JPH06338304A - 単電池および組電池構造体 - Google Patents

単電池および組電池構造体

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JPH06338304A
JPH06338304A JP5151339A JP15133993A JPH06338304A JP H06338304 A JPH06338304 A JP H06338304A JP 5151339 A JP5151339 A JP 5151339A JP 15133993 A JP15133993 A JP 15133993A JP H06338304 A JPH06338304 A JP H06338304A
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case
electrode
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Nobuhiro Fujiwara
信浩 藤原
Yasuo Yukita
康夫 雪田
Satoshi Iwazu
聡 岩津
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケースの軽量化を図り、エネルギー体積密度
および重量密度を高め、単電池ケースを巻き込んで封止
する単電池と、この単電池を用いた組電池構造体を提供
すること。 【構成】 平板状の電極を積層した積層電極体10がケ
ース4に収納された偏平状の単電池1であって、ケース
4の、積層電極体10の電極面に平行な両側の側面のう
ち、少なくとも一方の側面をフレキシブルな薄板に形成
した単電池1。前記のような構成の複数の単電池1を、
組電池ケース41に配列して収納する組電池構造体40
であって、少なくとも、組電池ケース41の一方の側部
から複数の単電池1の配列方向へ向けて加圧する加圧用
バネ46を設けた組電池構造体40。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量化を図り、エネル
ギー体積密度および重量密度を高め、サイクル特性に優
れた単電池、およびこの単電池を複数組込んだ組電池構
造体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年において、省エネルギーや環境汚染
等の問題から、電力貯蔵用および電気自動車等に使用す
る電池の開発が強く望まれており、この種の電池では、
高電圧(数十〜数百ボルト)で高エネルギー容量で高エ
ネルギー密度が要求されている。一方、これらに使用さ
れる単電池の構造としては、長尺の電極を巻回して構成
される渦巻き型構造と、平板の電極を積層して構成され
る偏平な平角型構造との2つのタイプの単電池が一般的
に知られている。上記渦巻き型構造の単電池は、電極面
積を大きく取れることから比較的に重負荷特性に優れて
いるものの、形状が円筒状となることからスペースファ
クタが悪く、特に複数個の単電池を同時に使用する場合
には体積エネルギー密度が低下するという不具がある。
さらに、充放電時の発熱による蓄熱が大きく、電池特性
の劣化が大きいという問題がある。これに対し、上記平
角型構造の単電池は、スペースファクタが良好であり、
充放電時の蓄熱も小さく、特に電気自動車等で使用する
場合には複数個の単電池を接続した組電池として適して
おり、現在、実験的に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の平角型の単電池においては、剛体ケース内に複
数の平板電極を単に挿入して積層した構造であるため、
平板電極間の密着性が悪く、充分な容量が得られないと
同時に、サイクル特性が著しく低下してしまう問題があ
り、従来のタイプの単電池では不充分なものであった。
ところで、電極間の密着性を高めるために、図23に示
すように、単電池61の積層電極10を加圧する電極加
圧用のバネ60を単電池ケース66に内蔵することも考
えられるが、単電池61に電極加圧用のバネ60を内蔵
した場合には以下のような問題が発生する。すなわち、
1)単電池自体の重量が増大してしまい、エネルギー重
量密度が低下する。 2)単電池内の加圧用バネの反力に耐えられる剛性を有
