JPH0633365B2 - 重質油の軽質化方法 - Google Patents
重質油の軽質化方法Info
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- JPH0633365B2 JPH0633365B2 JP7536485A JP7536485A JPH0633365B2 JP H0633365 B2 JPH0633365 B2 JP H0633365B2 JP 7536485 A JP7536485 A JP 7536485A JP 7536485 A JP7536485 A JP 7536485A JP H0633365 B2 JPH0633365 B2 JP H0633365B2
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- heavy oil
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は重質油で、殊にアスファルテン分、すなわちペ
ンタン不溶分を 1.0wt%以上含有する重質油を水素供与
性溶剤を用いて水素化分解して軽質化する重質油の軽質
化方法に関する。
ンタン不溶分を 1.0wt%以上含有する重質油を水素供与
性溶剤を用いて水素化分解して軽質化する重質油の軽質
化方法に関する。
[従来の技術及び発明が解決しようとする問題点] 昨今、重質油の軽質化は益々その重要性が高まり、熱分
解、接触分解ならびに水素化分解等において数多くの方
法が提唱されている。
解、接触分解ならびに水素化分解等において数多くの方
法が提唱されている。
ここで重質油とは沸点 350℃以上の留分を50wt%以上含
む炭化水素油、殊にペンタン不溶分を 1.0wt%以上含有
する重質油で、例えば原油から得られる常圧蒸留残油、
減圧蒸留残油あるいは石炭、オイルサンド、オイルシエ
ール、ビシューメン等から得られるものを意味する。ま
たここでいう軽質化とは、上記重質油を水素添加を伴な
った分解を行なわせてナフサ、ガソリン留分、灯軽油留
分等を含む軽質油を得ることを目的とするものである。
む炭化水素油、殊にペンタン不溶分を 1.0wt%以上含有
する重質油で、例えば原油から得られる常圧蒸留残油、
減圧蒸留残油あるいは石炭、オイルサンド、オイルシエ
ール、ビシューメン等から得られるものを意味する。ま
たここでいう軽質化とは、上記重質油を水素添加を伴な
った分解を行なわせてナフサ、ガソリン留分、灯軽油留
分等を含む軽質油を得ることを目的とするものである。
一般的に重質油の水素化処理において、技術的あるいは
経済的に最も重要な問題は触媒の活性低下である。すな
わち重質油中にはアスファルテン分が含まれ、さらにこ
の中にバナジウム、ニッケル等の重金属が含まれてお
り、これらによる触媒の被毒が著しく、これが経済的な
長期連続運転を妨げる要因となっている。この問題を解
決するために、触媒改良の努力が続けられ、多くの優れ
た触媒が提唱されているが、未だ満足すべき状態とは言
い難い。さらに反応装置の改良も数多くなされている
が、未だ解決すべき点が数多く残されている。
経済的に最も重要な問題は触媒の活性低下である。すな
わち重質油中にはアスファルテン分が含まれ、さらにこ
の中にバナジウム、ニッケル等の重金属が含まれてお
り、これらによる触媒の被毒が著しく、これが経済的な
長期連続運転を妨げる要因となっている。この問題を解
決するために、触媒改良の努力が続けられ、多くの優れ
た触媒が提唱されているが、未だ満足すべき状態とは言
い難い。さらに反応装置の改良も数多くなされている
が、未だ解決すべき点が数多く残されている。
さらに、経済的、技術的に重要な因子は水素コストであ
る。重質油の水素化処理においては、原料油が重質にな
ればなるほど水素消費量が増大し、これに要する費用は
膨大なものとなる。
る。重質油の水素化処理においては、原料油が重質にな
ればなるほど水素消費量が増大し、これに要する費用は
膨大なものとなる。
この水素コストの問題を解決するための一つの方法とし
て多環芳香族化合物を水素化した水素供与性を有する化
合物を用いる水素化方法が知られており(例えば米国特
許第 4,430,197号)、かような水素供与化合物を用いて
重質油を水素化分解する場合には、必ずしも触媒は必要
とせず、また水素ガスも比較的低圧で分解反応が進行す
ることもよく知らてている(例えば米国特許第 4,294,6
86号および“オイル アンド ガスジャーナル(Oil
& Gas Journal)、Nov.22、1982、p.111 〜 11
6)。
て多環芳香族化合物を水素化した水素供与性を有する化
合物を用いる水素化方法が知られており(例えば米国特
許第 4,430,197号)、かような水素供与化合物を用いて
重質油を水素化分解する場合には、必ずしも触媒は必要
とせず、また水素ガスも比較的低圧で分解反応が進行す
ることもよく知らてている(例えば米国特許第 4,294,6
86号および“オイル アンド ガスジャーナル(Oil
& Gas Journal)、Nov.22、1982、p.111 〜 11
6)。
ここに水素供与性溶剤(hydrogen donor )とは例えば
ナフタリン、アントラセン等のような多環芳香族環を有
する炭化水素化合物に水素添加した化合物であって、こ
のような水素供与体は高温(例えば 380℃以上)にする
