JPH0710589Y2 - 中間部クッション材支承式シート装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、シート装置に関し、特にバス用の２人掛け座
席や自動車の後部座席等に用いて好適の、中間部クッシ
ョン材支承式シート装置に関する。

［従来の技術］ 従来、２人掛け座席のように複数のシート部分をそなえ
たシート装置は、そのシートクッション部分が次のよう
に形成されている。

すなわち、第3,4図に示すように、２人用のシート装置
Ｓにおいて、シートクッション１の両側部にサイドフレ
ーム2,3が、中央部にセンターフレーム４′がそれぞれ
前後方向に延在するように設けられている。

また、サイドフレーム2,3の前後端には、横方向に延在
する横フレーム7,8がそれぞれ固着されている。

そして、Ｓ字状に連続して屈曲したシートスプリング
（Ｓばね）５′が、センターフレーム４′を介してサイ
ドフレーム2,3の相互間に装架されている。

さらに、これらのサイドフレーム2,3、センターフレー
ム４′およびシートスプリング５′を上方から覆うよう
にウレタンパッド（本体ウレタンチップ）６が装備され
ており、シート装置使用者のクッション感がウレタンパ
ッド６およびシートスプリング５′により得られるよう
になっている。

なお、第３図中の符号10はシートバックを示す。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、このような従来のシート装置では、所要
の位置から中央部へ偏倚して座ると、センターフレーム
４′の上方にシート使用者の臀部が位置するようにな
り、これによりシートスプリング５′によるクッション
感が得られずウレタンパッド６のみのクッションによる
ことになり、その結果、使用者が所要の位置から中央部
へ偏倚して座った場合は、心地良いクッション感が得ら
れないという問題点がある。

本考案は、このような問題点に鑑みなされたもので、使
用者が所要の位置から偏倚して座っても、十分なクッシ
ョン感が所要の座位と同様に得られるようにした、中間
部クッション材支承式シート装置を提供することを目的
とする。

［課題を解決するための手段］ 上述の目的を達成するため、本考案の中間部クッション
材支承式シート装置は、複数のシート部分をそなえたシ
ート装置において、シートクッションの両側部にそれぞ
れ前後方向に延在するように設けられたサイドフレーム
と、同サイドフレームの相互間に配設されて前後方向に
延在する中間部フレームと、上記サイドフレームの相互
間に架設されたシートスプリングとをそなえ、上記中間
部フレームが上記シートスプリングの下方に配設される
とともに、上記中間部フレームと上記シートスプリング
との間に中間部クッション材が介装されて、上記シート
スプリングが上記中間部フレームに上記中間部クッショ
ン材を介して支承されたことを特徴としている。

［作用］ 上述の本考案の中間部クッション材支承式シート装置で
は、シートスプリングがその中間部を中間部クッション
材を介し中間部フレームに支承されるため、シート装置
の中間部においても所要のクッション感が得られる。

［実施例］ 以下、図面により本考案の一実施例としての中間部クッ
ション材支承式シート装置について説明すると、第１図
はその要部を破断して示す模式的斜視図、第２図は第１
図のII−II矢視断面図であり、第1,2図中、第3,4図と同
じ符号はほほ同様の部分を示している。

第1,2図に示すように、バス用の２人掛け座席に用いら
れるシート装置Ｓにおいて、従来例と同様、シートクッ
ション１の両側にサイドフレーム2,3が前後方向に延在
するように設けられている。

そして、サイドフレーム2,3の前後端には車幅方向に延
在する横フレーム7,8が固着されており、これらのフレ
ーム2,3,7,8でほぼ矩形のフレームを構成している。

さらに、サイドフレーム2,3の相互間には、Ｓ字状に連
続して屈曲したシートスプリング（Ｓばね）５が、多数
条架設されている。

ところで、シートクッション１の車幅方向中央部には、
前後方向に延在する中間部フレームとしてのパイプ状の
センターフレーム４が設けられているが、このセンター
フレーム４は、その中間部をシートスプリング５の下方
に配設され、前後端部がそれぞれ上方へ屈曲して横フレ
ーム7,8における中央部のそれぞれに固着されている。

