JPH0667397B2 - 弾性吸収体 - Google Patents

弾性吸収体

Info

Publication number
JPH0667397B2
JPH0667397B2 JP62159749A JP15974987A JPH0667397B2 JP H0667397 B2 JPH0667397 B2 JP H0667397B2 JP 62159749 A JP62159749 A JP 62159749A JP 15974987 A JP15974987 A JP 15974987A JP H0667397 B2 JPH0667397 B2 JP H0667397B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thermoplastic resin
melting point
defibrated
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62159749A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS645545A (en
Inventor
克次 大平
豊秋 田中
昭 中村
良祐 亀井
Original Assignee
昭和電工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 昭和電工株式会社 filed Critical 昭和電工株式会社
Priority to JP62159749A priority Critical patent/JPH0667397B2/ja
Publication of JPS645545A publication Critical patent/JPS645545A/ja
Publication of JPH0667397B2 publication Critical patent/JPH0667397B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紙おむつや生理用ナプキンなどの衛生用品と
して好適な弾性吸収体に関する。
〔従来の技術〕
従来から、使い捨ておむつとしては種々のものが提案さ
れてきたが、一般にその基本構造は、液透過性の表面部
と液不透過性の裏面部と両者間に介在する吸収部とから
なっている。
この液透過性の表面部は通常、不織布や穴明きポリエチ
レンフィルムにより構成されている。また、液不透過性
の裏面部は通常、合成樹脂フィルムにより構成されてい
る。一方、吸収部は粉砕パルプとか綿状パルプと称され
るパルプ材と高分子吸水剤により構成され、このパルプ
材と高分子吸水剤はテッシュペーパなどの表皮材により
被包され、パルプ材と高分子吸水剤が安定的につつみ込
まれるようにされている。
かかる表面部と裏面部と吸収部とよりなるおむつ本体
に、身体に固定するための粘着性テープなどを備えて当
該おむつが構成される。その吸収部の断面構造は第2図
〜第4図に示すとおりである。各図において、1はネッ
ト(不織布)、2は粉砕パルプ、3は粉砕パルプ、3′
は高分子吸水剤、4は薄紙、5はカバーストックであ
る。
これらに明らかなように、従来のおむつの吸収部は粉砕
パルプなどのパルプ材と高分子吸水剤が使用されている
が、このものは強度が殆どなく、圧縮回復率も横方向屈
曲回復量も低いため、使用者の動荷重その他で吸収部が
変形したり、使用感の低下を招いている。
さらに、体液を吸収すると収縮するという難点があり、
また表皮材によりこのパルプ材を包み込む工程が必要で
あるなどの難点がある。
また、層構造の点からみると、単層構造の吸収部を有す
るおむつは、圧縮回復率を高めるとソフト感、柔軟性が
悪くなり、またソフト感や柔軟性を良くすると、圧縮回
復率が低下し、そのバランスが取り難いという難点があ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、弾性吸収体の上層と下層の両層または下層を
構成する熱接着性解繊糸短繊維として特定の熱接着性解
繊糸短繊維を使用することによって、上記難点を克服
し、ソフト感、柔軟性、圧縮回復率および横方向曲げ回
復性のバランスのとれた弾性吸収体を提供することを目
的とする。
本発明者らの一部は、先に、特開昭61-113810号公報を
以って、従来の紡糸による熱接着性複合繊維にとって代
わる、多層フィルム類からつくる熱接着性解繊糸短繊維
を提案した。その製法の特徴は次の通りである。
