JPH06246548A - 高接触疲労強度歯車の製造方法 - Google Patents
高接触疲労強度歯車の製造方法Info
- Publication number
- JPH06246548A JPH06246548A JP3582793A JP3582793A JPH06246548A JP H06246548 A JPH06246548 A JP H06246548A JP 3582793 A JP3582793 A JP 3582793A JP 3582793 A JP3582793 A JP 3582793A JP H06246548 A JPH06246548 A JP H06246548A
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- Japan
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- gear
- cutting
- tooth surface
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- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 自動車のトランスミッション等の駆動伝達系
に使用される歯車の接触疲労強度の向上を目的とする。 【構成】 機械構造用鋼を歯切り加工し、浸炭及び/ま
たは窒化処理と焼入・焼戻処理により表面硬化した後
に、歯面を粗さ(Rmax )0.3μm以上、2μm以下
にバレル研磨加工することを特徴とする高接触疲労強度
歯車の製造方法。 【効果】 接触疲労強度が数100%向上する。
に使用される歯車の接触疲労強度の向上を目的とする。 【構成】 機械構造用鋼を歯切り加工し、浸炭及び/ま
たは窒化処理と焼入・焼戻処理により表面硬化した後
に、歯面を粗さ(Rmax )0.3μm以上、2μm以下
にバレル研磨加工することを特徴とする高接触疲労強度
歯車の製造方法。 【効果】 接触疲労強度が数100%向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接触疲労強度の高い歯車
の製造方法に係わり、特に自動車のトランスミッション
等の駆動伝達系に使用される表面硬化処理した鋼製歯車
の製造方法に関するものである。
の製造方法に係わり、特に自動車のトランスミッション
等の駆動伝達系に使用される表面硬化処理した鋼製歯車
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の駆動系に使用される歯車の一般
的な製造工程は、鍛造、焼きならし、歯切り加工後に浸
炭及び/または窒化処理+焼入焼戻処理(以後表面硬化
処理とする。)である。しかし、最近、車両重量の軽量
化のために歯車寸法の小型化及びエンジンの高出力化に
伴って歯車に負荷される応力が大きくなり、歯元の曲げ
疲労強度、及び歯面のピッチング疲労強度、とりわけ歯
面の接触疲労強度の一層の向上が要求されるようになっ
てきた。
的な製造工程は、鍛造、焼きならし、歯切り加工後に浸
炭及び/または窒化処理+焼入焼戻処理(以後表面硬化
処理とする。)である。しかし、最近、車両重量の軽量
化のために歯車寸法の小型化及びエンジンの高出力化に
伴って歯車に負荷される応力が大きくなり、歯元の曲げ
疲労強度、及び歯面のピッチング疲労強度、とりわけ歯
面の接触疲労強度の一層の向上が要求されるようになっ
てきた。
【0003】歯元の曲げ疲労強度については、圧縮残留
応力の最大値、または残留応力の深さ方向積分値が疲労
強度と強い相関関係にあることが報告されており(例え
ば、自動車技術会、学術講演会前刷集891,1989-5,p163
、同902,1990-10,p1301 )、特開昭62−20007
1及び特開平3−2319号公報に見られるように、工
業的に有効な新しい製造工程、即ち、歯切り加工→浸炭
及び/または窒化処理→焼入焼戻処理→ショットピーニ
ング加工が提案され既に実績をあげている。また、鋼材
の側からの対策として、例えば特開平3−10050号
公報に見られるように粒界酸化を抑制して歯元の曲げ疲
労強度を向上させた新しい鋼が提案されている。
応力の最大値、または残留応力の深さ方向積分値が疲労
強度と強い相関関係にあることが報告されており(例え
