JPH07232475A - 被記録媒体、これを用いたインクジェット記録方法及びアルミナ水和物の分散液 - Google Patents
被記録媒体、これを用いたインクジェット記録方法及びアルミナ水和物の分散液Info
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- JPH07232475A JPH07232475A JP6114671A JP11467194A JPH07232475A JP H07232475 A JPH07232475 A JP H07232475A JP 6114671 A JP6114671 A JP 6114671A JP 11467194 A JP11467194 A JP 11467194A JP H07232475 A JPH07232475 A JP H07232475A
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Abstract
性に優れ、印字の滲み、ビ−ディングの発生を抑え、高
濃度の画像が得られる被記録媒体を提供する。 【構成】 平均細孔半径が20〜200Åで、細孔径分
布の半値幅が20〜150Åであるアルミナ水和物を含
むことを特徴とする被記録媒体である。
Description
録に適する被記録媒体、インクジェット記録方法及び分
散液に関するものであり、とりわけ画像濃度が高く色調
が鮮明で、解像度が高く、かつインクの吸収能力に優れ
た被記録媒体、これを用いたインクジェット記録方法及
び被記録媒体を製造するのに好適な分散液に関するもの
である。
クの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙な
どの被記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行
なうものであるが、高速低騒音、多色化が容易、記録パ
ターンの融通性が大きく、現像、定着が不要などの特徴
があり、各種画像の記録装置として情報機器をはじめ各
種の用途において急速に普及している。さらに多色イン
クジェット方式により形成される画像は、製版方式によ
る多色印刷や、カラー写真方式による印画と比較して遜
色のない記録を得ることも可能であり、作成部数が少な
い場合には通常の多色印刷や印画によるよりも安価であ
ることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用され
つつある。記録の高速化、高精細化、フルカラー化など
の記録特性の向上に伴って記録装置、記録方法の改良が
行われてきたが、被記録媒体に対しても高度な特性が要
求されるようになってきた。
案されてきた。例えば特開昭52−53012号公報に
は低サイズの原紙に表面加工用塗料を浸潤させるインク
ジェット用紙が開示されている。特開昭53−4911
3号公報には尿素−ホルマリン樹脂粉末を内添したシー
トに水溶性高分子を含浸させたインクジェット用紙が開
示されている。特開昭55−5830号公報には支持体
表面にインク吸収性の塗工層を設けたインクジェット記
録用紙が開示され、特開昭55−51583号公報には
被覆層中の顔料として非晶質シリカを用いた例が開示さ
れ、特開昭55−146786号公報には水溶性高分子
塗工層を用いた例が開示されている。
同5104730号、特開平2−276670号公報、
同4−37576号公報、同5−32037号公報で
は、擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を用いた層を有
する記録シートが提案されている。
号、同5104730号、特開昭58−110287号
公報、特開平4−37576号公報に示されているよう
に、シリカまたはアルミナ材料を用いて多層構成のイン
ク受容層を形成することも行われている。
の問題点が発生している。
特開平2−276670号公報、同2−276671号
公報、同3−275378号公報には、細孔径分布が極
めて狭い範囲である被記録媒体が開示されている。しか
し、特開平4−267180号公報、同5−16517
号公報に開示されているように、各インク染料(シア
ン、マゼンタ、イエロー、ブラック)と、インク溶媒は
特定の径の細孔に選択的に吸着されるので、インク組成
が変わると印字が滲んでしまう。
特開平2−276670号公報、同2−276671号
公報、同3−275378号公報には、平均細孔径が1
0〜30Åで狭い細孔径分布を持っている被記録媒体が
開示されている。この細孔径分布では、染料の吸着性は
良いが溶媒の吸収性が不十分でビーディングが発生して
しまう。ここでいうビーディングとは、先に付与された
インクドットが被記録媒体に定着する前に次のインクド
ットが先のインクドットに隣接して付与されたときに、
インクドットが横方向に不規則に移動し、その結果、隣
接するドットとの間で凝集が起こり、画像濃度にムラを
生じる現象である。
なるので、印字したインクが細孔で吸収し切れずにイン
ク受容層表面に溢れ出して、滲みが発生して印字の品位
が悪くなってしまう。
が、吸収速度が不十分で印字して装置から排出された時
に表面が乾いていないため、接触によって出力画像を損
なう恐れがある。
して塗工できなくなるため、液の固形分濃度を高くする
ことができないという問題点があり、その対策として、
特開平4−67986号公報にはバインダーポリマーの
重合度を下げる方法が開示されている。しかし、インク
受容層のひび割れ、などの外観不良や耐水性低下などの
問題点があり十分な改良がなされていない。
高くできないという問題点があり、特開平4−6798