少なくとも2層よりなり、その1層と他の1層とが融点
の異なる熱可塑性樹脂からなる多層フィルム類を、スリ
ット後延伸しあるいは延伸後スリットし、次いで割裂
し、さらに短繊維化することを特徴とする。
本発明者らは紙おむつや生理用ナプキンなど衛生用品と
して用いられる弾性吸収体について検討し、上記熱接着
性解繊糸短繊維の当該吸収体への使用に際し、吸収体の
層構造および熱接着性解繊糸短繊維を構成する高融点の
熱可塑性樹脂と低融点の熱可塑性樹脂について鋭意研究
したところ、上層と下層の両層または下層の熱接着性解
繊糸短繊維を構成する高融点の熱可塑性樹脂として、エ
チレン−プロピレンブロック共重合体を用いてなる熱接
着性解繊糸短繊維は弾性吸収体を構成する上層と下層の
パルプ材と良好にブレンドすることができ、また上層の
ブレンド物と下層のブレンド物との中間層に高分子吸水
剤を敷設して熱処理すれば固形化された弾性吸収体が形
成されること、この吸収体は体液を吸収しても収縮が少
なくかつティシュペーパー等の表皮材を用いなくとも固
形化できるので工程が簡略化されること、さらに特定の
熱接着性解繊糸短繊維の使用に加えて層構造も単層では
なく少なくとも3層構造とすれば従来の吸収体に比べて
強度が付与され、しかも横方向曲げ回復量、圧縮率、ソ
フト感、柔軟性もバランスよく飛躍的に向上すること、
などの事実を見出すことができ、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
すなわち、本発明の弾性吸収体は、上層と下層の両層が
パルプと、融点の異なる少なくとも2層の熱可塑性樹脂
多層フィルム類から形成された熱接着性解繊糸短繊維の
混合物からなり、中間層が高分子吸水剤からなる少なく
とも3層構造の弾性吸収体であって、上記両層または下
層の熱接着性解繊糸短繊維の高融点熱可塑性樹脂の層が
エチレン−プロピレンブロック共重合体であり、かつ弾
性吸収体は熱処理されて一体化していることを特徴とす
る。
さらに本発明を従来技術と対比させて詳しく説明する。
従来から融点差を利用した熱接着性複合繊維として、た
とえば高融点の熱可塑性樹脂に結晶性ポリプロピレン
(m.p165℃)を低融点の熱可塑性樹脂にポリエチレン
(m.p125℃)を用い、これらを各複合成分として溶融複
合紡糸してなるものも知られている。
この熱接着性複合繊維の断面モデルの例を第7図および
第8図に示す。両図の熱接着性複合繊維において、その
内部は高融点の熱可塑性樹脂6により形成され、外部は
低融点の熱可塑性樹脂7により形成されている。
このような熱接着性複合繊維は、通常、ウエブに形成し
たのち、適当な熱処理すなわち低融点の熱可塑性樹脂は
溶融するが高融点の熱可塑性樹脂は溶融しない温度で熱
処理してやれば、各繊維間の接触部が融着し、不織布な
どを形成することができる。
しかし、前記溶融複合紡糸にあっては、ダイス、ノズル
構造が複雑となり、これが原因で3成分系以上の熱接着
性複合繊維の製造は一般に殆ど不可能であり、さらに2
成分系からなる熱接着性複合繊維においても原料着色は
色変えが困難である。
このため、熱接着性複合繊維という優れた性能を有して
いるにもかかわらず、その使用範囲が大きく制限されて
いた。
また、この熱接着性複合繊維はパルプとの混綿をつくる
ことが困難であり、たとえ混綿ができたとしても弾性回
復率および屈曲回復量が低い。
本発明者らは上述の如き従来の溶融複合紡糸とは別異の
手法による熱接着性解繊糸短繊維を得たところ、上記問
題点を克服することができた。
すなわち、この熱接着性解繊糸短繊維は着色が容易で色
のバラエティに富ますことができ、2層のみならず3層
以上の多層構造も製造可能である。
しかも、従来の溶融複合紡糸にありがちなダイス,ノズ
ルのトラブル(分解、清掃など)がない。そしてダイ形
状の変更などにより風合、ボリューム感などバラエティ
に富む熱接着性解繊糸短繊維を製造可能とし、且つバイ
ンダーなどを使用せず、衛生上も安全で従来の熱接着性
複合繊維に比しコストも安い特長がある。さらにこの熱
接着性解繊糸短繊維は従来の溶融複合紡糸によるものと
は異なって太さや長さの不均一な熱接着性解繊糸短繊維
であり、それに枝分れ構造を有している。吸収部に使用
されるパルプも一般に不均一で枝分れ構造を有している
から、本発明に係わる熱接着性解繊糸短繊維と良好にブ
レンドすることができる。
このような熱接着性解繊糸短繊維は多層フィルム類から
つくられるものである。
まず、多層フィルム類を、とくに多層フィルムを例にと
