JPH07149883A - ラクトン系ポリエステルポリエーテルポリオールの製造方法及びそれを用いたポリウレタン樹脂 - Google Patents

ラクトン系ポリエステルポリエーテルポリオールの製造方法及びそれを用いたポリウレタン樹脂

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JPH07149883A
JPH07149883A JP5299763A JP29976393A JPH07149883A JP H07149883 A JPH07149883 A JP H07149883A JP 5299763 A JP5299763 A JP 5299763A JP 29976393 A JP29976393 A JP 29976393A JP H07149883 A JPH07149883 A JP H07149883A
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lactone
polyol
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polyether polyol
polyurethane
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JP5299763A
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Masami Komeno
雅美 米野
Katsuhide Nishimura
勝英 西村
Hideyuki Ishizu
秀行 石津
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 活性水素を2個以上有する化合物でラクトン
化合物を触媒の存在下に開環付加重合反応させ、続いて
前記触媒の存在下アルキレンオキサイドを添加して反応
させることを特徴とするラクトン系ポリエステルポリエ
ーテルポリオールの製造方法。 【効果】 本発明によって得られる安定化されたラクト
ン系ポリエステルエーテルポリオールは、極めて高度の
熱安定性を示し、また、このポリオールにより極めて耐
加水分解性、耐熱性に優れたポリウレタン樹脂が得られ
るので各種分野で用いられ産業上極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、経済的に高品位のポリ
ウレタンを製造するのに適した水酸基を末端に有する新
規な熱安定性に優れたラクトン系ポリエステルポリエー
テルポリオールの製造方法およびこれを用いた耐熱性・
耐加水分解性に優れた新規なポリウレタン樹脂に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高分子量の線状ジヒドロキシ化合物、有
機ジソシアネート及び必要に応じイソシアネート基と反
応する水素原子を少なくとも2個有する低分子量化合物
からなるポリウレタン樹脂組成物はよく知られている。
高分子量の線状ジヒドロキシ化合物としては、主として
ヒドロキシル基を有するジカルボン酸ポリエステル、一
般にアジピン酸ポリエステルが使用される。アジピン酸
ポリエステルから得られるポリウレタン樹脂は、一般に
優れた機械的性質を有するが、アジピン酸ポリエステル
中に存在するポリオール成分によって多少の差はあるも
のの耐加水分解性に劣る欠点を有する。アジピン酸ポリ
エステルより耐加水分解性に優れるポリオールとしてポ
リヒドロキシ化合物にラクトン類を開環重合させたラク
トン系ポリエステルがある。ラクトン系ポリエステルの
代表例として、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリメチロールプロパン等にε-カプロラクトン
を開環重合させたポリカプロラクトンがあるが、これを
用いたポリウレタン樹脂の耐加水分解性は若干改良され
るものの充分満足するものではない。一方、同じラクト
ン類の中でもβ−メチル−δ−バレロラクトン等を開環
重合したラクトン系ポリエステルは優れた耐加水分解性
を示すことが報告されている(特開昭60-26019号公報)
が、β−メチル−δ−バレロラクトン等の開環重合は一
般にε-カプロラクトンを開環重合させるのに用いるチ
タン又はスズ系の触媒では反応が進行しない等の問題を
かかえ、且つポリオールの熱安定性が悪く、例えば、1
20℃の温度条件下に放置すると急激に解重合を起こす
欠点を有している。そこでラクトンポリオールをポリイ
ソシアネートでプレポリマー化して安定化する方法等が
報告されている(特開昭60-199017号公報)が、用途や
製造方法が非常に限定されてしまうのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の課題は、か
