JPH068294B2 - 新規な1,4−ジヒドロピリジン誘導体およびその塩 - Google Patents

新規な1,4−ジヒドロピリジン誘導体およびその塩

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JPH068294B2
JPH068294B2 JP60037130A JP3713085A JPH068294B2 JP H068294 B2 JPH068294 B2 JP H068294B2 JP 60037130 A JP60037130 A JP 60037130A JP 3713085 A JP3713085 A JP 3713085A JP H068294 B2 JPH068294 B2 JP H068294B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般式(I) 「式中、R1およびR5は、同一または異なって低級アル
キル基を;R2は、ピリジルまたはイミダゾリル基を;
3は、ハロゲン原子、トリハロ低級アルキル基および
ニトロ基から選ばれる1つ以上の置換基で置換されてい
てもよいフェニル基を;R4は、エステル化されたカル
ボキシル基を;R6は、水素原子、低級アルキル基、ア
リール基またはアルアルキル基を;Aは、アルキレン、
アルキレンオキシアルキレンまたはアルキレンチオアル
キレン基を;Bは、アルキレンもしくはアルケニレン基
または結合手を;Yは、ビニレン基を;Zは、酸素もし
くは硫黄原子またはアルキレン基を示す。」 で表わされる新規な1,4−ジヒドロピリジン誘導体お
よびその塩に関する。
〔従来の技術〕
従来、2,6−ジメチル−4−(2−ニトロフェニル)
−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−
ジメチルエステル(一般名:ニフェジピン、米国特許第
3,644,627号)および2,6−ジメチル−4−(3−ニ
トロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−
ジカルボン酸−3−〔2−(N−ベンジル−N−メチル
アミノ)エチル〕エステル−5−メチルエステル・塩酸
塩(一般名:ニカルジピン、特公昭55-45075号)などの
1,4−ジヒドロピリジン誘導体が脳循環障害や心臓循
環障害の治療剤として有用であることが知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、これらはいずれも強い血管拡張作用を有する
が、脳および心臓循環障害の一因である血栓に対する作
用は十分なものとはいえない。
従って、血管拡張作用のみならず、血小板凝集抑制作用
を有する化合物の開発が望まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
かかる状況下において、本発明者らは鋭意研究を行った
結果、従来知られている1,4−ジヒドロピリジン誘導
体のカルボキシル基に、一般式 〔式中、R1、R6、A、B、YおよびZは前記したと同
様の意味を有する〕 で表わされる基を導入した化合物、すなわち、一般式
(I)で表わされる新規な1,4−ジヒドロピリジン誘
導体およびその塩が、血管拡張作用のみならず、優れた
血小板凝集作用をも有し、血管拡張剤、降圧剤、抗血栓
剤、脳および心臓循環障害治療剤として極めて有用なも
のであることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明化合物について詳説する。
本明細書において、低級アルキル基とは、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチルのC1〜4アルキル
基を;低級アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、n
−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブ
トキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシのC1〜4
ルコキシ基を;アリール基とは、たとえば、フェニル、
ナフチルなどの基を;アルアルキル基とは、たとえば、
ベンジル、フェネチル、メチルベンジル、クロロベンジ
ル、メトキシベンジルなどの置換または非置換アリール
−低級アルキル基を;アルキレン基とは、たとえば、メ
チレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラ
メチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、1−メチ
ルトリメチレンなどのC1〜6アルキレン基を;アルキレンオキシアルキレン
基とは、たとえば、メチレンオキシエチレン、エチレンオキシエチレン、プロピレンオキシエチ
レンなどの鎖中に酸素原子を有するC1〜6アルキレンオキシC1〜6アル
キレン基を;アルキレンチオアルキレン基とは、たとえば、メチレンチオエチレン、エチレ
ンチオエチレン、プロピレンチオエチレンなどの鎖中に硫黄原子を有するC
1〜6アルキレンチオC1〜6アルキレン基を;アルケニレン基とは、たとえば、プロ
ペニレン、メチルプロペニレンなどのC2〜4アルケニレン基を;ハロゲン原子とは、
たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを
意味する。 R3の置換されていてもよいフェニル基の置換基として
挙げられているトリハロ低級アルキル基としては、たと
えば、トリフルオロメチルが挙げられる。
4のエステル化されたカルボキシル基におけるエステ
ル形成基としては、当該分野で通常知られているエステ
ル形成基が挙げられ、該エステル形成基としては、たと
えば、低級アルキル基;メトキシエチル、メトキシプロ
ピル、エトキシエチル、プロポキシエチル、ブトキシエ
チルなどの低級アルコキシ−低級アルキル基;メチルチ
オエチル、エチルチオエチル、プロピルチオエチル、ブ
チルチオエチルなどの低級アルキルチオ−低級アルキル
基;N,N−ジメチルアミノエチル、N,N−ジエチル
