テンレス鋼を得るものである。
平行な板厚断面の結晶粒形状因子A比(アスペクト比=
板厚方向の単位長さ当たりの粒数÷圧延方向の単位長さ
当たりの粒数)を5以下に規定することで、熱間圧延後
焼鈍を施した状態または熱間圧延ままで、成形加工性お
よび耐熱疲労性の優れた自動車排気系用フェライト系ス
テンレス鋼を得るものである。
【0012】
【作用】C+N:CおよびNは成形加工性を劣化させる
とともに、TiおよびNbとの親和力が強く高温強度を
低下させる。また、オーステナイトフォーマーであるた
め、マルテンサイト生成抑制の観点からも低く抑える必
要があり、C+N量の上限を0.03%とした。また、
さらなる加工性の向上や固溶Nbによる高温強度向上の
効果を利用する場合には、C+N量は0.015%以下
が望ましい。
とともに、TiおよびNbとの親和力が強く高温強度を
低下させる。また、オーステナイトフォーマーであるた
め、マルテンサイト生成抑制の観点からも低く抑える必
要があり、C+N量の上限を0.03%とした。また、
さらなる加工性の向上や固溶Nbによる高温強度向上の
効果を利用する場合には、C+N量は0.015%以下
が望ましい。
【0013】Si:Siは脱酸元素であり、耐酸化性を
向上させるために0.05%以上の添加とした。一方、
2.0%を超えるSiの添加は延性を低下させ、かつ鋼
を硬化(降伏応力を増加させる)させるため、2.0%
を上限とした。 Mn:Mnは脱酸元素であるため0.1%以上の添加と
した。一方、Mnは耐酸化性を劣化させ、オーステナイ
トフォーマーでもあるため、マルテンサイト生成抑制の
観点から、その上限を2.0%とした。
向上させるために0.05%以上の添加とした。一方、
2.0%を超えるSiの添加は延性を低下させ、かつ鋼
を硬化(降伏応力を増加させる)させるため、2.0%
を上限とした。 Mn:Mnは脱酸元素であるため0.1%以上の添加と
した。一方、Mnは耐酸化性を劣化させ、オーステナイ
トフォーマーでもあるため、マルテンサイト生成抑制の
観点から、その上限を2.0%とした。
【0014】Cr:Crはステンレス鋼の基本性能であ
る耐食性を確保するとともに、自動車の排気ガス温度の
高温化に対応可能な耐酸化性を確保するため、すなわち
少なくとも600℃における耐酸化性を確保するために
10%以上添加する。一方、Cr量が25%を超えると
耐食性および耐酸化性のさらなる改善効果が小さくな
り、加工性も劣化するため、上限を25%とした。ま
た、1000℃までの耐酸化性と加工性の両立を考慮す
れば10〜20%で充分であり、この範囲が経済的にも
望ましい。
る耐食性を確保するとともに、自動車の排気ガス温度の
高温化に対応可能な耐酸化性を確保するため、すなわち
少なくとも600℃における耐酸化性を確保するために
10%以上添加する。一方、Cr量が25%を超えると
耐食性および耐酸化性のさらなる改善効果が小さくな
り、加工性も劣化するため、上限を25%とした。ま
た、1000℃までの耐酸化性と加工性の両立を考慮す
れば10〜20%で充分であり、この範囲が経済的にも
望ましい。
【0015】Ti:TiはC、Nを固着し、成形加工性
を向上させるために、0.02%以上で、かつC/12
+N/14≦Ti/48+Nb/93を満たす範囲とし
た。また、Tiは熱延時に微細析出を生じることで高温
強化に寄与するが、0.5%を超える添加は逆に析出物
の粗大化を招いて高温強度を低下させるため、0.5を
上限とした。また、加工性の向上には0.1%以上のT
i添加が望ましい。Nb:NbはTiと同様にC、Nを
固着し、成形加工性を向上させるために、0.05%以
上で、かつC/12+N/14≦Ti/48+Nb/9
3を満たす範囲とした。また、Nbは固溶強化にて高温
強化に寄与するが、1.0%を超える添加は靱性を劣化
させるため、1.0%を上限とした。また、Nbは加工
性や高温強度向上の観点からは0.2%以上の添加が望
ましく、靱性向上の観点からは0.6%以下が望まし
い。
を向上させるために、0.02%以上で、かつC/12
+N/14≦Ti/48+Nb/93を満たす範囲とし
た。また、Tiは熱延時に微細析出を生じることで高温
強化に寄与するが、0.5%を超える添加は逆に析出物
の粗大化を招いて高温強度を低下させるため、0.5を
上限とした。また、加工性の向上には0.1%以上のT
i添加が望ましい。Nb:NbはTiと同様にC、Nを
固着し、成形加工性を向上させるために、0.05%以
上で、かつC/12+N/14≦Ti/48+Nb/9
3を満たす範囲とした。また、Nbは固溶強化にて高温
強化に寄与するが、1.0%を超える添加は靱性を劣化
させるため、1.0%を上限とした。また、Nbは加工
性や高温強度向上の観点からは0.2%以上の添加が望
ましく、靱性向上の観点からは0.6%以下が望まし
い。
【0016】Mo:Moは高温強度や耐高温塩害性を高