5号公報には、その対策としては分散剤としてモノカル
ボン酸などの酸を添加する方法が開示されているが、刺
激臭が発生したり腐食が発生するなどの製造上の問題点
が発生する。
するために、米国特許明細書第4780356号、同4
374804号、同5104730号、特公平3−72
460号公報、特開昭55−11829号公報、同58
−110287号公報、同62−270378号公報、
特開平4−37576号公報には、インク受容層を2層
または多層構成にする方法が開示されている。しかし、
インク受容層の塗工・乾燥が2回になって工数が増える
という問題が発生している上に、各層の物性値が異なる
ため経時変化、インク受容層のひび割れなどの外観不
良、印字などで各層が分離して剥がれるという問題点も
生じている。
アスペクト比3以下の柱状で、一定方向に配向した毛束
状集合体を形成するアルミナ水和物と、そのアルミナ水
和物を用いてインク受容層を形成する方法が開示されて
いる。しかし、アルミナ水和物粒子が配向して密に詰ま
るため、インク受容層中でのアルミナ水和物粒子間の間
隙が狭くなり易い。そのため、細孔径が狭い方に片寄
り、かつ細孔径分布が狭くなる傾向がある。その結果上
記と同じようにビーディングが発生するという問題点が
ある。
問題点を解決する目的でなされたものであり、その目的
は、種々の組成のインクに対応でき、インク吸収性に優
れ、印字の滲み、ビーディングの発生を抑え、高画像濃
度が得られる被記録媒体及びこれを用いたインクジェッ
ト記録方法を提供することにある。
製造するのに好適な顔料の分散液を提供することにあ
る。
以下の本発明によって達成できる。
200Åで、細孔径分布の半値幅が20〜150Åであ
るアルミナ水和物を含むことを特徴とする被記録媒体で
ある。
ンク受容層を基材上に設けた被記録媒体において、顔料
がアルミナ水和物であり且つインク受容層の平均細孔半
径が20〜200Åで、細孔径分布の半値幅が20〜1
50Åであることを特徴とする被記録媒体である。
径が20〜200Åで、細孔径分布の半値幅が20〜1
50Åであるアルミナ水和物を内添したことを特徴とす
る被記録媒体である。
量%含有し、且つ平均細孔半径が20〜200Å、細孔
径分布の半値幅が20〜150Åであるアルミナ水和物
をイオン交換水に固形分濃度15重量%で分散し、粘度
が、温度20℃、ずり速度7.9秒-1で測定して75C
PS以下であること、硝酸根を0.1〜1.0重量%含
有し、且つ平均細孔半径が20〜200Å、細孔径分布
の半値幅が20〜150Åであるアルミナ水和物をイオ
ン交換水に固形分濃度20重量%で分散し、粘度が、温
度20℃、ずり速度10.2秒-1で測定して100PS
以下であること、もしくは硝酸根を0.1〜1.0重量
%含有し、且つ平均細孔半径が20〜200Å、細孔径
分布の半値幅が20〜150Åであるアルミナ水和物を
イオン交換水に固形分濃度25重量%で分散し、粘度
が、温度20℃、ずり速度10.2秒-1で測定して50
0PS以下であること、を特徴とするアルミナ水和物の
分散液である。
被記録媒体の製造時に、具体的には、紙等の媒体製造時
における内添物として(例えば、抄紙工程の原料調製時
にパルプスラリーに添加する)、あるいは基材上にイン
ク受容層を形成するための塗工液として使用することが
できる。
から吐出させて被記録媒体に付与して印字を行うインク
ジェット記録方法において、上記被記録媒体を用いるこ
とを特徴とするインクジェット記録方法である。
て、染料、溶媒の種類、量が異なった種々の組成のイン
クを用いても、記録画像に影響または変化を与えずに同
じ品位で良好に印字できるという利点がある。
細孔半径及び細孔径分布の半値幅が、上述した特定の範
囲内にあるアルミナ水和物を必須成分として含有する被
記録媒体であり、例えば、紙のシート中にアルミナ水和
物が当該シートの原料調製中の段階から内添された構
成、または図1に示す如き、基材上に、主として上記ア
ルミナ水和物とバインダーから形成されるインク受容層
が単層で形成された構成である。アルミナ水和物は正電
荷を持っているためインク染料の定着が良く、発色の良
い画像を得られるのと、従来、シリカ化合物を用いるこ
とで発生していた黒色インクの茶変、耐光性などの問題
点がないため、特にインク受容層に用いる材料としては
最も好ましい。
物としては、X線回折法による分析で、非晶質のアルミ
ナ水和物が好ましい。
れる。
かを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表
す。mH2Oは、多くの場合結晶格子の形成に関与しな
い脱離可能な水相を表すものであるため、mはまた整数
でない値をとることもできる。またこの種の材料をか焼
するとmは0の値に達することがあり得る。
ルコキシドの加水分解、アルミン酸ナトリウムの加水分
解などの公知の方法で製造することができる。Roce
kら(Collect Czech Chem Com
mun、56巻、1253〜1262、1991年)は
アルミナ水和物の多孔質構造は析出温度、溶液pH、熟
成時間、表面活性剤に影響されることを報告している。
好ましくは、平板状で平均アスペクト比が3〜10、平
板面の縦横比0.6〜1.0である。アスペクト比の定
義は特公平5−16015号公報に記載されている方法
で求めることができる。前記アスペクト比は粒子の「厚
さ」に対する「直径」の比で示す。ここで「直径」と
は、アルミナ水和物を顕微鏡または電子顕微鏡で観察し
たときの粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径
を示すものとする。前記平板面の縦横比はアスペクト比