アミノエチル、N,N−ジプロピルアミノエチルなどの
N,N−ジ(低級アルキル)アミノ−低級アルキル基;
N−ベンジル−N−メチルアミノエチル、N−(4−ク
ロロベンジル)−N−メチルアミノエチル、N−ベンジ
ル−N−メチルアミノプロピルなどのN−アルアルキル
−N−低級アルキルアミノ−低級アルキル基;N−フェ
ニル−N−メチルアミノエチルなどのN−アリール−N
−低級アルキルアミノ−低級アルキル基;N,N−ジベ
ンジルアミノエチルなどのN,N−ジアルアルキルアミ
ノ−低級アルキル基などの基が挙げられる。
Yとしては、酸素もしくは硫黄原子またはビニレン基が
挙げられる 一般式(I)の1,4−ジヒドロピリジン誘導体の塩と
しては、医薬として許容される塩であればよく、たとえ
ば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの鉱酸との
塩;ギ酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒
石酸、アスパラギン酸などの有機カルボン酸との塩;メ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ジヒドロキシベ
ンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などのスルホ
ン酸との塩などの無機酸および有機酸との塩が挙げられ
る。
本発明化合物は光学異性体、幾何異性体および互変異性
体を包含するものであり、さらにすべての水和物および
結晶形を包含するものである。
一般式(I)の1,4−ジヒドロピリジン誘導体または
その塩は自体公知の方法、たとえば、つぎに示す方法に
よって製造することができる。
〔式中、R7はハロゲン原子、アルカンスルホニルオキ
シ基またはアレーンスルホニルオキシ基を、Dはアルキ
レン基またはアルケニレン基を示し、 R1、R2、R3、R4、R5、R6、A、B、YおよびZは
前記したと同様の意味を有する。〕 製法1 一般式(II)、(III)および(IV)の化合物を溶媒の存在下
または不存在下に反応させることにより一般式(I)の
化合物が得られる。使用される溶媒としては、反応に悪
影響を及ぼさないものであればよく、たとえば、メタノ
ール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、エ
チレングリコール、メチルセロソルブなどのアルコール
類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;塩化
メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど
のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;酢
酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリ
ルなどのニトリル類;酢酸、プロピオン酸、ジクロロ酢
酸などのカルボン酸類;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類およ
び水などが挙げられ、これらの溶媒を2種類以上混合し
て使用してもよい。
本反応において、一般式(II)および(III)の化合物の使
用量は、一般式(IV)の化合物に対してそれぞれ0.5〜2.0
倍モルが好ましい。また、本反応は30〜150℃で、
1〜24時間実施すればよい。
製法2 一般式(V)の化合物と一般式(VI)の化合物またはその
塩とを脱酸剤および溶媒の存在下もしくは不存在下で反
応させることによって一般式(I)の化合物が得られ
る。使用される脱酸剤としては、たとえば、トリエチル
アミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、4−ジメチ
ルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリンなどのア
ミン類が、また溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさな
いものであればよく、たとえば、製法1で述べたと同様
の溶媒類がそれぞれ挙げられる。なお、一般式(VI)の化
合物の塩としては、塩酸、臭化水素酸などの鉱酸との塩
が挙げられる。
本反応において、一般式(VI)の化合物の使用量は、一般
式(V)の化合物に対して0.5〜1.0倍モルが好ましく、
また、脱酸剤の使用量は一般式(VI)の化合物に対し等モ
ル以上であればよいが、過剰量使用することによって溶
媒として兼ねさせることもできる。また、本反応は30
〜120℃で、10分〜20時間実施すればよい。
製法3 一般式(I)の化合物のうちR6が水素原子である化合
物(一般式(X)の化合物)は一般式(VII)の化合物と
一般式(VIII)の化合物とを脱水縮合反応に付して得られ
る一般式(IX)の化合物を還元反応に付すことによっても
得ることができる。
脱水縮合反応は、たとえば、ベンゼン、トルエンなどの
芳香族炭化水素類;エタノール、2−プロパノールなど
のアルコール類;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素類などの溶媒中、必要なら
ば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩
酸、硫酸などの酸触媒および/またはモレキュラシーブ
スなどの脱水剤の存在下で行われる。本反応において、
一般式(VIII)の化合物の使用量は、一般式(VII)の化合
物に対して1.0〜1.5倍モルが好ましい。また、本反応は
30〜120℃で、1〜12時間実施すればよい。この
ようにして得られる一般式(IX)の化合物は単離すること
なく、つぎの反応に付してもよい。
還元反応は、たとえば、メタノール、エタノールなどの
溶媒中で水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素
ナトリウムなどの還元剤を作用させることにより行われ
る。本反応において、還元剤の使用量は、一般式(IX)の