って説明すると、これはカレンダー法、押出法、キャス
ト法など各種の公知の成形方法に基いて熱可塑性樹脂か
ら製造することができる。なかでも、インフレーション
法、Tダイ法による押出法は好ましい方法であり、具体
的にはたとえばインフレーションダイ、Tダイによる共
押出し、ラミネーションなどの方法がある。
たとえば2台またはそれ以上の押出機から融点の異なる
熱可塑性樹脂を同時に押出して多層インフレーションフ
ィルムを形成する方法が採用され、これによりラミネー
ト品と同様の多層フィルムが得られる。熱可塑性樹脂に
は高融点のものと低融点のものとがあり、本発明では低
融点熱可塑性樹脂として低密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン‐酢
酸ビニル共重合体を使用し、また高融点熱可塑性樹脂と
してエチレン‐プロピレンブロック共重合体を使用す
る。また、下層のみに上記エチレン‐プロピレンブロッ
ク共重合体を用いる場合は、上層の高融点熱可塑性樹脂
としては結晶性ポリプロピレンが使用される。これらの
樹脂は必要に応じて抗酸化剤、艶消剤、安定剤、難燃
剤、滑剤、紫外線吸収剤などを含有していてもよい。
多層フィルムは少なくとも2層よりなる。多層フィルム
を構成する熱可塑性樹脂の、少なくともその一層を構成
する熱可塑性樹脂と他の1層を構成する熱可塑性樹脂と
は、融点の異なるものが使用される。
多層フィルムは、高融点熱可塑性樹脂の少なくとも一つ
の層と低融点熱可塑性樹脂の少なくとも一つの層からな
り、該低融点熱可塑性樹脂の層が少なくとも一方の外表
面に露出されている。低融点の熱可塑性樹脂と高融点の
熱可塑性樹脂との融点差は、後述する熱処理条件や多層
フィルムの押出条件、後工程の延伸条件などを考慮する
と、前者の融点をMP℃とすれば、後者の融点をMP+10℃
以上とすることが好ましい。
2層構造の多層フィルムの具体例としては、低融点の熱
可塑性樹脂に直鎖状低密度ポリエチレンを、高融点の熱
可塑性樹脂にエチレン‐プロピレンブロック共重合体ま
たは結晶性ポリプロピレンを用いたものが挙げられる。
3層構造の多層フィルムの例としては、上記2層構造の
ものの高融点の熱可塑性樹脂の表面にさらに同様の低融
点の熱可塑性樹脂を積層したものが挙げられる。
本発明では、これら2層および3層構造のものにとどま
らず、4層以上何層でもよいことはもちろんであるが、
その際、低融点の熱可塑性樹脂が溶融し高融点の熱可塑
性樹脂は溶融しない温度での熱処理条件などを考慮して
多層フィルムが構成される。
本発明に係わる多層フィルムをTダイなどにより形成す
る際に、ダイリップ構造をフラットのものとしてよい
し、また筋付きダイを使用してもよい。筋付きダイを使
用した場合は、本発明に係わる熱着性解繊糸短繊維に風
合い、ボリューム感を付与することができる。
第5図にフラットダイを用いた場合の熱接着性解繊糸短
繊維の断面モデルの一例を、また第6図に筋付きダイを
用いた場合の熱接着性解繊糸短繊維の断面モデルの一例
をそれぞれ図示した。両図において、8および10はそれ
ぞれ低融点の熱可塑性樹脂層、9は高融点の熱可塑性樹
脂層を示す。
本発明に係わる多層フィルムは、次いでスリットされ延
伸されるか、または延伸後にスリットしてもよい。延伸
前の多層フィルムの厚みは特に制限はないが、一般に30
〜100μであることが好ましい。
多層フィルムの延伸は、熱板、熱ロール、オーブンなど
いづれの延伸方法を用いてもよい。延伸温度および延伸
倍率は特に制限はなく、多層フィルムの組成、形状によ
り最適条件に設定すればよい。しかし、後工程を経て得
られるウエブや不織布などの強度、風合、ボリューム感
などは原繊維の物性に大きく依存する。
延伸温度と延伸倍率の好ましい例を示すと、たとえば直
鎖状低密度ポリエチレンとエチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体からなる多層フィルムを縦方向にスリット
し、熱ロールで延伸する場合、延伸温度は100〜130℃、
延伸倍率は4〜10倍の範囲内であることが好ましい。
かかる工程の後に割裂が行なわれる。これは、たとえば
表面に針を立設したスプリットロールにスリットされた
延伸フィルム(テープ状物)を当接せしめ、このフィル
ムの進行方向に対して同一方向にロールを回転させるな
どの方法により当該フィルムを繊維状にする工程であ
り、最終繊維径はスプリットロールの針のリードやピッ
チなどにより決定される。
得られた解繊糸(スプリットヤーン)の平均繊度は、後