める元素であるが、延性や溶接性を劣化させるため、
0.1〜2.0%の範囲とした。また、高温強度や耐高
温塩害性の観点からは、Moは0.4%以上添加するこ
とが望ましい。圧延方向に平行な板厚断面の結晶粒形状
因子A:圧延方向に平行な板厚断面の結晶粒形状因子
(アスペクト比:A)は、成形加工性を確保するための
パラメータである。熱延まま材では、バンド組織が残存
し、特に常温引張り試験における延性が低い値となる。
延性を確保するために、圧延方向に平行な板厚断面の結
晶粒形状因子Aを5以下に規定した。これは、結晶粒の
等軸化の程度を示すパラメータで、バンド組織が残存す
る割合が高いと大きな値となり、完全等軸化になったと
き1の値となる。
める元素であるが、延性や溶接性を劣化させるため、
0.1〜2.0%の範囲とした。また、高温強度や耐高
温塩害性の観点からは、Moは0.4%以上添加するこ
とが望ましい。圧延方向に平行な板厚断面の結晶粒形状
因子A:圧延方向に平行な板厚断面の結晶粒形状因子
(アスペクト比:A)は、成形加工性を確保するための
パラメータである。熱延まま材では、バンド組織が残存
し、特に常温引張り試験における延性が低い値となる。
延性を確保するために、圧延方向に平行な板厚断面の結
晶粒形状因子Aを5以下に規定した。これは、結晶粒の
等軸化の程度を示すパラメータで、バンド組織が残存す
る割合が高いと大きな値となり、完全等軸化になったと
き1の値となる。
【0017】
【実施例】表1に供試鋼の化学成分を示す。供試鋼は、
真空溶解にて各50kg溶製し、熱間圧延を行い、ある
いは熱間圧延後焼鈍を施し、2mmtの熱延板および熱
延焼鈍板を作製した。得られた熱延板および熱延焼鈍板
から各試験片を採取し、各種試験に供した。試験結果を
表2に示す。加工性としては密着曲げ性で評価した。本
発明鋼は熱延板焼鈍の有無に関わらずA比が5以下のも
のについて良好な密着曲げ加工特性を示す。また、曲げ
加工可能なものについて熱疲労試験を行った。その結
果、本発明鋼の熱疲労寿命は従来材であるAISI40
9やSUS430LXの冷延焼鈍板とほぼ同等の寿命を
有しており、本発明鋼は表面粗度が従来材である冷延焼
鈍板に比べ劣るおそれがあると考えられるが、この程度
の表面粗度の影響は小さいと言える。
真空溶解にて各50kg溶製し、熱間圧延を行い、ある
いは熱間圧延後焼鈍を施し、2mmtの熱延板および熱
延焼鈍板を作製した。得られた熱延板および熱延焼鈍板
から各試験片を採取し、各種試験に供した。試験結果を
表2に示す。加工性としては密着曲げ性で評価した。本
発明鋼は熱延板焼鈍の有無に関わらずA比が5以下のも
のについて良好な密着曲げ加工特性を示す。また、曲げ
加工可能なものについて熱疲労試験を行った。その結
果、本発明鋼の熱疲労寿命は従来材であるAISI40
9やSUS430LXの冷延焼鈍板とほぼ同等の寿命を
有しており、本発明鋼は表面粗度が従来材である冷延焼
鈍板に比べ劣るおそれがあると考えられるが、この程度
の表面粗度の影響は小さいと言える。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】注)曲げ性の判定基準 ◎:良好、○:シワ少量発生、△:シワ発生、 ×:シワ多発、ミクロ割れ有り 熱疲労試験は2mm厚の板状試験片を用い、200℃
→800℃×30秒→200℃で昇降温は60秒のサイ
クルとし、最大荷重の10%以下に荷重低下した時破断
とした(多くの場合座屈発生時)。
→800℃×30秒→200℃で昇降温は60秒のサイ
クルとし、最大荷重の10%以下に荷重低下した時破断
とした(多くの場合座屈発生時)。
【0021】
【発明の効果】本発明により、自動車排気系用材料とし
て、熱間圧延後焼鈍を施した状態または熱間圧延ままで
成形加工性および耐熱性を確保したフェライト系ステン
レス鋼を提供することができる。
て、熱間圧延後焼鈍を施した状態または熱間圧延ままで
成形加工性および耐熱性を確保したフェライト系ステン
レス鋼を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 章夫 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 大村 圭一 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内
Claims (5)
- 【請求項1】 重量%で、 C+N:0.03%以下 Si:0.05〜2.0% Mn:0.1〜2.0% Cr:10〜25%を含有し、さらに Ti:0.02〜0.5% Nb:0.05〜1.0% の少なくとも1種を、 C/12+N/14≦Ti/48+Nb/93 を満たす範囲で含有し、残部Feおよび不可避不純物か
らなる鋼を、熱間圧延後焼鈍を施した状態または熱間圧
延ままで、圧延方向に平行な板厚断面の結晶粒形状因子
Aが5以下であることを特徴とする成形加工性および耐