化合物に対して0.25〜1.0倍モルが好ましい。また、本
反応は0〜30℃で、0.5〜5時間実施すればよい。
また、本発明化合物を製造するための原料である一般式
(III)、(IV)、(VI)および(VIII)で表わされる化合物
は、たとえば、つぎに示す方法あるいは自体公知の方法
を組合せることによって製造することができる。
1)一般式(III)の化合物の製法 〔式中、R4およびR5は前記したと同様の意味を有す
る〕 一般式(III)の化合物は、たとえば、ジャーナル・オブ
・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.S
oc.),67,1019(1945)などに記載の方法に準じて、一
般式(XI)の化合物にアンモニアを反応させることによっ
て製造することができる。
2)一般式(IV)の化合物、一般式(VI)の化合物またはそ
の塩並びに一般式(VIII)の化合物の製法 〔式中、R1、R2、R6、R7、A、B、D、YおよびZ
は前記したと同様の意味を有し、R8は水素原子または
アルコキシ基を、B1はアルキレンまたはアルケニレン
基を示す。〕 一般式(VI)の化合物またはその塩は一般式(XII)の化合
物に塩化チオニル、臭化チオニル、三臭化リンなどのハ
ロゲン化剤または塩化メシル、塩化エタンスルホニルな
どのハロゲン化アルカンスルホニルもしくは塩化ベンゼ
ンスルホニル、塩化トシルなどのハロゲン化アレーンス
ルホニルを作用させることによって得られる。なお、こ
のものは単離することなくつぎの反応に用いることもで
きる。
一般式(VIII)の化合物は一般式(XII)の化合物に過酸化
ニッケル、二酸化マンガンなどの酸化剤を作用させるこ
とによって得られる。
一般式(IV)の化合物は、一般式(VI)の化合物またはその
塩と一般式(XIII)の化合物とを反応させて得られる一般
式(XIV)の化合物に、たとえば、ジャーナル・オブ・ジ
・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.So
c.),97,1978(1910)およびジャーナル・オブ・ジ・
アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.So
c.),75,5400(1953)などに記載の方法に準じて、ジ
ケテン、ジケテン=アセトン付加体などを反応させるこ
とによって製造することができる。
一般式(XII)の化合物は、一般式(XV)の化合物を、たと
えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナト
リウムなどの還元剤による通常の還元反応に付すことに
よって製造することができる。
一般式(IV)の化合物および一般式(XIV)の化合物は新規
化合物であり、これらは有用な中間体である。
このようにして得られた一般式(I)の化合物は、抽
出、晶出、カラムクロマトグラフィーなどの通常の方法
によって単離精製することができる。また、一般式
(I)の化合物の塩は自体公知の方法によって得ること
ができる。
〔発明の効果〕
つぎに、本発明の代表的化合物の薬理作用について述べ
る。
被検物質: 1.2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3
−〔2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピ
リジン−3−イルメチル)フェニル〕−2−メチルアリ
ル〕アミノ〕エチル〕エステル−5−イソプロピルエス
テル 2.2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3
−〔2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピ
リジン−3−イルメチル)フェニル〕−2−メチルアリ
ル〕アミノ〕エチル〕エステル−5−メチルエステル 3.2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3
−〔2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピ
リジン−3−イルメチル)フェニル〕−2−メチルアリ
ル〕アミノ〕エチル〕エステル−5−(2−メトキシ)
エチルエステル 4.2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3
−〔2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピ
リジン−3−イルメチル)フェニル〕−2−メチルアリ
ル〕アミノ〕エチル〕エステル−5−エチルエステル 5.2,6−ジメチル−4−(2,3−ジクロロフェニ
ル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン
酸−3−〔2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4
−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル〕−2−メチ
ルアリル〕アミノ〕エチル〕エステル−5−イソプロピ
ルエステル 6.2,6−ジメチル−4−(2−トリフルオロメチルフ
ェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸−3−〔2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−
〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル〕−2−
メチルアリル〕アミノ〕エチル〕エステル−5−イソプ
ロピルエステル 7.2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3
−〔2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピ
リジン−3−イルメチル)フェニル〕アリル〕アミノ〕