かる欠点の製造方法を改善し、熱安定性に優れた新規ラ
クトン系ポリエステルポリエーテルポリオールを製造可
能とし、これを用いて機械的強度、耐熱性、耐加水分解
性のいずれの性質も優れた新規なポリウレタン樹脂を得
ることである。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に鑑み熱安定性を高め熱による解離が抑制されたラク
トン系ポリエステルポリオールを得る方法について鋭意
研究した結果、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、活性水素を2個以上有す
る化合物でラクトン化合物を触媒の存在下に開環付加重
合反応させ、続いて前記触媒の存在下アルキレンオキサ
イドを添加して反応させることを特徴とするラクトン系
ポリエステルポリエーテルポリオールの製造方法を提供
する。更に、好ましくは触媒が、アルカリ金属の水酸化
物および/またはアルカリ金属のアルコラートであるこ
と、好ましくはラクトン化合物が、β−メチル−δ−バ
レロラクトンおよび/またはε-カプロラクトンである
こと、このポリオールを用いるポリウレタン樹脂を提供
するものである。
【0006】(構成)本発明に使用するラクトン化合物
の具体例としては、例えばδ−バレロラクトン、β−メ
チル−δ−バレロラクトン、ε-カプロラクトン、α−
メチル−ε-カプロラクトン。β−メチル−ε-カプロラ
クトン、γ−メチル−ε-カプロラクトン、β,δ−ジメ
チル−ε-カプロラクトン、3,3,5−トリメチル−ε-
カプロラクトン、エナントラクトン(7−ヘプタノリ
ド)、ドデカノラクトン(12−ドデカノリド,DL)
であり、最も好ましくはβ−メチル−δ−バレロラクト
ンであり、これらの単独および2種以上併用して用いる
こともできる。
【0007】活性水素原子を2個以上有する化合物とし
ては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ブタンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ネオ
ペンチルグリコール等のポリオール類、エチレンジアミ
ン、ヘキサエチレンジアミン等の低分子ポリアミン類、
さらにエタノールアミン等の低分子アルカノールアミン
類が挙げられ、単独および2種以上併用して用いること
もできる。
【0008】本発明に使用される触媒としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、もしくは
その水酸化物およびアルコラート等が挙げられ、単独お
よび2種以上併用して用いることも包含するし、その原
料の形で加えることも包含する。好ましくはアルコラー
トの形で使用される。このアルコラートは、同一反応容
器で調整してもよいし、別途調整して分取してもよい。
触媒量は、ポリエステルポリオールに対して1ppm〜5
0000ppmの範囲内で使用されることが望ましい。
【0009】また本発明に使用するアルキレンオキサイ
ドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイ
ド、エピクロルヒドリン等が挙げられ、単独および2種
以上併用して用いることもできる。
【0010】反応は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不
活性ガス雰囲気下で行われる。この反応を行うに先だっ
てラクトン類はできる限り水分量を低下させておくこと
が望ましい。反応は、通常0〜250℃の温度で行われ
るが、β−メチル−δ−バレロラクトンについては12
0℃を越えない温度条件が好ましい。反応時間として
は、10分から50時間程度の範囲内である。また、反
応は、通常、溶媒の不存在下で行われるが、反応に対し
て不活性な溶媒を用いることもできる。反応の進行は、
反応物の粘度により判別する。
【0011】活性水素を2個以上有する化合物とラクト
ン化合物との反応が、ほとんど完結した後(この反応の
完結は、反応物の粘度が 1万ポイズ以下で一定値とな
ったことで確認される。)、所定量のアルキレンオキサ
イドを引き続き仕込んでさらに反応をさせる。この時ラ
クトン類の開環重合の際、使用したアルカリ金属の水酸
化物の触媒の活性がありアルキレンオキサイドは、容易
にラクトンポリマーの末端に付加し本発明に用いられる
高分子ポリオールが得られる。付加反応温度は、一般に
50〜180℃の温度範囲で行われるが、β−メチル−
δ−バレロラクトンポリマー等への付加反応の場合に
は、120℃以下の温度で行うのが望ましい。
【0012】アルキレンオキサイド量は、多いほど熱安