する金属製のケースが必要となり、内蔵されるバネと合
わせて、更に単電池の体積および重量が増大し、単電池
のエネルギー密度が低下してしまう欠点がある。 3)複数の単電池を組み合わせて組電池として使用する
場合には、全体に占める体積および重量が累積され、組
電池としては著しくエネルギー密度が低下するという問
題がある。
【0004】また、4)単電池は充電・放電を行なう
と、熱を発生するので、単電池ケースの胴体部が膨張
し、リチウム電池のように電極を積層するタイプの単電
池、例えば角型単電池の場合には、胴体部の膨張によ
り、積層電極体の加圧力が弱まって電池として働かなく
なる可能性がある。このため、従来では、積層電極体に
対する加圧力を保持するためには、所定値以上の剛性の
あるケース構造、すなわち、ケースの胴体部およびこの
胴体部の両面に取付けられる側板の剛性を高めざるを得
ず、胴体部と両側板とを巻き込んで組み付ける巻締めに
より組付けるには、結果的にケースの胴体部が厚くなり
すぎる構造となってしまう。特に、側板が広くて積層電
極体と平行の場合には、発熱に関係なく剛性を確保する
ために、ケース胴体部を厚くせざるを得ないという不具
合があった。そこで、本発明は、ケースの軽量化を図
り、エネルギー体積密度および重量密度を高め、単電池
ケースを巻き込んで封止する単電池およびこの単電池を
用いた組電池構造体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る単電池は、平板状又はシート状の電極
を積層した積層電極体が単電池ケース内に収納された偏
平状の単電池であって、前記単電池ケースの、前記積層
電極体の電極面に平行な両側の側面のうち、少なくとも
一方の側面をフレキシブルな薄板に形成したことを特徴
とする。
【0006】また、本発明に係る単電池は、前記単電池
ケースの、前記積層電極体の積層方向と平行な側面に、
少なくとも2つ以上の電池端子を設けたことを特徴とす
る。また、本発明に係る単電池は、前記単電池ケース
が、複数の部材により構成され、これらの複数の部材の
周縁部を互いに巻き込んで組付けて封止することを特徴
とする。また、本発明に係る単電池は、前記単電池ケー
スが、筒状の胴体部と、この胴体部の両側開口を封止す
る両側板とから構成され、前記胴体部と各側板との周縁
部を互いに巻き込んで組み付けたことを特徴とする。ま
た、本発明に係る単電池は、前記胴体部と各側板との周
縁部を互いに巻き込んで組み付けた前記単電池ケース部
分を、前記積層電極体の積層方向と直交する方向に突出
させたことを特徴とする。また、本発明に係る単電池
は、前記単電池ケースが、筒状の胴体部と一方の側板を
一体としたケース部と、このケース部の開口を封止する
側板とから構成され、前記胴体部と側板との周縁部を互
いに巻き込んで組み付けたことを特徴とする。
【0007】また、本発明に係る組電池構造体は、平板
状又はシート状の電極を積層した積層電極体を収納する
単電池ケースの、前記積層電極体の電極面に対面する両
側の側面のうち、少なくとも一方の側面をフレキシブル
な薄板に形成した複数の単電池が、各単電池の電極面を
平行にして組電池ケース内に配列して収納される組電池
構造体において、少なくとも、前記組電池ケースの一方
の側部から前記複数の単電池の配列方向へ向けて加圧す
る加圧用バネを設けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】したがって、本発明によれば、単電池ケースの
側面がフレキシブルに形成されるので、単電池ケースを
剛性のある部材により形成する必要がなくなり、単電池
自体の軽量化および小形化を図ることが可能となり、さ
らに、単電池ケースを巻き込んで組み付けてもケースの
板厚を厚くする必要がなくなり、従来のように、充電・
放電時に発生する熱による単電池ケースの膨張の影響を
受けることなく、また、積層電極体の加圧力を保持する
ために剛性のあるケース構造しなくてもよくなり、単電
池の製作が容易となる。また、組電池ケースに加圧用バ
ネを設けたので、組電池ケースに配列される複数の単電
池内の積層電極の圧着性が高まり、充分な容量が得られ
るとともに、組電池構造体としてのサイクル特性を向上
することができ、さらに、エネルギー体積密度および重
量密度が高い単電池および組電池構造体を得ることがで
