JPH06320252A - 加熱・冷却通路孔を有する成形用金型の製造方法 - Google Patents

加熱・冷却通路孔を有する成形用金型の製造方法

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JPH06320252A
JPH06320252A JP11328493A JP11328493A JPH06320252A JP H06320252 A JPH06320252 A JP H06320252A JP 11328493 A JP11328493 A JP 11328493A JP 11328493 A JP11328493 A JP 11328493A JP H06320252 A JPH06320252 A JP H06320252A
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molten metal
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Akio Okamoto
昭男 岡本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 キャビティ部へ金属溶湯を注入して鋳ぐるみ
金属パイプと完全溶融させて成形用金型内に崩壊性砂の
粗さをもった加熱・冷却通路孔を形成させる。 【構成】 崩壊性砂を詰めた所定形状の金属パイプを鋳
型のキャビティ内の所定位置に設置する。キャビティ部
へ注入した金属溶湯によって金属パイプを鋳ぐるみ、冷
却固化後に崩壊性砂を除去し、加熱・冷却通路孔を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属あるいは樹脂等の
成形用金型の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4および図5は従来金型の断面図を示
す。図4は機械加工または鋳造法で製作した金型1に、
ドリルなどの穿孔道具を用いて所望する箇所に加熱また
は冷却媒体通路用孔2を穿設していた。また、図5は熱
伝導性の良い金属管5を金型の表面近傍に鋳ぐるみ鋳造
法によって一体鋳造し、加熱または冷却媒体通路用孔3
を形成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した成
形用金型を製造する場合、まず、図4に示すような金型
1に加熱または冷却媒体通路用孔2を穿設する場合に
は、 加熱または冷却媒体通路用孔2が直線的にしか加工
できないため、金型成形面の凹凸部で加熱、冷却ムラが
生じる。そのため、成形品表面性不良、変形、焼付き等
の成形不良が発生する。 加熱または冷却媒体通路用孔2を金型成形面に沿っ
て金型成形面の表面近傍に配設することができないた
め、金型成形面の加熱・冷却に時間を要し、成形サ ページ(2) イクルが長くなる。 金型成形面が複雑形状を有している場合には機械加
工は極めて困難であり、かつ、加工費が高い。
【0004】次に、図5に示すように、金型1内に加熱
または冷却媒体通路用孔3を鋳ぐるみ法によって形成す
る場合には、 例えば銅パイプ等の熱伝導性の良い鋳ぐるみ用金属
パイプ5が鋳造中に注入する金属溶湯と合金化反応(溶
湯のアルミニウムと銅パイプが反応して銅パイプが溶損
する)を起こして瞬時に溶損するため、加熱または冷却
媒体通路用孔3を形成することは極めて困難である。 そのため、予め鋳ぐるみ用金属パイプ5の表面に耐
熱被覆層等を形成させる溶損防止処理工程が必要とな
り、金型製造工程が複雑になる。 さらに、溶損防止処理を施したために、鋳ぐるみ用
金属パイプ5と金型1間の微小隙間には耐熱被覆層が残
存し、その結果金型成形面の加熱・冷却に時間を要し、
成形サイクルが長くなる。 などの問題があった。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に着目し、キ
ャビティ部へ金属溶湯を注入して鋳ぐるみ金属パイプと
完全溶融させて成形用金型内に崩壊性砂の粗さをもった
加熱・冷却通路孔を形成させることを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る加熱・冷却通路孔を有する成形用金型
の製造方法は、崩壊性砂を詰めた所定形状の金属パイプ
を鋳型のキャビティ内の所定位置に設置し、前記鋳型の
キャビティ部へ金属溶湯を注入して前記金属パイプを溶
融によって鋳ぐるみ、キャビティ部へ注入した金属溶湯
固化後に残存する崩壊性砂のみを崩壊除去することによ
り加熱または冷却媒体通路孔を形成させるようにした。
【0007】ページ(3)
【作用】所定形状に変形させるとともに崩壊性砂を詰め
た金属パイプを鋳型のキャビティ部へ設置する。つい
で、キャビティ部へ金属溶湯を注入して金属パイプとの
完全溶融による鋳ぐるみが行われ、境目のない一体金型
成形の製造が行われる。こうすることにより従来のよう
に金属パイプを介することなく効率のよい加熱・冷却が
行える。
【0008】
【実施例】以下に、本発明に係る加熱・冷却通路孔を有
する成形用金型の製造方法の具体的実施例を図面を参照
して説明する。
【0009】まず、図1(1)に示すように本発明者等
は例えば純アルミニウムパイプ10(融点650℃)を
金型1表面のキャビティ部12に沿った類似形状に曲げ
加工しておく。前記アルミニウムパイプ10の一端部1
0aに盲栓14をした後、盲栓14側を下方にして起立
させ、開放状態の他端部10bから予め調合された崩壊
性砂16を投入容器18から投入し充填する(図1
(2))。なお、前記アルミニウムパイプ10へ崩壊性