ば、自動車技術会、学術講演会前刷集891,1989-5,p163
、同902,1990-10,p1301 )、特開昭62−20007
1及び特開平3−2319号公報に見られるように、工
業的に有効な新しい製造工程、即ち、歯切り加工→浸炭
及び/または窒化処理→焼入焼戻処理→ショットピーニ
ング加工が提案され既に実績をあげている。また、鋼材
の側からの対策として、例えば特開平3−10050号
公報に見られるように粒界酸化を抑制して歯元の曲げ疲
労強度を向上させた新しい鋼が提案されている。
【0004】また、歯面の接触疲労強度に関しては、接
触疲労の原因は歯面に発生するピッチングであることが
知られている。ピッチングが発生する原因に関しては、
歯車内部のせん断応力説と歯面の引張応力説が提示され
ているが定説にはなっていない。これらの説にもとづい
て、歯車の圧力角を大きくすること、片当りを緩和する
ためのクラウニング法、歯面カタサ及び硬化深さを大き
くすること、界面潤滑法などが提案(内藤武志著:浸炭
焼入れの実際、P229−233、日刊工業新聞社)さ
れている。
触疲労の原因は歯面に発生するピッチングであることが
知られている。ピッチングが発生する原因に関しては、
歯車内部のせん断応力説と歯面の引張応力説が提示され
ているが定説にはなっていない。これらの説にもとづい
て、歯車の圧力角を大きくすること、片当りを緩和する
ためのクラウニング法、歯面カタサ及び硬化深さを大き
くすること、界面潤滑法などが提案(内藤武志著:浸炭
焼入れの実際、P229−233、日刊工業新聞社)さ
れている。
【0005】一方、接触疲労強度を向上させるための工
業的な技術としては、歯面の接触疲労強度に関しては特
開昭62−88869号公報にみられるように、歯切り
加工→表面硬化処理→ラッピング加工→浸硫処理して歯
面に潤滑層を形成させる方法、また特開平1−2647
27号公報に見られるように歯切り加工→表面硬化処理
→ショットピーニング後さらに立方晶窒化ホウ素ホイー
ルで研削することにより歯車の最表面に圧縮残留応力の
最大値をもたらす方法、等が提案されている。
業的な技術としては、歯面の接触疲労強度に関しては特
開昭62−88869号公報にみられるように、歯切り
加工→表面硬化処理→ラッピング加工→浸硫処理して歯
面に潤滑層を形成させる方法、また特開平1−2647
27号公報に見られるように歯切り加工→表面硬化処理
→ショットピーニング後さらに立方晶窒化ホウ素ホイー
ルで研削することにより歯車の最表面に圧縮残留応力の
最大値をもたらす方法、等が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
は現行の製作工程よりも煩雑でコストが嵩むにもかかわ
らず大きな効果が得られない。例えば特開昭62−88
869号公報のような浸硫処理により形成された潤滑層
は、摩耗し易く潤滑効果は接触の初期しか期待できな
い。また、特開平1−264727号公報のように表面
硬化処理またはショットピーニング後に歯面を研削する
と、その研削痕からクラックが生じ易くかえって接触疲
労強度を劣化させるとされている。すなわち歯面の接触
疲労強度に関して高強度化のための有効な知見及び工業
的に有益な技術ともに未だ見いだされていないのが現状
である。
は現行の製作工程よりも煩雑でコストが嵩むにもかかわ
らず大きな効果が得られない。例えば特開昭62−88
869号公報のような浸硫処理により形成された潤滑層
は、摩耗し易く潤滑効果は接触の初期しか期待できな
い。また、特開平1−264727号公報のように表面
硬化処理またはショットピーニング後に歯面を研削する
と、その研削痕からクラックが生じ易くかえって接触疲
労強度を劣化させるとされている。すなわち歯面の接触
疲労強度に関して高強度化のための有効な知見及び工業
的に有益な技術ともに未だ見いだされていないのが現状
である。
【0007】本発明はかかる実状に鑑み、自動車のトラ
ンスミッション等の駆動伝達系に使用される表面硬化処
理した接触疲労強度に優れる良好な鋼製歯車の製造方法
を提供せんとするものである。
ンスミッション等の駆動伝達系に使用される表面硬化処
理した接触疲労強度に優れる良好な鋼製歯車の製造方法
を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は種々検討を