きる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明に係る単電池の第1実施例を
図面に基づき説明する。図1は本実施例に係る単電池1
の分解斜視図を示している。本実施例の単電池1は、図
1に示すように、胴体部2とフィルム3によりなる単電
池ケース4と、このケース4内に収納された積層電極体
10とから構成され、ケース4の両側面がフレキシブル
に形成されている。上記胴体部2は略四角の筒状にポリ
エチレンにより形成され、胴体部2の上面には正極の電
極端子5および負極の電極端子6が固設され、安全弁7
および電解液注入口8が設けられている。上記フィルム
3は、100μmの厚さのポリエチレンラミネートのア
ルミニューム箔により形成され、上記胴体部2の両側面
に図1中の×印の箇所でヒートシールにより固着され、
胴体部2の両側部開口を封止する。
【0010】上記積層電極体10は、多数の負極電極2
1bおよび正極電極21aと、これらの電極間に介装さ
れたポリエチレンフィルム21cにより構成されてい
る。すなわち、本実施例では、上記負極電極21bは、
不活性ガス気流中で焼成した後、粉砕して得られた平均
粒径20μmの炭素を90重量部とし、結着材としてフ
ッ化ビニリデン樹脂を10重量部とし、これらをN−メ
チルピロリドンに分散したスラリーを、厚さ10μmの
銅箔の集電体の両面に塗布することにより、厚さ180
μmの電極原板を作製し、この電極原板の一部に負極の
リード部14となる未塗布部を残して、電極原板の塗布
部を82mm×284mmの大きさにカットして形成されて
いる。
【0011】上記正極電極21aは、平均粒径15μm
のLiCoO2 粉末を91重量部とし、導電材としてグ
ラファイトを6重量部とし、結着材としてフッ化ビニリ
デン樹脂を3重量部とし、これらをN−メチルピロリド
ンに分散したスラリーを、銅箔の集電体の両面に塗布す
ることにより、厚さ150μmの電極原板を作製し、こ
の電極原板の一部に正極のリード部13となる未塗布部
を残して、電極原板の塗布部を77mm×279mmの大き
さにカットして形成されている。上記ポリエチレンフィ
ルム21cは、厚さ38μmで87mm×289mmの大き
さに形成され、微小な孔が多数形成されている。そし
て、上記負極電極21bを43枚と上記正極電極21a
を42枚とを、正負リード部を重ねて交互に配置し、こ
れらの間に上記ポリエチレンフィルム21cを介装して
積層し、外周に粘着テープ11を巻いて双方の電極21
a、21bおよびフィルム21cを固定し、積層電極体
10が構成されている。さらに、上記積層電極体10の
正極リード部13および負極リード部14を、上記胴体
部2の上面に固設された正極の電極端子5および負極の
電極端子6に胴体部2の内部で溶接により接続し、その
後、胴体部2の両側面にフィルム3をヒートシールによ
り固着し、ケース4上部の電解液注入口8から電解液が
注入されている。電解液は、プロピレンカーボネートと
ジエチルカーボネートの混合溶媒の中に、LiPF6を
1モル/lの割合で溶解して形成されている。そして、
電解注入後に注入口8に栓をし、これにより、設計容量
が34Ahの単電池1を構成している。
【0012】したがって、本実施例においては、単電池
ケース4の側面がアルミニューム箔のフィルム3により
構成されているので、ケース側面がフレキシブルとな
り、単電池の軽量化が図られる。また、本実施例では、
正極の電極端子5および負極の電極端子6を、積層電極
体10の積層方向と平行な単電池ケース4の胴体部2の
上面に固設したので、積層電極体10の正極リード部1
3および負極リード部14と、単電池ケース4の正極の
電極端子5および負極の電極端子6とを接続するリード
線を、上記正極電極21aや負極電極21bを避けて引
き回すことができ、積層電極体10の正極電極21aと
負極電極21bとの密着性を向上させるために積層電極
体10をその積層方向に加圧して使用する際にも、機構
が簡単になりリード線の結線を容易にできる。
【0013】次に、本発明に係る単電池の第2実施例を
説明する。尚、上記第1実施例と同様な部分の説明は省
略する。図2は本実施例の単電池1の分解斜視図を示し
ている。本実施例では、積層電極体10および電解液は
上記実施例と同様に構成されている。上記積層電極体1