ことによって水素を放出する性質を有することはよく知
られており、この性質を工業的に利用しようという試み
も多くなされている(例えば米国特許第 2,953,513
号)。また重質油の熱分解油、接触分解油および水素化
分解油中にはこのような水素供与性を有する物質が含ま
れ、それ自体有効な水素供与体として働くこともよく知
られている(例えば米国特許第 3,970,545号)。
ナフタリン、アントラセン等のような多環芳香族環を有
する炭化水素化合物に水素添加した化合物であって、こ
のような水素供与体は高温(例えば 380℃以上)にする
ことによって水素を放出する性質を有することはよく知
られており、この性質を工業的に利用しようという試み
も多くなされている(例えば米国特許第 2,953,513
号)。また重質油の熱分解油、接触分解油および水素化
分解油中にはこのような水素供与性を有する物質が含ま
れ、それ自体有効な水素供与体として働くこともよく知
られている(例えば米国特許第 3,970,545号)。
しかし、これらの方法では比較的高い温度においてのみ
分解反応が効率的に行なわれるため、炭素質の析出が問
題となり、いわゆるコーキングの問題が生じる。
分解反応が効率的に行なわれるため、炭素質の析出が問
題となり、いわゆるコーキングの問題が生じる。
[発明の目的] 本発明の目的は、水素供与性溶剤を用いたアスファルテ
ン分 1.0wt%以上を含む重質油の処理方法で、分解塔
(反応塔)でのコーキングによる圧力損失増大の問題を
解消するより効率的な重質油の軽質化方法を提供するこ
とにある。
ン分 1.0wt%以上を含む重質油の処理方法で、分解塔
(反応塔)でのコーキングによる圧力損失増大の問題を
解消するより効率的な重質油の軽質化方法を提供するこ
とにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は水素化機能を有する固体触媒を収容する仕切り
で反応塔の内部を垂直方向に少くとも二つの部分に区画
し、かつ該区画部分を上部および下部において連通せし
めた反応塔に、前記の各区画部分のうち少くとも一つの
部分の下部より原料重質油、水素供与性剤および水素含
有ガスを導入し、他の区画部分との間に液の循環を生ぜ
しめることを特徴とする重質油の軽質化方法にある。
で反応塔の内部を垂直方向に少くとも二つの部分に区画
し、かつ該区画部分を上部および下部において連通せし
めた反応塔に、前記の各区画部分のうち少くとも一つの
部分の下部より原料重質油、水素供与性剤および水素含
有ガスを導入し、他の区画部分との間に液の循環を生ぜ
しめることを特徴とする重質油の軽質化方法にある。
この本発明の方法は、コーキングの問題を軽減し、かつ
重質油の軽質化を効果的に行なわんとするものである。
重質油の軽質化を効果的に行なわんとするものである。
一般に水素供与性溶剤を用いた分解は触媒を必要とせ
ず、無触媒によって行なわれている場合が多い。しか
し、本発明者は実験によって次のような事実を見出し
た。
ず、無触媒によって行なわれている場合が多い。しか
し、本発明者は実験によって次のような事実を見出し
た。
(1)水素供与性溶剤を用いて重質油を分解する場合、
わずかな触媒作用の存在によって分解が効率的に行なわ
れる。
わずかな触媒作用の存在によって分解が効率的に行なわ
れる。
(2)このとき、わずかな触媒作用の存在によって炭素
質物質の生成が大幅に抑制される。
質物質の生成が大幅に抑制される。
(3)「わずかな触媒作用の存在」としては比較的活性
の高い、例えば市販されているような触媒を原料油に対
して少量存在させることによっても可能であるが、比較
的活性の低い触媒を存在させることによっても可能であ
る。
の高い、例えば市販されているような触媒を原料油に対
して少量存在させることによっても可能であるが、比較
的活性の低い触媒を存在させることによっても可能であ
る。
(4)炭素質物質の生成に伴なう圧力損失の増加、閉塞
等のトラブルに対しては液の流速を増加することが有効
である。
等のトラブルに対しては液の流速を増加することが有効
である。
すなわち、水素供与性溶剤を用いて重質油を分解しよう
とする場合、わずかな触媒作用の存在が有効であり、こ
の触媒としては固体触媒が最も使用しやすい。しかし固
体触媒の使用形態として固定床方式および移動床方式も
可能であるが、閉塞に対して不安がある。このような方
式の場合、液の流速が十分でなく生成する炭素質物質に
よって液およびガスの流れが妨げられ、炭素質物質が蓄
積し、遂には閉塞する事態が生じる。これを避けるため
に触媒を流動化して使用することが考えられるが、一般
に水素供与性溶剤によって重質油を分解する場合、原料
油、水素供与性溶剤およびガスによって均一な流動状態
を得るためには非常に微細な粒子を使用せねばならず、
このような微細な粒子を用いた場合には、この粒子と反
応生成物との分離が困難になる。反応生成物との分離が
可能な比較的大きな粒子(例えば 0.1mmφ以上)を用い
る場合には、これらの粒子を流動化させるためには大き
な液流速を必要とし、原料油および水素供与性溶剤のみ
ではこの流速は得られず、反応生成物を再循環すること
が必要となる。この再循環は装置を複雑化し、装置の建
設費を増大せしめる。
とする場合、わずかな触媒作用の存在が有効であり、こ
の触媒としては固体触媒が最も使用しやすい。しかし固