熱性の優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼
板。 - 【請求項2】 Mo:0.1〜2.0%を含有する請求
項1記載の成形加工性および耐熱性の優れた自動車排気
系用フェライト系ステンレス鋼板。 - 【請求項3】 Cr:10〜20%を含有する請求項1
または2記載の成形加工性および耐熱性の優れた自動車
排気系用フェライト系ステンレス鋼板。 - 【請求項4】 請求項1乃至3においてC+N:0.0
15%以下としたことを特徴とする成形加工性および耐
熱性の優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼
板。 - 【請求項5】 Ti:0.1〜0.3%、Nb:0.2
〜0.6%の少なくとも1種を、 C/12+N/14≦Ti/48+Nb/93 を満たす範囲で含有することを特徴とする請求項4記載
の成形加工性および耐熱性の優れた自動車排気系用フェ
ライト系ステンレス鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5779494A JPH07268554A (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 成形加工性および耐熱性の優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5779494A JPH07268554A (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 成形加工性および耐熱性の優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07268554A true JPH07268554A (ja) | 1995-10-17 |
Family
ID=13065803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5779494A Pending JPH07268554A (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 成形加工性および耐熱性の優れた自動車排気系用フェライト系ステンレス鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07268554A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0834590A1 (en) * | 1996-03-15 | 1998-04-08 | Nippon Steel Corporation | Ferritic stainless steel for exhaust system equipment of vehicle |
EP1176220A1 (en) * | 2000-07-25 | 2002-01-30 | Kawasaki Steel Corporation | Ferritic stainless steel sheet having superior workability at room temperatures and mechanical characteristics at high temperatures, and method of producing the same |
JP2002105605A (ja) * | 2000-07-25 | 2002-04-10 | Kawasaki Steel Corp | 常温加工性および高温での機械特性に優れたフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法 |
WO2004040031A1 (ja) * | 2002-11-01 | 2004-05-13 | National Institute For Materials Science | 耐酸化性高Crフェライト系耐熱鋼の製造方法 |
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JPWO2010010916A1 (ja) * | 2008-07-23 | 2012-01-05 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 尿素水タンク用フェライト系ステンレス鋼 |
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-
1994
- 1994-03-28 JP JP5779494A patent/JPH07268554A/ja active Pending
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