0が収納される単電池ケース4は、下ケース部15と上
蓋18とから構成されている。下ケース部15は、厚さ
1mmのステンレスによりU字状に形成された胴体部16
と、この胴体部16の両側面にレーザー溶接により固着
され厚さ50μmのステンレス箔に形成された両側板1
7とから形成されている。上記上蓋18は、厚さ1.5
mmに形成され、第1実施例と同様に、上面には、正極の
電極端子5および負極の電極端子6が固設され、安全弁
7および電解液注入口の栓8Aが設けられている。さら
に、上記下ケース部15内に挿入される積層電極体10
と下ケース部15との間には絶縁フィルム19が介装さ
れている。尚、図2中、11は粘着テープを示す。
【0014】そして、上記積層電極体10の正極リード
部13および負極リード部14を、上蓋18に固設され
た正極の電極端子5および負極の電極端子6の下部に溶
接により接続し、その後、積層電極体10を、絶縁フィ
ルム19を介装して下ケース部15内に挿入し、上蓋1
8を下ケース部15にレーザー溶接し、電解液注入口8
から電解液を注入して栓8Aをして単電池1を構成して
いる。本実施例でも設計容量が34Ahである。したが
って、本実施例においても、単電池ケースの側板が薄い
ステンレス箔により構成されているので、ケース側面が
フレキシブルで、単電池の軽量化が図られる。また、正
極の電極端子5および負極の電極端子6が、積層電極体
10の積層方向と平行な単電池ケース4の上蓋18に固
設されているため、正極電極21aや負極電極21bを
避けてリード線を引き回すことができ、積層電極体10
をその積層方向に加圧して使用する際にも、機構が簡単
になりリード線の結線を容易にできる。
【0015】さらに、本発明に係る単電池の第3実施例
を説明する。図3は本実施例の単電池1の分解斜視図を
示している。本実施例では、単電池ケース4がラミネー
トフィルム20をヒートシールにより袋状に成型して構
成されたものである。すなわち、上記単電池ケース4
は、厚さが100μmのポリエチレンラミネートのアル
ミニューム箔により筒状に形成されたラミネートフィル
ム20内に、上記の積層電極体10を挿入して両端部を
ヒートシールにより封止して形成され、ケース全体がフ
レキシブルに形成されている。
【0016】このラミネートフィルム20には各電極端
子5、6がヒートシールにより固着され、また、一部に
はヒートシールにより電解液注入口8が設けられてい
る。さらに、電解液注入口8には同様なフィルムの栓8
Aがヒートシールにより固着されている。そして、ラミ
ネートフィルム20に固定された正極の電極端子5およ
び負極の電極端子6に積層電極体10の各リード部1
3、14を溶接により接続し、ラミネートフィルム20
をヒートシールにより袋状に成型し、電解液注入口8か
ら電解液を注入し、この電解液注入口8にフィルムの栓
8Aをヒートシールにより固着して電解液注入口8を封
止して単電池1を構成している。本実施例でも、設計容
量は34Ahである。
【0017】したがって、本実施例では、単電池ケース
全体がフレキシブルとなり、単電池全体の軽量化が図ら
れる。また、正極の電極端子5および負極の電極端子6
が、積層電極体10の積層方向と平行な単電池ケース4
箇所に、ヒートシールにより固着されているため、正極
電極や負極電極を避けてリード線を引き回すことがで
き、積層電極体10をその積層方向に加圧して使用する
際にも、機構が簡単になりリード線の結線を容易にでき
る。
【0018】次に、本発明に係る組電池構造体の第1実
施例について説明する。図4は本実施例の組電池構造体
40の分解斜視図を示している。本実施例の組電池構造
体40は、図1に示す単電池1を複数並べて組電池ケー
ス41内に挿入して構成したものである。すなわち、組
電池ケース41は、2枚の側板42とフレーム43およ
びパイプ44等から構成され、側板42とフレーム4
3、パイプ44がボルト45により連結されている。本
実施例では、組電池ケース41は、7つの単電池1が互
いの側面を隣接して配置できる大きさに形成されてい
る。また、組電池ケース41の双方の側板42の内面側
には、加圧用板バネ46が取付けられている。これらの
加圧用板バネ46は、板厚が0.5mmで原寸法が87mm
×289mmのSUS304−CSPをR=75の曲率に