エチル〕エステル−5−イソプロピルエステル 8.2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3
−〔2−〔N−〔(E)−3−〔4−(ピリジル−3−
イルメチル)フェニル」−2−メチルアリル〕アミノ〕
エチル〕エステル−5−イソプロピルエステル 9.2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3
−〔2−〔N−メチル−N−〔3−〔4−(イミダゾー
ル−1−イルメチル)フェニル〕アリル〕アミノ〕エチ
ル〕エステル−5−イソプロピルエステル 10.2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3
−〔2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピ
リジン−3−イルオキシ)フェニル〕−2−メチルアリ
ル〕アミノ〕エチル〕エステル−5−エチルエステル ニカルジピン:2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフ
ェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸−3−〔2−(N−ベンジル−N−メチルアミ
ノ)エチル〕エステル−5−メチルエステル・塩酸塩 OKY-1581:(E)−3−〔4−(3−ピリジルメチル)
フェニル〕−2−メチルプロペン酸ナトリウム なお、本発明被検物質は塩酸塩として用いた。
1.椎骨動脈血流量増加作用 ペントバルビタールナトリウム(30mg/kg、i.v.)で
麻酔したイヌ(雑種、12〜22kg、−群2〜3頭)の
椎骨動脈血流量を電磁血流計(日本光電工業、MFV-210
0)で測定した。被検物質を蒸留水で1mg/m濃度に
調製し、生理食塩水で目的濃度に希釈した溶液を静脈よ
り投与した。塩酸パパベリン1mg/kg(i.v.)と同じ活性
を示す被検物質の用量を求め、塩酸パパベリンの用量
(1mg/kg)との比を算出し、効力比として表わした。
その結果を表−1に示す。
2.トロンボキサン合成酵素阻害作用 一夜絶食させたラット(ウィスター系、雄、300〜3
50g、一群4匹)に被検物質水溶液を経口投与し、1
時間後に腹部大動脈からクエン酸採血する。1×109
/mの多血小板血漿(PRP)2mを37℃で2分間プ
レインキュベーションする。ついで、10mMアラキドン
酸ナトリウム0.1mを加え、6分間反応させた後、イ
ンドメタシンを加えて反応を停止させる。反応液を除蛋
白処理し、TBA(チオバルビツール酸)試薬と反応さ
せた後、n−ブタノール3mで抽出する。この抽出液
を比色定量(λ=532nm)してマロンジアルデヒド(M
DA)産生量を測定する。同一個体から得た乏血小板血漿
(PPP)についても同様に操作してMDA産生量を測定
し、その差をMDA値とする。コントロール群のMDA
値と比較し、被検物質によるMDA産生抑制率(%)を
求めた。
その結果を表−2に示す。
3.抗血栓作用(マウス肺梗塞モデルに対する作用) ジー・ディミンノ(G.Diminno)およびエム・ジェイ・シ
ルバー(M.J.Silver)の方法 〔ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・エクスペリメ
ンタル・セラピー(J.Pharmacol.Exp.Therap.),225
(1)57〜60(1983)〕に準じて行った。すなわち、マ
ウス(ICR系、雄、4週令)に被検物質水溶液を経口投
与し、1時間後にコラーゲン(150μg/m)、エ
ピネフリン(100μM)の混液0.15mを静脈内投与
し、麻痺時間を測定した。コントロール群の麻痺時間と
比較し、被検物質による麻痺時間短縮率(%)を求め
た。なお、死亡例は麻痺時間を15分として計算した。
その結果を表−3に示す。
4.急性毒性 マウス(ICR系、雄、4週令、一群5匹)における被
検物質 2、7、8、9および10の静脈内投与による
LD50値は30mg/kg以上であった。
以上の結果から、本発明化合物は優れた血管拡張作用お
よびトロンボキサン合成酵素阻害作用にもとづく血小板
凝集抑制作用すなわち抗血栓作用を有し、しかも低毒性
であることが容易に理解できる。
従って本発明化合物は、血管拡張剤、降圧剤、抗血栓
剤、脳および心臓循環障害治療剤などとして有用な化合
物である。
本発明化合物を医薬として用いる場合、それ自体または
医薬上許容され得る賦形剤、担体、希釈剤などの添加剤
を適宜混合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末または
注射剤などの形態で経口または非経口投与できる。投与
量は経口投与の場合、通常成人1日当り10〜600mg
程度で、これを1回または数回に分けて投与されるが、
年令、体重および症状に応じて適宜選択される。
〔実施例〕
以下、本発明をさらに詳細に説明するために、参考例、
実施例および製剤例を挙げるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
参考例1 (E)−3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フェ
ニル〕アクリル酸エチルエステル24.0gを無水ジエチル
エーテル200mに溶解させ、これに氷冷下で水素化
リチウムアルミニウム2.4gを1時間を要して少量ずつ
加える。氷冷下で1時間、さらに室温で1時間反応させ
た後、氷冷下で含水テトラヒドロフラン(含水率:10
v/v%)91mを少量ずつ加える。不溶物を濾去
し、減圧下に溶媒を留去する。得られた油状物をクロロ
ホルム200mに溶解させ、これに水40mを加え
た後、2N塩酸でpH7.0に調整する。有機層を分取し、
水50mおよび飽和食塩水50mで順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下に溶媒を留去
し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー〔和光