砂16の充填中あるいは充填完了後は必要に応じて加振
しながら所定の嵩密度の範囲内に充填しておく。
【0010】崩壊性砂16をアルミニウムパイプ10に
充填した状態で、約200℃の温度にて10〜30分間
加熱すると崩壊性砂16は固化する(図2(1))。つ
いで、アルミニウムパイプ10内に崩壊性砂16が固化
したものを図2(2)に示すように下鋳型枠20aに取
付けた後、例えば700〜740℃のアルミニウム合金
溶湯22を柄杓24に汲んで図2(2)のように流し込
む。ここで、符号20bは上鋳型枠、26はセラミック
部、28は製品キャビティ部、30は鋳物砂部を示す。
なお、崩壊性砂16が固化したアルミニウムパイプ10
の下鋳型枠20aへの取付けに際し、アルミニウムパイ
プ10の外部表面から金型キャビティ部12までの深さ
が、例えば10〜30mmとなるようにし、さらに、複
数本のアルミニ ページ(4) ウムパイプ10を配設した場合、アルミニウムパイプ1
0の配列ピッチは例えば25mmとした。
【0011】而して、前述のようにしてアルミニウム合
金溶湯22を製品キャビティ部28に注入すると、アル
ミニウムパイプ10は溶融温度に達してアルミニウム合
金溶湯22に融着される。つまりアルミニウムパイプ1
0はアルミニウム合金溶湯22に溶融して鋳ぐるまれ、
これと一体化される。(図3(1))。こうして、注入
されたアルミニウム合金22を所定時間冷却させると、
製品キャビティ部28の溶湯22が固化したいわゆる製
品金型28ができる。この後、図3(1)において押湯
部32を切断して製品金型28とする。
【0012】製品金型28内部に充填された崩壊性砂1
6はアルミニウム合金溶湯22を製品キャビティ部28
に注入した際、溶湯熱により粘結性を喪失した状態とな
り、図3(2)に示すように、製品金型28を起立させ
ると崩壊性砂16は崩壊して落下し、金型28中に加熱
または冷却通路孔34を有した鋳造金型28ができる
(図3(3))。前述した製品金型28内の崩壊性砂1
6の除去の際には製品金型28を加振させてもよい。
【0013】ここで図1ないし図3の実施例の諸条件
は、 鋳ぐるみパイプ 外形;10〜16mm(肉厚;1.0〜2.0mm) 材質;純アルミニウム(融点;650℃) 製品金型部 アルミニウム合金(溶解温度;700〜740℃) 材質;アルミニウム合金(AC4C) 崩壊性砂の組成 フィラ;レジンコーティング砂 平均粒度 90μm:20μm=2:3 バインダ;フェノール樹脂 添加量 0.8〜1.8% ページ(5) 崩壊助剤;有機酸アルカリ金属塩 (例えば酢酸Ca、酢酸Zu)添加量3% 硬化条件;200℃×10〜30分加熱。 崩壊条件;アルミニウム合金溶湯注入中溶湯熱により崩
壊性向上。
【0014】本実施例では、加熱および冷却通路孔34
を同一ピッチで配設したが、金型キャビティ部12の複
雑形状度に応じてピッチを変えてもよい。また、鋳ぐる
みパイプを熱容量の小さいアルミニウムパイプ10とし
たが、製品金型部28の鋳造品材質をSKD・61相当
材とし、この時の鋳ぐるみ材をJIS配管用炭素鋼鋼管
(SGP)にして本実施例と同様な方法にて製品金型2
8内に加熱・冷却通路孔34を設けるようにしてもよ
い。
【0015】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では崩壊性砂を詰めた所定形状の金属パイプ
を鋳型のキャビティ内の所定位置に設置し、前記鋳型の
キャビティ部へ金属溶湯を注入して前記金属パイプを溶
融によって鋳ぐるみ、キャビティ部へ注入した金属溶湯
固化後に残存する崩壊性砂のみを崩壊除去し、加熱また
は冷却媒体通路孔を形成させるようにしたことにより、
金属溶湯と金属パイプが完全溶融して一体形成されるた
め、加熱または冷却時の熱伝導率が大幅に向上する。ま
た、所定位置に設けられた加熱・冷却通路孔に加熱・冷
却媒体を流して金型を強制冷却するので、金型への熱の
出入を効果的に制御除去でき、金型の寿命を延ばすだけ
でなく、金型で作られた製品の品質レベルをも上げるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形用金型の製造方法を示す説明
図である。
【図2】本発明に係る成形用金型の製造方法を示す説明
図である。
【図3】本発明に係る成形用金型の製造方法を示す説明
図である。 ページ(6)
【図4】従来の金型の断面図である。
【図5】従来の金型の断面図である。
【符号の説明】
10 アルミニウムパイプ 12 キャビティ部 16 崩壊性砂 20 鋳型枠 22 アルミニウム合金溶湯 26 セラミック部 28 製品金型部 30 鋳物砂部 34 加熱または冷却通路孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 崩壊性砂を詰めた所定形状の金属パイプ
    を鋳型のキャビティ内の所定位置に設置し、前記鋳型の
    キャビティ部へ金属溶湯を注入して前記金属パイプを溶
    融によって鋳ぐるみ、キャビティ部へ注入した金属溶湯
    固化後に残存する崩壊性砂のみを崩壊除去することによ
    り加熱または冷却媒体通路孔を形成させるようにしたこ
    とを特徴とする加熱・冷却通路孔を有する成形用金型の
    製造方法。
JP5113284A 1993-05-14 1993-05-14 加熱・冷却通路孔を有する成形用金型の製造方法 Expired - Lifetime JP3053042B2 (ja)

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