と同じように粒子を顕微鏡で観察して平板面の最小値を
示す直径と最大値を示す直径の比である。平均アスペク
ト比が上記範囲よりも小さい場合にはインク受容層の細
孔径分布範囲が狭くなり、大きい場合にはアルミナ水和
物の粒子径を揃えて製造するのが困難になる恐れがあ
る。平均縦横比は上記範囲よりも小さいと同様に細孔径
分布が狭くなる。アルミナ水和物の中で擬ベーマイトに
は文献(Rocek J.,et al.、Appli
ed Catalysis、74巻,29〜36,19
91年)に記載されたように繊毛状とそうでない形状が
有ることが一般に知られている。
の中でも平板状の形状の方が毛状束(繊毛状)よりも分
散性が良く、またインク受容層を形成すると、図4の図
面代用写真に示すようにアルミナ水和物粒子の配向がラ
ンダムになるために、細孔径分布が幅広くなるのでより
好ましい。
ルミニウム粒子は、六角平板状であることが記載されて
いる。この他、ハイジライト(商品名、昭和電工製)、
HYDRAL(商品名、ALCOA製)等の水酸化アル
ミニウムが知られている。更に、特開昭2−27667
0号公報には、アスペクト比2〜10の毛状束のアルミ
ナゾルが、特開平3−285814号公報には、アスペ
クト比2〜10の板状のベーマイトゾルが開示されてい
る。しかしながら、以上の文献の夫々には、アルミナ水
和物の形状と、粒子中の細孔構造もしくは分散性との関
係は何等示されていない。
ミナ水和物及び該アルミナ水和物を含有するインク受容
層の、細孔径分布、細孔容積、等温窒素吸脱着曲線は、
窒素吸着脱離方法によって同時に求めることができる。
本発明で用いるアルミナ水和物のBET比表面積は70
〜300m2 /gの範囲が好ましい。かかるBET比表
面積が上記範囲の下限よりも小さい場合には細孔径分布
が大きい方に片寄ってインク中の染料を十分に吸着・固
定することができなくなり、上限より大きい場合にはア
ルミナ水和物を分散性良く塗工できなくなって細孔径分
布が制御できなくなる恐れがある。
としては、特に限定されないが好ましくは、非晶質アル
ミナ水和物を製造することが可能な方法、例えば、バイ
ヤー法、明ばん熱分解法等のいずれの方法を採用するこ
とができる。
非晶質アルミナ水和物の製造方法としては、長鎖のアル
ミニウムアルコキシドに対して酸を添加して加水分解す
ることによりアルミナ水和物を得る方法が挙げられる。
ここで長鎖のアルミニウムアルコキシドとは、例えば炭
素数が5以上のアルコキシドであり、更に炭素数12〜
22のアルコキシドを用いると、後述するようなアルコ
ール分の除去、及びアルミナ水和物の形状制御が容易に
なるため好ましい。上記方法には、アルミナヒドロゲル
やカチオン性アルミナを製造する方法と比較して、各種
イオン等の不純物が混入し難いといった利点がある。更
に、長鎖のアルミニウムアルコキシドは、加水分解後の
アルコールが除去し易いため、アルミニウムイソプロピ
キシド等の短鎖アルコキシドを用いる場合に比べて、ア
ルミナ水和物の脱アルコール化を完全に行えるといった
利点もある。更に、上記の長鎖のアルミニムアルコキシ
ドを用いる方法では、加水分解により得られたアルミナ
水和物粒子の形状が平板状になり易く、粒子形状の制御
が容易である。当該方法では、加水分解の開始時の溶液
のpHを6以下に設定することが非晶質アルミナ水和物
を得るために好ましい。ここでpHが8以上に高くなる
と、最終的に得られるアルミナ水和物が結晶質になる。
は、水熱合成の工程を経て、粒子を成長させる(熟成工
程)。当該工程の条件を調整することにより、アルミナ
水和物の粒子の細孔形状を特定の範囲に制御することが
できる。熟成時間を適当に設定すると、粒子径が比較的
均一なアルミナ水和物の一次粒子が成長し、細孔を形成
する一次粒子間の間隙は揃って細孔径分布が幅狭くな
る。逆にこの条件よりも熟成時間を短くすると、粒子径
が比較的不均一なアルミナ水和物の一次粒子が成長し、
特に細孔を形成する一次粒子間の間隙の大きさも不揃い
になり、結果的に細孔径分布が幅広くなると考えられ
る。尚、一次粒子の不均一の程度と、細孔径分布の幅の
相関は、明確ではない。ここで得られたゾルは、特開平
2−276670号公報で開示されているように、その
まま分散液として用いることもできるが、本発明では、
ゾルをスプレードライ等の方法により一度乾燥して粉末
状態にした後、分散液とすることが好ましい。この場
合、アルミナ水和物の水への分散性がより向上する。
は、基材上に、顔料としての前記アルミナ水和物とバイ
ンダーを配合した塗工液(アルミナ水和物の分散液)を
塗布してインク受容層とする。
は、後述するような細孔径分布の半値幅が広く、塗工用
分散液中では一次粒子まで分散しているが、アルミナ水
和物の分散、基材上への塗工、乾燥の工程を経てインク
受容層を構成しても、実質的に幅広い細孔径分布は維持
される。この理由については、明確ではないが、本発明
の理解を容易にするべく敢えて説明すれば、細孔構造は
主としてアルミナ水和物一次粒子間の隙間で形成されて
おり、平板状のアルミナ水和物粒子は、インク受容層中
ではランダムな方向に向いているため、もしくはアルミ
ナ水和物の粒子径が不均一であることに起因する幅広い
細孔径分布が、インク受容層においても維持されるた
め、と推測される。
ミナ水和物のみで決まるのではなく、バインダーの種類
や混合量、塗工液の濃度、粘度、分散状態、塗工装置、
塗工ヘッド、塗工量、乾燥風の風量、温度、送風方向な
どの種々の製造条件によって変化するので、本発明で
は、インク受容層の特性を得るために製造条件を最適な
範囲に制御する必要がある。
200Åで細孔径分布の半値幅は20〜150Åが好ま