シリカゲルC−200,溶出溶媒;ベンゼン:酢酸エチ
ル(容量比1:1)〕で精製すれば、無色油状の(E)
−3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル〕
アリルアルコール10.5g(収率52.0%)を得る。これを
クロロホルムおよびジエチルエーテルの混合溶媒で結晶
化すれば、融点81〜82℃を示す無色針状晶を得る。
IR(KBr)cm-1:3240 NMR(CDC)δ値: 3.85(2H,s),4.23(1H,s),4.27(2H,d,J=4.5Hz),6.28(1H,
dt,J=16Hz,4.5Hz),6.50(1H,d,J=16Hz),6.85〜7.55(6
H,m),8.20〜8.51(2H,m) 同様にして、つぎの化合物を得る。
○(E)−3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フ
ェニル〕−2−メチルアリルアルコール(無色油状) IR(フィルム)cm-1:3350〜3230 NMR(CDC)δ値: 1.92(3H,bs),3.98(2H,s),4.25(3H,bs),6.63(1H,bs),6.9
0〜7.68(6H,m),8.40〜8.70(2H,m) ○(E)−3−〔4−(ピリジン−3−イルオキシ)フ
ェニル〕−2−メチルアリルアルコール(無色油状) IR(フィルム)cm-1:3500〜3100,1600 NMR(CDC)δ値: 1.89(3H,s),3.50(1H,bs),4.16(2H,s),6.46(1H,s),6.82
〜7.36(6H,m),8.20〜8.42(2H,m) 参考例2 無水塩化アルミニウム1.6gを無水ジエチルエーテル3
6mに溶解させ、これに氷冷下で水素化リチウムアル
ミニウム1.3gを10分間を要して少量ずつ加える。室
温で30分間攪拌した後、この溶液に(E)−3−〔4
−(イミダゾール−1−イルメチル)フェニル〕アルク
ル酸エチルエステル5.9gの無水テトラヒドロフラン4
8m溶液を氷冷下で30分間を要して滴下し、室温で
1時間反応させる。ついで、氷冷下で含水テトラヒドロ
フラン(含水率:10v/v%)50mを加え、不溶
物を濾去して、メタノール20mずつで5回洗浄す
る。洗液と濾液を合し、減圧下に溶媒を留去し、得られ
た油状物にクロロホルム100mおよび水50mを
加えて溶解させる。有機層を分取し、水50mおよび
飽和食塩水50mで順次洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた残
留物をカラムクロマトグラフィー〔和光シリカゲルC−
200,溶出溶媒;クロロホルム:エタノール(容量比
20:1)〕で精製すれば、無色油状の(E)−3−
〔4−(イミダゾール−1−イルメチル)フェニル〕ア
リルアルコール4.0g(収率81.3%)を得る。これを塩
化メチレンおよびジイソプロピルエーテルの混合溶媒で
結晶化すれば、融点97〜99℃を示す無色針状晶を得
る。
IR(KBr)cm-1:3170 NMR(CDC)δ値: 4.29(2H,d,J=4.5Hz),4.50(1H,s),5.01(2H,s),6.08〜7.
46(9H,m) 参考例3 3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル〕ア
リルアルコール0.50gをエタノール10mに溶解さ
せ、これに5%パラジウム−炭素0.10gを加えて水素雰
囲気下、室温で2.5時間攪拌する。反応液を濾過し、減
圧下に濾液を濃縮すれば、無色油状の3−〔4−(ピリ
ジン−3−イルメチル)フェニル〕プロパノール0.50g
(収率99.1%)を得る。
IR(フィルム)cm-1:3300 NMR(CDC)δ値: 1.62〜2.14(2H,m),2.51〜2.84(2H,m),3.50〜3.97(4H,
m),5.51(1H,bs),6.82〜7.55(6H,m),8.16〜8.60(2H,m) 参考例4 (1)(E)−3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)
フェニル〕−2−メチルアリルアルコール1.85gを塩化
メチレン9.25mに溶解させ、氷冷下で塩化チオニル2.
80mを滴下した後、加熱還流下で30分間反応させ
る。減圧下に溶媒および余剰の塩化チオニルを留去すれ
ば、油状の(E)−3−〔4−(ピリジン−3−イルメ
チル)フェニル〕−2−メチルアリルクロリドの塩酸塩
を得る。ついで、これを塩化メチレン9.25mに溶解さ
せる。
(2)2−メチルアミノエタノール1.86mおよび塩化メ
チレン9.25mの混合液に氷冷下で(1)で得られた塩化
メチレン溶液を滴下した後、室温で一夜反応させる。つ
いで、反応液を水10mずつで3回洗浄した後、水1
8mを加え、2N−塩酸でpH1.5に調整する。水層を
分取し、クロロホルム9mずつで4回洗浄した後、酢
酸エチル18mを加え、炭酸水素ナトリウムでpH8.0
に調整する。有機層を分取し、水9mで洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留
去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー〔和
光シリカゲルC−200,溶出溶媒;クロロホルム:エ
タノール(容量比20:1)〕で精製すれば、無色油状
の2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピリ
ジン−3−イルメチル)フェニル〕−2−メチルアリ
ル〕アミノ〕エタノール1.36g(収率59.4%)を得る。
IR(液膜)cm-1:νOH3400 NMR(CDC)δ値: 参考例5 (1)3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニ
ル〕プロパノール2.04gを塩化メチレン10mに溶解
させ、氷冷下で塩化チオニル3.26mを滴下した後、加
熱還流下で1時間反応させる。減圧下に溶媒および余剰
の塩化チオニルを留去すれば、油状の3−〔4−(ピリ
ジン−3−イルメチル)フェニル〕プロピルクロリドの
塩酸塩を得る。