曲げて形成されている。
【0019】そして、上記組電池ケース41内に全ての
単電池1を設置すると、側板42の加圧用板バネ46の
歪みによって、組電池ケース41内に設置された7つの
各単電池1に側部方向からの加圧力が加わり、各単電池
1内の積層電極体10が積層方向へ押圧し、積層電極体
10の電極が圧着される。この時の一つの板バネ46の
加圧力を測定したところ、約50Kgの荷重であり、両
側の板バネ46により各単電池1内の電極間に加わる荷
重としては、トータルで約100Kgの荷重が作用す
る。したがって、複数の単電池1を組電池として用いる
場合に、各単電池1内の積層電極の密着性が高まり、充
分な容量が得られるとともに、サイクル特性を向上する
ことができる。尚、本実施例の組電池ケース41には図
2に示す単電池1を複数用いて組電池構造体を構成して
もよい。
【0020】さらに、本発明に係る組電池構造体の第2
実施例について説明する。図5は本実施例の組電池構造
体40の斜視図を示している。本実施例では、図3に示
す袋状の単電池1を用いて構成したものである。このた
め、電極端子47、48が取付けられた上蓋49を用
い、上蓋49の電極端子47、48を、各単電池1の電
極端子5、6に接続して組電池用単電池1とし、このよ
うな組電池用単電池1を7つ隣接して上蓋49をガイド
として組電池ケース41内に挿入したものである。ま
た、組電池ケース41としては、上記実施例と同様に、
両側の一方の側板42内には加圧用板バネ46が設けら
れており、組電池ケース41内に設置された各単電池1
の積層電極に充分な荷重を加えることができる構造とな
っている。したがって、上記同様に、複数の単電池1を
組電池として用いる場合に、各単電池1内の積層電極の
密着性が高まり、充分な容量が得られるとともに、サイ
クル特性を向上できる。
【0021】本発明者は、上記実施例の各種の単電池1
および組電池構造体40と、図23に示す加圧用バネ6
0を内蔵した単電池61およびこれを用いた組電池構造
体とを比較した試験を行なった。以下、その結果につい
て説明する。比較対象とする加圧用バネ内蔵タイプの単
電池61は、積層電極体10が上記同様に形成され、こ
の積層電極体10の一方の面に、厚さ2.5mmで87.
5mm×289mmのステンレス製の中押え板62を介して
上述したのと同様の加圧用板バネ60を配設し、この加
圧用板バネ60の外側と上記積層電極体10の他方の面
に厚さ2.5mmの押え板63を配設して、油圧ポンプに
より加圧しながら、厚さ0.1mmのステンレス製ベルト
64をこれらの外周に巻き付けて抵抗溶接を行なって上
記板バネ60を固定する。
【0022】そして、積層電極体10の各リード部1
3、14を、上蓋65に固定された電極端子5、6にそ
れぞれ溶接等により接続し、板厚1.2mmで外径24mm
×105mmのステンレス製の下ケース部66に挿入し、
上蓋65を下ケース部66にレーザー溶接により固着
し、上記同様に電解液を注入して、剛性を有する下ケー
ス部66内に加圧用板バネ60を配設した単電池61を
構成した。また、単電池61を用いた組電池構造体とし
ては、上記のように形成された加圧用バネ内蔵タイプの
単電池61を7つ隣接して、組電池ケース41の側板4
2に加圧用板バネ46が設けられていない組電池ケース
41内に配設して組電池構造体を構成した。そして、上
記各実施例の単電池1と、比較例の加圧用バネ内蔵タイ
プの単電池61、さらに、上記各実施例の組電池構造体
40と、比較例の加圧用バネ内蔵タイプの単電池61を
用いた組電池構造体とについて、各特性の試験を行なっ
た。その結果、[表1]に示す結果が得られた。
【0023】
【表1】
【0024】また、上記実施例と比較例との単電池1と
61について、以下の条件で充放電特性試験を行なっ
た。 充電条件:23°C、定電流1C×3H、4.2V定電
圧充電 放電条件:23°C、1C定電流放電 この結果、充電電流および放電電流ともに上記実施例の
場合には34Aとなり、比較例の場合には20Aとなっ
た。尚、[表1]のサイクル特性試験では、上記充放電
条件で100回の充放電を繰返して放電容量の維持率を
測定したものである。上記試験結果によれば、[表1]
からわかるように、単電池1のみの場合にはサイクル特
性が劣化するが、組電池構造体41としてはサイクル特