定性は向上するがそのポリウレタンの強度等の物性が低
下する。したがってポリオールを合成する際に、ラクト
ンポリエステルポリオールに対するアルキレンオキサイ
ドの付加モル数は水酸基に対し1.0〜3.0モルの範
囲が好ましい。
【0013】本発明で得られるラクトン系ポリエステル
ポリエーテルポリオールの熱安定性は、系中に存在する
低沸点成分およびラクトンポリマーを製造する際に使用
した触媒によって妨げられる場合があったり、あるいは
これらの存在によりポリウレタン化の際の望ましくない
副反応が生じたりするので得られたラクトン系ポリエス
テルポリエーテルポリオールは水洗抽出、中和ろ過、吸
着処理等により触媒を除去し、更に系中に存在する低沸
点成分を減圧下に除去するのが望ましい。
【0014】本発明により得られるポリオールの数平均
分子量は、通常300〜10,000である。ウレタン
樹脂の物性面等より600〜4,000位が好ましい。
【0015】本発明に用いられる有機ポリイソシアネー
トとしては、例えばジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジ
イソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,5−
ナフチレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−
イフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、トルイレンジイソシアネート等の芳香族ジ
イソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジクロロヘキシル
メタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネ
ート、水添フェニレンジイソシアネート等の脂肪族また
は脂環族ジイソシアネートが挙げられる。ポリイソシア
ネートは単独で用いても、また混合して用いてもよい。
【0016】また、ポリウレタン樹脂の合成において、
2個以上の活性水素原子を有する低分子化合物が通常鎖
伸長剤として使用される場合があるが、本発明の方法に
おいてもこれらの活性水素原子化合物を使用することが
できる。
【0017】これらの活性水素原子含有化合物の代表例
として、例えば、エチレングリコール、ブタンジオー
ル、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−
シクロヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレート、キシレングリコール等のジオール
類や、水、ヒドラジン、エチレンジアミン、イソホロン
ジアミン、ピペラジン、フェニレンジアミン、トリレン
ジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒ
ドラジド等が挙げられ、これらの化合物は単独で、ある
いは混合して用いてもよい。さらに必要により、一価の
低分子アルコール、低分子ジアミンなどを変性剤をして
用いることもできる。
【0018】ポリウレタンを得るための製造方法に関し
ては、公知のウレタン化反応の技術が用いられる。例え
ば、高分子ポリオールと活性水素原子を有する低分子化
合物とを混合し、約40〜100℃に予熱したのち、これら
の化合物の活性水素原子数とNCO基の比が約1:1と
なる割合の量のポリイソシアネート化合物を加え、短時
間強力にかきまぜたのち、約50〜150℃で放置すると得
られる。さらにはポリウレタンプレポリマーを経由して
行うこともできる。普通水分などの影響を受けるため、
ポリイソシアネート化合物はごくわずか過剰に用いられ
る。これらの反応を、ジメチルホルムアミド、ジエチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセト
アミド、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、ベン
ゼン、トルエン、エチルセロソルブ、トリクレン等の1
種または2種以上からなる溶剤中で行うこともできる。
この場合、濃度は10〜40重量%の範囲内で行うと、高分
子量のものを得るのに好都合である。
【0019】かかる本発明方法によって得られるポリウ
レタンは、耐加水分解性が際だって優れており種々の用
途に用いることができる。本発明で得られるポリウレタ
ンの製法及び用途について数例を次に挙げる。
【0020】(1)実質的に粒状の熱可塑性ポリウレタ
ンペレットを作りこれを加熱溶融して射出成形、押し出
し成形カレンダー加工等の方法によりエラストマー製品
をつくる。
【0021】(2)高分子ポリオール、有機ポリイソシ