しく、より好ましくは80〜150Åの範囲である。こ
こで細孔径分布の半値幅とは、平均細孔半径の頻度の半
分の頻度である細孔半径の幅を示すものである。平均細
孔半径が上記範囲の上限よりも大きくなった場合はイン
ク中の染料の吸着・固定が悪くなって画像に滲みが発生
し易く、下限より小さくなった場合にはインクの吸収が
悪くなってビーディングが発生し易くなる。また、半値
幅が上記範囲外の場合にはインク中の染料または溶媒成
分の吸収が悪くなる。
細孔径分布もインク受容層と同じように、平均細孔半径
は20〜200Åで細孔径分布の半値幅は20〜150
Åが好ましい。インク受容層の細孔径分布はアルミナ水
和物の細孔径分布に依存するので、上記範囲外になった
場合には、インク受容層の細孔径分布を上記規定範囲内
にすることができない。
cc/gの範囲が好ましい。インク受容層の細孔容積が
上記範囲より大きい場合はインク受容層に割れ、粉落ち
が発生し、上記範囲よりも小さい場合にはインクの吸収
が悪くなる。さらにインク受容層の細孔容積は8cc/
m2以上であることが好ましい。この範囲以下では特に
多色印字を行なった場合にインク受容層からインクが溢
れて画像に滲みが発生する傾向にある。また、インク受
容層を構成するアルミナ水和物の細孔容積はインク受容
層と同じように0.4〜0.6cc/gの範囲が好まし
い。この範囲外ではインク受容層の細孔容積を前記規定
範囲にすることができなくなる。
記録媒体では、窒素吸着脱離方法により導かれるインク
受容層の等温窒素吸脱着曲線から求めた、最大吸着ガス
量の90%の吸着ガス量での吸着と脱離の相対圧差(Δ
P)が、0.2以下であることが好ましい。より好まし
い範囲は0.15以下、さらに好ましい範囲は0.10
以下である。前記相対圧差(ΔP)はMcBain
(J.Am.Chem.Soc.、57巻、699、1
935年)に述べられているように、インク壺形状の細
孔が存在する可能性の目安に用いることができる。相対
圧差(ΔP)が小さい方が細孔は直管に近く、大きくな
るとインク壺状になる。また上記範囲を超える場合に
は、印字後のインクの乾燥が悪くなる。
は、インク受容層に用いるアルミナキセロゲルの細孔の
形状は、迷宮度の小さい均一で直線状のものが良く、入
口が狭いインクボトル形、途中部分がくびれているひょ
うたん形、曲がりくねった形等は、吸収速度の観点から
好ましくないことが記載されているが、実際の物性値等
の具体的な測定方法については、何等示されていない。
ミナ水和物を含有するインク受容層を有するものについ
て、窒素吸着脱離方法により導かれるアルミナ水和物の
等温窒素吸脱着曲線から求めた、最大吸着ガス量の90
%の吸着ガス量での吸着と脱離の相対圧差(ΔP)が、
0.2以下であることが好ましい。より好ましい範囲は
0.15以下、さらに好ましい範囲は0.10以下であ
る。この範囲外ではインク受容層の等温窒素吸脱着曲線
から求めた相対圧差(ΔP)を前記規定範囲にすること
ができなくなる。
の表面の水酸基数は、1020個/g以上であることが好
ましい。この値未満ではアルミナ水和物を水に分散した
分散液の固形分濃度を上げられなくなる。かかるアルミ
ナ水和物表面の水酸基数は、トリエチルアルミニウム溶
液の滴定にて求めることができる。
電位はゼータ電位計で求めることが可能である。特開昭
60−232990号公報には、アルミナ化合物が、プ
ラスチャージを持っていること、更に実施例においてゼ
ータ電位の値が開示されているが、具体的な測定方法や
条件については記載されていない。ゼータ電位の値は、
測定装置のセル、電極構造、印加電圧、固形分濃度、分
散液のpH、用いる分散剤や添加剤に依存するため、測
定条件、装置等を統一して測定を行わないと絶対値の直
接比較はできない。
は、0.1重量%の水分散液で、分散剤及び添加剤を加
えない状態のpH6でのゼーター電位が15mV以上で
あることが好ましい。当該ゼータ電位がこの範囲内にあ
ると、アルミナ水和物は、分散液中で容易に一次粒子の
レベルにまで分散し得る。当該ゼータ電位が15mV未
満である場合、固形分濃度が高くなるにつれて凝集物や
沈殿物を生じたり、バインダー分散液とアルミナ水和物
と混合した際に、粒子が部分的に凝集して大きな塊を形
成する。このため、特にインク受容層を有する被記録媒
体では、インク受容層の細孔径が著しく大きくなり、イ
ンク受容層の強度が低下して、粉落ちが生じたり、印字
の際の染料の定着性が悪くなる恐れがある。アルミナ水
和物は、一般的にpHの低い領域で安定であるため、分
散性を改善するべく、酸を添加して分散液のpHを低下
させることも知られているが、酸の添加は刺激臭や腐食
の発生する点、及び用いるバインダーの種類に制限が加
わる点で好ましくない。また、公知の分散剤を添加する
方法では、分散液を塗布する際に液のはじき等が生じて
好ましくない。
物の種類によっては、一次粒子が凝集し粒子径が大きく
なり、見かけ上高いゼータ電位を持つことがある。本発
明で規定したアルミナ水和物のゼータ電位は、このよう
な粒子の凝集が生じない状態で測定することは当然であ
るが、かかる粒子の凝集状態の有無を調べるためには、
分散した粒子の粒子径を測定することが有効である。粒
子径の測定方法としては、公知の方法を採用することが
できる。ただし、ゼータ電位の測定を行うpH6の分散
液中の粒子径は、粒子が安定に分散するとされているp
H4の分散液中の粒子径とほぼ同じ値をとることを確認
することが必要である。
特定のアルミナ水和物であって硝酸根を0.1〜1.0
重量%含有したものを固形分濃度15重量%でイオン交
換水に分散させた分散液の粘度が、分散液温度20℃、