重ねた結果、従来の加工法と異なり、歯切りまたは歯切
り+シェービング加工された機械構造用鋼歯車の歯面を
バレル研磨加工してその歯面粗さ(Rmax )を0.3μ
m以上2μm以下にする新しい製造方法を採用すれば、
歯面の接触疲労強度が著しく向上することを見出すこと
により本発明を完成したものである。
重ねた結果、従来の加工法と異なり、歯切りまたは歯切
り+シェービング加工された機械構造用鋼歯車の歯面を
バレル研磨加工してその歯面粗さ(Rmax )を0.3μ
m以上2μm以下にする新しい製造方法を採用すれば、
歯面の接触疲労強度が著しく向上することを見出すこと
により本発明を完成したものである。
【0009】即ち、本発明の要旨とするところは、機械
構造用鋼を歯切りまたは歯切り+シェービング加工し、
浸炭処理および/または窒化処理と焼入・焼戻処理によ
り表面硬化した後、歯面を粗さ(Rmax )0.3μm以
上2μm以下にバレル研磨加工するか、もしくは、歯切
りまたは歯切り+シェービング加工後に、歯面を粗さ
(Rmax )0.3μm以上2μm以下にバレル研磨加工
し、次いで浸炭処理あるいは窒化処理もしくは浸炭窒化
処理のいずれかの方法と焼入・焼戻処理により表面硬化
することを特徴とする高接触疲労強度歯車の製造方法に
ある。
構造用鋼を歯切りまたは歯切り+シェービング加工し、
浸炭処理および/または窒化処理と焼入・焼戻処理によ
り表面硬化した後、歯面を粗さ(Rmax )0.3μm以
上2μm以下にバレル研磨加工するか、もしくは、歯切
りまたは歯切り+シェービング加工後に、歯面を粗さ
(Rmax )0.3μm以上2μm以下にバレル研磨加工
し、次いで浸炭処理あるいは窒化処理もしくは浸炭窒化
処理のいずれかの方法と焼入・焼戻処理により表面硬化
することを特徴とする高接触疲労強度歯車の製造方法に
ある。
【0010】
【作用】まず、本発明による高接触疲労強度歯車の製造
方法は、切削加工+表面硬化処理後に、または切削加工
+表面硬化処理+ショットピーニング処理後に、バレル
研磨加工することが必要である。それは切削加工時の表
面欠陥、即ち送りマーク、構成刃先の脱落物、介在物の
抜け落ち跡などを極力除去するためである。歯面の粗さ
Rmax を2μm以下に限定したのは、切削加工時の表面
欠陥がピッチングの原因とならないだけ十分小さくする
ためである。また、歯面の粗さRmax を0.3μm以上
と限定したのは、これ以下にするためには加工コストが
著しく大きくなる割に疲労寿命の向上が期待できないか
らである。費用対効果の点から0.3μm以上と限定し
た。
方法は、切削加工+表面硬化処理後に、または切削加工
+表面硬化処理+ショットピーニング処理後に、バレル
研磨加工することが必要である。それは切削加工時の表
面欠陥、即ち送りマーク、構成刃先の脱落物、介在物の
抜け落ち跡などを極力除去するためである。歯面の粗さ
Rmax を2μm以下に限定したのは、切削加工時の表面
欠陥がピッチングの原因とならないだけ十分小さくする
ためである。また、歯面の粗さRmax を0.3μm以上
と限定したのは、これ以下にするためには加工コストが
著しく大きくなる割に疲労寿命の向上が期待できないか
らである。費用対効果の点から0.3μm以上と限定し
た。
【0011】また、本発明による高接触疲労強度歯車の
製造方法においては、加工の順序としてバレル研磨加工
後に表面硬化処理することも含むものである。それは表
面硬化処理時に発生する、歯面からほぼ15μm程度の
厚みを持つ粒界酸化層及び軟化層の生成を極力抑制する
ためである。この粒界酸化層は、例えば昭和54年8月
30日日刊工業新聞社発行「浸炭焼入の実際」180〜
188頁に見られるように、浸炭ガス中の微量のH2 O
やCO2 が粒界のCrやMn等の合金元素と反応して酸
化物を形成するために生成し、軟化層は粒内のCr、M
nが粒界に拡散するために焼入性が低下するために生じ
る。この場合、バレル研磨加工後の歯面の粗さRmax を
2μm以下に限定したのは、この値を超えると歯面への
酸素の吸着が著しくなり粒界酸化の程度が大きくなり、
その結果、これを起点に疲労クラックが発生してピッチ
ングに成長し接触疲労強度が低下するためである。歯面
の粗さが2μm以下であれば疲労クラックは全く発生し
ない。またバレル研磨加工後の歯面の粗さRmax を0.