体触媒の使用形態として固定床方式および移動床方式も
可能であるが、閉塞に対して不安がある。このような方
式の場合、液の流速が十分でなく生成する炭素質物質に
よって液およびガスの流れが妨げられ、炭素質物質が蓄
積し、遂には閉塞する事態が生じる。これを避けるため
に触媒を流動化して使用することが考えられるが、一般
に水素供与性溶剤によって重質油を分解する場合、原料
油、水素供与性溶剤およびガスによって均一な流動状態
を得るためには非常に微細な粒子を使用せねばならず、
このような微細な粒子を用いた場合には、この粒子と反
応生成物との分離が困難になる。反応生成物との分離が
可能な比較的大きな粒子(例えば 0.1mmφ以上)を用い
る場合には、これらの粒子を流動化させるためには大き
な液流速を必要とし、原料油および水素供与性溶剤のみ
ではこの流速は得られず、反応生成物を再循環すること
が必要となる。この再循環は装置を複雑化し、装置の建
設費を増大せしめる。
本発明の方法は、反応塔内部に自然循環流を生ぜしめる
ことによって必要な液流速を得て、炭素質物質による閉
塞等を回避すると同時に反応塔内に水素化機能を有する
触媒を存在せしめることによって分解反応を効率的に行
なわせるとともに炭素質物質の生成を大幅に軽減するも
のである。
ことによって必要な液流速を得て、炭素質物質による閉
塞等を回避すると同時に反応塔内に水素化機能を有する
触媒を存在せしめることによって分解反応を効率的に行
なわせるとともに炭素質物質の生成を大幅に軽減するも
のである。
以下、本発明の方法を図面によって説明する。
第1〜3図は本発明に用いる反応塔の一例である。第1
〜3図において、( a)は反応塔の縦断面図であり、
( b)は反応塔の横断面図である。この第1〜3図にお
いて、1は原料油、水素供与性溶剤および水素含有ガス
を導入する導入管である。2は水素化機能を有する固体
触媒を収容する仕切である。第1図の仕切2は円筒状で
あり、導入管1が中心になるように設けてある。第2図
の仕切2は 2枚の平板状からなり、導入管1が中間にな
るように設けてある。第3図の仕切2は 1枚の平板状で
あり、その片側に導入管1を設けてある。第1〜3図に
おいて、3は反応塔内を上昇する気泡状の水素含有ガス
であり、4は分解生成液および水素含有ガスを排出する
出口管であり、5は反応塔である。
〜3図において、( a)は反応塔の縦断面図であり、
( b)は反応塔の横断面図である。この第1〜3図にお
いて、1は原料油、水素供与性溶剤および水素含有ガス
を導入する導入管である。2は水素化機能を有する固体
触媒を収容する仕切である。第1図の仕切2は円筒状で
あり、導入管1が中心になるように設けてある。第2図
の仕切2は 2枚の平板状からなり、導入管1が中間にな
るように設けてある。第3図の仕切2は 1枚の平板状で
あり、その片側に導入管1を設けてある。第1〜3図に
おいて、3は反応塔内を上昇する気泡状の水素含有ガス
であり、4は分解生成液および水素含有ガスを排出する
出口管であり、5は反応塔である。
なお、第1図( a)において、Hは反応塔5の高さ、h
は円筒状の仕切2の高さ、Di は反応塔5の内径、doは
円筒状の仕切2の外径、diは円筒状の仕切2の内径、l
は円筒状の仕切2の下端部と反応塔5の隙間の距離であ
る。
は円筒状の仕切2の高さ、Di は反応塔5の内径、doは
円筒状の仕切2の外径、diは円筒状の仕切2の内径、l
は円筒状の仕切2の下端部と反応塔5の隙間の距離であ
る。
第2図において、平板状の仕切2を 2枚用いて導入管1
および出口管4が中心になるように設置してある。ま
た、各々の仕切2の両側端は反応塔5の壁面にほぼ接触
するようにし、その上下側端は上部および下部で連通す
るように設置してある。
および出口管4が中心になるように設置してある。ま
た、各々の仕切2の両側端は反応塔5の壁面にほぼ接触
するようにし、その上下側端は上部および下部で連通す
るように設置してある。
第3図において、平板状の仕切2を 1枚用いて、その片
側に導入管1および出口管4を設けている。その仕切2
の両側端は反応塔5の壁面にほぼ接触するようにし、そ
の上下側端は上部および下部で連通するように設置して
ある。
側に導入管1および出口管4を設けている。その仕切2
の両側端は反応塔5の壁面にほぼ接触するようにし、そ
の上下側端は上部および下部で連通するように設置して
ある。
第4図( a)および( b)は、本発明において用いるこ
とのできる仕切2の一例であり、( a)は円筒状の仕切
2であり、( b)は平板状の仕切2である。
とのできる仕切2の一例であり、( a)は円筒状の仕切
2であり、( b)は平板状の仕切2である。
次に、本発明の方法を第1図に基づいて説明する。
原料油、水素供与性溶剤および水素含有ガスは反応塔5
下部の導入管1によって導入される。反応塔5内部は固
体触媒を収容した円筒状の仕切2によって垂直方向に二
つの部分に区画され、仕切2の上部および下部で連通し
ている。導入された水素含有ガス3は仕切2の外側の部
分に流入しないように円筒状の仕切2の内部に向って導
入することが好ましい。重質油、水素供与性溶剤につい
ても同様である。気泡状となった水素含有ガス3は仕切
2の内部を上昇する。
下部の導入管1によって導入される。反応塔5内部は固
体触媒を収容した円筒状の仕切2によって垂直方向に二