工程のパルプとのブレンドや短繊維化などを考慮すると
100d以下にフイブリル化されていることが適当である。
それは、熱融着後の弾性吸収体の接合強度が100dを越え
ると低下するばかりでなく、圧縮回復率も60%程度にな
り、従来の紙おむつ吸収体と大差ないものになるからで
ある。
解繊糸を形成したら、次にカッターなどを用いてかかる
連続繊維の短繊維化を行なって本発明に係わる熱接着性
解繊糸短繊維を得る。短繊維の長さは、一概には決めら
れず、適宜選択される。
この短繊維化と同時に、たとえばシートパルプを粉砕
し、このものを上記短繊維と混合すると、混綿(ウエ
ブ)を得ることができる。
第1図は本発明の弾性吸収体の一例を示す断面モデル
で、上層と下層が粉砕パルプ11と熱接着性解繊糸短繊維
12の混合物(混綿)、中間層が高分子吸水剤13からなる
サンドイッチ構造からなり、熱処理を施して一体化した
ものである。
本発明において、熱接着性解繊糸短繊維を構成する一方
の成分である高融点の熱可塑性樹脂は、弾性吸収体の上
下両層または下層においてエチレン‐プロピレンゴムの
含有量が4〜10重量%のエチレン‐プロピレンブロック
共重合体であることが好ましい。エチレン‐プロピレン
ゴムの含有量がこの範囲であれば弾性吸収体の横方向屈
曲回復量が改良される。
エチレン‐プロピレンブロック共重合体のエチレン‐プ
ロピレンゴムの含有量が4重量%未満の場合は、横方向
屈曲回復量が弱く、所期の目的を達成し得ない。また、
エチレン‐プロピレンブロック共重合体のエチレン‐プ
ロピレンゴムの含有量が10重量%を越えると、熱収縮率
が大きくなり、弾性吸収体の形状および物性値等に問題
が生じる。
また、弾性吸収体の目付に関しては、上層の目付と下層
の目付の比が0.1〜1:1であり、好ましくは0.3〜1:1、よ
り好ましくは0.5〜1:1であることが望ましい。それは上
層に風合、ボリューム感をもたせ、体液と接触した場合
直ちにそれが下層の方へ移行し、常にサラサラした使用
感を出すために必要だからである。上層を目付が0.1よ
り小さい場合は、体液を吸収した際の上層のベタツキが
激しい。また上層の目付が1より大きい場合は水引き性
に劣る難点を有する。
本発明において弾性吸収体の各層の組成比は、熱接着性
解繊糸短繊維が上層で70〜95%(重量基準)、下層で20
〜60%、粉砕パルプが上層で5〜30%、下層で40〜80%
の範囲であり、とくに下層の熱接着性解繊糸短繊維とパ
ルプの比率は40:60、好ましくは50:50が良い。弾性吸収
体全体の熱接着性解繊糸短繊維/パルプの比率は40〜70
/30〜60であり、とくに63.5/36.5が適当である。全体
吸収体組成比で熱接着性解繊糸短繊維/パルプ/高分子
吸水剤の比率は、熱接着性解繊糸短繊維30〜60%、パイ
プは15〜45%、高分子吸水剤は15〜30%の範囲が適当で
ある。
本発明において用いられる高分子吸水剤は、吸収倍率
〔吸水量(g)/吸水剤(g)〕が500〜1000のものが
好ましく、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、アクリル酸と
酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、ポリアクリル酸カ
リウム架橋体、デンプン‐アクリル酸グラフト重合体、
の粉末が好ましい。粒度としては通常10〜1000μ、とく
に100〜500μのものが入手および取扱上好ましい。
また本発明に用いられるパルプは、天然繊維のものであ
れば種類を問わない。その代表例としては機械パルプ、
化学的機械パルプ、半化学的パルプ、化学的パルプ等の
木材パルプが挙げられ、これらのパルプは粉砕して使用
することが望ましい。
上層と下層が熱接着性解繊糸短繊維とパルプの混合物か
らなり、中間層が高分子吸水剤からなるサンドイッチ構
造体を形成した後、このサンドイッチ構造体を熱処理す
る。この熱処理はたとえば熱風循環式オーブンを使用し
て、熱接着性解繊糸短繊維を構成する低融点の熱可塑性
樹脂は溶融するが高融点の熱可塑性樹脂が溶融しない温
度で行なわれる。この熱処理により上下両層における熱
接着性解繊糸短繊維の低融点の熱可塑性樹脂同士が接着
し、全体が弾力性のある吸収体となる。
本発明の弾性吸収体は上記に限定されるものではなく、
少なくともパルプと熱接着性解糸短繊維とが混合してい
れば、高分子吸水剤と組合せて3層より多い層構造も採