(2)(1)で得られた塩酸塩に2−メチルアミノエタノール
7mを加え、100℃で30分間反応させる。減圧下
に余剰の2−メチルアミノエタノールを留去し、得られ
た残留物に塩化メチレン30mおよび水20mを加
え、室温で30分間攪拌した後、有機層を分取する。つ
いで、有機層を水20mおよび飽和食塩水10mで
順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
減圧下に溶媒を留去すれば、無色油状の2−〔N−メチ
ル−N−〔3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フ
ェニル〕プロピル〕アミノ〕エタノール2.44g(収率9
5.7%)を得る。
IR(液膜)cm-1:νOH3350 NMR(CDC)δ値: 参考例6 (1)3−〔4−(イミダゾール−1−イルメチル)フェ
ニル〕アリルアルコール2.11gを塩化メチレン11m
に溶解させ、氷冷下で塩化チオニル3.57mを滴下した
後、加熱還流下で1時間反応させる。減圧下に溶媒およ
び余剰の塩化チオニルを留去すれば、油状の3−〔4−
(イミダゾール−1−イルメチル)フェニル〕アリルク
ロリドの塩酸塩を得る。これを塩化メチレン8mに溶
解させる。
(2)2−メチルアミノエタノール3.94mおよび塩化メ
チレン6mの混合液に氷冷下で(1)で得られた塩化メ
チレン溶液を滴下した後、室温で一夜反応させる。反応
液を水20mずつで2回および飽和食塩水10mで
順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をカラムクロマ
トグラフィー〔和光シリカゲルC−200,溶出溶媒;
クロロホルム:エタノール(容量比20:1〜10:
1)〕で精製すれば、無色油状の2−〔N−メチル−N
−〔3−〔4−(イミダゾール−1−イルメチル)フェ
ニル〕アリル〕アミノ〕エタノール1.7g(収率63.7
%)を得る。
IR(液膜)cm-1:νOH3200 NMR(d6-DMSO)δ値: 2.23(3H,s),2.48(2H,t,J=6Hz),3.14(2H,d,J=6Hz),3.5
4(2H,t,J=6Hz),4.15(1H,s),5.16(2H,s),6.21(1H,dt,J
=16Hz,6Hz),6.56(1H,d,J=16Hz),6.84〜7.81(7H,m) 同様にして、つぎの化合物を得た。
○2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピリ
ジン−3−イルメチル)フェニル〕アリル〕アミノ〕エ
タノール(無色油状) NMR(CDC)δ値: 2.30(3H,s),2.58(2H,t,J=6Hz),3.20(2H,d,J=6Hz),3.6
8(2H,t,J=6Hz),3.92(3H,s),6.18(1H,d,J=16Hz,6Hz),
6.52(1H,d,J=16Hz),6.80〜7.60(6H,m),8.28〜8.68(2H,
m) ○2−〔N−ベンジル−N−〔(E)−3−〔4−(ピ
リジン−3−イルメチル)フェニル〕−2−メチルアリ
ル〕アミノ〕エタノール(無色油状) NMR(CDC)δ値: 参考例7 3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル〕−
2−メチルアリルアルコール0.5gをベンゼン5mに
溶解させ、これに過酸化ニッケル1.4gを加えて、50
℃で12時間反応させる。ついで、不溶物を濾去し、ベ
ンゼン10mで洗浄する。濾液と洗液を合わせ、減圧
下に溶媒を留去し、得られた残留物をカラムクロマトグ
ラフィー〔和光シリカゲルC−200,溶出溶媒;ベン
ゼン:酢酸エチル(容量比5:1)〕で精製すれば、淡
黄色油状の3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フ
ェニル〕−2−メチルアクリルアルデヒド0.48g(収率
96.0%)を得る。
IR(液膜)cm-1:νc=o1665 NMR(CDC)δ値: 2.01(3H,d,J=2Hz),3.96(2H,s),6.86〜7.56(7H,m),8.20
〜8.50(2H,m),9.45(1H,s) 実施例1 (1)2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピ
リジン−3−イルメチル)フェニル〕−2−メチルアリ
ル〕アミノ〕エタノール1.26gを酢酸エチル5mに溶
解させる。この溶液にジケテン0.36mおよび酢酸エチ
ル1mの混合液を加熱還流下で1時間を要して滴下
し、さらに同温度で30分間反応させる。ついで、減圧
下に溶媒を留去し、得られた残留物をカラムクロマトグ
ラフィー〔和光シリカゲルC−200,溶出溶媒;ベン
ゼン:酢酸エチル(容量比1:1)〕で精製すれば、無
色油状のアセト酢酸−2−〔N−メチル−N−〔(E)
−3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル〕
−2−メチルアリル〕アミノ〕エチルエステル1.06g
(収率65.8%)を得る。
IR(液膜)cm-1:νc=o1740,1720 NMR(CDC)δ値: 1.99(3H,bs),2.22(3H,s),2.65(2H,t,J=6Hz),2.66(3H,
s),3.05(2H,s),3.45(2H,s),3.95(2H,s),4.26(2H,t,J=6
Hz),6.39(1H,bs),6.92〜7.68(6H,m),8.25〜8.65(2H,m) 同様にして、つぎの化合物を得る。
○アセト酢酸−2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−
〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル〕アリ
ル〕アミノ〕エチルエステル(無色油状) IR(液膜)cm-1:νc=o1740,1720 NMR(CDC)δ値: 2.21(3H,s),2.30(3H,s),2.65(2H,t,J=6Hz),3.16(2H,d,
J=6Hz),3.44(2H,s),3.90(2H,s),4.22(2H,t,J=6Hz),6.