つの部分に区画され、仕切2の上部および下部で連通し
ている。導入された水素含有ガス3は仕切2の外側の部
分に流入しないように円筒状の仕切2の内部に向って導
入することが好ましい。重質油、水素供与性溶剤につい
ても同様である。気泡状となった水素含有ガス3は仕切
2の内部を上昇する。
このようにすると水素含有ガス3が存在する区域は比重
が小であるので反応塔5内の圧力バランスから反応塔5
内の液は図中矢印で示した方向に循環する。
が小であるので反応塔5内の圧力バランスから反応塔5
内の液は図中矢印で示した方向に循環する。
また、循環液の一部は固体触媒を収容する仕切2をその
外側(水素含有ガス3が存在しない側)から内側(水素
含有ガス3が存在する側)へ矢印(点線)で示した方向
に通過できる。その通過量は仕切2の空隙率または仕切
2の外側と内側の圧力バランスによって変化する。仕切
2の空隙率は一般に 5〜95%が好ましい。なお、空隙率
とは単位容積中に空間として存在する部分の割合であ
る。
外側(水素含有ガス3が存在しない側)から内側(水素
含有ガス3が存在する側)へ矢印(点線)で示した方向
に通過できる。その通過量は仕切2の空隙率または仕切
2の外側と内側の圧力バランスによって変化する。仕切
2の空隙率は一般に 5〜95%が好ましい。なお、空隙率
とは単位容積中に空間として存在する部分の割合であ
る。
このように反応塔5内に仕切2となる円筒を挿入するこ
とによって内部に循環流が得られ、必要な液流速が確保
され、反応塔5内の炭素質物質による閉塞が回避され
る。
とによって内部に循環流が得られ、必要な液流速が確保
され、反応塔5内の炭素質物質による閉塞が回避され
る。
水素含有ガス3は円筒状の仕切2内を上昇し、出口管4
より排出され、液は反応塔5内を循環しながら所定の滞
留時間を経た後、出口管4より排出されるが、液は所定
温度、圧力条件で所定時間滞留するために分解し軽質化
される。このとき、液は反応塔5内を循環しながら円筒
状の仕切2の触媒と接するため、触媒が無い場合に比較
して分解が効率的に行なわれ、また炭素物質の生成が大
巾に減少する。
より排出され、液は反応塔5内を循環しながら所定の滞
留時間を経た後、出口管4より排出されるが、液は所定
温度、圧力条件で所定時間滞留するために分解し軽質化
される。このとき、液は反応塔5内を循環しながら円筒
状の仕切2の触媒と接するため、触媒が無い場合に比較
して分解が効率的に行なわれ、また炭素物質の生成が大
巾に減少する。
反応塔5の構造で仕切2が円筒状の場合は、第1図に示
される記号について、次の範囲内にあることが良好な循
環流を得るために好ましい。
される記号について、次の範囲内にあることが良好な循
環流を得るために好ましい。
l<di 1.01 ≦Di /di≦ 3.0 0.05 ≦(do−di)/ 2di≦ 3.0 本発明でいう固体触媒を収容する仕切とは全体として多
孔状(ポーラス)で、その多孔状の一部または全部が水
素化機能を有する固体触媒から構成されているもので、
一般に全体として多孔状平板または曲板状となってお
り、その板の一部または全部が水素化機能を有する固体
触媒粒子の集合から構成されているものである。例えば
押出し成型触媒、球状触媒および圧縮成型触媒から選ば
れる 1種または 2種以上の触媒粒子が金鋼、パンチング
メダル等に収容されたもの、またバインダーで結合され
た触媒粒子の集合体が例示できる。
孔状(ポーラス)で、その多孔状の一部または全部が水
素化機能を有する固体触媒から構成されているもので、
一般に全体として多孔状平板または曲板状となってお
り、その板の一部または全部が水素化機能を有する固体
触媒粒子の集合から構成されているものである。例えば
押出し成型触媒、球状触媒および圧縮成型触媒から選ば
れる 1種または 2種以上の触媒粒子が金鋼、パンチング
メダル等に収容されたもの、またバインダーで結合され
た触媒粒子の集合体が例示できる。
本発明における固体触媒を収容する仕切の厚さは反応塔
内径の 1/200 〜 1/5 、好ましくは 1/100 〜 1/10
であり、例えば 1〜 500mm、好ましくは10〜 300mmであ
る。
内径の 1/200 〜 1/5 、好ましくは 1/100 〜 1/10
であり、例えば 1〜 500mm、好ましくは10〜 300mmであ
る。
本発明において固体触媒を収容する金鋼、パンチングメ
タルの目開きの大きさは、収容する固体触媒粒子がこぼ
れない程度で、液との接触が十分得られる大きさであれ
ばよい。
タルの目開きの大きさは、収容する固体触媒粒子がこぼ
れない程度で、液との接触が十分得られる大きさであれ
ばよい。
本発明において触媒の量は反応塔の内容積の 1/100 〜
1/ 1.5、好ましくは 1/50〜 1/2 の範囲である。
1/ 1.5、好ましくは 1/50〜 1/2 の範囲である。
固体触媒は、例えば水素化分解、水素化脱金属、水素化
脱硫、水素化脱窒素等の水素化機能を有する触媒であれ
ば特に制限はないが、長期運転の観点から活性は低くて
も原料中に含まれるバナジウム、ニッケル等による活性
低下が著しくないものが好ましい。
脱硫、水素化脱窒素等の水素化機能を有する触媒であれ
ば特に制限はないが、長期運転の観点から活性は低くて
も原料中に含まれるバナジウム、ニッケル等による活性
低下が著しくないものが好ましい。