3μm以上と限定したのは、この値よりも小さいと接触
面への潤滑油の浸入が困難となるために、亀裂発生を促
してかえって接触疲労強度を劣化させるためである。
製造方法においては、加工の順序としてバレル研磨加工
後に表面硬化処理することも含むものである。それは表
面硬化処理時に発生する、歯面からほぼ15μm程度の
厚みを持つ粒界酸化層及び軟化層の生成を極力抑制する
ためである。この粒界酸化層は、例えば昭和54年8月
30日日刊工業新聞社発行「浸炭焼入の実際」180〜
188頁に見られるように、浸炭ガス中の微量のH2 O
やCO2 が粒界のCrやMn等の合金元素と反応して酸
化物を形成するために生成し、軟化層は粒内のCr、M
nが粒界に拡散するために焼入性が低下するために生じ
る。この場合、バレル研磨加工後の歯面の粗さRmax を
2μm以下に限定したのは、この値を超えると歯面への
酸素の吸着が著しくなり粒界酸化の程度が大きくなり、
その結果、これを起点に疲労クラックが発生してピッチ
ングに成長し接触疲労強度が低下するためである。歯面
の粗さが2μm以下であれば疲労クラックは全く発生し
ない。またバレル研磨加工後の歯面の粗さRmax を0.
3μm以上と限定したのは、この値よりも小さいと接触
面への潤滑油の浸入が困難となるために、亀裂発生を促
してかえって接触疲労強度を劣化させるためである。
【0012】なお、本発明に於いてバレル研磨加工方法
自体は特に限定するものではないが、アルミナ質焼結体
の微粉、界面活性材及び水の混合物を研磨材として2〜
8時間加工することが望まれる。また本発明による高接
触疲労強度歯車の製造方法において、前記で限定した加
工順序およびバレル研磨加工による面の仕上げ状態以外
の、浸炭や窒化といった表面硬化方法等は特に限定する
ものではなく、現状の歯車製作における方法をそのまま
利用することができる。ただし、表面硬化処理自体は歯
面部の耐接触疲労特性を向上させるために必須であり、
経済的な観点から考えれば、浸炭:930℃×8時間
(カーボンポテンシャルC.P.=0.85)→油焼入
(120℃)および焼戻し:180℃×1時間→空冷の
条件等が適当である。
自体は特に限定するものではないが、アルミナ質焼結体
の微粉、界面活性材及び水の混合物を研磨材として2〜
8時間加工することが望まれる。また本発明による高接
触疲労強度歯車の製造方法において、前記で限定した加
工順序およびバレル研磨加工による面の仕上げ状態以外
の、浸炭や窒化といった表面硬化方法等は特に限定する
ものではなく、現状の歯車製作における方法をそのまま
利用することができる。ただし、表面硬化処理自体は歯
面部の耐接触疲労特性を向上させるために必須であり、
経済的な観点から考えれば、浸炭:930℃×8時間
(カーボンポテンシャルC.P.=0.85)→油焼入
(120℃)および焼戻し:180℃×1時間→空冷の
条件等が適当である。
【0013】
【実施例】次に実施例により本発明の効果をさらに具体
的に示す。 (実施例1)本発明の加工方法は以下の通りである。J
IS SCM415H肌焼鋼を切削加工し、浸炭:93
0℃×8hr(C.P.=0.85)油焼入(120
℃)、焼戻:180℃×1hr空冷の条件で表面硬化処理
した後、バレル研磨加工により歯面の表面粗さをRmax
0.3〜2.0μmとした。
的に示す。 (実施例1)本発明の加工方法は以下の通りである。J
IS SCM415H肌焼鋼を切削加工し、浸炭:93
0℃×8hr(C.P.=0.85)油焼入(120
℃)、焼戻:180℃×1hr空冷の条件で表面硬化処理
した後、バレル研磨加工により歯面の表面粗さをRmax
0.3〜2.0μmとした。
【0014】比較のための加工方法は現在の歯車の加工
方法に準拠して以下の通りとした。(その1)切削加工
−表面硬化処理、(その2)切削加工−表面硬化処理−
研削加工、(その3)切削加工−表面硬化処理−ショッ
トピーニング、(その4)切削加工−表面硬化処理−シ
ョットピーニング−研削。
方法に準拠して以下の通りとした。(その1)切削加工
−表面硬化処理、(その2)切削加工−表面硬化処理−
研削加工、(その3)切削加工−表面硬化処理−ショッ
トピーニング、(その4)切削加工−表面硬化処理−シ
ョットピーニング−研削。
【0015】切削は超硬工具で旋削した。切削仕上げ面
粗さはRmax :5〜8μmである。表面硬化処理条件は
浸炭:930℃×8hr(C.P.=0.85)油焼入
(120℃)、焼戻:180℃×1hr空冷、である。研