用可能である。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。なお、それに先立って実施例および比較
例に適用した物性評価方法について説明する。
1.見掛厚み 〔ν〕mm 2.目 付 〔M〕g/m2 3.シートの接合強度 〔St〕kg/25mm Dry & Wet st:25mm幅、チャック間10cm、引張速度200mm/minの平
均強度 4.屈曲回復量 〔角度゜〕 試料は10cm×10cm×10cmを折り曲げ、これに人工尿30cc
を均一に散布し、折り曲げて3分間保持し、開放してか
ら1分後の回復量を測定する。
5.圧縮回復率 Dry & Wet 1V3:1min,3g/cm2荷重時の初期高さ 1V40:1min,40g/cm2荷重保持後の高さ 2V3:1V40測定後,5min間放置後で1min間3g/cm2荷重時の
最終高さ 実施例1 結晶性ポリプロピレン(PP,融点163℃,MFR3.0)の両面
に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE,融点120℃,密度
0.92,MFR1.2)を配置してTダイ法により共押出し、厚
みが50μの3層フィルムを得た。ついで、この3層フィ
ルムを温度103℃で一軸延伸して厚みがLLDPE(6μ)/
PP(10μ)/LLDPE(6μ)の3層フィルムを成形し
た。また、上記と同様の方法によりエチレン‐プロピレ
ンブロック共重合体(エチレン‐プロピレンゴムの含有
量10重量%融点160℃、MFR1.3)の両面に実施例1と同
一のLLDPEを配置して共押出し、厚みがLLDPE(10μ)/
エチレン‐プロピレンブロック共重合体(30μ)/LLDP
E(10μ)の3層フィルムを成形した。この3層フィル
ムを温度103℃で延伸し、厚みがLLDPE(6μ)/エチレ
ン‐プロピレンブロック共重合体(10μ)/LLDPE(6
μ)の3層フィルムを得た。
つづいて各フィルムを常法により解繊して前者の単糸繊
度が12d、後者のそれが20dの解繊糸を得た。この解繊糸
をカッターにより短繊維化せしめ、この短繊維を前もっ
て粉砕したパルプと同時に混合してウエブを得た。
次に、このウエブと高分子吸水剤を用いて下記の要領で
第1図に示されるような弾性吸収体を製造した。
まず、上層のウエブとして解繊糸の単糸繊度が12dのも
の、下層のウエブとして解繊糸の単糸繊度が20dのもの
をそれぞれ使用し、これら両層間に高分子吸水剤として
デンプン‐アクリル酸グラフト重合体の粉末(平均粒度
300μ、吸収倍率800)を分散させた。その際、パルプ/
熱接着性解繊糸短繊維の組成比を上層で14/86、下層で
50/50とし、弾性吸収体全体の組成比はパルプ/熱接着
性解繊糸短繊維/高分子給水剤を27.2/47.4/25.4とす
るとともに、上層/下層の目付比を0.6/1とした。
得られた3層構造体を熱風循環式オーブンに入れ、140
℃で5分間熱処理することによって弾性吸収体を製造し
た。
この弾性吸収体は良好なソフト感、柔軟性を有するとと
もに特に折曲回復性にすぐれ、全体的に弾力性に富むも
のであった。
実施例2 下層における熱接着性解繊糸短繊維のエチレン‐プロピ
レンブロック共重合体のエチレン‐プロピレンゴム含有
量を4重量%とする以外は実施例1と同様にして弾性吸
収体を製造した。この弾性吸収体はソフト感、柔軟性に
すぐれるとともに、とくに屈曲回復性が良く、全体的に
弾力性に富むものであった。
以上、実施例1〜2の弾性吸収体の特性を測定した結果
を第1表に示した。
〔発明の効果〕 1) 本発明の弾性吸収体は、構成成分の一つである熱接
着性解繊糸短繊維が粉砕パルプと良好にブレンドするこ
とができ、高分子吸水剤も同時に挾み込むことができる
ため、上層はソフト感、柔軟性に富み、表面がぬれ難
く、全体的に弾力性を呈する保水効果の良好なものであ
る。
2) 本発明によれば、上記ブレンド物を熱処理すること
によって同形化されたシート状物(マット)が得られ、
粉砕パルプ、高分子吸水剤を固定することができる。
したがって従来必要としていたティッシュペーパなどの
表皮材でパルプを包み込む工程が不要となり、弾性吸収
体の製造に際し工程を著しく簡略化することができる。
3) 本発明の弾性吸収体は強度が高く、屈曲回復量にす
ぐれ、紙おむつとしての使用感は排尿前後いづれの場合
においても快適であり、横方向曲げ回復性によって変形
は殆ど生じない。
4) 本発明の弾性吸収体は、粉砕パルプおよび高分子吸
水剤の膨潤自由空間が拡大されるため、目付当りの吸収