性の劣化がなく、エネルギー体積密度および重量密度が
高い単電池1および組電池構造体40を得ることができ
る。
【0025】さらに、本発明に係る単電池の第4実施例
について説明する。尚、本実施例では、角型リチウム2
次電池である場合を例に採って説明する。図6は本実施
例の単電池1の組付け前の分解斜視図、図7は単電池1
の斜視図、図8〜図12は巻締め構造を示す断面図であ
る。本実施例の単電池1は、図6および図7に示すよう
に、筒状の胴体部2とこの胴体部2の両面に固着される
側板3とからなる単電池ケース4と、この単電池ケース
4内に収納された積層電極体10とから構成されてい
る。上記単電池ケース4の側板3の板厚は薄く形成され
フレキシブルな構造となっている。上記胴体部2および
側板3はアルミニューム等の絶縁性金属により形成さ
れ、上記積層電極体10は複数の正極電極および負極電
極を積層して正・負極リード部13、14を有するリチ
ウム電池用に構成されている。そして、積層電極体10
の正・負極リード部13、14を、胴体部2の上面に固
設された正・負極の電極端子5、6に胴体部2内部で溶
接により接続し、その後、両側板3を胴体部2に巻締め
により組み付けて封止し、電解液を注入した構造であ
る。
【0026】上記胴体部2と側板3の巻締め構造として
は、図8〜図12に示すように、各種の巻締め構造が考
えられる。すなわち、図8や図9に示すように、積層電
極体10の積層方向に沿って突き出すように胴体部2お
よび両側板3の双方の周縁部を巻き込んで封止したり、
図10〜図12に示すように、積層電極体10の積層方
向と直交する方向へ突き出すように双方の周縁部を巻き
込んで封止されている。図10〜図12に示すような積
層電極体10の積層方向と直交する方向へ突き出す巻締
めの場合には、組電池構造体40を構成する際に、単電
池配列方向に巻締めが突き出していないので、組電池ケ
ース4に収納することが容易に行なえると共に、側板3
を積層電極体10の積層方向に加圧して、積層電極体1
0の正極電極21aと負極電極21bとの密着性の向上
を図る際、巻締め部分が上記加圧によりダメージを受け
にくく、リークを起こしにくくすることができる利点が
ある。
【0027】したがって、本実施例においては、単電池
ケースの側面がフレキシブルに形成されるので、充電・
放電時に発生する熱による単電池ケースの膨張の影響を
受けることなく、また、従来のように積層電極体の加圧
力を保持するために剛性のあるケース構造しなくてもよ
く、単電池ケースを巻き込んで組み付けてもケースの板
厚を厚くする必要がなくなり、単電池の軽量化および小
形化が可能となる。尚、巻締め構造としては1回巻きに
限らず、強度を高めるために2回巻きや3回巻きにする
ことも可能である。また、上述した巻き込んで組付ける
用語として、巻き締めと呼称したが、同様の組付け方で
あれば、組付け法の名称が異なっても、別の呼称による
方法、例えば他のプレス加工やカシメによる方法を用い
ることもできる。
【0028】さらに、本発明に係る単電池の第5実施例
について説明する。図13は本実施例の積層電極体の分
解斜視図、図14は単電池の斜視図、図15は単電池の
分解斜視図、図16は電極端子の取付け構造の断面図、
図17は巻締め作業を説明する断面図である。本実施例
では、積層電極体10は、図13に示すように、複数の
正・負極の電極21a、21bをフィルム状のセパレー
タ21cを介装して積層し粘着テープ11により巻いて
構成され、上部には2つの負極のリード部14と1つの
正極のリード部13が設けられている。上記負極の2つ
のリード部14はリード線22により接続され、このリ
ード線22の中央部には絶縁カバー23が設けられてい
る。図13中右側の負極のリード部14と中央の正極の
リード部13には、それぞれリード部材24、25が接
続され、各リード部材24、25には後述する正極およ
び負極の電極端子5、6に設けられたボルト穴26に対
応する挿通孔27が設けられている。尚、図13中、2
8は、リード線22又はリード部材24、25を各リー
ド部13、14にボルト等により取付けるための取付け
片を示す。
【0029】また、積層電極体10を収納する単電池ケ
ース4は、図14および図15に示すように、側方へ膨
出したケース部29と、このケース部29の側面開口を