削加工はWAの80番の砥石を用い、粗さRmax は1〜
2.0μmである。ショットピーニング条件は、ショッ
ト球:0.6〜1.2mmφでHV600の鋳鉄球、ショ
ット速度:60m/s 、ショット時間:5min である。バ
レル研磨加工条件は次の通りである。まず、直径5〜1
2mmのアルミナ質焼結体、界面活性材及び水の混合物を
研磨材として2〜4時間、粗加工し、次いで直径1〜3
mmのアルミナ質焼結体、界面活性材及び水の混合物を研
磨材として2〜4時間仕上げ加工した。
粗さはRmax :5〜8μmである。表面硬化処理条件は
浸炭:930℃×8hr(C.P.=0.85)油焼入
(120℃)、焼戻:180℃×1hr空冷、である。研
削加工はWAの80番の砥石を用い、粗さRmax は1〜
2.0μmである。ショットピーニング条件は、ショッ
ト球:0.6〜1.2mmφでHV600の鋳鉄球、ショ
ット速度:60m/s 、ショット時間:5min である。バ
レル研磨加工条件は次の通りである。まず、直径5〜1
2mmのアルミナ質焼結体、界面活性材及び水の混合物を
研磨材として2〜4時間、粗加工し、次いで直径1〜3
mmのアルミナ質焼結体、界面活性材及び水の混合物を研
磨材として2〜4時間仕上げ加工した。
【0016】また、ローラピッチング試験条件は次のと
おりである。 ヘルツ応力 Pmax :280kgf/mm2 及び310kgf/mm
2 周速度 :82m/min(小歯車−試験片) 1
14m/min(大歯車) 滑り率 :40% 寿命判定基準 :ピッチング損傷の寸法が0.5φ
mmに到達するまでの回転数。回転数が107 に到達した
場合は試験を中止し、寿命は107 以上とした。 表1から明らかなように本発明例の接触疲労寿命はいず
れのヘルツ応力の場合にも比較例の疲労寿命と比較して
著しく高い。
おりである。 ヘルツ応力 Pmax :280kgf/mm2 及び310kgf/mm
2 周速度 :82m/min(小歯車−試験片) 1
14m/min(大歯車) 滑り率 :40% 寿命判定基準 :ピッチング損傷の寸法が0.5φ
mmに到達するまでの回転数。回転数が107 に到達した
場合は試験を中止し、寿命は107 以上とした。 表1から明らかなように本発明例の接触疲労寿命はいず
れのヘルツ応力の場合にも比較例の疲労寿命と比較して
著しく高い。
【0017】
【表1】
【0018】(実施例2)本発明の加工方法は以下の通
りである。JIS SCM415H肌焼鋼を切削加工し
た後、バレル研磨加工により歯面の表面粗さをR
max 0.3〜3.0μmとした。次いで、浸炭:930
℃×8hr(C.P.=0.85)油焼入(120℃)、
焼戻:180℃×1hr空冷の条件で表面硬化処理した。
なお、比較例の加工方法は実施例1と同一である。
りである。JIS SCM415H肌焼鋼を切削加工し
た後、バレル研磨加工により歯面の表面粗さをR
max 0.3〜3.0μmとした。次いで、浸炭:930
℃×8hr(C.P.=0.85)油焼入(120℃)、
焼戻:180℃×1hr空冷の条件で表面硬化処理した。
なお、比較例の加工方法は実施例1と同一である。
【0019】切削仕上げ面粗さをRmax :7〜11μm
とした以外の表面硬化処理条件、切削条件、ショットピ
ーニング条件は、実施例1と全て同一である。また、ロ
ーラピッチング試験条件も、ヘルツ応力 Pmax :30
0kgf/mm2 及び330kgf/mm2 とした以外は実施例1と
同じである。表2から明らかなように本発明例の接触疲
労寿命はいずれのヘルツ応力の場合にも比較例の疲労寿
命と比較して著しく高い。
とした以外の表面硬化処理条件、切削条件、ショットピ
ーニング条件は、実施例1と全て同一である。また、ロ
ーラピッチング試験条件も、ヘルツ応力 Pmax :30
0kgf/mm2 及び330kgf/mm2 とした以外は実施例1と
同じである。表2から明らかなように本発明例の接触疲
労寿命はいずれのヘルツ応力の場合にも比較例の疲労寿
命と比較して著しく高い。
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなごとく本発
明の製造法によれば、歯面の接触疲労強度を向上させる
ことができ、車両等のトランスミッション等の駆動伝達
系に用いるに最適なものである。
明の製造法によれば、歯面の接触疲労強度を向上させる
ことができ、車両等のトランスミッション等の駆動伝達