アネート及び鎖伸長剤を一緒に混合するか、または予め
高分子ポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応さ
せて末端イソシアネート基または末端水酸基を有するプ
レポリマーを作り、これに鎖伸長剤またはポリイソシア
ネートと混合して、注型エラストマー、塗料、接着剤等
の用途に使用する。
【0022】(3)溶液重合で得たポリウレタンやある
いは溶融重合で得たポリウレタンを溶剤に溶解し、合成
皮革、人造皮革繊維等へのコーティング剤及び含浸剤、
風合調節剤として使用する。
【0023】(4)末端イソシアネートプレポリマーを
溶剤に溶解し、これに鎖伸長剤等を添加して安定な紡糸
原液を調製し、湿式あるいは乾式法により弾性繊維をつ
くる。
【0024】(5)高分子ポリオールに発泡剤等の各種
添加剤を配合し、これに有機ポリイソシアネートまたは
末端イソシアネート基を有するプレポリマーを加えて高
速攪拌し発泡させ、熱融着性のあるポリエルテル系ポリ
ウレタンのフォーム製品をつくる。
【0025】さらに具体的な用途について述べれば、本
発明で得られるポリウレタンは、シート、フィルム、ロ
ールギア、ソリッドタイヤ、ベルト、ホース、チュー
ブ、防振材、バッキング材、靴底(マイクロセルラー
等)、人造皮革、繊維処理剤、クッション材、塗料、接
着剤、シーリング材、防水材、床材、弾性繊維等に有用
である。
【0026】
【実施例】次に実施例、比較例、参考例により本発明を
更に具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施
例のみに限定されるものではない。
【0027】実施例1 攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を備えた内容5
00mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒素ガスで充分
置換した後、該フラスコにエチレングリコール450g
及び水酸化カリウム30.2gを仕込み、攪拌しながら
バスの温度を100℃に保ち20mmHgの減圧下で1時間処
理し、アルコラートを調製した。
【0028】攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を
備えた内容1000mlのオートクレーブ釜に乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該釜に先に調製したアルコラ
ートを26.4g仕込み、攪拌しながら温度を50℃に
保ち激しく攪拌しながらβ−メチル−δ−バレロラクト
ン728.8gを滴下ロートより一度に添加した。直ち
に発熱とともに溶液の粘度が上昇した。50℃で2時間
攪拌後、プロピレンオキサイド46.4gを添加し、温
度を110℃にし更に反応を続行した。2時間後攪拌を
停止し、釜の内容物を取り出した。次にポリオールを減
圧蒸留装置に移し、1mmHgの減圧下、バス温度 60℃
で1時間脱ガスし、残存するプロピレンオキサイドを留
去、吸着、ろ過処理により触媒を除去し、OHv57.
2、分子量1,960の液状のポリエステルポリオール
を得た。ポリオールの熱安定性は、ポリオールを80℃
乾燥機中に静置し8時間後の粘度保持率にて評価した。
【0029】実施例2 攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を備えた内容5
00mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒素ガスで充分
置換した後、該フラスコにエチレングリコール450g
及び水酸化カリウム30.2gを仕込み、攪拌しながら
バスの温度を100℃に保ち20mmHgの減圧下で1時間処
理し、アルコラートを調製した。
【0030】攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を
備えた内容1000mlのオートクレーブ釜に乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該釜に先に調製したアルコラ
ートを26.4g仕込み、攪拌しながら温度を50℃に
保ち激しく攪拌しながらβ−メチル−δ−バレロラクト
ン682.4gを滴下ロートより一度に添加した。直ち
に発熱とともに溶液の粘度が上昇した。50℃2時間攪
拌後、プロピレンオキサイド92.8gを添加し、温度
を110℃にし更に反応を続行した。2時間後攪拌を停
止し、釜の内容物を取り出した。次にポリオールを減圧
蒸留装置に移し、1mmHgの減圧下、バス温度 60℃で
1時間脱ガスし、残存するプロピレンオキサイドを留
去、吸着、ろ過処理により触媒を除去し、OHv58.