そして、シートスプリング５とセンターフレーム４との
間には、中間部クッション材としてのセンター部ウレタ
ン９が介装されており、これによりシートスプリング５
の中間部がセンター部ウレタン９を介しセンターフレー
ム４に支承されるようになっている。

なお、センター部ウレタン９は、上面にシートスプリン
グ５が載置される平らな面が形成されるとともに、下面
にセンターフレーム４にはまるほぼ半円形の溝が形成さ
れてた細長い部材として構成されている。

また、サイドフレーム2,3、シートスプリング５および
横フレーム7,8は、ウレタンパッド（本体ウレタンチッ
プ）６およびその裏面の裏部ウレタン6aにより上方から
覆われている。

なお、第１図中の符号10はシートバックを示す。

本考案の中間部クッション材支承式シート装置は、上述
のように構成されているので、乗員がシート装置Ｓの所
要位置に座った場合は、シートスプリング５は、その両
端部をサイドフレーム2,3に支持され、中央部をセンタ
ーフレーム４にセンター部ウレタン９を介して支承され
るので、このシートスプリング５とウレタンパッド６と
により、従来同様に所要のクッション感が得られる。

また、乗員がシート装置Ｓの所要の位置から中央部へ偏
倚して座った場合、乗員の臀部はセンターフレーム４の
上方へ位置することとなるが、この中央部におけるサイ
ドフレーム2,3と同一高さには、従来例と異なってセン
ターフレーム４が存在せず、シートスプリング５が配設
されており、このシートスプリング５がセンター部ウレ
タン９を介しセンターフレーム４に支承されているの
で、所要のクッション感をもって座ることができる。

なお、本シート装置は、バス用の２人掛け座席のほか、
自動車の後部座席等にも適用できることはいうまでもな
い。

［考案の効果］ 以上詳述したように、本考案の中間部クッション材支承
式シート装置によれば、複数のシート部分をそなえたシ
ート装置において、シートクッションの両側部にそれぞ
れ前後方向に延在するように設けられたサイドフレーム
と、同サイドフレームの相互間に配設されて前後方向に
延在する中間部フレームと、上記サイドフレームの相互
間に架設されたシートスプリングとをそなえ、上記中間
部フレームが上記シートスプリングの下方に配設される
とともに、上記中間部フレームと上記シートスプリング
との間に中間部クッション材が介装されて、上記シート
スプリングが上記中間部フレームに上記中間部クッショ
ン材を介して支承されるというきわめて簡素な構成で、
シート装置に座る人が所要の位置から偏倚して座り、人
の臀部が中間部フレーム上方にさしかかる状態であって
も、中間部クッション材の存在により臀部に痛みを感じ
ることがなくなり、十分なクッション感をシート装置全
体において得られるようになるという利点がある。

【図面の簡単な説明】 第1,2図は本考案の一実施例としての中間部クッション
材支承式シート装置を示すもので、第１図はその要部を
破断して示す模式的斜視図、第２図は第１図のII−II矢
視断面図であり、第3,4図は従来のシート装置を示すも
ので、第３図はその外形を示す模式的斜視図、第４図は
そのシートクッションの内部構造を示す模式的斜視図で
ある。 １……シートクッション、2,3……サイドフレーム、4,
4′……中間部フレームとしてのセンターフレーム、5,
5′……シートスプリング、６……ウレタンパッド、6a
……裏部ウレタン、7,8……横フレーム、９……中間部
クッション材としてのセンター部ウレタン、10……シー
トバック、Ｓ……シート装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のシート部分をそなえたシート装置に
   おいて、シートクッションの両側部にそれぞれ前後方向
   に延在するように設けられたサイドフレームと、同サイ
   ドフレームの相互間に配設されて前後方向に延在する中
   間部フレームと、上記サイドフレームの相互間に架設さ
   れたシートスプリングとをそなえ、上記中間部フレーム
   が上記シートスプリングの下方に配設されるとともに、
   上記中間部フレームと上記シートスプリングとの間に中
   間部クッション材が介装されて、上記シートスプリング
   が上記中間部フレームに上記中間部クッション材を介し
   て支承されたことを特徴とする、中間部クッション材支
   承式シート装置。