例えば重質油の水素化分解、水素化脱金属、水素化脱硫
等の重質油処理プロセスに使用する触媒あるいは使用済
触媒を使用することができる。
等の重質油処理プロセスに使用する触媒あるいは使用済
触媒を使用することができる。
またこれらに新触媒を少量混合することもできるし、あ
るいは比較的活性の低い触媒を上記廃触媒の代りに使用
することもできる。固体触媒としては、アルミナ、シリ
カシリカ−アルミナ、アルミナ−ボリア、シリカ−アル
ミナ−マグネシア、シリカ−アルミナ−チタニア、天然
および合成ゼオライト等の無機物質にニッケル、コバル
ト等の第VIII族及びモリブデン、タングステン等の第VI
B族の金属酸化物または硫化物を担持した触媒が例示で
きる。
るいは比較的活性の低い触媒を上記廃触媒の代りに使用
することもできる。固体触媒としては、アルミナ、シリ
カシリカ−アルミナ、アルミナ−ボリア、シリカ−アル
ミナ−マグネシア、シリカ−アルミナ−チタニア、天然
および合成ゼオライト等の無機物質にニッケル、コバル
ト等の第VIII族及びモリブデン、タングステン等の第VI
B族の金属酸化物または硫化物を担持した触媒が例示で
きる。
固体触媒粒子の形状は特に限定はないが、例えば押出し
成型触媒、球状触媒あるいは圧縮成型触媒が用いられ
る。
成型触媒、球状触媒あるいは圧縮成型触媒が用いられ
る。
触媒の粒子直径は 0.01 〜10mm、好ましくは 0.1〜 5mm
が望ましい。
が望ましい。
本発明の運転条件は反応温度は 380〜 470℃、反応圧力
は水素含有ガスによって30〜 150kg/cm2・g 、原料重
質油の反応塔内での滞留時間は 0.2〜10時間が好まし
く、また反応塔内の溶液の循環流速は 1cm/sec 以上、
好ましくは 5〜 100cm/sec が好ましい。
は水素含有ガスによって30〜 150kg/cm2・g 、原料重
質油の反応塔内での滞留時間は 0.2〜10時間が好まし
く、また反応塔内の溶液の循環流速は 1cm/sec 以上、
好ましくは 5〜 100cm/sec が好ましい。
本発明の方法によって、原料重質油中に含まれるバナジ
ウム、ニッケル等の重金属類の30wt%以上を反応塔内の
触媒に付着せしめることができる。
ウム、ニッケル等の重金属類の30wt%以上を反応塔内の
触媒に付着せしめることができる。
本発明の方法に使用する原料油はアスファルテン分(ペ
ンタン不溶分)を 1.0wt%以上、好ましくは 5〜30wt%
含み、沸点 350℃以上の留分が50wt%以上を占める重質
油、常圧残渣油および減圧残渣油あるいは石炭、オイル
サンド、オイルシエール、ビチューメン等から得られる
油等である。
ンタン不溶分)を 1.0wt%以上、好ましくは 5〜30wt%
含み、沸点 350℃以上の留分が50wt%以上を占める重質
油、常圧残渣油および減圧残渣油あるいは石炭、オイル
サンド、オイルシエール、ビチューメン等から得られる
油等である。
本発明において用いられる水素供与性溶剤の好適例の一
つは、多環の芳香族炭化水素の水素化物である。多環の
芳香族炭化水素の例としては 2〜 6環、好ましくは 2〜
4環の芳香族炭化水素またはこれらの誘導体が挙げられ
る。この多環の芳香族炭化水素は 1種または 2種以上を
併用できる。多環の芳香族炭化水素の具体例としてはナ
フタレン、アントラセン、フエナントレン、ピレン、ナ
フタセン、クリセン、ベンゾピレン、ペリレン、ピセン
等またはこれらの誘導体が挙げられる。
つは、多環の芳香族炭化水素の水素化物である。多環の
芳香族炭化水素の例としては 2〜 6環、好ましくは 2〜
4環の芳香族炭化水素またはこれらの誘導体が挙げられ
る。この多環の芳香族炭化水素は 1種または 2種以上を
併用できる。多環の芳香族炭化水素の具体例としてはナ
フタレン、アントラセン、フエナントレン、ピレン、ナ
フタセン、クリセン、ベンゾピレン、ペリレン、ピセン
等またはこれらの誘導体が挙げられる。
また、沸点が 150〜 500℃で、多環の芳香族炭化水素含
有量が30wt%以上の炭化水素油の水素化物も本発明の水
素供与性溶剤として用いるに適する。炭化水素油の具体
例としては接触分解装置(FCC)のサイクル油、接触
改質装置の塔底油、ナフサの熱分解油等の石油から得ら
れる各種の製品またはタール油、アントラセン油、クレ
オソート油、石炭液化油等の石炭から得られる各種製品
等が挙げられる。
有量が30wt%以上の炭化水素油の水素化物も本発明の水
素供与性溶剤として用いるに適する。炭化水素油の具体
例としては接触分解装置(FCC)のサイクル油、接触
改質装置の塔底油、ナフサの熱分解油等の石油から得ら
れる各種の製品またはタール油、アントラセン油、クレ
オソート油、石炭液化油等の石炭から得られる各種製品
等が挙げられる。
本発明に用いる水素含有ガスとは、水素ガスが70wt%以
上含有したガスが好ましく、例えば改質装置からの水素
含有ガスなどが使用できる。
上含有したガスが好ましく、例えば改質装置からの水素
含有ガスなどが使用できる。
[発明の効果] 水素供与性溶剤を用いた重質油の軽質化に本発明の方法
を用いた場合の利点は次の通りである。
を用いた場合の利点は次の通りである。
(1)軽質化が効率的に行なわれる: 触媒の存在によって、分解が効率的に行なわれる。すな
わち触媒が存在しない場合(原料油、水素供与性溶剤お
よび水素ガスのみの場合)に比較して同一運転条件にお