0、分子量1,930の液状のポリエステルポリオール
を得た。ポリオールの熱安定性はポリオールを80℃乾
燥機中に静置し8時間後の粘度保持率にて評価した。
【0031】実施例3 攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を備えた内容5
00mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒素ガスで充分
置換した後、該フラスコにエチレングリコール450g
及び水酸化ナトリウム30.2gを仕込み、攪拌しなが
らバスの温度を100℃に保ち20mmHgの減圧下で1時間
処理し、アルコラートを調製した。
【0032】攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を
備えた内容1000mlのオートクレーブ釜に乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該釜に先に調製したアルコラ
ートを26.4g仕込み、攪拌しながら温度を50℃に
保ち激しく攪拌しながらβ−メチル−δ−バレロラクト
ン728.8gを滴下ロートより一度に添加した。直ち
に発熱とともに溶液の粘度が上昇した。2時間後、プロ
ピレンオキサイド46.4gを添加し、温度を110℃
にし更に反応を続行した。2時間後攪拌を停止し、釜の
内容物を取り出した。次にポリオールを減圧蒸留装置に
移し、1mmHgの減圧下、バス温度 60℃で1時間脱ガ
スし、残存するプロピレンオキサイドを留去、吸着、ろ
過処理により触媒を除去し、OHv57.6、分子量
1,950の液状のポリエステルポリオールを得た。ポ
リオールの熱安定性はポリオールを80℃乾燥機中に静
置し8時間後の粘度保持率にて評価した。
【0033】比較例1 攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を備えた内容5
00mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒素ガスで充分
置換した後、該フラスコにエチレングリコール450g
及び水酸化カリウム30.2gを仕込み、攪拌しながら
バスの温度を100℃に保ち1mmHgの減圧下で1時間処
理し、アルコラートを調製した。
【0034】攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を
備えた内容1000mlのセパラブルフラスコを乾燥した
窒素ガスで充分置換した後、該フラスコに先に調製した
アルコラートを26.4g仕込み、攪拌しながら温度を
50℃に保ち激しく攪拌しながらβ−メチル−δ−バレ
ロラクトン775.2gを滴下ロートより一度に添加し
た。直ちに溶液の粘度が上昇した。次にポリオールを減
圧蒸留装置に移し、1mmHgの減圧下、バス温度 60℃
で1時間脱ガスし、吸着、ろ過処理により触媒を除去
し、OHv59.0、分子量1900の液状のポリエス
テルポリオールを得た。ポリオールの熱安定性はポリオ
ールを80℃乾燥機中に静置し8時間後の粘度保持率に
て評価した。
【0035】比較例2 攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を備えた内容1
000mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒素ガスで充
分置換した後、該フラスコに先にエチレングリコールを
24.8g、テトラブチルチタネート0.04gを仕込
み、攪拌しながら温度を180℃に保ち激しく攪拌しな
がらβ−メチル−δ−バレロラクトン775.2gを滴
下ロートより一度に添加した。
【0036】5時間後においても増粘が見られずポリマ
ー化しなかった。
【0037】比較例3 攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を備えた内容1
000mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒素ガスで充
分置換した後、該フラスコに先にエチレングリコールを
24.8g、第一塩化スズ0.04gを仕込み、攪拌しな
がら温度を180℃に保ち激しく攪拌しながらβ−メチ
ル−δ−バレロラクトン775.2gを滴下ロートより
一度に添加した。
【0038】5時間後においても増粘が見られずポリマ
ー化しなかった。
【0039】比較例4 攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を備えた内容5
00mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒素ガスで充分
置換した後、該フラスコにエチレングリコール450g
及び水酸化カリウム30.2gを仕込み、攪拌しながら
バスの温度を100℃に保ち1mmHgの減圧下で1時間処
理し、アルコラートを調製した。
【0040】攪拌装置、滴下ロートおよびガス出入口を
備えた内容1000mlのセパラブルフラスコを乾燥した
窒素ガスで充分置換した後、該フラスコに先に調製した
アルコラートを26.4g仕込み、攪拌しながら温度を
50℃に保ち激しく攪拌しながらβ−メチル−δ−バレ
ロラクトン728.8gとプロピレンオキサイド46.