10(1H,dt,J=16Hz,6Hz),6.50(1H,d,J=16Hz),6.84〜7.6
0(6H,m),8.22〜8.62(2H,m) ○アセト酢酸−2−〔N−ベンジル−N−〔(E)−3
−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル〕−2
−メチルアリル〕アミノ〕エチルエステル(無色油状) IR(液膜)cm-1:νc=o1740,1720 NMR(CDC)δ値: 1.90(3H,bs),2.20(3H,s),2.74(2H,t,J=5Hz),3.14(2H,
s),3.38(2H,s),3.62(2H,s),3.92(2H,s),4.21(3H,t,J=5
Hz),6.42(1H,bs),6.90〜7.65(11H,m),8.32〜8.70(2H,m) ○アセト酢酸−2−〔N−メチル−N−〔3−〔4−
(ピリジン−3−イルメチル)フェニル〕プロピル〕ア
ミノ〕エチルエステル(無色油状) IR(液膜)cm-1:νc=o1740,1710 ○アセト酢酸−2−〔N−メチル−N−〔3−〔4−
(イミダゾール−1−イルメチル)フェニル〕アリル〕
アミノ〕エチルエステル(無色油状) IR(液膜)cm-1:νc=o1735,1710 (2)アセト酢酸−2−〔N−メチル−N−〔(E)−3
−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル〕−2
−メチルアリル〕アミノ〕エチルエステル1.01g、3−
アミノクロトン酸イソプロピルエステル0.38gおよび3
−ニトロベンズアルデヒド0.40gを2−プロパノール4
mに溶解させ、加熱還流下で3時間反応させる。つい
で、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をカラムク
ロマトグラフィー〔和光シリカゲルC−200,溶出溶
媒;ベンゼン:酢酸エチル(容量比1:1)〕で精製す
れば、黄色油状の2,6−ジメチル−4−(3−ニトロ
フェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカ
ルボン酸−3−〔2−〔N−メチル−N−〔(E)−3
−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル〕−2
−メチルアリル〕アミノ〕エチル〕エステル−5−イソ
プロピルエステル1.28g(収率71.5%)を得る。
IR(液膜)cm-1:νNH3320,νc=o1680 NMR(CDC)δ値: 同様にして、表−4および表−5の化合物を得る。
実施例2 (1)(E)−3−〔4−(ピリジン−3−イルオキシ)
フェニル〕−2−メチルアリルアルコールの塩酸塩0.35
gを塩化メチレン5mに懸濁させ、これに氷冷下で塩
化チオニル0.18mを加え、加熱還流下で30分間反応
させる。減圧下に溶媒および余剰の塩化チオニルを留去
すれば、油状の(E)−3−〔4−(ピリジン−3−イ
ルオキシ)フェニル〕−2−メチルアリルクロリドの塩
酸塩を得る。これを塩化メチレン2mに溶解させる。
(2)2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3
−(2−メチルアミノエチル)エステル−5−エチルエ
ステル0.76gを塩化メチレン3mに溶解させ、これに
氷冷下でトリエチルアミン0.35mおよび(1)で得られ
た塩化メチレン溶液を加え、加熱還流下で10時間反応
させる。反応液を水2mずつで2回洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去
し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー〔和光
シリカゲルC−200,溶出溶媒;ベンゼン:酢酸エチ
ル(容量比2:1)〕で精製すれば、黄色粉末状の2,
6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−
ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3−〔2−
〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピリジン−
3−イルオキシ)フェニル〕−2−メチルアリル〕アミ
ノ〕エチル〕エステル−5−エチルエステル0.48g(収
率60.8%)を得る。
IR(KBr)cm-1:νNH3330,νc=o1690 NMR(CDC)δ値: 1.17(3H,t,J=8Hz),1.84(3H,bs),2.22(3H,s),2.34(6H,
s),2.60(2H,t,J=6Hz),2.98(2H,s),3.87〜4.25(4H,m),
5.10(1H,s),6.36(2H,bs),6.84〜8.41(12H,m) (3)(2)で得られた黄色粉末0.40gをクロロホルム4m
に溶解させ、氷冷下で7N−塩酸(エタノール溶液)0.