倍率が増大し、たとえば紙おむつであればその軽量化が
可能となり、大巾なコストダウンを計ることができる。
5) したがって、本発明の弾性吸収体は紙おむつに限ら
ず生理用ナプキンその他、衛生用品として高い商品価値
を発揮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す弾性吸収体の概略断面
図、第2図〜第4図は従来の紙おむつの吸収部の断面
図、第5図は本発明に係わる熱接着性解繊糸短繊維のモ
デルの一例を示す断面図、第6図は同短繊維のモデルの
他例を示す断面図、第7図は従来の複合繊維の一例を示
す断面図、第8図は従来の複合繊維の他の例を示す断面
図である。 1……ネット、2……粉砕パルプ、3……粉砕パルプ、
3′……高分子吸水剤、4……薄紙、5……カバースト
ック、6……高融点の熱可塑性樹脂層、7……低融点の
熱可塑性樹脂層、8……低融点の熱可塑性樹脂層、9…
…高融点の熱可塑性樹脂層、10……低融点の熱可塑性樹
脂層、11……粉砕パルプ、12……熱接着性解繊糸短繊
維、13……高分子吸水剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 2119−3B D

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上層と下層の両層がパルプと、融点の異な
    る少なくとも2層の熱可塑性樹脂多層フィルム類から形
    成された熱接着性解繊糸短繊維との混合物からなり、中
    間層が高分子吸水剤からなる少なくとも3層構造の弾性
    吸収体であって、上記両層または下層の熱接着性解繊糸
    短繊維の高融点熱可塑性樹脂の層がエチレン‐プロピレ
    ンブロック共重合体であり、かつ弾性吸収体は熱処理さ
    れて一体化していることを特徴とする弾性吸収体。
  2. 【請求項2】前記融点の異なる少なくとも2層の熱可塑
    性樹脂多層フィルム類から形成された熱接着性解繊糸短
    繊維が、高融点熱可塑性樹脂の少なくとも一つの層と低
    融点熱可塑性樹脂の少なくとも一つの層からなり、該低
    融点熱可塑性樹脂の層が少なくとも一方の外表面に露出
    せる多層フィルム類を、スリット後延伸しあるいは延伸
    後スリットし、次いで割裂し、さらに短繊維化してなる
    ものである特許請求の範囲第(1)項記載の弾性吸収
    体。
JP62159749A 1987-06-29 1987-06-29 弾性吸収体 Expired - Fee Related JPH0667397B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62159749A JPH0667397B2 (ja) 1987-06-29 1987-06-29 弾性吸収体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62159749A JPH0667397B2 (ja) 1987-06-29 1987-06-29 弾性吸収体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS645545A JPS645545A (en) 1989-01-10
JPH0667397B2 true JPH0667397B2 (ja) 1994-08-31

Family

ID=15700424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62159749A Expired - Fee Related JPH0667397B2 (ja) 1987-06-29 1987-06-29 弾性吸収体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0667397B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07210769A (ja) * 1994-01-13 1995-08-11 Natl House Ind Co Ltd 宅配ボックス

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5851610A (en) * 1991-02-07 1998-12-22 Applied Extrusion Technologies, Inc. Shrink films and articles including the same