いて分解率が向上し、高品質の製品が得られる。
わち触媒が存在しない場合(原料油、水素供与性溶剤お
よび水素ガスのみの場合)に比較して同一運転条件にお
いて分解率が向上し、高品質の製品が得られる。
(2)炭素質物質の生成が少ない: 水素供与性溶剤を用いて重質油を分解する場合、炭素質
物質の生成が問題となるが、わずかな触媒作用の存在で
この炭素質物質の生成が大巾に抑制される。従って、炭
素質物質に起因する閉塞の問題が大巾に軽減される。
物質の生成が問題となるが、わずかな触媒作用の存在で
この炭素質物質の生成が大巾に抑制される。従って、炭
素質物質に起因する閉塞の問題が大巾に軽減される。
(3)反応塔内での圧力損失増加の問題が解消する: 水素供与性溶剤を用いて重質油を分解する場合、反応塔
内での滞留時間が必要である(一般的には30分以上)、
従って一般の方法においては反応塔内での液流速が大き
くなく、このために炭素質物質の生成ならびにこれに起
因する閉塞の問題が生じる。本発明の方法においては、
反応塔内部で自然循環流を生ぜしめるために液流速が大
きく、この問題を解消される。さらに本発明の方法にお
いては液の主たる流れは触媒層を通過するものではな
い。従って触媒層での圧力損失の上昇は原料油および水
素供与性溶剤の流れとは直接関係なく、触媒層での圧力
損失の上昇によって反応塔での重質油の分解が妨げられ
ることはない。
内での滞留時間が必要である(一般的には30分以上)、
従って一般の方法においては反応塔内での液流速が大き
くなく、このために炭素質物質の生成ならびにこれに起
因する閉塞の問題が生じる。本発明の方法においては、
反応塔内部で自然循環流を生ぜしめるために液流速が大
きく、この問題を解消される。さらに本発明の方法にお
いては液の主たる流れは触媒層を通過するものではな
い。従って触媒層での圧力損失の上昇は原料油および水
素供与性溶剤の流れとは直接関係なく、触媒層での圧力
損失の上昇によって反応塔での重質油の分解が妨げられ
ることはない。
(4)軽質化とともに脱金属が行なわれる: 水素供与性溶剤を用いて重質油を分解すると重質油中に
含まれるバナジウム、ニッケル等の金属は除去され易い
状態になっており、容易に除去されることが本発明者ら
の実験によって確かめられている。本発明の方法におい
ては反応塔内に触媒が存在する。従って、重質油の分解
によって除去され易くなった金属が触媒によって除去さ
れるために軽質化とともに脱金属が行なわれる。すなわ
ち本発明の方法で軽質化された製品は金属含有量が低
く、後続のプロセスにとって極めて有利となる。
含まれるバナジウム、ニッケル等の金属は除去され易い
状態になっており、容易に除去されることが本発明者ら
の実験によって確かめられている。本発明の方法におい
ては反応塔内に触媒が存在する。従って、重質油の分解
によって除去され易くなった金属が触媒によって除去さ
れるために軽質化とともに脱金属が行なわれる。すなわ
ち本発明の方法で軽質化された製品は金属含有量が低
く、後続のプロセスにとって極めて有利となる。
(5)反応塔の構造が簡単である: 水素供与性溶剤による重質油の分解は水素加圧下におい
て行なわれる。従って反応塔は高圧容器となる。反応塔
での圧力損失増加を避けるためには触媒を流動化して実
施することも可能である。しかし、この場合には装置が
複雑化し、高圧装置であるために種々の問題が生じる。
本発明の方法においては、高圧装置には何らの加工を加
えず、単に反応塔内部に固体触媒の成型物を挿入するだ
けで達成できる。従って設備的に非常に簡単であり、か
つ経済的である。
て行なわれる。従って反応塔は高圧容器となる。反応塔
での圧力損失増加を避けるためには触媒を流動化して実
施することも可能である。しかし、この場合には装置が
複雑化し、高圧装置であるために種々の問題が生じる。
本発明の方法においては、高圧装置には何らの加工を加
えず、単に反応塔内部に固体触媒の成型物を挿入するだ
けで達成できる。従って設備的に非常に簡単であり、か
つ経済的である。
[実施例] 以下、実施例および比較例に基づき本発明を具体的に説
明する。
明する。
実施例1 本発明の方法により、アラビアン・ヘビイ減圧残油の軽
質化を目的として、第1図の反応塔により実験を行なっ
た。原料油の性状を第1表に、運転条件を第2表に、反
応塔の寸法を第3表にそれぞれ示した。円筒状の仕切
は、シリカ−アルミナ担体(細孔容積 0.55 cc/g 、表
面積 193m2/g 、平均細孔半径62Å)にコバルト( 3.6
wt%)モリブデン(10.7wt%)を担持した 1/32インチ
押出し成型触媒を円筒状の金鋼中に収容したものであ
る。第1表に示す原料油と水素供与性溶剤(テトラリ
ン)を 1:1 の重量比で反応塔下部より導入し、同時に
水素ガスを同じく反応塔下部より導入し、上記円筒状の
仕切内のみを上昇させた。反応生成物を回収し、テトラ
リンを分離したのち性状を測定した。運転は1300時間連
続して行なったが、圧力損失の増加は全く見られなかっ
た。製品の性状を第1表に、物質収支および水素消費量
を第4表にそれぞれ示した。
質化を目的として、第1図の反応塔により実験を行なっ
た。原料油の性状を第1表に、運転条件を第2表に、反
応塔の寸法を第3表にそれぞれ示した。円筒状の仕切
は、シリカ−アルミナ担体(細孔容積 0.55 cc/g 、表