4gを滴下ロートより一度に添加した。増粘が見られた
ので次にポリオールを減圧蒸留装置に移し、1mmHgの減
圧下、バス温度 60℃で1時間脱ガスし、吸着、ろ過
処理により触媒を除去し、OHv64.0、分子量17
50の液状のポリエステルポリオールを得た。ポリオー
ルの熱安定性はポリオールを80℃乾燥機中に静置し8
時間後の粘度保持率にて評価した。
【0041】実施例4 実施例1で合成したポリオールに対して5倍モルの4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを窒素下60
℃で反応させた。得られたプレポリマーをジメチルホル
ムアミドに25重量%濃度となるように溶解させた。次
にポリオールに対して4倍モルの1,4−ブタンジオー
ルを前述のプレポリマー溶液に添加し、70℃で10時
間攪拌して反応させポリウレタンのジメチルホルムアミ
ド溶液を得た。この溶液のポリウレタン濃度を10重量
%に調整したのち、この液をガラス板上に流延し、乾燥
して膜厚100μの乾式皮膜を得た。なお、ポリウレタ
ンの耐加水分解性は以下に記するジャングルテストによ
り評価した。すなわち、上記にポリウレタン皮膜を70
℃、95%の相対湿度下に28日間放置、ジャングルテ
スト前後のフィルム引張強度保持率で耐加水分解性を評
価した。耐熱性の評価については、上記ポリウレタン皮
膜を120℃の一定温度において28日間放置、ジャン
グルテスト前後のフィルム引張強度保持率で耐熱性を評
価した。
【0042】比較例5 比較例1で合成したポリオールに対して5倍モルの4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを窒素下60
℃で反応させた。得られたプレポリマーをジメチルホル
ムアミドに25重量%濃度となるように溶解させた。次
にポリオールに対して4倍モルの1,4−ブタンジオー
ルを前述のプレポリマー溶液に添加し、70℃で10時
間攪拌して反応させポリウレタンのジメチルホルムアミ
ド溶液を得た。この溶液のポリウレタン濃度を10重量
%に調整したのち、この液をガラス板上に流延し、乾燥
して膜厚100μの乾式皮膜を得た。なお、ポリウレタ
ンの耐加水分解性は以下に記するジャングルテストによ
り評価した。すなわち、上記にポリウレタン皮膜を70
℃、95%の相対湿度下に28日間放置、ジャングルテ
スト前後のフィルム引張強度保持率で耐加水分解性を評
価した。耐熱性の評価については、上記ポリウレタン皮
膜を120℃の一定温度において28日間放置、ジャン
グルテスト前後のフィルム引張強度保持率で耐熱性を評
価した。
【0043】比較例6 開始剤としてエチレングリオールを用いたポリカプロラ
クトンポリマー(Mw2,000)に対して5倍モルの4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネートを窒素下60℃で
反応させた。得られたプレポリマーをジメチルホルムア
ミドに25重量%濃度となるように溶解させた。次にポ
リオールに対して4倍モルの1,4−ブタンジオールを
前述のプレポリマー溶液に添加し、70℃で10時間攪
拌して反応させポリウレタンのジメチルホルムアミド溶
液を得た。この溶液のポリウレタン濃度を10重量%に
調整したのち、この液をガラス板上に流延し、乾燥して
膜厚100μの乾式皮膜を得た。なお、ポリウレタンの
耐加水分解性は以下に記するジャングルテストにより検
討した。すなわち、上記にポリウレタン皮膜を70℃、
95%の相対湿度下に28日間放置、ジャングルテスト
前後のフィルム引張強度保持率で耐加水分解性を評価し
た。耐熱性の評価については、上記ポリウレタン皮膜を
120℃の一定温度において28日間放置、ジャングル
テスト前後のフィルム引張強度保持率で耐熱性を評価し
た。
【0044】本発明で得られたポリオールの熱安定性の
評価結果を表1に示した。また、これを用いたウレタン
樹脂の評価を表2に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明によって得られる安定化されたラ
クトン系ポリエステルエーテルポリオールは、極めて高
度の熱安定性を示し、また、このポリオールにより極め
て耐加水分解性、耐熱性に優れたポリウレタン樹脂が得
られるので各種分野で用いられ産業上極めて有用であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性水素を2個以上有する化合物でラ
    クトン化合物を触媒の存在下に開環付加重合反応させ、
    続いて前記触媒の存在下にアルキレンオキサイドを添加
    して反応させることを特徴とするラクトン系ポリエステ
    ルポリエーテルポリオールの製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒が、アルカリ金属の水酸化物およ
    び/またはアルカリ金属のアルコラートであること特徴
    とする請求項1記載のラクトン系ポリエステルポリエー
    テルポリオールの製造方法。
  3. 【請求項3】 ラクトン化合物が、β−メチル−δ−
    バレロラクトンおよび/またはε-カプロラクトンであ
    ること特徴とする請求項1記載のラクトン系ポリエステ
    ルポリエーテルポリオールの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1のラクトン系ポリエステルポ
    リエーテルポリオールを用いたことを特徴とするポリウ
    レタン樹脂。
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