封止する側板30との2つの部材により構成されてい
る。この側板30はケース部29側へ周縁部を除き陥没
し、他の単電池1のケース部29の膨出部分が嵌合でき
るように形成されている。上記ケース部29は例えば絞
り加工により形成され、このケース部29および側板3
0はフレキシブルに形成されている。さらに、このケー
ス部29の上部には、正極および負極の電極端子5、6
が固設されている。これらの電極端子5、6は、図16
に示すように、ケース部29との間に絶縁材31を介装
してナット32により締結して固着されており、各電極
端子5、6の基端部には上記積層電極体10の各リード
部材24、25を接続するボルト穴26が設けられてい
る。
【0030】そして、上記積層電極体10を単電池ケー
ス4に収納するには、積層電極体10をケース部29に
挿入して、挿通孔27およびボルト穴26を通じ、ボル
ト33により各リード部13、14のリード部材24、
25と各電極端子5、6とを接続し、その後、図17に
示すように、ケース部29の開口周縁にポリエチレン等
のコンパウンド材34を介装して側板30を当てがい、
ケース部29の開口周縁部と側板30の周縁部とを巻締
め又はカシメにより組付けて封止し、電解液を注入して
単電池1が構成される。本実施例でも、上記第4実施例
と同様な効果を有する。
【0031】尚、上述した巻締めの方法について、上記
第5実施例の場合を例にとって説明する。巻締めは、図
17に示すような一般的方法により、シーミングチャッ
ク35と、第1および第2シーミングロール36、37
とを用いて行なわれる。すなわち、巻締めを積層電極体
10の積層方向へ突き出す場合には、図17に示すよう
に、積層電極体10が挿入されたケース部29の開口に
ポリエチレン等のコンパウンド材34を介装して側板3
0を当てがい、図18に示すように、シーミングチャッ
ク35を側板30の周縁部にセットし、双方の周縁部に
第1シーミングロール36を当てがって押付けることに
より、大まかな巻締めを行ない、その後、図19に示す
ように、第2シーミングロール37できつく押えて巻締
めを行ない完成させる。また、巻締めを積層電極体10
の積層方向と直交する方向へ突き出す場合には、図20
に示すように、第1シーミングロール36で大まかに巻
締めした後、図21に示すように、第2シーミングロー
ル37により完成させる。
【0032】次に、本発明に係る組電池構造体の第3実
施例について説明する。本実施例では、上記第4および
第5実施例の単電池1を用いて組電池構造体40を構成
したものである。すなわち、本実施例では、組電池ケー
ス41が図22に示すように、一対の側板42と、これ
らの側板42の間に設けられるフレーム43とから構成
され、これらが剛性のある材料により形成され、7つの
単電池1を収納できる大きさに形成されている。また、
上記各フレーム43の長さが、単電池1を7つ隣接して
配列した寸法よりも短めに形成されており、両側板42
と各フレーム43とは、ケース外部でクランプ式の加圧
用バネ51により連結されている。
【0033】したがって、クランプ式の加圧用バネ51
の付勢力によって両側板42が、内部に収納された7つ
の単電池1の積層電極体10が積層方向に沿って両側か
ら加圧される。したがって、単電池ケース自体の剛性を
低減することが可能となり、例えば、ステンレス鋼によ
り単電池ケース4を形成する場合には、板厚を0.3〜
0.4mmまで薄くすることができ、単電池1の軽量化お
よび小形化を大幅に促進することが可能となり、上記実
施例と同様に、エネルギー体積密度および重量密度を高
めることができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、単
電池ケースの側面がフレキシブルに形成されるので、単
電池ケースを剛性のある部材により形成する必要がなく
なり、単電池自体の軽量化および小形化を図ることが可
能となり、さらに、単電池ケースを巻き込んで組み付け
てもケースの板厚を厚くする必要がなくなり、従来のよ
うに、充電・放電時に発生する熱による単電池ケースの
膨張の影響を受けることなく、また、積層電極体の加圧
力を保持するために剛性のあるケース構造しなくてもよ
くなり、単電池の製作が容易となる。また、組電池ケー
スに加圧用バネを設けたので、組電池ケースに配列され