面積 193m2/g 、平均細孔半径62Å)にコバルト( 3.6
wt%)モリブデン(10.7wt%)を担持した 1/32インチ
押出し成型触媒を円筒状の金鋼中に収容したものであ
る。第1表に示す原料油と水素供与性溶剤(テトラリ
ン)を 1:1 の重量比で反応塔下部より導入し、同時に
水素ガスを同じく反応塔下部より導入し、上記円筒状の
仕切内のみを上昇させた。反応生成物を回収し、テトラ
リンを分離したのち性状を測定した。運転は1300時間連
続して行なったが、圧力損失の増加は全く見られなかっ
た。製品の性状を第1表に、物質収支および水素消費量
を第4表にそれぞれ示した。
比較例1 実施例で示した装置から円筒状の仕切を取除き同一原料
を同一条件で処理した。運転時間は 420時間で圧力損失
の増加が大きいため運転を中止したが、この間に得られ
た製品の性状を第1表に、物質収支および水素消費量を
第4表にそれぞれ示した。
を同一条件で処理した。運転時間は 420時間で圧力損失
の増加が大きいため運転を中止したが、この間に得られ
た製品の性状を第1表に、物質収支および水素消費量を
第4表にそれぞれ示した。
第1〜4表から次のことが考察された。
(1)本発明の方法は長期運転が可能である: 比較例1においては、運転開始後系内の圧力損失が時間
とともに増加し、 420時間で運転を停止せざるを得なか
った。これは分解反応時に炭素質物質が生成し、反応塔
内および反応塔の後の配管内に蓄積し、液およびガスの
流れを妨げ、ついには閉塞するためである。これに対し
実施例1においては、触媒の効果ならびに反応塔内での
液流速が大きいために炭素質物質の生成が少なく、長期
運転が可能であった。
とともに増加し、 420時間で運転を停止せざるを得なか
った。これは分解反応時に炭素質物質が生成し、反応塔
内および反応塔の後の配管内に蓄積し、液およびガスの
流れを妨げ、ついには閉塞するためである。これに対し
実施例1においては、触媒の効果ならびに反応塔内での
液流速が大きいために炭素質物質の生成が少なく、長期
運転が可能であった。
(2)本発明の方法の分解率が高い: 一般に水素供与性溶剤を用いた分解は他の方法に比較し
て高い分解率が得られるが、これに触媒を存在させるこ
とによって気相の水素をより有効に利用できるために同
一反応条件においてもより高い分解率が得られる(第1
表参照)、すなわち軟質化が進み(第4表参照)、また
逆に同一分解率を得るためには、運転条件をマイルドに
することができる。
て高い分解率が得られるが、これに触媒を存在させるこ
とによって気相の水素をより有効に利用できるために同
一反応条件においてもより高い分解率が得られる(第1
表参照)、すなわち軟質化が進み(第4表参照)、また
逆に同一分解率を得るためには、運転条件をマイルドに
することができる。
(3)優れた性状の製品が得られる: 第1表に示すとおり、実施例1においては比較例1と比
較して軟質化が進み、かつ 565℃以上のアスファルテン
分(ペンタン不溶分)の減少が著しい。またH/C(原
子比)が大きいことがわかる。これは触媒の存在により
水素の油への移行が多く行なわれ、その結果、製品の水
素化がすすみ、より良好な製品が得られることを示す。
較して軟質化が進み、かつ 565℃以上のアスファルテン
分(ペンタン不溶分)の減少が著しい。またH/C(原
子比)が大きいことがわかる。これは触媒の存在により
水素の油への移行が多く行なわれ、その結果、製品の水
素化がすすみ、より良好な製品が得られることを示す。
(4)脱金属が行なわれる: 一般に水素供与性溶剤により重質油を分解すると、重質
油中に含まれるバナジウム、ニッケル等の金属は除去さ
れ易い状態になる。この際、触媒が存在することにより
脱金属が行なわれる。比較例1においては、大部分の金
属が製品中に残存しているにもかかわらず、第1表の実
施例1においては約90%の金属が除去され、触媒に付着
する。この事実はこの後のプロセスを考える場合、非常
に有利となる。すなわち、これらの金属は触媒活性低下
の原因となるため、後続プロセスにとって予め金属を除
去しておくことは触媒活性低下が少なく、非常に有利と
なる。なお、反応塔内に使用する触媒は金属付着能力の
大きな触媒を使用することが好ましい。
油中に含まれるバナジウム、ニッケル等の金属は除去さ
れ易い状態になる。この際、触媒が存在することにより
脱金属が行なわれる。比較例1においては、大部分の金
属が製品中に残存しているにもかかわらず、第1表の実
施例1においては約90%の金属が除去され、触媒に付着
する。この事実はこの後のプロセスを考える場合、非常
に有利となる。すなわち、これらの金属は触媒活性低下
の原因となるため、後続プロセスにとって予め金属を除
去しておくことは触媒活性低下が少なく、非常に有利と
なる。なお、反応塔内に使用する触媒は金属付着能力の
大きな触媒を使用することが好ましい。
第1〜3図は本発明に用いられる反応塔を示し、(a )
は反応塔の縦断面図、(b )は反応塔の横断面図、第4
図( a)および( b)は本発明に用いられる仕切の斜視
図であり、( a)は円筒状、( b)は平板状である。 1……導入管、2……仕切、3……ガス、 4……出口管、5……反応塔。
は反応塔の縦断面図、(b )は反応塔の横断面図、第4
図( a)および( b)は本発明に用いられる仕切の斜視