US5460878A (en) * 1992-10-26 1995-10-24 Applied Extrusion Technologies, Inc. Heat sealable shrink laminate
JP3544091B2 (ja) * 1997-02-06 2004-07-21 花王株式会社 吸収性物品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07210769A (ja) * 1994-01-13 1995-08-11 Natl House Ind Co Ltd 宅配ボックス

Also Published As

Publication number Publication date
JPS645545A (en) 1989-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100384667B1 (ko) 열성형성차단부직적층체
TW420637B (en) Breathable, liquid-impermeable, apertured film/nonwoven laminate and process for making same
US4480000A (en) Absorbent article
EP0637952B1 (en) An absorbent body in an absorbent article, such as a sanitary napkin, a panty protector, incontinence guard, diaper and the like
DE69119780T2 (de) Faserförmiger, superabsorbierender kern mit integral befestigter, hydrophober überzugsschicht
US6368990B1 (en) Fabrics formed of hollow filaments and fibers and methods of making the same
US4902463A (en) Elastic absorbent and process for production thereof
DE69417258T3 (de) Verbundmaterial aus einer undurchlässigen, textilartigen folie und einem vlies
JP3453031B2 (ja) 吸収性物品の表面シート
US5482761A (en) Layered, absorbent structure
KR20070048213A (ko) 확장가능한 흡수 코어 및 흡수 물품
EP0648101A1 (en) A layered, absorbent structure
JP3946095B2 (ja) 吸収性物品
HU216416B (hu) Összetett, nem szövött anyag, eljárás ennek előállítására, valamint felszívó higiéniai cikk
HU219967B (hu) Összetett, nemszövött anyag, eljárás ennek előállítására és alkalmazása abszorbeáló egészségügyi termékekben
US3878283A (en) Method of making menstrual napkins
JP2002526279A (ja) 層を結合するための少なくとも一つの熱可塑性成分を含む吸収製品
JP3096208B2 (ja) 吸収性物品の表面シート
JPH0667397B2 (ja) 弾性吸収体
JP2647858B2 (ja) 吸収性物品
JP2001503110A (ja) 長繊維不織布及びこれを用いた吸収性物品
JPH11291376A (ja) 透湿性シートの製造方法
TW513344B (en) Film-nonwoven laminate containing an adhesively-reinforced stretch-thinned film
JPS63260555A (ja) 弾性吸収体
JP2933230B2 (ja) 衛生品用繊維状吸収体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees