JPH07103306B2 - 低温速硬化性に優れた繊維強化ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

低温速硬化性に優れた繊維強化ポリウレタン樹脂組成物

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JPH07103306B2
JPH07103306B2 JP1019765A JP1976589A JPH07103306B2 JP H07103306 B2 JPH07103306 B2 JP H07103306B2 JP 1019765 A JP1019765 A JP 1019765A JP 1976589 A JP1976589 A JP 1976589A JP H07103306 B2 JPH07103306 B2 JP H07103306B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は40〜60℃の温度領域で1〜3分で硬化可能な速
硬化性を有し,しかも硬化物は耐衝撃性,耐熱性,剛性
に優れた繊維強化ポリウレタン組成物に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
近年,自動車部品の分野において,軽量化,そしてデザ
インの多様化に伴ない、プラスチックの使用が増加しつ
つある。特に構造部材,セミ構造部材として剛性の大き
い長繊維強化プラスチック化が指向されている。
従来,この種の樹脂として不飽和ポリエステル系が主流
となっている。この系統の樹脂を効率良く生産する方法
として,シートモールディングコンパウンド(SMC)が
知られているが,高温度,高圧力を必要とし設備面での
投資が大きくなっており又、型内に予め繊維状強化材を
セットし,閉型後,液状不飽和ポリエステル樹脂組成物
を注入して型内硬化させるレジンインジェクション法も
知られているが通常硬化が遅く,生産効率が低い。そし
て一般的にこの種の樹脂は耐衝撃性が劣る。
一方,ポリウレタン樹脂は良好な耐衝撃性を有する硬化
物を提供することが知られているが,一般的に耐熱性に
乏しい。そこで,耐熱性改良のため,多官能のポリオー
ルを用いて架橋密度を高める方法があるが,この場合,
ゲル化は早まるが,硬化直後の反応率が低く未反応イソ
シアネート基,水酸基が残りやすく,よって物性発現性
が遅く,通常ポストキュア又は,日数を経過しないと実
用に耐える物性が得られないという欠点があった。
そして,従来のウレタン化触媒を用いて反応性を高める
と,液の増粘が早すぎてウレタン組成物が十分に長繊維
マットに浸透せず硬化する。一方,長繊維マットへ液が
浸透するように反応調整すると,硬化時の物性発現性に
劣り脱型に長時間を要し,生産性が低いという問題があ
った。
〔発明が解決しようとする課題点〕
本発明は長繊維マットへの浸透性が良く,低温速硬化で
物性発現性に優れ,かつ硬化物は優れた耐衝撃性,耐熱
性,強度を示す繊維強化ポリウレタン樹脂組成物を提供
することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、鋭意検討の結果,特定のウレタン組成
物,特定の触媒,そして長繊維マットを組み合わせるこ
とにより低温速硬化性及び,成形品の物性が優れている
ことを見い出し本発明に至った。
すなわち本発明は、長繊維マットとポリウレタン樹脂と
からなる繊維強化ポリウレタン樹脂組成物において,ポ
リウレタン樹脂が a.有機ポリイソシアネート b.分子量300〜700の官能基数3以上を有するポリエーテ
ルポリオール c.エチレングリコール及び/又は1,3−ブタンジオール d.硬化触媒として一般式(1)に示されるイミダゾール
化合物からなり (m=1〜4,n=1〜4の整数) aとb+cの比率が130/100〜180/100重量比であり、該
ポリウレタン樹脂組成物と長繊維マットの比率が90/10
〜50/50重量比であることを特徴とする繊維強化ポリウ
レタン樹脂組成物に関するものである。
本組成物は,予め型内に長繊維マットをセットし,閉塞
後該ポリウレタン樹脂組成物を注入する方法,又は成形
型の構造によっては成形型閉型前に注入を行う方法で成
形することができる。注入は,高圧反応射出成形機(RI
M)又は,二液混合低圧注入機を用いて行うのが簡便で
ある。本発明に使用することのできる有機ポリイソシア
ネート(a)としては,脂肪族ポリイソシアネート類と
して,たとえば,ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネ
ート,2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレン
−1,6−ジイソシアネートなど;脂環式ポリイソシアネ
ート類としてたとえば,シクロヘキサン−1,4−ジイソ
シアネート,ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソ
シアネートなど;芳香族ポリイソシアネート類としてた
とえば,P−フェニレンジイソシアネート,トリレン−2,
4−または−2,6−ジイソシアネート,ジフェニルメタン
−2,4′−または−4,4′−ジイソシアネート,ナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネート,キシリレン−1,3−または
−1,4−ジイソシアネート,ジフェニルエーテル−4,4′
−ジイソシアネートなどである。
また,アニリンとホルマリンとを縮合してからホスゲン
化して得られる種類のポリフェニレンポリメチレンポリ
イソシアネート,あるいはカルボジイミド基又はウレト
ンイミン基をもつ常温で液状のジフェニルメタンジイソ
シアネート類,あるいはウレタン結合,アロファネート
結合,ビウレット結合およびウレチジオン環などを含有
する改質ポリイソシアネート類なども使用することがで
きる。
また,ポリオール類に前記ポリイソシアネートを過剰に
反応して得られるイソシアネート基体予備重合体も使用
することができる。
これらの中で特に好ましい有機ポリイソシアネートは,
ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネー
トで,常温で液状かつ低粘度で高剛性の成形物が得られ
るポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート,又
は,カルボジイミド基又はウレトンイミン基を有するジ
フェニルメタンジイソシアネートなどである。
本発明に使用することのできるポリエーテルポリオール
(b)としては,グリセリン,トリメチロールプロパ
ン,ペンタエリストールなどのポリオール類,ジエタノ
ールアミン,トリエタノールアミン,トリプロパノール
アミンなどのアミノアルコール類,エチレンジアミン,
1,6−ヘキサンジアミン,ジエチレントリアミン,トル
イレンジアミンなどのアミン類及び,これらの混合物に
エチレンオキシド,プロピレンオキシドなどを付加して
得られる分子量300〜700,官能基数3以上のポリエーテ
ルポリオールである。
この場合,ポリエーテルポリオールの分子量が300より
小さくなると,反応が早過ぎて触媒による反応制御が難
しく,かつ硬化物の耐衝撃性ガ低下するようになる。一
方ポリエーテルポリオールの分子量が700より大きくな
ると,硬化物は構造材料としての剛性,耐熱性が得られ
なくなる。そしてポリエーテルポリオールの分子量が30
0〜700の範囲であっても,ポリエーテルポリオールの官
能基数が2の場合も同様に実用性のある剛性,耐熱性が
得られない。
本発明に使用することのできる鎖長剤(c)としては,
エチレングリコール,1,3−ブタンジオール,又はこれら
の混合物である。この場合,他の化合物例えば,1,4−ブ
タンジオール,1,6ヘキサンジオール,ジプロピレングリ
コール,ジエチレングリコールなども通常ポリウレタン
組成物における鎖長剤としてよく知られているが、1,4
−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオールなどは冬季固
体が常温固体のため,ポリエーテルポリオールへの配合
時,溶解工程を必要とする上,配合液の冬季分離も生じ
好ましくない。又,ジプロピレングリコール,ジエチレ
ングリコールそして1,6−ヘキサンジオールなどの分子
量の比較的大きい鎖長側を用いた場合,ウレタンのハー
ドセグメントの凝集力が弱くなり,その結果,良好な剛
性,耐熱性が得られない。
本発明におけるイソシアネート基(NCO)/水酸基(O
H)の当量比としては0.9〜1.2であり好ましくは1.0〜1.
1である。
そして,有機ポリイソシアネートとポリオール(ポリエ
ーテルポリオール+鎖長剤)の比率は130/100〜180/100
重量部であり,この範囲より有機ポリイソシアネートが
少なくなると,耐熱性が劣り,一方,この範囲より有機
ポリイソシアネートが多くなると,耐衝撃性が劣る傾向
にある。
本発明におけるポリエーテルポリオール(b)と鎖長剤
(c)の使用比率(重量)は,100/4〜100/100の範囲が
好ましい。特に好ましくは100/5〜100/60の範囲であ
る。
本発明に使用することのできる硬化触媒(d)として
は,一般式(1)に示されるイミダゾール化合物であり (m=1〜4,n=1〜4の整数) 代表例としては,1,2−ジメチルイミダゾール,1−ブチル
−2−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
なお、本発明には当業界で公知のウレタン化触媒を併用
することもできる。代表例としては,トリエチルアミ
ン,トリプロピルアミン,トリブチルアミン,N−メチル
モルホリン,N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン,N,N−
ジメチルベンチルアミン,N,N,N′,N′−テトラメチルヘ
キサメチレンジアミン,トリエチレンジアミン,1,8−ジ
アザービシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの三級ア
ミン又は,これらの有機酸塩,スタナスオクトエート,
ジブチルチンジラウレート,ナフテン酸亜鉛などの有機
金属化合物が挙げられる。
本発明に使用することのできる長繊維マットとしては,
ガラス繊維,カーボン繊維,アラミド繊維などのチョッ
プドストランドマット,コンティニュアンストランドマ
ット,サーフェシングマット,クロス,ロービングクロ
スなどを挙げることができる。これら長繊維マットは2
種以上併用することもできる。
本発明において該ポリウレタン樹脂組成物と長繊維マッ
トの比率は90/10〜50/50重量比が好ましい。長繊維マッ
トの比率が少なすぎると,剛性が不足し,一方多すぎる
と,該ポリウレタン樹脂組成物の長繊維マットへの含浸
注入が困難となり好ましくない。
本発明は必要に応じて各種金綱,合成樹脂の網目状成形
物も長繊維マットと併用して使用することができる。
又,本発明は必要に応じ発泡剤,難燃剤,着色剤,各種
充填剤,内部離型剤,その他加工助剤を加えることがで
きる。
〔発明の効果〕
本発明の繊維強化ポリウレタン樹脂組成物は速硬化性
で,硬化物は優れた耐衝撃性,耐熱性,剛性を有するた
め,例えば自動車分野におけるバンパービーム,フロア
パネル,ドアインナーパネル,ドアライナー,ヘッドラ
イナー,ダッシュボード,ピラーのカバーその他一般工
業部材の構造部材として極めて有用である。
〔実施例〕
次に実施例によって本発明を更に具体的に説明するが,
本発明はこれらに限定されるものではない。
物性測定法は次の方法で行なった。
測定項目 測定法 比 重 JIS K−7112 曲げ弾性率 JIS K−7203 曲げ強度 JIS K−7203 アイゾット衝撃ノッチ付 JIS K−7110 熱変形温度(18.5kgf/cm2荷重) JIS K−7207 実施例1〜3,比較例1〜2 キャビティーサイズ300×300×3mmの50℃型内に同サイ
ズのグラスロンM8609(ガラスコンテニアスマット,旭
ファイバーグラス製,商品名)を置き,そこへ25℃のミ
リオネートMR200(ポリフェニレンポリメチレンポリイ
ソシアネートNCO含有率30.9%,日本ポリウレタン工業
製商品名)150重量部,アデカポリエーテルAM30(グリ
セリンベースポリエーテルポリオール水酸基価540,旭電
化工業製商品名)93.9重量部,エチレングリコール6.1
重量部,及び表1に示す硬化触媒をラボミキサーにて攪
拌混合し,注入後直ちに型締めを行なった。そして型締
め2分後に脱型を行ない成形板表面のタックを調べた。
なお各処方ともゲルタイムが20〜30秒になるよう触媒量
を調整した。
結果を表1に示す。
三共エアープロダクツ製 商品名 ・触媒使用量は,ポリウレタン樹脂組成物に対する重量
%である。
実施例4〜6,比較例3〜4 実施例1と同様の50℃型内にグラスロンM8609を置きそ
こへ表2に示すA,B 2成分を低圧2液混合注入機(ポリ
ウレタンエンジニアリング製MU203H)を用いて注入し,
型締め3分後に脱型を行ない成形板を得た配合及び,物
性を表2に示す。
旭電化工業製 商品名 実施例7,比較例6〜7 キャビティ−サイズ300×200×2.5mmの50℃型内にグラ
スロンM8609を置き,閉型後表3に示す30℃のA,B2成分
を高圧反応射出成形機(RIM)(ポリウレタンエンジニ
アリング製MC102)を用い型内に注入し,3分後に脱型を
行ない成形板を得た。配合及び物性を表3に示す。
サンアプロ製 商品名
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08G 18/32 NDS 18/48 NDZ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長繊維マットとポリウレタン樹脂とからな
    る繊維強化ポリウレタン樹脂組成物において、 ポリウレタン樹脂が、 a.有機ポリイソシアネート b.分子量300〜700の官能基数3以上を有するポリエーテ
    ルポリオール c.エチレングリコール及び/又は1,3−ブタンジオール d.硬化触媒として一般式(1)に示されるイミダゾール
    化合物からなり (m=1〜4、n=1〜4の整数) aとb+cの比率が130/100〜180/100重量比であり、該
    ポリウレタン樹脂組成物と長繊維マットの比率が90/10
    〜50/50重量比であることを特徴とする繊維強化ポリウ
    レタン樹脂組成物。
JP1019765A 1989-01-31 1989-01-31 低温速硬化性に優れた繊維強化ポリウレタン樹脂組成物 Expired - Fee Related JPH07103306B2 (ja)

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