る複数の単電池内の積層電極の圧着性が高まり、充分な
容量が得られるとともに、組電池構造体としてのサイク
ル特性を向上することができ、さらに、エネルギー体積
密度および重量密度が高い単電池および組電池構造体を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単電池の第1実施例に係り単電池の分解斜視図
である。
【図2】単電池の第2実施例に係り単電池の分解斜視図
である。
【図3】単電池の第3実施例に係り単電池の斜視図であ
る。
【図4】組電池構造体の第1実施例に係り組電池ケース
の分解斜視図である。
【図5】組電池構造体の第2実施例に係り組電池ケース
の分解斜視図である。
【図6】単電池の第4実施例に係り単電池の分解斜視図
である。
【図7】単電池の斜視図である。
【図8】巻締め構造を示す単電池の概略断面図である。
【図9】巻締め構造を示す単電池の概略断面図である。
【図10】巻締め構造を示す単電池の概略断面図であ
る。
【図11】巻締め構造を示す単電池の概略断面図であ
る。
【図12】巻締め構造を示す単電池の概略断面図であ
る。
【図13】単電池の第5実施例に係り積層電極体の分解
斜視図である。
【図14】単電池の斜視図である。
【図15】単電池の分解斜視図である。
【図16】電極端子の取付け構造を示す断面図である。
【図17】巻締め作業を説明する断面図である。
【図18】巻締め作業を説明する断面図である。
【図19】巻締め作業を説明する断面図である。
【図20】巻締め作業を説明する断面図である。
【図21】巻締め作業を説明する断面図である。
【図22】組電池構造体の第3実施例に係り組電池構造
体の斜視図である。
【図23】従来の単電池の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 単電池 2 胴体部 3、30 側板 4 単電池ケース 10 積層電極体 21a、21b 電極 29 ケース部 40 組電池構造体 41 組電池ケース 46 加圧用バネ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状又はシート状の電極を積層した積
    層電極体が単電池ケース内に収納された偏平状の単電池
    において、 前記単電池ケースの、前記積層電極体の電極面に平行な
    両側の側面のうち、少なくとも一方の側面をフレキシブ
    ルな薄板に形成したことを特徴とする単電池。
  2. 【請求項2】 前記単電池ケースの、前記積層電極体の
    積層方向と平行な側面に、少なくとも2つ以上の電池端
    子を設けた請求項1記載の単電池。
  3. 【請求項3】 前記単電池ケースが、複数の部材により
    構成され、これらの複数の部材の周縁部を互いに巻き込
    んで組付けて封止した請求項1又は2記載の単電池。
  4. 【請求項4】 前記単電池ケースが、筒状の胴体部と、
    この胴体部の両側開口を封止する両側板とから構成さ
    れ、前記胴体部と各側板との周縁部を互いに巻き込んで
    組み付けた請求項3記載の単電池。
  5. 【請求項5】 前記胴体部と各側板との周縁部を互いに
    巻き込んで組み付けた前記単電池ケース部分を、前記積
    層電極体の積層方向と直交する方向に突出させた請求項
    4記載の単電池。
  6. 【請求項6】 前記単電池ケースが、筒状の胴体部と一
    方の側板を一体としたケース部と、このケース部の開口
    を封止する側板とから構成され、前記胴体部と側板との
    周縁部を互いに巻き込んで組み付けた請求項3記載の単
    電池。
  7. 【請求項7】 平板状又はシート状の電極を積層した積
    層電極体を収納する単電池ケースの、前記積層電極体の
    電極面に平行な両側の側面のうち、少なくとも一方の側
    面をフレキシブルな薄板に形成した複数の単電池が、各
    単電池の電極面を平行にして組電池ケース内に配列して
    収納される組電池構造体において、 少なくとも、前記組電池ケースの一方の側部から前記複
    数の単電池の配列方向へ向けて加圧する加圧用バネを設
    けたことを特徴とする組電池構造体。
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