2mを加える。同温度で5分間攪拌した後、減圧下に
溶媒を留去すれば、黄色粉末状の2,6−ジメチル−4
−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン
−3,5−ジカルボン酸−3−〔2−〔N−メチル−N
−〔(E)−3−〔4−(ピリジン−3−イルオキシ)
フェニル〕−2−メチルアリル〕アミノ〕エチル〕エス
テル−5−エチルエステルの塩酸塩0.44gを得る。
IR(KBr)cm-1:νc=o1680 実施例3 (1)2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3
−(2−アミノエチル)エステル−5−イソプロピルエ
ステル1.0gを塩化メチレン10mに溶解させ、これ
に(E)−3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フ
ェニル〕−2−メチルアクリルアルデヒド0.59gおよび
モレキュラシーブス4A1.0gを加え、加熱還流下で3
時間反応させる。モレキュラシーブスを濾去した後、減
圧下に溶媒を留去すれば、淡黄色油状の2,6−ジメチ
ル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピ
リジン−3,5−ジカルボン酸−3−〔2−〔N−
〔(E)−3−〔4−(ピリジン−3−イルメチル)フ
ェニル〕−2−メチルアリリデン〕アミノ〕エチル〕エ
ステル−5−イソプロピルエステルを得る。これをエタ
ノール8mに溶解させる。
(2)(1)で得られたエタノール溶液に氷冷下で水素化ホウ
素ナトリウム0.10gを分割添加した後、氷冷下で30分
間反応させる。ついで酢酸0.15mを加えた後、減圧下
に溶媒を留去し、得られた残留物に塩化メチレン20m
および水20mを加えて溶解させる。有機層を分取
し、水20mおよび飽和食塩水10mで順次洗浄し
た後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶
媒を留去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィ
ー〔和光シリカゲルC−200,溶出溶媒;クロロホル
ム:エタノール(容量比20:1)〕で精製すれば、黄
色油状の2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニ
ル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン
酸−3−〔2−〔N−〔(E)−3−〔4−(ピリジン
−3−イルメチル)フェニル〕−2−メチルアリル〕ア
ミノ〕エチル〕エステル−5−イソプロピルエステル1.
33g(収率85.8%)を得る。
IR(液膜)cm-1:νNH3330,νc=o1685 NMR(CDC)δ値: 実施例4 実施例2−(3)と同様に反応させ、つぎの化合物を得
る。
○2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3
−〔2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピ
リジン−3−イルメチル)フェニル〕−2−メチルアリ
ル〕アミノ〕エチル〕エステル−5−イソプロピルエス
テルの塩酸塩(黄色粉末状) IR(KBr)cm-1:νc=o1690 製剤例 2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−1,
4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸−3−
〔2−〔N−メチル−N−〔(E)−3−〔4−(ピリ
ジン−3−イルメチル)フェニル〕−2−メチルアリ
ル〕アミノ〕エチル〕エステル−5−イソプロピルエス
テエルの塩酸塩25mgを含有する錠剤を、下記添加剤を
用いて、自体公知の方法で調製する。10000錠につい
て: 上記化合物 250g セルロース 700g ラクトース 780g トウモロコシ澱粉 700g ステアリン酸マグネシウム 20g 水 適量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/44 ACB 9360−4C (72)発明者 南雲 勝之 富山県富山市松若町9―1 (72)発明者 高木 宏育 富山県上新川郡大沢野町西大沢119

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 「式中、R1およびR5は、同一または異なって低級アル
    キル基を;R2は、ピリジルまたはイミダゾリル基を;
    3は、ハロゲン原子、トリハロ低級アルキル基および
    ニトロ基から選ばれる1つ以上の置換基で置換されてい
    てもよいフェニル基を;R4は、エステル化されたカル
    ボキシル基を;R6は、水素原子、低級アルキル基、ア
    リール基またはアルアルキル基を;Aは、アルキレン、
    アルキレンオキシアルキレンまたはアルキレンチオアル
    キレン基を;Bは、アルキレンもしくはアルケニレン基
    または結合手を;Yは、ビニレン基を;Zは、酸素もし
    くは硫黄原子またはアルキレン基を示す。」 で表わされる1,4−ジヒドロピリジン誘導体およびそ
    の塩。
JP60037130A 1984-06-25 1985-02-26 新規な1,4−ジヒドロピリジン誘導体およびその塩 Expired - Lifetime JPH068294B2 (ja)

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JP60037130A JPH068294B2 (ja) 1985-02-26 1985-02-26 新規な1,4−ジヒドロピリジン誘導体およびその塩
GB08515413A GB2162513B (en) 1984-06-25 1985-06-18 Dihydropyridine derivatives
SE8503111A SE465269B (sv) 1984-06-25 1985-06-20 1,4-dihydropyridinderivat och salter daerav, foerfarande foer deras framstaellning och farmacevtiska kompositioner innehaallande dessa
US06/747,305 US4713387A (en) 1984-06-25 1985-06-21 Vasodilating and platelet aggregation inhibiting 1,4 dihydropyridines with an imidazolyl or pyridyl containing ester
CH2682/85A CH666033A5 (de) 1984-06-25 1985-06-24 1,4-dihydropyridinderivate und deren salze und hydrate, verfahren zur herstellung dieser verbindungen und solche verbindungen enthaltende pharmazeutische praeparate.
IT48267/85A IT1181705B (it) 1984-06-25 1985-06-24 Derivati di i,4-diidropiridina e suoi sali,procedimento per produrli e composizione farmaceutica che li contiene
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