系に用いるに最適なものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 機械構造用鋼を歯切り加工、次いで浸炭
処理および/または窒化処理と焼入・焼戻処理により表
面硬化した後、歯面を粗さ(Rmax )0.3μm以上、
2μm以下にバレル研磨加工することを特徴とする高接
触疲労強度歯車の製造方法。 - 【請求項2】 機械構造用鋼を歯切り加工、次いで浸炭
処理および/または窒化処理と焼入・焼戻処理により表
面硬化して、ショットピーニング処理した後、歯面を粗
さ(Rmax )0.3μm以上、2μm以下にバレル研磨
加工することを特徴とする高接触疲労強度歯車の製造方
法。 - 【請求項3】 機械構造用鋼を歯切り加工後に、歯面を
粗さ(Rmax )0.3μm以上2μm以下にバレル研磨
加工し、次いで浸炭処理および/または窒化処理と焼入
・焼戻処理により表面硬化することを特徴とする高接触
疲労強度歯車の製造方法。 - 【請求項4】 機械構造用鋼を歯切り加工後、シェービ
ング加工を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か1記載の高接触疲労強度歯車の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3582793A JPH06246548A (ja) | 1993-02-24 | 1993-02-24 | 高接触疲労強度歯車の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3582793A JPH06246548A (ja) | 1993-02-24 | 1993-02-24 | 高接触疲労強度歯車の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06246548A true JPH06246548A (ja) | 1994-09-06 |
Family
ID=12452795
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3582793A Pending JPH06246548A (ja) | 1993-02-24 | 1993-02-24 | 高接触疲労強度歯車の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06246548A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6315646B1 (en) | 1998-10-23 | 2001-11-13 | Saga University | Processing system for increasing the quality of a gear and a barreling apparatus usable in the same |
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JP2007516096A (ja) * | 2003-05-30 | 2007-06-21 | アール・イー・エム・テクノロジーズ・インコーポレーテツド | 超仕上げ大型遊星歯車システム |
JP2010255540A (ja) * | 2009-04-27 | 2010-11-11 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 高圧燃料ポンプ |
JP2013542858A (ja) * | 2010-08-19 | 2013-11-28 | フェストアルピネ シュタール ゲーエムベーハー | 硬化防食鋼板部材の表面仕上げ方法 |
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CN108747233A (zh) * | 2018-05-04 | 2018-11-06 | 宁波市鄞州兴韩机械实业有限公司 | 一种机械主轴的加工工艺 |
CN115556005A (zh) * | 2022-10-21 | 2023-01-03 | 重庆大学 | 一种基于新型复合工艺的齿轮高表面完整性创成方法 |
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1993
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