図であり、( a)は円筒状、( b)は平板状である。 1……導入管、2……仕切、3……ガス、 4……出口管、5……反応塔。
Claims (11)
- 【請求項1】水素化機能を有する固体触媒を収容する仕
切で反応塔の内部を垂直方向に少くとも二つの部分に区
画し、かつ該各区画部分を上部および下部において連通
せしめた反応塔に、前記の各区画部分のうち少くとも一
つの部分の下部より原料重質油、水素供与性溶剤および
水素含有ガスを導入し、他の区画部分との間に液の循環
を生ぜしめることを特徴とする重質油の軽質化方法。 - 【請求項2】前記反応塔における反応温度を 380〜 470
℃に保つ特許請求の範囲第1項記載の方法。 - 【請求項3】前記反応塔における反応圧力を水素含有ガ
スによって30〜 150kg/cm2・g に保つ特許請求の範囲
第1項記載の方法。 - 【請求項4】前記反応塔内の液の循環流速が 1cm/sec
以上である特許請求の範囲第1項記載の方法。 - 【請求項5】前記反応塔内での原料重質油の滞留時間が
0.2〜10時間である特許請求の範囲第1項記載の方法。 - 【請求項6】前記原料重質油がアスファルテン分(ペン
タン不溶分)を 1.0wt%以上含有する特許請求の範囲第
1項記載の方法。 - 【請求項7】前記水素供与性溶剤が多環の芳香族炭化水
素の水素化物である特許請求の範囲第1項記載の方法。 - 【請求項8】前記水素供与性溶剤が沸点 150〜 500℃で
多環の芳香族炭化水素含有量が30wt%以上の炭化水素油
の水素化物である特許請求の範囲第1項記載の方法。 - 【請求項9】前記原料重質油中に含まれる金属の30wt%
以上が反応塔内の触媒により除去される特許請求の範囲
第1項記載の方法。 - 【請求項10】前記固体触媒を収容する仕切が、押出し
成型触媒、球状触媒、圧縮成型触媒から選ばれる 1種ま
たは 2種以上の触媒粒子が金網、パンチングメタルに収
容されているものである特許請求の範囲第1項記載の方
法。 - 【請求項11】前記固体触媒を収容する仕切が、バイン
ダーで結合された触媒粒子の集合体である特許請求の範
囲第1項記載の方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7536485A JPH0633365B2 (ja) | 1985-04-11 | 1985-04-11 | 重質油の軽質化方法 |
US06/770,734 US4640765A (en) | 1984-09-04 | 1985-08-29 | Method for cracking heavy hydrocarbon oils |
AU47012/85A AU573892B2 (en) | 1984-09-04 | 1985-09-03 | Hydrogenizing heavy hc |
CA000489890A CA1269631A (en) | 1984-09-04 | 1985-09-03 | Method for hydrogenizing heavy hydrocarbon oils |
EP85111186A EP0176795B1 (en) | 1984-09-04 | 1985-09-04 | Method for hydrogenizing heavy hydrocarbon oils |
DE8585111186T DE3583274D1 (de) | 1984-09-04 | 1985-09-04 | Verfahren zur hydrokrackung von schweren kohlenwasserstoffoelen. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7536485A JPH0633365B2 (ja) | 1985-04-11 | 1985-04-11 | 重質油の軽質化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61235492A JPS61235492A (ja) | 1986-10-20 |
JPH0633365B2 true JPH0633365B2 (ja) | 1994-05-02 |
Family
ID=13574091
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7536485A Expired - Lifetime JPH0633365B2 (ja) | 1984-09-04 | 1985-04-11 | 重質油の軽質化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0633365B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04120192A (ja) * | 1990-09-11 | 1992-04-21 | Agency Of Ind Science & Technol | 重質油留分の軽質化方法 |
-
1985
- 1985-04-11 JP JP7536485A patent/JPH0633365B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61235492A (ja) | 1986-10-20 |
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