ずり速度7.9秒-1で測定して75CPS以下であり、
特に好ましくは30CPS以下である。また、好ましく
は、上記同様の硝酸根を0.1〜1.0重量%含有した
アルミナ水和物を固形分濃度20重量%でイオン交換水
に分散させた分散液の粘度が、分散液温度20℃、ずり
速度10.2秒-1で測定して100CPS以下であり、
特に好ましくは80CPS以下である。更に、、上記同
様の硝酸根を0.1〜1.0重量%含有したアルミナ水
和物を固形分濃度25重量%でイオン交換水に分散させ
た分散液の粘度が、分散液温度20℃、ずり速度10.
2秒-1で測定して500CPS以下であることが好まし
く、460CPS以下であることが特に好ましい。上述
したそれぞれの場合において、粘度が範囲の上限を超え
ると、分散液の固形分濃度を低下させる必要が生じ、量
産性の点で好ましくない。
液の粘度は、例えばB型粘度計等の回転粘度計を用いて
測定することができる。
と本発明とを比較検討した結果、その差異は以下のよう
になる。
は、平均細孔半径の±10Åの範囲で全細孔容積の45
または55%の細孔容積であって、細孔径分布の幅が狭
い範囲のみが開示されているに過ぎない。これに対し本
発明者は、本明細書で述べられているように細孔径分布
を幅広くすることよって、インクの染料と溶媒の比率や
材料組成が変わっても印字品位が変わらないことを見出
した。
孔容積に関しては、細孔半径10〜40Åの全細孔容積
は0.2〜1.0cc/g、同40〜100Åで0.1
〜0.4cc/g、同100〜1000Åで0.1cc
/gであることが記載されている。これに対し本発明者
は、インク受容層の単位面積あたりの細孔容積と等温窒
素吸脱着曲線の関係が本明細書で述べられている範囲に
することによって、印字後のインクの吸着および乾燥が
著しく改善されることを見出した。
ベーマイトゾルとこれを用いたインク受容層の製造方法
が記載されている。また擬ベーマイトの形状と分散液の
固形分濃度が記載されている。これに対し本発明者は、
「平板状」の非晶質アルミナ水和物を用いることを見出
した。
述したように長鎖のアルミニウムアルコキシドを加水分
解して製造しているため、イオンや原料アルコールの混
入の少ないアルミナ水和物を容易に得ることが可能であ
る。この加水分解では、アルミナ水和物粒子を平板状に
するための形状の制御が容易である。また、前記平板状
非晶質アルミナ水和物は、公知の毛状束のアルミナ水和
物と比較して分散性が高い。更に、ゾルの状態より直接
分散液を調製しないで、得られたアルミナ水和物を一度
乾燥して粉末化して用いることによって、固形分濃度が
高く、且つ低濃度の分散液を容易に調製することができ
る。
和物と組み合わせて用いることのできるバインダーとし
ては、水溶性高分子の中から自由に選択することができ
る。例えばポリビニルアルコールまたはその変性体(カ
チオン変性、アニオン変性、シラノール変性)、澱粉ま
たはその変性体(酸化、エーテル化)、ゼラチンまたは
その変性体、カゼインまたはその変性体、カルボキシメ
チルセルロース、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセ
ルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテック
ス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの
共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラ
テックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系
共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレ
イン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合
体などが好ましい。これらのバインダーは、単独である
いは複数種混合して用いることができる。前記アルミナ
水和物とバインダーの混合比は1:1〜30:1、より
好ましくは5:1〜25:1の範囲から任意に選択でき
る。バインダーの量が上記範囲よりも少ない場合はイン
ク受容層の機械的強度が不足して、ひび割れや粉落ちが
発生し、上記範囲よりも多い場合は細孔容積が少なくな
ってインクの吸収が悪くなる。
応じてアルミナ水和物分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤
滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、
抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤を必
要に応じて添加することも可能である。
ニウム塩、第4級アンモニウム塩ポリマーなどの公知の
材料の中から自由に選択して用いることができる。
のサイジングを施した紙、無サイズ紙、ポリエチレン等
を用いたレジンコート紙などの紙類、熱可塑性フィルム
のようなシート状物質及び布帛が使用でき、特に制限は
ない。熱可塑性フィルムの場合はポリエステル、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、
酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリカーボネートなど
の透明フィルムや、アルミナ水和物の充填または微細な
発泡による不透明化したシートを用いることもできる。
アルミナ水和物の分散液は、以下のように調製すること
ができる。前述した粉末状のアルミナ水和物をイオン交
換水に加えて所定の固形分濃度の液を調製する。続い
て、当該分散液に、必要に応じて機械的な剪断力や超音
波を付与してアルミナ水和物の粒子径を制御する。その
後、別途調製したバインダー分散液を加え、必要に応じ
て分散、加温、脱泡等の処理を施して最終的な塗工用の
分散液を得る。
において、基材上にインク受容層を形成する方法として
は、上記のアルミナ水和物などを含む分散溶液を塗工機
を用いて基材上に塗布、乾燥する方法を用いることがで
きる。塗工方法としては一般に用いられているブレード
コーター、エアナイフコーター、ロールコーターブラッ
シュコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラ
ビアコーター、スプレー装置等による塗工技術を採用す
ることができる。分散液の塗布量は乾燥固形分換算で
0.5〜60g/m2 、より好ましくは5〜45g/m
2 である。必要に応じて塗工後にカレンダーロールなど
を用いてインク受容層の表面平滑性を良くすることも可
能である。
タイプの被記録媒体は、アルミナ水和物(その分散液)
を抄紙工程で繊維状物質を含むスラリー中に添加する内
添法を用いて製造することもできる。かかる内添法では
必要に応じて紙力向上剤、歩留まり向上剤、着色剤を添
加して用いることができる。歩留まり向上剤としては、
カチオン化澱粉、ジシアンジアミドホルマリン縮合物な
どのカチオン性歩留まり向上剤やアニオン性ポリアクリ
ルアマイド、アニオン性コロイダルシリカなどのアニオ
ン性歩留まり向上剤のうちで選択または併用して用いる
ことができる。
行う際に使用されるインクは、主として色材(染料ある
いは顔料)、水溶性有機溶剤及び水を含む。色材として
は、例えば直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染
料、食用色素などに代表される水溶性染料が好ましく、
上記の被記録媒体との組み合わせで定着性、発色性、鮮
明性、安定性、耐光性その他の要求される性能を満たす
画像を与えるものであればいずれでも良い。
剤からなる溶媒中に溶解して使用するものであり、これ
らの溶媒成分としては、好ましくは水と水溶性の各種有
機溶剤などとの混合物が使用されるが、インク中の水分
含有量が、20〜90重量%、より好ましくは60〜9
0重量%の範囲内となるように調整するのが好ましい。
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
コール、イソブチルアルコールなどの炭素数が1〜4の
アルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミドなどのアミド類、アセトン、ジアセトン
アルコールなどのケトンまたはケトンアルコール類、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの
ポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1、2、6−ヘキサントリオ−
ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコールなどのアルキレン基が2〜6個の炭素数
を含むアルキレングリコール類、グリセリン、エチレン
グリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコール
の低級アルキルエーテル類などが挙げられる。これらの
多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール
などの多価アルコール、トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエー
テルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類が
好ましい。多価アルコール類は、インク中の水が蒸発
し、水溶性染料が析出することに基づくノズルの目詰ま
り減少を防止するためにの潤滑剤としての効果が大きい
ため、特に好ましい。
る。代表的な可溶化剤は、含窒素複素環式ケトン類であ
り、その目的とする作用は、水溶性染料の溶媒に対する
溶解性を飛躍的に向上さえることにある。例えばN−メ
チル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノンが好ましく用いられる。さらに特性の改善の
ために、粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、p
H調整剤、比抵抗調整剤などの添加剤を加えて用いるこ
ともできる。
録を行う方法は、インクジェット記録方法が好ましく、
該記録方式としてはインクをノズルより効果的に離脱さ
せて、被記録媒体にインクを付与し得る方法であればい
かなる方法でも良い。特に特開昭54−59936号公
報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受け
たインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による
作用力によって、インクをノズルから吐出させるインク
ジェット方式は有効に使用することができる。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。本発明に係る諸物性の測定は下記の要領で行なっ
た。
積、等温脱離曲線特性 アルミナ水和物またはPETフィルム上に受容層を形成
した被記録媒体を、十分加熱・脱気してから窒素吸着脱
離法を用いて測定した。(カンタクローム社製、オート
ソーブ1) ・BET比表面積の計算はBrunauerらの方法を
用いた。(J.Am.Chem.Soc.、60巻、3
09、1938年) ・細孔(半)径、細孔容積の計算はBarrettらの
方法を用いた。(J.Am.Chem.Soc.、73
巻、373、1951年) ・等温窒素吸脱着曲線から、最大吸着ガス量の、90%
の吸着ガス量での吸着と脱離の相対圧差(ΔP)を求め
た。
ト比、縦横比、粒子形) アルミナ水和物をイオン交換水に分散させてコロジオン
膜上に滴下して測定用試料を作った。この試料を透過型
電子顕微鏡(日立社製、H−500)で観察した。
定を行なった。
量%になるように分散させた後に、硝酸を用いて分散液
のpHを6に調整して測定した。(ブルックヘブン社
製、Bi−ZETA plus、液温度20℃、アクリ
ルセル使用)
しくは25重量%の水分散液を作って、温度20℃の状
態で、TOKIMEC社製、VISCOMETERを用
いて、ずり速度7.9秒-1(固形分濃度15重量%の場
合)、またはずり速度10.9秒-1(固形分濃度20ま
たは25重量%の場合)で測定した。
ト(日立、L−3720)で測定し、乾燥アルミナ水和
物中の重量%として定量した。
ルを供えたインクジェットヘッドをY、M、C、Bkの
4色分備えたインクジェットプリンターを用い、下記組
成のインクにより、インクジェット記録を行なって、イ
ンクの乾燥性(吸収性)、画像濃度、滲み、ビーディン
グについて評価した。
それぞれのインクを単色または多色でベタ印字した後の
被記録媒体表面のインクの乾燥状態を記録部に指で触れ
て調べた。単色印字でのインク量を100%とした。イ
ンク量200%でインクが指に付着しないものを○、イ
ンク量100%でインクが指に付着しないものを△、同
100%でインクが指に付着すれば×とした。
インクでベタ印字した画像のそれぞれの画像濃度を、マ
クベス反射濃度計RD−918を用いて評価した。
のインクを単色または多色でベタ印字した後の被記録媒
体表面の滲みを評価した。また下記2種類のインク組成
のそれぞれについて、Y、M、C、Bkそれぞれのイン
クを単色または多色でベタ印字した後のビーディングを
目視で評価した。単色印字でのインク量を100%とし
た。インク量200%で発生していなければ○、インク
量100%で発生していなければ△、同条件で発生すれ
ば×とした。
アルミニウムドデキシドを製造した。次に米国特許明細
書第4202870号に記載された方法で前記アルミニ
ウムドデキシドを加水分解してアルミナスラリーを製造
した。このアルミナスラリーをアルミナ水和物固形分が
7.9%になるまで水を加えた。アルミナスラリーのp
Hは9.5であった。3.9%の硝酸溶液を加えてpH
を調整した。表1に示すそれぞれの熟成条件でコロイダ
ルゾルを得た。このコロイダルゾルを75℃でスプレー
乾燥してアルミナ水和物を得た。このアルミナ水和物は
図2のX線回折像に示すように非晶質であった。また図
3の図面代用写真(電子顕微鏡写真:倍率6万倍)に示
すように平板形状であった。アルミナ水和物の物性値を
それぞれ上記の方法で測定した。その結果を表2、図5
及び図6に示す。
(株)社製、ゴーセノールNH18)をイオン交換水に
溶解・分散して10重量%の溶液を得た。上記4種類の
アルミナ水和物を同じようにイオン交換水に分散して1
5重量%の分散液を得た。上記アルミナ水和物とポリビ
ニルアルコール溶液を、アルミナ水和物固形分とポリビ
ニルアルコール固形分が重量混合比で10:1になる量
をそれぞれ計量、混合、撹拌して混合分散液を得た。前
記混合分散液を、厚み100μmのPETフィルム(東
レ社製、ルミラー)の上にダイコートして厚さ30μm
のインク受容層を得た。図4は、該インク受容層の断面
を示す図面代用写真(電子顕微鏡写真:倍率5万倍)で
あり、平板状アルミナ水和物がインク受容層中でランダ
ムに並んでいることを示している。インク受容層の物性
値をそれぞれ上記の方法で測定した。その測定結果を表
3に示す。
記ポリビニルアルコール分散液を、アルミナ水和物固形
分と実施例1と同じポリビニルアルコール固形分が重量
混合比で15:1になる量をそれぞれ計量、混合、撹拌
して混合分散液を得た。前記混合分散液を上質紙(大昭
和製紙社製、しらおい157)上に20g/m2 エアー
ナイフコートしてインク受容層を得た。インク受容層の
物性値をそれぞれ上記の方法で測定した。測定結果を表
4に示す。
lの広葉樹さらしクラフトパルプ(LBKP)80部お
よび針葉樹クラフトパルプ410mlの(NBKP)2
0部を使用し、これに填材として上記実施例1〜4で調
製したアルミナ水和物をパルプ固形分に対して35重量
%、歩留まり向上剤としてカチオン化澱粉(王子ナショ
ナル社製、CATOF)を同じくパルプ固形分に対して
0.3重量%内添させ、さらに抄紙直前にポリアクリル
アマイド系歩留まり向上剤(星光化学工業社製、パール
フロックFR−X)を0.05重量%添加し、TAPP
I標準シートフォーマーを用いて坪量70g/m2 に抄
紙した。次ぎに濃度2%の酸化澱粉(日本食品社製、M
S3800)溶液をサイズプレス装置にて付着させて被
記録媒体を得た。測定結果を表5に示す。
方法に従って、アルミナゾル(触媒化成社製、AS−
2)とポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA11
7)を実施例1と同じPETフィルム上に塗布して被記
録媒体を作った。前記アルミナゾルのゼーター電位を上
記の方法で測定した。さらに前記アルミナゾルを固形分
濃度として15%になるように濃縮して粘度を測定し
た。物性値を表6に示す。
方法に従って、アルミナゾル(触媒化成社製、AS−
3)と比較例1と同じポリビニルアルコールを用いて被
記録媒体を作った。物性値を表6に示す。
いる方法に従って、アルミナゾル(日産化学社製、10
0)と比較例1と同じポリビニルアルコールを用いて被
記録媒体を作った。物性値は表6に示す。
る方法に従って、アルミナゾルを作った。前記アルミナ
ゾルと比較例1と同じポリビニルアルコールを用いて被
記録媒体を作った。物性値は表6に示す。
ンクジェット記録方法は以下の効果を有する。 1)各インク染料、溶媒成分は特定の径の細孔に選択的
に吸着されるので、細孔径分布が広い媒体を用いるとイ
ンク組成に影響を受けにくくなる。そのためインク組成
に対する選択性が高くなる。 2)ヒステリシスを持たないことでインクの中の溶媒成
分の脱離がし易くなってインクの乾燥性が良くなって滲
み、裏写りを防止することができる。 3)平板状のアルミナを用いると最密充填構造をとった
時に粒子間の間隙が幅広くできるため、ある程度広い分
布を持った細孔径の媒体ができる。 4)分散性が良いため、高い固形分濃度の分散液でも粘
度を低くすることができる。 5)pHが中性領域でも分散性が良いので、分散液の酸
の添加量を少なくすることができる。
る。
である。
写真である。
容層中のアルミナ水和物の配列を示す図面代用写真であ
る。
布を示す図である。
曲線を示す図である。
す図面代用写真である。
ク受容層中のアルミナ水和物の粒子構造を示す図面代用
写真である。
Claims (20)
- 【請求項1】 平均細孔半径が20〜200Åで、細孔
径分布の半値幅が20〜150Åであるアルミナ水和物
を含むことを特徴とする被記録媒体。 - 【請求項2】 顔料とバインダーを含むインク受容層を
基材上に設けた被記録媒体において、顔料がアルミナ水
和物であり且つインク受容層の平均細孔半径が20〜2
00Åで、細孔径分布の半値幅が20〜150Åである
ことを特徴とする被記録媒体。 - 【請求項3】 繊維状物質に、平均細孔半径が20〜2
00Åで、細孔径分布の半値幅が20〜150Åである
アルミナ水和物を内添したことを特徴とする被記録媒
体。 - 【請求項4】 前記アルミナ水和物の細孔容積が0.4
〜0.6cc/gの範囲にある請求項1又は3に記載の
被記録媒体。 - 【請求項5】 前記インク受容層の細孔容積が0.4〜
0.6cc/gの範囲にある請求項2に記載の被記録媒
体。 - 【請求項6】 前記インク受容層の細孔容積が8cc/
m2 以上である請求項2に記載の被記録媒体。 - 【請求項7】 前記アルミナ水和物の等温窒素吸脱着曲
線から求めた、最大吸着ガス量の90%の吸着ガス量で
の吸着と脱離の相対圧差(ΔP)が、0.2以下である
請求項1又は3に記載の被記録媒体。 - 【請求項8】 前記インク受容層の等温窒素吸脱着曲線
から求めた、最大吸着ガス量の90%の吸着ガス量での
吸着と脱離の相対圧差(ΔP)が、0.2以下である請
求項2、4及び5のいずれかに記載の被記録媒体。 - 【請求項9】 前記アルミナ水和物が非晶質化合物であ
る請求項1〜4、7のいずれかに記載の被記録媒体。 - 【請求項10】 前記アルミナ水和物が平均アスペクト
比3〜10の平板状アルミナ水和物である請求項9に記
載の被記録媒体。 - 【請求項11】 前記平板状アルミナ水和物のBET比
表面積が70〜300m2/gである請求項10に記載
の被記録媒体。 - 【請求項12】 前記平板状アルミナ水和物の平板面の
平均縦横比が0.6〜1.0の範囲にある請求項10に
記載の被記録媒体。 - 【請求項13】 前記アルミナ水和物の水酸基数が10
20個/g以上である請求項1〜4、7、9のいずれかに
記載の被記録媒体。 - 【請求項14】 前記アルミナ水和物のpH6でのゼー
ター電位が15mV以上である請求項1〜4、7、9の
いずれかに記載の被記録媒体。 - 【請求項15】 硝酸根を0.1〜1.0重量%含有
し、且つ平均細孔半径が20〜200Å、細孔径分布の
半値幅が20〜150Åであるアルミナ水和物をイオン
交換水に固形分濃度15重量%で分散し、粘度が、温度
20℃、ずり速度7.9秒-1で測定して75CPS以下
であることを特徴とするアルミナ水和物の分散液。 - 【請求項16】 硝酸根を0.1〜1.0重量%含有
し、且つ平均細孔半径が20〜200Å、細孔径分布の
半値幅が20〜150Åであるアルミナ水和物をイオン
交換水に固形分濃度20重量%で分散し、粘度が、温度
20℃、ずり速度10.2秒-1で測定して100CPS
以下であることを特徴とするアルミナ水和物の分散液。 - 【請求項17】 硝酸根を0.1〜1.0重量%含有
し、且つ平均細孔半径が20〜200Å、細孔径分布の
半値幅が20〜150Åであるアルミナ水和物をイオン
交換水に固形分濃度25重量%で分散し、粘度が、温度
20℃、ずり速度10.2秒-1で測定して500CPS
以下であることを特徴とするアルミナ水和物の分散液。 - 【請求項18】 前記分散液が、被記録媒体製造用の顔
料の分散液である請求項15〜17のいずれかに記載の
分散液。 - 【請求項19】 インクの小滴を微細孔から吐出させて
被記録媒体に付与して印字を行うインクジェット記録方
法において、請求項1乃至14に記載の被記録媒体を用
いることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 【請求項20】 インクに熱エネルギーを作用させてイ
ンクの小滴を形成する請求項19に記載のインクジェッ
ト記録方法。
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